2.寿司、天ぷら、蕎麦

上乃裏通り 雪花山房

 ホテル日航熊本の近くにある自家製粉の手打ち蕎麦店。この辺りを歩いていた時に偶然行列を見つけ、気になったので入ってみた。
 引戸を開けて店内に入ると、蕎麦屋としては珍しいオープンキッチンのカウンター席とテーブル席があり、まるで日本料理店のようである。メニューを見ると、メニューは昼メニューと夜メニューがあり、夜は酒を飲みながらコース(2名以上)や鍋をいただくこともできる。日本酒は、秋田の「新政」がメインで、他に「乾坤一」、「秋鹿」、「田酒」など。焼酎はメジャーなものが3種類となっている。どの蕎麦も価格はかなり高めであるが、蕎麦の他に季節の一品と水菓子付きがセットになっている。
 初日のこの日は、「天ぷらざるそば」を注文。すると、薬味や抹茶塩、蕎麦つゆと共に、酢のものが出てきた(「湯葉どうふと野菜のポン酢ジュレがけ」と勝手に命名)。この湯葉豆腐のジュレがけはかなり美味しかった。続いて出てきた天ぷらは、一見すると衣が薄くて美味しそうだが、実際には衣が硬かった。蕎麦は二八そばで、薬味はネギ、擦り山葵、おろし大根の3つ。蕎麦つゆは、鰹節の香りが良く美味しいが、江戸前のような辛さではない。蕎麦をドップリと浸して食べても良いくらいの濃さである。冷たい蕎麦はコシがあるものの、蕎麦の香りや甘味をそれほど感じさせない。東京の蕎麦店のように蕎麦の量は少なめで、この日の蕎麦湯は今流行りの濃いタイプではなかったが、別の日の蕎麦湯はドロッとして濃かった。そして最後に、寒天と黒蜜で作ったような水菓子が出てきた。
 この店の僕のお勧めは、むしろ温かい蕎麦の方で、特に、「鴨南蛮そば」と「長芋とろろそば」がいい。「鴨南蛮そば」のつゆは、京都の蕎麦つゆのように薄い色をしているが、洗練された鰹節の香りに加え、鴨の旨味をしっかりと味わえる美味しさ。蕎麦も伸びてへたることなく、焼いた短冊でないネギも、この汁にマッチしている。また、鴨も焼いたものでなく、日本料理でいう鴨ロースをスライスしたもの。火の通りがミディアムで、味がしっかりと染みていて、オリジナリティのある鴨南蛮である。温かい「長芋とろろそば」は、とろろと蕎麦が絡んで美味しさが倍増する。特に、残った汁とドロッとしたとろろが混ざった汁を飲むと、両者が相まって何とも言えない美味しさとなる。「鴨せいろ」は、肉、ネギともに温かい蕎麦と同じであるが、汁は濃いめなので、タップリと2匙くらいの山椒を入れて食べるのがお勧め。残念ながら、冷たい「生湯波そば」は、その日は入荷せず未だ食べられていない。
 全てが完璧とは言えないが、美味しい蕎麦屋が少ない熊本市ではお勧めできる店である。ちなみに、この店の予約は平日の予約はどの時間帯でも可能だが、土日の予約は開店時の11時半のみ可能である。また、平日は空いているので、行くなら、特に平日の昼がお勧めである。(2019年8月追加)

熊本市中央区上通町7-22  
電話番号:096-327-5078
定休日:水曜
営業時間:11時半~14時、17時半~21時
予算:鴨南蛮そば1750円、長芋とろろそば1500円
アクセス:熊本市電・通町筋電停で降り、熊本城と反対側(鶴屋百貨店側)へ向かう。ホテル日航熊本の中のタクシー乗降場を過ぎて、裏通りへ向かう。駐車場や駐輪場を左に見ながら進むと、セブンイレブンが見えてくる。更に進むと左側にある。ホテル日航熊本から徒歩4分
最寄りのランドマーク:通町筋電停、ホテル日航熊本
お勧めポイント:洗練された美味しい蕎麦が食べられる

