3.日本料理、アラ、天ぷら

佐藤

 北九州市のJR小倉駅前にある完全予約制の日本料理店。JR小倉駅はJR博多駅から新幹線で僅か15分というアクセスの良いエリアにある。店内に入ると、人なつっこい名物店主が出迎えてくれる。靴を脱いで上がると、店内にはコの字型のオープンキチンのカウンター席が9席(最大10席まで)あり、さらに個室のカウンター席が4席(最大6席まで)ある。店主はどちらかというと電話対応をしたり料理の説明をしたりしているため、料理は基本的に弟子たちが作っている。弟子たちの作る料理は、塩味や火の通し方ともにほぼ完璧。店主は客の名前を覚えていて、話しかけるときには「〜さん」と、まるで常連客のように接してくれる。
 料理はおまかせコースのみで、夜は10000円、12000円、15000円の3コース。ランチタイムは5000円からのからのコースもあり、もちろん15000円までの夜のコースも選択できる。今回は折角なので15000円のコースを注文。
 どの料理も使用している素材の質が極めて高く、値段に見合ったクオリティである。素材の鮮度や質を生かすためか、その調理法は極めてシンプル。特に、カウンター内に設置された炭火で焼かれた焼き物が秀逸。この日は「自家製白魚の干物」の焼き物からスタート。料理は非常にテンポ良く出される。旬の終わりを迎えた名残・松葉ガニの「焼き蟹」は、香り、甘さともに最高レベル。特に味噌と和えた抱き身の美味しさは格別だった。お造りは「トラフグ」で、続くトラフグの「焼き白子」は熱々トロトロの状態。「アラ」はしゃぶしゃぶにして、ポン酢か塩昆布でいただく。さらに、アラをしゃぶしゃぶにした残り汁を鍋仕立てに。具材は春を感じさせるタラの芽、セリ、佐賀産アスパラ、蛤、海苔のように柔らかい新ワカメ、カブなど。竜田揚げの様な「トラフグの唐揚げ」は、尻尾を持ってチキンレッグのように豪快にいただくと、思わず旨い!と思える美味しさ。皮を湯むきにした地物のトマトは口直しにピッタリ。焼いた「カラスミ餅」は美味しいが、京都の 「和久傳(→ 京都グルメバイブル・お土産の頁を参照)」 ほどネットリ・フックラとはしていなかった。さらに料理は、「新筍の木の芽焼き」、「サヨリの笹の葉寿司」、「青菜のお浸し」、「赤ナマコの酢のもの」、「フグの炊き込みご飯」、「フグの出汁の味噌汁」、口直しの「オレンジとリンゴを搾ったジュース」へと続き、最後は「粒あん入りわらび餅」と薄茶で終了となった。
 食べ物がこれほど充実しているのに対し、店主のポリシーなのか?お酒はそれほど種類がなく、日本酒は1種類のみであったのが残念。なので、トータルな満足度としては2〜2.5星くらいかなと思うが、小倉というローカルエリアでこれほどのクオリティであることを考えれば、文句なしの3つ星評価となった。ちなみに、冷酒は京都の日本料理店のように冷えた青竹に入れられて供されるが、これは見た目も美しく、思っていた以上に美味しかった。(2017年4月追加)

北九州市小倉北区京町3-5-7 KSKコアビル1階  
電話番号:093-541-3767(完全予約制)
定休日:日曜
営業時間:18時〜22時(昼は予約のみ)
予算:夜のコースは12000円と15000円、新幹線(JR博多駅〜JR小倉駅)2110円
アクセス:JR小倉駅・小倉城口から直結したテナントビル「コレット」の東側にあるビル。JR小倉駅から徒歩2分
最寄りのランドマーク:JR小倉駅、コレット(東側のすぐ前)
お勧めポイント:ローカル店とは思えないハイクオリティな日本料理店

