4.フレンチ

中央区

移転 ロランジェ L’ORANGE

 薄野の古いビルの2階にあるカウンターフレンチの店。若きオーナーシェフである大原さんは、「ル・バエレンタル(現・オーベルジュ・ド・リル サッポロ → 札幌グルメバイブル・フレンチの頁を参照)」の他、ひらまつグループのレストランで修行し、大阪の「ラ・フェット ひらまつ」の料理長を勤めた人物。
 この店の料理は、北海道産素材にこだわった少量多皿コースである。ワインリストはないので、料理に合わせて6杯出るというお得なペアリングコースに。一品目の「秋鮭のムース」は、生イクラにイクラのパウダーが香る。二品目の「ゆり根と玉ねぎのロワイヤル」は、玉ねぎの甘みがいい。三品目の「カリフラワー・真鱈の白子のムースかけ」は、カレーの様な香りとクリーミーな白子の相性が抜群。四品目の「真ツブのカルパッチョとカブのポタージュ」は、滑らかなカブのポタージュに、シャキシャキとしたリンゴの食感が合うが、残念なら真ツブの存在感はなかった。五品目は、この店のスペシャリティである「毛蟹のラビオリ・アメリケーヌソース」。ラビオリというよりはむしろ、毛蟹をハンペンのようなメレンゲで包んだような感じだ。ソースは多少甘めであるが、濃厚なインパクトがあって悪くはない。六品目は「真鱈の顎のカダイフ揚げ」。酸味のあるマヨネーズ様のディップにつけて食べると、フィッシュ&チップスのようなサクッとした衣(トルコの食材で、小麦とトウモロコシなどでできた極細麺状の生地)が合う。七品目は「熟成した赤平産小鳩の炭火焼き」。スモークされた香り、肉質、塩加減、火の通し方、シェリービネガーの効いた酸味のソース、どれもが調和され、この日最高の逸品だった。そして、デザートが出て、ジャスミン茶とチョコレートのマカロンで終了となった。
 この店は、基本的に店主一人で調理している完全予約制の店であるため、混んでいると、出てくるのに多少時間がかかるかもしれない。しかし、どの料理も、美味しいものを食べさせたいというシュフの熱意が伝わってくるものばかりだ。これで、もう少し料理の完成度が高まれば、ブレイクスルーしそうな予感がする。現時点では1.5星くらいであるが、コスパ抜群であることと、今後の期待を込めて2つ星とした。(2020年1月追加)
https://lorange-sapporo.com

中央区南五条西3-1 5・3BLD 2階  
電話番号:011-213-0803 
定休日:日曜
営業時間:17時半〜22時半
予算:お任せコース8000円(完全予約制)
アクセス:地下鉄南北線・すすきの駅3番出口を出て、右の薄野交番側に向かわず、左の交差点を左折し、駅前通を南へ進む。「ROUND1」の信号を過ぎ、次の交差点を左折して進むと左側のビル。地下鉄南北線・すすきの駅から徒歩4分
最寄りのランドマーク:ROUND1
お勧めポイント:コスパ抜群のカウンターフレンチ

このビルの2階です エレベーターを出て廊下を進むと ココです! 客席はオープンキッチンのカウンター席のみ この店の料理は、北海道産素材にこだわった少量多皿コース。一品目の「秋鮭のムース」 生イクラにイクラのパウダーが香る 二品目の「ゆり根と玉ねぎのロワイヤル」 玉ねぎの甘みがいい 三品目の「カリフラワー・真鱈の白子のムースかけ」は炙られ、カレーの様な香りとクリーミーな白子の相性が抜群 四品目の「真ツブのカルパッチョとカブのポタージュ」 滑らかなカブのポタージュに、シャキシャキとしたリンゴの食感が合うが、残念なら真ツブの存在感はなかった 五品目は、この店のスペシャリティである「毛蟹のラビオリ・アメリケーヌソース」 ラビオリというよりはむしろ、毛蟹をハンペンのようなメレンゲで包んだような感じ。ソースは多少甘めであるが、濃厚なインパクトがあって悪くはない 六品目は「真鱈の顎のカダイフ揚げ」。酸味のあるマヨネーズ様のディップにつけて食べると、フィッシュ&チップスのようなサクッとした衣(トルコの食材で、小麦とトウモロコシなどでできた極細麺状の生地)が合う 七品目は「熟成した赤平産小鳩の炭火焼き」 スモークされた香り、肉質、塩加減、火の通し方、シェリービネガーの効いた酸味のソース、どれもが調和され、この日最高の逸品だった デザート(詳細は忘れました) ジャスミン茶と小菓子で終了小菓子はチョコレートのマカロン

レストラン MINAMI(旧 イル・チェントロ ひらまつ)

 今年の9月13日に「イル・チェントロ ひらまつ」からリニューアルオープンしたフレンチレストラン。ひらまつグループの中で、日本人シェフの名前を冠したレストランは僅かしかなく、南シェフに対する平松宏之氏の信頼が感じられる。南 大輔シェフは、代官山「シンポジオン」や広尾「レストランひらまつ 広尾」を経て、円山の「ル・バエレンタル(現 オーベルジュ・ド・リル サッポロ)」の料理長をされていた方で、僕を含めて多くの固定ファンを持つ人気シェフだ。
 エスカレーターで4階まで上がると、金属文字で「RESTAURANT MINAMI」と書かれたウッディなレセプションが見える。名前を告げて右側のウェイティングスペースへと進むと、そこにはソファーがあり、とてもゴージャスな雰囲気。レストラン中央には木の温もりを感じさせる広々としたパーティサロンがあり、結婚披露宴や各種パーティに利用できる。それを囲むようにメインダイニングや個室、キッチンなどがあり、メインダイニングは誰もが意外と思われるかもしれないが、窓側に沿って配置されたボックス席のようなモダンなテーブル席なのである。ここからは、赤レンガ庁舎や銀杏並木を望むことができ、変わり行く四季折々の札幌のロケーションを楽しむことができる。また、広さの異なる個室も充実しており、どんな人数にも対応できそうだ。
 肝心の料理であるが、かつての「ル・バエレンタル」の頃の南シェフの料理が、ようやく戻ってきた感じがする。火の通し方、塩味ともに完璧で、今後更に南シェフらしさが加われば、更に完成度が増すのではないかと思う。また、価格は「オーベルジュ・ド・リル サッポロ(→ 札幌グルメバイブル・フレンチの頁を参照)」よりも低く設定されており、コスパに関しても申し分ないと思う。メインとなるサービススタッフは、「ル・バエレンタル」や「オーベルジュ・ド・リル サッポロ」の頃からのベテラン陣が脇を固めており、我々をすばらしい非日常へと誘ってくれる。また、グラスワインも充実しているので、気軽にランチやディナーを楽しんでみてはいかがだろうか。(2018年10月追加)
https://www.hiramatsurestaurant.jp/minami/