ホテル日航熊本の近くにある自家製粉の手打ち蕎麦店。平日開店時はこんな感じ 土日・祝日になると開店前から行列ができるので、予約必須 蕎麦屋としては珍しいオープンキッチンのカウンター席とテーブル席があり、まるで日本料理店のよう 冷たい蕎麦のメニュー 温かい蕎麦のメニュー さしみ湯葉は美味しいのでお勧め! 外国語メニューもあります外国語メニューもあります 季節の蕎麦 夜のコースメニューは、4100円と5600円の2コース 季節の鍋メニュー どの蕎麦も価格はかなり高めであるが、蕎麦の他に季節の一品と水菓子付きがセットになっている。初日のこの日は、「天ぷらざるそば」を注文。すると、薬味や抹茶塩、蕎麦つゆと共に、酢のものが出てきた(「湯葉どうふと野菜のポン酢ジュレがけ」と勝手に命名)。薬味はネギ、擦り山葵、おろし大根の3つ この「湯葉豆腐のジュレがけ」はかなり美味しかった 続いて出てきた天ぷらは、一見すると衣が薄くて美味しそうだが、実際には衣が硬かった 蕎麦は二八そばで、東京の蕎麦店のように蕎麦の量は少なめだ コシがあるものの、蕎麦の香りや甘味をそれほど感じさせない そして最後に、寒天と黒蜜で作ったような水菓子が出てきた 「鴨せいろ」肉、ネギともに温かい「鴨南蛮そば」と同じであるが、汁は濃いめなので、タップリと2匙くらいの山椒を入れて食べるのがお勧め この日の蕎麦湯は今流行りの濃いトロッとしたタイプであったが、別の日の蕎麦湯は薄かった 温かい「長芋とろろそば」は、ろろと蕎麦が絡んで美味しさが倍増する。特に、残った汁とドロッとしたとろろが混ざった汁を飲むと、両者が相まって何とも言えない美味しさとなる。お勧め!「鴨南蛮そば」のつゆは、京都の蕎麦つゆのように薄い色をしているが、洗練された鰹節の香りに加え、鴨の旨味をしっかりと味わえる美味しさ鴨も焼いたものでなく、日本料理でいう鴨ロースをスライスしたもの。火の通りがミディアムで、味がしっかりと染みていて、オリジナリティのある鴨南蛮である蕎麦も伸びてへたることなくコシを保っていた

手打百藝 中の森

 JR水前寺駅前にある人気の十割蕎麦の店。店内に入ると、まず聞こえてきたのは元気のいい店主の声。古民家をリニューアルした和モダンの店内は、なかなか風情があっていいが、何故かミスマッチなポップミュージックが流れていた。
 メニューを見ると、天種はなく、名物は蕎麦の実を発芽させ、独自の手打ち法によって打たれた「発芽そば切り」のようだ。「発芽そば」は、発芽期に発生する糖化酵素によって甘みが増え、餅のような食感と独特のぬめりが出るらしい。
 出てきた「発芽そば切り」は、いわゆる挽きぐるみ蕎麦で、確かに蕎麦の香りと甘みが増す代わりに、コシがなくなっている。悪く言えば、細切りの温かい蕎麦を食べている時の後半のような状態なので、好みが分かれるかも。つけ汁は辛さがちょうど良く、本枯節が香って悪くない。一方、「更科そば」は、蕎麦の香りがなくなるものの、コシがあってバランスが良くお勧め。両方を試してみたいという方は、発芽そば切りと更科の「御前二色そば」がいい。「挽きぐるみそば」は、滑らかさがなく、更にコシもない。むしろ、同じ挽きぐるみであればて「発芽そば切り」の方がいいかも。阿蘇の黒豚を使用した「黒豚汁 もりそば」は、生姜焼きくらいに肉が厚いため、食感が良くなく、豚の臭みも僅かに感じられた。蕎麦湯はドロドロとしたクリーミータイプで、実に美味しい。(2019年8月追加)
https://nakanomorisoba.jimdo.com

熊本市中央区水前寺3丁目6-2 地図 
電話番号:096-387-6340
定休日:月曜
営業時間:11時~15時(売り切れ次第閉店)
予算:御前二色そば1540円
アクセス:熊本市電・新水前寺電停で降り、「コーエイ」、「カラオケのんちゃん」の看板が見える「新水前寺駅入口交差点」を左折し、JR水前寺駅方面へ向かう。「スマイルホテル」、「受験ラ サール」、「youmeマート」を過ぎ、左にJR水前寺駅が見えたら、右斜めに細い通りがあるので、奥に見える。新水前寺電停から徒歩10分。JR水前寺駅から徒歩1分
最寄りのランドマーク:JR肥後本線・水前寺駅
お勧めポイント:蕎麦の実を発芽させ、独自の手打ち法によって打たれた名物の「発芽そば切り」が食べられる