JR小倉駅まではローカル線でも行けるが、今回は九州新幹線を初体験右がJR小倉駅前にあるテナントビルの「コレット」。左が「佐藤」の入っているビルこのビルですココが入口靴を脱いで上がると、コの字型のオープンキッチンのカウンター席がある。この他に、カウンター席の個室が一つあるそうだスタートは、カウンター内の炭火で焼かれた「自家製白魚の干物」にワラビが添えられている旬の終わりを迎えた名残・松葉ガニの「焼き蟹」は、香り、甘さともに最高レベルカニ味噌と和えた抱き身の美味しさは格別日本酒は1種類しかなかったのが残念。冷酒は京都の日本料理店のように冷えた青竹に入れられて供されるが、これは見た目も美しく、思っていた以上に美味しかったお造りの「トラフグ」はポン酢か塩昆布でいただく三角形の容器に入っているのはアラだが、お造りとしてはいただかない?ラフグの「焼き白子」は熱々トロトロの状態で最高!この鍋はに先ほどのアラを投入アラはさっと出汁にくぐらせ「アラのしゃぶしゃぶ」にして、ポン酢か塩昆布でいただきます。アラをしゃぶしゃぶにした残り汁を鍋仕立てに。具材は春を感じさせるタラの芽、セリ、佐賀産アスパラ、蛤、海苔のように柔らかい新ワカメ、カブなど竜田揚げの様な「トラフグの唐揚げ」は、尻尾を持ってチキンレッグのように豪快にいただくと、思わず旨い!と思える美味しさ皮を湯むきにした地物のトマトは口直しにピッタリ焼いた「カラスミ餅」は美味しいが、京都の「和久傳」ほどネットリ・フックラとはしていなかった「新筍の木の芽焼き」「サヨリの笹の葉寿司」、「青菜のお浸し」、「赤ナマコの酢のもの」「フグの炊き込みご飯」と「フグの出汁の味噌汁」、香の物「フグの出汁の味噌汁」の具材はなく薬味の青ネギのみ口直しの「オレンジとリンゴを搾ったジュース」「粒あん入りわらび餅」と薄茶で終了

天ぷら たけうち

 九州新幹線・南博多駅の近くにある天ぷらの専門店。外観から僕が想像していたよりもずっと大箱の店である。店内にはジャズが流れ、右にカウンター席、左にテーブル席がある。この店は基本的にコースのみの店であるが、天ぷらに関しては単品での追加注文が可能。特にカリッと軽く仕上がった「かき揚げ」が美味しいので、追加するなら是非「かき揚げ」を頂きたい。 
 昼、夜ともコースの価格は共通で、全部で3コースある。お勧めは、天ぷらの前にいくつかの海鮮料理が出てくる最も高い4500円のコース。店主はまだ若いが、以前は和食の料理人だったのだろうか?素材に対してかなりのこだわりを持っているらしく、火の通し方も含めた調理センスが抜群にいい。この素材で本当にこの価格で良いの?というくらい、とにかくコスパが良いのである。天ぷらだけならせいぜい2つ星くらいといったところだが、総合力では間違いなく3つ星なのである。加えて、店主のこだわりなのか日本酒の品揃えがいいので、この店に来たなら是非日本酒を飲んで頂きたい。店主に好みを伝えれば、メニューにはない日本酒がいろいろと出てくる。この日は「華やかな香りが好み」と伝えたところ、5種類の「十四代」と「旭鳳」を勧められた。
 ちなみに、九州新幹線は南博多駅に1時間に1本しか停まらないが、通常の料金に300円追加すればJR博多駅まで行けるので、地元客はよく利用しているとのこと。もしもタクシーで行くのなら、JR博多駅からは2800円前後かかるので、JR南福岡駅から乗った方が安く済む。あまりにもコスパが良いので、今後もこの価格でやっていくのか?と尋ねたところ、現在値揚げを検討中とのこと。なので、行くなら今でしょう!(2014年7月追加)

福岡県筑紫郡那珂川町今光6丁目64−1  
電話番号:092-953-1699
定休日:月曜(祝日は営業)
営業時間:12時~15時、18時~22時
予算:コース(昼夜共通)2000円、3000円、4500円
アクセス:九州新幹線・南博多駅を出て右へ向かう。高架線に沿って進み、「SUZUKIモーターフリーク」を過ぎた信号を左折。広い通りを進み、「Honda」、「三菱」、「SUZUKI」、「日産」、「ネッツトヨタ」、「パチンコ・スロットKING」、「ネッツトヨタ」を過ぎ、「福岡トヨペット」の並び右側にある。南博多駅から徒歩10分
最寄りのランドマーク:九州新幹線・南博多駅、福岡トヨペット・那珂川店
お勧めポイント:コスパ抜群の天ぷら店

