5.あんかけスパゲティ

名古屋メシには何故か麺類が多く、スパゲッティ部門には「あんかけスパゲティ」と「鉄板スパゲティ」という2大スターがいる。「鉄板スパゲティ」は、ナポリタンを熱々の鉄製ステーキ皿にのせ、仕上げに溶き卵を流し込んだもので、味的にオリジナリティがあるわけではなく、むしろ、「あんかけスパゲティ」の方がインパクトがあってよろしい。どうしても“鉄板スパゲティ”を食べてみたい方は、モーニングの頁で取り上げた「甘味喫茶 おかげ庵 葵店」で食べてみて欲しい。
 今や名古屋人のソウルフードと言われる「あんかけスパゲティ」は、ラードで油通しをした2.2ミリの極太麺に、コショウの効いた野菜ベースのピリ辛あんかけソースがかかったもの。眼科医である「吉田つねひこ(統彦)」前衆議院議員も、ホームページ(  http://www.yoshitsune-kai.jp/legend/index.html  )でコメントを公開するほどの“あんかけスパ愛好者”として知られている。名古屋の至る所に専門店が見られ、有名店ではレトルトソース を販売しているほど。「ヨコイ」の外には“あんかけスパのパイオニア”と書かれてあるが、あんかけスパのオリジナルは、「ヨコイ」の先代が親戚と共にやっていた「そ~れ」で出していたスパゲティ。「そ~れ」開店から2年後、「ヨコイ」の店主が独立して現在の店を開店し、パイオニアを名乗った。「そ~れ」と「ヨコイ」の根本的な違いは、ソースの元となるオーブン焼して煮込んだ野菜ペーストを裏ごししているかいないかの違いらしい。ちなみに、このネーミングの名付け親は、やはり「そ~れ」で働いていた「からめ亭・本店」の先代店主で、名古屋名物「あんかけうどん」からヒントを得て名付けたという。その後、1992年の「ズームイン朝」で取り上げられたことにより、一気に全国的に広まった。ほとんどの店は麺のボリュームが3段階あり、それぞれ値段も異なっている。 

スパゲッティハウス ヨコイ 錦店

 住吉店と錦店の2店があるが、今回は繁華街にある錦店を訪れてみた。一番人気の「ミラカン」は、刻んだ赤ウインナーとハムに加え、玉葱とピーマンがタップリと入っており、取り上げた3店中最も具材のボリュームがある。薄茶色のあんかけソースは、濃いめでスパイシー。注文して僅か3分くらいで出てきたのには驚いたが、2.2mmの太麺は、アルデンテを全く無視した茹で置きの柔らかいもの。食べてみると、なんとなく給食麺のような懐かしい感じがして、高校生の頃から食べていたら結構好きになっていたかも。どのスパゲッティも、基本盛りの1の他、1.2、1.5(人前)と3つのボリュームがある。ちなみに、独特のメニュー名は、ヨコイの先代がイメージでつけたもので、ミラネーゼは、ミラノ=肉加工が盛んな街のイメージから連想されるハムソーセージが具材、カントリーは田舎のイメージから連想される野菜が具材といった感じ。ちなみに、ミラカンはミラネーゼ+カントリーの具材がのっている。この店のレトルトソースは、スーパーや土産店でも販売されている。

【錦店】 
中区錦3-14-25 アサヒビル1階    
電話:052-962-5855
定休日:日曜 
営業時間:月曜~土曜:11時~15時20分、17時~21時50分、祝日:11時~14時50分 
アクセス:市営地下鉄・東山線、名城線「栄駅」3番出口を出て直進し、信号を左折。「ホテルトラスティ」を過ぎて信号を渡り、「カゴメ本社」、「中納言」を過ぎるとすぐ右角。栄駅から徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:焼肉屋坂井

