京都グルメバイブル

京都市

錦市場

 長らく京都市民の市場として親しまれてきた市場であるが、大阪の黒門市場や金沢の近江町市場と同様に、最近ではどちらかというと外国人客と中心とした観光客で賑わっている。
 今回は寺町・京極商店街のある寺町通りから見てみよう。まず、右側にある「有次(ありつぐ)」は、料理人あこがれの有名包丁店。右の「湯波吉」は、1790年創業の錦市場唯一の京ゆば専門店。右の「麩房 老舗」は、天保年間創業の生麩専門店。左の「錦 川政」は、京野菜や松茸で有名な八百屋。右の「田中鶏卵(→ 京都グルメバイブル・お土産の頁を参照)」の京出汁巻き玉子は、京都ナンバーワンの美味しさ(お勧め!)。左の「箸や万作本店」は、人気の京竹箸シリーズを販売する店。右の「三木鶏卵」は、出汁巻きだけでなく、各種卵製品を販売する人気店。左の「錦 もちつき屋」は、店頭でついたいろいろな餅をその場で食べることができる。左の「SNOOPY茶屋」は、スヌーピーに特化したものを販売している。1階では食べ物のテイクアウトや京都伝統工芸とのコラボ製品などが販売され、2階はレストランとなっている。左の「打田漬物 西店」は、僕の一押しの漬物専門店。通年販売している「長いもわさび味」や「おんぶ漬」、春から初夏限定の「ぐりーんぼーるきむち」などがお勧め。店内では全ての商品を試食できるので、自分好みの漬物を購入しよう。左の「おちゃのこさいさい」は唐辛子の専門店。京都丹波産のハバネロなども販売している。左の「手作り箸工房 きっちん遊膳」は、800種類の箸が揃っている箸の専門店。右の「抹茶スイーツ処 茶和々 錦市場店」は、宇治茶にこだわったスイーツを販売する店。

〒604-8054 京都府京都市中京区西大文字町609番地   

「有次(ありつぐ)」は、料理人あこがれの有名包丁店 「麩房 老舗」は、天保年間創業の生麩専門店 「錦 川政」は、京野菜や松茸で有名な八百屋 田中鶏卵(→ 京都グルメバイブル・お土産の頁を参照)」の京出汁巻き玉子は、京都ナンバーワンの美味しさ(お勧め!) 「三木鶏卵」は、出汁巻きだけでなく、各種卵製品を販売する人気店 「錦 もちつき屋」は、店頭でついたいろいろな餅をその場で食べることができる 「打田漬物 西店」は、僕の一押しの漬物専門店 通年販売している「長いもわさび味」や「おんぶ漬」、春の「竹の子山椒」、春から初夏限定の「ぐりーんぼーるきむち」などがお勧め。店内では全ての商品を試食できるので、自分好みの漬物を購入しよう 「手作り箸工房 きっちん遊膳」は、800種類の箸が揃っている箸の専門店「抹茶スイーツ処 茶和々 錦市場店」は、宇治茶にこだわったスイーツを販売する店

寺町・京極商店街〜
 三条名店街・新京極商店街を
        ぶらりショッピング

 四条通りと御池通りの間にある「寺町・京極商店街」と三条通りと四条通りの間にある「新京極商店街・三条名店街」の2つは、昭和のテイストが漂う京都を代表する商店街である。
 四条通り側から順に「寺町・京極商店街」を見てみよう。まず、入口には焼き栗で有名な「林万昌堂」があり、さらに進むと右に黒糖タピオカティーが大人気の「辰杏珠Shinanju京都寺町店」がある。その左のコアビル2階には、韓流グッズショップ「K DOL PARK」、右には北海道で大人気の焼きたてチーズタルト店「BAKE京都寺町店」、右にはミリタリーグッズやモデルガンなどが人気の「トイガン&ミリタリーコレクションショップやまもと寺町店」、右にレアなビーフカツの専門店「京都 勝牛」、左に外国人に大人気の浮世絵や版画を販売する「大書堂」、右に衣類にワッペンや家紋などを入れてくれる「川上ネーム店」と靴修理専門店「RESH.」がある。さらに、右に温泉街の遊技場の雰囲気が味わえる「大衆娯楽遊技場」、右にアニメフィギアやお面などを販売する「人参倶楽部」、右にオシャレスニーカー専門店「DRAGON BEARD京都店」、左に1683年創業の念珠専門店「安田念珠店」、右に明治6年創業のすきやき店「三嶋亭」があり、左に扇子の「白竹堂・三条寺町店(→ 京都グルメバイブル・お土産の頁を参照)」がある。ここで三条通りを通過すると、左に京都の有名甘味処である「梅園」、右に松茸や筍の季節になると賑わう「とり市老舗」、右に銀座の伊東屋のようなオシャレ文具店「文房具店tag寺町三条店」、右に仮店舗営業中の「京都鳩居堂本店(→ 京都グルメバイブル・お土産の頁を参照)」がある。
 次は、河原町通り側から「三条名店街商店街」、そしてそれに続く「新京極商店街」を見てみよう。右にある「吉田源之丞老舗」は、450年続く仏具・仏壇の専門店。両側にある「BIGBOSS京都」は、京都最大級のギター・ベースの専門店。右にある「大西京扇堂」は、天保年間から続く有名扇子店で、右の「伊織 京都三条通店」は今治タオルの専門店。左角の「永楽屋 細辻伊兵衛商店」は、復刻版手ぬぐいやアレンジ手ぬぐいを販売する店。左角の「つえ屋」は、世界中の杖や和の匠による杖まで、いろいろと取り揃えている。角を曲がって新京極商店街に入ると、左に関西最大のスクリーン数を誇る映画館「MOVIX京都」、右に箸で有名な「箸ギャラリー門・小夏」、左に外人受けしそうな和テイストのお土産品が揃っている「京極 井和井」、左にインスタ映えするデコレーションドーナッツで有名な「コエ ドーナッツkoe donuts」などがある。

〒604-8091 京都府京都市中京区永楽町  

「寺町・京極商店街」 黒糖タピオカティーが大人気の「辰杏珠Shinanju京都寺町店」 「黒糖ミルクティーM」 階段を上がった右側にあるのが、韓流グッズショップ「K DOL PARK」 北海道で大人気の焼きたてチーズタルト店「BAKE京都寺町店」 ミリタリーグッズやモデルガンなどが人気の「トイガン&ミリタリーコレクションショップやまもと寺町店」 レアなビーフカツの専門店「京都 勝牛」 外国人に大人気の浮世絵や版画を販売する「大書堂」 靴修理専門店「RESH.」 明治6年創業のすきやき店「三嶋亭」 京都の有名甘味処である「梅園」 松茸や筍の季節になると賑わう「とり市老舗」 銀座の伊東屋のようなオシャレ文具店「文房具店tag寺町三条店」 仮店舗営業中の「京都鳩居堂本店」 「三条名店街商店街」から、それに続く「新京極商店街」を見てみよう 「吉田源之丞老舗」は、450年続く仏具・仏壇の専門店 両側にある「BIGBOSS京都」は、京都最大級のギター・ベースの専門店 「伊織 京都三条通店」は今治タオルの専門店 「永楽屋 細辻伊兵衛商店」は、復刻版手ぬぐいやアレンジ手ぬぐいを販売する店 「つえ屋」は、世界中の杖や和の匠による杖まで、いろいろと取り揃えている 角を曲がって新京極商店街に入ると、左に関西最大のスクリーン数を誇る映画館「MOVIX京都」がある
外人受けしそうな和テイストのお土産品が揃っている「京極 井和井」インスタ映えするデコレーションドーナッツで有名な「コエ ドーナッツkoe donuts」

中村藤吉郎本店の「抹茶ガトーショコラ」

 中村藤吉郎本店は、宇治市にある1854年創業の茶舗。実はこの店、お茶だけでなく、いろいろなお茶関連のスイーツも販売している。
 中でも、ホワイトチョコレートを使用したガトーショコラは、カップケーキのように小振りなケーキ。現在のところ、「ほうじ茶ガトーショコラ」と「抹茶ガトーショコラ」の2種があるが、「ほうじ茶ガトーショコラ」の方はほうじ茶の香りに乏しい。しかし、「抹茶ガトーショコラ」の方は、食べると口一杯に抹茶の芳醇な香りが広がる。スポンジがシフォンケーキのように滑らかで、シットリとした食感もいい。(2019年9月追加)
 cなどの百貨店の他、下記の中村藤吉郎本店のオンラインストアから購入もできる。
https://store.tokichi.jp

中村藤吉郎本店

ホワイトチョコレートを使用したガトーショコラは、カップケーキのように小振りなケーキ。現在のところ、「ほうじ茶ガトーショコラ」と「抹茶ガトーショコラ」の2種がある。箱を開けると・・・ 紙に包まれたケーキが 包み紙を開けるとこんな感じ 「抹茶ガトーショコラ」の方は、食べると口一杯に抹茶の芳醇な香りが広がる。スポンジがシフォンケーキのように滑らかで、シットリとした食感もいい「ほうじ茶ガトーショコラ」の方はほうじ茶の香りに乏しい

中村藤吉本店の「抹茶フィナンシェ」

 中村藤吉郎本店は、宇治市にある1854年創業の茶舗。実はこの店、お茶だけでなく、いろいろなお茶関連のスイーツも販売している。
 フィナンシェには、「抹茶フィナンシェ」と「ほうじ茶フィナンシェ」の2種類があるが、「ほうじ茶フィナンシェ」の方はほうじ茶があまり香らず、お勧めできるほどのレベルではない。一方、「抹茶フィナンシェ」は、抹茶特有の香りや苦みなどが感じられ、さらに、バターとアーモンドによるリッチなコクも加わり、生地もしっとりとしていて量産品とは思えない出来。
 「ジェイアール京都伊勢丹(→ 京都グルメバイブル・ショッピングを参照)」などの百貨店の他、下記の中村藤吉郎本店のオンラインストアから購入もできる。(2019年9月追加)
https://store.tokichi.jp

予算:1個257円

箱を開けると シンプルなデザインの包装 「抹茶フィナンシェ」は、抹茶特有の香りや苦みなどが感じられ、さらに、バターとアーモンドによるリッチなコクも加わり、生地もしっとりとしていて量産品とは思えない出来「ほうじ茶フィナンシェ」の方は、ほうじ茶があまり香らず、お勧めできるほどのレベルではない

日本茶菓SANOAH(サノア)の「十点(ジッテン)」

 「日本茶菓SANOAH」は、日本茶を使ったスイーツを展開するブランドで、茶葉の風味を活かしたさまざまなスイーツを販売している。現在のところ、「ジェイアール京都伊勢丹(→ 京都グルメバイブル・ショッピングの頁を参照)」、「新宿伊勢丹」、「浦和伊勢丹」の3店舗で限定購入できるスイーツのようだ。
 茶師十段・小林裕氏が選んだという石臼挽き宇治抹茶は、しっかりと抹茶が香り、通常の抹茶フィナンシェが薄茶であれば、こちらは濃茶レベル。また、バターの風味も良く、塩味が味の輪郭を作っている。これで更に生地がシットリと滑らかであれば、完璧な和のフィナンシェとなるかも。
 なお、上記の伊勢丹百貨店の他、下記の伊勢丹のウェブサイトからも購入できる。
https://isetan.mistore.jp/onlinestore/brand/001695/list

予算:十点(3個)1070円

箱を開けると・・・ 個別にパッケージされています茶師十段・小林裕氏が選んだという石臼挽き宇治抹茶は、しっかりと抹茶が香り、通常の抹茶フィナンシェが薄茶であれば、こちらは濃茶レベル。また、バターの風味も良く、塩味が味の輪郭を作っている。これで更に生地がシットリと滑らかであれば、完璧な和のフィナンシェとなるかも

日本茶菓SANOAH(サノア)の
 「しっとりガトーショコラ 絹乃茶」

 「日本茶菓SANOAH」は、日本茶を使ったスイーツを展開するブランドで、茶葉の風味を活かしたさまざまなスイーツを販売している。現在のところ、「ジェイアール京都伊勢丹(→ 京都グルメバイブル・ショッピングの頁を参照)」、「新宿伊勢丹」、「浦和伊勢丹」の3店舗で限定購入できるスイーツのようだ。
 「しっとりガトーショコラ 絹乃茶」は、フランス産チョコレートに 日本茶を加えて焼き上げたしっとりなめらかなガトーショコラ。冷やして食べると2倍美味しくなるそうだ。
 食べてみると、表面にシットリと柔らかなフランス産チョコとその下にスポンジケーキというよくありがちな組み合わせ。しかしながら、スポンジはシットリとしていて、甘さも程よく美味しい。何よりも、抹茶(抹茶、煎茶)やほうじ茶がしっかりと感じられ、お茶とガトーショコラの組み合わせが実に京都らしい。
 なお、上記の伊勢丹百貨店の他、下記の伊勢丹のウェブサイトからも購入できる。
https://isetan.mistore.jp/onlinestore/brand/001695/list

予算:しっとりガトーショコラ絹乃茶(3個)712円

箱を開けると・・・ 個別にパックされています ほうじ茶 煎茶抹茶

笹屋昌園の究極のわらび餅「至高」

 大正7年創業の和菓子店。この店を一躍有名にしたのは、究極のわらび餅といわれる「極(きわみ)」と、さらにその上位商品で完全受注生産の「至高」である。以前は、「ジェイアール京都伊勢丹」の地下食品売り場で購入できたが、現在はできなくなってしまった。
 国産最高峰の本わらび粉を100%使用したというわらび餅「至高」は、限界までトロトロ感を出すために固めることができない。なので、箱に流し込まれているタイプのわらび餅である。添えられている黒豆きな粉をかけて食べると、その滑らかな食感が何とも言えず美味しい。しかし、「KISSHOKARYO KYOTO吉祥菓寮の本わらび餅(→ 京都グルメバイブル・お土産の頁を参照)」ほどきな粉が香らず、この点だけは多少物足りない。もしも、「KISSHOKARYO KYOTO吉祥菓寮」のきな粉と合わせることができれば、夢の究極わらび餅になることは間違いない。
 しかしながらこの商品、下記ネットショップや楽天市場からも購入できる。楽天市場では、総合ランキング第1位、スイーツ部門第1位、和菓子部門第1位を獲得するほどの人気であるが、本店で購入する商品の方が、その日の朝に作られた新鮮なわらび餅なのでお勧め。(2022年11月更新)
http://sasayasyoen.jp
https://item.rakuten.co.jp/sasayasyoen/kiwami/

右京区谷口園町3-11   
電話番号:075-461-0338
定休日:火曜
営業時間:10時〜18時
予算:本わらび餅「極」(小200g)2200円
アクセス:京福北野線・龍安寺駅を出て龍安寺方向へ向かうと目の前。龍安寺駅より徒歩1分
最寄りのランドマーク:京福北野線・龍安寺駅
お勧めポイント:滑らかなトロトロ食感の本わらび餅

国産最高峰の本わらび粉を100%使用したというわらび餅「至高」 箱を開けると、きな粉が付いている 限界までトロトロ感を出すために固めることができない。なので、箱に流し込まれているタイプのわらび餅 スプーンですくうと、トロッとしていてかなり柔らかいことが分かる 皿に入れ・・・添えられている黒豆きな粉をかけて食べると、その滑らかな食感が何とも言えず美味しい。しかし、「KISSHOKARYO KYOTO吉祥菓寮の本わらび餅」ほどきな粉が香らず、この点だけ少し物足りない。もしも、「KISSHOKARYO KYOTO吉祥菓寮」のきな粉と合わせることができれば、夢の究極わらび餅になることは間違いない

京都市右京区

おきな

 嵐山の住宅街にひっそりとある日本料理店。かつて京都に住んでいたことがある「銀座 鮨 青木」の店主・青木利勝さんからいいと教えてもらった店である。店の看板には嵐山らしく「湯豆腐、京料理」の看板があるので、湯豆腐専門店かと思いきや、普通の日本料理店であった。入ってすぐ手前に個室があり、奥にカウンター席がある。2階には20名までの座敷もあるらしい。
 今回は初めての訪問だったので、おまかせコースを注文したが、常連客はアラカルトメニューから好みのものを注文していた。しかし、ビッシリと料理名が書かれていた手書きのメニューには価格表示がないので、常連客でなければ注文しにくいと思うが、恐らくそれほど高くはないものと思われる。
 まず出てきたのは、八寸のような「松茸のおひたし」と「鯖の棒寿司」、「子持ち鮎の甘露煮」、「手長海老と銀杏の素揚げ」などの盛り合わせ。そして、一品目のお造りは「ハタとバフンウニ」。トロみのある醤油ダレと弾力のあるハタの組み合わせがいい。二品目のお造り「ヨコワとブリ」は素材も良いが、厚く切られているので食感が抜群。お椀は「海老芋と蟹」で、汁が餡かけのようにトロミがあって美味しい。焼き物の「マナガツオの西京味噌焼きと鴨ロース」の鴨ロースが、ジューシーで肉の旨みがあって最高だった。特に、この厚く切られた鴨と芽ネギと一緒に食べると絶品である。揚げ物は「穴子と赤万願寺唐辛子の天ぷら」。藻塩でいただいたが、これはまあまあの味。特別に出してくれたご近所のものだという絹ごし豆腐は、非常に柔らかくて滑らかだったが、大豆の甘みや香りがあまりなかった。そして最後のご飯は、白米とじゃこ山椒、香の物であるが、今回はアラカルトメニューの中から単品で、「琵琶湖産・天然鰻の蒲焼き」を追加注文した。身が厚くものは良かったが、火が通り過ぎていて多少脱水気味だったのが残念。そして最後の水菓子「カラメルでコーティングしたアイスクリームと完熟した柿」で終了となった。
 この嵐山エリアの中では至極まっとうな日本料理店であり、嵐山で食事をとる際の選択肢に入れてもいい店である。(2019年9月追加)

右京区嵯峨釈迦堂大門町11  
電話番号:075-861-0604
定休日:水曜(祝日の場合には翌日)
営業時間:11時半~14時、17時~20時
予算:【昼】おまかせ料理6000円〜、【夜】10000円〜
アクセス:JR嵯峨嵐山駅・北口から出て直進し、2つ目の信号のある交差点を左折する。府道187号をしばらく進み、歩道橋のある交差点を右折する。「嵯峨嵐山・田中クリニック」、「京都愛宕郵便局」を過ぎ、「甘春堂」の交差点を左折すると左にある。JR嵯峨嵐山駅から徒歩15分
最寄りのランドマーク:JR嵯峨嵐山駅、京都愛宕郵便局、甘春堂嵯峨店
お勧めポイント:嵐山エリアの優良日本料理店

嵐山の住宅街にひっそりとある ココです! コース、定食、お弁当 奥にあるカウンター席 入ってすぐ手前にある個室。2階には20名までの座敷もあるらしい 常連客はこのアラカルトメニューから好みのものを注文していた。手書きのメニューには価格表示がないので、常連客でなければ注文しにくいと思うが、恐らくそれほど高くはないものと思われる まず出てきたのは、八寸のような「松茸のおひたし」と「鯖の棒寿司」、「子持ち鮎の甘露煮」、「手長海老と銀杏の素揚げ」などの盛り合わせ 「松茸のおひたし」 「鯖の棒寿司」、「子持ち鮎の甘露煮」、「手長海老と銀杏の素揚げ」 一品目のお造りは「ハタとバフンウニ」 トロみのある醤油ダレと弾力のあるハタの組み合わせがいい 二品目のお造り「ヨコワとブリ」 素材も良いが、厚く切られているので食感が抜群 お椀は「海老芋と蟹」で、汁が餡かけのようにトロミがあって美味しい 焼き物の「マナガツオの西京味噌焼きと鴨ロース」
「マナガツオの西京味噌焼き」 この「鴨ロース」が、ジューシーで肉の旨みがあって最高だった。特に、この厚く切られた鴨と芽ネギと一緒に食べると絶品である 揚げ物は「穴子と赤万願寺唐辛子の天ぷら」 藻塩でいただいたが、これはまあまあの味 特別に出してくれたご近所のものだという絹ごし豆腐は、非常に柔らかくて滑らかだったが、大豆の甘みや香りがあまりなかった 最後のご飯は、白米とじゃこ山椒、香の物であるが、今回はアラカルトメニューの中から単品で、「琵琶湖産・天然鰻の蒲焼き」を追加注文した 天然鰻は身が厚くものは良かったが、火が通り過ぎていて多少脱水気味だったのが残念 ご飯は悪くない最後の水菓子「カラメルでコーティングしたアイスクリームと完熟した柿」で終了となった

老松 嵐山店

 嵐山にある人気の甘味処。実はこの店、お土産で紹介した 「老松 北野店(→ 京都グルメバイブル・お土産の頁を参照)」 の支店である。嵐山のメイン通り沿いにあり、京福電鉄・嵐山駅からも近くとても便利。入口側にはショップが、そして奥には甘味処のカフェがある。カフェは天井が高く左側に坪庭が見え、白を基調とした清潔感溢れる和洋折衷の造り。椅子と机にこだわっているらしく、デンマークのボーエンセンによるデザインである。また、窓側がイチイとケヤキ、他にクスノキ、ツガ、シオジなど、席毎に素材となる木が異なっている点も面白い。
 この店の僕のお勧めは、何と言っても作りたての「本わらび餅」。秋獲りの本わらび粉を使用しており、ほんのりと温めの絶妙な食感。 「ぎおん徳屋(→ 京都グルメバイブル・スイーツの頁を参照)」 や 「遊形 サロン・ド・テ(→ 京都グルメバイブル・スイーツの頁を参照)」 、 「洛叉庵(→ 京都グルメバイブル・お土産の頁を参照)」 と並び、餡の入らないわらび餅としては京都トップクラスのわらび餅である。唯一残念だったのはきな粉の香りに乏しい点で、これで煎りたてのきな粉の香りがあれば完璧である。(2015年1月追加)

右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町20  
電話番号:075-881-9033
定休日:無休
営業時間:9時半~16時半(ショップは9時~17時)
予算:本わらび餅1296円
アクセス:京福電鉄・嵐山駅を出て、メインストリートを右(渡月橋とは反対方向)へ進む。「嵐山ちりめん細工館」を過ぎ、「天龍寺」に沿って300mほど進むと左側にある。嵐山駅から徒歩3分
最寄りのランドマーク:京福電鉄・嵐山駅、天龍寺
お勧めポイント:作りたての本わらび餅が美味しい

メニュー。抹茶や玉露、煎茶、ほうじ茶などのお茶には上生菓子が付きます

入口にあるショップ

お土産用の「本わらび餅」は試していません

これが本命の「本わらび餅」。お茶と黒みつが付いています

蓋を外すと「きな粉」が

きな粉の皿を外すと、氷水に入った生温かい本わらび餅が出現

箸で持ち上げると、かなり柔らかく粘り気があります

「抹茶」には上生菓子が付きます

選んだのは“きんとん”の「小倉山」

丹波栗と丹波大納言小豆と使った「栗善哉」には、塩昆布とお茶が付きます

「あんみつ」には黒みつとお茶が付きます

ラーメン専門店 大輝

 京都の西の外れにあるラーメン店。郊外にあるせいか、客のほとんどは常連客で、行列をつくることは滅多にない。古そうな外観であるが、中はピカピカに磨かれて清潔感がある。店内はL字型のカウンター席が10席のみと狭く、聞くところによると、先代が引退して現在は2代目の若夫婦でやっているらしい。
 メニューを見ると「しょうゆラーメン」の他に「みそラーメン」もあるが、客の8割は「しょうゆラーメン」を注文するという。具材は茹でモヤシと九条ネギの他、薄く切られたモモチャーシューが6枚以上入り、 「本家 第一旭 たかばし本店(→ 京都グルメバイブル・ラーメンの頁を参照)」 を彷彿させるようなラーメンである。スープは脂が浮いた薄濁りの豚骨ベースのスープで、見た目とは裏腹に後味がサッパリとしている。旨味とコクが備わった非常に美味しいスープである。「本家 第一旭」のスープに比べると、こちらの方が味が濃く脂も強めだ。先代の頃に比べると若干塩分が濃い気がする。麵は中細のストレート麵で、特にコシは感じられない。これでもう少し麵が良ければ評価を上げても良いかも。ちなみに、店内は全席禁煙である。(2014年10月追加)

右京区梅津西浦町16  
電話番号:075-882-9897
定休日:月曜
営業時間:11時〜15時、17時〜22時(日曜・祝日は20時まで)
予算:しょうゆラーメン(並)750円
アクセス:JR京都駅から市バス28系統嵐山大覚寺行きで12分、梅津西浦町下車、徒歩5分。阪急京都線、京福嵐山線・西院(さいいん)駅からタクシーで3分。
最寄りのランドマーク:サンコール
お勧めポイント:「本家 第一旭 たかばし本店」を彷彿させるラーメン

向かいあるサンコール

メニューはとてもシンプルで、ラーメンは「しょうゆ」と「みそ」の2種類

しょうゆラーメン

      

京都市上京区

御料理 光安

 通りから少し入った小路にある一軒家の料理店。この店は、昼1組、夜2組限定の完全予約制の日本料理店である。扉を開けて上がり框を上がると、すぐに部屋があり、さらに調理場を通って奥に進むともう一つ部屋がある。入口の方は個室と言うほどの空間ではないが、奥の方はほぼ個室と言ってもよい部屋だ。今回通された個室はテーブル席で、畳には電気カーペットが敷かれていたので、冬だったにもかかわらず暖かかった。日本酒は13種類あったが、飲んだ日本酒はどれも美味しく良かった。特に、広島の「天寶一・うすにごり」と島根の「裏月山・無濾過原酒」が良かった。
 料理でまず出てきたのは、「蕪蒸し」のお椀。すり流しのようにトロミがついていたが、出汁が薄く、塩味が足りなかった。一つ目のお造り「甘鯛の昆布締め」は、ネットリと旨味があって美味しい。2つ目のお造り「ブリの炙り」は、ハラミの部分。タレに辛味大根や紫蘇の花を加えて食べると、味に一体感が出て最高だった。続くこの店の名物「野菜の八寸」は、塩味が付いた金時芋、京人参、菜の花などのいろいろな野菜が入っていて、意外に美味しかった。「蛤の雑炊」は、蛤の出汁が出ていて深みのある味わい。「炙った自家製カラスミと青首大根のおろし」は、舌に絡みつくようなカラスミ独特のコクがあって、酒のアテにはピッタリ。この日一番だったのは、シンプルな「モロコの炙り焼き」。フワッと焼かれていて甘みがあり、これまで食べた中での最高のモロコであった。今まで、冬の京都で食べる白味噌のお椀をそれほど美味しいと思ったことはなかったが、「蕎麦掻きの白味噌仕立て」は、サラッとしていて洗練された味わいだった。そして、締めの土鍋ご飯は、「香住ガニのご飯」。米は地元の米をブレンドしているという。浅葱と蟹ミソがタップリと入っていて、あまりの美味しさに、思わずおかわりをしてしまったほど。最後の水菓子は、珍しい「ミカン葛」で、トロッとしていてカボチャのような風味を感じた。また、女将さんのホスピタリティのあるサービスも良かった。(2019年9月追加)
http://kyoto-mitsuyasu.com

上京区千本通丸太町上ル二筋目東入  
電話番号:075-366-3138
定休日:日曜、月曜の昼
営業時間:【昼】12時~13時、【夜】18時~20時
予算:おまかせで15000円〜18000円くらい(素材によって変動する)
アクセス:地下鉄東西線・二条駅1番出口を出て左へ「」を北へ進む。「ライフ」、「スギ薬局」、「酒のやまや」、広い「丸太町通り」を過ぎ、2つ目のT字路を右折すると左側にある。二条駅から徒歩で15分
最寄りのランドマーク:千本丸太町交差点
お勧めポイント:シンプルでありながら美味しいと思えるような日本料理店

通りから少し入った小路にある一軒家 ココです! 扉を開けて上がり框を上がると、すぐに部屋があり、さらに調理場を通って奥に進むともう一つ部屋がある。入口の方は個室と言うほどの空間ではないが、この奥の方はほぼ個室と言ってもよい部屋だ。今回通された個室はテーブル席で、畳には電気カーペットが敷かれていたので、冬だったにもかかわらず暖かかった日本酒は13種類あったが、飲んだ日本酒はどれも美味しく良かった。特に、広島の「天寶一・うすにごり」と島根の「裏月山・無濾過原酒」が良かった 料理でまず出てきたのは、「蕪蒸し」のお椀。すり流しのようにトロミがついていたが、出汁が薄く、塩味が足りなかった 一つ目のお造り「甘鯛の昆布締め」は、ネットリと旨味があって美味しい 2つ目のお造り「ブリの炙り」は、ハラミの部分 タレに辛味大根や紫蘇の花を加えて食べると、味に一体感が出て最高だった 続くこの店の名物「野菜の八寸」は、塩味が付いた金時芋、京人参、菜の花などのいろいろな野菜が入っていて、意外に美味しかった 「蛤の雑炊」は、蛤の出汁が出ていて深みのある味わい 「炙った自家製カラスミと青首大根のおろし」舌に絡みつくようなカラスミ独特のコクがあって、酒のアテにはピッタリ この日一番だったのは、シンプルな「モロコの炙り焼き」。フワッと焼かれていて甘みがあり、これまで食べた中での最高のモロコであった 今まで、冬の京都で食べる白味噌のお椀をそれほど美味しいと思ったことはなかったが、「蕎麦掻きの白味噌仕立て」は、サラッとしていて洗練された味わいだった 締めの土鍋ご飯は、「香住ガニのご飯」米は地元の米をブレンドしているという。浅葱と蟹ミソがタップリと入っていて、あまりの美味しさに、思わずおかわりをしてしまったほど後の水菓子は、珍しい「ミカン葛」で、トロッとしていてカボチャのような風味を感じた

