2.北海道(道央)

滝川市

サッポロラーメン 月光軒

 滝川にオープンした「純連・すみれ」系のラーメン店。元は個室カラオケだったのだろうか?広い駐車場には使われていない個室ボックスが並んでいる。駐車場横には黒の外観の店舗があり、店内は黒と白でコーディネートされている。入り口側から右奥にかけては一部空いたL字型のカウンター席が、そして手前右側にはテーブル席がある。聞くところによると、この店の店主はかつて札幌北区北34条にあった「やぶれかぶれ」の店主であるとのこと。「やぶれかぶれ」と言えば、店主が「すみれ」出身で、「札幌グルメバイブル2005」でも掲載されていた人気ラーメン店である。その後突然閉店し、とても残念に思っていたところ、復活したという知らせが・・・。当時の記事を振り返ってみると、「・・・お勧めは味噌ラーメン。純連・すみれよりもスープの味付けが濃いめで、生姜の風味も強い。もしも、味が濃いと思ったら薄めるスープをもらえば良い。」との記述が。
 メニューを見ると、この店のラーメンは基本的に「みそ」、「正油」、「しお」の3種類で、トッピングとしてチャーシューとワンタンがある。この他に「辛ラーメン」があり、これは「みそ」か「正油」を選択できる。また、最近ではこの他に基本の3種の味が選べる「野菜ラーメン」も登場した。
 久しぶりに「みそワンタンメン」食べてみると、確かにスープは「やぶれかぶれ」独特のラードの浮いた濃厚なスープである。出身である「すみれ」とは味噌のブレンドが異なるのか?オリジナリティがありながら後味の良いスープだ。同じ「すみれ」出身の 「味噌らーめん専門店 狼スープ(→ 札幌グルメバイブル・ラーメンの頁を参照)」 の「特製味噌らーめん」のスープにも近い美味しいスープである。ワンタン自体は「すみれ」のワンタン同様、特にお勧めではない。ベースの具材はキクラゲ、モヤシ、ネギ、チャーシュー1枚、挽肉、そして細いメンマ。中でも、肩ロースを使ったチャーシューは、脂肪が少なくとても美味しいので、「みそチャーシューメン」もお勧めだ。しかしながら、黄色い中太縮れ麺はあまりコシがなく、ツルツルとした食感にも乏しいのが唯一残念であった。
 僕の1番のお勧めは、この店オリジナルの「辛みそラーメン」。ラー油が表面に浮かび、見た目は真っ赤であるが、それ程辛くはなく中辛程度。このデリケートで微妙な辛さが後を引く美味しさなのである。この他に、もちろん「純連・すみれ」系なので名物の「チャーハン」もあるが、香りやコクがなくイマイチだった。ちなみに、Yシャツとネクタイを愛用する僕にとって、この店の紙エプロンサービスや店内が禁煙である点は嬉しいかぎり。現時点で、空知エリアナンバーワンのラーメン店である。(2013年8月追加)

滝川市本町4丁目4-24  
電話番号:0125-24-1006
定休日:火曜
営業時間:11時〜15時、17時〜19時45分
予算:みそラーメン700円、辛みそラーメン800円、チャーシューメン900円
アクセス:JR滝川駅を出て左に進み、栄通を直進する。2つ目の信号の暑寒国道を右折し、さらに駐車場のある最初のT字路を左折すると「コリアン・ダイニング オールドニュー(→ その他北海道の旨い店・道央版の頁を参照)」が見えるので、それを過ぎて200m程進むと左側にある。JR滝川駅から徒歩13分。 
最寄りのランドマーク:Aiba滝川(旧・高林デパート)
お勧めポイント:復活した札幌「やぶれかぶれ」の味噌ラーメンが食べられる

コリアン・ダイニング
  オールドニュー OLDNEW

 かつての札幌グルメバイブル2007年版で、地方店ながら並みいる札幌の有名焼肉店を抑え、北海道ナンバーワンに輝いた店。しかし、一昨年に店主の体調不良により一時閉店となり、1年以上のブランクを経て再オープンした。店舗は以前と変わらず、焼肉店とは思えないハイセンスな建物。しかし、閉店前と比べて変わった点がある。まずは、以前は熟成した佐賀牛を使用していたが、現在はその時のベストな和肉を仕入れるようになった。ちなみに、この日の肉は仙台牛。また、以前は熟成庫として使用していた入り口近くのガラス保冷庫は、現在は使用されなくなっていた。そのせいか、以前はチルドだった肉が、牛タンなどを含めて一部冷凍肉となった。しかし、肉の熟成感と旨味は十分だった。また、「キムチ」や「オイキムチ」は、深みがあって以前と変わらない美味しさ。「ユッケジャンスープ」や「ユッケジャンクッパ」は濃厚でコクがあり、こちらも相変わらず美味しかったが、辛さは少なくなったような気がする。肉のお勧めは、「特上タン」、「和牛特上ロース」、「和牛貝の身」、「ハラミ」など。冷麺も含めてかつて程の美味しさはなくなったが、地方の焼肉店としては依然抜きん出た素晴らしい店である。(2012年8月追加)

滝川市本町2丁目4-28  
電話番号:0125-22-0542
定休日:月曜(祝日の場合には翌日。不定休もあるので要確認)
営業時間:17時~22時半 
予算:コース3500円 (4名より)、特上タン1300円、和牛貝の身1100円、ユッケジャンクッパ650円
アクセス:JR滝川駅を出て左に進み、栄通を直進する。2つ目の信号の暑寒国道を右折し、駐車場のある最初のT字路を左折する。150m程進むと左側にある。JR滝川駅から徒歩12分。 
最寄りのランドマーク:Aiba滝川(旧・高林デパート) 
お勧めポイント:地方の焼肉店としては抜きん出た素晴らしい店

美唄市

鉄板フレンチ OPa

 昼夜とも完全予約制の鉄板フレンチ店。この店は美唄市の郊外にあるため、店の周りにはあまり建物がない。なので、夜に行くと真っ暗で通り過ぎてしまうかも。店の前にはガーデンが広がり、この日はクリスマスイルミネーションで装飾されていた。11月末になると高さ5〜6mのクリスマスツリーも登場する予定とのこと。店は農家の納屋をリノベーションした建物の中にあり、左側がレストラン、右側はこの店のオーナーである花柳流の重鎮・花柳鳴介氏や同じ日本舞踊家である家族の写真を展示した「ギャラリーNH」となっている。
 この日は後輩の新田夫妻の招待ということで、ディナーでのお任せ料理を頂くことに。シェフの遠藤之教(花柳鳴太朗)氏は鳴介氏の内弟子でもあり、シェフであると同時に日本舞踊家でもあるのだ。なので、踊りの仕事で札幌や本州へも足を運ばなければならないため、店は完全予約制となっているのである。また、この店は遠藤シェフ1人でやっているため、お任せコースの夜は1組の客しか受けることができない。料理は“鉄板フレンチ”と称しているように、魚や肉料理を鉄板で調理する。そういえば、今年ミシュラン2つ星を獲得したフレンチ店 「レストラン リューズ(→ 銀座グルメバイブル・フレンチの頁を参照)」 の飯塚シェフもこのスタイルで供していたように思う。料理はシンプルながら素材の持ち味が十分引き出されており、時間をかけて丁寧に作られていることが分かる。しかも完全予約制なため、素材の鮮度は抜群で、肉はシェフの郷里のブランド牛「米沢牛」である。正直なところ、札幌にあれば1.5つ星くらいの評価となるかもしれないが、このエリアでこのレベルを考えると堂々の2つ星評価であり、まさに“鄙にも稀なる”レストランである。なお、ワインの持ち込みは自由で、夏から秋には鳴介師匠が丹精込めて作った自家菜園の野菜が登場する。(2013年11月追加)

美唄市茶志内町1区  
電話番号:0126-63-3235
定休日:不定休
営業時間:昼、夜とも完全予約制なので要相談
予算:【ランチ】ビーフシチューコース2500円、ステーキコース3500円、【ディナー】お任せで1万円くらい
アクセス:道央自動車道・美唄ICを出て美唄市内へ向かい、中央国道12号線の信号を右折して茶志内・奈井江方向へ向かう。米粉パンやシフォンケーキで有名な「すぎうらベーカリー」を過ぎて1〜2㎞ほど走ると左側にグリーンの看板見える。
最寄りのランドマーク:すぎうらベーカリー
お勧めポイント:空知エリア・トップクラスの和牛とフレンチが味わえる

すぎうらベーカリー

鳴介氏の出迎え

シェフと新田夫妻

ギャラリーNH

ギャラリーNH

ギャラリーNH

米沢牛の握り(炙りと生)