左にJR水前寺駅が見えたら、その先に・・・ 細い右斜めの通りが見えます(もう見えています) ココです! 古民家をリニューアルした和モダンな店内は、なかなか風情があっていいが、何故かポップミュージックが流れていた 名物は、蕎麦の実を発芽させ、独自の手打ち法によって打たれた「発芽そば切り」のようだ。「発芽そば」は、発芽期に発生する糖化酵素によって甘みが増え、餅のような食感と独特のぬめりが出るらしい お品書き1 お品書き1のアップ お品書き2 季節の蕎麦 発芽そば切りと更科の「御前二色そば」 つけ汁は辛さがちょうど良く、本枯節が香って悪くない 「発芽そば切り」は、いわゆる挽きぐるみ蕎麦で、確かに蕎麦の香りと甘みが増すが、代わりにコシがなくなっている。悪く言えば、細切りの温かい蕎麦を食べている時の状態なので、好みが分かれるかも 「更科そば」は、香りがなくなるものの、コシがあってバランスが良くお勧め 蕎麦湯はドロドロのクリーミーなタイプで、美味しい「三色そば」。左から「挽きぐるみ」、「発芽そば切り」、「更科」 「挽きぐるみそば」は、滑らかさがなく、更にコシもない。むしろ、同じ挽きぐるみであればて「発芽そば切り」の方がいいかも阿蘇の黒豚をした「黒豚汁 もりそば」は、生姜焼きくらいに肉が厚くため、食感が良くなく、豚の臭みも僅かに感じられた

天ぷら 鶴八

 古いビルの2階にある天ぷら店。店内は、掘りごたつ風のカウンター席と2名様用のテーブル席が1つだけ。お酒のメニューを見ると、日本酒や焼酎など一通り揃ってはいるが、プレミアム的なものはない。
 カウンターの上には大皿が置かれ、京都のおばんざい風の料理が並ぶ。この日は「新ゴボウと馬スジの煮物」と「ポテトサラダ」、「つぶ貝の煮物」、「しゃく(熊本でいう穴シャコ)の蒸しもの」など。まずは、大好きな「ポテトサラダ」と熊本らしい「新ゴボウと馬スジの煮物」を注文。「ポテトサラダ」は、人参やキュウリのバランスが良く、店主のセンスを感じさせる。「新ゴボウと馬スジの煮物」は、やや歯ごたえのある馬スジとゴボウとの相性が抜群で、最高に旨かった!「馬刺し」はカチカチの冷凍だったのは残念だが、肉質はなかなか良かった。最初は生姜醤油で、後半はニンニクを加えた醤油で食べると、間違のいない美味しさ。
 カウンターの中に目を移すと、短冊に書かれたいろいろな魚貝名が見えるが、値段表示はない。これらはどれも新鮮なのか、刺身でも、焼いても、単品の天ぷらとしても注文できるらしい。その中から、「真イワシ」と「天草産・岩牡蠣」を刺身で、「五島列島産・ノドグロ」の半身を焼き魚で注文。擦りたての本ワサビが添えられた真イワシの刺身は、脂がのっていて蕩けるような美味しさ。天草産の岩牡蠣は、プリッとしていて旨味十分。五島列島産ノドグロの塩焼きは、皮目がカリッと焼かれ、小ぶりであったが脂がのっていて最高にジューシーだった。
 そろそろお腹が一杯になってきたが、せっかくの取材なので、天茶漬け付きの天ぷらおまかせコースを追加注文。天つゆの他に、山椒とパセリ、沖縄の「雪塩」のようなパウダー状の塩が出てきた。この塩は3種類の塩をブレンドして、店主自ら擦って雪塩状態にしているものだという。天種は地物にこだわっているらしい。
 まず出てきた「車エビの頭」は、カリカリに揚げられてお酒のアテにピッタリ。続く「車エビ」は、ミディアムレアに火が通され、甘さが残る絶妙な揚げ加減。油は綿実油のブレンドらしく、ごま油のように香りに深みがなかったのが残念。「オクラ」、「新蓮根」、「キス」、「甘唐辛子」と続くが、特に、熊本産の「新蓮根」はシャキシャキとしていて、驚くほどの甘みを感じた。「キス」も美味しかったが、もう少し衣が厚く、ふっくらサックリとして欲しかった。さらに、山椒塩でいただく「海老とパンのはさみ揚げ」、「赤茄子」、「熊本県産・モロッコ豆」、「甘鯛」で天ぷらコースは終了となる。とくに、「モロッコ豆」はこれまで食べた野菜天ぷらとしては、最高の天ネタであった。これに対し、ウロコのついた甘鯛は鱗が硬く、身も何故か塩素臭くてダメだった。「海老のかき揚げの天茶」は煎茶で頂くのだが、ワサビが添えてなく、塩味も足りないので、塩とワサビを追加でもらってからいただくといい。
 それにしても、綿実油を使っていたことが唯一残念であったが、揚げ方は地方店としてはかなり秀逸であり、何よりも良心的でホスピタリティのある素晴らしい店である。(2019年7月追加)

