世界で活躍する人たちとの出会い in ネパール

帯広協会病院 眼科主任医長 堀江幸弘

≪飽浦先生〜大橋先生〜浦木先生〜ネパールとの出会い≫

 「その堀江先生という先生、ぜひ来てほしいですね」アジア眼科医療協力会AOCA(Association for Ophthalmic Cooperation in Asia)理事長の飽浦淳介先生からうれしい返事があったのは9月頃でした。同僚の浦木健彦先生はこの年末年始にネパール訪問を考えていましたが家族の賛同が得られず、その代わりとして僕が手を挙げたのが始まりでした。日本からは飽浦先生他、串本リハビリテーションセンター医師:大松寛先生、和歌山県立医科大学助教:井上晃宏先生と私の4人の参加でした。

 ネパールと僕との出会いは10年以上前にさかのぼります。札幌で大橋眼科の大橋勉先生が主催する講演会に飽浦先生が招かれネパールについて講演され、いつか自分も飽浦先生のように国際貢献してみたいと夢にみていたのを記憶しています。

≪スーパードクター≫

 滞在先のKedia病院(ビルガンジ市)には眼科医が4人おり、そのうち1人は1日に332件もの白内障手術を行った世界記録を持つスーパードクターでした(Figure 1)。彼は20年以上前に飽浦先生から白内障手術を教えてもらったそうです。手術は現地ドクター2人と日本人4人の1室4列で手術を行い、滞在した3日間で300例以上の白内障手術を行いました。

 

 

 

 

 

 

≪飽浦先生ブッダになる≫

 12月31日最終日には飽浦先生のこれまでのKedia 病院での功績を称えた石像(ブッダの形をしたもの)の除幕式が行われました。医者7-10年目の3年間をKedia 病院で過ごしパールの眼科医療に貢献した偉大な飽浦先生とともに自分も同じ時間を過ごせたことを本当にうれしく思いました。

 

≪外 来≫

 
ネパールの外来診察ではまずOphthalmic Assistant(OA)と呼ばれる眼科補助員が視力・細隙灯・眼底(直像鏡)で診察し難症例を医師が診察するというシステムでした。ビタミンA 欠乏症・白内障手術後眼内炎・閉塞隅角緑内障・マルファンの水晶体偏位などなどさまざまな疾患を診察させていただきました。数分で終わる無縫合ECCE の術後の眼内レンズの状態なども診察することができました。