ハートランドビール、左から天つゆ、焼き塩、自家製塩麹

ノドグロと天然モズク酢

五島のアラをポン酢と紅葉おろしで

ノドグロの炙り 塩と山葵で

シビマグロ(本マグロの幼魚)をオリーブオイル醤油でカルパッチョ風に

煮ダコ

スルメイカの唐津産・赤ウニ載せ 塩で頂く

西京味噌焼き(何か忘れた)

五島産・煮アワビの肝添え

ワタリガニとジュンサイのジュレ掛け

あさりの茶碗蒸し

才巻き海老(車エビ)

才巻き海老の頭

フグ(何フグかは忘れた)

新ジャガイモ(メイクイーン)

有明産アナジャコ(調理後)

有明産アナジャコ(調理前)

水菜と揚げ

泉州の水茄子

対馬産ハモ

オクラ

万願寺唐辛子と空豆

かき揚げの天茶

まな板の上の旬 ぽぽぽん

 薬院大通駅にほど近い食べログ・福岡県第6位(2013年10月時点)の人気和食店。入り口は2つあり、手前が座敷のある離れの入り口で、暖簾が掛かっている奥の入り口が通常店舗の入り口である。入り口にあるガラスケースの冷蔵庫には地元野菜が並べられ、販売もされている。更に進むと、右側にカウンター席が、左側にテーブル席が3つある。BGMにはジャズが流れ、民芸調のインテリアでありながら、和服の帯や襖絵などを装飾に用いた独特のデザインである。
 食べログによると、「朝倉の朝採れ野菜と地元で獲れた新鮮な魚介類を使った、 リーズナブルで美味しい和食が楽しめる」、「最高のコストパフォーマンス」と書かれているが、メニューを見るとアラカルトの品数は少なく、値段はそれほど安くはない。また、日本酒の種類は12種と少ないが、「而今」、「御湖鶴」、「醸し人九平次」、「寫楽」などチョイスはいい。焼酎は17種類で和食店としては比較的揃っている方だ。料理は刺身も含めて旨い!というほどのものはなく、味付けは薄味で、そこそこ美味しいという感じだ。関西によくありそうな割烹のようなイメージで、似たような料理を更に安く食べることができる舌の肥えた関西人には受けないだろう。しかしながら、今回試せなかったコース料理は確かに安くコストパフォーマンスも良さそうなので、もしも訪れるならコース料理にすべきだと思う。(2013年10月追加)

中央区薬院2-14-29 薬院クラブ1階  
電話番号:092-717-5646
定休日:月曜・不定休
営業時間:17時~22時
予算:コース3500円(7品)、4500円(9品)
アクセス:地下鉄七隈線・薬院大通駅1番出口を出て左へ。「auショップ」のある次の角を左折して直進する。交差点を過ぎるとすぐ左側。薬院大通駅から徒歩3分。
最寄りのランドマーク:薬院大通駅
お勧めポイント:薬院にある食べログで超人気の和食店

板前割烹 よしおか

 先輩の小竹先生から教えて頂いたアラとフグが美味しい店。アラやフグを食べるなら絶対にこの店!と言い切っても良いほどの有名店である。しかし、BGMは何故か民謡で、板前割烹とは思えないチープな雰囲気である。
 店内はカウンター8席と小上がりが2卓、そしてテーブル席がある。最近は養殖ものや和歌山産などの太平洋側のアラを使う店が多い中、この店のアラは玄界灘の天然物にこだわっているらしい。なので、この店のアラはとにかく素材が素晴らしく、他店のアラと比べると旨さが抜きん出ているのである。アラは刺身や炙り、塩焼き、天ぷら、「アラしゃぶ」などの鍋があるが、1番のお勧めは鍋である。プリプリとした食感が素晴らしく、食べ終わった後に残ったスープは塩を2匙入れて飲むと抜群に美味しい。食材が食材なのでかなり値は張るが、深夜まで営業しているので、夜に福岡に到着したときにフグやアラが食べたくなったら是非訪れてみたい店だ。(2013年5月追加)