老松 北野店

 「老松」は京都の老舗和菓子店である。この店の僕のお勧めは、春から夏にかけて作られる「夏柑糖(なつかんとう)」。適度な寒天の食感と夏みかん特有のサッパリ感が何とも言えず美味しい。類似のグレーフルーツゼリーやオレンジゼリーなどと比較しても、食べた時の爽快感と後味が全く違うのである。
 ホームページによれば、「夏柑糖」は、純粋種の夏みかん果汁と寒天を合わせ、再び皮に注いで固めたもので、戦後間もない物のない時代に、庭にあった夏みかんの果実に少しの砂糖と寒天を合わせ、上七軒の数寄者のお客様方のために作ったのが最初らしい。日本原産種の夏みかんの強い酸を寒天で固めるのは非常に難しく、人工ゲル化剤が誕生するまでは、唯一のみかんの寒天菓子であったという。ところが、昭和50年以降、グレープフルーツの輸入自由化等により、夏みかんは甘夏に作付け転換され、その姿がほとんど消えてしまったのである。「老松」は、原産地である萩(山口県)の各農家に依頼し、種の保存と品物の確保に努め、その貴重な努力の結晶が「夏柑糖」なのである。毎年4月1日から製造を開始し、その年の夏みかんの取れ高により、終了の時期は変わるらしい。
 ちなみに、「夏柑糖」は、この店の他に京都では「京都大丸」と「嵐山店」で、その他の地域では「伊勢丹新宿」や「松屋銀座(曜日限定)」、「ジェイアール名古屋タカシマヤ(曜日限定)」などで購入出来る。(2014年12月追加)

【北野店】 
上京区今出川通御前東入ル社家長屋町675-2  
電話番号:075-463-3050
定休日:無休
営業時間:8時半〜18時
予算:夏柑糖1260円
アクセス:山陰本線・JR円町駅を出て、丸太町通「円町交差点」を左折して西大路通を北へ向かう。「ラッキー円町店」、「北野中学校」、「京都中央信用金庫」、「西大路一条交差点」を過ぎ、今出川通を右折する。「北野天満宮前」交差点を左折し、「北野天満宮」横の細い「御前通」を進む。広い交差点に出たら右折し、Y字路を右に進むとすぐ右側にある。JR円町駅より徒歩20分
最寄りのランドマーク:北野天満宮
お勧めポイント:寒天で作った至高の名品「夏柑糖」が購入できる

京わらびもちの茶洛

 西陣にある人気の蕨餅の専門店。久しぶりに調べてみると、以前の小さな店からいつの間にか表通り移転しており、定休日も週休2日になっていた。また、蕨餅以外の商品も、「あんみつ」や「ところてん」、「京もなか」など増えていた。この店は常に行列ができており、開店後すぐに売り切れるほどの人気店である。実はこの店の蕨餅は、「京都タカシマヤ」の「銘菓百選」のコーナーでも購入できることを知る人は少ない。なので、わざわざ並ばなくても入荷のタイミングさえ合えば「京都タカシマヤ」で購入すべきなのである。
 この店の「京わらびもち」は何と言ってもその食感が素晴らしい。付いてきた楊枝で持ち上げるてもすぐに崩れてしまうくらいプルプルなのである。「京都タカシマヤ」で購入できる「京わらびもち」は、“抹茶”と“ニッキ入りきな粉”のセットになっているが、本店では他に“抹茶”と“しょうが”のセットも購入できる。ニッキが入りのきな粉は、風味が独特なので好みが分かれるかも知れない。また、「京わらびもち」には予め抹茶とニッキ入りきな粉がかかっているが、追加の「抹茶粉」と「ニッキ入りきな粉」が付いてくる。抹茶の「京わらびもち」に追い抹茶粉をかけて食べるとさらに香りが増し、旨さが倍増するが、ニッキきな粉の蕨餅は元々ニッキの香りが強いため、追いニッキきな粉をかけない方が良いかも。(2014年2月更新)

上京区今出川大宮西入ル元北小路町147   
電話番号:075-431-2005
定休日:水曜、木曜
営業時間:11時~売り切れまで
予算:京わらび餅(10個入り)900円、(20個入り)1600円
アクセス:地下鉄烏丸線・今出川駅6番出口を出て左へ進み、すぐに「烏丸今出川交差点」を左折する。今出川通を進み、「白峯神宮」、「堀川今出川交差点」、「鶴屋吉信京都本店」、「本家玉壽軒」を過ぎるとすぐ左側にある。今出川駅から徒歩15分。
最寄りのランドマーク:「鶴屋吉信京都本店」、「本家玉壽軒」
お勧めポイント:プルプルの食感の蕨餅

聚洸(じゅこう)

 この店の店主は、「わらび餅」で有名な名古屋の和菓子店 「芳光(→ 名古屋グルメバイブル・北大医局秘書が選ぶベストオブ名古屋土産の頁を参照)」 出身とのこと。独立して京都で開店し、現在では即日完売状態が続く人気店となった。販売しているのは上生菓子であるが、中でも「芳光」と同じ上生菓子タイプの「わらび餅」が人気である。上生菓子タイプのわらび餅と言えば、この店と並んで京都で人気なのが、以前紹介した木屋町の 「本家 月餅家(→ 京都グルメバイブル・お土産の頁を参照)」 。両店とも中の漉し餡の甘さや滑らかさなどにはさほど違いはないが、異なるのはわらび餅の部分。「本家 月餅家」の方は餅の部分が薄く粘り気があり、ネットリと伸びる感じ。
 この店の餅は厚めで瑞々しく、水饅頭のようにプルプルしている。餅の部分が厚い分、食べたときの餅と餡のバランスが良い。但し、人気店なので、事前予約しなければ購入できないのでご注意を。(2012年10月追加)

上京区大宮寺之内上ル  
電話番号:075-431-2800
定休日:日曜・祝日、水曜 
営業時間:10時~17時 
予算:わらび餅320円 
アクセス:地下鉄烏丸線・今出川駅4番出口を出て右へ。角を右に曲がり、今出川通を進む。「TSUTAYA」、「白峯神宮」、「鶴屋吉信」、「ねぎ太郎」を過ぎた次の信号を右折。大宮通を北に向かい、「中央信用金庫」、「薬ヒグチ」を過ぎ、しばらく進むと左側の3階建て土壁色の建物。今出川駅から徒歩20分。 
最寄りのランドマーク:鶴屋吉信、京都中央信用金庫大宮寺之内支店 

京つけもの きたの

 北野天満宮近くにある知る人ぞ知る漬物店。以前は「漬け物 丹波 北野店」と名乗っていたが、その後「京つけもの きたの」に改名。店は常に地元客で賑わっているが、それもそのはず。デパートなどには一切出店しないだけでなく、支店も持たない地元限定の店なのである。
 この店の漬け物は、一部の野菜を除き、基本的に洛北の自家菜園でとれる京野菜を使用している。職人が全行程を完全な手作業で添加物を一切使用せずに行い、野菜の香りや旨味を最大限に引き出している。塩味が絶妙で、どうすればこんなに野菜が美味しくなるの?と思うほど旨い。特にお勧めしたいのが、初夏から夏季にかけての加賀の「加賀太きゅうり」と泉州の「水茄子」。「加賀太きゅうり」は歯ごたえが絶妙で、瓜とキュウリの中間の食感。しかも、キュウリよりも遙かに深い味がするのだ。また、「水茄子」も瑞々しく自然の旨味に溢れている。ピクルスのような酸味のある漬け物が好みの方には「(青じそ)キャベツ」、サッパリとしたもの漬け物が好きな方には「柚子大根」がお勧め。
 その日その日に食べ頃を迎えた漬け物樽が店頭に並び、試食も出来る。好みの漬け物を量り売りで購入する人、お得なセットを買っていく人など様々であるが、夕方には多くの品が売り切れてしまうほどの人気店なので、行くなら品物が揃う午前がお勧め。ちなみに、下記の通販あるいはオンラインから購入も出来るが、電話で旬の品を聞いてから購入するのがベストかも。(2014年6月更新)
http://www.kyoto-kitano.jp/index.html

上京区一条通御前西入大上之町65-4  
電話番号:075-462-0107
定休日:日曜・祝日と月曜
営業時間:10時~17時半
予算:水茄子450円、加賀太きゅうり400円
アクセス:山陰本線・JR円町駅を出て、丸太町通「円町交差点」を左折して西大路通を北へ向かう。「ラッキー円町店」、「北野中学校」、「京都中央信用金庫」を過ぎ、「西大路一条交差点」を右折する。一条通を進み、橋を渡って150mほど進むと左角にある。JR円町駅より徒歩15分。
最寄りのランドマーク:北野天満宮
お勧めポイント:野菜の香りや旨味を最大限に引き出したの漬け物

午後3時には樽は空に

加賀太きゅうり

水茄子

キャベツ

柚子大根

辛子高菜

虎屋菓寮 京都一条店

 京都御所近くにある「虎屋」直営の甘味処。四条にも支店あるが、こちらの方はビルの中にあり、銀座の店舗とほとんど変わらない。これに対し、「京都一条店」は烏丸通から少し入ったところにあるため、その閑静なロケーションが素晴らしい。しかも、建物はデザイナーズカフェのようにモダンな平屋建てで、入って左側にショップが、右側にカフェスペースがある。さらに、屋内のカフェスペースを挟むように、通り側と中庭側に庇のついたテラス席がある。気候の良い時期であれば、ぜひテラス席で頂きたいが、通り側のテラス席は時々車が通るので、芝のある中庭のテラス席の方がお勧め。
 この店で特にお勧めと言うほどのものはないが、オーソドックスに行くなら「季節の上生菓子」を食べるのが無難かも知れない。上生菓子にはお抹茶や煎茶など飲み物が付く。この店の人気は、かき氷の「宇治金時」と「青大豆の豆乳羹・お飲み物付き」であるが、「宇治金時」は抹茶の香りが豊かなわりには氷の削り方はごく普通。また、粒餡は少し甘すぎる感じがするが、量を半分にしてもらえるサービスは良い。「青大豆の豆乳羹」は甘さ控えめで豆乳の香りがいいが、食感も含めたトータルバランスはまあまあ。
 この店のスイーツは前述のように、わざわざそれだけを食べに行くほどのものではないが、このような素晴らしいロケーションのテラス席で、庭を見ながらのんびりとスイーツを楽しめる店は京都でもなかなか見当たらない。また、メニューには英語の解説もあり、外国人を連れて行くにもうってつけのカフェである。ちなみに、暑い夏には蚊に刺されることを覚悟しなければならないが、春や秋に訪れるなら最高のカフェであろう。休日はかなり混み合うので、開店時に行くのがベスト。(2014年7月追加)

京都市上京区一条通烏丸西入  
電話番号:075-441-3113
定休日:無休(元日を含めた不定休)
営業時間:10時〜18時
予算:青大豆の豆乳羹・抹茶グラッセ付き1145円
アクセス:地下鉄烏丸線・今出川駅4番出口を出て烏丸通を右へ。「烏丸今出川交差点」を過ぎて進むと「虎屋 京都一条店」が見える。その角を右折するとすぐ右側にある。今出川駅から徒歩5分。
最寄りのランドマーク:烏丸通、京都御所
お勧めポイント:閑静なロケーションが素晴らしい和のカフェ

虎屋 一条店

こちらが 虎屋菓寮 京都一条店

通り側のテラス席

通り側のテラス席

屋内のカフェスペース

中庭側のテラス席

中庭

中庭側のテラス席

英語解説付きのメニュー

季節の上生菓子のメニュー

青大豆の豆乳羹・抹茶グラッセ付き

宇治金時

季節の上生菓子・薄茶付き

紫竹餅(5月の上生菓子)

薄茶

神馬(しんめ)

 西陣の近くにある昭和9年創業の居酒屋。一軒家の扉を開けると、コの字型の大きなカウンター席と奥に長いテーブル席があり、良き昭和を感じる佇まい。カウンター内には昭和初期から使われてきたという銅製の燗付け器が置かれ、別の銅製器具には布がかけられ、一人前ずつ盛られた「鯖寿司」や「鱧寿司」の皿を置くテーブルとして使われている。ホワイトボードにはその日のメニューや壁にはお品書きの札が貼られている。
 この店の名物は、京都風の〆鯖「鯖きずし」や天然ものにこだわった「魚のお造り」、「すっぽん鍋」、「はもと胡瓜の酢の物」など。今回食べてみて特に美味しかったのは「韓国産・松茸のフライ」と「のどぐろ塩焼き」、「小芋唐揚げ」など。今回は1人飯だったのでいろいろな種類を食べられなかったのは残念だが、次回是非食べてみたいと思わせたメニューは「黒毛和牛・イチボのローストビーフ」、「黒毛和牛・ビーフカツ」、「奥村商店に別注した特撰・鯨ベーコン」、「はもと松茸のしゃぶしゃぶ」、「天草・天領岩がき」、「白ずいき・くず引き」など。日本酒もいくつかあり、この日のラインナップは京都の「聚楽第」と「松竹梅・白壁蔵」、滋賀の「喜楽長」、福井の「黒龍」、埼玉の「神亀」、山形の「くどき上手」、富山の「立山」、新潟の「久保田・千寿」と「菊水」、大阪の「呉春」、奈良の「篠峰・愛山」、岐阜の「小左衛門」など。
 年老いた2代目店主も女将さんもとてもフランクかつフレンドリーで、話していると癒される。また、帳場の木製レジは昭和の頃からの品でこれも必見。ちなみに、当然のことであるが人気店なので予約は必須である。(2014年7月追加)

上京区玉屋町38千本通中立売上ル西側  
電話番号:075-461-3635
定休日:日曜
営業時間:17時〜21時半(閉店)
予算:のどぐろの塩焼き(半身)1300円〜、松茸フライ1300円〜、小芋の唐揚げ700円
アクセス:地下鉄烏丸線・今出川駅から今出川通を西へ進み、堀川通(堀川今出川交差点)を過ぎ、千本通(千本今出川交差点)を左折して400m進むと右側にある。今出川駅から徒歩25分
最寄りのランドマーク:千本中立売交差点、千本通
お勧めポイント:魅力的なメニューが揃う昭和の居酒屋

鯖寿司と鱧寿司

突き出し

お造り(手前左から湯引き鱧、ヨコワ=本マグロの幼魚、イカ、真鯛)

スッポン鍋

のどぐろの塩焼き

松茸フライ

湯引きしたサエズリ

にしん茄子煮

小芋の唐揚げ

帳場

木製レジ

蕎麦屋 にこら

 京都の蕎麦屋と言えば、「かね井」や「蕎麦工房 膳」、「蕎麦切塩釜」などが有名であるが、お酒を飲んで蕎麦をたぐるならこの店である。店は西陣の一角にあり、町家をリノベーションしたスタイリッシュな雰囲気。店を入ると左側にカウンター席、そして右側にテーブル席がある。トイレは奥の箱庭に一度出て入るという町家スタイル。
 この店のメニューを見ると、蕎麦屋とは思えないくらい酒とつまみが豊富。日本酒は静岡の「磯自慢・純米吟醸」や愛知の「醸し人九平次・純米大吟醸」、山口「獺祭・純米大吟醸」、福井の「黒龍・純米吟醸」など15種類、焼酎は鹿児島の「富乃宝山」や宮崎の「中々」など7種類、さらに赤ワインと白ワインは各2種類ずつある。また、この日のつまみは、「京赤地鶏花椒焼き」、「あぶり京鴨・九条葱ソース」、「生桜海老のかき揚げ」、「自家製 にしん棒」、「真鯛の昆布〆カルパッチョからすみ和え」など22種類。この他に、「仁挽き杏仁豆腐・そば蜜シロップ」と「そば白玉入りぜんざい」の2種類のデザートと蕎麦メニューがある。つまみはどれも蕎麦屋とは思えないくらいバラエティーに富み、そして美味しい。
 この店の蕎麦は、茨城県三和町の契約農家で無農薬栽培された「常陸秋蕎麦」の玄蕎麦を使用している。それを温度7℃、湿度60%の専用冷蔵庫で保管し、毎日石臼で挽きぐるみにして蕎麦粉100%の生粉打ちで供している。蕎麦は細めで食感はザラザラしている。生粉打ちなので、冷たい蕎麦がお勧めである。この日頂いた「ざるそば(せいろ)」は、たまたまだったのかも知れないが、以前と異なり、少しベチャッとした喉越しの良くないものだったため、今回は下げて評価した。蕎麦もつまみも全体的に価格設定が高めであるが、これは素材にこだわっているためとご理解頂きたい。
 ちなみに、デザートの「仁挽き杏仁豆腐・そば蜜シロップ」は独特のコクと香りがあり、お勧めである。また、店内は禁煙であり、クレジットカードは利用できないのでご注意を。(2014年5月追加)

上京区智恵光院通五辻上ル五辻町69-3   
電話番号:075-431-7567
定休日:木曜、第3火曜
営業時間:11時半〜14時、17時半〜20時半
予算:ざるそば950円、あぶり京鴨・九条葱ソース1300円、真鯛の昆布〆カルパッチョからすみ和え1200円
アクセス:地下鉄烏丸線・今出川駅6番出口を出て左へ進み、すぐに「烏丸今出川交差点」を左折する。今出川通を進み、「白峯神宮」、「堀川今出川交差点」、「鶴屋吉信京都本店」、「京都市考古資料館」、「スズキアリーナ西陣」を過ぎた信号を右折する。智恵光院通を進み、交差点を1つ過ぎるとすぐ左側にある(本隆寺本坊の手前)。今出川駅から徒歩18分。 
最寄りのランドマーク:鶴屋吉信京都本店、京都市考古資料館、スズキアリーナ西陣
お勧めポイント:お酒を飲んで蕎麦をたぐるならこの店

あぶり京鴨・九条葱ソース

自家製 にしん棒

京赤地鶏花椒焼き

生桜海老のかき揚げ

真鯛の昆布〆カルパッチョからすみ和え

ざるそば(せいろ)

仁挽き杏仁豆腐・そば蜜シロップ

らーめん キラメキノトリ

 神宮丸太町駅近くにある人気のラーメン店。以前、一乗寺のラーメン店を取材していたときにこの店の支店を見かけ、ネーミングが気になっていた。本店にあたるこの店は、店の前を通る度にいつも混み合っている。店内に入ると左にオープンキッチンのカウンター席が、そして右側にテーブル席がある。先ずは自動券売機で食券を購入。
 この店は鶏白湯の専門店なので、店のお勧めは、こってり鶏白湯スープの「鶏白湯らーめん」。この他に、鶏と煮干しのWスープの「にぼとり」がある。 「鶏白湯らーめん」はスープが白く混濁し、コラーゲンタップリで美味しいが、やや舌にざらつく感じが残る。チャーシューはイマイチで、穂先メンマは普通。 麵は中太からやや太めの自家製ストレート麵で、コシがあっていい。
 僕のお勧めは名古屋発祥の “まぜそば(→ 名古屋グルメバイブル・台湾まぜそば「麺屋 はなび」の頁を参照)”「直太朗」。京都で「まぜそば」というのもすこし変な気もするが、全国的にみても「まぜそば」は現在トレンドなので、食べたことのない方は味わってみてほしい。出てきた「直太朗」には、刻みネギ、ニンニク、海苔、ミンチ、魚粉、生卵の黄身がのっており、これに刻みニラが加われば、まさに名古屋「麺屋 はなび」の「元祖台湾まぜそば」とビジュアル的に同じである。味的は「麺屋 はなび」の方が花山椒が香り、よりスパイシーであるが、こちらもなかなか美味しい。麵を食べた残り汁に無料の小ライス「追い飯」を混ぜて食べれば、その美味しさを2度味わえる。(2014年11月追加)
http://kiramekinotori.main.jp/

上京区出水町281永田ビル1F  
電話番号:075-231-2505
定休日:不定休
営業時間:11時~14時半、18時~22時半
予算:まぜそば・直太朗(〆ご飯付き)小・並・大750円、特・メガ・ギガ850円
アクセス:京阪本線・神宮丸太町駅出入口1を出て鴨川を渡り、丸太町通を進む。河原町通を右折して下鴨方面に向かうと右側にある。神宮丸太町駅から徒歩6分
最寄りのランドマーク:河原町丸太町交差点
お勧めポイント:名古屋発のまぜそばが美味しい

鶏白湯らーめん

まぜそぼ「直太朗」と小ライス「追い飯」

刻みネギ、ニンニク、海苔、ミンチ、魚粉、生卵の黄身がのっている

食べる前に混ぜる

麵を食べた後の残り汁に「追い飯」を入れて食べる

ラーメン 扇

 ある日、有名蕎麦店である「かね井」へ行こうと貸自転車を走れらせているときに気になり、入ってみた。店内はL字型のカウンター席のみと非常に狭い。また、メニューには「ラーメン」と「チャーシューメン」の他、サイドメニューに「ぎょうざ」と「扇丼」があるだけ。
 この日は初めてだったので「ラーメン並」を注文。注文を受けると、店主は麺を茹で始め、チャーシューを切り、スープを準備する。出てきたラーメンにはタップリのネギがのせられ、スープは混濁した豚骨白湯である。5枚のっているチャーシューは意外と美味しい。スープはトンコツ臭さがなくとてもマイルドで、魚介系スープとのコンビネーションも絶妙。唯一の欠点は、使用している黄色い中太縮れ麺にコシがないこと。これでもっとコシのあるストレート麺であったなら、さらに評価がアップするかもしれない。それにしても、このエリアではトップクラスのラーメン店であるにもかかわらず、今のところ未だそれほど流行っていないのがとても残念。(2014年5月追加)

上京区堀川通寺之内上る2丁目下天神町675-2  
電話番号:075-411-8336
定休日:月曜
営業時間:【火曜〜土曜】11時〜13時半、18時〜22時半、【日曜・祝日】18時〜22時半
予算:ラーメン(並)650円、チャーシュー(並)800円、ミニラーメン550円
アクセス:地下鉄烏丸線・鞍馬口駅1番出口を出て烏丸通りを左へ。「Videkin(ビデオ近畿)」の角を右折し、上御霊前通を進む。室町通、衣棚通、新町通、小川通を過ぎ、堀川通の信号を渡るとすぐ左側。鞍馬口駅から徒歩13分。
最寄りのランドマーク:堀川通、妙蓮寺、茶道資料館
お勧めポイント:魚介豚骨スープの美味しい良質なラーメン

京都市北区

らぁ麺 とうひち

 「ぴあ ラーメン・関西」の第5回究極のラーメン・グランプリを受賞し、ミシュランガイドにも掲載された人気店。この店のこだわりは、無化学調味料の鶏ガラスープにある。地元の地鶏である「丹波黒どり」をベースに、「名古屋コーチン」や「秋田比内地鶏」などをブレンドしているようだ。
 行列に並び、20分ほど待って店内に入ると、左側にL字型のカウンター席、右側にテーブル席がある。先ずは自動券売機で食券を購入。メニューは人気の「鶏醤油らぁ麺」の他、「鶏醤油つけそば」や「鶏油まぜそば」、「鶏白湯らぁ麺」、「煮干し魚介らぁ麺」などがある。
 この店の材料に対するこだわりは、半端ではない。前述の鶏の他に、醤油は木桶仕込みの天然醸造「日本一しょうゆ」などを使用し、非加熱の生揚げ醤油や生醤油などをブレンドして醤油ダレを作っているという。また、自家製麺も数種類の国産小麦に石臼挽き小麦を合わせて無添加の自家製麺を作っている。さらに、卵かけご飯には名古屋コーチンの卵、味玉用には京都の有精卵「七彩の風しずたま」といった使い分けもしている。
 出てきた「鶏醤油らぁ麺」の清湯スープは、鶏の旨味十分で非常に美味しい。但し、魚介系による重層感がなく、物足りなさが残る。大阪福島の「ラーメン人生JET」と同じようなイメージだ。なので、もしかすると「煮干し魚介らぁ麺」の方が美味しいのかも。チャーシューは豚と鶏の2種類で、柚子の香りがする鶏チャーシューが美味しい。鰹節が香るシナチクは、厚みもあって歯切れも良く秀逸。味玉は薄味ながら火の入り方が良かった。麺は中細のストレート平麺で、全体的にはまとまっており、ハイレベルなラーメンであることは間違いない。(2019年9月追加)

北区大宮北箱ノ井町33-6 セルリアンハイツ1階  
電話番号:075-432-8818
定休日:火曜
営業時間:11時~14時半、18時~21時半
予算:鶏醤油らぁ麺750円
アクセス:地下鉄烏丸線・北山駅4番出口を出て右へ、北山通りを進む。賀茂川を渡り、京都北郵便局、常徳寺、京都信用金庫紫竹支店を過ぎ、長次郎やサイゼリアの角を右折する。京都銀行紫竹支店を過ぎてしばらく進み、「みたらし団子」の看板が見えたら左側にある。北山駅から2.6㎞
最寄りのランドマーク:北山通り、サイゼリア京都紫竹店、京都銀行紫竹支店
お勧めポイント:鶏ガラスープにこだわる人気ラーメン店

この通りにあるのだが、全く目立ちません ココです! 行列に並び、20分ほど待って店内に入る 先ずは自動券売機で食券を購入する 左側にL字型のカウンター席 右側にテーブル席がある メニュー1 メニュー2 メニュー3 メニュー4 メニュー5 名物の「鶏醤油らぁ麺」 チャーシューは豚と鶏の2種類で、柚子の香りがする鶏チャーシューが美味しい 清湯スープは、鶏の旨味十分で非常に美味しい。但し、魚介系による重層感がなく、物足りなさが残る。大阪福島の「ラーメン人生JET」と同じようなイメージだ。なので、もしかすると「煮干し魚介らぁ麺」の方が美味しいのかも 麺は中細のストレート平麺味玉用の卵は京都の有精卵「七彩の風しずたま」。味玉は薄味ながら火の入り方が良かった

御倉屋

 京都府立植物園や大徳寺などがある洛北の紫竹にある小さな和菓子店。昭和22年の創業であるが、店主はこの世界では高名な方らしく、多くの有名人たちが顧客として名を連ねている。この店の上生菓子もなかなか良いらしいが、今回はお土産ということを考え、この店の名物である「旅奴」を紹介することに。
 最寄りの駅は地下鉄烏丸線・北山駅であるが、歩くと結構あるので今回は北山駅からタクシーで向かう。実際に行ってみると、住宅街にひっそりとある目立たない店で、タクシーの運転手も知らなかった。戸を開けると、手前左側にガラスのショーケースがあり、奥に坪庭と小さなテーブル席が見える。声をかけたが店員がいないので、ショーケースの中を見ていると、この日の上生菓子は5種類で、この他に干菓子や羊羹、最中、饅頭、さらにお目当ての「旅奴」などがあった。さらに、テーブル上の表示を見ると、どうやらこのテーブル席でもこの場でお菓子が頂けるようだ。 
 ブザーや呼び鈴らしきものがないので、呼び続けてしばらくすると、奥の戸が開き、女性が出てきた。「旅奴」と日持ちしそうな「霜のあさ」を注文すると、女性はまた扉の奥に戻ってしばらく出てこなかった。どうやら、最初から包んだ品物があるわけではないらしく、一つ一つを包んで包装しているらしい。
 その後我が家へ持ち帰り、早速食してみる。「旅奴」は小さなボール状のお菓子で、柔らかい“かりんとう”風味のカステラといった感じだ。ありそうでなかった唯一無二の素朴なお菓子で、これは本当にお勧めである。一方、「霜のあさ」はまさに典型的な干菓子で、これも悪くはなかったが、お勧めと言うほどではなかった。(2015年1月追加)

北区紫竹北大門町78  
電話番号:075-492-5948
定休日:1日と15日
営業時間:9時〜18時
予算:旅奴(1袋)972円
アクセス:地下鉄烏丸線・北山駅から車で5分
最寄りのランドマーク:大宮交通公園(前交差点)、玄以通
お勧めポイント:有名人が購入する名物菓子「旅奴」が購入できる

入口には小さなガラスのショーケースが

奥には坪庭と2名用のテーブル席が

本日のお菓子

この扉が開いて女性店員が出てきた

これがこの店の名物の「旅奴」

袋を空けるとこんな感じ

旅奴の断面

これが「霜のあさ」

洛叉庵(らくしゃあん)