中央区北2条西4丁目1番地 赤れんがテラス4階   
電話番号:011-252-3471
定休日:不定休
営業時間:【ランチ】11時半 ~ 13時半、【ディナー】17時半 ~ 20時半
予算:【ランチ】3000円、5000円、【ディナー】6500円(平日限定)、8000円、12000円(早めの予約であれば、それ以上の価格のコースも可能)
アクセス:JR札幌駅あるいは大通公園
最寄りのランドマーク:JR札幌駅や地下鉄さっぽろ駅、大通駅に繋がる札幌駅前通地下歩行空間「チ・カ・ホ」と直結
お勧めポイント:南シェフの作る洗練されたフレンチが味わえる

ここ赤れんがテラスの・・・ 4階です エスカレーターで4階まで上がると、金属文字で「RESTAURANT MINAMI」と書かれたウッディなレセプションが見える
本日のスペシャルメニューは、具体的な名前ではなく、今流行の想像力をかき立てる素材だけが書かれています 最初の突き出しは「グジェール」。チーズ味のシュー皮です 中味は何も入っていません はじまりの一皿はスープ? 「トリュフ風味のロワイヤル(茶碗蒸し)」でした 続いては「蕪、雲丹、シャルトリューズ」の冷製 見た目も美しい!しかも旨い!! 何?これ!「牡丹海老、ナッツ(ピスタチオ)、ゆり根」の冷菜
 半生のボタン海老に、濃厚なナッツのソースが意外にもよく合う カリッとシットリと焼かれたパン 無塩バター(別に塩も)の他に、オリーブオイルが 「蝦夷鮑、松茸」 エゾ鮑のグリルに焼いた国産松茸がのっている。シンプルながら美味しい 「甘鯛、根セロリ」 見たとおり、皮目が香ばしくカリッと焼かれており、柔らかな甘鯛の身とのコントラストも抜群 「鴨肉、イチジク」 鴨肉の質がいいのはもちろんだが、ソースも絶品 「西洋梨、キャラメル」 西洋梨のコンポートと何だったけなあ〜 キャラメルのジェラート
エスプレッソと「小菓子 これで終わりと思っていたら、チョコレートがいろいろと出てきた

メリメロ méli mélo

ミシュラン北海道2017年度版で1つ星を獲得した狸小路のビルにあるフレンチレストラン。かつて円山エリアにあり、コスパが良いことで人気だった店だ。しかし、その後一度閉店となり、シェフが修行し直してリニューアルオープンとなった。前の店舗に比べるとやや狭くなり、明るくカジュアルな感じとなった。前店舗でのグルメバイブルの掲載は残念ながら見送られたが、新店舗となってからは今回が改めての訪問となる。
 ワインリストを見ると、グラスワインは、シャンパンが1種類、白、赤それぞれ3種類。ボトルワインは若いワインが中心で、5800円〜220000円という価格幅であった。シェフが同じなので、料理の印象は大きくは変わってはいない。以前の店舗の頃に比べると、素材がより厳選され、現代的な洗練された料理を出すようになったが、その分価格も上がった。ちなみに、コースのラストオーダーとなる20時以降は、コースのメニューから抜粋したアラカルトメニューを注文可能となるようだ。(2017年11月追加)
http://melimelo-sapporo.com

中央区南3条西3丁目11 メッセビル2階 
電話番号:011-223-5075
定休日:月曜(祝日の場合は営業)
営業時間:【ランチ】12時〜13時半(水曜〜日曜、祝日)、【ディナー】18時〜
20時(24時閉店)
予算:【ランチ】3000円、5000円(税別)、【ディナー】8000円、10000円、14000円(税・サービス料別)
アクセス:地下鉄南北線・すすきの駅1番出口を出て「ケンタッキーフライドチキン」を過ぎ、狸小路を右折すると右側のビル。すすきの駅から徒歩2分
最寄りのランドマーク:ケンタッキーフライドチキン(薄野交差点近くの)、狸小路3丁目
お勧めポイント:厳選された素材によるモダンフレンチ

狸小路3丁目のこのビルの2階です そうです!「びっくりドンキー」のビルです 2階の雑貨店の横にあります 店内は狭く、カジュアルな感じ。キッチンもオープンで見えます この日のグラスワイン ワインリストの中からブルゴーニュワイン 1万円のコースのスタートは、このアミューズ2品から ガスパチョ? イワシが入っている!? 自家製パンとバター ホタテとホッキ貝のソテー 鱗付きの甘鯛のソテーにブイヨンをかける 完成・・・ 仔羊のロースト 火の入り方は完璧! 肉料理は引き出しの中のこのナイフで 口直しのソルベ デザート 小菓子エスプレッソ

アモワールAmoir

 フレンチをベースに、イタリアンや和のテイストを盛り込んだ創作系フュージョンレストラン。目新しい建物の階段を上って2階へ上がると、天井の高い広い空間が広がる。それはダイニングそのものの広さというよりもむしろ、キッチンとダイニングが一体となった空間がそう感じさせているようだ。キッチンと客席の間には視界を遮るようなものがなく、客席からキッチンが丸見え状態なのである。最近のトレンドなのか?大阪の 「アニエルドール(→ 大阪グルメバイブル・フレンチの頁を参照)」 などと同様なキッチンと客席が一体となったレストランを、たまに見かけるようになってきた。
 この店のコースは5000円(税込み)のみで、基本はアラカルトメニューである。メニューを見ると、北海道各地の食材を使った品々が並ぶ。どうやら、この店は道産食材を使った料理が売りのようだ。また、素材の火の通し方にもこだわっている様で、生のタルタルから炙り、さらに55℃ボイルやコンフィなど、食材を様々な温度で調理する。ちなみに、ハムやソーセージなども自家製である。
 料理はどれも平均以上のレベルで美味しい。コース料金の設定が安く、しかも道産素材をふんだんに使用しているので、道外からの観光客にも受けそうだ。しかしながら、料理人一人、サービス一人でやっているので、混んでくると料理が出てくるのに時間がかかるかもしれない。(2017年4月追加)https://en-gb.facebook.com/amoir2016.11.1/

中央区南2条西10丁目1000-15 アオイビル2階  
電話番号:080-4505-8336
定休日:不定休
営業時間:17時〜翌1時
予算:おすすめコース5000円
アクセス:地下鉄東西線・西11丁目駅2番出口を出て、右手(南側)に向かう。札幌プリンスホテル前の信号を東側へ渡り、100円ショップ隣の中央区民センター前の角を左折し、150mくらいで左側にある。地下鉄東西線・西11丁目駅より徒歩5分。(駅前通りからだと、狸小路を西に進み(数字が多い方)、アーケードがなくなって「三角山五右衛門ラーメン」を過ぎたらすぐ右側
最寄りのランドマーク:札幌プリンスホテル、中央区民センター図書室、狸小路
お勧めポイント:厳選された北海道産素材を使った美味しい一皿が味わえる

