2.香港グルメ

鏞記

 有名バーが集まる異空間「 ランカイフォン地区(→ 香港あるあるの頁を参照 )」のすぐ下の通りにある広東料理店。香港だけでなく日本にも多くのファンを持つため、早めに予約をしないと入れないほどの人気。ブッシュ元アメリカ大統領も訪れたという名店で、香港ミシュランでは2つ星を獲得したらしい。今回は2週間前に予約したが、土曜の夜の予約は取れず、金曜の夜の訪問となった。今回が初めてだが、ビルの3階全てが客席という大箱店であるにもかかわらず、全フロアが客で満杯であった。この店の名物は一日300羽も売れるという「金牌焼鵝(ガチョウのロースト)」。外の通りからもガラス越しに、ガチョウや鶏、鳩などのローストが吊されて見える。全ての客が注文するというこのスペシャリティ「金牌焼(ガチョウのロースト)」は、期待していた割には脱水しすぎで、ジューシーさも柔らかさもなく、僕も中国人の後輩もガックリ。もう一つ食べたかった2002年香港ベストオブベスト最優秀金賞に輝いた「紮蹄(古式豚足のスライス)」は予約が必要な料理らしく、今回食べることが出来なかった。この日美味しかったのは「智玲炒辣蛋(XO醤炒り卵)」と「禮雲子琵琶蝦(海老と沢蟹味噌の湯葉巻き)」の2品のみ。「禮雲子琵琶蝦」は2001年香港ベストオブベスト最優秀金賞に輝いた一皿で、沢蟹60匹分の味噌が使われている超贅沢な料理。ちなみに、写真の湯葉の皮の濃い茶色の部分が蟹味噌。「智玲炒辣蛋」は、フワッとした玉子の食感と深い味が何とも言えない新鮮味を感じる。広いフロアにはかなりの数の給仕人がいるが、給仕人によってサービスレベルにかなりの差がみられた。総体的な評価としては、美味しい料理があるものの、価格がやや高めで、その割にはサービスも悪く、コストパフォーマンス的には良くないのではという結論であった。日本語メニューがあり、日本語の話せるスタッフもいるのはいい。(2012年12月追加)

中環威霊頓街32−40号 鏞記大厦  
Yung Kee Bldg. 32-40 Wellington Street, Central 
電話番号:2522-1624 (日本語でもOK) 
定休日:無休(旧正月の3日間は休み) 
営業時間:11時〜23時半(日曜・祝日は17時半まで、飲茶タイムは14時〜17時半) 
予算:金牌焼鵝(ガチョウのロースト)150HK$(2000円)、禮雲子琵琶蝦(海老と沢蟹味噌の湯葉巻き)348HK$(4600円)、智玲炒辣蛋(XO醤炒り卵)120HK$(1600円)、鏞記受賞料理を含む2人用コース1120HK$(15000円) 
アクセス:地下鉄・中環駅D1 出口を出て右手に少し歩くと、角に「COACH」の入っているビルがある。その角を左折して坂を上がる。2本目の横の通り、威霊頓街(Wellington Street)まで来たら、目の前にローストがぶら下がったガラスケースが見える店。地下鉄・中環駅より徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:COACH 
お勧めポイント:香港ベストオブベスト最優秀金賞を何度も受賞した名店

滿記甜品 國際店

 香港を代表する甘味店と言えば、「許留山」、「松記糖水店」、「糖朝」とこの「滿記甜品」であろう。中でも「滿記甜品」は、香港だけでなく中国本土に多店舗展開する最大のチェーン店である。これまでに、4つの甘味店全てを食べ比べてみたが、この「滿記甜品」と「糖朝」が頭1つ抜け出ていた。「糖朝」は日本にも店舗を展開しているので、今回はこちらの店を紹介したい。モダンな「i SQUARE(國際廣場)」の6階( → 香港あるある・階の数え方の頁を参照 )にある店舗は、スタイリッシュで清潔感があり、「松記糖水店」とは対照的である。メニューを見るとかなりの種類があるため、選ぶのに迷ってしまうが、この店ではフレッシュなマンゴーを使ったデザートを食べたい。良く熟したマンゴーを使用しているため、どれもハズレがない美味しさなのである。この他にドリアンを使ったデザートや漢方系ヘルシーデザートも人気。日本でも有名な果物であるドリアンは、炒めた玉葱のような香りがするので、野菜と考えれば良いが、デザートとしてはNGというのが僕の感想。しかし、「ドリアンパンケーキ(ドリアンのクレープ包み)」などは値段が格安なので、興味のある人は話の種にトライしてみてはいかがだろうか。ちなみに、日本語メニューもあるので安心できる。(2012年12月追加)