 北山にある知る人ぞ知るわらび餅の専門店。この店はテイクアウト専門で、しかも注文を受けてから作り始める。これは「出来たてのわらび餅をお召し上がり頂きたい」という店主のポリシーによるものらしい。なので、受け取りたいと思う4時間以上前に注文しておかなければならない。前日の昼に電話をすると、その日は予約で一杯とのことだったので、翌日の午後3時に受け取ることに。「四季わらび餅」は、家用の小さな8個入り簡易なパック詰めとそれより大きいお土産用の箱詰めとがあるが、今回は家用パックをチョイス。
 店に伺うと、え〜ここなの?と思うくらいごく普通の住宅と言おうか喫茶店のように地味な佇まい。ドアを開けると、テーブルの上に名前が書かれた紙袋が幾つも並べられている。早速受け取ってホテルに戻って開けてみる。包装紙に貼られたラベルを見ると、防腐剤などの添加物は一切使用していないため、賞味期限は1日で、保管は要冷蔵らしい。パックを開けると見るからにムニュっとしていて柔らかそうだ。箸で持ち上げてみると、思った通りの素晴らしい食感。 「ぎおん徳屋(→ 京都グルメバイブル・スイーツの頁を参照)」 や 「本家 月餅家(→ 京都グルメバイブル・お土産の頁を参照)」 のわらび餅を上回る美味しさにビックリ。しかもこの価格でこの味とは、実に良心的で素晴らしい店だ。今のところ予約すれば簡単に入手できるが、評判が高まれば入手困難店になるかも。(2014年6月追加)

北区紫竹下芝本町22  
電話番号:075-494-2551
定休日:不定休
営業時間:11時〜17時(完全予約制)
予算:四季わらび餅540円
アクセス:地下鉄烏丸線・北山駅3番出口を出て左へ、北山通を「京都府立植物園」方面へ進む。賀茂川の橋を渡ってさらに北山通を進み、堀川通との「堀川北山交差点」を過ぎた次の細い通りを左折するとすぐ右側にある。北山駅より徒歩20分(タクシーでワンメーター)。
最寄りのランドマーク:堀川北山交差点、ゆうちょ銀行・ 京都北店
お勧めポイント:今までに味わったことのない出来たてのわらび餅

紫蔵(しくら)

 京都では珍しい横浜・家系ラーメン店。もともと学生の多い京都では、「博多長浜ラーメン みよし」や「天天有」、「天下一品」などの濁ったトンコツスープが人気。なので、京都には横浜・家系ラーメンがすんなりと受け入れられる素地が整っているのである。店内は通常のカウンター席のラーメン店と同じくらいの広さ。外には長い行列ができているが、行列の原因は人気だけではなさそうである。並んでみていると、通常の人気店より客の回転が異常に悪いのである。中に入って気がついたのは、店主の作る段取りや店員の注文をとるタイミングが悪く、これも行列の大きな要因となっている。
 ラーメンは、太麺に味が濃いめの茶色いトンコツスープ、そして表面に鶏皮からとった鶏油(チーユ)が浮かんでいる。これら麺の硬さやスープの濃さ、鶏油の量などを注文の際に調整できるのが家系ラーメンの特徴。また、具にほうれん草や多めの海苔がのっているのも家系のお約束である。茶色に濁ったトンコツスープは丁寧にとられており、臭みがほとんどなく、とても円やかなで美味しい。この店のもう一つの売りは、厚切りのチャーシュー。脂身が少ない割りにはとろける様に美味しい。なので、チャーシュー麺が1番人気なのだが、チャーシュー麺は夕方には完売することもしばしば。並ぶときには駐車場前には並べないので、赤いパイロンとパイロンの間を離れて並ばなければならないのでご注意を。(2012年8月追加)

北区平野宮北町14番地  
電話:075-462-3737 
定休日:水曜 
営業時間:11時半~14時半、17時~22時半(売り切れ次第終了) 
予算:らーめん(並)650円、ちゃーしゅーめん850円 
アクセス:地下鉄烏丸線・今出川駅から今出川通を西へ進み、北野天満宮を過ぎて、西大路通信号を右折。しばらく進むと平野神社が見えるので、その北角近く。地下鉄烏丸線・今出川駅から約2㎞。京都駅からタクシーで2000円くらい。 
最寄りのランドマーク:平野神社、北野天満宮 
お勧めポイント:京都では珍しい横浜・家系ラーメン

焼肉・塩ホルモン アジェ
      木屋町団栗店

 今、京都で最も勢いのある焼肉チェーン店である。京都市内にはこの店の他に「松原本店」と「北店」があり、昨年12月には名古屋市中村区に「名古屋店」もオープンした。店内は左側にカウンター席、中央と右側にテーブル席がある。肉のほとんどが700円前後とお手頃価格なせいか、客の多くは若者である。店内は常に混み合っており、この騒然とした雰囲気が何ともいい。また、この種の店にしては換気が良く、店員のサービスも秀逸である。
 席に着くと、まずは生ビールと一緒に名物の「蒸し豚」をいただく。この店の「蒸し豚」は、大分県の「耶馬溪(やばけい)黒豚」を使用した逸品である。蒸し立てなので生温かく、まさにとろける様な柔らかさだ。突き出しの「生キャベツ」は、ゴマ油風味のイタリアンドレッシングのようなものがかかっており、口直しとして最適。メニューを見ると、肉やホルモンはどれも「塩」か「タレ」を選べるようだ。漬けダレで味付けされた肉やホルモンにはニラとタマネギが入った独特の薄味のタレが付く。冷麺のスープを甘くしたような感じなので、肉に味を付けるというよりもむしろ洗い流してサッパリとさせるのであろう。なので、特につける必要もなく、この店では基本的にタレはないと考えた方が良いかも。「ホソ・塩」にも類似のタレが付くが、やはり脂っこいホソをサッパリと食させるのが目的のようだ。
 僕の一押しは「ホソ・塩」。「ホソ」とは脂のタップリと付いた小腸のことで、他の地方では「シロ」、「丸腸」、「ホルモン」などと呼ばれているもの。この店の「ホソ」は実に質が良くて美味しい。その他のお勧めは、きめ細やかな霜降りの「三角カルビ・タレ」と「上サガリ・タレ」、「上ハラミ・タレ」である。「上サガリ」と「上ハラミ」の違いは、「上ハラミ」の方が脂身が多く、「上サガリ」は脂身が少なめで厚めに切っているとのこと。「上タン塩」は生でも食べられる鮮度だそうで、サッと焼いてネギを挟んで食べる。「牛せせり・塩」はサーロインのように脂肪の割合が多い。京都でよく見る「アギ(牛のアゴ肉)」は、コリコリとした軟骨を含んでいて非常に硬い。僕の好みではないが、京都では大人気の必須アイテムである。「キムチ三種盛り」は「白菜キムチ」と「カクテキ(大根キムチ)」の他に、「オイキムチ(キュウリキムチ)」かと思いきや、意外なことに「水キムチ」であった。しかも、「カクテキ」はキューブ型ではなくスライスタイプであり、これは京都特産の聖護院大根を使っているためという。
 さらに、サイドメニューの変わり種では、「天然どじょう汁」や「真っ赤ラーメン・卵入り」などがある。ちなみに、予約は開店時に入店できる方限定で、「北店」は土日の昼も営業していて便利である。(2015年1月追加)

下京区河原町木屋町団栗下る東側  
電話番号:075-371-2727
定休日:不定休(水曜多し)
営業時間:【月~金】18時~23時、【土日・祝日】17時~23時
予算:蒸し豚800円、ホソ600円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面へ進む。「お菓子のデパート よしや」を過ぎて高瀬川を渡り、「マクドナルド」の手前の通りを右折してしばらく進むと左側にある。阪急河原町駅より徒歩4分
最寄りのランドマーク:高瀬川、木屋町通
お勧めポイント:京都で今最も勢いのある人気焼肉店

ホルモンのメニュー

肉のメニュー

生肉のメニュー

サイドメニュー

店のお勧めメニュー

口直しのキャベツはイタリアンドレッシングのようなものがかかっている

ニラとタマネギが入っているのがタレ肉のダレ

ネギが入っているのが「ホソ」のタレ

これが一押しの「ホソ・塩」1人前

プリップリの脂肪が甘い

大根キムチ(オイキムチ)

白菜キムチ

水キムチ

これも必須の「蒸し豚」

蒸し立てなので、生温かくジューシー

「極上タン」は売り切れだったので「上タン・塩」を注文

「上タン・塩」ネギを包んでいただく

「牛せせり・塩」はサーロインのように脂肪の割合が多め

「アギ(牛のアゴ肉)・塩」は非常に硬いので僕の好みではないが、京都の方にはとても人気がある部位

「アギ・塩」を焼いているところ

三角カルビ

上ハラミ

上サガリ

陶然亭

ミシュランガイドで1つ星を獲得した人気の日本料理店。2018年に現在の建物に移転してきた。旧店舗は町家を改装した店であったが、現在の店舗は新しい住宅のような外観である。また、以前は個室や小上がりなどはなかったが、新しい店舗には、カウンター席の他、テーブル席が2卓ある。
 実は、新しくなった店を、未だ僕は訪れてはいない。かつての旧店舗時代に、昼の7000円のコースを食べる機会があったが、店主は言葉少なく、一人で黙々と料理を作っていた。料理は非常にテンポ良く出され、どの料理も塩加減が絶妙。店主の作り出す料理は、どれもセンスを感じさせる創作性の高い料理である。奮闘する女将さんの接客も心地よく、コストパフォーマンスも優れた良心的な日本料理店である。カジュアルな雰囲気ではあるが、料理だけで評価するなら堂々の2つ星であろう。(2019年更新)

北区小松原南町31-1
電話番号:075-461-7866
定休日:不定休
営業時間:12時〜13時、18時〜20時半
予算:【昼】3000円〜3999円、【夜】10000円〜14999円
アクセス:京福北野線・北野白梅町駅を出て左へUターンして、線路沿いの道を進む。「京都バレエ専門学校」を過ぎ、交差点を右折する。1つめの十字路を過ぎ、T字路を過ぎた次の交差点の左側。
最寄りのランドマーク:北野白梅町駅、京都バレエ専門学校
お勧めポイント:店主のセンスを感じさせる創作性の高い日本料理

焼きハモとアスパラ、エンドウ豆だと思います

お造り4種 煎りゴマ添え

魚の照り焼き ?添え(白髪ネギではなかったのですが、魚も含めて何か忘れました)

シャコの胡麻ムース?(忘れました)

五島列島うどんのぶっかけアオサ海苔のせ

混ぜたところ

季節野菜とアワビの餡かけ

じゃこご飯と自家製漬け物

しば漬けおかか昆布

しば漬けおかか昆布をじゃこご飯に入れて食べると美味しさ倍増

クレームブリュレ

和食店では珍しいコーヒー

    

京 上賀茂 御料理秋山

 京都北山の住宅街にひっそりとある日本料理店。この店は古民家を改装したのであろうか?まるで古い農家のような佇まいである。裏は山になっており、虫の囁きが聞こえてきて何とも言えない風情がある。店の中へ入ると、まずは右横の囲炉裏の小部屋に案内される。そこで待っている間に、夏は冷たいドクダミ茶が供される。スタート時間の午後6時半を過ぎると席に案内され、客全員がほぼ一斉のスタートとなった。この店はオープンキッチンのカウンター席が12席のみと、建物から想像できないくらいの狭さである。店主の秋山さんは未だ若いが、同世代の 「前田(→ 京都グルメバイブル・日本料理店の頁を参照)」 の店主と共に、次世代の京都日本料理を担う料理人である。
 彼の料理は、ともかく美味しいものを食べさせたいという想いが伝わってくる。その手法は、 「祇園 さヽ木(→ 京都グルメバイブル・日本料理店の頁を参照)」 の店主にかなり近いものを感じる。まずは店主が大きな声で料理の説明をし、それを聞きながら客が料理を楽しむという劇場型の手法なのである。しかし、料理に対するアプローチの仕方は異なっており、最も大きな違いは日本料理というものに対する考え方の違いであろう。同じ美味しいものを出すとはいっても、佐々木さんは日本料理という枠に捕らわれずに中華や洋風などもありなのに対し、秋山さんはあくまでも日本料理という枠の中でトコトン追求していくタイプである。厳選されたいろいろな素材を使い、それを緻密に組み立て、そこにはサプライズも仕掛けられているのである。例えば、この日の最初の刺身の中で利尻産のバフンウニを出し、後で淡路島由良産の赤ウニを再び出したり、巨大穴子を鱧のように骨切りして料理したりといった具合。また、メインのコース料理の間に出されるつまみのような小料理もアクセントがあっていい。そして、薪で炊かれた銀シャリがこれまた美味しい。パリパリのお焦げもよそってもらえるので、お替わりをする際には是非リクエストしたい。
 ちなみに後で気がついたことだが、午後6時半にスタートして終わったのが10時であったので、計3時間半食べ続けたことになる。しかしながら、その長さを感じさせないくらいの至福の時間だった。(2014年9月追加)

北区上賀茂岡本町58  
電話番号:075-711-5136
定休日: 水曜、月末の木曜
営業時間:12時〜、18時半〜
予算:【昼】4200、【夜】8000円、10000円、12500円
アクセス:地下鉄烏丸線・北山駅2番出口からタクシーでワンメーター
最寄りのランドマーク:北山駅、鞍馬街道
お勧めポイント:京都若手トップの料理人が作る至高の料理

まずはここで待ちます

冷たいドクダミ茶

12500円のコースの最初は生のカボチャやイクラの入った酢の物だったかなあ

タコと梨の柚コショウ味

お椀は出汁が深くて最高!!サワラのつみれに中秋の名月を意識した「ん」が2回付く素材「万願寺唐辛子」、「南京カボチャ」、「インゲン豆」、「銀杏」、「レンコン」

お造り・左から「利尻産バフンウニ」、「太刀魚の炙り」、「大穴子の刺身」、「モミジ鯛(真鯛)」

追加で出てきたフリットしてクリーミーで上質な「淡路島由良産の赤ウニ」

追加で出てきた穴子の皮目焼きだったかな?

追加出てきたノドグロの塩焼き

黒米のお粥

こちらも中秋の名月を意識した「鯵とツルムラサキとしば漬け」、「海老の白和え」の2品

鮎の塩辛・うるか

天然鮎の干物・餅米と餡かけ

にしん素麺

松茸と鱧のタマネギ鍋(沖縄レモン・シークワッシャーを絞って食べる)

竈で薪で炊かれた銀シャリ

1杯目は銀シャリ

お替わりはお焦げ

水菓子はフルーツの盛り合わせ

フルーツホオズキ

食後は再び囲炉裏でお菓子と抹茶を頂く

店主の秋山さんがお薄を立てる

       

京都市左京区

チェンチcenci

 今、京都で、「キメラ(→ 京都グルメバイブル・イタリアンの頁を参照)」と共に、最も予約が取りにくいイタリアンである。店名はフィレンツェの方言で、素朴なという意味。イタリア料理店とはとても思えない外観の建物は、元々普通の日本家屋だったものを、地下に掘り下げてリノベーションしたものだという。なので、現在の2階が元の1階であり、1階のメインダイニングの部分は地下にあたる。
 ドアを開けるとアンティークなイメージの不思議な空間。ドアが2つあり、正面のドアは2階に、そして左はカウンター席とメインダイニングへ繋がっている。木材をふんだんに使用したメインダイニングは吹き抜けになっており、中央にはヨーロッパ的なR(丸み)をイメージした木の柱が鎮座している。このような斬新なインテリアのレストランを見たのは初めてで、一見の価値があるデザインだ。
 この日はランチだったが、ディナーと同じ12000円のコースで予約。まずは、オーナーシェフである坂本さんが挨拶に来てくれ、その後「グリッシーニ」とオリーブオイルが運ばれてきた。ドリンクメニューにあった料理毎に出てくるペアリングワインは、酒の弱い人ならば少量にしてくれる。料金は飲んだ分に換算してもらえ、これはありそうでなかなかない優れたサービスだ。
 続いて、新潟産の豚を使って岐阜で作ったという国産のパルマ風生ハム「ペルシュウ」に、作り立てのモッツァレラチーズ、刻んだ蓮根が入った蓮根餅、そして自家製「熊本高菜のマスタード」が添えられて出てきた。作り立てのモッツァレラチーズは、焼いた「カチョカヴァロ」のような美味しさで、極薄にスライスされた「ペルシュウ」は、出来としては悪くはないが、豚肉の嫌な香りが少し気になった。「フォカッチャ」は、パンは表面がカリッとしていてオイリーで、バゲットのように香ばしくて美味しい。「青森マグロのカツレツ・カルダモンのサワークリームソース」は、マグロがレアに揚げられているので、マグロの旨味が感じられる。また、香ばしい焼きナスとカルダモン、オリーブオイル、マグロと一体となっていて調和していた。全粒粉で作ったという「冷たいトレネッテ・牡蠣とオクラ、ツルムラサキのタルタルのせ」は、広島県産のレモンを絞っていただく。酢の物のように酸味が前面に出てしまい、牡蠣が生かされていなかったが、ペアリングで、酸味のある食べ物とリースリング種(白ワイン)が合うことだけは分かった。「伝助穴子と椎茸、舞茸のスープ仕立て」は、プルンとした肉厚な伝助穴子とバジル、キノコ、松の実のスープがよく合う。「アボカドムースと生ウニ ビーフコンソメジュレ」は、茶豆や冬瓜、カボチャなどが複雑なパズルとなった微妙な美味しさ。「岩手県産ホロホロ鳥のロースト」は、トウモロコシのピューレとブルーベリー、スモークしたメキシコ産唐辛子パウダーが添えられていた。トウモロコシのピューレは甘いので、唐辛子パウダーに付けて食べた方が美味しかった。また、胸肉よりもモモ肉の方が旨味があって良かった。「フレッシュトマトとニラ、サザエのスパゲティ」は、鷹の爪が入ったピリ辛味。悪くはないが、例えて言うなら中華料理っぽく、洗練された味とは言えない。1つ目のデザート「銀杏のクレープ・晩柑のコンフィチュール」は、クレープというよりもモチっとした「どら焼き」の皮に近い感じ。なかなか美味しいが、銀杏の実は不要かなと感じた。2つ目のデザート「蓮根餅カカオパウダー」は、食感も含めてイマイチだった。3つ目のデザート「桃とマスカットのデザート・ヨーグルトソース 酒粕アイス添え」は、まさに想像通りの味。飲み物の「カプチーノ」には、店名を冠した素朴なクッキーが添えており、これにて終了となった。
 なお、下記ホームページからはネット予約も可能なので、ネットで予約した方が便利である。(2019年10月追加)
http://cenci-kyoto.com

左京区聖護院円頓美町44-7  
電話番号:075-708-5307
定休日:月曜(月に2回、不定で日曜休みがある)
営業時間:12時〜13時、18時〜20時
予算:【ランチ】6000円、10000円、12000円、【ディナー】12000円
アクセス:京阪本線・神宮丸太町駅出入口1を出て、丸太町通を東へ進む。「京都大学・熊野寮」、「熊野神社」のある東大路通りを過ぎて次の信号を右折すると、すぐ右側にある。神宮丸太町駅より徒歩12分
最寄りのランドマーク:熊野神社、丸太町通り、東大路通り、平安神宮
お勧めポイント:古い日本家屋をリノベーションしたアーティスティックなモダンイタリアン

2階を見ると、古い日本家屋であることが分かる これがドア ドアを開けるとアンティークなイメージの不思議な空間。木材をふんだんに使用したメインダイニングは吹き抜けになっており、中央にはヨーロッパ的なR(丸み)をイメージした木の柱が鎮座している。これは2階のテーブル席からの様子で、直接1階のメインダイニング席は見えないが、中央の柱だけは垣間見える ドリンクメニュー1。料理毎に出てくるペアリングワインは、酒の弱い人ならば少量にしてくれる。料金は飲んだ分に換算してもらえ、これはありそうでなかなかない優れたサービスだ ドリンクメニュー2 本日のコースについて 本日のコースの素材だけが表示されている まずは、「グリッシーニ」とオリーブオイルが運ばれてきた 続いて、新潟産の豚を使って岐阜で作ったという国産のパルマ風生ハム「ペルシュウ」に、作り立てのモッツァレラチーズ、刻んだ蓮根が入った蓮根餅、そして自家製「熊本高菜のマスタード」が添えられて出てきた。作り立てのモッツァレラチーズは、焼いた「カチョカヴァロ」のような美味しさで、極薄にスライスされた「ペルシュウ」は、出来としては悪くはないが、豚肉の嫌な香りが少し気になった 「フォカッチャ」は、パンは表面がカリッとしていてオイリーで、バゲットのように香ばしくて美味しい 青森マグロのカツレツ・カルダモンのサワークリームソース」 マグロがレアに揚げられているので、マグロの旨味が感じられる。また、香ばしい焼きナスとカルダモン、オリーブオイル、マグロと一体となっていて調和していた 全粒粉で作ったという「冷たいトレネッテ・牡蠣とオクラ、ツルムラサキのタルタルのせ」広島県産のレモンを絞っていただく 酢の物のように酸味が前面に出てしまい、牡蠣が生かされていなかったが、ペアリングで、酸味のある食べ物とリースリング種(白ワイン)が合うことだけは分かった
「伝助穴子と椎茸、舞茸のスープ仕立て」に、スープを注いでいるところ プルンとした肉厚な伝助穴子とバジル、キノコ、松の実のスープがよく合う 「アボカドムースと生ウニ ビーフコンソメジュレ」は、茶豆や冬瓜、カボチャなどが複雑なパズルとなった微妙な美味しさ 「岩手県産ホロホロ鳥のロースト」 トウモロコシのピューレとブルーベリー、スモークしたメキシコ産唐辛子パウダーが添えられていた。トウモロコシのピューレは甘いので、唐辛子パウダーに付けて食べた方が美味しかった。また、胸肉よりもモモ肉の方が旨味があって良かった 「フレッシュトマトとニラ、サザエのスパゲティ」は、鷹の爪が入ったピリ辛味。悪くはないが、例えて言うなら中華料理っぽく、洗練された味とは言えない 飲み物のメニュー1 飲み物のメニュー2 香りをかぐことを出来る1つ目のデザート「銀杏のクレープ・晩柑のコンフィチュール」は、クレープというよりもモチっとした「どら焼き」の皮に近い感じ。なかなか美味しいが、銀杏の実は不要かなと感じた2つ目のデザート「蓮根餅カカオパウダー」は、食感も含めてイマイチだった 3つ目のデザート「桃とマスカットのデザート・ヨーグルトソース 酒粕アイス添え」は、まさに想像通りの味 「カプチーノ」「カプチーノ」には、店名を冠した素朴なクッキーが添えられていた

パティスリー タツヒト サトイ Patisserie TATSUHITO SATOI

パティスリー タツヒト サトイ Patisserie TATSUHITO SATOI 2つ星
 北白川の京大農学部近くにある人気のスイーツ店。想像していたオシャレな外観とは異なり、街によくあるパン屋のような地味な外観。店内に入っても同様で、シックと言うよりも垢抜けない暗めイメージである。入ってすぐにケーキのショーケースとパン類並べられており、左側には小さなイートインスペースがある。
 店主の里井は、かつて神奈川県スイーツ部門第1位を獲得した「スイーツガーデン ユウジアジキ」の出身。「スイーツガーデン ユウジアジキ」はケーキや焼き菓子が人気であるが、この店はケーキの他に、バゲットやクロワッサンなどのパンも人気らしい。
 まずは、この店一番人気という焼きたての「達人ロール」をいただく。フレッシュなミルクの風味を感じる生クリームは、甘さは控えめ。クリーム自体は大阪の「堂島ロール」には及ばないものの、柔らかくシルクのようにキメが細やかなスポンジは、玉子や小麦の風味を感じて美味しい。ケーキの一押しは「ハニーハント」。プロヴァンス産ハチミツのムースとバニラのクレームブリュレがトロトロで、まるでカスタードクリームのよう。下がシットリとしたスポンジとなっており、真ん中にのせられたビターなキャラメルと一緒に食べると、もう最高。もう一つのお勧めは、下がサクッとしていて真ん中に栗のスポンジケーキが入っている「ジヴァラ」。上にのったヴェローナ社のチョコムースも、濃厚かつ滑らかでいい。(2019年9月追加)
https://www.facebook.com/Pâtisserie-TATSUHITO-SATOI-978434895584033/

左京区北白川追分町2 Eフラット北白川1階
電話番号:075-285-1171
定休日:水曜(不定休あり)
営業時間:8時~19時
予算:ハニーハント480円、ジヴァラ470円、達人ロール350円
アクセス:地下鉄烏丸線・今出川駅を出て、今出川通りを東へ進む。同志社大学の前を通って鴨川を渡り、京阪・出町柳駅を過ぎて百万遍交差点へ出る。「進々堂・京大北門前」を過ぎ、「京大農学部・京大理学研究科1号館」を過ぎるとすぐ左側にある。今出川駅から1.5㎞
最寄りのランドマーク:百万遍交差点、進々堂・京大北門前、京大農学部・京大理学研究科1号館
お勧めポイント:焼きたての「達人ロール」とムース系ケーキの美味しい店

今出川通りの・・・ ココです! ケーキのショーケース イートインスペースは狭い ケーキの一押しは「ハニーハント」。プロヴァンス産ハチミツのムースとバニラのクレームブリュレがトロトロで、まるでカスタードクリームのよう。下がシットリとしたスポンジとなっており、真ん中にのせられたビターなキャラメルと一緒に食べると、もう最高! 「デリス」は、ショコラブランやフランボワーズ、ピスタチオの3層ムースに、ココアのビスキュイ もう一つのお勧めの「ジヴァラ」。下がサクッとしていて真ん中に栗のスポンジケーキが入っている。ヴェローナ社のチョコムースも、濃厚かつ滑らかでいい この店一番人気という焼きたての「達人ロール」フレッシュなミルクの風味を感じる生クリームは、甘さは控えめ。クリーム自体は大阪の「堂島ロール」には及ばないものの、柔らかくシルクのようにキメが細やかなスポンジは、玉子や小麦の風味を感じて美味しい

京都ハンディクラフトセンター
         (アミタ本店)

 「京都ハンディクラフトセンター(アミタ本店)」は、外国人観光客向けのお土産品のデューティーフリーショップ。しかも、日本人でも海外へお土産として持って行く場合、税込みで10800円以上購入すると、消費税分が無料になるのだ。ビルの1階から3階までがショップ、その上の階はレストランとなっている。
 店内を覗いてみると、着物や浴衣、英語版の漫画、日本料理や禅など日本に関する英訳本、刀剣、甲冑、浮世絵、蒔絵などの漆器、日本人形などが所狭しと並べられている。全フロアにはジャパニーズカルチャーが全て揃っており、よくぞこういう店を作ったなあと感心するほど。これまで何度も京都に足を運んだ僕でも、この種の店があったことさえ気がつかなかった。この店を見つけたのは、レンタサイクルで通りがかった単なる偶然なのである。
 どの店員さんも全員英語で対応でき、購入した商品を海外発送してくれたり、ドルやユーロの両替も可能。また、建物の中には国際観光振興機構(JNTO)より、外国人対応可能な観光案内所として認定を受けた「ビジット・ジャパン案内所」があるので、神社仏閣や文化施設の紹介やアクセスはもちろん、ガイドブックには載っていないような隠れた名所、各地で行われている期間限定のイベントや催事など、京都の旬な情報も教えてもらえる(もちろん、日本人でも教えてもらえる)。ビルの前にある自動販売機までが外国人受けしそうな蒔絵風になっており、ぜひ外国人観光客に教えてあげたい店である。通りを挟んですぐ向かいには 「京都 東山堂 聖護院店(→ 京都グルメバイブル・お土産の頁を参照)」 もあるので、訪れた際にこちらの方も寄ってみても良いかも。(2014年12月追加)
http://kyotohandicraftcenter.com/

左京区聖護院円頓美町17  
電話番号:075-761-7000
定休日:無休
営業時間:10 時〜19時
アクセス:京阪本線・神宮丸太町駅出入口1を出て、丸太町通を東へ進む。「京都大学・熊野寮」を過ぎ、「熊野神社」のある東大路通を過ぎると、すぐ左側にある。神宮丸太町駅より12分
最寄りのランドマーク:熊野神社、丸太町通、東大路通
お勧めポイント:ジャパニーズカルチャーを集めた外国人観光客に優しいデューティーフリーショップ

店の前にある蒔絵風自動販売機

鉄瓶もいろいろあります

蒔絵風のお土産

浮世絵もいろいろ

イスラム圏女性向けの商品も

僕も買いたいと思った魔法瓶

子供向け商品もあります

京都 東山堂(とうざんどう)聖護院店

 甲冑・日本刀や居合刀を中心に取り扱うのが東山堂の聖護院店。築100年以上の町屋を、アメリカ人建築家のジェフリー・ムーサスが設計施工し作られたデザイナーズショップである。国内外のテレビ・雑誌等で多数取り上げられることもあるため、店内は外国人客がかなり目立つ。入口左側にある2階への階段を上ると、高価な甲冑・日本刀を展示するショールームもある。この他に、アイテムは少ないものの、木刀、居合用品、合気道、空手、弓道用品も扱っている。本店は西陣にあり、こちらは剣道具を中心に、合気道着、木刀などの武道具を幅広く取り扱っている。(2014年11月追加)
http://www.tozando.com/

左京区聖護院円頓美町24  
電話番号:075-762-1341
定休日:無休
営業時間:10時〜19時
アクセス:京阪本線・神宮丸太町駅出入口1を出て、丸太町通を東へ進む。「京都大学・熊野寮」を過ぎ、「熊野神社」のある東大路通を過ぎると、すぐ右側にある。神宮丸太町駅より12分
最寄りのランドマーク:熊野神社、丸太町通、東大路通