狸小路を西に向かい、屋根がなくなる石山通に近い通りにあります(ジンギスカンの結び亭の並び) ココです 階段を上がって2階へ向かいます 店内は白を基調とした明るい感じ。奥に見えるのが調理場です コースメニューはフルコースで税込み5000円とお値打ち アラカルトメニューの本日のお勧め アラカルトメニュー1 アラカルトメニュー2 突き出し 「北海道産鶏レバーのムース」は滑らかでリッチな味わい。お勧め! 「伊達産めぐみ鶏とナンコツのリエット」 「本日のOSASHIMI 醤油とオリーブオイルのソース」は、カルパッチョというより、和食そのもの 「十勝彩美牛の炙り刺し」は赤肉がトロトロ。お勧め! 「今金町男爵いものフライドポテト」は今金町男爵の濃厚な風味が感じられず、「ゴルゴンゾーラチーズとナッツを練り込んだポテトサラダ」にすべきだったと後悔 「厚岸産牡蠣とキノコの軽いソテー 貝類の泡ソース」 皮がカリッと焼かれ、肉がシットリと軟らかい「伊達産めぐみ鶏の55℃ 凝縮エキス」はシットリとして美味しい。お勧め! 小海老、トマト、オリーブ、ケーパ、茄子などで作った「ブッタネスカ(娼婦風スパゲッティ)」 

レストラン ミヤヴィ 
 Restaurant MiYa-Vie

 一昨年の10月に、南円山から移転してきたフレンチレストラン。地下への階段を降りると、「スナック みや」という表示があるが、こちらは全く無関係な別な店である。右側のガラスの扉を開けると、白木でできた扉が正面と右側に一つずつある。間違って右の扉を開けると、そちらはトイレなので注意されたい。正面にあるスライドドアの方を開けると、手前にL字型のオープンキッチンのカウンター席があり、奥に6名までのテーブル席がある。木をふんだんに使用したインテリアは、明るく落ち着いた感じだ。今、レストラン業界でもダウンサイジングというのが流行っているらしいが、南円山の広かった店と比べると、新しい店はかなり狭くなっている。
 ディナーコースは、今回いただいた7〜8皿のコースと、量の少ない4〜5皿のコースの2コース。何れのコースも価格は同じで、違いは素材の質である。
 オーナーシェフである横須賀さんは、ザ・ウィンザーホテル洞爺の「ミシェル・ブラス トーヤ ジャポン」出身。最初の一皿目に出てくるのは、この店のスペシャリティ「季節の温野菜を海の香りでつつむ」。小さな器の中には、熱々の様々な温野菜がビッシリと詰められ、温野菜の下にはフラン(茶碗蒸し)が見える。「ミシェル・ブラス トーヤ ジャポン」出身のシェフは、往々にして同店の名物サラダ「ガルグイユ」風のものをそのまま出すことが多いが、野菜のポテンシャルを十分引き出しているとは思えない。野菜を熟知した横須賀シェフが作ると、たちまちそれは、野菜の食感や旨味を引きした料理に変身する。これに留まらず、横須賀さんの作る料理は常に野菜が生かされている。
 横須賀シェフの作る料理は年年スキルが上がり、確実に美味しくなってきている。現在の札幌フレンチの中では最もコスパが良く、今、絶頂期を迎えたフレンチレストランでもある。ちなみに、当然のことかもしれないが、この店は小さな店なので、子供客は基本的には小学生以上、かつ大人と同じ料理と時間を楽しめることというレギュレーションがある。(2019年3月更新)
http://www.miya-vie.jp

中央区北3条西26丁目3-8 N2ビル地下1階
電話番号:011-688-9788
定休日:火曜・第4水曜
営業時間:18時~20時(土曜〜月曜は12時〜13時のランチタイム営業あり)
予算:【ランチ】4500円(税、サービス料別)、【ディナー】8500円(税、サービス料別)
アクセス:地下鉄東西線・西28丁目駅1番出口を出て、「不動産のビック」が見える方へ信号を渡り、左へ進む。押しボタン信号のある交差点(北円山シャトー桂和ビルあり)を右折し、2つ目の交差点に「RITARU COFFEE」が見えるので、その地下1階。西28丁目駅から徒歩3分
最寄りのランドマーク:宮の森スポーツ倶楽部
お勧めポイント:札幌フレンチの中で最もコスパが良く、絶頂期を迎えたフレンチレストラン

このビルの地下にあります 地下への階段を下りると・・・ 「スナック みや」という表示があるが、こちらは全く無関係な別な店 右側のガラス扉を開けると、白木でできた扉が正面と右側に一つずつある。間違って右の扉を開けると、そちらはトイレなのでご注意を こちらの正面のスライドドアを開けると店内 入ってすぐのオープンキッチンのカウンター席 奥のテーブル席(6名まで) 今回いただいた7〜8皿のコース まずは、この店のスペシャリティ温野菜「季節の温野菜を海の香りでつつむ」が出てくる 続いては「柚子の香りを纏った蕪、毛蟹のクリーム」 毛ガニと蕪のクリーム・トリュフオイルで、蕪のサッパリ感と毛ガニの濃厚なカニ味噌がベストマッチ。ネットリとしたウルイの食感も良く、ユリ根も甘味があって美味しい ここからは、テーブル上に用意されていたナイフやフォーク、スプーンがなくなるので、引き出しを開けて使用する 「牡蠣のクリームを浮かべた大根のスープ」 簡単に言えば、大根のスリ流しのスープ。牡蠣のクリームが素晴らしい深みを与えてくれ、浅くスチームされたサクラマスはふっくらとした食感でいい 「香ばしく焼き上げた鰆、セリのブイヨン」。シットリと焼き上げられ、鰆のミディアムレアな火の通し方が最高。これぞプロの仕事だ。また、根セロリのクリームと鴨のコンフィも入っていて、こんがりと皮目が焼かれた鰆と、セリ、クレソンのシャキシャキとした食感がめまいがするほど美味しい! 「鴨のフォアグラ、菊芋のチップス、イチジクとリンゴのチャツネ、黒七味とコーヒー」 濃厚なフォアグラの旨味、それぞれの食材の食感、こららと味がパズルのように絡み合い、複雑だけど美味しい 「白老牛のロースト」。3種のソースが添えられ、左側が日向夏のソース、右側が山ワサビソース、手前がフキノトウのソース 白老肉のモモ肉は焼き上がりが最高に良かったので、そのまま塩とコショウで食べるのがベストだ。3つのソースはどれも悪くないが、なくてもいい 「豆腐とフレッシュチーズのムース」。和食の白和えに着想を得たという一品。豆腐とフレッシュチーズムースの上には、山椒とミカン風味のマカロンがのせられている。さらに、ムースの中には、煎った白胡麻のアイスクリームや柚子のコンポートが入っている。サッパリとした味の重層感がハンパではない。 茶菓子のパウンドケーキ飲み物はエスプレッソを注文