伊勢海老と野菜とコンソメゼリー

アワビと肝のスープ

青ゾイのソテー サフランソース

口直しのソルベ

メインで頂く米沢牛サーロインの芯の部分のお披露目

米沢牛のステーキ 赤ワインソース添え

米沢牛とポルチーニ茸の焼きリゾット コンソメ茶漬け

本日のデザートの盛り合わせ

岩見沢

手打蕎麦 希林

 「元祖もつそば」で有名な岩見沢の蕎麦店。今や全国的にも有名となった「美唄焼き鳥」は、鶏肉とその内臓を一緒に串に刺して焼いて食べるのが特徴であるが、その美唄焼き鳥専門店での締めの定番メニューが「もつそば」なのである。岩見沢と美唄は隣町なので、同じようなメニューが生まれたのであろう。しかし、この店の「元祖もつそば」は、美唄焼き鳥店の「もつそば」とは明らかに異なる。汁が濁っていて濃厚なのである。汁の表面には鶏油が浮かび、汁の中のモツがうっすらとしか見えないほど。モツ入りの汁は鶏肉とはまた違ったコクがあり、後を引く美味しさである。モツはキンカン(未成熟卵)や砂肝、ハツが中心で、お好きな方なら「W」にするのがお勧め。「元祖もつそば」は、温かい通常の「もつそば」と、冷たい「もつせいろ」がある。蕎麦は石臼挽きにした道産蕎麦を使用しており、細くて白い更科蕎麦と太めの田舎蕎麦から選択できる。更科蕎麦は小麦の比率が高いせいか蕎麦の香りに乏しく喉越しもイマイチで、田舎蕎麦は香りがあるが喉越しや食感が良くない。なので、あとは好み次第であるが、僕の結論としては更科蕎麦の「Wもつせいろ」がお勧め。最初はそのまま食べ、半分くらい食べたところで山椒を加えて食べると旨さが倍増する。せいろ蕎麦のつけダレも普通のドンブリにタップリと入っており、残った汁の中にご飯を入れてお茶漬けのようにして食べると最高である。試していないが、辛いもの好きな人向けの「地獄もつそば」なるものもある。人気店なので、開店の11時半を過ぎると平日でもすぐに満員となり、出てくるのに時間がかかってしまうので、行くなら開店5分前がお勧め。(2013年6月追加)

岩見沢市大和一条7-3-3  
電話番号:0126-25-6969
定休日:火曜 
営業時間:11時半〜15時、17時〜21時 
予算:元祖もつそば(せいろ)750円、Wもつそば(せいろ)1050円 
アクセス:JR上幌向駅、JR岩見沢駅から車で10分 
最寄りのランドマーク:ヤマダ電機テックランド岩見沢店、オートバックス岩見沢店 
お勧めポイント:一度食べるとまた食べたくなる「もつそば」

  

栗山町

味道広路(あじどころ)

 地方の和食店だが、田舎の和食店とは考えないでほしい。札幌を含めてランキングをつけても、トップにランクされてもおかしくない店。それほどコストパフォーマンスがいいのだ。恐らく、ほとんどの人は価格の安いコースでも満足できるはず。掘りごたつの個室が2室あり、個室で頂くとここは京都か?と錯覚するくらいのいい感じ。料理は前日までに予約が必要で、4日前からの予約すれば、お持ち帰り弁当(2625円~、4個以上で)をテイクアウトできる。ミシュラン3つ星とは「そのために旅行する価値のある店」ということらしいが、この店はまさに「札幌から車を運転してまでも行く価値のある店」。しかし、周りが木々に囲まれた一軒家なので、夜に行くと真っ暗で道に迷うかも知れない。

夕張郡栗山町字湯地40-35    
電話番号:0123-73-6677(前日までの予約)
(就学前のお子様連れは不可) 
営業時間:12時~14時半、17時半~21時 
定休日:火曜、第2水曜 
予算:昼2500円~(夜メニューも可)夜5000~1万円 
アクセス:由仁国道を栗山方面に向かい、栗山日赤病院近く「湯地」の信号を過ぎてすぐ左折。橋を越え、2~3百メートル先の左の家。

石狩市

リップル Ripple

 ススキが生い茂る望来(もうらい)の丘へ続く坂道を上ると建物が見える。手前が車庫で、その奥の白い建物が店舗、そして奥のコンクリート打ちっ放しの建物がピザ兼パン工房である。工房横には、うず高く積まれた大量の薪が見える。店内に入ると、通路を挟むように綺麗にパンが陳列している。階段を上がると一面ガラス張りになっていて、石狩湾の景色が広がる。席は2名席が6つと4名席が1つだけしかなく、そのうち2名席5つが窓側を向いている。景色に電線が見えるのだけが唯一残念だが、素晴らしいロケーションである。
 メニューを見ると、ピッツエリアでは「マルゲリータ」と並ぶもう1つの定番ピザ「マリナーラ」が見当たらない。もしかすると、店主はパン職人であってピザ職人ではないのではなかろうか?また、生地はモチモチして美味しいが、生地に塩味がない上に、姿もどこかしら本格的ではなのである。食べログの記事では石窯で焼いているということであるが、それを見ることはできない。何故なら、ピザやパンは別棟の工房で焼かれていて、その都度、屋根のない階段を通って運ばれてくるのである。風の強い雨の日や雪の日はどうやって運んでいるのだろう?とちょっと心配になったが、冬期間は営業していないということで少し納得。お勧めの「マルゲリータ」は、通常のモッツアレラチーズを使った「マルゲリータ」と、水牛のモッツアレラチーズとフレッシュトマトを使用した「マルゲリータ・エクストラ」の2種類があり、いずれも24cmと小さめ。店舗で販売されているパンもいくつか購入して試してみたが、今回購入したパンはどれも食感や香りに乏しく、お勧めというほどのレベルではなかった。しかし、ハード系パンは未だ試していないので、機会があればまた試してみたい。
 もしも札幌にあったら、掲載するかどうか迷うところだが、ロケーションも含めて、石狩エリアではお勧めできる一軒である。(2013年9月追加)

石狩市厚田区望来338-30  
電話番号:0133-77-2288
定休日:月曜、火曜(祝日の場合には営業。12月〜3月は休業)
営業時間:【土日・祝日】10時〜夕方まで、【水、木、金曜】11時〜17時
予算:マルゲリータ・エクストラ1400円、マルゲリータ1000円
アクセス:国道231号線(オロロンライン)を通って石狩から厚田方面へ向かう。「石狩霊園」を過ぎて坂を下り、「望来郵便局」のところを左折して坂を上るとすぐ。
最寄りのランドマーク:石狩霊園、望来郵便局
お勧めポイント:石狩・望来にある素晴らしいロケーションのピッツエリア

小樽市

手打ち蕎麦 きむら

 小樽の住宅街の中にある蕎麦店。先ずは玄関で靴を脱いで上がる。入り口正面にはガラス張りの蕎麦打ち部屋があり、フローリングの店内を更に奥へ進むと、左側に電動の石臼挽きの機械が見える。禁煙の店内にはテーブル席しかなく、まるで蕎麦屋と言うより一般住宅にいるような雰囲気。メニューを見ると、冷たい蕎麦も温かい蕎麦も各5種類ずつしかなく、この他に「そばがき」とデザートの「そばあいす」がある。
 蕎麦は外一(蕎麦粉10:小麦粉1)の細打ちの蕎麦で、通常の挽きぐるみ粉に加えて粗挽きにした挽きぐるみ粉を4割使用しているため、麺の中に粒々が見える。このため、食感はイマイチで決して喉越しが良いとは言えず、好みが分かれるところだ。しかしその分、蕎麦掻きのような蕎麦の香りと甘みを感じる野趣に富んだ蕎麦である。蕎麦粉は北海道黒松内産の奈川在来種と美幌産のキタワセを中心に農家から直接仕入れ、電動石臼と手動石臼で自家製粉しているという。
 天種は帯広産ゴボウ入りの野菜かき揚げしかなく、カリッと揚がっていて決して悪くはないが、お勧めと言うほどのものではなく、むしろ、伊達市・大滝産長イモを使用した「とろろせいろ」やフワッとした卵がトロみのある蕎麦つゆに上手く絡む「卵とじせいろ」の方がいい。一方、温かい蕎麦は前述のような挽きぐるみの蕎麦なだけに、表面がネトっりとしてしまい、締まりが無くだらしなく感じてしまう。実は、僕の1番のお勧めはカリッとした蕎麦の実がのった「そばがき」で、このような粗い挽きぐるみの蕎麦粉を使った蕎麦掻きを出す店は、北海道ではこの店だけではないだろうか。蕨餅のようにふっくらネットリとしており、蕎麦の甘さや香りも感じられる。塩とワサビだけで食べて良し、生醤油とワサビで食べても美味しい。
 未だ試行錯誤を繰り返しているような発展途上の蕎麦ではあるが、店主は非常に勉強熱心であり、今後を期待させそうな蕎麦屋である。ちなみに、蕎麦つゆは可もなく不可もなしといった感じであるが、蕎麦湯は蕎麦粉を溶かした濃厚なトロみのある蕎麦湯で、つけ汁に入れて飲むとまるで蕎麦のポタージュスープのように美味しい。(2013年12月追加)

小樽市幸3丁目16の8  
電話番号:0134-29-0262
定休日:水曜、第1木曜(祝日の場合には翌日)
営業時間:11時半〜15時(売り切れ次第終了)
予算:とろろせいろ900円、そばがき500円
アクセス:JR小樽駅から車で10分(3.1km)
最寄りのランドマーク:幸小学校、幸会館
お勧めポイント:店主の真摯な情熱が伝わってくる小樽の蕎麦店