博多区中洲2-7-29 インフォスタービル1階(博多中洲ワシントンホテルプラザ裏)  
電話番号:092-291-5246
定休日:日曜・祝日 
営業時間:17時~翌2時 
予算:時価なので頼むものにもよるが10000~15000円くらい 
アクセス:地下鉄空港線・祇園駅2番出口を出て、すぐに国体道路を右折。「M SQUWARE博多祇園」、「大東園」などを過ぎ、歩道橋をくぐって斜め右の橋を渡るとすぐに右に「博多中洲ワシントンホテルプラザ」が見えるので、そのすぐ裏通りにある。祇園駅より徒歩6分。 
最寄りのランドマーク:M SQUWARE博多祇園、大東園本店、博多中洲ワシントンホテルプラザ 
お勧めポイント:アラとフグが抜群に美味しい板前割烹

日本のお料理 稲垣

 祇園の有名焼肉店 「大東園本店(→ その他日本の旨い店・福岡県の頁を参照)」 のすぐ並びにある本格的な日本料理店。入り口を抜けるとテーブル席の他、奥にカウンター席があり、店内はそれほど広くない。老練な板長は口数が少なく、黙々と料理を作っている。どの料理もハズレがなく、板長の腕は確かである。しかしながら、創作的な料理も多少あるものの、全体的にはオーソドックスすぎてサプライズ感に欠ける。僕の率直な感想としては、京都によくある真面目な日本料理店のようなイメージ。
 今回はお昼の5000円コースを頂いたが、コストパフォーマンスで評価するならそれほど悪くない。(2013年1月追加)

福岡市博多区上川端町1-3  
電話番号:092-291-5495
定休日:日曜 
営業時間:11時半~13時半、17時~21時 
予算:昼1500円、2500円、3500円、5000円、夜6000円、8000円、10000円(税サービス料別) 
アクセス:地下鉄空港線・祇園駅2番出口を出て、すぐに国体道路を右折。「M SQUWARE博多祇園」を過ぎ、しばらく進むと「大東園本店」と「かろのうろん」が見えるので、その間にある。祇園駅より徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:M SQUWARE博多祇園、大東園本店 
お勧めポイント:祇園にある本格的日本料理店

新和食 元永

 古いマンションの1階にある僅か6席だけの創作和食店。元はスナックだったのだろうか?外観はまるでスナックの入り口のようで、店内もカウンター席後ろを通るのもやっとというくらい狭い。店は若い大将と女将さんの2人で切り盛りしている。オープンしてまもなく2年目を迎えるという。創作和食店としてこの店を評価するのなら、ギリギリの2つ星であるが、本格的日本料理として評価するなら1つ星だ。なので、僕の正直な気持ちとしては1.5つ星くらいの評価であるが、地方の店ということで、四捨五入して2つ星とした。
 今回は夜の10000円のコースを頂いた。盛りつけはシンプルで、華やかさなどはないが、素材にアワビやフカヒレ、クジラの尾の身、イクラを使うなど、コストパフォーマンスを考えれば良かった。特に、最後の締めに出された「土鍋で炊かれたイクラの混ぜ御飯」は、とても美味しかった。女将のサービスは素人っぽくてぎこちないが、ホスピタリティは感じられるので許容範囲。お酒の種類はあまりないが、日本酒から焼酎、ワインまで一通りは揃っている。席数が僅かなので、夜のコースを頂く場合には早めの予約が必要。(2012年12月追加)

福岡市中央区赤坂3-13-31 朝日プラザ赤坂21 1階  
電話番号:062-771-1025 
定休日:不定休 
営業時間:11時半~14時、18時~23時 
予算:昼1600円、2800円、夜6500円、10000円 
アクセス:地下鉄空港線・赤坂駅4番出口を出て左へ。すぐに信号を左折し、大正通りを進む。ハローワーク福岡中央を過ぎ、「PLAZA」のある警固交差点を右折。警固西交差点を過ぎ、セブンイレブンを過ぎた次のT字路を左折するとすぐ右側。赤坂駅より徒歩7分。西鉄福岡駅、天神南駅より徒歩10分 
最寄りのランドマーク:警固交差点、PLAZA 
お勧めポイント:コストパフォーマンスの良い創作和食店