1階の売り場

2階への階段には各流派の木刀が展示販売

2階の売り場

短刀でも38万円もする

甲冑は意外と安い

ロードバイク専門店

 両店に共通しているのは、ママチャリなどを売っていない所謂マニア向けのスポーツ自転車店。なので、完成品が販売されているのはもちろん、オーダーメイド販売なども行っている。また、自転車のタイヤやホイールやシューズ、グローブ、ウェアなども充実している。これからサイクリングを始めたいという方、ロードバイクが気になっていたという方は、京都に来たついでに是非一度立ち寄ってみてはいかがだろうか。(2019年10月追加)

 

【Y’s Road 京都店】
 蛸薬師通沿いにある大型ロードバイクショップ。イタリア有名ブランドBIANCHIを販売している店としては、国内初・西日本初となる。完成車は約300台というから、国内最大級かつ京都最大規模のロードバイクショップと言える。ウェアパーツも充実しており、ホイールや他のアクセサリーパーツに至るまで選り取り見取り。
http://ysroad.co.jp/kyoto/feature
中京区裏寺町595グランレジェイド京都河原町1階  
電話番号:075-254-7827
定休日:第2月曜(祝日を除く)
営業時間:12時〜20時
アクセス:阪急京都河原町駅・4番出口を出て、「四条河原町交差点」から河原町通りを三条方向へ向かう。「スギ薬局」を過ぎ、信号を左折して蛸薬師通りを進む。1つ目の交差点を過ぎたら右側にある。京都河原町駅から徒歩6分
最寄りのランドマーク:四条河原町交差点、蛸薬師通り
お勧めポイント:繁華街にある京都最大のロードバイクショップ

【一条アルチメイトファクトリー】
 川端通をレンタサイクルで走っていたときに見つけたロードバイクショップ。この店の他に、大阪市や宝塚市、箕面市にも店舗があるようだ。この店は「トレック」を専門に扱うトレックストアの店舗である。
http://www.1jyo.com/kyoto/
左京区川端二条下がる孫橋町32-1   
電話番号:075-771-6311
定休日:木曜日(木曜日が祝日の場合は前日の水曜日)
営業時間:10時~20時(11月~3月 11時~20時)
アクセス:地下鉄東西線・京都市役所前駅1番出口を出て高瀬川と鴨川を渡り、突き当たりの川端通を右折するとすぐ。京都市役所前駅から徒歩3分
最寄りのランドマーク:京阪三条駅・出入口2の目の前
お勧めポイント:京都の川端通沿いにあるロードバイクのプロショップ

【Y’s Road 京都店】

【一条アルチメイトファクトリー】

美玉屋

 北大路通にある老舗の和菓子店。以前、「ジェイアール京都伊勢丹」で購入してその味に感動し、それ以来のファンである。今回は「ジェイアール京都伊勢丹」の入荷日ではなかったので、久しぶりに本店まで出向いてみた。地下鉄烏丸線・北大路駅からこの「美玉屋」まで続く北大路通には、何故かグルメ心をくすぐるような有名店が集まっている。なので、胃袋に自信のある方は、まずは「茶寮 宝泉(ほうせん)」でわらび餅など和のスイーツを頂き、続いて「 いいちょ(→ 京都グルメバイブル・ラーメン、蕎麦、餃子の頁を参照) 」でラーメンを、さらにこの「美玉屋」で黒蜜団子を購入し、最後に「 ハンデルスベーゲン(→ 京都グルメバイブル・スイーツの頁を参照) 」で、デザートのジェラートを頂くという強行軍ツアーも可能なのである。ちなみに、今回は帰りの新幹線で包みをほどき、車内で久しぶりに食べてみることに。口に含むと、ネットリとした絶妙な柔らかさの団子が歯と粘膜に絡みつき、同時にジェル状に固まった黒蜜が口の中で溶け出してくる。さらに、舌にまとわりつくような“きな粉”の香りが鼻腔をくすぐる。甘さはどちらかというと甘めであるが、それが全く気にならないくらい美味しく、昼食後にも関わらず、神戸に到着するまでの間に全てを完食してしまった。とてもシンプルでクラシックなスイーツではあるが、食感、口溶け、香り、全てが計算し尽くされた奥深い京都スイーツである。もしも本店に行けない場合は、曜日限定ながら「大丸京都店(日曜、月曜、木曜、金曜)」か「ジェイアール京都伊勢丹(木曜と土曜)」、「京都タカシマヤ(日曜、月曜、木曜、金曜、土曜)」の地下食品売り場で購入が可能である。(2012年11月更新)

京都市左京区下鴨東本町18(北大路下鴨高木町バス停西入)  
電話番号:075-721-8740 
定休日:火曜 
営業時間:9時半~19時 
予算:黒蜜団子1050円 
アクセス:地下鉄烏丸線・北大路駅3番出口を出て左へ。滋賀銀行を過ぎて信号を渡る。賀茂川を渡り、しばらく北大路通を直進して「あさひ北大路店」、「クリーニング ぴいぷる」、「音羽酢」、「LUCKY」、「京都銀行下鴨支店」を過ぎ、「ビジョンメガネ」と「ジャンカラ」が見えたらすぐ右側。地下鉄烏丸線・北大路駅から徒歩18分。 
最寄りのランドマーク:滋賀銀行北大路支店、北大路通、京都銀行下鴨支店
お勧めポイント:食感、口溶け、香り、全てが計算し尽くされた奥深い京都スイーツ

瓢亭本店

 2005年以来の7年ぶりの訪問。僕が夏に京都を訪れたときの楽しみは、この店での朝粥を食べること。通常のコースに比べるとお手頃な価格で「瓢亭 本店」の味と雰囲気が楽しめ、しかも午前8時から頂ける。庭に面した離れで頂く朝粥は、味も風情も日本最高の朝粥である。夏季に京都を訪れたときには必ず食べてみてほしい。入り口には草わらじが掛けられ、南禅寺を訪れる参拝客をもてなしていた頃そのままの往時が偲ばれる佇まい。
 「瓢亭」は本店の他、隣りにカジュアルな別館があるが、やはりお勧めは本店である。本店の庭には3つの離れがあり、それぞれ互いに見えないような草庵になっている。最も大きい一番奥の離れだけは左右3つの部屋に分かれており、畳みの茶室とテーブル席の茶室、そして広間がある。従って、奥の離れだけは隣や奥の部屋の声が聞こえるが、入り口近くの2つは、お膳を運ぶ仲居さんの下駄の音と鳥の鳴き声だけが聞こえる完全個室となっている。静寂さを求めるなら手前の離れの方が良いだろう。但し、奥の離れ以外は座布団に座って寄りかかれないので、お年寄りや外国人はかなりつらいかも。一番奥の離れの向かいには400年前に建てられた草葺きの建物があり、現在はお手洗いとして使用されている。男性用の自動小便器の中には、小便の跳ねよけと臭いよけのための杉の葉が入れられていて面白い。自動小便器になる前からの古来の知恵らしいが、自動となってからもそのまま受け継がれているのは京都らしい。トイレも含め、離れの室内はどこも暗いので、本店の離れで食べるのなら、朝か昼の明るい時間帯に訪れるのをお勧めしたい。この日の昼のコースのお椀は、鱧とジュンサイのお吸い物。奇しくも昨日の「阪川」の椀と同じ素材。素材こそ「阪川」の方が上質であったが、出汁に関しては「京都吉兆」同様の深遠さを感じさせる旨味があった。この店の刺身で必ず出る明石鯛は本当に旨い。プリプリ感に加え、旨味があるのだ。刺身には土佐醤油、トマト醤油、塩がつくが、刺身をトマト醤油につけて食べると、塩とグルタミン酸の旨味だけがして、トマトの青臭さなどは感じられない。しかし、直接舐めてみると僅かにトマトを感じて不思議な味だ。この店を訪れていつも感心するのは料理を入れる器の素晴らしさ。そして、鮎は予め骨が抜いてあるなどの細かな配慮。それにしても、美味しい店は何を食べても美味しい。例え添えられた枝豆に至るまで隙が無いくらい美味しいのだ。しかも、伝統に裏打ちされた中にも斬新さを感じさせるような料理なのである。この「瓢亭」と「菊乃井本店」、「京都吉兆嵐山本店」の3店は同じ共通点を感じさせ、僕も認める真の3つ星店といえる。本店は空いていれば今回の僕のように1人でもOKだが、基本的には2人からとなっている。 (2012年7月)

左京区南禅寺草川町35  
電話:075-771-4116
定休日:第2,第4火曜日(都合により変更となることも)
営業時間:11時~19時半(朝粥は8時~10時までの2時間)
予算:朝粥(7/1~8/31)6000円(12月~3/15うずら粥12100円)。昼:23000円~ 、夜27000円~
アクセス:。地下鉄東西線・蹴上駅の2番出口を出て左へ向かい、右に南禅寺を見ながら直進する。ウェスティン都ホテル前の信号を渡り、右に南禅寺を見ながらさらに細い仁王門通を進む。右に白壁を見ながら直進すると、右側に見える。南禅寺前の信号が見えたら、交番の角を左折する。地下鉄東西線蹴上駅より徒歩7分。 
最寄りのランドマーク:南禅寺、ウェスティン都ホテル 
お勧めポイント:伝統に裏打ちされた中にも斬新さを感じさせるような料理。日本最高峰の朝粥もお勧め。

茶寮 宝泉

 板塀で囲まれた風情のある外観。外の暖簾をくぐると正面に玄関が、右側には庭園が。更に、入り口の格子戸を開けて中に入ると、右側には喫茶の座敷が、左側には土産品のショップがある。入り口には、“就学前(小学生未満)の子供連れや席で静かに出来ないお子様は喫茶の利用が出来ない”とうレギュレーションの掲示が。靴を脱いで上がると、広めの畳敷きとなっており、そこから庭園を眺めることが出来る。席に座ると、まずほうじ茶と小菓子(干菓子と黒豆甘納豆)が運ばれる。店員が注文を取りに来る様子を見ていると、ほとんどの客が「本日の生菓子と抹茶」のセットか、「わらび餅」を注文している。人気の「わらび餅」は、希少な国産本わらび粉を丹念に練り上げて作られ、オーダーを受けてから作るので、15分くらい時間がかかるのだそうだ。しかし、僕が認定する日本ナンバーワンわらび餅店  「ぎおん徳屋(→ 京都グルメバイブル・スイーツの頁を参照)」  と比べると、ヒンヤリと締まった感じに欠け、きな粉も付かないので、どうしても物足りなく感じてしまう。「本日の生菓子とお茶のセット」は、飲み物によって値段はそれぞれ異なり、抹茶以外に冷抹茶や煎茶、玉露などを選択できる。「丹波大納言小豆ぜんざい」は、最高級の丹波の大納言小豆をフンワリ柔らかに炊きあげ、自家製の焼き餅を添えたもので、こちらも悪くない。どの品も味が最高とは言えないが、とても京都っぽく、観光客や外人客に喜ばれそうなスイー ツ店である。(2013年1月追加) 

左京区下鴨西高木町25  
電話番号:075-712-1270
定休日:水曜(祝日の場合には翌平日) 
営業時間:10時~17時 
予算:生菓子と抹茶840円、わらび餅950円 
アクセス:地下鉄烏丸線・北大路駅3番出口を出て左へ。滋賀銀行を過ぎて信号を渡る。賀茂川を渡り、しばらく北大路通を直進して「あさひ北大路店」、「クリーニングぴいぷる」、「音羽酢」、「LUCKY」、「京都銀行下鴨支店」、「ビジョンメガネ」を過ぎ、「かごの屋」が見えたらすぐ小路を右折。2つ目の角を曲がるとすぐ右側。地下鉄烏丸線・北大路駅から徒歩18分。 
最寄りのランドマーク:滋賀銀行北大路支店、北大路通、京都銀行下鴨支店、かごの屋 
お勧めポイント:観光客や外人に喜ばれそうな京都らしいスイーツ店

入り口にある菓子を販売するショップ

座敷はこんな感じ

席に座ると、まずほうじ茶と小菓子(干菓子と黒豆甘納豆)が

本日の上生菓子のサンプル

上生菓子「高雄」と薄茶

わらび餅

丹波大納言小豆ぜんざい

パティスリー タンドレス

 「瓢亭本店」を訪れたついでに、一乗寺にある人気スイーツ店「パティスリー タンドレス」でデザートを頂く。この店は土曜~月曜の3日間しか営業していないという変わった店である。しかも、イートインスペースはわずか4テーブル6席だけなので、13時のイートインタイムになるとすぐに満杯となってしまう。なので、この店で食べたければ、イートインがスタートする10分前の12時50分に到着し、まずは並ばず店内に入って名前を告げ、そしてケーキを選んでからドアの前に並ぶのがこの店のルール。ガラスケースの中を見ると、この日のテイクアウト可能なケーキは7種、他にイートイン限定のケーキが1種であった。ほとんどがムース系のケーキであるところを考えると、この店のパティシエはムース系のケーキが得意なのであろう。確かに食べてみると、とろける様な瑞々しい食感とその適度な甘さは、僕の理想に近い思った通りの美味しさ。
 イートイン限定「ベルル・ダジ」は、フロマージュブランを使ったライチ味のレアチーズケーキで、中がブドウとモモのムースになっていた(特にお勧め!)。もう一つ頂いた「ディジョネーズ」は、ブルゴーニュ産カシスのムースとまろやかなバニラのババロアのコントラストがなかなかいい。この日人気で売り切れだったのは「キャフェ・フランボワーズ」。何気なくお土産に買った「サンブルナール」も、しっとりとしたオレンジとアーモンドの焼き菓子で美味しかった。この店のポリシーは、“ケーキは食べるのに最適な温度がある”ということ。従って、店内で出すときにはもちろん、テイクアウト時にもどの温度で食べるかの説明書きが添えられている。(2012年7月追加)

左京区一乗寺花の木町21-3  
電話:075-706-5085
定休日:火曜~金曜
営業時間:テイクアウト:11時半~19時、イートイン:13時~18時
予算: ベルル・ダジ800円、ディジョネーズ580円
アクセス:銀閣寺方面からだと、白川通の「一乗寺下り松町」バス停(「焼肉屋さかい」や「リサイクル アーク京都」がある)信号を右折。京料理「魚晋」を過ぎ、2つ目の角を左折するとすぐ左側に見える。地下鉄烏丸線・鞍馬口駅からタクシーで10分。
最寄りのランドマーク:「一乗寺下り松町」バス停、本願寺北山別院南禅寺からタクシーで10分、1500円くらい。
お勧めポイント:「イデミ・スギノ」出身の山口シェフの店

京うどん生蕎麦 おかきた

 平安神宮の近くにある蕎麦とうどんの店。この店の並びには1時間以上待ちが当たり前の行列・讃岐うどん店「山元麺蔵」があるが、この店も昼時には行列ができる人気店なのである。ドアを開けると天井が高く、大きな生け花が飾られている。奥には坪庭があり、竹と木を使った特注の家具や江戸唐紙など、和を感じさせるモダンなインテリアがいい。また、ジャズが流れ、直接光や間接光などもそれを効果的に演出している。案内された席は僕1人であるにも関わらず、相席ではなく4名用のテーブル席であった。
 この店のメインは蕎麦とうどんであるが、最近の一番人気はいかにも京都らしい「天とじ丼」である。出てきたその姿は、大きめの海老天2本にフンワリトロトロの玉子とじがかかっており、ビジュアル的にも食欲がそそられる。海老天の衣は玉子とじの水分を吸ってベチャッとしているかと思いきや、江戸前天丼のようにカリッと揚がっていた。ほんのりダシが効いた薄めの味付けは、親子丼の有名店 「ひさご(→ 京都グルメバイブル・親子丼の頁を参照)」 よりもやや甘めなので、山椒よりも七味をかけた方がマッチする。白菜の浅漬けやしば漬けは美味しかったが、湯葉入りの赤出汁は後味が苦めでごく普通。ちなみに、店内は禁煙であり、小食の方や隣の「山元麺蔵」もハシゴしたいという方のために「ミニ丼」や海老天1本のものも用意されている。
 店主を中心としたきめ細かなサービスはうどん店としては抜きん出ており、さらに行列店でありながら相席を要求しない点も素晴らしい。行列は開店後にできるので、行くなら開店直前か14時以降がベストであろう。(2014年4月追加)

左京区岡崎南御所町34  
電話番号:075-771-4831
定休日:火曜
営業時間:11時〜20時
予算:天とじ丼1200円(ミニ丼650円、海老1本の天とじ丼1000円)
アクセス: 地下鉄東西線・東山駅1番出口を出て三条通を左へ進む。橋を渡り、「三条神宮道交差点」の信号を過ぎ、さらに左にある小さな鳥居を過ぎたすぐの信号(岡崎通)を左折する。細い岡崎通を300mほど進むと急に開けて通りが広くなり、左に「京都市美術館」、右に「京都市動物園」が見える。さらに進むと、左に「岡崎公園」のテニスコートが見え、右に「山元麺蔵」の行列が見えるので、その先。東山駅から徒歩15分。
最寄りのランドマーク:岡崎公園地下駐車場・動物園側出入り口、岡崎通沿い
お勧めポイント:フワフワトロトロの玉子とじの「天とじ丼」が美味しい

山元麺蔵

 京都一行列のできるうどん店である。どの時間帯に行っても常に行列ができており、そのもの凄い人気ぶりが窺える。平日お昼の平均待ち時間は約1.5時間、土日・祝日のお昼の平均待ち時間は2時間くらいの覚悟が必要。夕方の4時半〜5時くらいが最も空いているが、場合によっては売り切れになっていることもあるので、夕方の訪問には電話での確認が必要だ。
 この店のお勧めは人気の「鶏ささみ天ざる」。麵は讃岐うどんらしい角張った太麺である。表面がツルツルしていてコシがあり、歯ごたえ十分。麵だけなら全国的に見てもトップクラスの美味しさである。しかしながら、ほぼ一般的な麵の長さの温かいうどんに比べると、冷たい「ざるうどん」の麵は何故か異様に長く、コシがある分切りづらい。このため、プラスチック製の麵切り道具が付いてくる。つけ汁は出汁の香りや甘みもほどほどで、口当たりが良く食べやすい。最後にサービスでミニ杏仁豆腐が付くが、これは食べても食べなくても良いくらいのレベル。人気の温かいうどん「京カレーうどん」は、店員からスパイシーで辛いと説明されていたが、実際はそれほどではなく中辛程度の辛さ。具材の刻み揚げは甘過ぎで、総合的にお勧めではない。また、人気の「土ゴボウ天丼」の“ごぼう天”は悪くはないものの、特にお勧めというレベルではない。さらに、コショウが効いた「鶏ささみ天」もそれなりに美味しいが、外側がカリッとして中がシットリした東京の 「うどん 丸香(→ 銀座グルメバイブル・うどんの頁を参照)」 や札幌の 「手打ちうどん 寺屋(→ 札幌グルメバイブル・うどんの頁を参照)」 のものには残念ながら及ばない。
 外で待っている客に対しておしぼりやお茶のサービスがあるなど、店員の接客はこの種の人気店にしてはすこぶる良い。ちなみに、僕が思うお昼の最も効率的な並び方は、開店1時間前に並ぶことである。およそ1時間前に店が開くため、もしも先頭から10人くらいであれば、外でなく店内の椅子に座って待つことが出来るため楽なのである。いずれにせよ、待ってまでも食べたいか?と聞かれれば、僕は正直それほどではないと思う。(2014年6月追加)

左京区岡崎南御所町34  
電話番号:075-751-0677
定休日:木曜、第4水曜(祝日の場合には翌日休業)
営業時間:11時〜19時45分(水曜日は11時〜14時半、売り切れ次第終了)
予算:鶏ささみ天ざる945円
アクセス: 地下鉄東西線・東山駅1番出口を出て三条通を左へ進む。「白川橋」を渡り、「三条神宮道交差点」の信号を過ぎ、さらに左にある小さな鳥居を過ぎたすぐの信号(岡崎通、「お好み焼・鉄板焼 きらく」があり)を左折する。細い岡崎通を300mほど進むと急に開けて通りが広くなり、左に「京都市美術館」、右に「京都市動物園」が見える。さらに進むと、左に「岡崎公園」のテニスコートが見え、右に「山元麺蔵」の行列が見えるので、その先。東山駅から徒歩15分
最寄りのランドマーク:岡崎公園地下駐車場・動物園側出入り口、岡崎通沿い 
お勧めポイント:京都で頂ける本格的な讃岐うどん

日曜日の午前11時半の行列

平日午後5時の行列

鶏ささみ天ざる

鶏ささみ天

プラスチック製の麵切り道具

京カレーうどん

土ゴボウ天丼

土ゴボウ天の下には卵の黄身と刻み海苔が

薬味

サービスのミニ杏仁豆腐

麺屋 極鶏

 一乗寺にある人気の鶏白湯ラーメン店。実は、北大路通の「高野交差点」からこの店までの約1㎞の東大路通沿いには、ラーメン専門店が何と13軒もあり、京都でも屈指のラーメン銀座の様相を呈している。この日は真夏の炎天下の午前というコンディションにも関わらず、写真の様に店の前には開店前から既に長い行列ができていた。店内は思ったよりも狭く、右側に5つのカウンター席と、そして右奥に小上がりと左奥にテーブル席がそれぞれ1つずつある。
 メニューを見ると、店のお勧めの超濃厚肉濁鶏白湯スープの「極鶏・鶏だく」の他、これに厳選された唐辛子を丼ぶり一面にかけた「極鶏・赤だく」、自家製マー油を加えた「極鶏・黒だく」、魚介系味の「極鶏・魚だく」の計4種類がある。今回はもちろん、この店の基本スープである「極鶏・鶏だく」をチョイス。
 この店の売りは、何と言っても“超濃厚肉濁鶏白湯”と命名しているように、ドロドロとした鶏白湯スープが売りなのである。「天下一品」や「天天有」などの白濁した鶏白湯ラーメンは、今や “京都ラーメン”の代名詞となっているが、ついにはこのドロドロ系ラーメンに極まったという感がある。ドロドロの豚骨白湯であれば、かつて薄野にあった先代の「麺処まるは 健松丸」など多数の店が思い浮かぶが、鶏白湯では東京新橋の 「濃厚鶏そば 麺屋 武一(→ 銀座グルメバイブル・ラーメンの頁を参照)」 やチェーン店「天下一品」の「こってり」を超えるようなドロドロ系鶏白湯には出会ったことがない。
 出てきた「極鶏・鶏だく」のスープはドロドロの薄茶色で、まるでベジポタ系か濃厚豚骨背脂スープのようにも見える。レンゲですくって一口含むと、それはまるで鶏エキスたっぷりのポタージュスープのよう。いや、ポタージュスープなんてもんじゃないくらい半端なく濃厚なのである。それはラーメンと言うよりも、濃厚系ラーメンと名古屋の 「麺屋 はなび(→ 名古屋グルメバイブル・まぜそばの頁を参照)」 の“元祖台湾まぜそば”の中間に位置するような別種のラーメンと言っても良いくらい。具材は青ネギと白髪ネギのダブルネギに、厚めのシナチクと肩ロースのチャーシュー。麵は低加水の中太ストレート麵で、このスープに合っているかどうかは別として、これはこれで悪くないと思う。但し、スープの濾しが甘いせいか、スープの底に鶏の骨の細かい欠片が見受けられ、これがスープを飲んだときの食感を悪くしている。しかしながら、ここまで濃厚な鶏白湯は珍しく、怖いもの見たさではないが、京都に来たなら一度味わってみてはいかがだろうか。(2014年10月追加)

左京区一乗寺西閉川原町29-7  
電話番号:075-711-3133
定休日:月曜
営業時間:11時半~22時(スープが無くなり次第終了)
予算:極鶏・鶏だく700円
アクセス:北大路通と東大路通の交差点「高野交差点」から東大路通を北へ1㎞。叡山電鉄・一乗寺駅を出て曼殊院道を右へ進む。信号のある交差点を右折して東大路通を400mほど進むと左側に見える。一乗寺駅から徒歩6分。
最寄りのランドマーク:北大路通、東大路通、一乗寺駅
お勧めポイント:日本一濃厚な鶏白湯スープのラーメン

7月のこの日は、朝から35℃越えだったにもかかわらずこの行列。取材でなかったらパスしたかったなあ。

中に入っても店内の壁に沿ってこの行列

通路が狭いのでパイロンが置かれていた

メニューはシンプル

「玉子かけご飯セット」が気になったが、この後の取材を考え我慢

「極鶏・鶏だく」が登場

白髪ネギの上には唐辛子が

厚めのシナチク

肩ロースのチャーシュー

レンゲですくうと、ベジポタスープのようにドロッとしている

中太ストレート麵を持ち上げる

やはりスープが異様に絡んでくる

中華そば 高安

 週末になると常に行列ができる京都の人気ラーメン店。店内は白の椅子と木のテーブルが印象的で、まるでデザイナーズカフェのよう。アーティスティックで、ラーメン店としてはある意味ミスマッチとも思えるインテリアでもある。手前に円形のカウンター席、右にはなだらかな流線型をしたL字型のカウンター席、さらに左側にはテーブル席がある。この店の人気は「中華そば」と「からあげ3個」がセットになった「からあげ定食」であるが、他の客が食べている「からあげ」を見ると、通常の2倍くらいはあろうその大きさにびっくり。この日は既にラーメン店を1軒食べ終えた後だったので、敢えて「中華そば」だけを注文することに。後で分かったことだが、この店の名物である「からあげ」はカレー風味で、食べきれなかった「からあげ」はお持ち帰りもできるらしい。メニューを見ると、麵はこの他に「中華そば」に牛スジがのった数量限定の「スジラーメン」と「チャーシューメン」の計3つだけととてもシンプル。
 「中華そば」のスープは、鶏ガラベースに豚骨が加わったと思われる白湯スープ。同じ一乗寺にある有名ラーメン店「天天有」の鶏白湯スープにも近いような気がする。一見すると濃厚そうであるが、これがまた絶妙なバランスで、最後まで飲み干せるほどサッパリとしている。また、物足りないと感じる方は、テーブルに置かれた食べ放題の「辛子ニラ」や「辛子味噌」を入れると更にパワーアップし、個性的なラーメンに変身する。麵は中細のストレート麵で適度なコシがあるものの、どちらかと言えば柔らかめなので、硬めと注文した方がよいかも。具材はシンプルで、チャーシューが4枚とシナチク、そして葱のみ。どちらかと言えば、オーソドックスな優しいタイプのラーメンで、ガツンとハマル味ではないが、実に京都らしい美味しいラーメンである。
 ちなみに、無休で夜の遅くまで通し営業しており、大食漢の方には、土日・祝日を除くランチタイムにはライスが無料となるのも嬉しい。(2014年8月追加)

左京区一乗寺高槻町10  
電話番号:075-721-4878
定休日:無休
営業時間:11時半〜24時
予算:中華そば700円、からあげ定食1020円
アクセス:北大路通と東大路通の交差点「高野交差点」から東大路通を北へ600m。叡山電鉄・一乗寺駅を出て曼殊院道を右へ進む。信号のある交差点を右折して東大路通りを200mほど進むと右側に見える。一乗寺駅から徒歩5分。
最寄りのランドマーク:北大路通、東大路通り、一乗寺駅
お勧めポイント:京都らしい白湯スープでありながらサッパリとした中華そば

辛子ニラ

辛子味噌

中華そば

辛子ニラを投入

辛子ニラを入れるとスープが赤くピリ辛になり、コクが出ます

いいちょ

 京都で人気の行列ラーメン店。北大路通から目を凝らしてみると、ちょっと入った左側の細い通りに黄色いスタンド看板が見える。行列こそ見られなかったが、開店直後にもかかわらず、店内は既に多くの常連客で溢れていた。客層はどちらかというと中高年客が目立つ。
 一押しの「ラーメン」は背脂が浮いた醤油味で、スープが少し濁っている。トンコツと鶏ガラがブレンドされたスープはとてもコクがあり、見た目とは裏腹にサッパリとしていて飽きが来ない。非常にアバウトな表現をすれば、たかばしにある「本家 第一旭 たかばし本店」と北白川の「ますたに」の中間的なイメージのラーメンである。中太ストレート麺のコシも丁度良く、実に完成度の高いラーメンだ。また、福知山産モチ豚を使った薄切りのチャーシューも美味しく、常連客の多くは200円増しで「チャーシュー麺」にしている。
 ちなみに、今回は食べられなかったが、この店の「焼きめし」も美味しいという噂だ。店主や店員の対応もフレンドリーで温かく好感触。帰りに、地下鉄駅までの道沿いにある 「美玉屋(→ スイーツの頁を参照)」で黒蜜団子を、さらに 「ハンデルスベーゲン(→ スイーツの頁を参照)」 でアイスクリームを食べれば、大満足すること間違いなしの鉄板B級グルメツアーコース。 (2012年10月追加)

