4.日本酒

荷札酒(にふだざけ) 月白(げっぱく)純米大吟醸 仲汲み

 新潟の加茂錦酒造が造る「荷札酒 純米大吟醸」シリーズは、この「月白」以外にも、「亀の尾」や「播州愛山」、「吉川山田錦」、「備前雄町」、「黄水仙」、「出羽燦々」などいろいろある。中でも、この「月白」が僕のお勧めである。
 口に含むと、口当たりが柔らかく甘みを感じる。新潟の酒らしく、透明感があってスッキリとしている。それでいながら、純米特有の旨味は十分感じられるので、そのまま酒だけ味わっても良いし、食事との相性も悪くない。また、吟醸香はそれほど強くないが、大吟醸ならではのフルーティーさはしっかりと感じられる。どこかしら、三重の「作(ざく)」のモダンな造りと、その方向性が似ているような気がする。
 正直言って、淡麗な味わいの新潟の酒をそれほど美味しいと思ったことは無かったが、この加茂錦と清泉「亀の尾 純米大吟醸(→ 今後掲載予定)」は、素直に美味しいと思える酒だ。純米大吟醸の中取りの四合瓶で2000円台前半という値段を考えてみても、そのコスパは抜群である。(2023年4月追加)

【お酒のデータ】
精米歩合40%  
今回は2022年醸造(タンク168)を試飲
日本酒度+8
岡山県山田錦100%使用
アルコール分15度 

楽天市場での最低参考価格:2280円(720m l

雑賀 純米吟醸 にごり ネージュブラン

  

■ 楽天での最低参考価格:1404円(720ml)、2808円(1800ml)

 和歌山県・紀の川市の日本酒である。今年の1月に京都の 「祇園楽味(→ 京都グルメバイブル・日本料理の頁を参照)」 で初めて味わい、これは旨い!と思った酒だ。灯台もと暗しで、実は札幌の 「味百仙(→ 札幌グルメバイブル・日本料理の頁を参照)」 でも飲めたのである。
 今回改めて味わってみると、ファーストアタックは、ほんのりと甘い、いや、むしろスッキリとしたキレのある辛口。それでいながらコクを感じるテクスチャー。この様にスッキリさと深いコクがバランス良くまとまっている酒にはなかなか出会えない。加えて、透明感のあるフルーティーな香りも魅力的。もしも、フルーティーと表現するなら、マンゴーのようなトロピカルフルーツ、甘口ワイン・シャトー・イケムのような深みのある果実香なのである。しかも、五百万石を使用した純米吟醸とは思えないくらい洗練されたアミノ酸を感じる。ここまで洗練されたうす濁りは、「而今(じこん) 特別純米 にごり酒」くらいしか思い浮かばない。
 「味百仙」の店主・長島さんによると、“(うす)にごり”は冬の一瞬にしか出回らない酒なので、もしも見つけたなら絶対に飲むべしとのこと。しかも、今年の「雑賀 純米吟醸 にごり ネージュブラン」は、これまでにないくらいの最高の出来なのである。ちなみに、楽天市場でソールドアウトの場合には、地元和歌山県の酒店のホームページからも購入できる。(2015年2月追加)
http://item.rakuten.co.jp/hasegawasaketen/10030834/ 
http://item.rakuten.co.jp/hasegawasaketen/1003083/

純米吟醸 中垂れ
   墨廼江酒造株式会社

  

■ 楽天での最低参考価格:3150円(1800ml) 

 墨廼江」は宮城県の地酒。原料は好適米の「山田錦」と聞き慣れない「蔵の華」という品種を使って造られている。純米酒と言っても純米特有のアミノ酸が舌に残る雑味感はなく、口当たりがとても柔らかい。吟醸香はなく華やかさに欠けるが、とてもフルーティーで糖度も高い。アルコールをあまり感じないくらいアルコールの刺激感が少なく、とても円やかで飲んでいても疲れない。まるで何年も寝かせたような良質な日本酒のようで、寿司や日本料理を初め、どんな素材にも合いそうな日本酒である。この値段でこの品質、東北の酒のレベルの高さが分かる1本である。 
http://www.hasegawasaketen.com/shop.cgi