熊本市中央区新市街1-2 フジモトビル2階  地図
電話番号:096-352-7708
定休日:日曜
営業時間:18時〜23時半
予算:天ぷらおまかせコース4000円、天ぷらおまかせコース+天茶漬け5200円
アアクセス:熊本市電・花畑町電停で降り、「みずほ証券」側へ渡る。右に進み、「野村證券」、「大和証券」を過ぎ、「熊本銀行」の角を左折する。「西銀座通り」の看板の右側のビル。花畑町電停から徒歩3分
最寄りのランドマーク:花畑町電停、みずほ証券、西銀座通り
お勧めポイント:天ぷらはもちろん、その他の料理も美味しい優良店

西銀座通りの表示の横の・・・ このビルの・・・2階にあります ココです! 店内は、掘りごたつ風のカウンター席と2名様用のテーブル席が1つだけ カウンターの上には大皿が置かれ、京都のおばんざい風の料理が並ぶお酒のメニューを見ると、日本酒や焼酎など一通り揃ってはいるが、プレミアム的なものはない 料理のメニュー 本日のお勧めの天ぷらメニュー レギュラーの天ぷらメニュー 「ポテトサラダ」は、人参やキュウリのバランスが良く、店主のセンスを感じさせる 新ゴボウと馬スジの煮物」は、やや歯ごたえのある馬スジとゴボウとの相性が抜群で、最高に旨かった! 「馬刺し」 カチカチの冷凍だったのは残念だが、肉質はなかなか良かった。最初は生姜醤油で、後半はニンニクを加えた醤油で食べれば、間違のいない美味しさ 擦りたての本ワサビが添えられた「真イワシの刺身」 脂がのっていて蕩けるような美味しさ 天草産の「岩牡蠣」は、プリッとしていて旨味十分 五島列島産「ノドグロの塩焼き」は、皮目がカリッと焼かれ、小ぶりであったが脂がのっていて最高にジューシーだった まず出てきた「車エビの頭」は、カリカリに揚げられてお酒のアテにピッタリ 「車エビ」は、ミディアムレアに火が通され、甘さが残る絶妙な揚げ加減。油は綿実油のブレンドらしく、ごま油のように香りに深みがなかったのが残念 2本目の「車エビ」 「オクラ」 「新蓮根」はシャキシャキとしていて、驚くほどの甘みを感じた 「キス」も美味しかったが、もう少し衣が厚く、ふっくらサックリとして欲しかった 「甘唐辛子」 「海老とパンのはさみ揚げ」だけは、中華風に山椒塩でいただく 「赤茄子」 「モロッコ豆」は柔らかくジューシーで、これまで食べた野菜天ぷらとしては、最高の天ネタであった ウロコのついた甘鯛は鱗が硬く、身も何故か塩素臭くてダメだった「海老のかき揚げの天茶」は煎茶で頂くのだが、ワサビが添えてなく、塩味も足りないので、塩とワサビを追加でもらってからいただくといい

鮨 仙八

 ミシュラン特別版で星を獲得した人気の寿司店。ビルの地下の通路を進むと、奥に「鮨 仙八」の行灯が見える。扉を開けると、L字型のカウンター席と個室のテーブル席がある。それにしても、店の規模のわりに従業員の数が多いのが印象的だ。お酒は、日本酒も焼酎もあまり種類がなく、日本酒は九州のものが中心。ビールは小瓶のみで、アサヒのスーパードライである。
 茶懐石の流儀なのか?まず出てきたのは、「潮汁」には酢飯が入った一品。飲み進めて行くに従って酸味が増し、味の変化が面白い。次は、締めた「生ニシンと焼きホタテ、海老芋の煮物」に、生姜風味の餡をかけたもの。ホタテは火が通り過ぎていてダメだったが、海老芋は美味しかった。続く「天然ブリ」は、脂がのっていて、水前寺菜(金時草)も旨かった。「焼きカマス」に添えられたクラッカーと安納芋には、花山椒がのっていて、甘さの中にもピリッとしたアクセントがあって良かった。「茶碗蒸し」は、単なる鰹節の味ではなく、しょっつるのような濃厚な魚介系の味がした。
 最初の握りは、熟成した「アオリイカ」。熟成させ過ぎていてドロドロに溶け、アオリイカ特有の甘みや食感を全て失っていた。「イシガキダイ」は、脂がのっていて最高だった。「連子鯛」は食感、締め具合ともに良かった。大ぶりの天草の「真アジ」は、とても脂がのっていて美味しい。春の「赤貝」は、身が厚く香りもあり、まさに旬の美味しさ。「サワラ」は、身が柔らかく味が繊細。そして、「トロ」、「赤身の漬け」、「脳天」と本鮪が続く。とくに、スモークされた「脳天」が良かった。ボイルしたての「車海老」は、香りはそれほどではなかったが、甘みがあっていい。北海道産バフンウニ(若い店主はムラサキウニと説明していた)は、やはり美味しい。「トコブシと肝のリゾット」は、酢飯なのか?酸味が微妙。最後は、「赤貝のヒモの巻物」で終了となった。
 全体的には良かったが、美味しいものとそうでないものがハッキリしていた。しかしながら、値段を考えればコスパが良く、満足度はそれなりに高いかも。(2019年7月追加)(2019年7月追加)
http://sushi-senpachi.com

