鈴木 智浩

本年度から眼形成分野の育成プログラムに入りご指導いただいている鈴木智浩です。眼科医5年目になります。眼形成の手術を始めてまず感じたことは、眼瞼下垂症手術、内反症手術などによって得られる患者さんの満足度は大変高いということです。個人的な印象としては白内障手術にも匹敵するほどで、術後に患者さんが明るい表情になって再診されることも多く、大きなやり甲斐を感じます。また、眼瞼疾患により支障があるにも関わらず治療を受けていない患者さんは意外に多く、日常診療でも不自由を感じていないか積極的に声をかけるようになりました。

手術は毎週木曜日に石嶋先生のご指導の下、助手と執刀に入り経験を積ませていただいています。手術手技はもちろんのこと、手術適応や術式の判断、術前デザインなど、学ぶことは盛沢山です。デザインは特に重要で、元々のまぶたの形や皮膚の性状、患者さんの要求などに合わせて行わなければならず、石嶋先生が何を考えてどのように作成したかを学び、自分で手術する際も時間はかかってしまいますが、じっくりデザインするようにしています。

これからの目標として、加齢性の下垂や内反症の基本手術に加え、先天疾患や兎眼などその他疾患の手術や、術後の修正手術など診療の幅を広げていきたいです。
今後もご指導の程よろしくお願い致します。

指導医から一言: 石 嶋  漢

鈴木先生が眼形成のトレーニングプログラムに入り始めた頃は、使用する器具や使い方、鏡で見える位置を手術する部門である事に対し、戸惑いつつも正面から捉え日々研鑽している印象でした。現在、眼形成の手術と眼形成手術外来を担当し、術前の患者さん、手術時の所見、術後の仕上がり、経時的な変化を観察して、自分の手術時の判断の精度を上げている最中です。手術後の変化には初めは戸惑うこともあったと思います。出血の引き方、皮膚の落ち着き方などは千差万別で時には苦情めいたことも言われたと思います。患者さんから言われる「ありがとう」が我々の進む原動力になり、苦情も反省材料になります。今後も手術だけでなく患者さんから言われる一言一言が鈴木先生を逞しく育ててくれるものと信じています。眼形成は術式が多く手術範囲も多岐にわたります。今後も様々な手術を通してより多くの手技をマスターして欲しいと思います。頑張ってください!