以下は販売店のコメント 

「大吟醸と同じ低温発酵もろみで醸した純米吟醸酒の「中垂れ」のみを詰めました。清涼感溢れる香りと、キメ細やかな味わいの調和が見事です。」

出雲富士 吟醸 山田錦 富士酒造合資会社


 

■ 楽天での最低参考価格:3150円(1800ml)

 札幌の地酒でありながら、創作和食店 「うさぎや(→ 札幌グルメバイブル・和食、居酒屋の頁を参照)」 で初めて知った日本酒。ぐい呑みを鼻に近づけと、華やかな吟醸香が漂ってくる。口に含むと、滑らかでシルキーな舌触り。驚くほどスルッと入ってくる。それでいて、甘くフルーティーな香りが鼻腔をくすぐり、久々に美味しいと思った日本酒である。皇太子ご成婚酒にも使われたという福井県の「梵 超吟 純米大吟醸」を、少し荒々しくしたような感じだ。それもそのはず、この酒は原酒なのである。あと1〜2年寝かせれば、より完璧な酒に近づくことだろう。もしもブラインドで飲んで、“これは札幌の地酒だ”と言い当てることが出来る人がいたなら天才だと思う。それほどこの日本酒のレベルは高いのである。間違いなく全国でもトップレベルの酒に肩を並べることが出来る酒であり、北海道の日本酒の実力を示す1本。この酒を造っている日本清酒株式会社は、「千歳鶴」や「ことぶきみそ」、「余市ワイン」ブランドを展開する会社である。これはあくまでも僕個人の憶測だが、もしかするとこれは、千歳鶴の「大吟醸 吉翔」の原酒なのではないかと思っている。全国でもこの酒を販売しているのは、札幌北区にある 「銘酒の裕多加(→ 札幌グルメバイブル・お土産、ショッピングの頁を参照)」 と東区の「マルミ北栄商店」の2店のみ。この2店で購入して飲むか、前述の札幌の「うさぎや」や 「味百仙(→ 札幌グルメバイブルの和食・居酒屋の頁を参照)」 で飲むことが出来る(要確認)。

以下は販売店のコメント 

「最高級の酒造好適米である兵庫県産「山田錦」を丹念に40%まで磨き上げ、果実を思わせる華やかな香りに爽やかな余韻を忍ばせる絶品のお酒です。」

出雲富士 吟醸 山田錦 富士酒造合資会社

 

■ はせがわ酒店での参考価格:4200円(1800ml) 
http://www.hasegawasaketen.com/shop.cgi

 口に含んだ時のすがすがしい吟醸香。それでいながら飲んだ後の重厚な余韻。「十四代」などをはじめ、吟醸香が強くフルーティな酒が現在のトレンドだが、この酒は、香りやアミノ酸、キレなどが決して出過ぎていない絶妙なバランスである。ワインでの評価方法なら、きっと最高評価となるであろう。まさに僕の理想とする日本酒のスタイルだ。飲んでいて思い出したが、以前飲んだ大吟醸はもっと凄かった。もしも、手に入れることができたら、改めてコメントしたい。

以下は販売店のコメント 

「山田錦を40%精米した大吟醸です。酵母には「協会9号」を使用したいわゆる『YK35』商品です。しかも贅沢な「斗瓶囲い」。フルーティーで上品な香り、やや辛口に感じるスッキリとした味わいです。」

純米吟醸 磯自慢 酒友 磯自慢酒造

 

■ 楽天での最低参考価格:6500円(1800ml)

 「開運」や「初亀」と共に静岡県を代表するお酒である。僕は、横山福司さんが杜氏を務めていた頃からのこの蔵のファンである。特に、この蔵を代表する純米大吟醸(通称ブルーボトル)は最も好きな日本酒の一つ。この純米吟醸はブルーボトルほどの艶やかな香りはないが、逆に柔らかいシルキーな口当たりがいい。吟醸香も程良く、純米とは思えないくらいスッキリとしている。それでいながら、ふくよかでリッチな味わいもある。普段日本酒を飲まない方や女性にも受けもしそうな酒である。