Aigues vives エグ・ヴィヴ

 小樽郊外の忍路(おしょろ)にある知る人ぞ知るパン店。小樽方面から向かうと、忍路トンネル手前の道を登った丘の上にある。丘からは石狩湾が一望でき、まるでジブリ映画にでも出てきそうな雰囲気のあるパン屋である。実はこの店、前々から後輩の新明先生から話を聞いていたものの、それ程パンには興味がなかった僕は敢えて行かずにいた。しかしある日、 「ファイφ(→ 札幌グルメバイブル・バーの頁を参照)」 でこの店の「イチジクとくるみのパン」を食べて以来ファンとなった。そして一度行ってみたいという思いが募り、今回やっと実現した。店の前からは石狩湾が一望でき、以前は普通の一軒家だったのをリフォームしたのかと思わせるような佇まいである。
 この店の醍醐味は何と言ってもハード系パンである。特に外側の皮が抜群に美味しいのである。例えば、通常より細めの「バゲット」は、中の生地がスカスカでモチモチしていないが、外がカリッとしていて小麦が香る。生地と皮の両方を楽しみたいという方は、重さを冠したバゲット「500g」か「1000g」がお勧め。僕が特にお勧めしたいのが、「イチジクとくるみのパン」と「ドライチェリーとノワゼ」の2つ。「イチジクとくるみのパン」は風味豊かなクルミとほんのり甘めのイチジクが美味しく、甘酸っぱい後味の「ドライチェリーとノワゼ」と共に、チーズやワインと絶妙な相性を見せる。この他に外がカリッと中がモッチリとしてベリーが香る「木苺のパン」や焼きチーズが香りが何とも言えない「ロデブ(チーズ)」も悪くない。さらに、「クロワッサン」も是非味わって頂きたいアイテムである。食感がきめ細やかで、噛めば噛むほどほんのり甘く、リッチなバーターの香りが口一杯に広がる。真狩村の 「ブーランジェリー・ジン(→ その他北海道の旨い店・道央板を参照)」 のクロワッサンと共に北海道最高レベルのクロワッサンである。また、同じクロワッサン生地を使った「パン・オ・ショコラ」も美味しく、中のビターチョコとデニッシュのバランスがいい。ちなみに、11月〜12月に登場する「シュトーレン」がドライフルーツと生地のバランス、甘さ、しっとり感、全てが最高で、これまで食べた「シュトーレン」の中でナンバーワンであった。これに対し、「キッシュ」はどれもイマイチだった。「サーモンとホウレン草、ベーコン」や「シーフード」、「ジャガイモとドライトマト、マイタケ」などを試したが、海老の風味豊かな「シーフード」が最も良かった。(2013年11月追加)

小樽市忍路1-195  
電話番号:0134-64-2800
定休日:日曜、月曜
営業時間:火曜〜金曜:11時〜18時頃まで、土曜・祝日11時半〜15時
予算:イチジクとくるみのパン(小)525円、ドライチェリーとノワゼ504円、クロワッサン220円、シュトーレン3412円
アクセス:5号線(羊蹄国道)を通り、JR小樽駅から車で10分。
最寄りのランドマーク:5号線(羊蹄国道)、忍路トンネル
お勧めポイント:最高レベルのハード系パンとクロワッサンが購入できる

らーめん みかん

 小樽の東側にある「南樽市場」前にできた人気のラーメン店。店内はカウンター席の他にテーブル席も有り、思ったより広くて綺麗である。「味噌らーめん」は表面にタップリのラードが浮いていて色が濃く、一見して「純連・すみれ」系のラーメンと分かる。口に含むと、「純連・すみれ」に比べてスープのバランスが幾分良くない。僅かに味噌の苦みが強いのである。麺はお馴染みの中太の縮れ麺で、こちらはコシがあっていい。また、チャーシューはトロトロで美味しいが、味付け玉子はイマイチだ。もしもチャーシュー好きなら、「チャーシューメン」の方が良いかもしれない。小樽地区で「純連・すみれ」系ラーメンを食べたいと思う方には、是非お勧めしたい一軒だ。また、「純連・すみれ」の名物の「チャーハン」は、この店では限定商品のようである。 
 ちなみに、向かいにある「南樽市場」はいつも地元客で賑わい、地魚が豊富でしかも格安。特に、春と秋の年2回捕れる「茹でシャコ(オスが旨い)」や夏の「ウニ」、冬に旬を迎える「八角」などがいい。札幌市内にありがちな蟹や鮭、メロンばかりの観光客向けの市場とは異なり、まさに地域に根差した市場なのである。もしも、平日や土曜日に「らーめん みかん」に訪れたときには、是非寄ってみてほしい。(2013年5月追加)

小樽市新富町13-13  
電話番号:0134-22-1221
定休日:木曜(祝日の場合には翌日休み) 
営業時間:11時~18時(水曜は15時まで、スープが無くなりしだい終了)
予算:味噌らーめん700円 
アクセス:JR南小樽駅を出て右へ。「小樽協会病院」、「市立小樽病院」を過ぎ、「住吉神社前交差点」の信号を左折して国道5号線を進む。「北洋銀行」を過ぎ、橋を渡ってすぐに左折すると「南樽市場」が見えるので、その手前右側。 
最寄りのランドマーク:小樽協会病院、市立小樽病院、北洋銀行、南樽市場 
お勧めポイント:小樽で食べられる唯一の「純連・すみれ」系ラーメン

  

仁木町

道の駅 スペース・アップルよいちの「赤茄子の雫」

 医局の後輩の福津先生からいただいた、北海道仁木町の「新藤観光農園」で作られているトマトジュース。調べてみると通販は行っておらず、「道の駅 スペース・アップルよいち」で購入できるようだ。
 一口飲むと、口いっぱいに爽やかな甘さが広がる。単に濃厚で甘さの強いトマトジュースはいろいろとあるが、このようにバランスがとれたものは、ありそうで実は少ない。洗練された絶妙な甘さに加えて、トマトとは思えないフルーティーな香り。唯一足りないピースといえば、赤ワインと同じく酸による深みであろう。これで僅かな酸味が加われば、ほぼ完璧な味となる。
 旭川市にある「パラダイスファーム(→ その他北海道の旨い店・旭川市を参照)」の「ゴロンタ・トマトジュース」のように、毎年このレベルの品質を安定して作れれば、将来的に3つ星にしても良いかも。(2019年3月追加)

余市郡余市町黒川町6丁目4番地1
電話番号:0135-22-1515
定休日:無休(11月上旬~4月中旬は月曜休み、月曜が祝日の場合は翌日)
営業時間:【4月中旬~11月上旬】9時~18時、【11月上旬~4月中旬】9時~16時半
予算:赤茄子の雫1500円
アクセス:JR余市駅を出て、駅前通を進む。「富士メガネ」、「ニッカ余市蒸留所」、「北後志消防本部」を過ぎるとすぐ左側。JR余市駅から徒歩で5分
最寄りのランドマーク:「ニッカ余市蒸留所」、「北後志消防本部」
お勧めポイント:「新藤観光農園」のトマトジュース「赤茄子の雫」を購入できる

赤井川村

山中牧場

 ソフトクリームや牛乳が人気の「山中牧場」は、実は「キロロリゾート」のある余市郡赤井川村にある。山間にある牧場のため、道東の牧場で見られるような雄大な景色ではない。「山中牧場」のソフトクリームや牛乳は、小樽や札幌市内のスイーツ店 (→ 札幌グルメバイブル・スイーツの頁を参照) 、カフェ、スーパーなどでも購入できるが、ソフトクリームに関しては、直営店以外の店とは若干ラインナップが異なるので、近くを訪れたらこの店で食べることをお勧めする。実は「山中牧場」の製品にはソフトクリームや牛乳の他、バターやハム、ソーセージなどもある。何れの製品もこの店舗で購入可能であり、瓶詰めされた牛乳はその場で飲むこともできる。但し、カフェは併設されていないため、外の駐車場か車の中で食べなければならない。また、繁忙期や土日には、牛乳などの飲み物やソフトクリームなどは、まず自動券売機で購入しなければならない。しかし、客の少ない平日は、自動券売機でなく直接店員に支払えば良い。 
 販売しているソフトクリームの種類は時期によって異なるが、定番の「バニラ」の他、「抹茶」や「ココア」、「紅茶」、「抹茶ミックス」、「ココアミックス」などがある。この他に、「バニラ」に自家製ブルーベリーソースがかかった「フルーツソフト」や有機アイスコーヒーに「バニラ」を浮かべた「コーヒーフロート」もある。抹茶は香りに乏しくココアは普通のチョコソフトであるため、僕のお勧めは定番の「バニラ」かアールグレイの「紅茶」、そして「フルーツソフト」の3つ。特に「フルーツソフト」がお勧めだ。「山中牧場」のソフトクリームの特徴は、何と言ってもサッパリとしていながらコクのある豊かな味。まさに牛乳そのものの味なのである。脂肪分が少ないせいか、食感は多少滑らかさに欠けるが最高レベルの味である。ちなみに、この本店の以外の直営店としては小樽店もある。(2013年8月追加)

【山中牧場(本店)】 
余市郡赤井川村字落合478  
電話番号:0135-34-6711
定休日:無休 
営業時間:【4月末〜10月末】8時半〜18時、【その他のシーズン】8時半〜17時半 
予算:ソフトクリーム250円、牛乳(中瓶)100円 
アクセス:小樽・朝里インターチェンジから「キロロリゾート」へ向かい、393号(赤井川国道)の「キロロリゾート」の分岐点を過ぎるとすぐ右側。 
最寄りのランドマーク:キロロリゾート 
お勧めポイント:まさに美味しい牛乳そのもののソフトクリーム

【山中牧場 小樽店】 
小樽市色内1丁目6-18  
電話番号:0134-27-5123
定休日:無休(但し、10月〜4月は月曜休み) 
営業時間:11時〜18時 
アクセス:JR小樽駅を出て中央通を進む。「北陸銀行」を過ぎるとすぐ右側。JR小樽駅から徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:北陸銀行小樽支店