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このマンションの1階です右の窓から調理場が見えますドアを開けて半地下のスペースへ向かう階段を下ると、正面にワインセラーが見えます奥のダイニングは、白を基調としたモダンで明るい雰囲気本日の7300円のディナーメニューまずはアミューズ「レンズ豆のコロッケ、フロマージュブランと鶉の卵・黒糖と酸味をアクセントに」ミヤヴィ名物の温野菜「葉野菜、実野菜、根野菜を海の香りでつつみ」この日のパン2種「香ばしく揚げた筍と蒸しアワビに自家製パンチェッタとライムの香りを」「ジャガイモ”キタアカリ”と滝川産鴨を使ったミヤヴィ風鴨饅頭2016に桜エビと菜の花、パセリのブイヨンに浮かべて」「サッパリとポワレしたサクラマスにフレッシュな春蕪とフキノトウ、アーモンドのペーストを添えて」「ナチュラルに仕上げたフランス産鴨のフォアグラに、餅米と味噌、レーズン、チャツネを添えて」「山ウドのフラン、白貝とセルフィーユに日向夏が香る」「えぞ但馬牛のモモ肉のロースト、山ワサビのクリームと柚子風味の洋ネギ、辛味大根を添えて」デザート2品「白味噌とヘーゼルナッツのフランにミルクチョコレートソースを添えて」、「パイナップルと日向夏のコンポートとそのアイスにフキノトウを添えて」エスプレッソと小菓子さらにパウンドケーキを切ってくれた

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サヴール saveur

 薄野の古いビルの2階にあるフレンチの店。この店のオーナーシェフ・金田さんは、 「ル・ヴァンテール(閉店)」 を立ち上げた人物。その後独立してこの店をオープンし、さらにその後、隣のビルに姉妹店バル「サヴール バル saveur bar」をオープンさせた。店内に入ると、大きなL字型のオープンキッチンのカウンター席があり、奥にテーブル席が3つある。料理スタッフは金田さんを含めて2人で、サービスは気のいいマダムが担当している。
 この店の料理は全般的に塩加減にブレがなく、素材の使い方が抜群にいい。コース料理の他にアラカルトメニューもあり、2〜3人揃った場合は、好みの料理を注文してシェアして食べるのもいいかも。アラカルトメニューは肉料理がメインだが、北海道の素材を使った日替わりの「季節のオードブル(温冷各1種類ずつあるがどちらも美味しい)」や、フワッとした食感と濃厚なソースが最高な「クネル〜北海道〜」、客の好み味にいろいろと対応してくれる「本日のスパゲッティ(羊のボロネーゼソースかトマトベースがお勧め)」なども外せない。また、ビールのサッポロクラッシックやワインもいろいろとあり、ダイニングバー的な使い方もできる。
 これでデザートがさらに美味しく、自家製パンの焼き方が良く、料理がテキパキと出されたなら、さらに評価を上げても良いかと思う。(2015年7月追加)

中央区南3条西3丁目 TM-24ビル2F  
電話番号:011-522-9208
定休日:月曜日(祝日等は営業する場合もあり)、第1・第3日曜日
営業時間:【ランチ】12時〜15時、【ディナー】18時〜23時
予算:【ランチコース】3,020円、5,800円、【ディナーコース】5,800円、7,800円、10,800円
アクセス:地下鉄南北線・すすきの駅1番出口を出て、「マツモトキヨシ」、「カラオケBIG ECHO」の交差点を右折するとすぐ左のビル。すすきの駅から徒歩1分
最寄りのランドマーク:地下鉄南北線・すすきの駅、薄野交差点、カラオケBIG ECHO
お勧めポイント:北海道の素材にこだわったカジュアルフレンチ

アラカルトメニュー1

アラカルトメニュー2

ディナーコースメニュー1

ディナーコースメニュー2

本日のグラスワイン

アミューズの「ホワイトアスパラのムースに生雲丹とグジェール(チーズ風味のシュー皮みたいなもの)」

本日のオードブルの冷菜「マグロのカルパッチョ」

自家製パンは火が入りすぎ

本日のオードブルの冷菜「花ズッキーニにホタテのムースとスルメイカのソテー」はスルメイカの火の通り方が絶妙で柔らか

この店のスペシャリティ「クネル〜北海道〜」は、これまでで味わった最高レベルのクネル

足寄永井ファーム・三歳メス馬バラ肉のグリル(炭火焼き)は、イノシシやイベリコ豚を思わせるような深い味

「羊肉のボロネーゼソース」は、しっかりとした羊の旨みとトマトの酸味が絶妙に合う。細めのパスタのゆで方もグット!

気さくなマダムと本日のデザートメニュー

アメリカンチェリーのクラフティ

「ピスタチオのアイスクリーム」と「アルマニャックのアイスクリーム」は、どちらかと言えば、「アルマニャックのアイスクリーム」の方が美味しかった

アキヒサ ハンダ Akihisa Handa

 2013年11月にオープンした薄野の飲食ビルの中にあるフレンチ店。元々このビルの7階で営業していたがコロナ禍で一時閉店となり、2023年の4月から最上階でリニューアルオープンとなった。この店のオーナーシェフである半田さんは、富良野にある人気高級リゾートホテル「フラノ寳亭留」で料理長だった方である。
 以前の店は白とペパーミントグリーンを基調としたロフト風インテリアであったが、新店舗は白壁と木を使った落ち着いた大人の雰囲気となった。入ってすぐ手前にカウンター席と奥にテーブル席が3つあり、そのうちの一つは角の半個室。前の店とは違って、窓が大きく開放感を感じるようになったことは良かったが、前店舗の空調をそのまま利用しているのか?空調の音が少し気になった。また、調理場は半田シェフ一人のワンオペであるが、料理はテンポよく出された。サービス担当は女性2人で、そのうち1人は「フラノ寳亭留」時代の同僚のソムリエールである。
 コースは7500円、10000円、15000円の3コースで、今回はメインに「ふらの和牛フィレ肉」が入った15000円のコースをチョイス。最初に出てきた1皿目は「利尻産北ムラサキウニのカナッペ」。乾燥した自家製ブリオッシュの上に、生ウニと擦ったニセコチーズ工房のラクレットとトマトウニソースがのっていた。2皿目は、この店のスペシャリティである「(北海道産)お野菜のテリーヌ」。温野菜の歯応えと甘みを感じる。適度な酸味のソースとの相性も絶妙で、野菜の魅力を最大限に引き出していた。3皿目は「噴火湾産水蛸のコンフィ 芦別産春菊のバターソース」。太いミズダコの足は弾力があるものの、比較的柔らかく調理されていた。また、春菊の香りが抑えられていたので、タコの香りが感じられた。合間に出されたバゲットは温められておらず、皮目がパリッとしていなかったのが残念だった。4皿目は「噴火湾産穴子のビネガーソース」。穴子は醤油と味醂で味付けされた和風の煮穴子で、これに大葉や甘いご飯が加わる。ミスマッチかと思いきや、これが意外にも美味しかった。5皿目は「島牧産石鯛のポワレ デュグレレソース」。皮目がパリッと焼かれ、身はしっとりとしていた。トマト風味のデュグレレソースは塩味ピッタリでコクがあった。メインとなる6皿目は「ふらの和牛フィレ肉のグリル」。フォンドボーを使った山椒風味のソースはバランスが良く、ふらの和牛フィレ肉の火の通し方も申し分なかった。最後の一皿はチーズかデザートを選べるが、僕はデザートの方を選択。この日のデザートは、「カシスのムース」か「グレープフルーツのゼリー寄せ」で、その後、飲み物と小菓子が出されて終了となった。
 どの料理もサプライズやビジュアル的な派手さはないものの、素材の旨味を上手く引き出した実直で素晴らしいフレンチである。また、薄野という土地柄のせいか、比較的遅くまで営業している上にワインも充実しているので、アラカルトメニューがオーダーできる20時半以降には、ワインバー的な使い方もできる。さらに、抜栓料3000円を払えばワインの持ち込みもできる。また、ぐるなびや食べログ、テーブルチェックなどでのネット予約も可能である。(2023年6月追加)

