関連寄附分野 眼循環代謝学分野

教授 〔学内兼務〕

石田 晋

出身大学 慶應義塾大学 1990年卒

 

専門外来 眼科一般

 

研究分野 眼細胞生物学、視覚科学

准教授 〔学内兼務〕

野田 航介

出身大学  慶應義塾大学 1995年卒

 

専門外来  黄斑(責任医師) 網膜硝子体、眼循環代謝

 

研究分野  網膜細胞生物学(血管)(グループチーフ)

特任助教

村田 美幸

出身大学  北海道教育大学 1996年卒

 

専門外来

 

研究分野

 

 眼循環代謝学分野チームは、これまでにlaser speckle flowgraphy とEDI-OCT を用いて様々な網脈絡膜疾患の脈絡膜循環動態および形態について検討をおこなってきました。例えば、脈絡膜を中心に炎症を来たすフォークト・小柳・原田病(VKH 病) の急性期
に黄斑部脈絡膜が肥厚するとともに脈絡膜血流速度が低下すること、そして副腎皮質ステロイド治療によってこれらの傾向が逆転する
ことなどを過去に報告し、この血流と形態の知見を脈絡膜の「炎症性パターン」と提唱しました。昨年度はさらに検討を進め、VKH病の夕焼け群は非夕焼け群と比べ、治療一週後の脈絡膜が有意に厚いことを報告しています(Hirooka K et al. PLOS ONE.2017)。また、 AZOOR complex でも同様の「炎症性パターン」が生じることを明らかにし、昨年度はAZOOR において急性期に脈絡膜が肥厚すること、また中心窩下脈絡膜厚と中心部の視野閾値が有意に相関することについて報告をおこないました(Hashimoto Y et al.J Ophthalmol.2017)。一方で交感神経亢進が病態に関与する非炎症性疾患のcentral serous chorioretinopathy では急性期に脈絡膜循環速度と脈絡膜厚が増加する「非炎症性の交感神経亢進パターン」となることを提唱してきました(Saito M et al. Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol. 2017)。さらに最近では、鈍的眼外傷に伴う脈絡膜症の1例の経過中に視機能と網膜外層形態の改善にともなって脈絡膜厚は増加し、脈絡膜血流速度が上昇する結果を得ました。本症例では、急性期に脈絡膜厚と血流速度はいずれも低下していたため、この変化を「血管閉塞パターン」と新たに提唱しました(Ishikawa Y et al. BMC Ophthalmology.2017)。これら一連の研究成果は、齋藤航客員臨床教授の強いリーダーシップの下にこれまでおこなわれてきたものであり、北大眼科における眼循環研究の礎となっているものであります。今後さらなる発展を分野構成員一同で目指します。
 「生活習慣病に由来する眼疾患を対象とした診断機器の新規開発および診断機器を用いた眼底画像情報の客観的評価法の確立」と銘打っておこなっている眼底画像解析ソフトの開発プロジェクトは、村田美幸助教と齋藤理幸先生が中心となって推進してくれており、昨年度は第34回日本眼循環学会および第56回日本網膜硝子体学会でその成果を報告いたしました。お力添えいただいている関係各位には、この場をお借りして心からの御礼を申し上げるとともに、今後さらにご指導ご鞭撻をお願い申し上げる次第です。
 今後も様々な網脈絡膜疾患の解析を進め、新しい疾患概念の確立や病態の解明に取り組んでいきます。

野田 航介

 

             

発表風景(齋藤理幸先生)                                     Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol.に掲載された論文(齋藤理幸先生)