倶知安町

中国厨房 広華

 ニセコ倶知安エリアでナンバーワンの中華料理店。中華料理店とは言っても本格的なものではなく、オーソドックスなメニューしかない典型的な地方の中華料理店である。しかしながら、この店のシェフは料理のセンスが抜群で、火の通し方や塩味はもちろん、素材の扱い方が上手なのである。なので、もしかすると、予約すれば本格的な料理も食べられるのかも。
 灰色と黒の外観の店内に入ると、左手前に対面式のカウンター席が、そして右側にテーブル席と左奥に小上がりがある。この店の人気ナンバーワンは「五目餡かけ焼きそば」。これも十分美味しくお勧めであるが、餡かけ自体が美味しいだけに、むしろ「五目餡かけご飯」の方が僕好み。さらに、僕の一押しは、鉄鍋でグツグツと煮立った「鉄鍋入りマーボー豆腐」。「中辛」、「辛口」、「激辛」の3つから辛さを選べるが、「激辛」でも辛口程度なので、お勧めは「辛口」か「激辛」。花山椒のビシッと効いた本格的な陳麻婆豆腐というわけでないが、ほんのり甘めの味付けに豆豉と花山椒が効いているため、味に深みが感じられてクセになる。熱々をご飯の上にのせ、ご飯と一緒に食べるともう最高。また、「日替わりのランチセット(900円)」は、炒め物とおかわり自由のライス、そしてスープやザーサイ、サラダ、ミニ杏仁豆腐などがセットになったものだが、こちらも大変な人気で、売り切れになってしまうこともしばしば。ちなみに、炒め物は全般的に味付けが甘めであるが、これも許容範囲で、炒め物は総じてお勧めである。例えば、「道産豚肉とピーマンの細切り炒め」 は火の通し方が抜群に良くピーマンの食感も最高だ。しかしながら、カレー風味の「エスニック炒飯」は、ご飯はパラリとしていて塩味も適度でいいが、「蟹炒飯」と共にお勧めと言うほどのレベルではなかった。(2015年7月追加)

倶知安町北4条西2丁目5−2  
電話番号:0136-22-0207
定休日:月曜
営業時間:11時〜14時、18時〜20時45分
予算:鉄鍋入りマーボー豆腐870円(+420円にてセットに)、五目餡かけご飯870円
アクセス:JR倶知安駅を出て、駅前通を直進する。「ベスト電器」を過ぎた信号を左折する。「さとう内科医院」を過ぎた次の信号の左角にある。JR倶知安駅から徒歩8分
最寄りのランドマーク:JR倶知安駅、ベスト電器倶知安店
お勧めポイント:ニセコ倶知安エリアでナンバーワンの中華料理店

テーブル席

対面式のカウンター席

小上がり

五目餡かけご飯

この日のスープは卵スープ

「鉄鍋入りマーボー豆腐」をセットにしました

黒っぽい色をしていてグツグツ熱々

ご飯の上にかけて一緒に頂くと最高

この日はワカメスープ

ミニ杏仁豆腐はごく普通

「道産豚肉とピーマンの細切り炒め」は少し甘めの味付けであるが、火の通し方が抜群に良くピーマンの食感も最高

カレー風味の「エスニック炒飯」は、ご飯はパラリとしていて塩味も適度

「蟹炒飯」はオーソドックスな味

「海老のチリソース(ハーフサイズ)」も悪くない

この日の「日替わりのランチセット」の炒め物は、「洞爺産豚肉とセロリのオイスターソース炒め」

「広華オリジナル黒酢の酢豚」は味付けは良かったものの、肉の表面がカリッとしていなく脱水気味だったのが残念

つばらつばら

 ニセコ比羅夫にあるスープカレーの店。この店は、土日の夜は居酒屋に変身するいわゆる2毛作の店である。夏には「ニセコファームボックス」と書かれた野菜や果物が入口近くに置かれており、どうやらこの店のカレーで使用している近郊の農園の野菜も販売しているようだ。
 店内はカレー店というよりも、開放感のある大箱居酒屋といったような造りで、窓に沿って広めのカウンター席と中央にテーブル席があり、そして奥の通路には居酒屋っぽい広い小上がりがある。
 メニューを見ると、外国人客が多いのか英語表記メニューもある。前述のように、この店の米や野菜は近隣農家のものを使用しており、通常は白米であるが、平日限定で十穀米も選択できる。無料の辛さは5番までで、店のお勧めは5番である。5番でも辛口〜中辛程度の辛さなので、辛いもの好きの方は50円増しの6〜8番を選ぼう。さらに、9〜10は100円増し、11〜15番は200円増し、16〜20番は300円増しとなっている。トッピングはかなり豊富で、お勧めは「あぶり塩豚」や「鶏つみれ」、「でかチョリソー」などである。
 スープは2種類あり、お勧めの「スタンダードスープ」は、鶏ガラや豚骨ベースのスープに日高昆布と数種類の野菜、スパイス、ハーブなどを加えて2昼夜煮込んで作られているらしい。「スタンダードスープ」に使用されているハーブは、ローズマリーやタイム系の香りがするので、食べ始めは多少気になって好みが分かれるかもしれないが、食べ進めていくうちに徐々に気にならなくなる。この他に「ココナッツミルクスープ」もあるが、これはお勧めではない。夏季にはこれに「フレッシュトマトスープ」が加わる。この「フレッシュトマトスープ」は、「スタンダードスープ」と共通のローズマリーやタイム系の香りがする。しかしながら、刻みトマトのサッパリとした酸味が加わることで後味がさらに良くなり、僕的には「スタンダードスープ」よりもトータルバランスが良いと感じられた。
 具材もいろいろあるが、僕のお勧めは「あぶり豚とたっぷりネギのカレー」。塩味のあぶり豚肉の他に、カレーでは珍しい白髪ネギとぶつ切りのネギ、水菜、キャベツ、ジャガイモ、ニンジン、素揚げされた茄子、ピーマン、マイタケ、サツマイモなどの具材が入っている。あぶり豚肉は道南産のバラ肉を使用し、豚の脂に甘みがあって美味しい。次ぎにお勧めしたいのが、「和風鶏つみれカレー」である。鰹節がゆらゆらと揺れるビジュアルも面白い。水菜、キャベツ、ジャガイモ、ニンジン、素揚げされた茄子、レンコン、マイタケ、サツマイモ、豆腐などの具材が入り、メインの鶏のつみれがフワッと柔らかくて美味しい。  
 いずれのスープカレーも、具材の割にスープは少なめな点がちょっと不満だ(スープ大盛りは150円増し)。ちなみに、「お子様スープカレー」などもあり、ランチタイム(11時半〜15時)には、ソフトドリンクが150円、生ビールが400円で頂ける。また、この日のデザートは、「豆腐のチョコムースケーキ」、「ブラウニー」、「ブラウニー with アイス」、「バニラアイスクリーム」の4種類あったが、いずれもまあまあのレベル。
 価格は割高のリゾート価格で、札幌というエリアで評価すれば1つ星も微妙なところだが、倶知安・ニセコエリアということで考えると、 「カリー小屋(→ その他北海道の旨い店・道央の頁を参照)」 と共にお勧めできるスープカレー店である。(2015年1月追加)

倶知安町山田132-14  
電話番号:0136-23-1116
定休日:【4月〜11月】水曜、【12月〜3月】第2と第4水曜
営業時間:11時半~15時(スープカレー店)、18時~21時半(土日限定の居酒屋)
予算:あぶり豚とたっぷりネギのカレー(スタンダードスープ)1300円
アクセス:倶知安町中心部から車で10分
最寄りのランドマーク:ニセコ泉郷
お勧めポイント:倶知安・ニセコエリアの人気スープカレー店

