4.カナダグルメ(バンクーバー編)

Le Crocodile

 今回のバンクーバーの旅では、バンクーバーで人気のフレンチ店を3軒訪れたが、この店が日本やパリのフレンチに最も近く美味しかった。それもそのはず、この店は「Vancouver Restaurant Awards 2012」のBest Upscale Frenchに輝いた店なのである。
 ビルの1階にあり、フォーマルとカジュアルの両方の雰囲気を併せ持つレストランである。店を訪れると、まだ開店して間もないのにも関わらず、すでに半分以上の客席が埋まっていた。やはりかなりの人気店らしく、予約なしでは入れないようだ。
 初めての店なので、シェフのお勧めの「Chef’s Tasting Menu」とそれに合わせたグラスワインコース「Sommelier Suggested Wine Pairings」を注文。サプライズ的な料理は一切なかったが、どれも火加減が良く、軽めの味付けで美味しい。美味しかったのに何故1つ星かというと、これは日本やフランスのフレンチ店も含めた評価であり、もしもカナダ限定であれば2つ星としても良いくらい。(2013年9月追加)
http://lecrocodilerestaurant.com/

100-909 Burrard St. Vancouver  
電話番号:604-669-4298
定休日:日曜・祝日
営業時間:【月曜〜木曜】11時半〜14時半、17時半〜22時、【金曜】11時半〜14時半、17時半〜22時半、【土曜】17時半〜22時半
予算:Chef’s Tasting Menu (Five course Tasting Menu) 75ドル、Sommelier Suggested Wine Pairings 45ドル
アクセス:スカイトレイン・Burrard駅を出て右へ。「クライストチャーチ大聖堂」、「Fairmont Hotel Vancouver」を過ぎ、Robson Streetの2つ目のSmithe Streetを右折するとすぐ左側。スカイトレイン・Burrard駅から徒歩4分。
最寄りのランドマーク:クライストチャーチ大聖堂、Fairmont Hotel Vancouver、Smithe Street
お勧めポイント:Vancouver Restaurant Awards 2012のBest Upscale Frenchに輝くフレンチ店

麒麟
Kirin Restaurant Vancouver Downtown本店

 バンクーバーの街を歩いていると東洋人とよくすれ違うが、そのほとんどは中国人である。そういえば、この街には北米でも有数のチャイナタウンがある。バンクーバー在住の中国人や日本人に最も人気のある中華料理店がこの「麒麟」で、バンクーバーに2店、カナダに計4店舗ある。店内は中国語を話す観光客や地元の中国人客で常に賑わっている。あくまでも推測ではあるが、この日の客の8割くらいが中国人客で、残りの2割が日本人と他の国といった感じだ。
 入り口を抜けると天井が高く奥行きがあり、思った以上の大箱店である。入り口側にも僅かながらテーブル席があり、2階へ向かう正面の階段を上ると、広いメインダイニングがある。メニューは中国語と英語の他、日本語も併記されているのでとても親切。昼はランチタイム用の飲茶中心のメニューで、ほとんどが5ドル前後の価格。ディナー用のメニューは、ランチ用に比べるとかなり高い。なので、ディナーで食べるなら活ロブスターが入った2名198ドルの「活ロブスターのコンビネーション」のコースがリーズナブルだ。メニューに中国ビールと日本のビール(アサヒとサッポロ)があったので、僕らはサッポロ黒生をチョイス。
 結論として、この店の料理は美味しい料理を上手く選べば結構良い店であるが、選び方を誤れば“ウーン”という感じである。ランチタイムに行った今回の良かったメニューと悪かったメニューを列記すると、良かったものは「海老蒸し餃子」や「特製醤油味のライスロール焼き」などの点心類と「黄韮・エビ・豚肉の湯葉巻き揚げ」などの揚げ物である。別な日に行った友人によると活ロブスターを使った「Live Lobster Special」も美味しかったそうだ。逆にダメだったものは、長粒米を使った「麒麟スペシャルチャーハン」や硬かった「マンゴープリン」、まるで蒲鉾のような「牛挽肉ボールと乾燥タンジェリンピールの湯葉蒸し」、揚げすぎでソースが甘過ぎの「オヒョウのハラミのシェフ特製ソース」、ハチノスの臭みが抜けておらずカレー味ともマッチしていない「蒸した牛のハチノスのカレーソース」など。
 北米の中華料理店はどこもそうであるが、どの料理もボリュームがあり、いつものように注文すると、日本人なら残してしまうほどの量である。もしも料理が残ってしまい、翌日の朝食として食べたいと思ったら、包んでお持ち帰りすることも出来る。ちなみに、人気店なので予約は必須。2名で予約する際には、2名席か大きな丸テーブルのどちらが良いか?と聞かれるが、もしも相席が嫌ならば、かなり狭いテーブルであるが2名席の方をチョイスしよう。それにしても、これだけの大箱店にも関わらず、料理がテンポ良く出されるのは凄い。現時点でこれまで北米で食べた中華料理店の中では1番美味しかった。(2013年8月追加)
http://www.kirinrestaurants.com/index.php5

