3.餃子・おでん

中央区

ぎょうざ処 吉風 本店

 心斎橋のビルの中にある大阪餃子の専門店。本店とは言っても店内はカウンターのみの小さな店である。フードメニューは焼き餃子である「ぎょうざ」の他に、ワンタンスープのような「スープ(ぎょうざ入り)」、「スープ」、「本日のキムチ(今回は細切り大根)」、「白菜キムチ」、「きむちらっきょ」、「イカめんたい」、「きゅうり(浅漬け)」のみ。
 この店の名物である「ぎょうざ」は、大阪に多い平べったい小振りなタイプの餃子である。とは言っても、大阪の「天平(→ その他日本の旨い店・大阪府の頁を参照)」 や京都の「泉門天 祇園本店」ほど扁平ではない。また、博多鉄鍋餃子「鉄なべ 中洲本店(→ 福岡グルメバイブル・博多鉄鍋餃子の頁を参照)」のような通常の餃子を小ぶりにしたようなものでもなく、両者の中間といった感じだ。この焼き餃子の素晴らしい点は、とにかく焼き方のカリッとした食感が何とも言えないこと。それはまるでスナック感覚で食べられるくらい軽い感じである。それでいながら、餡は意外なほどシットリとしている。ニラも入っているのでコクもあり、お腹が空いていれば30個以上はペロリと平らげてしまうであろう、実に大阪らしい餃子である。(2015年8月追加)

大阪市中央区心斎橋筋2-7-11 日宝ロイヤルビル1階  
電話番号:06-6211-7019
定休日:月曜
営業時間:【火曜~土曜】18時~24時、【日曜】17時~22時半(いずれも売り切れ次第終了となる)
予算:ぎょうざ(10個)430円、今日のキムチ300円
アクセス:地下鉄御堂筋線・心斎橋駅から大丸百貨店を目指す。広い御堂筋を道頓堀方向へ進み、「Burberry」、「BOSS」、「Dolce & Gabbana」を過ぎ、「三津寺」の交差点を左折するとすぐ左側のビル。心斎橋駅より徒歩4分
最寄りのランドマーク:大丸心斎橋店
お勧めポイント:カリカリの個性的な大阪餃子が食べられる

白い壁の「三津寺」の先にある紫色の看板のビルにありますカウンター席しかありませんメニュー1メニュー2餃子のタレは醤油と酢、ラー油で作る僕好みに調製した餃子のタレ「本日のキムチ」は細切り大根焼き餃子「ぎょうざ」2人前で20個「ぎょうざ」のアップ。「天平」のような平べったい餃子に見えるが、多少厚みがあるあまり作り置きしないのか、目の前で餃子を包んでいた

北区

天平

 大阪・北新地の路地裏にある一口餃子店。僕の知る大阪の三大・一口餃子といえば、テイクアウトの「点天」とミナミの「南平」、そして北新地の「天平」。「天平」には、本店の他に天満店もある。この店の一口餃子は、小ぶりながら京都や大阪のどの店よりも皮がカリッとしている。両面ともカリッと焼かれていて、大げさに表現するなら、まるで千葉県野田のホワイト餃子の一口餃子版のよう。席に着いて、ビール(瓶のスーパードライのみで、ノンアルコールビールもある)と基本である20コを注文。出てきた餃子は、ゴマ油で焼かれている?と思うくらい香りが良い。餡の中には、豚ミンチと白菜、ニラに加えて予めラー油が入っている。なので、辛めが好きでない限り、ツケダレは醤油1:酢2の割合で混ぜてつけるがベストとのこと。他の一口餃子同様、どうしても焼くと餃子同士がくっついてしまうが、この店のカリッとした焼き方はくっつきが少なく、ベストな焼き方かも。しかし、北新地価格(東京で言う銀座価格)なのか、一口餃子としてはかなり値段が高いのが最大の問題。お腹が減った状態で行くとかなり高額となってしまうので、飲んだ最後の締めにビールと共に20個食べるくらいが良いと思う。値段を考えなければ、素直に餃子は美味しいと思うし、名物の可愛いおばあちゃんもいて、ほのぼのとした家族的な雰囲気がいい。なお、下記サイトからと関西・名古屋にあるタカシマヤでも購入が可能。 (2012年11月追加)
http://www.tenpei.jp/onlineshop/