店の入口に置かれた野菜や果物

この通路の奥の右側が広い小上がり

店の中央にあるテーブル席

窓際にあるカウンター席

英語メニューもあります

トッピングメニュー

これが「お子様スープカレー」

「骨付きチキンカレー」のスタンダードスープ

「和風鶏つみれカレー(スタンダードスープ)」に厚切りベーコンのトッピング

具材をどけると鶏のつみれが出てくる

これが十穀米

鶏つみれと十穀米をスプーンに載せ、後はスープをすくって食べる

トッピングの厚切りベーコン

「あぶり豚とたっぷりネギのカレー(スタンダードスープ)」に「ぷりぷり海老」をトッピング

具材をどけるとあぶり豚が見える

「和風鶏つみれカレー」のフレッシュトマトスープに「でかチョリソー」をトッピング

でかチョリソー

ラッシー

この日のデザートメニュー

ブラウニー

カリー小屋

 ニセコで人気のスープカレー店。倶知安・ニセコエリアには多くのカレー店があるが、このエリアで食べるならこの店が1番のお勧め。階段を上って店内に入ると、カウンター席の他に4人掛けテーブル席が2つしかなく、外観から想像した広さよりもずっと狭めである。それもそのはず、大きい茶色いロッジ風の建物と手前の白い2つの建物はオーナーが経営する「アルバータロッジ」という犬と宿泊できる宿泊施設で、端にあるクリーム色の小さな建物の2階だけがカレー店なのである。店内にはジャズピアノが流れ、明るいカントリー調のインテリアで、窓からは雄大な羊蹄山の姿を眺めることができる。
 この店のスープカレーは「スパイシーカリー」と「タイ風カリー」の2種類あるが、「タイ風カリー」は繁忙期の8月以外はやっていない日が多い。また、トッピングの具材は揚げ物が多いが、この店の油は脂肪の付きにくい油を使用しているという。店主は四国出身なのだろうか?トッピングメニューには何故か「じゃこ天」や「じゃこカツ」、「磯辺ちくわカツ」、「小河豚(フグ)」などがある。「じゃこ天」は日によって「じゃこ天(黒)」か「特上天(白)」のいずれか、「じゃこカツ」は日によって「プレーン味」か「カレー味」に変わる。特に、サクッと柔らかな「じゃこカツ」はスープカレーの必須アイテムである。僕としては「プレーン」の方が美味しく感じられた。
 スープカリーはグツグツと沸騰した状態で出てくる。ご飯はサフランライスで、野菜の具材は通常のスープカレー店に比べるとどれも小振り。さらにスープも少なめなので、大盛りにした方が良いかも。「スパイシーカリー」のスープはクミンやターメリックなどの程良いホールスパイス感があり、コクもあってスープカレーとしてはなかなか美味しい。3辛が中辛くらいなので、できれば3辛以上で頂きたい(4辛がお勧め)。中でも、レギュラーメニューにない「和牛の牛すじカレー」は、滅多にお目にかかれない逸品で、臭みのないトロトロの牛スジがとても美味しい。
 店内では常温保存のレトルトカレー「ニセコスープカリー」も販売されている。「チキン」と「ポーク」があるが、今回は「ポーク」の方を試してみた。そのまま食べるとスープは店で食べるよりもかなり甘めだ。なので、付いてきた辛みパウダーを加えて食べたが、結果としてはレトルトカレーと考えればかなり良かった。ちなみに、この店ではお子様用のカレーはないのでご注意を。(2014年8月追加) 
http://www4.ocn.ne.jp/~niseko/index.html

倶知安町ニセコ高原ヒラフ山田74  
電話番号:0136-23-3688
定休日:不定休(要確認)
営業時間:11時半〜15時頃(売り切れ次第終了)
予算:スパイシーカリー・チキン野菜1180円、じゃこカツ220円
アクセス:JR倶知安駅から車で10分
最寄りのランドマーク:343号と631号の交差点の近く
お勧めポイント:ニセコエリアナンバーワンのスープカレー店

スパイシーカリー・チキン野菜とじゃこカツ(プレーン味)のトッピング

スープが沸騰しています(そう見えるかな?)

スープのアップ

じゃこカツ(プレーン味)オンザライス

じゃこカツ(プレーン味)の断面

スパイシーカリー・和牛牛すじ野菜とじゃこカツ(カリー味)、 磯辺ちくわカツのトッピング

和牛牛スジのアップ

じゃこカツ(カリー味)と磯辺ちくわカツのオンザライス

じゃこカツ(カレー味)の断面だが差が分かるかな?

スプーンに適量のライスと切った磯辺ちくわを載せ、スープをすくって食す

ホットチャイもなかなかいける

  

ニセコ町

高橋牧場 ニセコミルク工房

 「ニセコヴィレッジ・スキーリゾート」に行く途中に、ぶらり立ち寄ったニセコの「高橋牧場」のスイーツ店。この店のソフトクリームや乳製品は、途中にある北の道の駅「ニセコビュープラザ」内や札樽自動車道の「金山パーキングエリア」内でも販売されているが、正直どんな味だったか記憶に残っていなかった。そこで、今回の取材をきっかけに、3回に渡る取材でいろいろと食べ比べてみた。
 店内はかなり広く、僅かであるがイートインスペースを備えている。イートインスペースからはガラス越しに、雪深い牧場を遠くに眺めることが出来る。アイスクリームやソフトクリーム、飲むヨーグルトなどは専用の自動販売機で食券を購入するが、ケーキやシュークリームなどのスイーツは直接購入するシステム。
 この店の僕の一押しは「牧場のまんまるスフレ」。フレッシュでミルキーなクリームとシットリとフワフワのスフレが何とも言えず美味しい。ニセコを通る際には、その場で食べるか是非お土産に購入してみてほしい。その後、札樽自動車道の「金山パーキングエリア」でも同じ「牧場のまんまるスフレ」を購入してみたが、「金山パーキングエリア」では冷凍状態で販売されているので、「牧場のまんまるスフレ」本来の美味しさではなかった。
 この他の製品では、アイスクリームやプリン、チーズケーキなどはお勧めできず、むしろ、「ソフトクリーム(バニラ)」や注文を受けてから生クリームとカスタードクリームのWクリームを詰める「こだわりシュークリーム」が良かった。ちなみに、「こだわりシュークリーム」もテイクアウトしてみたが、時間が経つとシュー生地のサクサク感がなくなり、美味しさが半減したので、その場で食べることをお勧めする。(2014年1月追加)

虻田郡ニセコ町曽我888-1  
電話番号:0136-44-3734
定休日:無休
営業時間:【冬期】9時半〜18時、【夏季】9時半〜17時半
予算:牧場のまんまるスフレ160円、ソフトクリーム250円、こだわりシュークリーム150円
アクセス:札幌から喜茂別経由でニセコ方面へ向かう。真狩村の中心部、そして北の道の駅「ニセコビュープラザ」を過ぎ、66号線を更に進む。JRニセコ駅を過ぎて少し進むと、右「343号倶知安方面」、「ニセコ東山」、「ニセコひらふ」などの看板が見えるので右折する。1kmほど進むと、点滅信号と「ニセコヴィレッジ・スキーリゾート」や「ヒルトン・ニセコヴィレッジ」の看板が見えるので左折すると、数百メートルほどで右側に見える。

最寄りのランドマーク:ニセコヴィレッジ・スキーリゾート、ヒルトン・ニセコヴィレッジ
お勧めポイント:ミルキーなクリームのシットリとフワフワのスフレを購入できる

デルソーレ

 ニセコアンヌプリスキー場のすぐ近くにあるピッツェリア。外にはウッドデッキとテーブル席があり、虫のいないシーズンに限り、ここは犬連れの方やここ希望する客が使用できる。ドアを開けると左にカウンター席があり、そして手前と奥にテーブル席がある。店内にはジャズが流れ、ほぼ喫茶店のような雰囲気。坊主頭の店主がピザを焼き、女性2人がサービスを担当している。ピザは薪を使った本格的な石窯で1枚ずつ焼かれる。この店のピザはとにかく生地が美味しい。厚めに焼かれた生地は、モチモチ感だけでなく、噛めば噛むほどハード系パンのような小麦の味と香りが感じられる。大きさは30cmくらいはあろうか?通常のピザよりも大きめで食べ応えがある。
 僕はランチタイムしか訪れたことがないが、「カルツオーネ」や「ピッツアビアンカ」など、一部のメニューはディナーのみの限定品である。お勧めの「マルゲリータ」は、通常の「マルゲリータ」とそれにハムをのせた「マルゲリータハム乗せ」、水牛のモッツアレラチーズとトマトソースを使用した「マルゲリータ コン ブッフィラ」、水牛のモッツアレラチーズとフレッシュトマトを使用した「マルゲリータ エクストラ ビアンカ」の4種類がある。他のチーズを使ったピザも450円増しで水牛のモッツアレラチーズに変更が可能である。しかしながら、チーズを使用しないシンプルな「マリナーラ」は、残念ながら 「ピッツェリア・ダ・マッシモ(→ 札幌グルメバイブル・ピザの頁を参照)」 の方が美味しかった。モッツアレラ、ゴルゴンゾーラ、クリームチーズ、パルミジャーノレッジャーノの4種のチーズを使った「クアトロフォルマッジ」はハズレのない美味しさ。「生ハムとルッコラのピザ」もルッコラが嫌いでなければお勧めである。
 カウンター内には、超本格的なエスプレッソマシーンが置かれているが、豆の焙煎が良くないのか?香りに乏しい。また、サラダのドレッシングは酸味が強く、僕の好みではない。メニューはリゾート価格なのか、どの品も街の店舗よりも価格が高めであるが、それを差し引いてもニセコでピザを食べるならお勧めである。かなりの人気店なので、予約していくことをお勧めする。ちなみに、店内は禁煙であり、また狭いため、ベビーカーの持ち込みは出来ないのでご注意を。(2013年10月追加)

ニセコ町字ニセコ483-1  
電話番号:0136-58-3535
定休日:水曜と木曜
営業時間:12時〜14時、18時〜21時
予算:マルゲリータ1400円、マルゲリータ コン ブッフィラ1850円
アクセス: 66号線からニセコアンヌプリスキー場へ向かう途中。ニセコアンヌプリスキー場から徒歩3分。
最寄りのランドマーク:ニセコアンヌプリスキー場
お勧めポイント:ニセコで本格的で美味しいナポリピッツァが味わえる店