以下は酒造のコメント 

「“純米吟醸 磯自慢”は、特A地区産山田錦を高度に精白し、南アルプス・間ノ岳(日本百名山)を源泉とする名水・大井川伏流水を用いて、吟醸冷蔵仕込み室で、低温でゆっくりと発酵させます。長年蓄積した独自の麹造りと優良な酵母(自社保存株)を利用し、丹精込めて手造りされた絶品です。豊かなる含味香、まろやかな味をお楽しみください。かならず冷やしたまま御賞味ください。」

遊穂 純米吟醸無濾過原酒 
御祖(みおや)酒造

 
 

■ 楽天での最低参考価格:2750円(1800ml)

 兵庫県産山田錦と長野県産美山錦を精米歩合55%まで磨いた日本酒である。この酒の最大のお勧めポイントは、その絶妙なバランス。まずは、純米でありながら適度なアミノ酸。続いて、口に含むと出過ぎない程度の心地よい吟醸香と麹の香りがする。それでいてトロッとして滑らかな口当たり。僕はいつもワインで例えるが、間違いなくフルボディタイプの日本酒。これまでの僕の石川県に対する日本酒イメージを180度変えてくれた素晴らしい酒である。

以下は販売店のコメント 

「ねっとりとした日本酒の旨味と調和のとれた酸がお料理の味をより引き立てます。ナッツのような風味が特徴です。味付けのしっかりした、脂の乗った料理との相性が良いお酒です。お召し上がりになる30分~1時間前に冷蔵庫から出していただき、冷えすぎていない温度帯でお召し上がり下さい。」

鶴梅ゆず 平和酒造

 

■ 楽天での最低参考価格:1575円(720ml)、3150円(1800ml)

 和歌山の平和酒造が作る日本酒ベースの柚子リキュールである。2012年に開催された第6回天満天神梅酒大会の和リキュール部門で第1位となった。使用している柚子は、地元県産の紀美野と古座川の契約農家のもの。飲んでみると、驚くほど柚子の香りがフレッシュなのである。また、日本酒ベースなので、アルコールを感じさせないほど円やか。類似の商品がたくさん出回っているが、これほど完成度の高い柚子酒にお目にかかったことがない。ロックで飲んでも良いが、僕のお勧めは炭酸ソーダ割り。ラベルも含めた瓶のデザインもとても素敵だ。非常に品薄の人気商品なので、もしもネットで売り切れの場合には、東京駅のグランスタ(→  銀座グルメバイブルのお土産:東京駅・日本橋周辺編の頁を参照 )の「はせがわ酒店」に行けば買えるかも。

以下は販売店のコメント 

「え!?こんなに柚子の味がするお酒ってあるの??飲めば、その驚きを全身で感じるビックリするほどユズ感たっぷりの「鶴梅ゆず」。その年に収穫した天然の柚子果汁が50%も入った贅沢で体にやさしい味わいは、自然と笑顔になる美味しさです。「鶴梅ゆず」は、柚子の収穫から絞るまでの全てを手作業で行う、手と愛がこもった酒造り。2年熟成の特製純米酒とのブレンドにより、柚子特有の酸味は丸くなり、口当たりはとても滑らか。きめ細かい手作業の数々・・・。このことを知っている人も知らない人も、飲んだ人は口を揃えてこう言います“「鶴梅ゆず」だけは別格だと思う”。酒蔵の思い、情熱。わかる人には伝わるのだと感じます。」

雁木 活性にごり 
発泡純米手原酒 八百新酒造

 

■ 楽天での最低参考価格:1575円(720ml)

 山口県の地酒である。それにしても「獺祭」といい、この「雁木」といい、山口県は何て高いレベルの日本酒を生み出すのであろうか。恐らく、僕の中のでは福井県と並んで日本酒の評価の高い県である。ラベルには発泡純米生原酒と書かれてある。日本酒の好適米・山田錦を100%使用し、精米歩合は60%(40%を削っている)まで磨かれている。「獺祭 発泡にごり酒50」のように、シャンパンのような針金製の留め金ではないスクリューキャップ。意図的な瓶内2次発酵製法ではなく、通常の微発泡生のようだ。色は薄にごりで、泡は柔らかい。先に紹介した「獺祭 発泡にごり酒50」に比べると、甘さが少なくスッキリとした軽い感じ。ワインに例えるなら、キリッとドライな味。なので、アルコールを全く感じさせないほど口当たりが良い。「獺祭 発泡にごり酒50」と共に、日本酒の新たな可能性を感じる一本だ。