https://m.facebook.com/people/Akihisa-Handa/100054603722302/

中央区南3条西3-1 プレイタウンふじ井ビル9階
電話番号:011-600-6460
定休日:日曜
営業時間:【月曜〜木曜】17時半〜22時、【金曜と土曜】17時半〜23時
予算:【コース】7500円、10000円、15000円、【20時半からのアラカルトメニュー】鶏レバーペースト・ビストログランメール風(1枚)300円、お野菜のテリーヌ3000円、鶏砂肝のコンフィ900円、厚田望来豚肩ロースのロティ(250g)温野菜添え4000円
アクセス:地下鉄南北線・すすきの駅1番出口を出て、ジャンカラの角を右折する。郵便局、G-DININGビルの前を通り、ファミマの角を右に曲がるとすぐ右側のビル。すすきの駅から徒歩2分
最寄りのランドマーク:すすきの交差点、東横INN札幌
お勧めポイント:薄野エリアの優良フレンチ

このビルの9階にあります

エレベーターを降りるとこんな感じ。奥まで進むと・・・

ココです!

新店舗は白壁と木を使った落ち着いた大人の雰囲気となった。入ってすぐ手前にカウンター席と奥にテーブル席が3つあり、そのうちの一つは角の半個室である

20時半からのアラカルトメニュー

シャンパンリスト。最も高いのが2012年の「サロン」の19万円

北海道産ワイン(白)のリスト

ブルゴーニュワイン(赤)のリストも充実している

ブルゴーニュの赤で最も高いのが、2007年のミュジニー(モンテリー・デュエレ・ポルシュレ)の190万円

AFグロのリシュブール2002年が95000円とは、現在の市場価格よりも安いのでは?

北海道産ワイン(赤)のリスト

今回はメインに「ふらの和牛フィレ肉」が入った15000円のコースをチョイスした。まず、最初に出てきた1皿目は「利尻産北ムラサキウニのカナッペ」。乾燥した自家製ブリオッシュの上に、生ウニと擦ったニセコチーズ工房のラクレットとトマトウニソースがのっている

2皿目は、この店のスペシャリティである「(北海道産)お野菜のテリーヌ」

温野菜の歯応えと野菜の甘みを感じる。適度な酸味のソースとの相性も絶妙で、野菜の魅力を最大限に引き出していた

合間に出されたバゲットは温められておらず、皮目がパリッとしていなかったのが残念だった

3皿目は「噴火湾産水蛸のコンフィ 芦別産春菊のバターソース」

太いミズダコの足は弾力があるものの、比較的柔らかく調理されている。また、春菊の香りが抑えられているので、タコの香りが感じられる

4皿目は「噴火湾産穴子のビネガーソース」

穴子は醤油と味醂で味付けされた煮穴子で、これに大葉や甘いご飯が加わる。ミスマッチかと思いきや、これが意外にも美味しかった

5皿目は「島牧産石鯛のポワレ デュグレレソース」。皮目がパリッと焼かれ、身はしっとりとしている。トマト風味のデュグレレソースは塩味ピッタリでコクがあった

メインとなる6皿目は「ふらの和牛フィレ肉のグリル」

フォンドボーを使った山椒風味のソースはバランスが良く、ふらの和牛フィレ肉の火の通し方も申し分なかった

この日のデザート「グレープフルーツのゼリー寄せ」

この日のデザート「カシスのムース」

飲み物(エスプレッソ)と小菓子で終了となった

小菓子

アキ ナガオ Aki Nagao

 円山の「マルニ MARU:NI(現在休業中)」の元シェフだった長尾さんがオーナーを務める薄野のフレンチ店。実は、彼がシェフであった時には「マルニ MARU:NI」もグルメバイブルに掲載されていたことがある。現在の彼の店は有名飲食店がひしめくG DININGビルの1階にあり、地下には深夜2時まで営業している姉妹店・中華&フレンチのフュージョンビストロ「フレンチパンダ」がある。
 入り口にワインセラーがあり、入って正面奥にテーブル席が、そして右奥には個室がある。店内はカジュアルでありながらも落ち着いた雰囲気で、ガラス越しに厨房を眺めることも出来る。長尾シェフはフランスの伝統を重んじつつも、気軽にフレンチを楽しんでほしいというコンセプトでこの店を作ったという。フランス料理店では珍しく生ビール(エビス)を出しているのも、気軽に楽しんでほしいという姿勢の表れなのかも知れない。どの料理も塩味がしっかりしていて味にブレがなくて美味しい。薄野の好立地にありながらも値段設定が安くコストパフォーマンスも抜群。特に、メインが1品付く5000円のコースが僕のお勧めである。ワインの品揃えも良く、オールドヴィンテージワインの値段設定も高くなく、とても良心的である。(2013年9月追加)

中央区南3条西3丁目3番地 G DINING1階  
電話番号:011-206-1789
定休日:日曜、第2月曜と火曜
営業時間:金曜・土曜・祝日:12時〜13時、月曜〜土曜:18時〜21時
予算:ゆったりフレンチコース5000円、しあわせフレンチコース10000円、まんぞくフレンチコース12000円
アクセス:地下鉄南北線・すすきの駅1番出口を出て、ケンタッキーフライドチキンを過ぎ、「川中スポーツ」の角を右に曲がると30mくらいで右側に見えるビル。地下鉄南北線・すすきの駅より徒歩2分。
最寄りのランドマーク:川中スポーツ
お勧めポイント:5000円のディナーコースがお得な薄野フレンチ

ラ・サンテ

 「宮の森スポーツ倶楽部」の駐車場横に移転し、リニューアルオープンしたフレンチの有名店。かつてのビルの2階にあった旧店舗に比べると、一軒家となった現在の店は、古い建物を利用しているせいかシックな落ち着いた雰囲気がいい。奥と入口には半個室の席もでき、テーブル間隔も以前より広くなった。奥には2〜3名用のカウンター席もあるので、もちろん1人飯でもOKである。
 北海道フレンチを代表する高橋シェフのスキルは健在で、相変わらず素晴らしい料理を食べさせてくれる。特に、新店舗に移って変わった点は、ビルでは実現できなかった薪のオーブンを取り入れたことである。彼は熟成肉や熟成魚など、素材の味を生かせるようなグリル料理をやってみたかったという。もちろん、料理の味にはブレがなく、重厚さと軽さを併せ持つようなシンプルな料理に進化した。この店にはドライエージング用の冷蔵庫もあり、熟成された十勝・足寄の「石田めん羊牧場」の仔羊を食べることができる。そして、もしもデザートメニューに「ブランマンジェ」を見つけたら、必ず注文してほしい。トロトロの絶妙な食感に感動すること請け合いである。(2015年3月更新)