KAMIMURA カミムラ

 ニセコマウンテンリゾート・グランヒラフスキー場エリアにあるフレンチレストラン。この店は札幌時代から通っている店だが、円山で営業していた頃は、若い夫婦2人でひっそりとやっていたプチレストランであった。ニセコ移転後にみるみると頭角をあらわし、今や世界的にも有名なフレンチレストランに成長した。表通りにあるコンドミニアム「四季ニセコ」へ移転後は、「カミムラ レストラン」から「カミムラ」へと名称が変更され、さらにキャパの大きなレストランとなった。
 コンドミニアムの1階にある店内に入ると、天上が高く開放感があり、バイオエタノールの暖炉が幻想的な雰囲気を醸し出している。客のほとんどが外国人客であるため、サービスを担当するスタッフも外国人。なので、店内で食事をしていると、まるで海外で食事をしているのでは?と錯覚してしまうほど。基本的には需要の多いスキーシーズンのみの営業となるが、7月〜10月上旬の週末だけ夏期営業も行っている。また、夏期には前日までの予約限定でランチ営業を行っている。
 ニセコ移転後も毎年のように訪れているが、オープン当初に比べると、メニュー価格が上がっただけではなく、料理のスタイルも少しずつ変貌を遂げてきている。移転当初は、札幌円山時代の定番メニューも一部に見られたが、現在では全てがリニューアルされ、より「和」と「北海道」をイメージした料理を全面的に打ち出すようになった。特に、生の素材を使った料理が多くなったように思える。これは、上村シェフが有名となったことで、よりオリジナリティーの高いメニューを意識しなければならなくなったことに加え、客の約9割が外国人客であるということが大きく影響しているのであろう。昨今の東京や京都のフレンチをみても、インバウンドやミシュランを意識した外国人受けするボーダレスな和のフレンチが闊歩していることを考えると、僕の好みではないものの、トレンドとしては仕方がないのかもしれない。また、この店は有塩バターではなく、無塩バターと外国産塩を別々に供することでも有名。無塩バターをパンに塗り、ひとかけらの塩の結晶をのせて食べると、パンがより鮮烈な味わいとなる。予約は電話予約の他、下記ホームページからも予約が可能である。(2018年3月更新)
http://www.kamimura-niseko.com/#!/splash 

虻田郡倶知安町山田190-4 四季ニセコ1階  
電話番号:0136-21-2288
定休日:日曜(但し、クリスマスや正月、旧正月期間中は営業)
営業時間:18時〜20時半(7月〜10月上旬の夏季期間は、ランチが金曜〜日曜、ディナーが木曜〜土曜)
予算:アーリーバードディナー8000円、シェフ・デギュスタシオン15000円(夏期のみ、上記ディナーコースの他に5000円のランチコースあり)
アクセス:ニセコスキービレッジとグランヒラフスキー場を結ぶニセコのメインストリート343号線沿い。グランヒラフスキー場へ向かう631号線と343号線の交差点の近く
最寄りのランドマーク:グランヒラフスキー場
お勧めポイント:まるで海外のレストランに来たかのような雰囲気が味わえるフレンチレストラン

本日のメニュー(シェフ・デギュスタシオン) 「王鰈(おうちょう:えりも産のマツカワ鰈)の刺身」ライム、梅干し、和ハーブのサラダを添えて 「イカのフリット」生姜と胡麻を入れ、紫蘇の葉で巻いたもの 最初のパン 無塩バターと外国産の塩。バターの容器にも和を感じます この塩の結晶をひとかけらつまみ、無塩バターを塗ったパンにのせて食べると、パンがより鮮烈な味わいとなる 「蝦夷鹿肉のタルタル」 鰹節ではありません。ニセコ産ミモレットチーズに、クルミ、マスカルポーネチーズが・・・ 「野付産帆立貝のシュークリーム」。ガラスの蓋でスモークを閉じ込めています ガラスぶたを開けるとこんな感じです。下の粒々はトリュフパウダー 2つめのパンはクルミ入り 「ボタン海老のマリネ」をカクテルグラス入れて ボタン海老に、大根、海草、ミカンなどが入り、バフンウニがのっています 「きんきのグリル・トマトソース」 きんきが葛切りの上にのっています 「地物野菜のフレッシュサラダ」はこれで3人前です 「熟成じゃがいも”キタカムイ”」 ラクレットチーズ、きのこパウダー、アンチョビとヘーゼルナッツ 「滝川産合鴨のコンフィ」 野菜のクリーム、パンのソース、黒豆、黒コショウ 「北海道産和牛の炭火焼き」 山わさびと仔牛のジュ。下にひいているのはホウレンソウ
「紅茶」も日本茶の茶碗に入れて供される 「林檎のコンポート」 バニラアイスクリームと焦がしビスケットを添えて小菓子(2人前)

真狩村

ブーランジェリー ジン Boulangerie JIN

 真狩村の郊外にある薪釜で焼く手作りパン店。外にたくさんの薪が積み上げられ、店舗は村にあるパン屋とは思えないくらいスタイリッシュ。聞くところによると、建物は東京の有名建築士の作品らしい。店主はフランスの「エリック・カイザー」のもとで修行の後、ザ・ウィンザーホテル洞爺の「オテル・ド・カイザー」や真狩村の有名フレンチ「マッカリーナ」を経てこの土地で独立したのだそうだ。このため、近くにある「マッカリーナ」ではこの店のパンを使用しているという。釜や建物を含めて全てにこだわっており、例えば小麦は真狩村で生産された小麦を中心に北海道産小麦が使用され、天然酵母も真狩の小麦やライ麦からおこし、水は羊蹄山の湧き水を使用するという徹底ぶり。
 しかしながら、この店の最大の欠点はパンの品数が少ないこと。なので、もしもいろいろ試したければ、何度か足を運ばなくてはならない。しかも、作る数が少ないので、昼頃には売り切れとなってしまう品も。ハード系パンは全体にシットリと水分多めのテクスチャーで、「食パン」や「バターパン」などのソフト系パンは滑らかな絹のような食感に加えてほんのりとした甘さを感じる。僕の1番のお勧めはエリック・カイザー直伝の「クロワッサン」。これだけカリッとしていてリッチなバターが香るクロワッサンは、ここと「オテル・ド・カイザー」系でしか味わえない。同じ系統の「アーモンドクロワッサン」などパイ生地を使ったデニッシュもいい。もう一つのお勧めは「イチジクとくるみパン」。シットリとした生地にクルミの香りや食感、さらにイチジクの程良い甘さが加わり、忍路にある「エグ・ヴィヴ」の「イチジクとくるみパン」に勝るとも劣らない逸品である。
 ちなみに、店内は撮影禁止なのでご注意を。更につけ加えると、この店の近くにアルザスで修行した真狩村在住の有名コンフィチュール(ジャムのこと)職人・MASAKOさんのカフェ「トゥルモン」があるので、この店でパンを買ったついでに立ち寄って、是非本物のコンフィチュールも購入してパンと共に味わってみてはいかがだろうか。(2013年11月 追加)
http://tabelog.com/hokkaido/A0106/A010603/1024399/

真狩村桜川45-8  
電話番号:0136-45-2773
定休日:火曜と水曜
営業時間:11時〜18時(売り切れ次第終了)
予算:クロワッサン160円、アーモンドクロワッサン200円、イチジクとくるみパン800円(ハーフ400円)
アクセス:真狩村の中心部から車で5分程度。カーナビがなければ迷ってしまうようなロケーション
最寄りのランドマーク:なし(カーナビ必須)
お勧めポイント:最高レベルのクロワッサンとイチジクとくるみパンが味わえる

いし豆

 真狩村にある人気の蕎麦店。札幌から喜茂別経由で向かうと、湧き水の水汲み場の少し手前にある。一軒家の店内はウッディな明るい作りで、柱時計の音やジャズ音色が静かに鳴り響く。左側にはテーブル席が2つと、右側にカウンター6席があるのみで、外観から想像できないくらい狭めだ。ご夫婦でやっているのか?女将さんが給仕を、声しか聞こえないが店主が厨房を担当しているようだ。
 この店の蕎麦を見ると麺に粒々が見え、小樽の 「手打ち蕎麦 きむら(→ その他北海道の旨い店・道央の頁を参照)」 とかなり似た挽きぐるみ蕎麦である。メニューを見ると、「手打ち蕎麦 きむら」と同じ黒松内町の落合さんの作る“奈川在来種”を使用しているところをみると、両店はどこかで繋がっているのかもしれない。さらに詳しく説明を読むと、“奈川在来種”の他に、美幌町の武田さんの作る“キタワセ”や他の無農薬国内産蕎麦もブレンドしているらしい。食べログ上では細めの蕎麦との記載もあるが、実際は細切りよりも若干太めだ。「手打ち蕎麦 きむら」のようなざらついた食感はあまり感じられないが、「もりそば」よりも「とろろそば」で食べた方が滑らかさが増して美味しく感じられ、1番のお勧めである。また、つけ汁はグレードの高い本枯れ節を使っているか?鰹節が心地良く香り、しかも濃厚で素晴らしい。これに対し、汁が温かい蕎麦は、せいろの「とりごぼう」を含めて、汁が甘く感じられてお勧めできない。「蕎麦がき」はさらに香りを出すためなのか、表面を炙ったような焼き目がついている。箸でつかむとモッチリ、ネットリとした感じが伝わってくる。口に含むと蕎麦の甘さが、後から蕎麦の香りが広がる。この店よりさらに粗い挽きぐるみを使った「手打ち蕎麦 きむら」の蕎麦掻きに勝るとも劣らぬ素晴らしい蕎麦掻きであり、これも是非味わって頂きたい逸品である。また、客足が少なくなる冬季間には「カレーそば」と「そばがきぜんざい」がメニューに加わる。
 この店の蕎麦は決して洗練された手打ち蕎麦とは言えないが、逆に“田舎蕎麦”のような蕎麦本来の持つ野趣あふれる香りや甘みを引き出し、堪能させてくれる。しかも、無農薬の国産蕎麦にこだわったり、薬味に本わさびを使用したり、蕎麦湯は蕎麦粉を溶かしたドロッと濃厚なものにするなど、地方の蕎麦屋とは思えないほど良心的。札幌にあれば2つ星くらいの評価となるだろうが、地方でこのレベルの蕎麦を出していることを高く評価したい。ちなみに,雪のない春〜秋の季節には常に行列ができて落ち着いて食べられるような雰囲気ではないが、雪のある季節は土日でもかなり空いていているので、行くなら冬に行くべき。(2014年2月追加)