尖沙咀駅彌敦道63號 國際廣場604號舗  
電話番号:2520-5071 
定休日:無休 
営業時間:12時〜23時(金曜と土曜は23時半まで) 
予算:マンゴーとサボンを加えたタピオカココナッツミルク27HK$(370円)、ドリアンパンケーキ29HK$(400円) 
アクセス:地下鉄・尖沙咀駅C1出口から直結の「i SQUARE(國際廣場)」の6階 
最寄りのランドマーク:地下鉄・尖沙咀駅 
お勧めポイント:香港スイーツ店の中では「糖朝」と並び最も洗練された味

太湖海鮮城 銅鑼湾店

 銅鑼湾(コーズウェイベイ)は、日本で言えば渋谷や新宿のように若者が集まる香港島の繁華街。夜遅くまで営業している店舗も多い。この店も深夜3時まで営業しているので、夜遅くに広東料理を食べたくなったときに憶えておけば便利。しかも、「そごうSOGO百貨店」の海側の通りというとても分かりやすい場所にある。今回我々の利用した飛行機の到着が遅く、しかも宿泊ホテルが銅鑼湾であったため、この店をチョイスした。チェックインを済ませ、夜11時過ぎに店に到着したが、平日の深夜にも関わらず、大箱の店内は地元客で満員状態。どの客も、お酒と前菜、あるいはその締めのチャーハンや焼きそばなどと言う日本のパターンではなく、テーブル一杯に料理がひしめく宴会状態なのである。驚きと同時に、香港人の食に対するこだわりとパワーを感じたシーンであった。店の奥には水槽が置かれ、巨大なシャコやアワビ、ミル貝、伊勢エビなどが見える。先ずはビールを注文。この店は他の中華料理店とは異なり、何種類ものビールを置いているようだ。せっかく香港に来たので、香港で最もポピュラーな「San Miguel」を注文。実はこのビール、香港唯一のビール醸造会社で作られたものだが、フィリピンの老舗メーカー「サンミゲル社」の子会社なのである。「青島ビール」のようなコクはなく、大陸系のライトビールに近いさっぱりとした味だ。ビールと共に出てきた油通しされた塩ピーナッツは普通に美味しかった。 
 日本語のメニューもあったので頼んで見てみてみると、何やらメダルのマークが一杯である。実はこの店、香港政府観光局が主催する“Best of the Best香港料理大賞”の常連レストランで、その受賞料理を写真とメダルで掲載しているのだ。残念ながらソールドアウトであった「クリスピー牛肉の煮込み」と時価である「ロブスター・スペシャルソースがけ(この日は日本円で1万円強)」は注文しなかったが、それ以外の受賞料理を全て注文すると、凄い勢いで料理が出てきた。料理の中には、メニューの写真と実際の料理の見た目がかなり異なるものもあった。また、料理によっては旨味調味料を感じるが、これがそれほど気にならなければ、値段を考えると悪くない店だと思う。中でも美味しいと思ったのは「ゴマ塩風味グリルチキン」と「生姜入りチャーハン・フィッシュソースがけ」の2品。「生姜入りチャーハン・フィッシュソースがけ」は、魚のハタを使った塩味の餡かけチャーハンだが、細切りにされたハタのプリプリした食感と、パサパサしたインディカ米にかかったトロトロの餡が何とも言えない新感覚であった。「ゴマ塩風味グリルチキン」は、香ばしいゴマ油とニンニクの香りがして、皮面がパリッと、中がシットリとしている。塩味もしっかりと付いているので、そのまま食べても美味しいし、唐辛子ソースをつけてもまた美味しい。金賞受賞料理であり、かつ香港名物でもある「避風塘炒蟹(ノコギリガザミのスパイシー炒め)」は、味付けこそ悪くないが、火が通り過ぎてパサパサしていたので、頼むなら蟹でなく海老の方が良いかも。また、金賞受賞料理ではないが、フカヒレのスープはごく普通で、モヤシと一緒に食べた方が美味しかった。デザートは、店のサービスとして卵パイを煎餅状に揚げたものと、漢方風味の汁粉の2つが出てきた。卵パイは、何とも言えないサクサクな不思議な食感と甘いシロップがマッチしていて良かった。汁粉は甘さ控えめで、小豆を漢方っぽいスパイスで煮たような感じでまあまあ。フカヒレなど高価な物を頼まなければ、それなりにリーズナブルな値段で良い店である。しかし、サービスは大陸系のような素っ気ないサービスで、客を見送ることもなく、全くホスピタリティを感じない。行ったことはないが尖沙咀店(本店)もあるようなので、九龍側のホテルに宿泊している方は、九龍公園スポーツセンター近くの山林道にある尖沙咀店の方が良いかも。(九龍尖沙咀山林道14-16號 14-16 Hillwood Road,T.S.T.,Kowloon、TEL 2368-5420)(http://4travel.jp/overseas/area/asia/hong_kong/hongkong/restaurant/10005204/ ) 
(2012年12月追加)