以下は販売店のコメント 

舌先をピリッと刺激する発泡タイプの活性にごり酒です。原酒とは言え14度台と比較的軽めで、心地よいすっきりした甘さと爽やかな喉越し、清涼感たっぷりの爽やかな美酒です!食中酒としてはもちろん、フルーツやアイスクリームなどとも相性は抜群!!」

獺祭 発泡にごり酒50 旭酒造

 

■ 楽天での最低参考価格:840円(360ml)、1680円(720ml)

 山口県の地酒である。シャンパンのような針金製の留め金を外し、プラスチック栓を抜くと、フレッシュな麹の香りが広がる。グラスに注ぐと、一般の薄にごり酒よりも色が濃い。泡はシャンパンの様に柔らかい。精米歩合50%なので吟醸表示でも良いはずだが、ラベルには敢えてそれを表示せず、それを示す「50」の文字だけが。口に含むと爽やかで、アルコール度数15度とは思えない口当たりの良さ。純米ながらアミノ酸も出過ぎず、甘さもほどほど。発泡にごり酒としては最高レベルのバランスの良さで、日本酒の新たな可能性を感じる一本である。

以下は販売店のコメント 

「雑誌ダンチュウ08年3月「純米の旨酒25選 ジュワッと弾ける炭酸の魅力 乾杯の酒」で紹介されました!にごり酒というと”あまーくドロッ”としたイメージを持たれる方もいらっしゃると思いますが、こちらは 発泡と書いてあるように、シャンパンと同じく瓶の中で2次発酵しているにごり酒。よって、軽快で喉越しが良く日本酒には合わせづらいといわれる脂っこい食べ物なんかにも良く合います。ほどよい甘みと軽やかかつ爽やかな味わいは、日本酒が苦手な方や女性にもオススメ!温度が高かったり、瓶を振ってしまうと噴出すおそれがあるので、必ず冷蔵庫で保存し、飲むときも蓋をゆっくりと何度かに分けて開けていただくと安全です。」

喜正  純米吟醸  ふなしぼり  袋吊り酒

 

■ 楽天での最低参考価格:3150円(1800ml)

 東京都の日本酒と言えば青梅市の「澤乃井」が有名であるが、こちらはあきる野市の日本酒である。口に含むとトロッとして濃厚。ワインで言えばフルボディである。フルーティさも感じ、純米がならアミノ酸度も丁度良い。甘口か?辛口か?と問われれば、どちらかというと甘口である。なので、キリッとした冷やで飲むのがお勧め。

 以下は販売店のコメント 

「山田錦を50%まで磨き上げた純米吟醸です。華やかな吟醸香ですが、邪魔にならない香味で深みのある山田錦本来の旨みがあり 、柔らかな酸味でバランスの良いお酒です。東京にも美味しいお酒があることを知ってください。」

金紋会津 田島 大吟醸 金賞受賞酒

 

■ ウェブでの最低参考価格:5250円(1800ml)、2625円(720ml) 楽天上には見当たらないので、下記の「はせがわ酒店」サイトから購入して頂きたい。 http://www.hasegawasaketen.com/shop.cgi

 福島県会津の酒である。口に含むと非常にフルーティーで華やか。それでいて、精米歩合35%のせいか淡麗で透明感がある。若いせいかアフターにアルコールを感じ、多少角が有るが、スルスルといくらでも飲めるくらい口当たりが良い。

 以下は販売店のコメント

「兵庫県産“山田錦”を35%精米した大吟醸です。恵まれた自然環境を巧みに生かしながら、良質の水と米、そして卓越した蔵人の技により申し分のない逸品を 造り上げています。この大吟醸は、フルティーな吟醸香と、低温でゆっくりと発酵させたことにより、まろやかな味わいをお楽しみ頂けます。」