手打ちそば まん作
店内は札幌「こはし」のような白を基調としたウッディーかつモダンな雰囲気。2012年ミシュランガイド北海道版でこの地区唯一の星を獲得して以来、いつでも入れた店が週末は満員となり、閉店前に売り切れになってしまう人気店となった。なので、訪れる際には予め電話で確認してから行ったほうがベター。入口には札幌の「さくら庵」とその姉妹店「デナリ」の名刺が置いてあるが、店主は札幌「さくら庵」で蕎麦を学んだらしい。「さくら庵」の蕎麦は、どちらかと言えば蕎麦の風味よりも喉ごし重視の蕎麦である。こちらの蕎麦も基本的には似ているが、「さくら庵」より蕎麦の香りが感じられる。以前に比べると、2種類あった蕎麦のうち、更科蕎麦を廃止し、材料も北海道産蕎麦にこだわるようになった。薬味も本ワサビでなく北海道産の山わさび(ホース・ラディッシュ)を使用している。随所に店主の試行錯誤や努力が見てとれる。現在は挽きぐるを混ぜているのか?以前よりも香りが増した分、多少食感がザラつくようになった。勧めは冷たい蕎麦で、「えび天せいろそば」や「冷やしたぬきそば」が特にがいい。僕の知る限り、空知地区ナンバーワン、いや、旭川地区を含めてもトップ3に入るだろう。富良・美瑛のドライブの際には必ず訪れたい良い店だ。(2012年6月)
上富良野町西町2丁目
電話番号:0167-45-6523
営業時間:11時~17時
定休日:水曜日
予算:えび天せいろそば1000円、冷やしたぬきそば700円
アクセス:富良野から国道237号を進むと、緩く左にカーブする上富良野のローソンを
過ぎ、観音像のある交差点を右折し、JR上富良野駅方面に右折するとすぐ左角の一軒
屋。
実は、旭川の老舗製麺所「加藤ラーメン」の2代目社長(先代)の長男が現在の「加藤ラーメン」の社長であり、次男が「味乃やまびこ」というラーメン店グループを率いている。「味乃やまびこ」のラーメン店には、 「味乃やまびこ(→ その他北海道の旨い店・道北版を参照)」 と「工房 加藤らーめん」という2つのブランド名を持つが、基本的な味はほぼ同じである。この「工房 加藤らーめん」のお勧めは、何と言っても「熟成正油らーめん」か「こくうま熟成正油らーめん」。両者の違いは、「熟成正油らーめん」に豚の背脂をトッピングしたものが「こくうま熟成正油らーめん」なのである。スープは薄濁りのトンコツスープで、魚介系の風味も抑えられていて、野菜の旨味も感じる美味しいスープである。チャーシューもトロトロで美味しいので、チャーシューメンにすることをお勧めしたい。なお、この店では「あさひかわ ラーメン村」で一般的な小サイズのラーメンはない。
加藤ラーメン系のラーメン店と言えば、麺を食べ終えた後のスープで頂く“おじや”「いうもの奴」というのが有名だが、次男の経営する「味乃やまびこ」グループではこのサービスを行っていないのが残念である。ちなみに、三男の経営する「元祖旭川 かとうらーめん本店」や「元祖旭川 かとうらーめん 手稲本店・月寒店」などでは行っている。