熊本市中央区花畑町13-24 花畑ビル地下1階 地図 
電話番号:096-322-9955
定休日:日曜・祝日
営業時間:【月曜~木曜】18時~23時、【金曜・土曜】11時半~13時半、(一部)18時~20時、(二部)20時20分~
予算:おまかせで13000円
アクセス:熊本市電・花畑町電停で降り、「みずほ証券」側へ渡る。「銀座通り」へ進み、「福岡銀行」を過ぎた最初の交差点(吉野家、)を右折すると左側に見えるビル。花畑町電停から徒歩3分
最寄りのランドマーク:銀座通り、福岡銀行熊本営業部
お勧めポイント:ミシュラン2つ星獲得の人気寿司店

このビルの1階にあります ビルの地下の通路を進むと・・・ 奥に「鮨 仙八」の行灯が見えます 扉を開けると、L字型のカウンター席と個室のテーブル席が 日本酒のメニュー
焼酎のメニュー 茶懐石の流儀なのか?まず出てきたのは、「潮汁」には酢飯が入った一品。飲み進めて行くに従って酸味が増し、味の変化が面白い 締めた「生ニシンと焼きホタテ、海老芋の煮物」に、生姜風味の餡をかけたもの。ホタテは火が通り過ぎていてダメだったが、海老芋は美味しかった 「天然ブリ」は、脂がのっていて、水前寺菜(金時草)も旨かった 「焼きカマス」に添えられたクラッカーと安納芋には、花山椒がのっていて、甘さの中にもピリッとしたアクセントがあって良かった 「茶碗蒸し」は、単なる鰹節の味ではなく、しょっつるのような濃厚な魚介系の味がした 具材は舞茸などのキノコや百合根 最初の握りは、熟成した「アオリイカ」。熟成させ過ぎていてドロドロに溶け、アオリイカ特有の甘みや食感を全て失っていた「イシガキダイ」は、脂がのっていて最高だった 「連子鯛」は食感、締め具合ともに良かった 大ぶりの天草の「真アジ」は、とても脂がのっていて美味しい 春の「赤貝」は、身が厚く香りもあり、まさに旬の美味しさ 「サワラ」は、身が柔らかく味が繊細 「本鮪のトロ」 「本鮪の漬け」 スモークされた「脳天」が良かった ボイルしたての「車海老」は、香りはそれほどではなかったが、甘みがあっていい
北海道産バフンウニ(若い店主はムラサキウニと説明していた)は、やはり美味しい 「トコブシと肝のリゾット」は、酢飯なのか?酸味が微妙最後は、「赤貝のヒモの巻物」で終了

鮨 なかむら

 ミシュラン特別版にも掲載された寿司店。ビルの1階にある店内に入ると、ゆったりと快適なカウンター席が広がる。酒のメニューを見みると、三重の「而今」や青森の「田酒」などの良質な日本酒が揃っており、特に地酒にはこだわりはないようだ。今回いただいた熊本の米焼酎「九代目」は、淡麗で香りこそ乏しかったが、実にバランスが良く、地元の日本酒「産山村」も悪くはなかった。
 おまかせコースは、まずは酒のアテからスタート。「地物白魚とウルイの生姜醤油」、「アラのポン酢」、「菜の花の胡麻和え」、「熊本産ヒラメの刺身」、「地元アオサの茶碗蒸し」、「イワシのオイル漬け」、「葉山葵漬け」、「カラスミ」、「熊本産太刀魚の焼き物」など、どれも美味しかった。
 握りの酢飯は、赤酢と塩のバランスが良く、今年初物の熊本産「さより」からのスタート。さらに、熊本産「モンゴウイカ」、台湾産「カジキマグロ」、燻された熊本産「さわら」、天草産「車海老」、根室産「バフンウニ」、熊本産「真アジの昆布締め」、京都舞鶴産「本マグロのトロ」、締めて四日目の「コハダ」、韓国産の「煮穴子」、「鮪と胡麻の巻物」へと続き、「アラの潮汁」、「玉子焼き」、「デザート」で締めとなった。
 それにしても、地方店とは思えないくらい洗練された江戸前寿司を出すのに加え、コスパもいい。(2019年3月追加)

