上乃裏通り 雪花山房
ホテル日航熊本の近くにある自家製粉の手打ち蕎麦店。この辺りを歩いていた時に偶然行列を見つけ、気になったので入ってみた。
引戸を開けて店内に入ると、蕎麦屋としては珍しいオープンキッチンのカウンター席とテーブル席があり、まるで日本料理店のようである。メニューを見ると、メニューは昼メニューと夜メニューがあり、夜は酒を飲みながらコース(2名以上)や鍋をいただくこともできる。日本酒は、秋田の「新政」がメインで、他に「乾坤一」、「秋鹿」、「田酒」など。焼酎はメジャーなものが3種類となっている。どの蕎麦も価格はかなり高めであるが、蕎麦の他に季節の一品と水菓子付きがセットになっている。
初日のこの日は、「天ぷらざるそば」を注文。すると、薬味や抹茶塩、蕎麦つゆと共に、酢のものが出てきた(「湯葉どうふと野菜のポン酢ジュレがけ」と勝手に命名)。この湯葉豆腐のジュレがけはかなり美味しかった。続いて出てきた天ぷらは、一見すると衣が薄くて美味しそうだが、実際には衣が硬かった。蕎麦は二八そばで、薬味はネギ、擦り山葵、おろし大根の3つ。蕎麦つゆは、鰹節の香りが良く美味しいが、江戸前のような辛さではない。蕎麦をドップリと浸して食べても良いくらいの濃さである。冷たい蕎麦はコシがあるものの、蕎麦の香りや甘味をそれほど感じさせない。東京の蕎麦店のように蕎麦の量は少なめで、この日の蕎麦湯は今流行りの濃いタイプではなかったが、別の日の蕎麦湯はドロッとして濃かった。そして最後に、寒天と黒蜜で作ったような水菓子が出てきた。
この店の僕のお勧めは、むしろ温かい蕎麦の方で、特に、「鴨南蛮そば」と「長芋とろろそば」がいい。「鴨南蛮そば」のつゆは、京都の蕎麦つゆのように薄い色をしているが、洗練された鰹節の香りに加え、鴨の旨味をしっかりと味わえる美味しさ。蕎麦も伸びてへたることなく、焼いた短冊でないネギも、この汁にマッチしている。また、鴨も焼いたものでなく、日本料理でいう鴨ロースをスライスしたもの。火の通りがミディアムで、味がしっかりと染みていて、オリジナリティのある鴨南蛮である。温かい「長芋とろろそば」は、とろろと蕎麦が絡んで美味しさが倍増する。特に、残った汁とドロッとしたとろろが混ざった汁を飲むと、両者が相まって何とも言えない美味しさとなる。「鴨せいろ」は、肉、ネギともに温かい蕎麦と同じであるが、汁は濃いめなので、タップリと2匙くらいの山椒を入れて食べるのがお勧め。残念ながら、冷たい「生湯波そば」は、その日は入荷せず未だ食べられていない。
全てが完璧とは言えないが、美味しい蕎麦屋が少ない熊本市ではお勧めできる店である。ちなみに、この店の予約は平日の予約はどの時間帯でも可能だが、土日の予約は開店時の11時半のみ可能である。また、平日は空いているので、行くなら、特に平日の昼がお勧めである。(2019年8月追加)
熊本市中央区上通町7-22
電話番号:096-327-5078
定休日:水曜
営業時間:11時半~14時、17時半~21時
予算:鴨南蛮そば1750円、長芋とろろそば1500円
アクセス:熊本市電・通町筋電停で降り、熊本城と反対側(鶴屋百貨店側)へ向かう。ホテル日航熊本の中のタクシー乗降場を過ぎて、裏通りへ向かう。駐車場や駐輪場を左に見ながら進むと、セブンイレブンが見えてくる。更に進むと左側にある。ホテル日航熊本から徒歩4分
最寄りのランドマーク:通町筋電停、ホテル日航熊本
お勧めポイント:洗練された美味しい蕎麦が食べられる
ホテル日航熊本の近くにある自家製粉の手打ち蕎麦店。平日開店時はこんな感じ 土日・祝日になると開店前から行列ができるので、予約必須 蕎麦屋としては珍しいオープンキッチンのカウンター席とテーブル席があり、まるで日本料理店のよう 冷たい蕎麦のメニュー 温かい蕎麦のメニュー さしみ湯葉は美味しいのでお勧め! 外国語メニューもあります外国語メニューもあります 季節の蕎麦 夜のコースメニューは、4100円と5600円の2コース 季節の鍋メニュー どの蕎麦も価格はかなり高めであるが、蕎麦の他に季節の一品と水菓子付きがセットになっている。初日のこの日は、「天ぷらざるそば」を注文。すると、薬味や抹茶塩、蕎麦つゆと共に、酢のものが出てきた(「湯葉どうふと野菜のポン酢ジュレがけ」と勝手に命名)。薬味はネギ、擦り山葵、おろし大根の3つ この「湯葉豆腐のジュレがけ」はかなり美味しかった 続いて出てきた天ぷらは、一見すると衣が薄くて美味しそうだが、実際には衣が硬かった 蕎麦は二八そばで、東京の蕎麦店のように蕎麦の量は少なめだ コシがあるものの、蕎麦の香りや甘味をそれほど感じさせない そして最後に、寒天と黒蜜で作ったような水菓子が出てきた 「鴨せいろ」肉、ネギともに温かい「鴨南蛮そば」と同じであるが、汁は濃いめなので、タップリと2匙くらいの山椒を入れて食べるのがお勧め この日の蕎麦湯は今流行りの濃いトロッとしたタイプであったが、別の日の蕎麦湯は薄かった 温かい「長芋とろろそば」は、ろろと蕎麦が絡んで美味しさが倍増する。特に、残った汁とドロッとしたとろろが混ざった汁を飲むと、両者が相まって何とも言えない美味しさとなる。お勧め!「鴨南蛮そば」のつゆは、京都の蕎麦つゆのように薄い色をしているが、洗練された鰹節の香りに加え、鴨の旨味をしっかりと味わえる美味しさ鴨も焼いたものでなく、日本料理でいう鴨ロースをスライスしたもの。火の通りがミディアムで、味がしっかりと染みていて、オリジナリティのある鴨南蛮である蕎麦も伸びてへたることなくコシを保っていた