左京区下鴨東半木町70-10  
(府立大学前交差点北西角) 
電話番号:075-711-0141 
営業時間:11時~15時15分、17時半~21時(売り切れ次第終了) 
定休日:木曜(祝日は営業)、不定休日あり 
予算:ラーメン(並)600円(+200円でチャーシュー麺に)、焼きめし(並)400円(ラーメンと焼きめしを一緒に注文すれば100円引きに) 
アクセス:地下鉄烏丸線・北大路駅3番出口を出て左へ。滋賀銀行を過ぎて信号を渡る。賀茂川を渡り、しばらく北大路通を直進して「あさひ北大路店」、「クリーニングぴいぷる」を過ぎ、右に「音羽酢」が見えたら左に三角のグリーンベルトが見えるので左折すると左奥に見える。地下鉄烏丸線・北大路駅より徒歩12分。 
最寄りのランドマーク:滋賀銀行北大路支店、北大路通、あさひ 
北大路店、クリーニングぴいぷるお勧めポイント:京都で人気の背脂醤油ラーメン

キッチン ごりら

 叡山電鉄・元田中駅近くにある人気の洋食店。住宅街の中にポツンとあり、店舗の照明も暗いため、夜に訪れると分かりづらい。店舗は住宅の1階を改造したもので、店の前にはゴリラのウェルカムボードがある。店内は洋食屋とは思えないくらい木の優しさが漂うモダンなインテリア。右側にオープンキッチンのカウンター席、そして左側にテーブル席がある。調理は全て若い店主1人で行っているが、非常にスキルが高いため、見事なくらい手際よく次々と仕上げていく。
 メニューを見ると、品数はそれほどない。肉は「丹波鶏のグリル」や「ポークステーキ」、「ロースカツ」、「ビフカツ」、「ハンバーグ」の他、銘柄牛である島根産「たちすずかビーフ」のステーキ(サーロイン、ミスジ、モモ)のみ。魚は「エビフライ」と「カキフライ(季節メニュー)」しかないが、1個から追加でできるサイドメニューとして、「ホタテフライ」と「サーモンフライ(季節メニュー)」、「エビフライ」、「カニクリームコロッケ(2個)」がある。
 この店の一番人気は「ロースカツ」と「ポークステーキ」であるが、僕のお勧めは「ポークステーキ」。どちらも同じ厚めの豚ロースを使用しているが、「ロースカツ」は脂身を取り除いた芯の部分のみを使用し、「ポークステーキ」は敢えて脂身を入れ、焼いたときに収縮しないようスジ切りをしている点が異なる。「ポークステーキ」は「バルサミコ」か「にんにく醤油」のいずれかのソースを選べるが、今回は和風の「にんにく醤油」をチョイス。説明によると、「ハンバーグ」はつなぎを使っていないため、ミンチ肉そのものの食感で、しかも豚肉なので好みが分かれるという。
 見ていると、「ポークステーキ」は最初強火で焼き、後は蓋をかぶせてゆっくりと蒸し焼き状態にしている。出てきた「ポークステーキ」は火の通し方が絶妙で、中心部がほんのりと僅かなピンク色をしていた。にんにく醤油ソースもニンニクの味が出過ぎておらず、塩加減も丁度良く、ツヤツヤの白米や味噌汁とも良く合っていた。次回は、島根産黒毛和牛の「たちすずかビーフ(ミスジ)ステーキ」や「丹波鶏のグリル」なども試してみたいと思わせるようなステーキであった。
 一方、揚げ物では、「ビフカツ」の火の通し方が良く、半分をオリーブオイルと塩で、もう半分をデミグラスソースで頂ける様に盛られていた。また、サイドメニューの「サーモンフライ」と「カニクリームコロッケ」も追加して食べてみたが、どちらも高いレベルにあった。ちなみに、ビールは瓶ビールのみで、「サッポロ」、「アサヒ」、「キリン」の3つ。「キリン」はハートランドビールであった。(2014年11月追加)
https://www.facebook.com/kitchen.golira

左京区田中樋ノ口町17-3  
電話番号:075-702-3905
定休日:不定休(電話あるいはFacebookで要確認)
営業時間:12時~14時半、18時~21時半
予算:ポークステーキ1300円、丹波鶏のグリル1100円、島根産黒毛和牛の「たちすずかビーフ(ミスジ)ステーキ3000円/200g(いずれもご飯、味噌汁付き)
アクセス:今出川通を東に進み、東大路通との交差点「百万遍」を左折して北に進む。「田中里ノ前」交差点を右折して3筋目を左折すると、2つ目の交差点の角。地下鉄烏丸線・今出川駅から車で5分
最寄りのランドマーク:東大路通、田中里ノ前交差点、京都田中樋ノ口郵便局
お勧めポイント:京都トップレベルの洋食店

昼の店舗

メニュー

追加のサイドメニュー

島根産黒毛和牛「たちすずかビーフ」ステーキのメニュー

キリンのハートランドビールでまずは一杯

ポークステーキ

ビフカツは半分はデミグラスソースで、もう半分をオリーブオイルがかけられた塩でいただく

サイドメニューの「サーモンフライ」にはほんのりと酸味のあるタルタルソースが

サイドメニューの「カニクリームコロッケ(2個)は火傷するくらい熱々

  

ビィヤント

 東大路通沿いの京大病院前にある人気のカレー店。店内はL字型のカウンター席があるだけと、非常に狭い。それは、奥の席に行くときにも狭くて通りづらいほど。カウンターの中には女性店員(おばちゃん2人)だけの日と、日によって男性店員がいる日もあり、どの店員もすべからく客への対応が良い。
 この店の一番人気は「カツカレー」で、女性客を含めてほとんどの客が「ビーフカツカレー」を注文する。メニューを見ると、辛さを選べるのは「ビーフカレー」だけのようで、辛さは甘口、中辛、辛口の3種類。この他に、「チキンカレー」や「シーフードカレー」、「ベジタブル」などがあるが、これらは全て甘口となる。初日にお勧めの「ビーフカツカレー」を食べたかったが、既にラーメンを1軒取材した後だったのでこの日はカツを諦め、まずは「ビーフカレー」の中辛を試してみた。黄色いターメリックライスの上にかけて出されるカレーのルーは、まるでスープカレーのようにサラサラとしているため、ライスの下に染みて隠れてしまうほど。ビーフよりもチキンの方がよりサラサラ感が強いような気がする。見た目はビーフが溶けてしまっているので、ほとんど肉の形がない。食べてみると唐辛子の辛さなのか、とてもスパイシーでタマネギの甘さを感じる。「CoCo壱番屋」の1〜2辛相当と、通常の中辛に比べると辛めだ。このような辛めのカレーには、やはり福神漬けよりも紅ショウガの方がピッタリくる。別な日に改めて「チキンカツカレー」を注文。チキンカレーは甘口とのことだが、実際は中辛であった。つまり、この店の甘口は一般にいう中辛で、中辛が辛口、辛口は恐らく激辛相当なのである。カツは肉が薄めで衣がカリッとしている。一口大に細かく切られているので食べやすい。
 店内にはS&Bの業務用の大きなカレー粉の缶が並べられているが、この店のメインスパイスはもしかするとS&Bのカレー粉なのかも。それにしても、忘れた頃にまた食べたくなるような後を引くカレーであり、やはり「ビーフカツカレー」の中辛が一押しである。ちなみに、唯一の不満は、ルーの量が少ないことで、ルーをもうひとかけしてほしいと感じた。(2014年5月追加)

左京区東大路通丸太町上ル東側聖護院西町12  
電話番号:075-751-7415
定休日:金曜
営業時間:11時〜22時15分
予算:ビーフカツカレー950円
アクセス:京阪鴨東線・神宮丸太町駅出入り口1番を出て丸太町通を左へ(川端通りと反対側へ)。「日本基督教団・京都丸太町教会」、「熊野神社」を過ぎ、東大路通を左折する。200mほど進むと左側に京都大学医学部附属病院が見えるのでその向かい側(右側)。
最寄りのランドマーク:京都大学医学部附属病院、東大路通
お勧めポイント:ビーフカツカレーが美味しいカレー店

ビーフカレー(中辛)

チキンカツカレー(甘口)

コムシコムサ

 東山二条のマンションの1階にあった大人気のフレンチ店。2015年に東山動物園の北側路地奥に移転した。僕はまだ新しい店舗には行ったことはないが、ホームページで見る限り、前店と比べるとかなり広くなり、シックで落ち着いた雰囲気になったようだ。厨房では禅僧のように口数の少ないシェフが黙々と調理をしており、サービス担当のマダムの軽妙なトークとのコントラストが何ともいい。
 ランチ、ディナーともお任せの1コースのみで、この日頂いたディナーは、前菜が4品、メインの魚料理と肉料理、そして締めのお茶漬け(あるいはチース盛り合わせ)、デザート、コーヒー、小菓子という内容。ソースは全体的に軽めだが、どれも塩味のしっかりとしたメリハリのある料理である。それにしても、全国各地から仕入れた厳選素材と、その魅力をとことん引き出すシェフのスキルが素晴らしい。また、ほうじ茶と鰹出汁で引かれた貝茶漬けも実に京都らしい一品。素材や料理内容を考えると、日本でもトップクラスのコストパフォーマンスのフレンチであろう。加えて、グラスワインやマールなどのチョイスもなかなか良い。
 ちなみに、予約は2カ月前から受け付けるが、サービス担当がマダムしかいないため、予約できる時間帯はオフタイムに限定される(10時〜11時半、16時〜17時半、22時〜22時半がベスト)。また、店内ではシャッター音のする写真撮影やフラッシュを使った撮影は禁止なのでご注意を。(2019年9月追加)
http://comme-ci-comme-ca.net/

左京区岡崎法勝寺町124-4
電話番号:075-771-0296
定休日:月曜・火曜
営業時間:【水曜〜木曜】18時〜20時、【金曜〜日曜】12時〜13時、18時〜17時半
予算:【ランチ】お昼のおまかせコース5440円、【ディナー】夜のおまかせコース10800円
アクセス: 地下鉄東西線・東山駅1番出口を出て三条通りを左へ進む。「白川橋」を渡り、「三条神宮道交差点」の信号を過ぎ、さらに左にある小さな鳥居を過ぎたすぐの信号(「お好み焼・鉄板焼 きらく」があり)を左折して、岡崎通りを進む。細い岡崎通りを300mほど進むと急に開けて通りが広くなり、左に「京都市美術館」、右に「京都市動物園」が見える。「岡崎公園」手前の信号を右折して二条通りを進むとすぐ左に「権太呂・岡崎店」があり、その角を左折するとすぐ右側の住宅。東山駅から徒歩15分
最寄りのランドマーク:京都市美術館、京都市動物園、岡崎公園、二条通り
お勧めポイント:コスパのいい秀逸なフレンチ

ホタルイカと生ハムの盛り合わせ、静岡産掛川トマトを添えて

一つ目のパンにタップナード(黒オリーブとアンチョビペースト)を添えて

アワビと椎茸のオーブン焼き(アワビの肝ソース)

あまりに美味しかったので肝ソースをパンをつけて食べた

フォアグラとアンディーブのソテー(食べかけ)

2つめのパン(バゲット)

詳しくは忘れたが魚料理

仏シャラン産窒息鴨のローストココナッツソース

ほうじ茶と出汁を使った貝茶漬け(or チーズをチョイス可)

Pizzeria Napoletana Da Yuki
       (ダ・ユウキ)

 なぜ京都にピザ職人が多いのかは不明だが、自転車で街をぶらぶらしているととにかくピッツェリアが目に付く。この店も岡崎の 「旬席 鈴江(→ 京都グルメバイブル・日本料理店の頁を参照)」 へ行く時に店の前の行列が気になり、後に取材してみたナポリピザ専門店である。調べてみると、この店は京都でも屈指の人気店のようだ。ウィンドウ越しに外から薪釜が見え、店内はかなり狭く窮屈そうである。店に入ると左側に外から見えたピザ釜と薪が、右側にカウンター席、そして窓際にテーブル席があり、かなり小さな店である。
 この日のメニューを見ると、レギュラーのピザが15種類、そして日替わりのピザが7種類あった。さらに、ピザ以外の料理もピッツェリアとは思えないくらい豊富で、ピッツェリアというより通常のイタリア料理店のようなラインナップ。この店で使用する水牛のモッツアレラチーズは、ナポリで出来上がって24時間以内に日本に直送されるという。メニューの中で特に気になったのは、京都らしいネーミングの「KAGUA(馨和)」というビール。白と赤があり、今回は白(Blanc)の方を注文。味はスモーキーかつフルーティで、サッパリとした感じ。しかしラベルを見てみると、中身は京都でなくやはりベルギービールであった。
 今回はピザ以外のメニューの中から「間人(たいざ)産白イカのリピェーノソテー」を、そしてレギュラーのピザメニューから「マルゲリータD.O.C.」を注文した。通常の「マルゲリータ」と「マルゲリータD.O.C.」の違いは、乳牛のモッツアレラチーズか水牛のモッツアレラチーズかの違いである。この店自慢の水牛モッツアレラチーズは確かに美味しく、ピザ生地も少し塩味が効いていてモチモチとして旨い。但し、トマトソースだけはシンプルすぎて何かしらの物足りなさを感じてしまう。「間人産白イカのリピェーノソテー」は、魚介をミンチにしてイカに詰めてソテーしたもので、これもなかなかイケル。
 ちなみに、ピザ職人の男性が1人とカウンター内に男性料理人が2人、そしてサービス担当の女性が1人でやっているが、人気店にも関わらず店員の接客は良かった。今回の取材では、1人取材であるという物理的・時間的な都合上、ピザは「マルゲリータD.O.C.」の1品しか食べていないが、これまでの経験からこの評価でほぼ間違いないと思う。人気店なので事前の予約は必須である。(2014年9月追加)

左京区岡崎円勝寺町36-3  
電話番号:075-761-6765
定休日:月曜(祝日の場合には翌日が休み、不定休があるので要確認)
営業時間:12時〜15時、18時〜22時半
予算:マルゲリータD.O.C.1900円
アクセス:地下鉄東西線・東山駅1番出口を出て三条通を右へ進む。「古川町商店街」の真向いの道(古川町通)を左折して進む。「田村豆腐店」を過ぎ、右に「京都文教学園」を見ながら進むと広い仁王門通へ出る。「京都文教中学高等学校」を過ぎ、平安神宮の堀のあたりに「左京消防署岡崎消防出張所」が見えるのでその隣。東山駅から徒歩5分。
最寄りのランドマーク:古川町通、京都文教学園、仁王門通、左京消防署岡崎消防出張所
お勧めポイント:京都ナンバーワンの人気ピッツェリア

外から見たピザ釜と薪

ランチ時は開店と同時にすぐに満席となります

「KAGUA(馨和)」の白(Blanc)

ラベルを見てみるとベルギービール。確かに「ヒューガルデン」っぽい味だ

「間人産白イカのリピェーノソテー」

イカを含む魚介をミンチにてイカに詰め込んだ断面

水牛のモッツアレラチーズを使った「マルゲリータD.O.C.」

  

中華料理 華祥(かしょう)

 叡山電鉄・元田中駅近くにある人気の中華料理店。1階はL字型のオープンキッチンのカウンター席があり、2階はテーブル席となっている。メニューを見た限りでは、この店は基本的に四川料理店のようだが、広東料理も混じっていて実のところはよく分からない。また、メニューには「フカヒレの姿煮」のような本格的な料理もあるが、コースで食べるような本格的な中華というよりもむしろ、大衆的なB級カジュアル中華というような位置づけであろう。なので、この店の一番人気は「あんかけ焼きそば」、2番人気は「麻婆丼」と「麻婆豆腐」なのである。
 「あんかけ焼きそば」の麵は中太のやや平麺になっており、かん水の香りや卵の香りが感じられる。麵は表面がカリッと焼かれていて食感がいい。具材は白菜、イカ、エビ、豚肉、ニンジン、青梗菜、キクラゲなどが入っているが、白菜が特に多めだ。素材の火の通し方や塩味も丁度良く、餡かけのトロミ具合もいい。2番人気の「麻婆豆腐」は、豆豉が効いていて味に深みはあるが、花山椒の香りは僅かで、全く辛くなくインパクトがない。なので、「麻婆豆腐」は特にお勧めというレベルにはなく、僕のお勧めは、あくまでも「あんかけ焼きそば」である。(2014年11月追加)
http://www.kasyou.jp/index.html

左京区田中里ノ内町41-1  
電話番号:075-723-5185
定休日:水曜
営業時間:11時〜14時、17時半〜21時半
予算:あんかけ焼きそば800円(ランチタイムは850円で、ご飯、唐揚げ、ザーサイ付きのセットがある)
アクセス:今出川通を東に進み、東大路通との交差点「百万遍」を左折して北に進むと「田中里ノ前」交差点の角にある。地下鉄烏丸線・今出川駅から車で5分
最寄りのランドマーク:東大路通、田中里ノ前交差点
お勧めポイント:あんかけ焼きそばが美味しい中華料理店

お昼のメニュー

1階のオープンキッチンのカウンター席

あんかけ焼きそば

麻婆豆腐

黒い粒が豆豉(トウチ=大徳寺納豆に近い味)

  

旬席 鈴江

 平安神宮にほど近いところにひっそりと佇む隠れ家的な日本料理店。先斗町から移転して今年で9年目を迎える店の前には、夏になると白川に蛍が舞い、ロケーション的にもなかなか良い。店はこぢんまりとしていて小さく、左側にカウンター席、右側に小上がりがある。掘りごたつになっている小上がりは、3つの個室に仕切ることが出来るが、開放すれば最大14名までの座敷としても利用できる。
 僕はこれまで、ミシュランガイドで最高評価の日本料理店「京都吉兆 嵐山本店」や「未在」、「菊乃井 本店」、「瓢亭 本店(→ 京都グルメバイブル・日本料理の頁を参照)」 、 「吉泉(→ 京都グルメバイブル・日本料理の頁を参照)」 などいろいろと食べてきたが、実はこの店の料理に最も感銘を受けたのである。店主の鈴江さんが仕入れている素材は驚くほど厳選されたもので、魚などは産地直送で仕入れているという。しかも、その最高の素材を最高の状態で調理し、素材の旨味を余すことなく引き出しているのである。素材の特徴を熟知したその料理法には感動すら憶えるほど。
 専属のサービス担当はおらず、料理人だけのサービスなので、ミシュランガイドなどではどうしても評価が低くなってしまうのかもしれないが、間違いなく日本最高峰の料理が頂ける今旬な店である。(2014年8月追加)

左京区岡崎神宮道仁王門白川南入ル  
電話番号:075-771-7777
定休日:不定休(8月中旬、年末年始)
営業時間:17時〜20時
予算:お任せコース3万円くらい
アクセス:地下鉄東西線・東山駅1番出口を出て三条通を左へ。白川を渡り、「三条神宮道交差点」信号を左折し、神宮道を進む。平安神宮の堀の手前・仁王門通を左折する。すぐに白川が見えるので左折して川沿いに進むとすぐ右側にある。東山駅から徒歩5分。
最寄りのランドマーク:平安神宮、みやこめっせ、京都観世会館、左京消防署岡崎消防出張所
お勧めポイント:日本最高峰の和食が頂ける

白川のほとりの小道を歩いて行きます

分かりにくいですが、行灯の見えるところが店の入り口です

カウンター席

カウンター席と小上がりの間の通路

小上がりの座敷

先ずはエゾバフンウニのワサビ添え

混ぜると中から蓴菜(ジュンサイ)が

真鯛の刺身とその白子添え

あしらい(飾り葉)をどけた状態

煮アワビの柚子風味

南天の葉の右に見えるものが本日の炭火焼きの素材

手前が生のトリ貝、奥がハモ

店主の鈴江さんが軽く炭火で焼いてくれます

焼きハモ 塩をワサビで頂きます

焼いたトリ貝 やはり塩とワサビで頂きます

焼き鴨ロース

だし汁が旨い!!

北海道産毛ガニ カニ味噌添え

握り寿司2種

本マグロ中トロの握り寿司

ハモの握り寿司

デザートのフルーツ大福?(素材は求肥?詳細は忘れました)

  

中善

 北白川の裏通りにある食べログで人気の日本料理店。店内はカウンター6席と4人掛けテーブル席が1つだけで、割とこぢんまりとしている。料理人は店主も含めて2人だけなので、この人数くらいが丁度良いのかも知れない。店主は「露庵 菊乃井 木屋町店」出身で、とても人当たりが良くなかなかの好人物。料理はどれも悪くないが、「露庵 菊乃井 木屋町店」ほど料理にキレは感じられない。なので、これは!というような逸品もなかった。コストパフォーマンス的には決して悪くなく、比較的遅くまでやっているので使い勝手もよさそうだ。人気店であるため、平日は中々予約がとれないが、日曜日はかなり空いているそうである。日本料理店にしては比較的ワインが揃っており、女将さんも含めて好印象の店である。(2012年10月追加)

左京区北白川久保田町26  
電話番号:075-708-7519 
定休日:水曜
営業時間:17~23時
予算:コース7000円、10000円 
アクセス:白川通今出川交差点を北に向かうと、スーパー「大国屋白川店」があるので角を左折すると左側にある。 
最寄りのランドマーク:白川通今出川交差点 
お勧めポイント:比較的遅くまでやっている優良日本料理店

瓢亭本店

 2005年以来の7年ぶりの訪問。僕が夏に京都を訪れたときの楽しみは、この店での朝粥を食べること。通常のコースに比べるとお手頃な価格で「瓢亭 本店」の味と雰囲気が楽しめ、しかも午前8時から頂ける。庭に面した離れで頂く朝粥は、味も風情も日本最高の朝粥である。
 夏季に京都を訪れたときには必ず食べてみてほしい。入り口には草わらじが掛けられ、南禅寺を訪れる参拝客をもてなしていた頃そのままの往時が偲ばれる佇まい。「瓢亭」は本店の他、隣りにカジュアルな別館があるが、やはりお勧めは本店である。本店の庭には3つの離れがあり、それぞれ互いに見えないような草庵になっている。最も大きい一番奥の離れだけは左右3つの部屋に分かれており、畳みの茶室とテーブル席の茶室、そして広間がある。従って、奥の離れだけは隣や奥の部屋の声が聞こえるが、入り口近くの2つは、お膳を運ぶ仲居さんの下駄の音と鳥の鳴き声だけが聞こえる完全個室となっている。静寂さを求めるなら手前の離れの方が良いだろう。但し、奥の離れ以外は座布団に座って寄りかかれないので、お年寄りや外国人はかなりつらいかも。一番奥の離れの向かいには400年前に建てられた草葺きの建物があり、現在はお手洗いとして使用されている。男性用の自動小便器の中には、小便の跳ねよけと臭いよけのための杉の葉が入れられていて面白い。自動小便器になる前からの古来の知恵らしいが、自動となってからもそのまま受け継がれているのは京都らしい。トイレも含め、離れの室内はどこも暗いので、本店の離れで食べるのなら、朝か昼の明るい時間帯に訪れるのをお勧めしたい。この日の昼のコースのお椀は、鱧とジュンサイのお吸い物。奇しくも昨日の「阪川」の椀と同じ素材。素材こそ「阪川」の方が上質であったが、出汁に関しては「京都吉兆」同様の深遠さを感じさせる旨味があった。この店の刺身で必ず出る明石鯛は本当に旨い。プリプリ感に加え、旨味があるのだ。刺身には土佐醤油、トマト醤油、塩がつくが、刺身をトマト醤油につけて食べると、塩とグルタミン酸の旨味だけがして、トマトの青臭さなどは感じられない。しかし、直接舐めてみると僅かにトマトを感じて不思議な味だ。
 この店を訪れていつも感心するのは料理を入れる器の素晴らしさ。そして、鮎は予め骨が抜いてあるなどの細かな配慮。それにしても、美味しい店は何を食べても美味しい。例え添えられた枝豆に至るまで隙が無いくらい美味しいのだ。しかも、伝統に裏打ちされた中にも斬新さを感じさせるような料理なのである。この「瓢亭」と「菊乃井本店」、「京都吉兆嵐山本店」の3店は同じ共通点を感じさせ、僕も認める真の3つ星店といえる。本店は空いていれば今回の僕のように1人でもOKだが、基本的には2人からとなっている。 (2012年7月)

左京区南禅寺草川町35  
電話:075-771-4116
定休日:第2,第4火曜日(都合により変更となることも)
営業時間:11時~19時半(朝粥は8時~10時までの2時間)
予算:朝粥(7/1~8/31)6000円(12月~3/15うずら粥12100円)。昼:23000円~ 、夜27000円~
アクセス:。地下鉄東西線・蹴上駅の2番出口を出て左へ向かい、右に南禅寺を見ながら直進する。ウェスティン都ホテル前の信号を渡り、右に南禅寺を見ながらさらに細い仁王門通を進む。右に白壁を見ながら直進すると、右側に見える。南禅寺前の信号が見えたら、交番の角を左折する。地下鉄東西線蹴上駅より徒歩7分。 
最寄りのランドマーク:南禅寺、ウェスティン都ホテル 
お勧めポイント:伝統に裏打ちされた中にも斬新さを感じさせるような料理。日本最高峰の朝粥もお勧め。

吉泉(きちせん)

 まずタクシーを降りて驚いたのは、店の入り口で袴姿の男性が出迎えてくれたことである。このようなビジュアル的な演出以外に、建物や食器なども素晴らしく、京都らしさを求める観光客や外人客を連れて行くには打ってつけの店である。特に、この店の座敷が素晴らしいとのことだが、僕は1人客であるため、残念ながら座敷を利用する機会が未だない。僅か5席のカウンター席も決して悪くないが、カウンター席に着くには、まず玄関で靴を脱いで上がり、何故かすぐ右横の入り口から草履に履き替えて席に向かわなければならない。しかも草履には鼻緒があるため、ソックスやストッキングを履いていると、足下が落ち着かない感じがする。やはりこの点は、ビジュアルよりも機能的な和風テイストのスリッパにするか、草履を履かなくてもカウンターに座れるようにしてほしいところ。カウンターに座ったときのもう一つのデメリットは、コース終盤に関西人丸出しの店主が、積極的に話しかけてくることであろう。話し好きの僕は気にならなかったが、これがネット上では不評のようだ。しかし、料理はどちらかというと、素朴な中にも華があって僕の好みである。中でも、夜の本会席のコースはランチのコースに比べるとより華やかなので、予算が許せば、昼でも夜のコースを頼んでみては。コストパフォーマンス的には微妙なところであるが、京都らしい雰囲気と美味しい日本料理に出会える素晴らしい店である。ちなみに、タクシーは呼んでもすぐには来ないので、早めに頼んでおいた方が良い。(2012年6月)

左京区下鴨森本5番地  
電話:075-711-6121 
定休日:不定休 
営業時間:12時~15時、16時半~22時
予算:昼:8000円、10000円、12000円、夜:14000円、17000円、20000円、22000円 
アクセス:下鴨本通と御蔭通との交差点から北へ200m:下鴨本通沿いの右側。地下鉄今出川駅よりタクシーで5分。JR京都駅からタクシーで15分。 
最寄りのランドマーク:糺(ただす)の森 、河合神社(下鴨神社の摂社)
お勧めポイント:京都らしい雰囲気と美味しい日本料理に出会える素晴らしい店

京都市下京区

タレカツ 京都本店

 東京を中心に多店舗展開する新潟カツ丼チェーン店。関東以外の店舗は、この京都本店しかないようだ。僕はかつて「吉祥寺店」で一度食べたことがあるが、新潟で食べた「とんかつ太郎」や「とんかつ政ちゃん」などといった有名店とほぼ変わらない味で、ファストフード店としてはなかなか良い店だと思っていた。まさか、京都で再びお目にかかれるとは思ってもみなかったが、関西では珍しいローカルB級グルメなので掲載することに。
 そもそも「新潟カツ丼」とは、薄く叩いた豚肉のモモ肉あるいはヒレ肉(店によっては牛肉もある)に細かなパン粉を塗して揚げ、天丼のタレに似た甘辛醤油ダレにさっと潜らせてご飯にのせたもの。玉子やソース、キャベツなどといった余分なものは一切入ってないシンプルなカツ丼なのである。
 店内は、木とコンクリートを組み合わせた和モダンな造りで、常に若者たちで混雑している。基本のメニューは、モモ肉を使った「カツ丼」とヒレ肉を使用した「ヒレカツ丼」の2種類であり、カツの枚数とご飯の量によって「ミニカツ丼orミニヒレカツ丼」、「カツ丼orヒレカツ丼」、「二段盛りカツ丼or二段盛りヒレカツ丼」の3つのボリュームに分かれている。この他にトロロがのった「とろろカツ丼」や海老フライがのった「海老丼」、豚カツと海老フライがのった「合いもり丼」などがある。「カツ丼」と「ヒレカツ丼」は、どちらも見た目は同じだが、「ヒレカツ丼」の方が柔らかくて肉質も良くお勧めである。
 ちなみに、この店のタレは、有機栽培で育てられた大豆を天然酵母で醸造した最高級の「有機醤油」に、砂糖や特製スープを注ぎ足したタレだという。豚肉は「和豚もちぶた」を使用し、純正ラードでカラッと揚げられていていい。しかし、米は新潟米を少し硬めに炊いているため、食感が良くなくイマイチだ。カツとご飯をそのまま食べても良いし、卓上にある辛子をカツにつけて食べても旨い。なお、ほとんどのメニューはテイクアウトもできる。(2019年10月追加)
http://tarekatsu.jp