香港銅鑼灣波斯富街27號 銅鑼湾廣場2 9階  
Causeway Beach 27 Percival St., Causeway Bay H.K. 
電話番号:2893-0822 
定休日:無休 
営業時間:11時〜翌3時 
予算:ゴマ塩風味グリルチキン125HK$(約1650円)、生姜入りチャーハン・フィッシュソースがけ88HK$(約1200円) 
アクセス:「そごうSOGO百貨店」の地下鉄・銅鑼湾駅D1出口を出て左へ。「卓悦BONJOUR」の前を過ぎて通りを渡り、「吉野家」を過ぎた次の信号の右角にある白いビル。 
最寄りのランドマーク:そごうSOGO百貨店、卓悦BONJOUR、吉野家 
お勧めポイント:深夜に広東料理を食べたくなったらお勧め

欣圖軒 Yan Toh Heen

 九龍南側先端に位置するインターコンチネンタルホテル内の中華料理店。このレストランは 「星光大道(→ 香港あるあるの夜景の頁を参照)」 の海側に面している。日本ではあまり知られていないが、「星光大道」は海を挟んだ向かいの香港島の夜景を眺める人気のスポットなのである。なので、特にディナーを予約する時に海側の窓側席を予約すれば、素敵なロケーションとなること請け合い。
 ホテルのエントランスを抜けてすぐに左へ進み、階段を下りるとレストランがある。店内には立派なワインセラーがあり、中華料理店としてはペニンシュラホテルの「SPRING MOON」と並び、ワインの品揃えが良い。「ミシュラン香港」を見てみると、フランス料理的な中華(ヌーベル シノワ)を出す店が軒並み高得点となっている。この店はミシュラン1つ星で、クラシックな中華とヌーベルシノワの中間的な料理だが、どちらかというとクラシックに近い。ペニンシュラホテル香港の「SPRING MOON」やマンダリンオリエンタルホテル香港の「文華MAN WAH」などを始め、これまで僕が行った様々な香港のホテル中華料理店の中で最も美味しい。2度目となる今回は、12月なので奮発して上海蟹コースを注文。料理はゆっくりと出されたため、終了までにトータル3時間を要した。料理は繊細かつ洗練された味付けで、どれもハズレがなくとても美味しかった。もちろん、一流ホテルの中華なので、サービスも最高レベルである。予約はウェブからも可能であるが、日本人スタッフもいるので、電話予約の際に言えば対応してくれる。(2012年12月追加)

九龍尖沙咀梳士巴利道18號 香港洲際酒店地下  
G/F, Intercontinental Hong Kong, 18 Salisbury Rd., Tsim Sha Tsui, Kowloon 
電話番号:2721 1211(代表) 
定休日:無休 
営業時間:ランチ:月曜〜土曜12時〜14時半、日曜・祝日11時半〜15時、ディナー:18時〜23時 
予算:下記アドレスからPDFメニューをダウンロード可能 
http://www.hongkong-intercontinental.jp/yan_toh_heen.html 
アクセス:地下鉄・尖沙咀駅のE出口を出て、右へネイザンロードを南へ行くと、地下道の入口がある。地下道がホテルの前まで繋がっている(そごうSOGOが見えるので、その海側隣り)。 
最寄りのランドマーク:地下鉄・尖沙咀駅、ペニンシュラホテル香港、そごうSOGO 
お勧めポイント:香港ホテル中華の最高峰

