8.ラーメン、蕎麦、うどん
横浜・家系ラーメン

「家系ラーメン」とは横浜市が発祥のラーメン。「吉村家」がその元祖といわれ、この店と同じスタイルのラーメンに「家」系という名前がついたのである。太めのストレート麺に味が濃めの茶色いトンコツと鶏ガラのWスープ、そして表面に鶏皮からとった鶏油(チーユ)が浮かんでいる。麺の量(並、中、大)や麺の硬さ(硬め、普通、柔らかめ)、スープの濃さ・味(濃いめ、普通、薄め)、鶏油の量(多め、普通、少なめ)などを注文の際に調整できるのが特徴。また、具にほうれん草や多めの焼海苔がのっているのも家系のお約束である。

吉村家

 横浜家系ラーメン発祥の店。このエリアは「一風堂」や「山頭火」など、全国展開する有名ラーメン店がひしめく激戦区である。他の家系ラーメン店がそうであるように、元祖であり、モデルとなっているこの店のスタイルもオープンキッチンのカウンター。カウンター内では常時8~9人の職人がテキパキと働いており、とても活気がある。店内には大きなコの字型のカウンター席の他、4人用の小上がりのテーブル席が1つある。店の外には常に長い行列ができているが、並ぶ前に券売機でプラスチックの食券を購入しなければならない。この店は他の家系ラーメン店とは異なり、トッピングが豊富でしかも格安。トッピングは自動券売機で購入しても良いし、座ってから直接現金で支払っても構わない。
 この店のスープはとにかく味が濃い。スープは豚骨の臭みが全くなく、さすが元祖というだけあって旨味のあるスープである。しかし、開店直後だったせいもあるが、この日のスープは思ったよりも濁りが強くなかった。麺はモチモチとした太めの平打ちのストレート麺で、コシはそれ程ではない。なので、「味薄め」、「麺硬め」と注文した方がベターかもしれない。チャーシューはいわゆる“煮豚”ではなく“焼豚”で、弾力はあるが味が中まで染みていなく微妙。また、入り口には何故か無料サービスのバナナが置かれてあった。この店は開店直後から長い行列ができてしまうような人気店なので、行くなら開店10分前の10時50分くらいがベストであろう。(2013年5月追加)

横浜市西区南幸2-12-6 ストークミキ1階  
電話番号:045-322-9988
定休日:無休(12/31~1/6休み) 
営業時間:月曜~土曜11時~翌0時半、日曜・祝日11時~23時半 
予算:ラーメン(並)640円 
アクセス:横浜駅・みなみ西口を出て「大和証券」と「THE SUIT COMPANY」の間を進む。「ABC MART」、「ビックカメラ」、「東急ハンズ」を過ぎ、通りに出たら左折するとすぐ左。横浜駅から徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:ビックカメラ、東急ハンズ 
お勧めポイント:ご存じ家系ラーメンの総本山

中島家

 横浜駅から一駅の「平沼橋」にある人気の家系ラーメン店。店内は禁煙で、オープンキッチンのL型カウンターがある。この店のスープは混濁した醤油味のスープで、豚骨スープとは思えないくらい臭みがなく、とてもマイルドでサッパリとしている。口に含むと、非常に丁寧にとられた旨味のあるスープであることが分かる。太めの平打ちストレート麺はモチモチしていて美味しいが、どちらかと言えばコシがない麺だ。なので、多くの客は麺を固めと注文していた。具材はホウレン草と焼海苔が3枚、そしてネギとチャーシューが入っている。チャーシューは肩ロースを使用しており、分厚く切られていて悪くはないが、味はごく普通である。もちろん家系なので、「麺の硬さ」や「味の濃さ」、「鶏油の量」などを選べるが、この店のラーメンは「味を濃く」、「麺硬めに」と言って注文した方が良いのかも。いずれにせよ、家系の中でもかなり美味しい店で、しかも通し営業なので使い勝手が良い。(2013年5月追加)

横浜市西区浅間町3-173-3  
電話番号:045-313-1176
定休日:火曜 
営業時間:11時~22時 
予算:ラーメン600円 
アクセス:相模鉄道・平沼駅出入口2を出て「横浜平沼高校」、「岡野中」方向へ約700m。環状1号の「霜下橋入口」交差点と「浅岡橋」交差点の間。JR横浜駅西口よりタクシーでワンメーター 
最寄りのランドマーク:横浜平沼高校、岡野中、環状1号 
お勧めポイント:

寿々喜家

 このエリアナンバーワンの人気ラーメン店。開店直後にも関わらず、既に20人以上の行列ができていた。看板を見ると、どこかで見たことがある赤い「ラーメンショップ」の文字が。もしかすると、この店はあの有名チェーン店で家系ではないの?と思って店の中を覗いてみると、チェーン店の看板メニューである「ネギラーメン」や「ネギチャーシューメン」はなく、家系特有のシンプルなメニューであったのでひと安心。 
 順番が近くなると、先ずは自動券売機で食券を購入して店員に渡す。L字型のカウンターの中では坊主頭の2人の店員がリズミカルにラーメンを作っており、もう1人の方がオーダーや会計などのサービスを担当。その作るスピードたるや、見ていて惚れ惚れするほど。スープは鶏油がタップリ入っており、重層感と深みを感じて鶏と豚の旨味のバランスが絶妙なスープである。麺は太めのストレート平麺で、モチモチ感がないもののコシを感じる。具は海苔が3枚とホウレン草、そして分厚いチャーシューが1枚入っており、こちらも合格点である。もしも、横浜中心部で美味しい家系ラーメンを食べたくなったら、迷わずにこの店に行こう。(2013年5月追加)