中央区北3条西27丁目2-16   
電話番号:011-612-9003
営業時間:【ランチ(土日・祝日のみ)】12時 〜13時半、【ディナー】18時〜21時 
定休日:水曜、第2、3木曜
予算:ランチ2800円~4000円、ディナー6000~10000円
アクセス:地下鉄東西線・西28丁目駅3番出口を出ると右に「宮の森スポーツ倶楽部」が見えるが、その裏の駐車場横にある。西28丁目駅から徒歩3分
最寄りのランドマーク:宮の森スポーツ倶楽部 
お勧めポイント:高橋シェフのスキルの高い素晴らしい料理を味わえる

奥の一軒家が店です

店の玄関前には薪が積まれています

前より若干広くなったメインダイニング

6名までの奥の半個室とシェフの高橋さん

奥の半個室前のカウンター席(2名まで)からはキッチンが見える

火が見えるのが、薪のオーブン

本日の8000円のコースメニュー

アミューズの「ニシンのデンマーク風トースト」

「北海道野付産ホタテ貝のタルタルキャビア添え」は、実は容器が2段になっている

持ち上げるとこんな感じ

下の容器には「北海道羽幌産南蛮海老(甘エビ)コンソメジュレ」が

実はこの前に「平目と春野菜のマリネ」があったが撮り忘れてしまい、これは次の「エゾアワビとホッキ貝のスープ」。スープとは思えないほど具だくさん

薪オーブンによる「桜鯛と徳島産新タケノコの薪焼き」

驚き!!ゴボウがメインの料理「帯広・和田ごぼうと平茸のプレゼ トリュフ風味」

極太のゴボウを切るとこんな感じ

本日の肉料理は北海道足寄町「石田めん羊牧場の11才マトン」か北海道十勝「清水人舞牛のサーロイン」の薪焼きのいずれかをチョイスできるが、迷ったあげく牛をチョイス

口直しのソルベ

ブランマンジェ

ハーブティー

オーベルジュ・ド・リル サッポロ

 円山公園入口前にある仏アルザス風の大きな一軒家。この店は新たにオープンした店ではなく、実はフレンチの名店「ル・バエ・レンタル」が2014年夏にリニューアルした店なのである。「ル・バエ・レンタル」も「オーベルジュ・ド・リル」も仏アルザスの3つ星店であるが、「オーベルジュ・ド・リル」は札幌の他、東京や名古屋にも店舗を構える「(株)ひらまつ」の最高級レストラン。「ル・バエ・レンタル」の方は既に「(株)ひらまつ」との契約も終えたため、「オーベルジュ・ド・リル」の方でブランドを統一したものと思われる。 
 内装などのハード面は以前の「ル・バエ・レンタル」と全く変わらない。エントランスの左側がウェディングや宴会にも使用できる大きな建物で、右側の1階がメインダイニング、2階が個室になっている。個室であれば小学生以下の子供連れでも食事が出来るので、もしも人数が揃うなら是非個室で頂きたい。また、ソフト面もサービス陣が同じなので特に変わらないが、料理の方はガラリと一新した。先ずは、総料理長の南さんが退職し、新たに大場シェフが就任。「オーベルジュ・ド・リル」のオーナーシェフ・マルク エーベルラン指揮の下、料理は全体的に重厚感がなくなり、素材のポテンシャルを引き出すような軽妙な感じとなった。また、「ル・バエ・レンタル」スタート時の22000円の高額ディナーコースも復活した。それにしても、サービス陣は相変わらず一体感があって素晴らしいの一言。(2014年9月更新)

中央区南1条西28丁目3-1   
電話番号:011-632-7810
定休日:月曜(祝日の場合には翌火曜)
営業時間:営業時間:12時〜15時半、17時半〜23時
予算:【ランチ】3,800円、5,500円、6,800円、8,000円、【ディナー】6,500円、8,000円、12,000円、16,000円、20,000円
アクセス:地下鉄東西線・円山公園駅3番出口を出て大通を円山公園方面へ向かう。「ケンタッキーフライドチキン」の前を通って信号を渡ると、円山公園入口手前の左側にある。円山公園駅より徒歩2分
最寄りのランドマーク:円山公園
お勧めポイント:大場シェフを迎え、新たに生まれ変わった本格フレンチ店

メインダイニング

アミューズ3種

タラバガニとマスカルポーネ(チーズ)のティラミス風

パン

ちょっとチープな感じもするが、バターは「エシュレ」バターがパッケージのまま供されるようになった

オーベルジュ・ド・リルのスペシャリテ「ポーチドエッグとキャビア ファソン ”エーベルラン”」

同じくオーベルジュ・ド・リルのスペシャリテ「鮑とフォアグラのラグー そのジュと肝のソース」

完熟トマトとオマール海老、魚介のファルス プロヴァンス風ソース・ブイヤベース

添えられたパンをプロヴァンス風ソース・ブイヤベースに浸して食べる

僕が食べた「北海道産仔牛ロース肉のポワレ黒胡椒の香り シトロンコンフィーのジュ ローメインレタスとパンチェッタのポピエット

他の人が食べた「ヴァンデ産コートレットピジョン スタイル “ロマノフ”」

プレデセール(ムース+桃+ジュレだったような?)

リル川に浮かぶグラスのバルケット(結構歯ごたえがあります)

小菓子(チョコトリュフ、パッションフルーツマカロン、カヌレ、抹茶の焼き菓子)

  
 

掲載保留  SIO

 円山のマンション街にあるフレンチ店。マンションの入り口を通り、レストランへ続く細い回廊を抜けると、正面にオープンキッチンとカウンター席が見える。久しぶりに訪れた今回は、7000円のコースを注文。何故なら、7000円以上のコースを注文すれば、ワインを無料で持ち込めるからである。佐藤シェフは、「ピエール・ガニエール東京店(=青山店:既に閉店し、現在は赤坂にリニューアルオープン)」出身。ピエール・ガニエールといえば、“分子ガストロノミー”という科学的な前衛的料理手法を実践するフランスの3つ星レストラン。この店の料理も多少インスパイアされてはいるものの、佐藤流のオリジナル料理に昇華されており、かつての「ピエール・ガニエール東京店」のような、方向性の見えなかった前衛的な料理とは全くの別物である。今回改めて食べてみても、ミシュラン3つ星を獲得する前の白金「カンテサンス」の岸田シェフと共通したワクワク感を感じさせる。素材の質はもちろん、火の通し方や塩味も文句なし。しかも、値段と料理の質を考えてみても、札幌一のコストパフォーマンスなのである。もしも初めて訪れるなら、ランチより絶対ディナーの方がお勧めで、最も安い3500円のコースでもかなり満足できると思う。特に、佐藤シェフお得意の魚料理は是非味わいたい。個室もあり、前述のように7000円以上のコースを頼めば、無料でワインを持ち込むことができるので、ワイン会やパーティー、接待などに使うこともできる。唯一の欠点は、キャパが大きいせいか、混み出すと料理の出てくるテンポが極端に遅くなること。混雑する週末は、3時間くらいかかるのを覚悟しなければならないかも。(2012年11月更新)