大阪市北区曽根崎新地1丁目8-12  
電話番号:06-6341-1972 
定休日:日曜・祝日 
営業時間:16時~翌2時 
予算:餃子20個1100円、漬け物800円 
アクセス:地下鉄東西線・北新地駅出入り口2番を出て「スエヒロ本店」の交差点を右折してすぐ「スエヒロ本店」裏の細い通り(永楽町北通り)へ左折する。しばらく進むと右側にある。北新地駅より徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:スエヒロ本店 
お勧めポイント:カリッとした食感が美味しい一口餃子

阿倍野区

餃子の店 もも

 平べったい一口餃子は、大阪北新地の 「天平(→ 大阪府・餃子の頁を参照)が発祥と言われているが、この店も同じタイプの餃子を出す専門店である。場所は地下鉄御堂筋線・昭和町駅から徒歩1分という好立地。入口の左横にはお持ち帰り専用の窓口がある。店はカウンター席わずか7席という狭い店ではあるが、年配のご夫婦2人だけでやっているので、このくらいがちょうど良いのかもしれない。このため、壁には「長時間御着席のお客様には、次のお客様へお席をお譲りくださりますようお願い申し上げます」という表示が・・・。
 この日は2軒目だったので、時刻は既に22時を過ぎた閉店間際の時間。祭日のせいか客が誰もおらず、オーダーできること確認してからの入店となった。まずは、この店の生ビール・ヱビスビールを注文。メニューを見ると、餃子は「焼餃子」のみであったが、その他にも幾つか美味しそうなつまみがあった。とくに、「真烏賊のマヨネーズ焼き」は思わずビールがゴクゴクと進んでしまう一品。またこの他にも、タイ料理の春雨サラダ「ヤムウンセン(要予約)」や「豚胡椒蒸」、「変なやっこ」などの気になるメニューがあった。「焼餃子」は、前述の「天平」や復活した京都祇園「泉門天」の餡にも似たニラが入ったコクのあるタイプ。焼き方もカリッとしていて生ビールには最高の相棒だ。
 ちなみに、ネットを見るといつも満員のようなので、行く前に電話で確認するかできれば開店時に行った方が確実かも。(2015年7月追加)

  • 大阪市阿倍野区阪南町1-46-8  

電話番号:06-6622-8063
定休日:水曜
営業時間:17時~23時
予算:焼餃子(10個)500円、真烏賊のマヨネーズ焼き500円
アクセス:地下鉄御堂筋線・昭和町駅2番出口を出て、ドコモショップ横の小路を進み、最初の交差点を右折するとすぐ左側。昭和町駅から徒歩1分
最寄りのランドマーク: 地下鉄御堂筋線・昭和町駅2番出口
お勧めポイント:大阪名物の平べったい一口餃子が美味しい店

テイクアウト用の窓口

メニューはこれだけ

生ビールはヱビスビール

お通しは野菜スティック

「真烏賊のマヨネーズ焼き」は、しっかりと塩味が効いていてビールが進む

500円にもかかわらず、赤いクコの実が入っているなど、こだわりが感じられる

焼き餃子は10個で500円

表面がパリッと焼かれていて美味しい

「ポテトサラダ400円」も盛りつけが美しい。また、「インカの目覚め」を使っているのか?栗の様なしっかりとした歯ごたえがいい。但し、生っぽいタマネギが強烈すぎるのはいただけない

福島区

花くじら 本店

 福島にある行列のできるおでんの店。この店は北新地にあるような雰囲気のいいおでん屋ではなく、市場の路地にでもありそうなB級おでん店であるが、コスパ抜群の良質なおでんを食べさせてくれる。近くには、この本店の他に「北店」と「歩店」があるが、どうせ訪れるなら、B級感あふれる本店のカウンター席がお勧めである。この店のスタッフは、女将さんも含めて女性スタッフのみというのもいい。
 本店の1階にはコの字型のカウンター席があり、入口側にはテーブル席がある。2階には予約可能な座敷があるらしいが、今回の取材では残念ながら見ることはできなかった。1階は夏の暑い時期には簾を立てかけ、オープンテラスのような開けっ放しとなる。
 基本的に関東は鰹出汁、関西は昆布出汁と言われるが、この店の出汁は色が薄めの昆布出汁メインの関西風の出汁である。口に含むと思わず旨い!と思える口当たりの優しい良質なダシだ。メニューを見ると、「さえずり」や「ころ」以外に値段の表示はないが、どれも200~300円くらいの低価格である。カウンター内では、美味しそうなおでんが丸鍋の中でグツグツと煮えている。
 まずは、瓶ビール(キリンの一番搾り)とともに、店名を冠した「はなくじら」を注文。「花くじら」とは、脂肪とゼラチン質からなる「鯨の尾ビレの塩漬け」を薄く切って熱湯をかけ、冷水でさらしたもの。これを酢味噌でいただく。大阪で好んで食べられるものらしいが、香りと食感は食べ慣れないものにとって特に美味しいとは思えないような代物である。やはり、お勧めはおでんで、大阪おでんの鉄板メニュー「さえずり(鯨の舌)」や「ころ(脂肪の多い鯨肉を揚げ、油を絞った残りを乾燥させたもの)」、魚のすり身と豆腐を混ぜ合わせた「UFO」、七味がかけられた「大根」、関西らしく味噌を垂らした「生麩」などがいい。さらに、特にお勧めしたいのが「ねぎま」である。
 ちなみに、開店後すぐに満員となってしまうので、待たずに入店したければ開店の5分前には訪れたい。また、前述のように本店と歩店には座敷があり、この座敷に限っては予約が可能である(6名~30名、飲み物の持ち込みについては要相談)。さらに、混雑時には90分のレギュレーションがある。(2015年12月追加)
http://hanakujira.com