熊本市中央区城東町5-59 地図 
電話番号:096-352-9713
定休日:水曜
営業時間:17時半~21時半
予算:おまかせコース1万円
アクセス:熊本市電・通町筋電停で降り、「ダイコク」、「JINS」、「アパマンショップ」側に渡る。左(熊本城側)へ進み、最初の交差点(BEAMS手前)を右に曲がる。「上通駐車場」、「熊本キャッスルホテル」を過ぎた交差点を左折すると、右側に見えるビル。通町筋電停から徒歩10分
最寄りのランドマーク:熊本キャッスルホテル
お勧めポイント:地物素材を使った本格的な江戸前寿司

このビルの1階にあります ココです! ゆったりとしたL字型のカウンター席 お酒のメニュー 地酒「産山村・純米」は、悪くはない おまかせコースは、酒のアテからのスタート。「白魚とウルイの生姜醤油」 大根おろしとウルイをどけると、熊本産の生白魚が出現 「アラのポン酢」皮も入っているので食感抜群! 「菜の花の胡麻和え」 「熊本産ヒラメの刺身」 身が厚く切られていて弾力が凄い 「地元のアオサの茶碗蒸し」 忘れたが、「イワシのオイル漬け」だったような気がする 「葉山葵漬け」 「カラスミ」 地物「太刀魚の焼き物」は脂がのっていて美味しかった 握りの最初は、初物の熊本県産「さより」。食感に加えて旨味十分 地物の「モンゴウイカ」は塩でいただく 台湾産の「カジキマグロ」は水っぽく、脂と香りに乏しい 燻された地物の「さわら」は、トロッとして抜群に美味しい 「天草産の車海老」は、まあまあの美味しさ 「根室産のバフンウニ」 「熊本産・真アジの昆布締め」は、せっかくの繊細な味なのに生姜が効きすぎていた 「京都舞鶴産の本マグロのトロ」は、とろけて香り良し 締めて四日目だという「コハダ」は、香りがよく、締めすぎておらず美味しかった 「韓国産の煮穴子」はフックラと柔らかで美味しい 「鮪と胡麻の巻物」は、簾でしっかりと巻かれておらず、緩すぎ 「アラの潮汁」はコクがあって良かった 「玉子焼き」は普通デザートで締めとなる