中央区南2条西23丁目1-1 テイストビル1階  
電話番号:011-676-9220 
営業時間:11時半〜15時、18時〜21時(土日・祝日は14時〜16時半はカフェNOSとして営業)
定休日:不定休 
予算:ランチ2100円(メインの肉か魚を追加する場合3150円)ディナー3500円、5000円、7000円(8000円以上もあり) 
アクセス:地下鉄東西線円山公園駅5番出口を出て左(東)へ向かう。西25丁目の信号を渡り、北洋銀行の信号を右折。南1条の裏参道を左折し、更に東に進むと、次の交差点すぐ手前の右のビル。徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:北洋銀行円山公園支店、裏参道

先ずは本日の肉の中から好みの肉を選ぶ

最初にスパイシーなポップコーンが出てきた

閉店 オプトゥニールケイ Obtenirl K

オプトゥニールケイ Obtenirl K

 今年2月にオープンした狸小路のフレンチレストラン。実は、この店のオーナーシェフである藤谷さんは、元「札幌・コートドール」の料理長だった方。彼の料理長時代の料理を食べたことがあるが、以前のコートドールのイメージと全く変わらない料理だったように思う。しかし、この店をオープンしてからの彼の料理は、素材の味を生かしたモダンフレンチへと変貌を遂げた。
エレベーターを降りると、ビルのワンフロア全てがレストランとなっている。客席はオープンキッチンの調理場を囲むようにコの字型に配置されており、入口側のキッチン沿いにはカウンター席もある。現在は接客経験の乏しいサービスの方が1名と、調理場には見習い料理人しかいないため、料理を供するスピードやサービスに関してはあまり期待しないで欲しい。
ランチメニューを見ると、4000円と7000円のコースの他、「白老牛のハンバーグ」や「白老阿部牛ビーフカレー」、「小林農園平飼い卵のオムライス」などのアラカルトメニューがある。ディナーメニューは5000円、8000円、13000円の3コースがあるが、13000円の「シェフのスペシャルコース」だけは予約が必要。さらに、ディナータイムだけは前菜からデザートまでの全ての料理がアラカルトメニューで注文が可能だ。ワインリストを見ると、ほぼ新しいヴィンテージのものしかないが、2013年〜2014年の「ケンゾーエステイト」だけは充実していて、全てにハーフサイズがあった。この日のグラスワインはシャンパンが1種類の他、白が6種類、赤が5種類あり、グラスの日本酒も数種類あった。
この日注文したのは8000円の「計8品 季節のおまかせコース」。料理は少量多皿の現代的なフレンチで、ビジュアルが美しいだけではなく、素材の個性が感じられる素晴らしい料理だった。素材はシェフの出身地である江差周辺の道南食材が多く、デザートのブランマンジェがやや硬めだった以外はどれも美味しかった。(2017年8月追加)
http://www.obternirk.com

中央区南3条西5丁目36-1 F.Dress五番街ビル5階  
電話番号:011-222-7030
定休日:月曜
営業時間:12時~13時、18時~22時(日曜は21時まで)
予算:【ランチコース】4000円、7000円、【ディナーコース】5000円、8000円、13000円(要予約)
アクセス:地下鉄南北線・すすきの駅2番出口を出て、サンクスのある交差点を右折。観覧車のある「ノルベサ」の交差点を過ぎ、狸小路を左折するとすぐ左側のビル。すすきの駅から徒歩3分
最寄りのランドマーク:ノルベサ、狸小路5丁目
お勧めポイント:美しさと美味しさを兼ね備えたモダンフレンチ

狸小路5丁目入口にあります 5階です エレベーターで上がります エレベーターを出ると店内が・・・・。手前にオープンキッチンのカウンター席が、奥にテーブル席が見えます テーブル席から見たオープンキッチンのカウンター席。シェフとサービスの女性が見えます 奥のテーブル席 本日のグラスワイン(シャンパン1種、白ワイン6種) 本日のグラスワイン(赤ワイン5種) 本日のグラスワイン(日本酒5種) ソフトドリンク アミューズの「シューとクロワッサン」はアンチョビ風味 バターは深みがなく、オリーブオイルはフルーティーさに欠け、イマイチ最初の1品目は・・・ コートドールのスペシャリティでもある「赤ピーマンのムース」。これはトロトロで秀逸! パンはミニバゲットとフォカッチャ 2品目は「毛蟹と塩水ウニ、アボガド、キャビア、をジュレで」 3品目は道南・天ノ川の「天然鮎のフリット」 4品目は「道南・ゴールドラッシュの冷たいスープ」。 5品目は「ゴールドラッシュのヤングコーンのグリル・サマートリュフのせ」 6品目は「北海道産・真鯛のグリル」 口直しの「ライムのソルベ」 7品目は「帯広産・短角牛のロースト」は、焼き方もさることながら、ソーズが絶品!! デザートは3種から選ぶ 口直しの「ヨーグルトアイスのパッションフルーツソース」は、食感、甘さ、ソースとの相性ともに最高 「モカショコラのガトー」はカカオの香りが感じられ、お勧め! ココナッツ風味のブランマンジェはやや硬めでイマイチ エスプレッソ 良い店は小菓子も美味しい

西区

レストラン アグリスケープ(Restaurant AGRISCAPE)