生記粥品專家

 「羅富記粥麺専家」と並ぶ上環・中環地区の人気粥店。表通りには同じ系列の「生記清湯牛腩麺家」があり、こちらの方が広い。この店では、お粥の他にもいろいろな麺や朝食セットを頂くことが出来るため、「生記粥品專家」が混んでいるときにはこちらでも良い。「生記粥品專家」はこの店の角を曲がった小路にあり、「生記清湯牛腩麺家」よりも狭く、生活感のあるチープな雰囲気である。こちらの方はお粥の専門店なので、麺はやっていない。テーブル席は1つだけしかなく、基本的にカウンター席。店内のメニューは中国語であるが、言えば日本語メニューもある。お粥のサイズはミニ、シングル、ダブル、トリプルの4種類で、サイズが大きくなると具材や種類も変わるようだ。ミニやシングルでも通常の中華粥のボリュームなので、朝食としてはこれでも十分である。むしろ、ダブルやトリプルは量が多すぎて余してしまうかも。この店の特徴は、お粥を注文すると細切りのネギと生姜が入った醤油が付いてくること。お粥に入っている具材を、このタレにつけて食べるのである。特に地元客に人気なのが「鮮鯇魚骨粥」という骨付き魚のお粥。魚自体には特に味はついていないので、タレにつけて食べると丁度良いのである。もう一つの人気商品は、豚肉の肉団子が美味しい「鮮猪肉丸粥」。しかし、僕のお勧めはやはり「皮蛋痩肉粥(ピータンと豚肉入り粥)」。粥はとても滑らかで美味しく、塩味が濃いしっかりとした感じの粥である。「羅富記粥麺専家」に比べると微妙に味が洗練されていないような気がする。お粥以外で両店に共通したメニューと言えば、魚のミンチをハンバーグような「香煎魚餅」である。(2012年12月追加)

香港上環畢街7號地下  
G/F, 7 Burd St. Sheung Wan, Hong Kong 
電話番号:2541 1099 
定休日:日曜 
営業時間:6時半〜21時(祝日は18時まで) 
予算:皮蛋痩肉粥24HK$、鮮猪肉丸粥24HK$(12時半〜14時半以外の時間帯はマイナス3HK$となる) 
アクセス:地下鉄・上環駅A2を出てサークルKとセブンイレブンの間の通りを進む。次の交差点の正面建物1階に「鴻源辨館」が見えるので、その右斜め横の通りを進む。「寶記有限公司漁具發行」という黄色い看板の方向に進むとすぐ左側に「生記清湯牛腩麺家」が見えるので、その角を左折するとすぐ。上環駅から徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:上環駅、鴻源辨館 
お勧めポイント:ボリューム満点の美味しいお粥

羅富記粥麺専家

 地下鉄・上環駅からわずか数百メートルという絶好のアクセスにある香港では誰もが知るお粥と麺の専門店。この上環地区にこの店も含めて2店、中環地区には1店舗がある。この店は今回数年ぶりの再訪問。店の入り口にはガラス張りの調理場があり、店内は大衆食堂のような雰囲気。入り口のおばさんに人数を告げると、まずどこに座るかを指示される。朝9時半過ぎに訪れたときには既に満員状態で、地元の方と相席となった。この満席状態にも関わらず、何故か客席のテーブルでは店員がせっせと作業をしていた。実はこのような客席での作業風景は、香港ではそれほど珍しくことではないのだ(翌日訪れた杭州料理店「天香樓」でも、ランチタイムに客席で上海蟹を剥いている店員たちを目撃)。
 お粥を注文後(英語のメニュー有り)、その作業を眺めていると、ぶつ切りの海老と細切りのキクラゲ、そして竹の子を加えた餡を手際よく包んでいるではないか。どうやら、この店のもう一つの名物・ワンタンを包む作業をしているようだ。じっと眺めていると、ついつい食べたい衝動に駆られてしまい、「雲呑蛋麺(海老ワンタン麺)」も追加注文してしまった。まもなく、「魚粥(魚のスライス入り粥)」と「皮蛋鹹痩肉粥(ピータンと豚肉の塩漬け入り粥)」が運ばれてきた。僕の一押しは「皮蛋鹹痩肉粥」。ポタージュスープのように滑らかでトロトロ。塩味も丁度良い。椀の底には、大きめに切られたピータンと甘辛く炊かれた豚肉が入っている。鶏ガラベースのスープなのか、臭みなどは一切なく、コクがあって深い味わいだ。お粥と並ぶもう一つの人気商品「雲呑蛋麺」は、ゴマ油が香るプリプリの海老ワンタンが非常に美味である。しかし、極細の縮れ麺は、まるで乾麺の様な食感で、目をつむって食べれば汁ビーフンのよう。しかも、清湯スープはやや甘めだ。結論としては僕好みではなく、やはり食べるならお粥の方がいいと思う。朝早くからやっており、僕が香港に来たときのマスト・ミールである。(2012年12月追加)

