6.台湾グルメ(高雄編)

寒軒大飯店

 高雄市内にある本格的な飲茶専門店。かなりの大型店で、店内はテーブル間隔がゆったりとしていてとてもゴージャス。まずは好みの温かいお茶と「金牌(Gold Medal)台湾啤酒(ビール)」を注文。すると間髪を入れず、ワゴンが次々とやってくる。ワゴンは蒸し物、焼き物、揚げ物、煮物、ニラ饅頭、北京ダック、スープ、野菜類、デザートなどいろいろあるので、すぐにたくさん選ぶのではなく、いろいろ見てから少しずつ選ぼう。しかも、実はこれだけではないのである。この他に、炒め物やチャーハン、お粥、麺類などのアラカルトメニューもあるのだ。なので、こちらのメニューからも是非オーダーしたい。
 ワゴンでは、「黄金片皮鴨(北京ダック)」や「鶏の醤油煮」、名前は忘れたが「薄い皮の春巻きのような海老のすり身揚げ(写真)」などがお勧め。アラカルトメニューでは、「鹹魚雞粒炒飯(干し魚と鶏肉のチャーハン)」や「宮保爆雞丁(鶏の唐辛子炒め)」などがお勧めである。ザックリと評価すると、蒸し物は普通で、煮物とデザートはダメ。焼き物や揚げ物、チャーハンなどが美味しいといったところ。もしもこの店が香港の店ならギリギリ1つ星、日本の店なら1.5つ星くらいの評価となるであろう。料理は旨味調味料を多少感じるが許容範囲で、女性マネージャーは日本語が堪能なので、日本人客も安心して利用できる。(2013年11月追加)

港都茶楼

 シティホテルの3階にある人気の飲茶専門店。店内はかなり広く、優に100人以上は入れそうな広いスペースであるが、予約して出かけた日曜日の昼には既に満席だった。
 この店の飲茶はワゴンサービス。もちろん、ワゴンメニュー以外のアラカルトメニューの数も多い。先ずは「台湾啤酒」とウーロン茶を注文したが、台湾啤酒は2種類あるので「金牌(じんばい)台湾啤酒(たいわんびーちゅー)」と告げよう。ビールが来る前に次々とワゴンサービスがやってくる。ワゴンで特に美味しかったのは、ローストダック「明爐烤鴨」とタラの豆そぼろ蒸し「豆蒸鱈魚」の2つ。この他に比較的美味しかったのは、モツの臭いが気にならなければ「酸菜滑龍腸」、そして海老シューマイ「蝦仁鮮焼賣」と蝦のクレープ蒸し「蝦仁腸粉」など。アラカルトメニューで美味しかったのは「台式海鮮炒麺」と「鹹魚雞粒炒飯」。「台式海鮮炒麺」は干しエビの風味の塩焼きそばで、濃厚な味と太い平麺のコンビネーションが何とも言えず美味しい。「鹹魚雞粒炒飯」は干し魚と鶏肉のチャーハンで、干し魚の臭いが気にならなければかなり美味しいと感じるはず。ガイドブックお勧めの海老のマヨネーズ炒め「富貴蝦球」は確かに美味しいが、日本でもよくある新鮮味のない味だった。デザートはどれもイマイチで、「杏仁豆腐」だけがまあまあ食べられた。もしもこの店が香港の店なら1.5つ星、日本の店なら2つ星くらいの評価となるであろう。日本語メニューもあり、日本語を話せる店員もいるので気軽に使える。(2013年10月追加)

高雄市大仁路43号 翰品酒店3階  
電話番号:07-561-4688
定休日:無休
営業時間:11時〜21時
予算:明爐烤鴨220元、豆蒸鱈魚125元、台式海鮮炒麺200元
アクセス:高雄MRT橘線・(捷運)盬埕埔站から300m(高雄市二二八和平公園の南側)
最寄りのランドマーク:高雄市二二八和平公園、大仁路
お勧めポイント:高雄ナンバーワンの本格飲茶店