1172 Alberni Street Vancouver  
電話番号:604-682-2812
定休日:無休
営業時間:【月曜〜金曜】11時〜14時半、17時〜22時半、【土日・祝日】10時〜14時半、17時〜22時半
予算:Live Lobster Special 18.80ドル、黄韮・エビ・豚肉の湯葉巻き揚げ4.98ドル
アクセス:スカイトレイン・Burrard駅を出て右へ。「クライストチャーチ大聖堂」を過ぎ、「Fairmont Hotel Vancouver」前の細い通りAlberni Streetを右折する。交差点を1つ過ぎるとすぐ左側。スカイトレイン・Burrard駅から徒歩4分。
最寄りのランドマーク:クライストチャーチ大聖堂、Fairmont Hotel Vancouver、Alberni Street
お勧めポイント:バンクーバーで中国人や日本人に最も人気のある中華料理店

HY’S ENCORE 
 STEAKHOUSE & COCKTAIL BAR
           バンクーバー店

 カナダに5店舗を展開するステーキハウスで、このバンクーバー店はダウンタウンの中心街にある。実はこの店、「Vancouver Restaurant Awards 2012」のBest Steakhouseに選ばれたほどの有名店である。窓がなく入り口しか見えない外観からはとてもステーキ店とは想像できないが、中は重厚感漂う大人の店なのである。しかし、店内はかなり暗く、まるでオーセンティックバーのよう。入り口付近にはバーが、そして段差のある奥のフロアにはテーブル席が配置され、、更なる奥にはガラス張りのキッチンが見える。気づかなかったが、ネットで調べてみると、この他に16名まで対応できる個室も完備しているようだ。キッチンの中を伺うと、インド・パキスタン系(あるいは西アジア系?)のシェフが焼いている。
 サービス担当の東洋系のチーフの方はとても親切で、気軽にメニューの相談にのってもらえる。ワインリストは、最近日本のフレンチ店でも見かけるiPadメニューで、これには細かい情報が掲載されているのでいい。先ずはグラスシャンパンと「チーズトーストCHEESE TOAST(2人前)」を注文。さらに、今回は折角なので、お手頃なカナダ産赤ワインを注文。若いカベルネソーヴィニョン種のブレンドワインであったが、コスパ的には良かった。前菜で注文した生のカナダ産オイスターは 「Gotham Steakhouse & Cocktail Bar(→ その他世界の旨い店・カナダの頁を参照)」 の方が美味しかった。さらに、本日のスープ「クラムチャウダー」は、ボストンで食べたものより上品で洗練された味だった。続いてメインの肉をいただく。HOUSE SPECIALITIESの数々のステーキも魅力的だが、今回僕が食べたHY’S FAMOUS STEAKSの「BONE-IN RIB STEAK」はとても美味しかった。これに対し、同僚の新田先生が食べたROASTED PRIME RIB OF BEEF「A HY’S TRADITION」はジューシー感がなく肉の旨味に乏しいため、お勧めできない。もしも、「BONE-IN RIB STEAK」以外で注文するとしたら「THE “ONLY” NEW YORK STRIP:our signature steak specially prepared with Hy’s steak sauce – “Only” available at Hy’s」が良いかも知れない。しかしながら、「Gotham Steakhouse & Cocktail Bar」同様、ミディアムレアで注文したが結果的にミディアムで出てきたのが残念だった。つけ合わせに注文したロブスターの身の部分だけをローストした「ATLANTIC LOBSTER TAIL」は甘みと弾力があり、溶かしバターをつけなくても十分美味しかった。さらに、デザートワインのアイスワインは複雑味がなくイマイチだったが、デザートの「キーライムパイ」は思っていたより美味しかった。 
 ちなみに、この店は基本2回転システムのようで、予約の際に17時半か20時半スタートのどちらかにしてほしいと言われた。また、人気店なので出かける前の予約は必須である。(2013年7月追加) 
http://hyssteakhouse.com/

Downtown 637 Hornby St. Vancouver  
電話番号:604-683-7671
定休日:無休 
営業時間:【ランチ】月曜〜金曜11時半〜15時、【ディナー】日曜から木曜は17時半〜22時、金曜〜土曜は17時半〜22時半 
予算:BONE-IN RIB STEAK 46.95ドル、ATLANTIC LOBSTER TAIL 29.5ドル 
アクセス:スカイトレイン・Burrard駅を出ると過ぎに右に「クライストチャーチ大聖堂」が見えるのでその裏通りのHornby Streetにある。スカイトレイン・Burrard駅から徒歩2分。 
最寄りのランドマーク:クライストチャーチ大聖堂、バンクーバー美術館、Hornby Street
お勧めポイント:ボーンリブステーキが美味しい