 2019年にオープンした農業レストラン。店を運営するのは、円山のフレンチ「SIO」のオーナーシェフであった佐藤陽介シェフ。当初は円山と2店体制でやっていたが、現在「SIO」は売却され、全くの別経営である「SIO syuji hijikuro」となった。
 佐藤シェフは「ピエール・ガニエール東京店(=佐藤シェフがいた青山店は既に閉店し、現在は赤坂にリニューアルオープン → 銀座グルメバイブル・フレンチの頁を参照)」の出身。ピエール・ガニエールといえば、“分子ガストロノミー”という科学的な前衛的料理手法を実践するフランスの3つ星レストランである。以前の料理は、多少インスパイアしていた面もあったが、現在の料理は彼が理想とする料理に進化した。今でも佐藤シェフは厨房に立っているが、現在この店を任されているのは、彼の愛弟子である吉田夏織シェフ。「イルギオットーネ丸の内」や「ル・ミュゼ」で腕を磨き、「SIO」時代から佐藤シェフの右腕として活躍している素晴らしい料理人だ。
 この店を訪れるのなら、ランチタイムか、ディナーなら初夏の未だ日のあるうちに訪れたい。周りの緑が、ここが札幌市内のレストランである事を忘れさせてくれる。何故こんな山の中に?かというと、円山「SIO」時代に、タマネギを仕入れていたこの地の農家さんに後継者がおらず、シェフの自分で野菜を作りたいという思いが一致し、この地にレストランを移転したという。しかしながら、熊が出るほどの立地にあるにもかかわらず、地下鉄円山公園駅からタクシーで1600円ほどと、意外にもアクセスは悪くない。
 今回は、この店で最も高い19800円のコースをチョイス。「SIO」の頃は、まず、その日のメイン料理の素材となる肉を見せてくれて、客が選ぶことができたが、素材にストイックとなった現在は残念ながらできない。その代わりに、本日のコースで登場する様々な野菜たちを披露してくれる。また、「SIO」の時代に比べると、コースの値段が2倍近くになり、コスパこそ悪くなったが、その分、ロケーションも含めて非日常的な特別感が味わえるようになった。
 コースの前菜を飾るのは、もちろん野菜料理である。一皿目の「ホワイトアスパラのアイスとスープ、チキンスープのジュレ」は、滑らかでヒンヤリとしたホワイトアスパラのアイスと凝縮されたチキンジュレ、刻んだホワイトアスパラが一体となっていて素晴らしい。塩味もピッタリで、驚くほど洗練された味だ。次の野菜料理は、「越冬百合根のムースとウドのフリット フキノトウパウダー」。百合根の甘味とウドやフキノトウの苦みのコントラストが、何とも言えない美味しさとなっている。「大根のクリーム煮と大根のニンニククリームソース」は、シラスや山ワサビ、コーンフラワーがちりばめられ、しっかりとした高級感のある料理に仕上がっている。「ポアロネギ(リーキ)のテリーヌ 自家製生ハム添え」は、鶏レバームースとリンゴペースト、札幌黄タマネギペーストを混ぜ、トロトロの甘いネギにつけて食べるともう最高である。「冷たいブイヤベース」には、 チーマ・ディ・ラーパ(イタリアの菜の花)や甘海老が入り、フェンネルのピクルスやカリカリのアラレがアクセントになっている。さらに、サフランの香りが、エキゾチックな味わいに仕上げている。魚料理は、「マツカワガレイのスープ仕立て」。フックラとしたマツカワガレイの他に、ホタテのムースやシジミ、原木椎茸などが入っており、リベッシュ(ハーブ)で香りづけされたスープがサッパリとした重厚感を与えている。「余市産ムラサキウニとアスパラの冷製パスタ」は、カッペリーニよりも太めのパスタを使用。口直しの「クルマバソウのアイス 苺添え」は、一緒に食べるとまるでキウイを食べているように甘酸っぱい食感。メインを飾るのは、「炭火焼き若鶏のロースト(120日目のプレノワール)と仔牛のロースト」。シンプルな塩味ながら、炭火で焼いた香ばしさがあり、とてもジューシー。そのまま食べても美味しいが、添えられたバナナソースと梅のソースで味変も可能。さらに、「2種類の自家製蜂蜜とチーズ」、「牛乳と玉子のプディング アイス添え」、飲み物、「ライ麦のフィナンシエと梅酒の琥珀」と続き、満腹のうちに終了となった。
 ちなみに、近くの道路に看板も出ていないので分かりづらいが、マルヤマクラス前に停車していたタクシー運転手の多くは、この店のことを知っていた。(2022年7月追加)
http://www.agriscape.jp

西区小別沢177  
電話番号:011-676-8445
定休日:不定休(完全予約制)
営業時間:【ランチ】12時10分〜13時、【ディナー】
17時40分〜19時半
予算:【ランチ】4400円〜19800円、【ディナー】13200円〜19800円
アクセス:円山公園駅から車で小別沢トンネルを目指して向かう。トンネルを過ぎて道を下ると、左に「さくら農園」が見えるので、そこをUターンするように左折する。両側にレストランのハウス畑が見えたらその先。円山公園駅から車で約15分

最寄りのランドマーク:小別沢トンネル、さくら農園
お勧めポイント:自家農園で作るフレッシュな無農薬野菜の料理が素晴らしい

小別沢トンネルを過ぎて道を下ると、左に「さくら農園」が見えるので、そこをUターンするように左折する。両側にレストランのハウス畑が見えたらその先に、このレストランが見える 入口左に、店の製品を販売するショップがある 「SIO」の頃は、まず、その日のメイン料理の素材となる肉を見せてくれて、客が選ぶことができたが、素材にストイックとなった現在は残念ながらできない。その代わりに、本日のコースで登場する様々な野菜たちを披露してくれる 一皿目の「ホワイトアスパラのアイスとスープ、チキンスープのジュレ」は、滑らかでヒンヤリとしたホワイトアスパラのアイスと凝縮されたチキンジュレ、刻んだホワイトアスパラが一体となっていて素晴らしい。塩味もピッタリで、驚くほど洗練された味だ 次の野菜料理は、「越冬百合根のムースとウドのフリット フキノトウパウダー」。百合根の甘味とウドやフキノトウの苦みのコントラストが、何とも言えない美味しさとなっている 「大根のクリーム煮と大根のニンニククリームソース」シラスや山ワサビ、コーンフラワーがちりばめられ、しっかりとした高級感のある料理に仕上がっている 「ポアロネギ(リーキ)のテリーヌ 自家製生ハム添え」は、鶏レバームースとリンゴペースト、札幌黄タマネギペーストを混ぜ、トロトロの甘いネギにつけて食べるともう最高である 「冷たいブイヤベース」には、 チーマ・ディ・ラーパ(イタリアの菜の花)や甘海老が入り、フェンネルのピクルスやカリカリのアラレがアクセントになっている。さらに、サフランの香りが、エキゾチックな味わいに仕上げている  魚料理は、「マツカワガレイのスープ仕立て」。フックラとしたマツカワガレイの他に、ホタテのムースやシジミ、原木椎茸などが入っており、リベッシュ(ハーブ)で香りづけされたスープがサッパリとした重厚感を与えている「余市産ムラサキウニとアスパラの冷製パスタ」は、カッペリーニよりも太めのパスタを使用。間違いない美味しさ 口直しの「クルマバソウのアイス 苺添え」は、一緒に食べるとまるでキウイを食べているように甘酸っぱい食感 メインを飾るのは、「炭火焼き若鶏のロースト(120日目のプレノワール)と仔牛のロースト」。お腹いっぱいなので、小さめのポーションにしてもらった。シンプルな塩味ながら、炭火で焼いた香ばしさがあり、とてもジューシー。そのまま食べても美味しいが、添えられたバナナソースと梅のソースで味変も可能裏庭で飼っているミツバチが作った2種類の自家製蜂蜜 チーズと一緒にいただく 「牛乳と玉子のプディング アイス添え」 「ライ麦のフィナンシエと梅酒の琥珀」と飲み物で終了となる