ごはん屋 今ここ

 息を切らして急な坂道を上ったところにある看板のない料理店。外観は普通の住宅で、白い壁に引かれた青い線が唯一の目印。ドアを開け、玄関でスリッパに履き替えて2階に上ると、床はフローリングで、まるで自宅を料理教室にでも改装したかようなデザイン。どこかの家庭にでも招かれたような温かい雰囲気が、何とも言えない安心感を与えてくれる。高い天井にはテントのような布が掛かっており、壁にはジャングルようなの絵が描かれている。オープンキッチンとその前にはカウンター席が、そして8名席が1つと4名のテーブル席が2つある。3人でやっているが、家族なのだろうか、これはあくまでも僕の想像だが、お父さんとお姉さんがサービスを、妹がシェフをしているのでは?と勝手に推測。
 料理は和食ベースの料理で、自己流なのだろうか?プロっぽい味はしないが、どれもアイディアに富んでいて盛りつけなども美しく、女性らしい感性を感じさせる。そのためか、女性客とカップルで盛況だった。また、1人で作っているにも関わらず、料理は実にテンポ良く出される。加えて、ほのぼのとしたお父さんの温かい気持ちも伝わって来て、ホスピタリティを感じさせる。しかし、この店の料理はあくまでも家庭料理の延長線であり、あまりプロ的な味を期待されると失望するかもしれない。トータル的にはコストパフォーマンスも良く、サービスも温かく好感が持てる。住宅街にあって目印がないため、夜に桜坂駅から行くと真っ暗でかなり分かりにくい。なので、天神か博多駅から行く場合には、カーナビが付いたタクシーで行くのがベストかも。(2012年11月追加)

福岡市中央区桜坂3-7-8  
電話番号:092-771-5818 
定休日:日曜・祝日、月曜、2月と8月 
営業時間:12時~14時、18時~22時(火曜は夜営業のみ) 
予算:夜コース5750円(完全予約制) 
アクセス:地下鉄七隈線・桜坂駅1番出入り口を出右へ。セブンイレブンを過ぎた小路を右折。急な坂道を上り、Y字を右に、更に左に進むと突き当たるので左折するとすぐ。桜坂駅から徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:桜坂駅、セブンイレブン 
お勧めポイント:ホスピタリティ溢れる家庭料理

しらに田

 西中洲のビルの4階にある日本料理店。2016年に近くのビルから現在の那珂川沿いのビルに移転してきたため、今回は移転後初めての訪問である。エレベーターを降り、入口を抜けて通路を進むと、通路を挟んだ那珂川沿いには4つの個室があり、個室からは那珂川を眺めながら食事を楽しむことができる。また、個室をつなげると、最大14名までの客に対応できるという。さらに、通路を挟んだ反対側には広い白木のカウンター席があり、デザイナーズレストランのようなシックなインテリアがいい。BGMこそ流れていないが、ジャズが似合いそうな和のインテリアだ。
 店主の白仁田さんは新進気鋭の若手料理人である。彼は「銀座 うち山」で修行の後に地元の佐賀で「しらに田」を開店し、その4年後に福岡に移転してきた。ちなみに、彼の修行先である「銀座 うち山」の店主は、東銀座の 「銀座 あさみ(→ 銀座グルメバイブル・和食の頁を参照)」 出身で、「銀座 あさみ」の店主は新橋の 「京味(→ 銀座グルメバイブル・和食の頁を参照)」 出身という系譜である。なので、この店の料理も京風というよりも、どちらかというと、しっかりとした江戸風の味付けである。「銀座 うち山」や「銀座 あさみ」ではコースの最後には鯛茶漬けが出されるが、この店の鯛茶漬けは前出の2店とは異なり、1組1組に土鍋の炊きたて御飯で鯛茶漬けを供する。また、この店のコースの最初に出てくる「焼きゴマ豆腐」も、実は「銀座 うち山」の定番でもある。
 これまで何度かいただいたのは昼の5000円のコース。今回は昼のコースで最も高い10000円のコースを試してみたが、やはり昼は5000円のコースが最もコスパが良いと思う。白仁田さんの料理は、塩味にブレがなく、火の通し方もいい。以前いただいた「松茸としんじょのお椀」も、今回の「イサキのお椀」も上出来であった。彼の料理を一言で表現するなら味覚のセンスが良いということ。もちろん、グルメバイブル京都版の3つ星店とは同列に扱うことはできないが、地方レベルの日本料理店の中では、抜きん出ていることは間違いない。
 ワインはシャンパンと若いブルゴーニュワインの赤白がほとんどであるが、和食店の割にはワインの品揃えは良いと思う。また、移転してからは値段設定が若干高くなり、多少コスパが悪くなったような気もするが、その分、サービス専門のマネージャーが加わったことで、サービスが良くなった。(2017年6月更新)
http://www.shiranita.co.jp