鮨 正六

 今年で32年目を迎えた熊本市郊外の寿司店。先代も未だ現役ではあるが、現在は二代目の若大将がメインである。彼は非常に研究熱心であり、独自のポリシーを持っている。今流行の江戸前風に流されることなく、独自に発展した熊本寿司スタイルにこだわっている。なので、この店の酢飯は流行の赤酢でなく、米酢である。ネタも基本的に地元天草のものを使用しており、素材に納得できない場合には、長崎の五島産や北海道産など、その時々のベストなものを仕入れているという。しかも、素材によって新鮮なうちに使用するもの、昆布締めなどの仕事を施して出すもの、熟成させて旨味を増してから供するものなど使い分けている。
 店内は左側にカウンター席があり、右側に小上がりのテーブル席がある。古い店ではあるが、熊本震災後にリニューアルしたため、外観や内装もそれを感じさせない。
 まずは、地元で人気の米焼酎「川辺」をいただく。淡麗な米焼酎にしては香りが良く、さすが地元で人気の焼酎である。せっかくなので、今回は夜の12000円のコースをいただくことに。最初のアテは、地物の「真鯛の刺身」をおろしポン酢でいただいたが、これはまあまあの美味しさ。続く「モンゴウイカとうるかの和え物」は、イカを2週間熟成させているせいか、素晴らしい酒のアテに仕上がっていた。「本鮪のトロの刺身」はカマに近い部分なのか、非常に脂がのっていた。今回アテで一番美味しかったのは、地物の「煮アワビ」。塩加減が絶妙で旨味十分であった。辛子に付けて食べるは初めてだったが、これが意外にも良かった。天草のブランド野菜である「湯島大根のふろふき大根」は、味噌の濃さが絶妙で、蕪のように苦みがなくて美味しい。「函館・うに・むらかみ(→ 札幌グルメバイブル・北海道料理の頁を参照)」の「バフンウニ」と「自家製カラスミ」は、自家製カラスミだけでも美味しいのに、それに生ウニをのせて食べると甘味が増して最高だ。続いていただいた酒は、若大将お勧めの地酒「産山村・純米吟醸・無濾過生原酒」。うす濁りながら洗練されていてコクがあり、糀臭さもない。今まで飲んだ「産山村」のイメージを覆す美味しさだった。最後は、地物の「シャコの焼き物」。小振りでありながら香ばしさと旨味があり、酒のアテとしては良かった。
 さあ、そしていよいよ握りに。まずは、2種類のガリと漬物が出てきたが、ガリは九州らしくかなり甘めだ。これは地元客ではない限り、かなり好みが分かれるところ。「ヤリイカ」、「サヨリ」、「ヒラメ」と出てきたが、何れも良かった。「バフンウニ」は海苔なしで、「赤貝」は小振りなものを2枚握って供された。口直しの「溶き玉子の味噌汁」は、店主の言うように握りを邪魔せず良かった。茹でたての「車海老」は甘く香りもあり、非常に美味しかった。脂がのった「本鮪のトロ」は見た目通りの美味しさ。炙った「五島産のあなご」は、塩でいただいたが、これが臭みがなくとろける様に美味しかった。「こはだ」は香り十分で、締め方も丁度良かった。香りをつけるために表面を少し焦がしたという「玉子焼き」は普通。締めの巻物は、ロンドンに移転した「あらきTHE ARAKI」名物の手巻きの鉄火巻き「チョモランマ」を模したような巻き方であるが、若大将曰く、この巻き方は決して「あらき」がオリジナルではないという。この店の手巻きは、マグロ少なめのネギトロスタイルで、これに合うという若大将こだわりの煮切りをつけていただく。
 ちなみに、この店は地域に根差した寿司店なので仕方がないのかもしれないが、店内ではテレビが放映され、ガラスの冷蔵ケースがあるなど、まさに昭和の街の寿司店のよう。この雰囲気とは裏腹に、こだわりの若大将が作るアテや握りはどれもハイレベルで洗練されている。今回は1つ星としたが、このギャップを解消できるような雰囲気になれば、地方の寿司店としては2つ星にしても良いかも。(2019年3月追加)
http://www.shoroku-sushi.jp

熊本市東区新外1丁目5-47  
電話番号:096-367-1171
定休日:月曜
営業時間:11時半〜13時半、17時半〜22時
予算:【昼】握りのみで6000円、7000円、8000円、【夜】つまみと握りで8000円、10000円、12000円
アクセス:熊本市電・健軍町電停から2.5㎞。熊本中心部からタクシーで2000円〜2500円
最寄りのランドマーク:熊本赤十字病院、熊本県立大学
お勧めポイント:若き大将が作るこだわりのアテと握り

熊本市郊外の交通量の多いエリアにあります ココです! 昭和の寿司店を彷彿させるガラスケース入って右側には、小上がりのテーブル席がある 最初のアテは、地物の「真鯛の刺身」をおろしポン酢でいただいたが、これはまあまあの美味しさ 「モンゴウイカとうるかの和え物」は、イカを2週間熟成させているせいか、素晴らしい酒のアテに仕上がっていた 「本鮪のトロの刺身」はカマに近い部分なのか、非常に脂がのっていた 今回アテで一番美味しかったのは、地物の「煮アワビ」。塩加減が絶妙で旨味十分であった。辛子に付けて食べるは初めてだったが、これが意外にも良かった 天草のブランド野菜である「湯島大根のふろふき大根」は、味噌の濃さが絶妙で、蕪のように苦みがなくて美味しい 「函館・うに・むらかみ」の「バフンウニ」と「自家製カラスミ」自家製カラスミだけでも美味しいのに、それに生ウニをのせて食べると甘味が増して最高だ 続いていただいた酒は、若大将お勧めの地酒「産山村・純米吟醸・無濾過生原酒」。うす濁りながら洗練されていてコクがあり、糀臭さもない。今まで飲んだ「産山村」のイメージを覆す美味しさだった 最後は、地物の「シャコの焼き物」。小振りでありながら香ばしさと旨味があり、酒のアテとしては良かった さあ、そしていよいよ握りに。まずは、2種類のガリと漬物が出てきたが、ガリは九州らしくかなり甘めだ。これは地元客ではない限り、かなり好みが分かれるところ 漬物「ヤリイカ」「サヨリ」「ヒラメ」は塩でいただく「バフンウニ」は海苔なしで食べても美味しい 「赤貝」は小振りなものを2つ握って供された 口直しの「溶き玉子の味噌汁」は、店主の言うように握りを邪魔せず良かった 茹でたての「車海老」は甘く香りもあり、非常に美味しかった 脂がのった「本鮪のトロ」は見た目通りの美味しさ 炙った「五島産のあなご」は、塩でいただいたが、これが臭みがなくとろける様に美味しかった 「こはだ」は香り十分で、締め方も丁度良かった香りをつけるために表面を少し焦がしたという「玉子焼き」は普通締めの巻物は、ロンドンに移転した「あらきTHE ARAKI」名物の手巻きの鉄火巻き「チョモランマ」を模したような巻き方であるが、若大将曰く、この巻き方は決して「あらき」がオリジナルではないという。この店の手巻きは、マグロ少なめのネギトロスタイルで、これに合うという若大将こだわりの煮切りをつけていただく