下京区綾小路柳馬場下がる塩屋町44  
電話番号:075-341-8350
定休日:無休
営業時間:【月曜〜土曜】11時〜22時、【日曜・祝日】11時〜21時
予算:ヒレカツ丼1120円
アクセス:地下鉄烏丸線・3番出口を出て左をすぐに左折し、綾小路通りを進む。東洞院通り、高倉通り、堺町通りを過ぎ、次の交差点の右側(柳馬場通りとの交差点)。
最寄りのランドマーク:綾小路通り、柳馬場通り
お勧めポイント:京都唯一の新潟カツ丼専門店

綾小路通りを進むと・・・ ココです! 店内は、木とコンクリートを組み合わせた和モダンな造りで、常に若者たちで混雑している基本のメニューは、モモ肉を使った「カツ丼」とヒレ肉を使用した「ヒレカツ丼」の2種類であり、カツの枚数とご飯の量によって「ミニカツ丼orミニヒレカツ丼」、「カツ丼orヒレカツ丼」、「二段盛りカツ丼or二段盛りヒレカツ丼」の3つのボリュームに分かれている。この他にトロロがのった「とろろカツ丼」や海老フライがのった「海老丼」、豚カツと海老フライがのった「合いもり丼」などがある ほとんどのメニューはテイクアウトもできる プラス50円で辛いタレにも変更できる カツとご飯をそのまま食べても良いし、卓上にある辛子をカツにつけて食べても旨い 「ヒレカツ丼」と追加の「カツ丼」の肉1枚 「カツ丼」と「ヒレカツ丼」は、叩いて薄く揚げているので、どちらも見た目は同じだが、「ヒレカツ丼」の方が柔らかくて肉質も良くお勧めだ

茶寮翠泉 高辻本店

 高辻通りにある人気のスイーツ店。古いビルの1階にある店内に入ると、手前にスイーツを販売するショップとショーケースがあり、右手前と奥にテーブル席がある。まるでシックな雰囲気の喫茶店のようで、今流行の明るい和モダンテイストのインテリアではない。
 この店のスイーツは総じて高いレベルとは言えないが、季節限定の「出来立て抹茶わらび餅」と「出来たてわらび餅」の2つだけは美味しい。わらび餅にはこの他に、冷たい「手作りわらび餅(通常のものと抹茶の2種)」というテイクアウトできるものもあるが、出来たての方が圧倒的にいい。
 出てきた「出来たてわらび餅」は、ほんのりと温かく、まるで笹屋昌園の究極のわらび餅「至高(→ 京都グルメバイブル・お土産の頁を参照)」のように滑らかでとろけるような柔らかさ。それは、あまりにトロトロ過ぎて直ぐにスプーンから脱落してしまうほど。箸を使っても絡まずに食べづらいので、両方を上手く使って食べるのがお勧めだ。また、好みかもしれないが、通常の「出来たてわらび餅」よりも「出来たて抹茶わらび餅」の方が、和三盆と抹茶の両方を入れて練り上げられている分、抹茶の苦味と和三盆の甘味の重層感が味わえてお勧め。そのままきな粉や小豆と一緒に食べた方が抹茶の風味がよく分かるが、もちろん黒蜜をかけて食べても美味しい。
 一方、「濃茶ソフトクリーム」は滑らかかつ濃厚で、ミルキーさこそないが、逆に濃茶のニュアンスを感じられて悪くない。「濃茶チーズケーキ」は、カッテージチーズのようにボソッとして舌にくっつく食感が良くなかった。(2019年10月追加)
https://saryo-suisen.com

下京区高辻通東洞院東入稲荷町521  
電話番号:075-278-0111
定休日:無休
営業時間:10時半〜17時半
予算:出来たて抹茶わらび餅(玉露茎ほうじ茶付き)1460円
アクセス:地下鉄烏丸線・四条駅5番出口を出て左へ。「ダイワロイネットホテル京都四条烏丸」を過ぎた「烏丸高辻交差点」を左折する。高辻通りを進み、「ホテル日航プリンセス京都」を過ぎると右側にある。四条駅より徒歩3分
最寄りのランドマーク:烏丸高辻交差点、ホテル日航プリンセス京都
お勧めポイント:出来たてトロトロの本わらび餅が味わえる

「烏丸高辻交差点」から近い高辻通り沿いの・・・ ココです! 古いビルの1階にある店内に入ると、手前にスイーツを販売するショップとショーケースがあり、右手前と奥にテーブル席がある。まるでシックな雰囲気の喫茶店のようで、今流行の明るい和モダンテイストのインテリアではない メニュー1 メニュー2 メニュー3 メニュー4 メニュー5 メニュー6 「出来たて抹茶わらび餅(玉露茎ほうじ茶付き)」 説明文 和三盆と抹茶の両方を入れて練り上げられている分、抹茶の苦味と和三盆の甘味の重層感が味わえてお勧め。そのままきな粉や小豆と一緒に食べた方が抹茶の風味がよく分かるが、もちろん黒蜜をかけて食べても美味しい。 「出来たてわらび餅(玉露茎ほうじ茶付き)」 説明文
「出来たて抹茶わらび餅」に比べるとシンプルな味わい 濃茶ソフトクリーム」は滑らかかつ濃厚で、ミルキーさこそないが、逆に濃茶のニュアンスを感じられて悪くない「濃茶チーズケーキ」は、カッテージチーズのようにボソッとして舌にくっつく食感が良くなかった

ムジャラ

 2016年にオープンしたスパイシーカレー店。土日には、開店前から行列を作るほどの人気店である。店はマンションの1階にあり、まるで古い喫茶店のよう。店内に入ると人民帽をかぶった店主がおり、何とも怪しい雰囲気である。まるで、大阪の「バンブルビー Bumblebee(→ 大阪グルメバイブル・カレーの頁を参照)」を思わせるちょっと変わった雰囲気だ。
 この日のカレーは「ブタバラカレー」と「ミントチキンカレー」の2種類しかなかったので、2種の合いがけにしたが、通常は3種類あるようだ。どちらのカレーも、ホールスパイスを感じさせるスパイシーかつ複雑な味わいで美味しい。辛さは中辛程度なので、辛さ強くしたいという方は、注文の際に告げる必要がある。バスマティライスは香り良く、カレーの見た目は量が多そうだが、実際にはそれほどではないので、意外にサラッと食べられてしまう。(2019年9月追加)
https://twitter.com/mujara_kyoto

下京区高辻通大宮西入坊門町832 イツワマンション1階  
電話番号:080-9161-1191
定休日:日曜、水曜
営業時間:11時半〜売り切れまで(金曜のみ11時半〜)
予算:本日のカレー【1種】1050円、【2種】1200円、【3種】1400円(ディナータイムは200円増し)
アクセス:地下鉄烏丸線・四条駅6番出口を出て、反対方向の京都駅方面へ向かう。京都府警下京警察署を過ぎた高辻通りを右折して、しばらく進む。室町通り、新町通、西洞院通り、油小路通り、堀川通、大宮通り(センチュリー21のある大宮高辻交差点)を過ぎ、1つ目の交差点を過ぎたら右側にある(京都市立松原中学校の向かい)。四条駅より徒歩で20分
最寄りのランドマーク:高辻通り、大宮通り、大宮高辻交差点、京都市立松原中学校
お勧めポイント:京都で味わえる本格的なスパイシーカレー

2016年にオープンしたスパイシーカレー店。土日には、開店前から行列を作るほどの人気店 店はマンションの1階にあり、まるで古い喫茶店のよう 店内に入ると人民帽をかぶった店主がおり、何とも怪しい雰囲気 この日のカレーは「ブタバラカレー」と「ミントチキンカレー」の2種類しかなかったので、2種の合いがけにしたが、通常は3種類あるようだ ドリンクメニュー 「ブタバラカレー」と「ミントチキンカレー」の合いがけ 「ブタバラカレー」 「ミントチキンカレー」

京都タワーサンドKYOTO TOWER SANDO

 京都タワーと言えば、京都観光の定番中の定番スポットであるが、タワー下のビルが改装されたのはご存じだろうか。地下1階から地上2階までは「京都タワーサンドKYOTO TOWER SANDO」としてリニューアルされ、かつて昭和の香りが漂っていた寂しげな店内は、劇的な変化を遂げた。
 地下1階にあるフードコート「FOOD HALL」には、京都の有名B級グルメ店が集まっている。お勧めは、二条城近くに本店がある「ラーメン しゃかりき」。この店を含めて4店舗を展開しているが、何故か、タンドリーチキンがメニューにあるのが不思議である。ラーメンはトッピングの違いにより、「座」、「洛」、「紫」の3種類があり、この他に「つけそば」と「まぜそば」がある。ラーメンは冷めないよう、真空のステンレスドンブリに入っている。麺はストレートの平太麺で、コシもほどほどあり、表面は滑らか。鶏油が浮かぶ醤油スープは色が濃いめで、新福菜館に似た感じのスープだ。具材では、豚チャーシューが美味しかった。わざわざ本店まで食べに行くという程のレベルではないが、京都駅から帰るときに時間があれば食べてもいいくらいのレベル。もう一つのお勧めは「ぎょうざ処 亮昌」。かつて、京都グルメバイブル2015の取材で本店を取材したことがあるが、結果的に掲載されず、今回も掲載しなかった。しかし、京都駅を出発する前に、もしも時間があればビールと一緒に食べてもいいかも。この店の餃子は、京都らしく「和だし餃子」を売りにしているのだが、実際には出汁の風味はあまり感じられない。表面がカリッと焼かれていて、小振りの京都らしい餃子ではあるが、餃子の餡は僕好みではない。
 1階には各種お土産品店があり、中でも僕のお勧めは、「KISSHOKARYO KYOTO吉祥菓寮(→ 京都グルメバイブル・お土産の頁を参照)」の「本わらび餅」と「きなの宮サンド」、さらに「洋菓子ぎをん さかい(→ 京都グルメバイブル・お土産の頁を参照)」の「京さんど」と「鞠すふれ」、「花くるみ」などである。
 2階は今流行の体験型観光施設となっており、和菓子の老舗「七條甘春堂」の和菓子作り教室や、寿司握り体験ができる「大起水産」の寿司セミナー、「清水焼」の窯元「あかね屋」がプロデュースする絵付けワークショップ、食品サンプルの「でざいんぽけっと」がプロデュースする食品サンプル作り体験などで、これらはインバウンドの外国人客に受けること間違いなし。さらに、地下2階には大浴場「YUU」があり、7時~21時半までお風呂を楽しむことができる。
 京都タワー展望室からは、京都市内360度を見渡すことができるが、今時のタワーとしては俯瞰視点が低いため、どうしても満足度は低くなる。ちなみに、世界緑内障週間の「日本緑内障学会 ライトアップ in グリーン運動」の時には、京都タワーが緑にライトアップされる
(2019年9月追加)
(下記アドレスを参照)。
http://www.ryokunaisho.jp/infomation/wgwgreenlightup2019.html#Kyoto
https://www.kyoto-tower-sando.jp

下京区烏丸通七条下る 東塩小路町 721-1
電話番号:075-361-3215
定休日:無休
営業時間:【地下1階FOOD HALL】11時〜23時、【1階・2階】9時〜21時、【京都タワー展望室】9時〜20時40分
予算:京都タワー展望券770円
アクセス:地下鉄烏丸線・京都駅、JR京都駅中央口を出ると目の前
最寄りのランドマーク:JR京都駅中央口(烏丸口)
お勧めポイント:リニューアルされたビル施設と定番の京都タワー

京都タワーと京都タワーサンド、京都タワーホテル地下1階にあるフードコート「FOOD HALL」には、京都の有名B級グルメ店が集まっている お勧めは、二条城近くに本店がある「ラーメン しゃかりき」。この店を含めて4店舗を展開しているが、何故か、タンドリーチキンがメニューにあるのが不思議 ラーメンはトッピングの違いにより、「座」、「洛」、「紫」の3種類があり、この他に「つけそば」と「まぜそば」がある もちろん、外国語メニューもある ラーメン(座)は冷めないよう、真空のステンレスドンブリに入っている 鶏油が浮かぶ醤油スープは色が濃いめで、新福菜館に似た感じのスープだ。具材では、豚チャーシューが美味しかった 麺はストレートの平太麺で、コシもほどほどあり、表面は滑らか。わざわざ本店まで食べに行くという程のレベルではないが、京都駅から帰るときに時間があれば食べてもいいくらいのレベル フードコート共用席 もう一つのお勧めは「ぎょうざ処 亮昌」 メニュー 餃子以外のつまみ 店のこだわり 「ビールセット」 京都らしく「和だし餃子」を売りにしているのだが、実際には出汁の風味はあまり感じられない。表面がカリッと焼かれていて、小振りの京都らしい餃子ではあるが、餃子の餡は僕好みではない 京都タワーのチケット売り場 自動券売機もある 大人770円は高い? このエレベーターで11階へ向かう ここで展望台へのエレベーターに乗り換える 世界緑内障週間の「日本緑内障学会 ライトアップ in グリーン運動」の時には、京都タワーが緑にライトアップされる展望台京都タワーから北方向を望む(手前に東本願寺が見える)

市原平兵衛商店

 後輩の新田先生から教えてもらった老舗の箸店。実はこの店、創業が明和元年(1764年)で、宮内庁御用達というから凄い。しかし、実際に店に行ってみると、外観はまるで鄙びた田舎の雑貨店のよう。最近、街でも小綺麗な箸の専門店を見かけるようになったが、この店の箸は美しいディスプレイなどとは一切無縁で、昔ながらの実質剛健な箸一筋の店なのである。食箸、揚げ箸、焼き物箸、盛りつけ箸、菜箸などの400種類もの品揃えも凄いが、この店が最も凄いと思うことは、老舗ゆえに最高の素材を入手できるルートを持っていること、そしてそれを加工する素晴らしい技術を持っていることである。まさに、それを体感できるのが「みやこばし すす竹食箸」である。
 「みやこばし すす竹食箸」は、約150年間囲炉裏などで燻された古い竹を使用したレア品で、この店以外で入手するのは非常に難しい。長い年月を経て乾燥した竹は非常に丈夫で、しかも反りにくいのである。しかも、この店の箸は細く先端は更に細い。それは、つかむと折れるのでは?と心配になるほど。この細さが重要で、とにかく手に馴染み、どんな小さなものでも滑らずにつかむことが出来るのである。後輩の新田先生は一家でこの箸を愛用しており、もちろん、我が家でも愛用している。
 以前、銀座グルメバイブルで銀座の有名箸店  「夏野 本店(→ 銀座グルメバイブル・ショッピングの頁を参照)」  を取材したときに、実はこの箸を捜した事がある。その結果、あるにはあったものの現物がなく入荷待ちの状態で、値段もこの店よりも高かったように記憶している。とにかく、一度この箸を使うと他の箸が使えなくなるくらい素晴らしく、まさにジャパンプレミアムと言っても良い品である。普通の箸に比べると値段はかなり高いが、素晴らしい伝統文化を手に入れたと思えば、決して後悔はしないと思う。ちなみに、太さや長さによって値段が異なるので、実際に持ってみて自分にしっくりくるものを選ぼう。(2014年1月追加)

下京区堺町通四条下る小石町118-1  
電話番号:075-341-3831
定休日:不定休
営業時間:【平日】10時〜18時半、【日曜・祝日】11時〜18時
予算:みやこばし すす竹食箸3360〜12600円
アクセス:地下鉄烏丸線・四条駅1番出口を出て右へ進み、四条通を右折する。東洞院通、高倉通を過ぎ、SMBC日興證券手前の堺町通を右折するとすぐ左側。四条駅から徒歩5分。
最寄りのランドマーク:SMBC日興證券京都支店
お勧めポイント:究極の箸・みやこばし すす竹食箸を購入できる

Mannekenマネケン JR京都駅店

 大阪吹田市の「株式会社ローゼン」が展開する焼きたてワッフルの店。日本初の本格ベルギーワッフルの店として梅田にオープン以来、現在は西日本を中心に出店している。僕は大阪の梅田で初めて購入して以来ファンとなり、神戸に行くと 「JR三宮駅店(→ 神戸グルメバイブル・お土産の頁を参照)」 で購入し、東京に行っては 「銀座マネケン(→ 銀座グルメバイブル・お土産・銀座周辺の頁を参照)」 や「JR秋葉原駅店」で購入している。
 ワッフルは小麦粉と砂糖というシンプルな材料で作るがゆえに味に差が出やすい。「マネケン」ではベルギー産の粒状パールシュガーにこだわり、表面をカリッと香り高く仕上げているという。その場ですぐ食べると、香りとサクサク感をさらに楽しむことができる。通常のレギュラーワッフルや季節限定のワッフルなど種類はいろいろあるが、持ち帰って温め直して食べることを考えれば、シンプルな「プレーン」か「メープル」が最もお勧め。また、時間をおいて食べる場合には、オーブントースターで軽く焼いて食べるのがお勧め。なお、伊丹空港(大阪国際空港)から帰る方は、ターミナル2階にも支店がある。また、ネット上での通信販売も行っている。(2014年2月追加)
http://www.manneken-ec.co.jp/

京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町 JR京都駅構内  
電話番号:075-352-3163
定休日:無休
営業時間:7時〜21時
予算:プレーン126円、メープル147円
アクセス:JR京都駅西口(2階)の駅ナカ通路にある。キップ売り場の隣り
最寄りのランドマーク:JR京都駅西口
お勧めポイント:日本初の本格ベルギーワッフル

村上重 本店

 この店の創業は天保年間というから、かれこれ180年以上になる.店の入り口に掛かる暖簾は薩摩・島津家の家紋であるが、これは幕末に高瀬舟を利用した島津の殿様がこの店の近くで休憩をとっていた時に、お茶請けとしてこの店の漬け物を出したところいたく気に入り、○に十の紋の使用を許されたとのこと。また、日本酒の造り酒屋の軒先に吊されている「杉玉」は、初代・村上重右衛門がもともと醤油や味噌の製造販売を行っていた名残だという。
 この店の漬け物はどれも昆布の旨味がタップリで美味しい。その昆布エキスの濃厚さは半端でなく、糸を引くくらい凄いのである。しかもこの店では最上級の数種類の昆布を使用し、産地はもとより、昆布の切り方にまで工夫を凝らしている。また、季節による気温や湿度を踏まえ、重石の調整や漬け込み日数を加減することで、野菜本来の味と昆布の旨みを最大限に引き出しているという。中でも冬に販売される「千枚漬」はこの店の看板商品である。同じ京都「大安」の特別限定品「別樽仕込み 千枚漬」と共に日本最高峰の千枚漬である。この他のお勧めは、定番の「白菜昆布漬」や「聖護院だいこん(青じそ入)」、「こぶ大根」、そして新商品であるピリッと辛い「本干しだいこん唐辛子風味」などである。
 ちなみに、「京都タカシマヤ」や福岡「岩田屋」にも支店があり、また、日本橋、新宿、玉川、名古屋、大阪の各タカシマヤの味百選コーナーでも購入が可能だ。(2014年2月追加)

下京区西木屋町四条下る船頭町190  
電話番号:075-351-1737
定休日:無休
営業時間:9時〜19時(土日・祝日は19時半まで)
予算:千枚漬(1袋)1000円、(1号樽370g)3150円
アクセス:「京都タカシマヤ」から四条通を祇園方面へ向かい。「京都マルイ」並びの「お菓子のデパート よしや」の角を右折したら突き当たりにある。
最寄りのランドマーク:京都タカシマヤ、京都マルイ
お勧めポイント:昆布の旨味タップリの日本一の千枚漬けを購入できる

JR京都伊勢丹

 「ジェイアール京都伊勢丹」の食品売り場はお土産の宝庫。特に地下2階にある有名料理店の弁当を販売する「老舗・名店弁当」がお勧め。「菊乃井」、「紫野和久傳」、「辻留」、「菱岩」、「吉兆」、「瓢亭(土日限定)」、「祇園 にしかわ(水曜限定)」など、名だたる有名料亭のお弁当を購入できる(前日までに要予約)。新幹線や飛行機に乗る前に購入し、駅弁や空弁の代わりに旅の途中で食べるのも良し、お土産として買って帰るのもいい。特に「吉兆」の5400円の弁当は、お造りやデザートまで付いていて非常に魅力的。一部の弁当は下記のアドレスからネット予約も出来る。その他に、 「いづう(→ 京都グルメバイブル・寿司の頁を参照)」 の鯖寿司や1万円を超える高級鯖寿司で知られる「朽木旭屋」の鯖寿司も購入できる。
 また、地下1階の売り場にある「京銘菓」コーナーでは、曜日によって「美玉屋の黒蜜団子(木、土の11時~)」や「出町ふたばの名代豆餅(月、水、金、日の12時~)」、「中村軒の麦代餅(木、日の11時〜)」、「長五郎餅本舗の長五郎餅(火、日の10時〜)」、「今西軒の名物おはぎ(土の11時〜)」、「京本山高台寺 洛匠の草わらび餅(毎日)」などが購入できる。「京本山高台寺 洛匠」の草わらび餅は、きな粉の香りは立たないがその食感が魅力。また、 「紫野 和久傳(→ お土産の頁を参照)」 の売り場で買える「西湖」は、蓮根と和三盆でつくった水仙粽のようなお菓子で、笹の葉の香りとプルンとした食感がいい。「れんこん餅」は西湖ときな粉のコラボレーションお菓子でこれもいい。また、 「京都北山 ぷちぽち→ 京都グルメバイブル・お土産の頁を参照)」 は一口サイズのラスクで、これが意外に美味しい。特に甘い「抹茶チョコ」と塩味の「七味マヨ」や「サラダ」がお勧め。
 京都限定販売の和菓子も魅力的なものが多い。大島糖の黒蜜羊羹に信州産クルミが入った「亀屋清永」の「月影」や、「俵屋吉富」の銘菓「雲龍」の抹茶版・限定菓子「龍鳳 抹茶味」もなかなかの完成度。さらに、桜餅好きには堪えられない嵐山「鶴屋壽」の桜餅や、鍋や汁物のスパイスとして最適な原了郭の「黒七味」なども購入できる。肉売り場には、すき焼きで有名な京都の「三嶋亭」や名古屋コーチンで有名な鶏専門店「三和」もある。(2014年12月更新)

 食品売り場はお土産の宝庫。特に地下2階にある有名料理店の弁当を販売する「老舗・名店弁当」はお勧めだ。「菊乃井」、「紫野和久傳」、「辻留」、「菱岩」、「吉兆」、「瓢亭(曜日限定)」、「祇園 にしかわ(曜日限定)」など、名だたる有名料亭のお弁当を購入できるのである(前日までに要予約)。新幹線や飛行機に乗る前に購入し、駅弁や空弁の代わりに旅の途中で食べるのも良し、お土産として家に買って帰るのもいい。特に「吉兆」の5400円の弁当は、お造りやデザートまで付いており非常に魅力的。この他に、 「いづう(→ 京都グルメバイブル・寿司の頁を参照)」の鯖寿司なども購入できる。
 また、地下1階のフロアにある「紫野 和久傳(→ お土産の頁を参照)」 の売り場で買える「西湖」は、蓮根と和三盆でつくった水仙粽のようなお菓子で、笹の葉の香りとプルンとした食感がいい。また、「パンのAWASEエリア」には、7つの有名パン店がある。中でも「パンSPOT」では週替わりで、関西の有名パン店の商品を購入できる。また、「和洋菓子SPOT」は2店舗があり、現在の和の店舗は「京本山高台寺 洛匠」で、「草わらび餅」が購入できる。きな粉はそれほど香り立たないが、そのムニュっとした食感が魅力的。洋の店舗は2〜4週ごとに、全国各地の有名店と入れ替わる。
 京都限定販売の和洋菓子も魅力的なものが多い。大島糖の黒蜜羊羹に信州産クルミが入った「亀屋清永」の「月影」や、「俵屋吉富」の銘菓「雲龍」の抹茶版・限定菓子「龍鳳 抹茶味」もなかなかの完成度。「洋菓子ぎをん さかい(→ 京都グルメバイブル・お土産に頁を参照)」の「京さんど」や「鞠すふれ」、「花くるみ」、「日本茶菓SANOAH(→ 京都グルメバイブル・お土産の頁を参照)」の「しっとりガトーショコラ 絹乃茶」と「十点」、「KISSHOKARYO KYOTO吉祥菓寮の「本わらび餅」と「きなの宮サンド」、「中村藤吉郎本店(→ 京都グルメバイブル・お土産の頁を参照)」の「抹茶ガトーショコラ」と「抹茶フィナンシェ」、究極のわらび餅といわれる「笹屋昌園(→ 京都グルメバイブル・お土産の頁を参照)」の「極(きわみ)」と、さらにその上位商品の「至高」。さらには、鍋や汁物のスパイスとして最適な原了郭の「黒七味」なども購入できる。肉売り場には、すき焼きで有名な京都の「三嶋亭」や名古屋コーチンで有名な鶏専門店「三和」もある。(2019年9月更新)
http://kyoto.wjr-isetan.co.jp/floorevent/bento/meiten.html

下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町 ジェイアール京都伊勢丹地下1階  
電話番号:075(352)1111
定休日:不定休(ジェイアール京都伊勢丹に準じる)
営業時間:10時~20時
アクセス:JR京都駅から直結
最寄りのランドマーク:JR京都駅

地下2階の「老舗・有名弁当」のコーナー

5400円の京都吉兆の弁当

4860円の菱岩の弁当

5400円の瓢亭の弁当

5400円の辻留の弁当

期間限定の美山荘の弁当

御幸町つばきの弁当

菊乃井のお総菜

エッグスンシングス
  Eggs ‘n Things 京都四条

 ある日街をブラブラしていると、長い行列が目に止まった。聞いたことのある名前だったのでホテルに帰って調べてみると、やはりハワイで人気のパンケーキ店であった。 海外初出店となった東京「原宿店」が、かつてあまりの人気ぶりにニュースや番組で何度も取り上げられたため、記憶に残っていたのだ。関東では「原宿店」の他、「横浜山下公園店」、「湘南江の島店」、「お台場店」、「銀座店」が、そして関西では、大阪「心斎橋店」と「神戸ハーバーランド店」、そしてこの「京都四条店」がある。この店のコンセプトは“All Day Breakfast”ということで、朝に限らず、昼でも夜でも美昧しくボリューム感のあるブレックファーストメニューを楽しめるのである。ホームページによれば、料理は朝食アラカルトを中心としたボリューム感のあるグランドメニュー、17時以降のディナータイムには、ハワイを感じられるロコフードやボリュームのあるアメリカンな料理など等が楽しめるらしい。
 店のコンセプト通り、この店は朝の9時から営業しているため、朝食を食べるにはうってつけの店なのである。しかしながら、平日でも開店前から店の前には行列ができ、土日・祝日は子供連れ客で長い行列となる。
 店内は白を基調とした明るい雰囲気で、1階だけでなく2階にもテーブル席があり、かなりの大箱店である。入店すると「おはようございます!アロハ〜!!」というディズニーランドのキャストのようなノリで、明るい声をかけられる。
 メニューを見ると、人気のパンケーキやワッフル、クレープの他、肉卵料理、オムレツ、そして地元ハワイアンに人気のスペシャルメニューなどがある。もちろん、この店の名物はホイップクリームが山盛りのパンケーキであるが、朝から山盛りのホイップクリームはちょいと厳しいので、朝食にお勧めしたいのが、もう一つの人気商品「エッグス・ベネディクト」。これはイングリッシュマフィン(食べてみるとほぼ食パンのよう)にベーコンとホウレン草の炒めものをのせ、そこに更にポーチドエッグをのせてオランデーズソース(薄いマヨネーズのようなソース)をかけたもの。これが意外にも美味しく、朝食としてはお勧めである。付け合わせに皮付きのフライドポテトが大量に付いてくるが、塩味だけだと飽きるので、後半はハインツのケチャップをつけて食べるといい。飲み物の定番は、ブラジル原産のアサイーを使った「アサイーバナナヨーグルト」。アサイー自体には若干香りがあるものの、酸味や甘みなどの個性はないので、バナナとヨーグルトがそれを補っていて飲みやすい。ちなみに、パンケーキには生地がプレーンのものと、生地に好みのフルーツやチョコなどを入れて焼いたものの2種類がある。生地に素材を入れたパンケーキにはホイップクリームが付かないが、プラス200円で追加することも可能。この店の一番人気は「ストロベリーホイップクリームとマカデミアナッツ」のパンケーキである。
 この日の店内はほぼ満員状態だったにもかかわらず、料理は注文後10分くらいで出てきた。この種の店としては回転が早い方なので、行列に並んでも思ったほど待たされないかも。しかしながら、開店15分前の8時45分に並べば、ほぼ1回転目で食べられるので、その方がより確実かも知れない。店内は禁煙であり、ベビーカーも利用できるなど、子供連れの客に対する細かな配慮がなされているのもいい。(2014年11月追加)
https://www.eggsnthingsjapan.com/