蟳之屋

 蟹料理で有名な高級海鮮料理店。2階まで吹き抜けとなっているため、天井が高く中華料理店としてはかなりゴージャスな感じだ。今回訪れた同じ高級海鮮料理店である「海天下(掲載していない)」と比較しても、味、雰囲気、サービス、全てでこちらの方が良かった。この店の名物は「塩酥蟳」。これは蟹(シマイシガニ・虎蟹)を揚げ、それを塩味の揚げニンニクを使って炒めた物で、これは予想通りの美味しさ。むしろ、僕のお勧めは「蟳米糕(蟹ご飯)」と「炒紫菜蛤」の方。「蟳米糕」は豚肉入りおこわに、蟹をのせて蒸したご飯。おこわにほんのりと蟹の香りが移り、蟹はそのまま食べても添えられる蟹酢につけて食べても美味しい。「炒紫菜蛤」は台湾産の生海苔と細かく刻まれたハマグリの炒め物で、シンプルながら両者の食材のハーモニーが素晴らしい。この他のお勧めは、採れたての台湾産海苔を使ったスープ「海菜湯」と澎湖島の珠螺(巻き貝)を漬け込んだニンニク風味の「醃漬珠螺」など。
 日本語メニューがあり、店員のサービスも良くマダムも日本語が堪能なので安心して利用できる。時価で使用する食材の重さも異なるせいか、日本語メニューには価格表示がなく少し不安を覚えるが、ハタや伊勢エビなどの高級食材を注文しない限り、3〜4人で食べれば1人当たり4〜5千円くらいをみれば十分だと思う。香港の同じような高級海鮮料理店と比較してみてもコストパフォーマンスは抜群でお勧めである。どの料理もシンプルな調理法でありながら、素材の旨味を上手く引き出していてとても美味しかった。(2013年9月追加)

高雄市民生一路93号  
電話番号:07-226-6127
定休日:無休(旧正月休みあり)
営業時間:11時半〜14時、17時半〜21時
予算:塩酥蟳700〜950元
アクセス:高雄MRT橘線・(捷運)信義国小站から300m
最寄りのランドマーク:民生一路、金門街、匯豊商業銀行
お勧めポイント:蟹料理で有名な高級海鮮料理店

紅陶上海湯包

 デパートの「漢神百貨」・ホテル「漢來大飯店」の10階レストラン街にある小籠包専門店。店内は高級感のあるインテリアで、何故か子供連れのファミリー客が多い。この店のシェフは「鼎泰豊(ディンタイフォン)」で修行したそうだが、小籠包や餃子は「鼎泰豊」よりもコクがなく、どれもサッパリとしている。むしろ近くにあるB級小籠包専門店「龍袍湯包」の方が濃厚であるが、「龍袍湯包」の方は小籠包以外のメニューが全くダメで、チープな雰囲気やサービスも含めて掲載できるレベルではなかった。
 先ずはいつものように「金牌(Gold Medal)台湾啤酒(ビール)」を注文しようと思ったら、この店では金牌が付いていない安い「台湾啤酒」もあったので、試しにそちらを注文。結果としては、やはりモンドセレクション金賞受賞の「金牌 台湾啤酒」の方が美味しかった。小籠包が出てくるまでの間は、ワゴンの小皿料理を注文し、これを肴に一杯。この日のワゴン小菜は7種類くらいあったと思うが、(名前は分からないが)「鶏の老酒漬け」が絶品だった。その他にもサッパリとした「キクラゲの酢の物」やピリ辛の「キュウリの漬け物」なども悪くない。
 通常の小籠包は、生姜の千切りを入れた酢醤油に浸してからレンゲにのせ、さらに生姜をのせて食べるが、この店の小籠包はサッパリしているので酢醤油にラー油を加えて食べた方が美味しかった。小籠包は通常の「上海湯包(月曜だけこれのミニサイズのものもある)」と蟹味噌入りの「蟹粉小籠包」の2種類を食べれば十分である。店のお勧めの「素菜蒸餃(野菜入り蒸し餃子)」は餡が野菜だけなので食感が悪くサッパリしすぎで、「菜肉餛鈍湯(豚肉と野菜のワンタンスープ)」はスープにコクがなくお勧めできない。「小籠包」と「鶏の老酒漬け」の他にもう一つお勧めなのが「蝦仁蛋炒飯(海老チャーハン)」。パラっと炒められていて葱が香り、シェフのスキルを感じる最高のチャーハンであった。ちなみに、メニューには日本語表記もあり、安心して利用できる。(2013年9月追加)