Gotham Steakhouse & Cocktail Bar

 バンクーバーのダウンタウン中心街にあるステーキ店。実はこの店、僕の知り合いのまた知り合いであるバンクーバー在住のカナダ人シェフが推薦してくれた店。僕がカナダで旨いステーキを食べよう!という思いに至った理由は、単純に美味しい赤身のステーキが食べたかったからである。最近日本でも肉の赤身の旨味を追求したドライエイジング(空気が対流する0〜4℃の部屋で肉を乾燥熟成させること)を標榜する店が増えてきたが、どの店に行ってもアメリカ・ボストンの「Fleming’s PRIME STEAK HOUSE & WINE BAR」で食べた「ニューヨークプライムリブステーキ」のようなジューシーで旨味のあるステーキには出会えていない。例えば、東京・虎ノ門に進出した全米で人気の高級ステーキ店「RUTH’S CHRIS STEAK HOUSE」も麻布十番の人気店「WAKANUI」もどこかしら違うのである。思わず、ステーキはやはり北米大陸で食べなければダメなのか?という思いに至ったのである。 
 店内に入ると天井が高く、まるで高級フレンチ店のようにシックで重厚感のあるインテリア。しかも、優に50〜60人くらいは入れそうな大箱店である。僕らのテーブル担当の恰幅のいい店員は、とてもフレンドリーでいろいろな注文にも笑顔で答えてくれた。 
 先ずはグラスシャンパンと地ビール、そしてシーフードの盛り合わせ「Seafood Tower」を注文。2段皿には、生牡蠣やボイルされた海老、タラバガニ、ズワイガニの蟹の爪、スモークサーモンなど色々入っていたが、結論としては、やはり生牡蠣がずば抜けて美味しい。なので、前菜は生牡蠣だけで十分だと思う。バンクーバーで生牡蠣を注文すると、店によっては3種類を置いている。西海岸産と東海岸産、そしてカナダ産の「Kusshi(クッシ)」である。「Kusshi(クッシ)」が最もポピュラーで、小ぶりであるが日本のサロマ牡蠣のように味が濃厚で美味しい。この店の生牡蠣も当然Kusshiなので、来店の際には必ず注文してほしい。続いて「シーザーサラダ」、そして店員お勧めのステーキ「Bone-in Rib Steak」を注文。つけ合わせのポテトは「マッシュポテト」、「フレンチフライドポテト」、「ベイクドポテト」の3種から選べるが、フライドポテトは日本の方が美味しいので、北米ではクリーミーなマッシュポテトがお勧め。この店では更にシンプルなマッシュポテトとニンニク入りのガーリックマッシュポテトのどちらかを選択できるが、お勧めはシンプルな方。「Bone-in Rib Steak」の肉を噛むと、旨味タップリでとてもジューシー。噛む度に深く肉の旨さをしみじみと感じさせてくれるステーキである。しかしながら、ミディアムレアで注文したにも関わらず焼き上がりはミディアムだったので、やはりレアと注文した方が良いかもしれない。また、大きなパンもカリッと温かくて美味しいし、デザートの「Ice Cream Sundae with Chocolate & Caramel Sauces」もこの種の店としては十分合格点。ワインリストは5000円〜10000円の若いワインが中心で、グラスワインもかなりある。もしもボトルで注文するなら、ボルドータイプのカナダ産ワイン「Laughing Stock “Portfolio” Red Bordeaux Blend Okanagan Valley 2010」が意外にもかなり美味しくお勧め。ちなみに、人気店なので行くときは必ず予約してから出かけた方が良い。(2013年8月追加) 
http://www.gothamsteakhouse.com/

615 Seymour St., Vancouver, BC V6B 3K3  
電話番号:604-605-8282
定休日:無休 
営業時間:【ランチ】月曜〜金曜:11時半〜15時半、【ディナー】月曜〜日曜:16時半〜23時、【バー】月曜〜金曜:11時半〜閉店まで、土日・祝日:16時〜閉店まで 
予算:Fresh Oysters today’s best selection18.5ドル、Seafood Tower 99ドル、Bone-in Rib Steak 56.96ドル 
アクセス:スカイトレイン・Granville駅を出て右へ。すぐに「ST REGIS HOTEL」が見えるので角を右折すると、すぐ右側。スカイトレイン・Granville駅から徒歩1分。 
最寄りのランドマーク:スカイトレイン・Granville駅、ST REGIS HOTEL、 
お勧めポイント:Bone-in Rib Steakが美味しいバンクーバーのベストステーキ店