下京区東洞院通四条下る元悪王子町47-4  
電話番号:075-353-5009
定休日:不定休
営業時間:9時~21時
予算:エッグスベネディクト1200円、アサイーバナナヨーグルトドリンク700円
アクセス:阪急京都線・烏丸駅、地下鉄烏丸線・四条駅の出入口5番を出て、四条通を河原町方向へ進む。「TOKYU HANDS」を過ぎた交差点を右折し、東洞院通を進むとすぐ左側。烏丸駅、四条駅より徒歩2分
最寄りのランドマーク:TOKYU HANDS、東洞院通
お勧めポイント:本格的なハワイアン・ブレックファーストが食べられる

開店1時間前は全く人の気配が無し

しかし、開店10分前になると既に長い行列が

開店10分前に行列最後尾に並ぶ

「おはようございます!アロハ〜!!」というディズニーランドのキャストのような明るい声が

2階の客席

赤ちゃん用の椅子が用意されている

オムレツメニュー

肉卵料理のメニュー

この店の3大人気メニュー

パンケーキ用ソース

アサイーバナナヨーグルト

エッグス・ベネディクト

ポーチドエッグを割ると・・・

全体の断面はこんな感じ

皮付きフライドポテトにハインツのケチャップを

他の客が注文した「ストロベリーホイップクリームとマカデミアナッツ」のパンケーキ

レジ横で販売されている店のグッズ

新福菜館 本店

 京都駅近くの「たかばし」にある老舗ラーメン店。この店は、京都を代表して「新横浜ラーメン博物館」にも出店したほどの有名店。隣にある「本家 第一旭」とともに、早朝から多くの客で賑わっている。両店とも、早朝から比較的夜遅くまで通しでやっているので、とても便利。以前はこの店の方が圧倒的に人気だったが、今回改めて行ってみると何故か逆転し、「本家 第一旭」の方が更なる行列店となっていた。また、テレビや雑誌にでも取り上げられたのか?この店の方は、以前と違って若い女性客が目に付く。しかも、女性客なのに、「中華そば(小)」と「ヤキメシ」の両方を食べているのだ。
 “京都ラーメン”は、緑色の九条ネギがタップリとのっているのが特徴の一つ。この店も他のラーメン店と同様、京都産の九条ネギがのっているが、スープの色は他店とは異なり、「伊勢うどん」のように“タマリ醤油”を彷彿させる真っ黒な色なのである。一見濃くてクセがありそうだが、魚介系の味はごく僅かで動物系スープも強くなく、味は意外にサッパリとしている。中太ストレートの麺も悪くない。今回訪れたときには、前述のように「中華そば(小)」を注文している女性客が目立った。隣の「本家 第一旭 たかばし本店」にも小さいサイズのラーメンがあるが、これは、両店を同時に食べ比べてみたい方や、量が食べられない女性客や年配客にとっては嬉しいサービス。もちろん「中華そば」も美味しいが、僕はここの黒い ヤキメシ(チャーハン)が大好物で、京都に来るとよく朝食代わりに食べている。若い頃には、「ヤキメシ」と「中華そば」の両方を食べていたほど美味しい。 パラパラに炒められた「ヤキメシ」は、味が濃いめで香ばしいチャーシューと醤油の香りが何とも言えない。「まかないどん」なる新作メニューも登場し、今回新たにトライしてみた。御飯の上に薄く切られたチャーシューとモヤシ、そして九条葱がのっている。それに、チャーシューを煮たタレとタップリのコショウがかけられていて、これは美味しい!また、スープを取る一番ダシを使って作られたテイクアウト専用の「冷凍まかないカレー(300円)」も登場した。ちなみに、京都市内にはいくつかの支店があるが、早朝から営業しているのはこ

下京区東塩小路向畑町569  
電話:075-371-7648 
定休日:水曜 
営業時間:9時~22時 
予算:中華そば(並)650円、中華そば(小)550円、ヤキメシ500円 
アクセス:JR京都駅の中央口を出て右へ向かう。「メルパルク京都」を過ぎ、塩小路通沿いの線路側の歩道の信号を渡る。「TOPΣ京進」前を過ぎ、次の高倉塩小路交差点を右折すると上りの「たかばし」が見えるので、その右側。JR京都駅より徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:JR京都駅、TOPΣ京進、たかばし

フルーツパーラー ヤオイソ

 フルーツサンドで有名な人気のスイーツ店。元々この店の数軒隣りにある本店の果物屋2階にあったパーラー部門が独立した店である。店内は暖色系のポップなインテリアで、いつもに女性客で溢れている。また、本店(ヤオイソ四条大宮店)では果物の他、テイクアウト用のフルーツサンドも販売されている。
 季節によってメインとなるフルーツの種類が変わり、春はイチゴ、夏は桃やマンゴーとなる。この日の季節の果物はイチゴ。メニューを見てみると、「いちごパフェ」や「いちごサンド」、「いちごフロート」、「いちごジュース」等の他、「いちごづくし」のようなフルコースセットもあった。
 この店を一躍有名にしたフルーツサンドは、通常の「フルーツサンド」の他、マスクメロンとマンゴーが入った「ロイヤルフルーツサンド」やフルーツサンドの具材を大きめにカットにした「スペシャルフルーツサンド」などいろいろある。さらに、高級フルーツで知られる静岡産のマスクメロンを使用した「静岡マスクメロンサンド」なるものもある。どのフルーツサンドも、シットリと軽い生クリームがフルーツと良く合い、いくら食べても食べ飽きない美味しさ。もちろん、これまで僕が食べたフルーツサンドの中でナンバーワンであり、僕的には「ロイヤルフルーツサンド」が一押しである。
 パフェはマスクマロンを使った「静岡マスクメロンパフェ」や店員お勧めの「季節のフルーツパフェ」などいろいろあるが、今回は折角なので旬の「いちごパフェ」をチョイス。また、「いちごパフェ」にはMサイズとLサイズがあるが、Mサイズの方を選択。「いちごパフェ」は生クリームとバニラアイスを取り囲むようにイチゴが並べられ、生クリームやアイスクリームも甘さ抑えめでいい。また、関西以外の客なら、やはり関西名物の「ミックスジュース」が気になると思うが、口に含むとバナナやリンゴの香りが広がり、トロッと濃厚でありがら後味はサッパリとしている。店員お勧めの「完熟パインフロート」はやはりドロッと濃厚で悪くはないが、お勧めというほどではない。
 客のほとんどはフルーツサンドと生ジュースの両方を注文しているが、これらが予めセットになったお得なメニューもいろいろある。ちなみに、昼を過ぎるとかなり混み合うため、もしも並ぶのが嫌なら10時前か夕方ぐらいの方が良い。しかしながら、喫茶店の様に長居する客は少ないので、並んでいても比較的回転は早い方だ。また、朝の9時半からやっているので、京都へ来たときの朝食としてもいいかも。(2014年5月追加)

下京区四条大宮東立中町496  
電話番号:075-841-0353
定休日:無休
営業時間:9時半〜16時45分
予算:ロイヤルフルーツサンド1080円
アクセス:地下鉄烏丸線・四条駅(阪急烏丸駅)2番出口を出て、四条通を西に進む。新町通、西洞院通、堀川通を過ぎ、「須磨屋」を過ぎたらすぐ左側。四条駅から徒歩10分。阪急京都線・大宮駅や京福電気鉄道嵐山本線・四条大宮駅の目の前。
最寄りのランドマーク:阪急京都線・大宮駅、京福電気鉄道嵐山本線・四条大宮駅
お勧めポイント:至高のフルーツサンド「ロイヤルフルーツサンド」が食べられる

ロイヤルフルーツサンド

いちごパフェ

ミックスジュース

完熟パインフロート

本店(ヤオイソ四条大宮店)

マールブランシュ カフェ

 「マールブランシュMALEBRANCHE」は、京都限定菓子・お濃茶ラングドシャ「茶の菓」で知られる北山の有名菓子店。実はこのカフェは、その名の通り「マールブランシュ」が経営する店なのである。
 カフェはショップの横にあり、木と白を基調としたインテリアである。木製の家具は特注品?と思うほど素敵なつくりで、随所に和を意識した間接光や暖色系照明を取り入れているのでとても落ち着いた感じだ。また、テーブル上ののミルクや砂糖入れなども直接見えないよう木の箱の中にスッキリと収まっていてオシャレ。
 先ずは、入り口にあるレジで注文と会計を済ませ、番号が書かれたプレートを受け取って好きなテーブルに座る。注文した品は店員が運んできてくれる。僕の一押しは「お濃茶・ケーキソフト」。抹茶のソフトクリームにサクサクの抹茶のラングドシャを砕いて振り掛けたもので、抹茶の香りや苦みがほどほどで、何よりもサッパリとした甘さがいい。「ケーキソフト」はこの他に「モンブラン・ケーキソフト」と季節のケーキソフトがある。また、この店の名物「お濃茶フォンダンショコラ・生茶の菓」は、宇治・白川の濃茶を使った抹茶テリーヌである。ネットリとしており、ホイップクリームや柚子ソースにつけて食べる。まるで抹茶の生チョコのような食感で、濃厚なだけに好みが分かれるところ。しかしながら、濃茶や抹茶好きの方にとっては良いと思う。セットに付く飲み物はコーヒーか紅茶であるが、どうせなら、京都らしい鉄瓶で供される紅茶の方をお勧めしたい。
 わざわざこの店のために来るほどではないが、早朝からやっており、JR京都駅の八条口側の1階にあるので、待ち合わせや待ち時間があるときに使える店である。(2014年2月追加)

京都府京都市下京区東塩小路釜殿町31-1 近鉄名店街みやこみち  
電話番号:075-661-3808
定休日:不定休(近鉄名店街みやこみちに準じる)
営業時間:9時〜20時半
予算:お濃茶・ケーキソフト480円(この品だけは11時からの注文となる)
アクセス:JR京都駅八条口、近鉄京都駅1階の「近鉄名店街みやこみち」にある
最寄りのランドマーク:JR京都駅八条口、近鉄京都駅
お勧めポイント:有名菓子店が経営するJR、近鉄京都駅にあるカフェ

フルーツパーラー ヤオイソ

 フルーツサンドで有名な人気のスイーツ店。元々この店の数軒隣りにある本店の果物屋2階にあったパーラー部門が独立した店である。店内は暖色系のポップなインテリアで、いつもに女性客で溢れている。また、本店(ヤオイソ四条大宮店)では果物の他、テイクアウト用のフルーツサンドも販売されている。
 季節によってメインとなるフルーツの種類が変わり、春はイチゴ、夏は桃やマンゴーとなる。この日の季節の果物はイチゴ。メニューを見てみると、「いちごパフェ」や「いちごサンド」、「いちごフロート」、「いちごジュース」等の他、「いちごづくし」のようなフルコースセットもあった。
 この店を一躍有名にしたフルーツサンドは、通常の「フルーツサンド」の他、マスクメロンとマンゴーが入った「ロイヤルフルーツサンド」やフルーツサンドの具材を大きめにカットにした「スペシャルフルーツサンド」などいろいろある。さらに、高級フルーツで知られる静岡産のマスクメロンを使用した「静岡マスクメロンサンド」なるものもある。どのフルーツサンドも、シットリと軽い生クリームがフルーツと良く合い、いくら食べても食べ飽きない美味しさ。もちろん、これまで僕が食べたフルーツサンドの中でナンバーワンであり、僕的には「ロイヤルフルーツサンド」が一押しである。
 パフェはマスクマロンを使った「静岡マスクメロンパフェ」や店員お勧めの「季節のフルーツパフェ」などいろいろあるが、今回は折角なので旬の「いちごパフェ」をチョイス。また、「いちごパフェ」にはMサイズとLサイズがあるが、Mサイズの方を選択。「いちごパフェ」は生クリームとバニラアイスを取り囲むようにイチゴが並べられ、生クリームやアイスクリームも甘さ抑えめでいい。また、関西以外の客なら、やはり関西名物の「ミックスジュース」が気になると思うが、口に含むとバナナやリンゴの香りが広がり、トロッと濃厚でありがら後味はサッパリとしている。店員お勧めの「完熟パインフロート」はやはりドロッと濃厚で悪くはないが、お勧めというほどではない。
 客のほとんどはフルーツサンドと生ジュースの両方を注文しているが、これらが予めセットになったお得なメニューもいろいろある。ちなみに、昼を過ぎるとかなり混み合うため、もしも並ぶのが嫌なら10時前か夕方ぐらいの方が良い。しかしながら、喫茶店の様に長居する客は少ないので、並んでいても比較的回転は早い方だ。また、朝の9時半からやっているので、京都へ来たときの朝食としてもいいかも。(2014年5月追加)

下京区四条大宮東立中町496  
電話番号:075-841-0353
定休日:無休
営業時間:9時半〜16時45分
予算:ロイヤルフルーツサンド1080円
アクセス:地下鉄烏丸線・四条駅(阪急烏丸駅)2番出口を出て、四条通を西に進む。新町通、西洞院通、堀川通を過ぎ、「須磨屋」を過ぎたらすぐ左側。四条駅から徒歩10分。阪急京都線・大宮駅や京福電気鉄道嵐山本線・四条大宮駅の目の前。
最寄りのランドマーク:阪急京都線・大宮駅、京福電気鉄道嵐山本線・四条大宮駅
お勧めポイント:至高のフルーツサンド「ロイヤルフルーツサンド」が食べられる

ロイヤルフルーツサンド

いちごパフェ

ミックスジュース

完熟パインフロート

本店(ヤオイソ四条大宮店)

パティスリーS PATISSERIE S

 マンションの1階にあり、狭いながらもイートインスペースを備えている。この店のムースは全般的にやや硬め。
 店名の名前を冠した「エス」は、フロマージュブランとラズベリーなどの赤いベリーを使ったムース状のレアチーズケーキ。もう少し柔らかければパーフェクトなだけに実に惜しいが、僕のお勧めの一つ。もう一つのお勧めは「ムラング・グロゼイユ」。底のパイ生地と最上層のフワッとしたメレンゲ、そして中のカスタードクリームが何とも言えない重層感のある食感を生んでいていい。更にもう一つ選ぶなら「タルト・オランジェ」がいい。トロトロのキャラメルタルトの上に載っている焼きオレンジがほろ苦く、甘いキャラメルと絶妙の相性を見せる。しかし、全てのケーキが平均して美味しいわけではなく、中にはかなり甘めのものや硬めのものもある。
 ちなみに、マカロンはふっくらとしておらず食感がイマイチでお勧めできないが、フィナンシェなどの焼き菓子は悪くない。(2012年8月追加)

下京区高辻通室町西入繁昌町300-1  
カノン室町四条1階 
電話:075-361-5521
定休日:木曜、水曜不定休
営業時間:11時~19時 
予算:エス550円、ムラング・グロゼイユ520円 
アクセス:地下鉄烏丸線・四条駅の南改札口を出て、6番出口を出ると反対方向へ向かう。「からすま京都ホテル」を過ぎ、下京警察署を過ぎた角を右折。200m程進むと右側に見えるマンションの1階。地下鉄烏丸線・四条駅より徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:からすま京都ホテル、下京警察署
お勧めポイント:どちらかというと甘めのケーキが好きな方にお勧め

クラフトマンCRafT MAN

 京都の人気オーセンティックバー 「バー K家(→ 京都グルメバイブル・バーの頁を参照)」 が手がけるクラフトビール専門のバー。「クラフトビール東京( http://craftbeer-tokyo.info/about-craftbeer/ )」のホームページによると、“クラフトビール(Craft Beer)”とは、小規模なビール醸造所でビール職人が精魂込めて造っているビールのことで、ビール職人が造り出す高品質なビールを“手工芸品(Craft)”に例えて、クラフトビールと呼ぶのだそうだ。また、小規模なビール工房のことは、“マイクロ ブルワリー(Micro Brewery)”と呼ぶらしい。
 小さなビルの1階から3階までの全フロアが客席となっており、1階の入口側はスタンディングバー、奥にはこぢんまりとした4席のカウンター席がある。さらに、2階と3階はテーブル席となっていて比較的広めである。この店では常時25種類の生ビールを取り扱っており、恐らく京都ナンバーワンであろう。この日は全国各地の地ビール23種類の他、ヱビスビールとドイツビールの計25種類があった。1階のスタンディングバーの壁には25の注ぎ口が見え、壮観である。
 メニューを見ると、クラフトビールの価格はグラスのサイズ毎に異なっており、一部を除き、どのビールも基本的に価格は同じである。その日のお勧めのクラフトビール3種が味わえる「お任せ3種飲み比べセット」が若干お得になっている。いろいろと試してみた結果、大阪の「箕面ビール」が最も香り高く、レベル的に傑出していた。もちろん、バーなので、ビールだけでなくワインやウィスキー、焼酎なども取り揃えており、ワインはボトルで5000円〜15000円くらいの価格帯である。
 この店は四条烏丸交差点から徒歩1分というとてもアクセスの良い場所にあり、しかも比較的遅くまでやっているので、2軒目や3軒目の店として使いやすい。しかしながら、イタリアンダイニングバーとは言っても、正直なところ、あまり食べ物には期待しないで頂きたい。(2014年10月追加)
http://www.kyoto-craftman.com/

下京区二帖半敷居町643-1  
電話番号:075-371-7676
定休日:日曜
営業時間:17時〜翌1時
予算:Sサイズ(250ml)650円、Mサイズ(350ml)850円、Lサイズ(450ml)1050円、お任せ3種飲み比べセット1800円
アクセス:阪急烏丸駅、地下鉄烏丸線・四条駅・4番出口を出てすぐ左側(からすま京都ホテルの並び)。
最寄りのランドマーク:四条烏丸交差点、からすま京都ホテル
お勧めポイント:京都では珍しいクラフトビール専門のバー

入口にある立ち飲みスペース

壁には25個のビールの注ぎ口がある

奥には4席のカウンター席が

料理のメニュー

クラフトビールのメニュー

箕輪ビールのペールエール

突き出しのグリッシーニの味噌添え(合っているかどうかは微妙)

香草マヨネーズをかけた半熟卵は美味しい

サクサクビール衣を使った丹波鶏のフリット・トリュフ風味

黒胡椒とパルミジャーノチーズたっぷりのスパゲティーニ

ロッキングチェア Bar Rocking chair

 この店の店主の坪倉さんは京都の名門バー「K6」の出身。彼は暖炉のあるバーを作りたいという想いでこの店を作ったという。格子戸を開け、細長い庇のついた石畳を抜けるとバーの入口がある。町家を改装した店内に入ると、静かなクラッシック音楽が聞こえてくる。向かって左側が暖炉のあるエリアで、ペアのロッキングチェアがあり、4名くらいが入れそうなくらいの広さ。現在のような温かい時期には、フェイクの灯りが暖炉に灯っている。さらに、右側にはメインエリアがあり、こちらの方は広くシックで落ち着いた雰囲気。手前にカウンター席があり、さらに奥にはライトアップされた中庭とやはりロッキングチェアがある。最近2階に2つの個室が出来たが、常連客にしか公開していないという。 一つはソファーのある洋間で、こちらは通常の2倍のチャージ(1000円)がかかり、最大5名様までである。もう一つは5名〜12名までの座敷で、こちらは3倍のチャージ(1500円)とワインかウィスキーのボトルを1本注文しなければならない。
 メニューを見ると、オーセンティックバーとは思えないくらいフードメニューが豊富で、ドリアやパスタ、サンドイッチ、デザートなどもある。オイルサーディンはイマイチだったが、サラミのようなテイストの「和牛の手作りビーフジャーキー」は結構美味しかった。また、店主のこだわりなのかポートワインも10種類くらいある。
 それにしても、この店はスタンダードカクテルのレベルがすこぶる高く、京都ナンバーワンと言い切っても良いくらい。フルーツカクテルの方が美味しいという店は数々あれど、スタンダードカクテルが美味しいという実力店は実際それ程多くはないのである。バーテンダーは店主も含めて3名いるが、カクテルだけは店主1人で作っているため、「ギムレット」を注文すると“少し時間を頂きますけどよろしいでしょうか?”と告げられた。さらに加糖した方が良いかどうかも聞かれたが、「ギムレット」を注文してジンの種類は聞かれても、甘さについて聞かれることは滅多になく、店主のこだわりが感じられる。特に、僕がお勧めしたいのが「マティーニ」である。銀座 「リトル スミス(→ 銀座グルメバイブル・バーの頁を参照)」 のトロッとしたマティーニに近い味である。
 カクテルが美味しい上にコスパも良いせいか、客の多くは常連客のようだ。聞くところによると、暖炉に火が灯る時期は特に良いらしいらしいので、是非寒い時期に暖炉のあるロッキングチェア席を予約して行って頂きたい。(2014年6月追加)

下京区御幸町通仏光寺下る橘町434-2  
電話番号:075-496-8679
定休日:火曜
営業時間:17時〜翌2時
予算:スタンダードカクテル1000円〜、フルーツカクテル1500円〜
アクセス:地下鉄烏丸線・四条駅5番出口を出て左の交差点を左折して仏光寺通を進む。「洛央小学校」を過ぎ、「仏光寺」の塀を右に見ながら進む。「りんりんコンセプトNO5」の手前交差点を右折し、「御幸町通」を進むと、八つ橋の「白心堂」の並びにある。四条駅から徒歩5分。
最寄りのランドマーク:洛央小学校、仏光寺、仏光寺通、御幸町通
お勧めポイント:京都ナンバーワンのカクテルが頂けるオーセンティックバー

暖炉のあるエリア

カウンター席

奥の中庭席のロッキングチェア

ギムレット

チャーム(突き出し)

和牛の手作りビーフジャーキー

マティーニ

オイルサーディン

宮崎マンゴーのカクテル

メゾンドヴァン鶉亭

 この店は築80年以上の鶉の水炊き店だったらしいが、3代目にあたる現・オーナーのソムリエが、ワインを飲めるダイニングバーとしてリニューアルオープンさせたのである。長い間ホテルのソムリエを務められた方のようで、未確認だが 「ぶどうの蔵 VINFIN(→ 京都グルメバイブル・バー居酒屋の頁を参照)」 にもいたことがあるそうだ。
 建物は鴨川に面した素晴らしいロケーションにあるため、ワインバーでありながら、夏には川床の席でワインや料理を楽しむことが出来る。1階にカウンター席、2階にはテーブル席があり、1階からはガラス越しに地下のワインセラーを覗くことができる。地下にはフランスから新大陸までの素晴らしいワインが揃っており、400種・900本のワインがあるという。1階のカウンター席もかなり良いが、特に京都らしい和のテイストを感じる2階の鴨川に面した窓側のテーブル席がお勧め。特筆すべきはグラスワインが充実していることで、赤白合わせて15種類くらいある。また、料理とワインのマリアージュをテーマにしたダイニングバーと言うだけあって、フレンチベースの料理も充実している。コースの中に「京地鶏の水炊きコース」があるのは、前述のようにこの店が“鶉の水炊き店”だった名残かもしれない。料理はどれも平均的なレベルで、特にこれは!という料理に今まで出会えていない。なので、ワインバーとしての評価は2つ星だが、食べ物を含めたダイニングバーとしての評価は1つ星である。(2013年1月更新)

●メゾンドヴァン鶉亭
下京区木屋町通四条南団栗上ル斎藤町140-16  
電話番号:075-351-4005
定休日:日曜、第2月曜 
営業時間:17時半~24時 
予算:グラスワイン1300~3000円、甘鯛の焦がしバターソース2500円、Aコース(メインディッシュ1品)、Bコース(メインディッシュ2品)ともに6500円(税サービス料別)、京地鶏の水炊きコース7000円(前日までに予約が必要。税サービス料別) 
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。最初の信号(マクドナルド)を右折して高瀬川沿いに進む。「ビジネスホテル秀仙閣」を過ぎ、「ニュー木屋町ビル」を過ぎたら左から道が合流するので、その左側。阪急河原町駅より徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:マクドナルド、高瀬川、ビジネスホテル秀仙閣 
お勧めポイント:夏には川床が楽しめる素晴らしいロケーションのワインバー

和美処 互(なごみどころ たがい)

 高瀬川沿いにある人気のB級居酒屋。この店は看板を出しておらず、入り口にある“カエルが酒を飲んでいる?”小さなオブジェが目印である。酔っているとかなり危なそうな木造の急階段を上ると、階段途中に出っ張りがある。背が高ければ絶対に頭をぶつけそうなので要注意。
 中に入ると喫茶店の様な店内。カウンターの他、最大8名までの小上がりがあり、カウンター席の前にはカエルなどのフィギアが並んでいる。このチープなインテリアが何故か居心地が良い。しかし、ここが人気居酒屋であることを事前に知っていなければ、絶対に入らないと思う。メニューを見ると目移りするくらい種類が豊富で、店の雰囲気に似合わないくらいの本格的なこだわりメニューもみられる。この店の雰囲気とメニューのギャップのサプライズ感が人気の理由なのであろう。
 「西京味噌で煮込んだ牛スジコンニャク」や「手作り豆富」、「京都地鶏のユッケ」など京都らしいメニューもあり、稲庭うどんを使用した「カレーうどん」などの魅力的なメニューも多数。店主や店員の対応も良く、癒されるようなホスピタリティ感がある不思議な店だ。この店の料理は比較的ボリュームがあるため、僕のような1人飯の人にはボリュームを調整してくれる点もありがたい。日本酒の品揃えはまあまあだが、焼酎や梅酒は比較的充実している。(2012年10月追加)

下京区西木屋町仏光寺上ル市之町260-2  
電話番号:075-352-7538
定休日:日曜 
営業時間:18時~翌3時 
予算:鶏せせりの柚こしょう炒め730円、豚トロのマスタード焼き750円 
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。最初の信号(マクドナルド)を右折して高瀬川沿いに進む。「SCORPIONE吉右」を過ぎ、「あと村」、「近喜」の前を右折して小さな橋を渡る。すぐ突き当たりを左折するとすぐ左側に「ここ家」のちょうちんが見えるのでその2階。阪急河原町駅より徒歩4分。 
最寄りのランドマーク:高瀬川、SCORPIONE吉右、あと村、近喜 
お勧めポイント:実に京都らしいB級居酒屋

たかはし

 分かりにくいビルの2階にある隠れ家のような日本酒バーである。この店の日本酒はかなりマニアックだ。さらに、酒のつまみにもかなりのこだわりが見て取れる。加えて、酒の出し方が常温と冷温の2種類というのも面白い。しかし、残念ながら僕好みの酒は「十四代」と「秋鹿」だけだった。店内は暗めで、土壁風の壁にウッディなインテリア。そして、BGMにはクラッシック音楽のピアノが鳴り響く。何だろう?この居心地の良い空間は!酔っているせいか会話のざわめきは気にならなくなり、ピアノの音だけが脳裏に鳴り響く。目を閉じれば夜の森にいるような錯覚も。坊主頭の店主も実にフランクで話しやすく、1人で行っても退屈しない。カウンター8席、4人掛けテーブル席1つだけの狭い店なので、すぐに満杯となってしまう。(2012年7月追加)

京都市下京区高材木町228  
京阪ビル2階(高倉通四条下ル) 
電話:090-3825-1654
定休日:月曜 
営業時間:18時半~25時 
予算:十四代750円、秋鹿700円、白カビソーセージ450円、さば燻製500円、干ホタルイカ450円、自家製手打ち蕎麦(並)800円 
アクセス:地下鉄烏丸線・四条駅、阪急京都線・烏丸駅の1番出口を出て右へ。角を右折し、四条通を進む。西村証券を過ぎ、左に大丸京都店が見えたら、次の信号を右折し、高倉通に入る。右に居酒屋「京都ハナビ」が見えたらその向かいのビル。地下鉄烏丸線・四条駅、阪急京都線・烏丸駅より徒歩3分。
最寄りのランドマーク:大丸京都店、高倉通

石田食堂

 「京都市中央卸売市場」は築地市場と同様、場内市場エリアと場外市場のエリアに分かれている。「石田食堂」は水産棟奥の左側の場外エリアの11号棟にある。この11号棟と隣の12号棟には、朝からやっている食堂やラーメン店が入っているのだ。ドアをスライドさせて店内に入ると、ご夫婦なのか?お父さんとお母さんが温かく迎えてくれた。壁のメニューを見ると、食堂らしくカレーライスや焼飯などもあるが、やはりラーメンなどの麵類がメインのようだ。テーブル上のドンブリには無料のゆで卵が積まれている。
 「(醤油)ラーメン」を注文すると、麵は中細のストレート麵でコシはほどほど。スープは豚骨ベースのスープに魚介系と野菜の旨味が加わり、その魚介に由来する酸味が特徴の美味しいスープだ。色は白醤油を使っているのか?醤油ラーメンのスープにしては色が薄く、塩と醤油の中間のような色で、少し混濁している。シナチクは入っておらず、薄い味付けのチャーシューが4枚とたっぷりの九条葱しか入っておらず、具材はとてもシンプル。朝から食べても決して胃にもたれない京都らしくサッパリとしたラーメンである。
 ちなみに、市場の食堂とは思えないくらい接客が良く、何となくホッとする心地よい店である。(2014年7月追加)

下京区朱雀分木町80 中央卸売市場内11号棟  
電話番号:075-311-5288
定休日:日曜・祝日、中央卸売市場の休場日(HPで要確認)
営業時間:6時半〜13時
予算:ラーメン600円
アクセス:JR山陰本線・丹波口駅を出て左へ。五条通を左折して高架下をくぐり、歩道橋を過ぎた入り口から中央卸売市場へ入る。直進して水産棟奥を左折すると10号棟が見えるので、その奥の11号棟。JR丹波口駅から徒歩4分。
最寄りのランドマーク:中央卸売市場・水産棟
お勧めポイント:朝から食べても胃にもたれない美味しい京都ラーメン