高雄市成功一路266号 漢來大飯店10階  
電話番号:07-213-5751
定休日:無休
営業時間:11時〜14時半、17時半〜21時半
予算:蟹粉小籠包(10個)280元、蝦仁蛋炒飯150元
アクセス:高雄MRT紅線・(捷運)中央公園站から800m
最寄りのランドマーク:漢神百貨、漢來大飯店
お勧めポイント:ゴージャスな雰囲気の小籠包専門店

大匠門

 深夜にホテルに到着した僕らの“この時間にビールが飲めて美味しい店はどこ?”というリクエストに対し、ホテルマンが教えてくれたのがこの店。店内はドアが開け放たれ、外にもテーブル席がある。店内のインテリアは中華料理店としてはミスマッチとも思える葛飾北斎の浮世絵をオマージュした壁画と、天井にはレーザービームが揺れ動く。さらに、BGMにレディ・ガガや少女時代といったポップミュージックが大音量で鳴り響く。初めて訪れたら、この店本当に美味しいの?と疑いたくなるような微妙な雰囲気であるが、若者には結構人気があるらしく、深夜まで賑わっている。
 この店でいろいろな食べた結論としては、この店は炒め物と揚げ物が旨い!というのが僕らの一致した見解。メニューは中国語のメニューのみで、店員は日本語も英語も話せないが、メニューが漢字なので何となく通じるのである。とにかく、メニューの中のお勧めマークが付いたものを注文すればまず間違はいない。メニューはどれも一皿300〜400円くらいと格安で、先ずは地元のビール「金牌(Gold Medal)台湾啤酒(ビール)」を注文すると、お通しとして豚の耳の和え物「猪耳朶」が出てきた。後で追加注文した「青島啤酒(ビール)」や「ハイネケン」よりも、むしろ「金牌 台湾啤酒」の方が飲みやすくて美味しかった。地元客を観察していると、飲み物を勝手に冷蔵庫から取り出しては飲んでいる。聞けば、この店のようにサービス料を取らないB級料理店では、客が勝手に取り出して飲むというセルフサービスシステムをとる店が多いのだそうだ。
 注文を取りに来た店員は僕らが日本から来たと知り、刺身を勧めてくれたが、ガイドに載っていない店という不安もあったのでひとまずはパス。店員のお勧めとお勧めマークが付いた品からチョイスした。「金沙豆腐」はゴマの風味?の塩味の豆腐で、外側がカリッと揚げられ、中がトロッとしていてビールのつまみにピッタリで、これはお勧め!「鹹酥龍珠」は味付けが「金沙豆腐」と似た魚の切り身の揚げ物で、これもまた美味しい。「宮保雞丁」は唐辛子の効いた鶏の炒め物で、「火爆溪蝦」は蝦の唐揚げの辛子ニンニク炒め。この4つが今回2回通って食べた数々の料理の中で最もお勧めだ。この他に、「徳國猪脚」は豚の脚を煮て更にコンガリと焼いたもので、これもまあまあ美味しい。締めにはカキのビーフン(食感はビーフンと言うより素麺に近い)「蚵仔麵線」がお勧め。今回僕らは試すことが出来なかったものの、他の人のブログ上のお勧めとしては、「椒鹽鮮蝦(蝦のスパイシー揚げ)」、「月亮蝦餅(蝦入り焼き餅)」、「葱爆牛肉(牛肉と葱の辛子炒め)」、「炒山蘇(山蘇という野菜の炒め物)」、「蛤蜊絲瓜(アサリとヘチマの炒め)」、「油條酥(油揚げの中に海鮮素材が入ったような揚げもの)」、「脆皮肥腸(ホルモンのカリカリ揚げ)」など。まるで家庭料理のように決して高級な味はしないが、ビールを飲んでたらふく食べるB級台湾グルメと考えれば十分お勧めできる。それにしても、僕らが食べていると、物売りのおばさんが勝手に店の中に入ってきて、いろいろな物を売りつけるのには驚いたなぁ〜。(2013年9月追加)

高雄市新興區復興二路145号  
電話番号:07-281-8828
定休日:無休?
営業時間:17時〜翌2時
予算:宮保雞丁100元、金沙豆腐120元
アクセス:高雄MRT紅線・(捷運)中央公園站から800m
最寄りのランドマーク:寒軒國際大飯店
お勧めポイント:炒め物と揚げ物が旨いB級台湾中華