中環皇后大道中144號 金利商業大廈地下  
144 Queen’s Road Central, G/F H.K. 
電話番号:2543-3881 
定休日:無休 
営業時間:7時〜23時 
予算:皮蛋鹹痩肉粥23HK$ 
アクセス:地下鉄・上環駅E2出口を出て、「新紀元廣場」ビル横の広場を抜けてクイーンズ通りを左折。クイーンズ通りを進み、「永亨銀行」を過ぎたらすぐ右側。上環駅から徒歩3分 
最寄りのランドマーク:上環駅、新紀元廣場 
お勧めポイント:香港でも最高レベルの皮蛋鹹痩肉粥(ピータンと豚肉の塩漬け入り粥)が食べられる店

譽滿坊 Dim Sum

 ハッピーバレー競馬場近くの山側の商店街にある飲茶専門店。なので、昼だけでなく夜も飲茶を楽しめるのである。しかし、平日でも予約をしなければ待たされるほどの人気。店内に入ると、テーブル間隔は狭く、よくある家庭的な雰囲気。しかし、天井が高く開放感があり、清潔感もあっていい感じだ。店内を見渡すと、2/3くらいが地元客で、欧米人客も何組か見られる。店名の“Dim Sum”とは、英語でずばり“点心”のことなので、英語圏の観光客にも分かり易いのかも知れない。その一方、街の中心部から離れているせいか、この日は日本人と思しき客は見受けられなかった。この店にはワゴンサービスはなく、伝票にチェックして手渡すシステム。日本語メニューもあるので、お茶や飲み物のオーダーを取りに来たときにその旨を告げよう。黄色い伝票を見みると、日本語メニューには載っていない炒飯や焼きそばなどもある。一見してかなりの品数があるので数えてみると、この日はデザートも含めて94種類あった。どの点心もとにかく素材が新鮮で、ストレートに素材の美味しさが伝わってくる。それでいて旨味調味料 の味を感じない良質な味なのである。よくあるカジュアルな点心から、フカヒレや小ぶりな干しアワビなどを使った高級なものまでいろいろある。一押しは、プリプリした歯ごたえが最高な海老を使った点心。とは言っても、こちらもかなりのバリエーションがあり、「海皇鳳眼雙子座(帆立貝カニ子と海老蒸し餃子)」 や「竹笙海皇鮮蝦餃(エビと竹の子蒸し餃子)」などは是非食べてみたい。御飯なら香港の定番「粽(ちまき)」もいいが、せっかく香港に来たので「竹筒吊片肉餅飯(豚肉とイカ蒸し御飯)」などの蒸しご飯を食べたい。これは、豚スペアリブの豆鼓蒸しとイカミンチを混ぜたような具がのっており、甘めの醤油をかけて食べると実に斬新な味である。デザートでは、「マンゴープリン」は硬くてお勧めできないが、「椰汁芒果糯米糍(マンゴーココナッツもち団子)」はお勧め。これはロール状の冷たいデザート餅で、 カスタードクリームとマンゴー果肉にマンゴー餅が巻かれた3層構造になっている。モチモチした食感に加えて味の重層感もあり、甘さも丁度良い。サービスに関しては香港にあるごく普通のレストランのレベルで、チップをあげたくなるようなホスピタリティは感じない。(2012年12月追加)

香港砲馬地成和道63號地下  
63 Sing Woo Rd, Happy Valley, Hong Kong 
電話番号:2834 8893 
定休日:無休 
営業時間:11時~16時半(土日・祝日は10時半~16時半)、18時~23時 
予算:海皇鳳眼雙子座60HK$、竹筒吊片肉餅飯45 HK$ 
アクセス:銅鑼湾(コーズウェイベイ)からタクシーで 15分 
最寄りのランドマーク:ハッピーバレー競馬場 
お勧めポイント:ストレートに素材の美味しさが伝わってくる点心