真狩村字杜206-8  
電話番号:0136-45-3691
定休日:【4月〜11月】木曜と第1水曜、【12月〜3月】水曜と木曜
営業時間:11時半〜15時
予算:とろろそば980円、蕎麦がき600円
アクセス:札幌から喜茂別経由でニセコ方面(道の駅・ニセコビュープラザ)へ向かう。真狩村の中心部を少し過ぎると、右側にある一部がエンジ色の建物が見える(真狩の湧き水・水汲み場の少し手前)。
最寄りのランドマーク:66号線沿い
お勧めポイント:蕎麦の醍醐味が味わえる真狩村の名店

喜茂別町

牧場タカラ

 喜茂別町の人気パン店を取材したときに、この店で使用している牛乳を販売する牧場が近くにあると聞きつけ、帰りに訪れてみた。標識に従って道路から進入すると、ごく普通の牧場の建物が見える。奥の左手の角にショップが見えるが、土日のみの営業で平日はやっていないらしい。たまたま通りかかった牧場のお母さんに聞いてみると、平日はショップ横の建物の青いボタンを押すと対応してくられるらしい。ブザーを押してしばらくすると、工場の中からお姉さんが現れた。実はこの方の弟さんがチーズを作っているらしく、チーズを買うなら土日の品揃えが1番良いらしい。今回は昨年から3回に渡って買うことができたチーズや乳製品を紹介する。
 この牧場の人気ナンバーワン商品はソフトクリームだが、残念ながら5〜9月の期間限定・土日のみの販売となっている。今年も忙しく行けなかったので、来年こそチャレンジして記事を更新するとして、現時点での僕の一押しは低温殺菌のノンホモ牛乳「幸せな牛のミルク」。ほんのりと甘みを感じる風味豊かな牛乳で、生乳臭さを一切感じさせない洗練された味である。これだけ美味しいと言うことは、「ソフトクリーム」も間違いなく美味しいだろうと思わせるような牛乳だ。
 チーズの中では、「ざるチーズ タカラのやっこ」、「ひょうたんチーズ カチョ」、「タカラのレタラ」がお勧めである。「ざるチーズ タカラのやっこ」 は、その名前の通り、ざる豆腐をイメージして作ったというカッテージチーズ風のチーズである。豆腐とモッツアレラチーズ、カッテージチーズを混ぜたような食感で、風味はモッツアレラチーズのよう。まさに牛乳が美味しいからこそ成せるチーズで、アイデア次第ではいろいろな料理に使えそうだ。「ひょうたんチーズ カチョ」は、かなり乾燥させて熟成させた「カチョカヴァッロ」である。香りも良く、焼いて食べれば北海道白糠町「チーズ工房・酪恵舎」の熟成スカモルツアチーズに匹敵する美味しさである。「タカラのレタラ」はヨーグルトの水分を飛ばしたようなトロリとしたフロマージュ・ブランで、言われなければチーズとは思えない美味しさ。これも美味しい牛乳だからこその美味しさ。
 この他にお勧めというほどではなかったが、「マルタとピノ・ノワール」は丸太をイメージした表面が黒いチーズで、ワインを作る時のピノ・ノワールの絞り粕と木炭を使用して作られたチーズ。思ったよりも硬く、山羊のチーズを思わせるような風味と舌触りだ。好みは分かれると思うが、カベルネ・ソーヴィニョンやシラーなどのワインと合わせると結構美味しい。僕的には、もう少し塩分が強くした方が更に良くなると感じられた。「タカラとソガイ」はフレッシュチーズに香草やドライトマト、オリーブオイルなどを加えたペーストチーズで、これは好みが分かれる微妙な美味しさ。「タカラの小さなトム」は、2012年にJAL欧米路線のファーストクラス機内食に採用されたチーズ。味はほぼカマンベールチーズで、それほど突出した美味しさとは思えなかった。「タカラのトケル」は炙って溶かして食べるラクレットチーズで、これも普通に美味しい。
 また、「ミルクジャム」は、ハチミツのように深く複雑な甘さで、パンに付けても美味しいし、チーズと共に頂いても美味しい。ちなみに、フランスのトゥールで開催された2013年の「モンデュアル・デュ・フロマージュ」のチーズコンテストで、この牧場から出品された「タカラの牧場謹製・発酵バター」が、なんと金賞を受賞。この発酵バターは現在も大人気らしく予約制となっている。今年の販売は既に終了しており、来年は5月から生産が再開するとのこと。(2014年10月追加)

北海道虻田郡喜茂別町中里2-5  
電話番号:0136-31-3855
定休日:水曜(但し、ソフトクリームなどを販売するショップは5〜9月の土日のみ営業)
営業時間:10時〜16時
予算:幸せな牛のミルク(大瓶、瓶代110円込み)420円、ひょうたんチーズ カチョ1600円前後、ざるチーズ やっこ900円前後
アクセス:中山峠を下り、喜茂別町から国道230号線を通ってルスツ方面へ向かう。「きのこ王国」を過ぎ、次の信号を「苫小牧、美笛」方面に左折し、276号線沿いを10㎞ほど進むと右にある。
最寄りのランドマーク:喜茂別旧双葉小学校 資料館、双葉簡易郵便局
お勧めポイント:一見すると普通の牧場であるが、販売する乳製品のクオリティが高い

  

千歳市

ジェラテリア ミルティーロ

 今年の4月にオープンした千歳市郊外にあるイタリアンジェラートの店。一軒家の店内は、白を基調とした木の温もりを感じる明るい雰囲気。店名の「ミルティーロ」とは、イタリア語でブルーベリーのこと。そういえば、ケーキ店で「ブルーベリーパイ」の名称としてよく見かける。店名の由来は、隣接する農園 (BERRY FARM)でオーガニックブルーベリー(有機JAS認定)を作っており、この有機栽培で育てられたブルーベリーを使ったジェラートを販売しているのだ。店主はイタリアのジェラート専門学校を卒業し、北海道で初となるイタリア製ジェラートマシンを導入してジェラートを作っている。使用している牛乳も北海道産、そして生クリームは道東の浜中産といったこだわりも。
 ジェラートは旬の食材を使って作られるため、季節によって種類が入れ替わる。大きく分けてシャーベットの「ソルベ」とアイスクリームの「ラテ」があるが、特にいくつかの種類があるブルーベリーのジェラートは、「ラテ(ミルティーロミルク)」がお勧めである。この他のお勧めジェラートは「ピスタチオ」や「ストロベリー」など。店内にはカフェが併設されているので、飲み物やワッフルなども頂ける。(2013年8月追加) 
http://mirtillo.tank.jp/index.html

千歳市長都2  
電話番号:0123-23-5323
定休日:無休
営業時間:10時〜19時
予算:ジェラート:シングル350円、ダブル400円、トリプル450円
アクセス:JR長都駅東口を出て、市場通りを進む。「アークス」の入っている「ちとせモール」を過ぎた一つ目の信号を過ぎ、次の交差点を左折。さらに400mほど走るとオレンジ色の屋根が見えるのでそこ。JR長都駅から1.7km。
最寄りのランドマーク:アークス(ちとせモール)
お勧めポイント:千歳で本格的なジェラートを食べるならココ

IORI

 千歳エリアで味噌ラーメンを食べたいときに、真っ先に思い浮かべてほしい店。スタイリッシュな外観、そして白を基調とした明るい店内。実はこの店、札幌医大の南側・北星学園の東側にある  「らーめん庵(→ 札幌グルメバイブル・ラーメンの頁を参照)」  の2号店なのである。しかし、店内には札幌店の名刺も置かれていないし、支店とも名乗っていないところをみると、店主は全く別のブランドイメージにしたいのではないだろうか。むしろ、札幌店よりも店主の地元であるこちらの方を本店にしたいのでは?と思うくらい力が入っている。もちろん、お勧めは「味噌ラーメン」。札幌店同様、味噌ラーメンを食べると、すぐに  「すみれ(→ 札幌グルメバイブル・ラーメンの頁を参照)」  系のラーメンであることが分かる。しかし、「すみれ」よりも濃厚さが抑えられている分、マイルドかつ洗練された味に仕上がっている。特に、表面にラードの浮いたスープは、一口飲むとついつい止まらなくなってしまうくらい美味しい。中太麺縮れ麺は以前より太くなったのでは?と思うくらいでコシがあっていい。上にのっている具は、モヤシ、チャーシュー、メンマ、白髪ネギの他、薬味の擦り生姜。スープの中には挽肉と刻んだチャーシューが入っているが、レンゲで捜さなければならないほどごく僅か。「すみれ系」の店なので、チャーシューやチャーハンが美味しい!なので、味噌ラーメンはチャーシューメンにした方が満足度が高くなる。(2013年3月追加) 

千歳市住吉1-12-2   
電話番号:0123-23-5098
営業時間:11時~15時、17時~20時
定休日:月曜(祝日の場合には翌日休業)
予算:味噌ラーメン750円、味玉トッピング100円
アクセス:JR千歳駅を出て左折し、駅前中央大通を新千歳空港方面へ。「千歳郵便局」を過ぎ、パチンコ「HAPPY」の信号を左折し、国道337号川北通 を進む。途中「千歳サケのふるさと館」を過ぎたすぐの所に信号があるので、右折して川を渡るとすぐ右。 
最寄りのランドマーク:千歳サケのふるさと館 
お勧めポイント:千歳エリア最高の味噌ラーメン