大阪市福島区福島2-8-2  
電話番号:06-6453-7486
定休日:無休(暑い8月の1ヶ月間は休業となり、年末年始については上記ホームページを参照)
営業時間:16時半~23時
予算:ころ600円、さえずり800円
アクセス:JR東西線、阪神・新福島駅の出入り口2番出口を出て反対方向へ向かう。浄正橋交差点を右折し、さらに一つ目の交差点を右折して福島天満宮を過ぎるとすぐ右側。新福島駅から徒歩3分
最寄りのランドマーク:浄正橋交差点、上天神交差点、福島天満宮
お勧めポイント:あくまでもB級店ながら良質なおでんが味わえる

鳥居の奥の「おでん」の看板が見えるところ鳥居の奥の「おでん」の看板が見えるところここです夏はこのようなオープンな感じカウンター内では、美味しそうなおでんが丸鍋の中でグツグツと煮えているテイクアウトしている客もいたメニューこれが店名を冠した「はなくじら」。「花くじら」とは、脂肪とゼラチン質からなる「鯨の尾ビレの塩漬け」を薄く切って熱湯をかけ、冷水でさらしたもの「すじ」は普通「くじらベーコン」も普通魚のすり身と豆腐を混ぜ合わせた「UFO」。お勧め!「じゃがいも」と「大根」大阪おでんの鉄板メニュー「さえずり(鯨の舌)」左が「生麩」で右が「ころ(脂肪の多い鯨肉を揚げ、油を絞った残りを乾燥させたもの)」超お勧めの「ねぎま」

その他の地域

堺市

閉店 たこ吉

 「吉兆」の創業者である湯木貞一氏も通っていたという有名おでん店。大阪ミナミと東京銀座で店を構える創作おでん店「四季のおでん」の女将もここに通って教えを受けたという噂だ。古くて狭い店内はカウンター席のみで、大将と店長と呼ばれる女将さん(奥さん)の2人でやっている。コースはワンコースのお任せのみで、完全予約制である。席に着くと、まずは突き出しが出され、その後次々と美味しいおでんが出てくる。基本的にベースとなる出汁は共通だが、それぞれにちょっとしたアクセントが加えられて出される。出汁は鶏のスープに魚介や野菜の旨味が加わり、ス~と入ってくる優しい味でありながら、“ポトフ”のような深い余韻と旨味が感じられる。なので、ついつい全てのおでんの汁を飲み干したくなるが、おでんのボリュームを考えると、全てを飲んでいたら最後までたどり着けなくなるので、自分のキャパを考えて飲むべき。特に、最後に出される「じゃがいもバター」は、出汁が染みたジャガイモとバターの塩味が最高のハーモニーを奏でる素晴らしい逸品である。また、大将や女将さんの人柄も素晴らしく、ホスピタリティが感じられる素晴らしい店だ。(2013年2月追加)

堺市堺区中之町東2-1-26  
電話番号:072-228-2977
定休日:木曜・祝日 
営業時間:基本的には18時~19時と20時~21時半の入れ替え制 
予算:6300円のワンコース 
アクセス:阪堺電軌阪堺線・宿院電停からフェニック通を渡り、線路に沿って紀州街道を進む。「第一ゼミナール」、「けし餅本舗 小島屋泰芳」、「美々卯」を過ぎた一方通行の信号を左折。3つ目の通りを左折するとすぐ左側。宿院電停から徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:宿院電停、フェニックス通(国道26号)、紀州街道 
お勧めポイント:旨味が凝縮した出汁スープで炊かれた創作おでん