鮨 いち葉

 開店3年目を迎えた上通にある寿司店。店内に入ると、白木で作られたL字型のカウンター席が8席。白木と塗り壁のモノトーンカラーが印象的だ。
 ランチタイムには、握りと味噌汁だけのお値打ちのコースが設定されているが、夜に供されるつまみと握りのおまかせコースの方がお勧め。もちろんその理由は、酒のアテがどれも美味しいから。予約時に告げれば、昼でも夜のコースもいただくことができる。
 初めて会った大将の印象は、俳優・酒井敏也のように実直そうで口数が少ないこと(別に、顔が似ているわけではなく、あくまでもファーストインプレッションによるイメージ)。そのためなのか、この店は写真撮影が禁止なので、写真のない今回は、夜のおまかせコースについて詳しく述べる。
 まず、最初のアテは、「ズワイガニとハマグリの出汁に浸した焼き雲子(真ダラの白子)」、さらに、「藁で燻したサワラと焼いた新筍の芽の盛り合わせ」、「あん肝と生姜の味噌漬」、「自家製カラスミ大根」、「湯引きした地物のトラフグの出汁浸し」、「鳥取産・活ズワイガニの身と内子の一口ご飯」、「生シャコの醤油漬け・柚子胡椒風味」、「壱岐対馬の戻り寒ブリの照り焼き」へと続く。あん肝は、低温で調理されているために箸でつかめないほど柔らかく、スライスされた生姜の味噌漬と一緒にいただくと、旨味の輪郭が際立った。「湯引きした地物のトラフグの出汁浸し」は、大根の鬼おろしと焼き海苔を混ぜていただくと出汁の旨味が増し、さらに厚く切られたトラフグの弾力との相性が抜群。ほんのりと温かい「鳥取産・活ズワイガニの身と内子の一口ご飯」は、茹でたてのズワイガニの濃厚な風味が感じられて最高だった。「生シャコの醤油漬け」は、甘エビの様にネットリとした生シャコの食感と、山芋のシャキッとした食感のコントラストが素晴らしかった。
 握りは、「イナダ(幼少のブリ)」、「赤貝」、「車海老」、「アジ」、「ホタテ」、「サバ」、「本マグロの漬け」、「蒸し鮑」、「大トロ」、「新海苔の穴子巻き」の10貫で、これに「新筍の味噌汁」とカリカリに焼いた「車海老の頭」、「卵焼き」が付く。酢飯は赤酢によるもので悪くはない。特に印象的で良かったのは、身が厚く甘味のあった「赤貝」、鮪の香りと深みが感じられた「本マグロの漬け」、これまでに味わったことがないくらいサッと火を通しているため、甘味と食感が最高であった「車海老」などである。
 それにしても、今回の取材で感じたのは、熊本市の寿司は意外にもレベルが高いということだ。天草に近いということもあるのかもしれないが、素材に甘んじていない店主の努力が評価できる。(2019年1月追加)

熊本市中央区上通9-16  地図 
電話番号:096-288-2154
定休日:日曜
営業時間:【昼】12時、【夜】18時~19時半
予算:【昼】5000円〜6000円(握りと味噌汁)、【夜】10000円〜13000円(つまみと握り、味噌汁)
アクセス:熊本市電・通町筋電停で降り、「上通商店街」アーケードを進む。「大谷楽器」、「ココカラファイン」をぎ、「セブンイレブン」と「ハヤカワスポーツ」のある角を右折する。食料品店「WHOLE SQUARE」を過ぎた交差点を左折すると左側に見える。通町筋電停から徒歩5分
最寄りのランドマーク:ホテル日航熊本、上通商店街
お勧めポイント:酒のアテと握りの両方が楽しめる寿司店

上通商店街アーケードの裏通りの細い通りにあります ココです!写真撮影禁止なので、今回の写真はここまで。詳細は本文を見てください