麺や麗 Menya-Ray

 札幌グルメバイブル2011で初めて紹介した千歳のラーメン店。以前はそれほど混んではいなかったが、ミシュランに掲載されて以降は土日のランチタイムに行列ができるようになった。また、2011年度版ではなかった「つけめん」が新たにメニューに加わった。店内は右側にカウンター席が7席、左側に4人用のテーブル席が2つあり、フローリングになっていて、ラーメン店にしてはゆったりとしたスペースがいい。この店のお勧めは「しょうゆラーメン」。臭みのない濃厚な豚骨スープをベースに、鶏ガラと魚介系スープが加わり、そのトリプルスープの重層感が何とも言えず美味しい。しかしながら、以前に比べると口の中がベタつくくらいスープが濃厚となったため、バランスが悪くなった。現在では札幌月寒の「らーめん佳」ほどではないにせよ、それに近いくらい濃厚。しかも、どちらかというと味も濃めである。トロトロのチャーシューは相変わらず美味しく、以前よりもチャーシューが少し厚くなった様な気もする。ラーメンにはこの美味しいチャーシューをトッピングして、「しょうゆチャーシューメン」にすることをお勧めする。麺は中太縮れ麺で、玉葱と葉ネギのダブルネギがのっており、メンマも美味しい。「塩ラーメン」のスープは魚介系の風味が抑えられていて、塩の繊細さが上手く引き出されている。それは目をつむると、一瞬、洗練された博多ラーメンのスープ?と思えるほど。しかし、味噌ラーメンはスープが濃厚すぎて味噌と調和していない。とうしても味噌が食べたい方は、数百メーター離れたところにある 「IORI(→ 札幌グルメバイブル・道央版の頁を参照)」 をお勧めする。「つけめん」は「みそ」と「しょうゆ」の2種類があるが、もちろん魚介系が香る「しょうゆ」の方がお勧めである。麺は極太の平打ち麺で、モチモチした食感がいい。つけ麺としては合格点である。ちなみに、店内は禁煙である。(2013年3月更新)

千歳市高台4丁目2-10(JA道央千歳支店)  
電話番号:0123-27-3757
営業時間: 11時~15時、17時~21時 
定休日:水曜
予算:しょうゆラーメン700円
アクセス:JR千歳駅を出て右折し、駅前中央大通を札幌方面へ。「吉野屋」や「ロイヤルホスト」のある信号を右折。末広高台通をしばらく直進して、セブンイレブンを過ぎるとすぐ右側。JA道央千歳支店の向かい。JR千歳駅から車で5分。 
最寄りのランドマーク:吉野屋やロイヤルホスト 
お勧めポイント:トリプルスープの重層感がいい濃厚醤油ラーメン

苫小牧市

三代目 鳥よし

苫小牧西インター近くにある有名ラーメン店。実はこの店、苫小牧市東部の勇払エリアにあった閉店したラーメン店を、製麺会社である「苫食」が復活させた店なのである。なので、もちろん店主も「苫食」の従業員であり、そのせいか、ランチタイムのみしか営業していない。
「やぶそば 澄川店」があったという古い店舗を改装した店内に入ると、キッチン側にカウンター席、そして入口側にテーブル席が3つある。先ずは自動券売機で食券を購入。メニューは「ラーメン」と「チャーシューメン」の2つだけしかない。この店は分厚く切られた肩チャーシューが美味しいので、迷わず「チャーシューメン」をチョイス。しかも、「チャーシューメン」は100円高いだけなので、かなりのお得感がある。
出てきた「チャーシューメン」は、チャーシューが3枚鎮座したいかにも旨そうなビジュアル。まずはスープを啜る。それにしても、この店は何よりもスープがいい。豚のゲンコツから抽出したというトンコツスープは混濁しているが、意外とサッパリとしていてコクがある。麺はやや縮れた中細のストレート麺。コシや食感はごく普通だが、実にスープに合っている。加えて、脇役のメンマも美味しい。(2019年6月追加)

苫小牧市澄川町2丁目1-10 地図 
電話番号:0144-56-5229
定休日:木曜
営業時間:11時〜14時
予算:チャーシューメン780円
アクセス:苫小牧西インターを出て、環状通を左折する。「ドコモショップ」、「マックスバリュー」を過ぎ、右に「タイヤ館」が見えたらその向かい。苫小牧西インターから約2㎞
最寄りのランドマーク:タイヤ館
お勧めポイント:有名ラーメン店の味に再び出会える

ココです!元は蕎麦屋だった古いを改装しているので、ラーメン店っぽくない 先ずは、自動券売機で食券を購入。メニューは「ラーメン」と「チャーシューメン」の2つだけ「チャーシューメン」 チャーシューが3枚鎮座したいかにも旨そうなビジュアル この店は分厚く切られた肩チャーシューが美味しい 加えて、脇役のメンマも美味しい この店は何よりもスープがいい。豚のゲンコツから抽出したというトンコツスープは混濁しているが、意外とサッパリとしていてコクがある麺はやや縮れた中細のストレート麺。コシや食感はごく普通だが、実にスープに合っている

ポムメリイ

 苫小牧の西側の住宅街にある手作りスイーツ店。この店のシフォンケーキはフワッとしてきめ細かく、東京西麻布にある「ドゥリエール」を彷彿させる。一番のお勧めは「抹茶のシフォンケーキ」で、シフォンケーキとしては、札幌のシフォンケーキ専門店をも上回る北海道ナンバーワンの味わい。但し、店頭にないこともあるので、事前の予約した方がベター。客の中には、ワンホール買いをする熱狂的なファンもいるほど。ミニシュークリームも、カスタードと外側のアーモンドクランチが絶妙にマッチしていて美味しい。酒のつまみにもいいキッシュもなかなかの出来。また、カフェを備えているのでその場で食すことも出来る。

苫小牧市豊川町2-1-9    
電話番号:0144-75-0707
営業時間:12時~23時(日曜は19時まで) 
定休日:水曜日、木曜日 
予算:ミニシュークリーム50円、キッシュ420円、抹茶のシフォンケーキ 
アクセス: 苫小牧西インターを下り、ENEOSやセブンイレブンが角にある双葉三条通の交差点信号を左折。しばらく走ってケンタッキーフライドチキンの次の信号を過ぎてすぐ、カメラのキタムラ前の街路樹の間の道を左折するとすぐ左側(ニトリの少し手前に左へ入る道がある)。

ラーメンダイニング ぽっぽや

 苫小牧の郊外JR沼ノ端駅前にあり、外観はラーメン屋というよりは地方の食堂か居酒屋のよう。しかも、店内に入ると壁一面に居酒屋メニューが貼ってあり、ちょっと嫌な予感が。しかし、それは杞憂。コラーゲンたっぷりの豚骨ベーススープは臭みがなくとてもマイルドで、店主の丁寧な仕事ぶりが伺える。塩ラーメンとして評価するなら、むかわ町の「秀来」や苫小牧市勇払の「鶏よし」などの有名地方ラーメン店のレベルを遙かに超えた美味しさだ。しかも一度行くと、次回は100円引となるクーポン券がもらえるので更にお得。但し、他のラーメンはお勧めしない。

苫小牧市沼ノ端644-12    
電話番号:0144-82-7030
営業時間: 11時~22時 
定休日:無休 
予算: 塩トンコツラーメン680円 
アクセス:JR沼ノ端駅前徒歩1分。

縄文

 「麺’s ZERO」と共に人気を二分する苫小牧のラーメン店。どちらの店も濃厚な味噌ラーメンが売りで、「純連、すみれ系」にも似た感じのスープが特徴。どちらかと言うと、僕は縄文の「元祖味噌ラーメン」の方が好みだ。「純連、すみれ系」ほどスープの焼きは強くなく、スープやシナチクもやや甘めでマイルドな感じ。チャーシューは、通常のスライスと刻んだものの両方が入っていていい。「特製醤油らーめん」と「特製塩らーめん」は、メニューには背脂の浮いたラーメンと記載されているが、いわゆるチャッチャ系のような白い背脂が浮いたものではなく、溶けたラード様なものが表面を覆っていてチャッチャ好きの僕としてはちょっとがっかり。脂控えめが好みの方には、通常の味噌、醤油、塩らーめんもある。でも、どうせ塩を頂くなら、「和香潮(わかしお)」の方が、ピリ辛で魚介系の味わいが深くていい。しかも、和香潮のチャーシューは、他のラーメンと違って軽く炙っているのだ。個性的なラーメンとして、スープカリー風の「亜細亜GONZ麺」という変わり種もあるが、少し甘みがあり、辛さ控えめで、こちらも悪くない。店内で購入可能なテイクアウト品として、冷凍自家製餃子やチゲ鍋スープなどが販売されているが、チゲ鍋スープは店内で食べるスープとは異なり、かなりレトルト的な後味が残り、ジューシーさに乏しい餃子とともにお勧めできない。また、店が比較的新しい割には、店内の油汚れが目立つのも気になる。

苫小牧市新開町4-1-1    
電話番号:0144-57-7767
営業時間: 11時半~22時 
定休日:水曜日 
予算:元祖味噌ラーメン780円 
アクセス:JR沼ノ端駅から4km。車で沼ノ端西インターを出て次の信号を右折し、明野南通を10分くらい直進したら、右に「ユニクロ」と「ケーズデンキ」が見えるので、その敷地内。