札幌そうせいイーストクリニック

院長 野田 航介

 2023年4月1日に札幌そうせいイーストクリニ ック院長に就任いたしました。クリニックは大通公園テレビ塔のすぐ近くにあるビル内のクリニックで、看護師3名、視能訓練士5名、医療事務2名と一緒に、毎日楽しく診療させて頂いております。身体と頭がまだ動くうちに民間でどうしても取り組んでおきたかったことがいくつかありましたので、心機一転頑張っております。

 取り組んでおきたかったことの一つ目は、専門としてきた網膜硝子体疾患の診療システムを自分なりに構築してみることでした。糖尿病網膜症、滲出型加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症…、自分は大学病院勤務が長かったので、生涯で一度ぐらいは検査から治療まで自分で一から考え直してみたいと思いました。町のクリニックなのでさすがにもう手術はできないですが(手術症例は北大眼科網膜班にいつも助けて頂いております、有難うございます)、治療は抗VEGF療法や光凝固などに限定して、自分が適切と考える時期・プロトコールで加療させて頂いております。硝子体注射も即座に自分でできるとAMDもこんなに制御しやすいのかなど、発見も多いです。また、2024年4月からは糖尿病内科のエキスパートの先生をスタッフとしてお迎えして、糖尿病患者さんたちが内科と眼科に1日で受診して帰宅できるワンストップクリニックとすることを予定しています。それに向けて、眼科部門も広角OCTAのS1(キヤノンメドテックサプライ株式会社)を導入しました。点滴なし・短時間の撮像でおおよその病状が把握でき、光凝固の適応もある程度判断できるため、眼科開業医としては大変重宝しますし、何より患者さんの負担が少ないのがとても良い検査機器と思います。

 取り組んでおきたかったことの二つ目は、ロービジョンケア(の勉強)です。黄斑外来チーフとして、大学では前述の各種網膜疾患で末期となった方々や網膜色素変性の方々、そういった多くのロービジョン患者さんを診察させて頂いておりました。でも、診察はさせて頂いておりましたが、できていたのは自分なりの不十分な素人の傾聴ぐらいで、本来なすべきだった情報提供すら全くできてなかったとその当時の不勉強を現在猛省中です。私たちのクリニックでは視能訓練士たちとともに、網膜色素変性の方々に対するロービジョンケアに現在取り組んでいます(勉強させて頂いております)。また、彼女たちと一緒に北海道盲導犬協会様、札幌市視聴覚障がい者情報センター様、富士メガネ狸小路本店ロービジ ョンセンター様に見学を兼ねてご挨拶に伺い、各ご施設でのサポートが必要な患者さんたちをすぐご紹介できるように連携させて頂きました。私たちが、各ご施設様のサポートが必要な患者さんたちの窓口の一つになれればと考えております。

 他にもいくつか「取り組んでおきたかったこと」はあるのですが、誌面の関係もあってそれらのご紹介はまたいずれかのご機会にお伝えできればと存じます。まずは上記二つを当面の課題として、札幌そうせいイーストクリニックは活動していく予定です。周囲の皆様に色々と教えて頂きながら、少しずつ進んでいこうと考えております。今後ともご指導のほどどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

↑そうせいイーストクリニックの待合室。

 

 

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