福岡市中央区西中洲4−4 RIN FIRST4階  
電話番号: 092-725-7336 
営業時間:11時半~14時、17時半~22時半
定休日:不定休
予算:【昼】3000円、5000円、7000円、10000円、【夜】12000円
アクセス:地下鉄七隈線・天神南駅5番出口を出て左へ。国体道路に沿って進み、「東横イン博多西中洲」、「カラオケSHIDAX」を過ぎ、橋の手前の細い斜め通り(「かに通」の前)を左に川沿いに進む。「MARUGEN 49」の看板を過ぎて川沿いに進むとすぐ右側。天神南駅から徒歩7分
最寄りのランドマーク:東横イン博多西中洲、カラオケSHIDAX、MARUGEN 49
お勧めポイント:味良し雰囲気良しの日本料理店

このビルですエレベータで4階まで上がると・・・木製のドアが見えます更に通路を進む通路を挟んだ那珂川沿いには個室があります個室の反対側には広いカウンター席があります。まるでデザイナーズレストランのような和のインテリア生ビールを頼んでスタンバイ最初に出てきたのは定番の「焼きゴマ豆腐」醤油をかけて擦り立てのワサビとともにいただく2品目は・・・「ジュンサイと山芋の素麺」「穴子の揚げ物」「旬の野菜と海鮮(蒸しアワビ、バフンウニ、車エビ)のポン酢ジュレ」「イサキのお椀」は出汁が良い「鱧の落とし」は、ほんのり甘い擦りワサビ入りの梅のソースでいただく「琵琶湖産稚鮎の木の芽味噌焼き」具材は忘れたが「柳川風の鍋」ご飯は一人でも土鍋の炊きたてご飯こんな感じになりますツヤツヤの銀シャリ胡麻醤油に浸された真鯛の切り身まずはそのままご飯にのせてたべる。旨い!次にお茶をかけていただく。これも旨い!!締めは作りたての「葛きり」黒蜜に付けていただく

2012年当時の【昼】の5000円のコース:焼きゴマ豆腐、ミニイクラ丼、煮物(内容は忘れました)、松茸としんじょのお椀、サワラのたたき、落ち鮎の煮浸し、鯛茶漬け、餡蜜

はかた天乃

 フグやアラが美味しいと食べログで評判の人気店。福岡にはこの店の他に値段設定が安めの系列居酒屋が2店舗あるようだ。この店は古いビルの3階にあり、靴を脱いで上がると掘りごたつ式のカウンターがある。カウンター席は8席あり、その横に4人用テーブル席が1つと、更に奥には最大10名までの掘りごたつ式のテーブル席がある。
 この店の料理は基本的にコース料理。冬はフグやアラ、夏にはオコゼなどが頂ける。料理は洗練された京都風や江戸前風の料理ではなく、博多風の郷土料理といった感じのザックリとした料理である。どの料理もそつなく美味しかったが、これは!というものはなかった。アラに関しては 「板前割烹 よしおか(→ その他日本の旨い店・福岡県の頁を参照)」 の方が良かった。カウンター内には大将の他に女性料理人が1人いるが、大将が調理中にタバコをプカプカ吸っていたのだけはいただけなかった。(2013年6月追加)

福岡市博多区店屋町5-5 Viva in Kawabata3階  
電話番号:092-262-2689
定休日:日曜・祝日 
営業時間:17時~21時(予約に応じて対応) 
予算:お任せコースは1万円から千円単位で設定可能 
アクセス:地下鉄空港線・中洲川端駅7番口を出て明治通りを左に進む。「土居通り」交差点を右折し、茶色の「冷泉ハイツ」と「冷泉公園」のある次の信号を左折するとすぐ左側のビル。中洲川端駅から徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:冷泉ハイツ、冷泉公園