横浜市保土ヶ谷区上星川2-3-1  
電話番号:045-371-6180
定休日:水曜 
営業時間:月曜~金曜11時~21時、土日・祝日11時~20時 
予算:ラーメン(並)650円、チャーシュー200円増し 
アクセス:相模鉄道・上星川駅北口を出て、前に見える国道を左折する。上星川バス停を過ぎ、右手に「城南信用金庫」、「ネッツトヨタ横浜」を見て進み、左手に「すき家」が見えたらその先に。上星川駅から徒歩10分。 
最寄りのランドマーク:城南信用金庫上星川支店、ネッツトヨタ横浜 
お勧めポイント:家系ナンバーワンのラーメン店

塩ら~麺 本丸亭 横浜店

 JR横浜駅西口近くにある人気の塩ラーメン専門店。塩ラーメン以外のメニューはアルコールや餃子、ワンタン、ご飯があるのみ。もちろん、お勧めは店名にもなっている「本丸塩ら~麺」。麺は太さが不揃いな極太平打ち縮れ麺で、コシがあるものの、予想に反して弾力には欠ける。もしも、麺が東京・秋葉原の  「中華そば専門 田中そば店(→ 銀座グルメバイブル・ラーメンの頁を参照)」  のようにモチモチとして弾力があったら、文句なしの2つ星塩ラーメンである。
 スープは透明で旨味タップリ。丸鶏と昆布だけでスープをとっているのか?魚介系の香りはほとんど感じられない。ラーメンの具材として珍しくシナチクが入っておらず、香りの強い春菊が入っているが、これが何故かこの繊細な塩ラーメンに合っている。また、ワンタンと厚切りの豚バラチャーシューが2つずつ入っており、バラ肉を使ったチャーシューは脂身が多めでトロッとしていて美味しい。さらに、「塩ゆで玉子」も中がトロッと半生で美味しかった。ちなみに、みなとみらい線・元町中華街駅近くにももう一つ店舗ある。(2013年6月追加)

横浜市神奈川区鶴屋町1-7-21  
電話番号:045-314-0890
定休日:月曜 
営業時間:11時~15時、17時~24時 
予算:本丸塩ら~麺800円 
アクセス:JR横浜駅西口を出て右へ。「MORE’S」の右横を通り、「MORE’S」と「NAMCO」の間の通りを進み、橋を渡る。しばらくすると「すき家」がある通りに出るので右折。信号を1つ越えると右にある。JR横浜駅西口より徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:MORE’S
お勧めポイント:太打ち麺の個性的な塩ラーメン

麺や 維新

 横浜駅西口近くの通りから少し入った場所にある人気のラーメン店。この店のラーメンは家系ラーメンではない。黒を基調とした店内は、窓が小さく昼間でも薄暗い。店内にはテーブル席はなく、基本的にカウンターのみである。店主はいろいろとこだわりがあるようで、逆浸透膜水を使用したり、醤油に和歌山県産と群馬県産の生醤油を使用したり、麺には北海道産とオーストラリア産小麦を使用するといった具合である。 
 先ずは自動券売機で食券を購入。この店のお勧めは「味玉醤油らあ麺」。麺は平打ちの中細ストレート麺で、小麦が香り、コシもほどほどあって稲庭うどんを彷彿させるような麺である。スープは鶏ガラと豚骨のブレンドで、微かに魚介系の香りを感じる洗練された上質なスープだ。家系ラーメンとはまさに正反対の薄濁りでサッパリ系のスープで、最初は物足りなく感じるかもしれないが、食べ進めていくうちに徐々に旨味を実感できる美味しいスープである。チャーシューは“煮豚”でなく、いわゆる“焼豚”で、メンマは穂先を使用しているため、とても柔らかくて美味しい。また、味付け玉子は黄身がネットリとしていて濃厚である。全体的にインパクトには欠けるが、とても真面目に作られた良質なラーメンである。ちなみに、店内は禁煙となっている。(2013年5月追加) 

横浜市西区北幸2-10-21 横浜太陽ビル1階  
電話番号:045-324-0767
定休日:日曜 
営業時間:11時~15時、17時~21時 
予算:味玉醤油らあ麺800円 
アクセス:JR横浜駅西口を出て左へ。タカシマヤに沿って左側に進み、紳士服の「青山」、三井住友信託銀行の前の信号を右へ渡る。「ローソン」と「上島珈琲店」がある突き当たりを左折して運河沿いに進む。「E.A.S」、「タカシマヤ商品管理センター」を過ぎた最初の小路を右折すると右側にある。JR横浜駅から徒歩6分。 
最寄りのランドマーク:E.A.S、タカシマヤ商品管理センター 
お勧めポイント:洗練されたサッパリと上質なスープのラーメン