【住吉店】 
中区栄3-10-11 サントウビル2階    
電話:052-241-5571
定休日:無休 
営業時間:月曜~土曜:11時~15時20分、17時~20時40分、祝日:11時~14時50分、日曜:11時半~14時20分 
予算:ミラカン900円 
アクセス:市営地下鉄東山線、名城線「栄駅」から「丸栄」1階の広小路側出口を出て左へ進む。「みずほ信託銀行」を過ぎた次の「名古屋栄東急イン」角の信号を左折。“住吉町”のアーケードをくぐり、「日興コーディアル証券」を過ぎた交差点の右斜め向かい角のビル。栄駅から徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:名古屋栄東急イン 
お勧めポイント:ボリューム満点のスパイシーあんかけスパ

からめ亭・本店

 フランチャイズも展開している“あんかけスパゲティ”の店。名古屋市内には直営の「本店」と「丸の内店」の他、フランチャイズ店の「徳川店」がある。この店の特徴は、何と言っても「スパゲッティハウス ヨコイ」よりも更にスパイシーで濃厚な“黒い特製あんかけソース”であろう。一度食べると、「スパゲッティハウス ヨコイ」よりも中毒性があって“ヤバイ”感じ。この店にはもう一つのあんかけソース“カレーあんかけソース”があり、これを通常のソースとハーフ&ハーフにもできる。麺のボリュームは4段階(Sサイズ200g、Mサイズ300g、Lサイズ450g、Wサイズ600g)から選ぶことができ、麺はほどほどのコシがあって良い。オープンキッチンになっているので、店主やおばちゃんたちが作っている姿をみることができる。ちなみに、店舗でも下記ネットショップでもこの店のソースを購入出来るので、名古屋土産としても良いと思う。 
http://www.star-click.ne.jp/karame/itiran.htm

名東区高社1-191 サンローヤル東山1階    
電話:052-777-7031
定休日:日曜 
営業時間:11時~21時 
予算:ミラカンスパ1050円 
アクセス:市営地下鉄東山線「一社駅」1番出口を出てすぐに信号を右折し、緩やかな坂を上る。「サンクス」、「岡崎信用金庫」を過ぎ、公園横を通って「名古屋銀行」角を左折。100mほど進むと右側に見える。一社駅から徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:岡崎信用金庫一社支店 
お勧めポイント:黒いスパイシーあんかけスパゲティ

スパゲティハウス チャオ 
第5堀内ビル店

 この店は、名古屋市内に7店舗のあんかけスパ店を運営している(株)モリタが経営している。この店の麺は、アルデンテとはいかないまでも、3店中もっとも上手く茹でられていた。「スパゲティハウス ヨコイ」や「からめ亭・本店」などのスパイシー系あんかけスパも捨てがたいが、この店のマイルドな“あんかけスパゲッティ”の完成度が最も高く、今回のハードな取材の中で初めて完食してしまった。この日は午後7時に訪れたが、周りを見回すと、スパゲティのミラネーズにのっている上の具だけをおつまみにした「おつまみミラネーズ」と瓶ビール(生ビールもある)で、まずは一杯という常連客が多かった。さらにこの店には、「おつまみコートレット」なる名古屋名物の“味噌カツ”やどんな味か試したくなる“塩昆布キャベツ”などのおつまみ類もあるのでお試しを!また、店内ではお土産用のあんかけソースも販売している。この第5堀内ビル店が最もお勧めだが、名古屋駅周辺では他に【メイチカ菱信ビル店(052-562-5668)】、街の中心部では【中日ビル店(052-263-7510)】、【栄町ビル店(052-962-8907)】、【名古屋パルコ店(052-264-8377)】などがある。

中村区名駅4-5-19 第5堀内ビル1階   
電話:052-541-1846
定休日:無休 
営業時間:11時~22時 
予算:ミラカン720円(Sサイズ) 
アクセス:①市営地下鉄東山線、桜通線「名古屋駅」5番出口を出てやや右へ道なりに進むと「大和証券」が見えるが、その信号を挟んだ斜め向かい(ドコモショップ隣りの茶色いビル)。②JR名古屋駅直結のユニモール5番出口を出たら目の前。名古屋駅から徒歩2分。 
最寄りのランドマーク:JR名古屋駅、名古屋ビルディング、大和証券 
お勧めポイント:名古屋ベストあんかけスパゲティの店