新宿めんや 風花(ふうか) 本店

 「○鮨(→ 札幌グルメバイブル・寿司の頁を参照)」 の店主・川崎さんから美味しいから・・・と教えてもらった塩ラーメンの専門店。川崎さんは京都に滞在中、あまりの美味しさに連日通ってしまったとのこと。店名の「新宿」とは、新宿から進出したラーメンチェーン店と間違われてしまいそうだが、実は全く関係ないらしい。店内には大きなL字型のカウンター席と小さなカウンター席の2つがある。ご夫婦でやっているのだろうか?年輩の店主がラーメンを作り、女性がサービスを行っている。
 基本具材はホウレン草とネギ、シナチクだけとシンプル。厚く切られたチャーシューは3日間かけて煮込まれたものだが、少し甘めで脱水気味。スープは、鶏ガラと豚ゲンコツベースから抽出されたスープに干しエビやアゴ、鰹節などの魚介系のテイストが加わり、塩ラーメンのスープとは思えないほど深くコクがある。麵はモチモチした自家製の中太縮れ麺で、繊細な塩ラーメンにはミスマッチかと思いきや、これが意外と合うのである。
 この店の定番ラーメンは「天然塩らーめん」、「ちゃーしゅーめん」、「帆立塩らーめん」、「野菜塩らーめん」の4つ。川崎さんのお勧めは数量限定の「炭火焼地鶏塩らーめん」だが、この日は既に売り切れだったため、同じ限定品である「豚トロ塩らーめん」を注文。トントロはチャーシューかと思いきや、鉄板で焼いた焼きトントロであった。焼いたトントロから出た脂がラードのようにスープの表面に油膜をつくり、まるで札幌ラーメンのようにオイリーな塩ラーメンだった。また、基本となる「天然塩らーめん」は前述のようにチャーシューがイマイチな上に甘めで、スープにも厚みがない。僕の一押しは、やはり川崎さんが推す「炭火焼地鶏塩らーめん」。鶏チャーシュー自体大したことがないが、スープに鶏の香ばしい香りが移り、スープに重層感が生まれている。「帆立塩らーめん」は悪くはないが、注文するほどのものではない。
 ちなみに、店主のこだわりなのか?小学生未満の子供は入店できなかったり、店内は禁煙などといったレギュレーションがある。完全無化学調味料の店ではないが、それを気にしなければ京都ナンバーワンの塩ラーメンであり、特に飲んだ後に食べるなら最高の一杯だ。(2014年7月追加)

下京区高辻通東洞院東入ル三軒町551  
電話番号:075-344-6623
定休日:不定休
営業時間:11時半〜13時50分、18時〜21時50分(スープがなくなり次第終了)
予算:炭火焼地鶏塩らーめん850円
アクセス:地下鉄烏丸線・四条駅5番出口を出て左へ。「ダイワロイネットホテル」を過ぎた信号を左折し、高辻通を進む。「ホテル日航プリンセス京都」を過ぎると左側にある。四条駅から徒歩3分。
最寄りのランドマーク:ダイワロイネットホテル京都四条烏丸、ホテル日航プリンセス京都
お勧めポイント:京都ナンバーワンの塩ラーメン

豚トロ塩らーめん

天然塩らーめん

炭火焼地鶏塩らーめん

帆立塩らーめん

麺屋 猪一(いのいち)本店

 2019年の5月に近くに移転オープンした鶏清湯ラーメン店。あまりの人気のぶりに、「ホテル日航プリンセス京都」や「仏光寺」のある高辻通りに「麺屋 猪一 離れ」という支店をオープンさせたほど。
 2013年にオープンした以前の店(現在の本店)も小綺麗な店だったが、今回の店はカウンター席がゆったりと広くなり、まるで割烹料理店のよう。2015年版の頃のメニューと比べると、メニューが一部変更になった。以前の麺は、「支那そば」と「鶏そば」、「和牛そば」の3つであったが、現在は「支那そば」と「鶏そば」、「冷やしだしそば」、そして限定の「炙り甘エビの冷やし出汁そば」と「冷やし貝出汁そば」。限定品以外は、濃い口醤油を使用した「黒」と白醤油を使用した「白」のいずれかを選ぶことができる。また、サイドメニューも一部変更され、「こだわり和牛めし」や「蒲焼きチャーシュー丼」、「杏仁豆腐」などがなくなり、「赤玉生卵かけご飯」、「山芋とろろの岩のりご飯」、「炙り帆立と豆腐のだしマヨ丼」、「肉豆腐めし」、「自家製・焼売(テイクアウト可)」、「自家製・杏仁豆腐」、「飲むサラダ(緑黄色野菜のスムージー)」、「すりおろし梨ジュース」となった。また、店内での写真撮影も禁止となった。
 「支那そば(白)」は、言われなければ塩ラーメンと勘違いしてしまうようなビジュアル。透明なスープは、魚介の旨味と野菜の甘みを感じて悪くないが、多少物足りなさを感じてしまう。食べログでは香味油が気になるような表現も見受けられたが、僕としては特に違和感はなかった。麵は比較的コシのある中細ストレート麺で、これでもう少し加水率が高ければモチッとしていてパーフェクトである。さらに、極太のシナチクは、味はまあまあだがとても歯切れが良く、チャーシューや味玉はごく普通。僕のお勧めは「鶏そば(黒)」。「白」に比べると、濃い口醤油によって圧倒的に深みが増し、鶏ガラベースのスープとの相性も抜群。あまりに美味しいので、ライスを入れて“おじや”にして食べたいと思うほど。さらに、胸肉を使った鶏チャーシューもミディアムレアな食感が絶妙に美味しい。この店では卓上に無料の「とろろ昆布」があるが、入れても味に変化が出るが、特に相乗効果はみられない。つまり、それだけスープの完成度が高く、何も入れない方がむしろ美味しいのである。
 ちなみに、ランチタイムよりもディナータイムの方が圧倒的に待ち時間が短いが、もしもランチタイムに行くなら、開店10分前の11時20分に並ぶのがお勧め。ラーメン店にしては珍しく店員の対応も良く、とても好感が持てる。(2019年9月更新)

下京区恵美須之町寺町通仏光寺下ル542
電話番号:非公開
定休日:日曜
営業時間:11時半〜14時半、17時半〜22時
予算:鶏そば黒950円
アクセス:地下鉄烏丸線・四条駅、阪急京都線・烏丸駅19番出口を出て、四条通を河原町方面へ向かう。「三菱UFJ信託銀行」を過ぎ、「藤井大丸」を過ぎた角を右折して寺町通を進む。「エディオン」を過ぎて進むと左側にある。四条駅、烏丸駅から徒歩10分
最寄りのランドマーク:みずほ銀行京都支店、藤井大丸、寺町通、エディオン寺町店
お勧めポイント:京都で人気のアッサリ系鶏清湯ラーメン

拳ラーメン KOBUSHI

 新しくオープンした「京都水族館」の近くにある人気のラーメン店。この店の売りは看板にもある“鮮魚ダシ”と“塩釜チャーシュー”。店内は手前に大きめのテーブル席があり、奥にはL字型のカウンター席がある。
 メニューを見ると、「塩系」4種と「醤油系」4種、「つけ麺」3種、「濃厚ラーメン・豚にぼWING」、「汁なし担々麺」、「黄金鶏和え麺」、そして季節の麺(この日は石焼きアジアン味噌和え麺)がある。
 「塩系」と「醤油系」では麺の太さが異なり、「塩系」は粒々の全粒粉の中細ストレート、「醤油系」はリングイネのような太めの平麺である。歯ごたえや喉越しは圧倒的に「醤油系」平麺の方が良い。もともとこの店は塩ラーメンが美味しいと有名になった店だが、「塩系」のスープそのものは悪くないもののインパクトがなく、麺とも調和していない。なので、僕のお勧めは「醤油系・拳ラーメン」。醤油のスープは、丸鶏の圧倒的な旨味、控えめな魚介の風味、野菜の甘みなどが一体となっていて重層感を感じる。スープだけであれば間違いなく3つ星であり、京都ラーメン店の中でもトップレベルの美味しさ。
 拳ラーメン(通常のラーメンに煮卵が入ったもの)の共通具材は、「塩系」、「醤油系」共にネギとシナチク、味玉、海苔である。これらに対し、「塩系・拳ラーメン」は鶏チャーシューと豚モモチャーシュー、三つ葉、「醤油系・拳ラーメン」は豚バラチャーシューと豚肩チャーシュー、そして水菜とレッドオニオンスライスと具材が異なっているが、具材に関しては「塩系」の方がいい。
 実は今回、最近評判の「黄金鶏和え麺」が食べたくなっての訪問であったが、このメニューの具材である“キンカン(鶏の未成熟卵)”の入荷のめどが立たないとして、しばらくの間休止しているらしい。残念であったが、次回にまたチャレンジしたい。ちなみに、昼間は行列ができて待たなければならないが、夜は空いているので締めのラーメンとしても良いかも。また、近くには豚骨スープが自慢の姉妹店「拳10ラーメン KOBUTON」もある。(2014年3月追加)

下京区朱雀正会町1-16  
電話番号:075-351-3608
定休日:水曜
営業時間:11時半〜14時半、18時〜22時
予算:醤油系・拳ラーメン750円
アクセス:JR嵯峨野線・丹波口駅を出て右へ、中央卸売市場と線路の間の「千本通」を進む。「中央信用金庫」を過ぎて300mほど進むと七条通に出るので左折。すぐ左側に「京都トヨペット」が見えるのでその手前。丹波口駅から徒歩10分。
最寄りのランドマーク:中央信用金庫、京都トヨペット
お勧めポイント:重層感のある素晴らしいスープの醤油ラーメン

新福菜館 本店

 京都駅近くの「たかばし」にある老舗ラーメン店。この店は、京都を代表して「新横浜ラーメン博物館」にも出店したほどの有名店。隣にある「本家 第一旭」とともに、早朝から多くの客で賑わっている。両店とも、早朝から比較的夜遅くまで通しでやっているので、とても便利。以前はこの店の方が圧倒的に人気だったが、今回改めて行ってみると何故か逆転し、「本家 第一旭」の方が更なる行列店となっていた。また、テレビや雑誌にでも取り上げられたのか?この店の方は、以前と違って若い女性客が目に付く。しかも、女性客なのに、「中華そば(小)」と「ヤキメシ」の両方を食べているのだ。
 “京都ラーメン”は、緑色の九条ネギがタップリとのっているのが特徴の一つ。この店も他のラーメン店と同様、京都産の九条ネギがのっているが、スープの色は他店とは異なり、「伊勢うどん」のように“タマリ醤油”を彷彿させる真っ黒な色なのである。一見濃くてクセがありそうだが、魚介系の味はごく僅かで動物系スープも強くなく、味は意外にサッパリとしている。中太ストレートの麺も悪くない。今回訪れたときには、前述のように「中華そば(小)」を注文している女性客が目立った。隣の「本家 第一旭 たかばし本店」にも小さいサイズのラーメンがあるが、これは、両店を同時に食べ比べてみたい方や、量が食べられない女性客や年配客にとっては嬉しいサービス。もちろん「中華そば」も美味しいが、僕はここの黒い ヤキメシ(チャーハン)が大好物で、京都に来るとよく朝食代わりに食べている。若い頃には、「ヤキメシ」と「中華そば」の両方を食べていたほど美味しい。 パラパラに炒められた「ヤキメシ」は、味が濃いめで香ばしいチャーシューと醤油の香りが何とも言えない。「まかないどん」なる新作メニューも登場し、今回新たにトライしてみた。御飯の上に薄く切られたチャーシューとモヤシ、そして九条葱がのっている。それに、チャーシューを煮たタレとタップリのコショウがかけられていて、これは美味しい!また、スープを取る一番ダシを使って作られたテイクアウト専用の「冷凍まかないカレー(300円)」も登場した。ちなみに、京都市内にはいくつかの支店があるが、早朝から営業しているのはこの本店だけである。(2012年11月更新)

下京区東塩小路向畑町569  
電話:075-371-7648 
定休日:水曜 
営業時間:9時~22時 
予算:中華そば(並)650円、中華そば(小)550円、ヤキメシ500円 
アクセス:JR京都駅の中央口を出て右へ向かう。「メルパルク京都」を過ぎ、塩小路通沿いの線路側の歩道の信号を渡る。「TOPΣ京進」前を過ぎ、次の高倉塩小路交差点を右折すると上りの「たかばし」が見えるので、その右側。JR京都駅より徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:JR京都駅、TOPΣ京進、たかばし

本家第一旭 たかばし本店

 以前は、京都に来るとホテルで朝食をとらずに、この「本家 第一旭 たかばし本店」か、隣の「新福菜館 本店」で朝食をとるのが楽しみで、自分の家族や後輩たちとよく食べたものだ。この店の出身者が神戸や名古屋の有名ラーメン店のオーナーとして成功を収めているところをみると、この店の味は万人に好まれる味なのかも知れない。本日は午前9時に来店した時点で既に行列ができていたが、前日の23時くらいに通りがかったときにも長い行列を作っていた。以前からそこそこの人気店だったことは間違いないが、夜以外にはあまり長い行列を見かけたことがなく、最近どこかのマスコミで取り上げられたのだろうか?店内は「新福菜館 本店」と同じような間取りで、左にカウンター席、右にテーブル席がある。
 小皿に載せられて出てくる「ラーメン」は、5~6枚のチャーシューと茹でモヤシ、そしてたっぷりの九条ネギがのっている。チャーシューは脱水しすぎのこともあるが、澄んだ濃めの醤油スープとシャキシャキの茹でモヤシとよく合う。麵は中細ストレート麵でこちらも悪くない。「特製ラーメン」はいわゆるチャーシュー麺のことで、チャーシューがさらにてんこ盛りの状態で、満足すること請け合い。30年くらい食べて続けているが、味は全く変わらず、どこか懐かしさを感じさせる中華そばである。(2014年12月更新)

下京区東塩小路向畑町845  
電話:075-351-6321 
定休日:木曜 
営業時間:5時~翌2時
予算:ラーメン650円、特製ラーメン850円 
アクセス:JR京都駅の中央口を出て右へ向かう。「メルパルク京都」を過ぎ、塩小路通沿いの線路側の歩道の信号を渡る。「TOPΣ京進」前を過ぎ、次の高倉塩小路交差点を右折すると上りの「たかばし」が見えるので、その右側。JR京都駅より徒歩3分 
最寄りのランドマーク:JR京都駅、TOPΣ京進、たかばし

入って左側にあるオープンキッチンのカウンター席

右側にあるテーブル席は間隔がキツキツ。混むと相席になることもある

特製ラーメンはチャーシューがビッシリ入っている

ネギの下には茹でモヤシがタップリ

チャーシューもタップリ

スープは比較的澄んでいる

 

 

和ごころ 泉

 ミシュランガイド2014年で2つ星を獲得した日本料理店。ビルの1階にありながら個室がわずか3つだけと(掘りごたつ2室、テーブル席1室)、思った以上に小さな店である。にもかかわらず、店主の泉さんはありがたいことに僕のような1人飯客にも個室を使わせてくれた。
 料理はどれもハズレのない美味しさであったが、特にこれはというようなインパクトのあるものはなかった。これは店主が修行した「桜田」やそのルーツである「招福楼」系出身者の店と多少イメージが被るような気がする。実はこの店のスペシャリティは「(琵琶湖産半天然)鮎の塩焼き」なのである。なんでも、1時間近くかけてじっくりと焼き上げているらしく、鮎の塩焼きと言うよりも鮎の干物もしくは骨酒に使用する川魚に近い感じだ。店主の説明によれば、じっくり火を通すことで鮎の脂分の流出を抑え、カリッと焼くことができるということであるが、僕的にはちょっと脱水し過ぎで、鮎を美味しく味わうための調理法としては意見が分かれるところだと思う。しかしながらそれを差し引いても、素晴らしいホスピタリティと素材の力を引き出すシンプルな料理は良かった。(2014年10月追加)

下京区四条新町下ル四条町366 四条敷島ビル1階  
電話番号:075-351-3917
定休日:水曜および月末
営業時間:11時半〜13時、17時半〜19時半
予算:【昼】5250円〜、【夜】11300円、16950円
アクセス:地下鉄烏丸線・四条駅の北改札を出て、もしくは阪急京都線・烏丸駅の西改札を出て、26番出口(京都産業会館・きらっ都プラザ出口)から四条通を西へ100mほど進み、新町通を左折すると右側にある。四条駅から徒歩2分
最寄りのランドマーク:四条通、新町通
お勧めポイント:素材の力を引き出すミシュラン2つ星の日本料理

1人飯なのに個室を利用

まずは「おしるし」の日本酒を頂く

ビールと先付けの車エビは火の通し方が最高

お椀はハモとジュンサイ、冬瓜

お造り(鴨、金目鯛、アオリイカ、真鯛、本マグロ、サワラ?)

生の鴨は意外と美味しい

八寸

八寸の鯖の笹巻き寿司

これがスペシャリティ「(琵琶湖産半天然)鮎の塩焼き」

天然の岩ガキ

岩ガキの断面はこんなに厚い

煮物は賀茂茄子の白味噌あんかけ

1人客でもちゃんと土鍋御飯で炊いてくれます。この日は生姜の炊き込み御飯

高いコースを頼んだせいか、赤出汁や香の物の他に、自家製のローストビーフが付いて豪華です

水菓子

薄茶(お抹茶)

余った御飯はお握りにしてくれた

とくを

 木屋町にある小さな日本料理店である。美しい桜が咲く高瀬川沿いを進むと間口の小さな入り口が見える。入り口を抜けると、店内は手前にL字型のカウンター席、そして奥に掘りごたつの個室がある。この店は京都の人気店にしては珍しく観光客よりも常連客の方が多く、地元の方に愛されている店なのであろう。
 料理は比較的しっかりとした味付けがされており、どれも外れなく美味しい。今回頂いた中では、特に丸鍋(スッポン鍋)が良かった。また、最後を締める肉料理は、和牛のシャトーブリアン(ヒレの中心部)を使用したもので、予め塩が振って焼かれており、追加の塩やタレなどはつけずにワサビを添えて頂くスタイル。とてもシンプルな和風ステーキではあるが、柔らかくてとても美味しい。
 お酒は比較的充実しており、日本酒が12種類と焼酎が10種類あり、ワインなども置いている。コースの途中で、常連客が通常のコースに入っていない「鯖寿司」を注文されていたが、このような注文にも柔軟に対応してもらえる点もこの店が愛される理由の一つなのであろう。今回唯一残念だったのは、最後に出された季節のご飯(この日は新筍ご飯)で、客毎ではなくまとめて炊かれているのか、時間が経ってボソボソとした感じで美味しくなかった。それにしても、常連客中心の店でありながら、女将さんも含めた店員の対応は極めて良く、初めての客でも快くもてなしてもらえた。(2014年6月追加)

下京区木屋町通り仏光寺上る天王寺町151  
電話番号:075-351-3906
定休日:日曜、祝日の月曜日
営業時間:12時〜12時半、17時半〜20時半
予算:【昼会席】5000円、【夜会席】10000円、15000円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面へ進む。「お菓子のデパート よしや」を過ぎて高瀬川を渡り、「マクドナルド」の手前の通りを右折してしばらく進むと、すぐ左側。阪急河原町駅より徒歩3分。
最寄りのランドマーク:高瀬川、木屋町通り
お勧めポイント:常連客に愛される素晴らしい日本料理店

八寸と生ビール(キリン・ハートランド)

お造り(手前から、赤貝、湯引き車エビ、本マグロの中トロ、真鯛、平貝)

ノドグロの煮付け

甘鯛と鯛の白子焼き

自家製カラスミと大根スライス

丸鍋(スッポン鍋)

赤貝とイカのぬた

和牛シャトーブリアンのステーキ

新筍ご飯と赤出汁

緒方

 ミシュラン2つ星を獲得して以来、大人気の日本料理店である。店内はカウンター席だけと狭く、奥にはライトアップされた小さな庭が見える。また、この店は夜しか営業しておらず、コースも1つだけしかない。
 それにしても、この店の店主・緒方さんの感性は実に素晴らしい。それは素材を見極める力だけに留まらず、素材を最大限に引き出した繊細な味付けには感動すら覚える。例えば、この日のスタートは(茶)懐石スタイルのご飯(カラスミご飯)からのスタート。この炊きたての白飯にのったカラスミが半端なくでかく、そして旨いのだ!!“カラスミは粒の食感が大事”という店主のこだわりによるものらしいが、これは正解であった。引き続いて出てきたのがダシの汁だけで、さらにそれに続いて出たのが毛ガニと山芋の「毛ガニ椀」というからサプライズ感満載。また、桂剥きされた大根の上を泳ぐように配置された「サヨリの刺身」や4年物の分厚い「赤貝の黄身酢」も最高レベルの美味しさ。圧巻は目の前で焼かれた「モロコの炭火焼き」である。山椒の葉を散らしたタレにつけて食べると、ワカサギや稚鮎などを遙かに凌駕する美味しさに驚く。さらに、この日の最後の締めを飾るご飯は「シロウオの玉子とじ丼」と「ウニ丼」、「鴨せいろ蕎麦」の3つで、この中からどれか1つでも全てでもお好み次第。もちろん、僕は3つ全てを食したが、大満足であった。但し、しっかりとした味が好みの方は、 「露庵 菊乃井(→ 京都グルメバイブル・日本料理の頁を参照)」 や 「祇園 さヽ木(→ 京都グルメバイブル・日本料理の頁を参照)」 、 「瓢亭 本店(→ 京都グルメバイブル・日本料理の頁を参照)」 の方がより満足が得られると思う。ちなみに、この店はカウンター席が僅かしかないので、かなり早めの予約が必要。(2014年4月追加)

下京区綾小路西洞院東入新釜座町726番地  
電話番号:075-344-8000
定休日:月曜不定休
営業時間:18時〜21時
予算:コース26000円
アクセス:地下鉄烏丸線・四条駅から四条通側に出る。四条通を西側(河原町と反対方向)に進む。「四条新町交差点」を過ぎ、「やよい軒」の角を左折するとすぐ左側。四条駅から徒歩3分。
最寄りのランドマーク:四条新町交差点
お勧めポイント:素晴らしい素材とそれを最大限引き出す繊細な料理

いはら田

 飲食店が少ない京都西エリアにある小さな日本料理店。店内に入ると1階がカウンター席になっており、2階には20名まで対応可能な座敷がある。カウンター内での調理は、店主ともう1人の料理人の2人で行っている。この店は開店して11年目を迎えたらしいが、店主は未だ若く、20代でこの店を開店したという。なので、逆に長く修行した料理人が陥りがちな既成概念にとらわれない斬新な料理を作る。
 例えば、「ブリの幽庵焼き」はブリのアラで取ったスープをかけ、さらにそのスープでギリギリまで含め煮た白菜を添えて味わうなど、料理は料理人の持つ感性(センス)あるいは芸術性であることを感じさせる料理である。どの料理も食感にコントラストがあり、味には重層感がある。思わず何の味だろう?とイマジネーションをかき立てられる。通常、味の組み合わせが複雑になればなるほど、素材の良さが逆に打ち消しされてしまい、意図の分からないちぐはぐな料理となることが多いが、この店の料理は見事なハーモニーを奏でている。
 特に、15000円以上のコースでは、二カ月熟成したドライエイジングビーフの炭火焼きがコースに加わるのでお勧めである。ちなみに、この日の肉は丹波牛のヒレ肉。ワサビ、フライドガーリック、湯布院・無量塔(むらた)の粒マスタードなどの薬味が添えられてきたが、肉が素晴らしいだけに、そのまま食べるか、摺りたての本わさびだけを載せて食べるのがベストである。最後の季節のご飯(この日はフグ)の米の水分不足と口直しのアイスクリームのザラザラ感が少し気になったが、それ以外の料理はどれも完璧に近く素晴らしいものだった。(2014年1月追加)

下京区西7条比輪田町26  
電話番号:075-314-8899
定休日:日曜
営業時間:18時~22時
予算:コース8000円、10000円、12000円、15000円、18000円
アクセス:JR京都駅中央口からタクシーで1000円前後、ライフ西七条店の並び、西大路通沿い
最寄りのランドマーク:ライフ西七条店
お勧めポイント:店主のセンスを感じる素晴らしい料理

露庵 菊乃井

 マスコミに露出度の高い有名日本料理人・村田さんの店。京都にはこの店の他に、円山公園近くに「菊乃井 本店」、東京には「菊乃井 赤坂店」がある。僕が行った限り、これら菊乃井のグループの中でのグレードは、「菊乃井 本店」、「菊乃井 赤坂店」、「露庵 菊乃井」の順である。雰囲気なども含めたトータルなクオリティでは確かに両店に一歩譲るものの、料理の値段や内容を考えれば、この店最もがコストパフォーマンスに優れていると思う。
 扉を開けると正面には2階へ続く階段と1階奥にはお会計場が見える。入ってすぐに右に進むと、奥にはカウンター席と小上がりがある。2階には通常の座敷の他に薄暗い茶室もあり、「瓢亭」の離れのようなこの茶室が最も京都らいしい趣がある。しかしながら、茶室ではテーブルがないため、低く小さなお膳で食べなければならず、どうしても座っていると疲れてしまう。なので、接待などのときには、通常の2階のテーブルのある個室の方がお勧め。
 お昼のコースは、4000円、7000円、10000円の3つのコースがある。4000円と7000円では素材のクオリティが異なり、10000円は7000円のコースに品数が1品増えるという説明だったので、今回は真ん中の7000円のコースを頂くことに。
 席に着くとまず、食前酒の形で“おしるし”の日本酒が注がれる。菊乃井の素晴らしいところは、「京都 吉兆」同様にお椀が美味しいこと。口の中にジンワリと押し寄せる出汁の深い余韻が素晴らしい。また、素材に対する柔軟性も高く、例えば、この日の「鶉のゆり根饅頭」の餡がトリュフ餡であったり、季節のご飯にチャーハンをイメージした熱々のネギ油をかけたりと言った具合である。これは、村田さんの考える日本料理とは「出汁を使った旨味のある料理」という大きなくくりの概念であり、これを逸脱しない限り柔軟に創作できるのである。さらに、コースの最後には必ず季節のご飯(この日は甘鯛のご飯)が付き、一組毎に陶製のお釜で炊きあげるというのも特筆すべきである。もちろん、写真の様に余ったご飯はお持ち帰りも可能で、翌日の朝食として食べることもできる。この釜飯スタイルを始めたのは、「祇園(建仁寺)丸山」の店主という話(本人談)だが定かではない。それにしても、数ある京都の日本料理店の中でも、最高のコストパフォーマンスを誇る店である。(2014年1月更新)

下京区木屋町四条下ル  
電話番号:075-361-5580
定休日:水曜
営業時間:12時~13時半、17時~20時半
予算:【昼】4000円、7000円、10000円、【夜】10000円、13000円、15000円、18000円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面へ進む。「お菓子のデパート よしや」を過ぎて高瀬川を渡り、マクドナルドの手前の通りを右折すると、すぐ左側。阪急河原町駅より徒歩2分。
最寄りのランドマーク:高瀬川
お勧めポイント:菊乃井グループの中で最もコストパフォーマンスの良い店

これでも1人用の甘鯛のご飯

これでも1人用の甘鯛のご飯

お持ち帰りした甘鯛のご飯

お持ち帰りした甘鯛のご飯

京都市中京区

京都夷餃子 なかじま

 夷川児童公園前の住宅街にある格安餃子店。今年2月にオープンしたという店内は、カウンター席とテーブル席が26席と意外に広い。印刷会社をリノベーションして造ったという店内は、所々にその面影が残るレトロな大衆食堂のような雰囲気。さすがはデザイン会社が経営しているというだけあって、インテリアやアイデアに関してはなかなかいい。例えば、瓶ビールは壁に固定された栓抜きを使って自分で栓を抜き、栓を床に落とすシステムで、飲み物のジョッキに芸能人の名前が書かれてあるのも面白い。
 メニューを見ると、餃子は「ディープ」と「フレンチ」2種類があり、「ディープ」はニンニク入りで、「フレンチ」はニンニクなしである。この他の人気メニューは、「ポテトサラダ」、「エッグチャーシュー」、「なかじまの鳥肝煮」、「肉味噌炒め」、カレー風味の「天津飯」、生麺を使用した「焼きそば」など。
 餃子は京都らしい小ぶりな餃子で、5個で270円と格安。餃子は2種類あり、「ディープ」はニンニクありで、「フレンチ」はニンニクなしである。しかし、ニンニク入りの「ディープ」はそれほどニンニクの風味が強くないため、「ディープ」と「フレンチ」には大きな差はない。餡はキャベツのシャキシャキ感があるが、京都ポークの食感はあまり感じられない。皮はカリッと焼かれていて良いが、皮が低加水なのか、食感がイマイチだ。また、酢は黒酢と普通の酢の2種があり、黒酢は「ク」、醤油は「シ」と容器に書かれている。店員からは辛子あるいは酢・胡椒で食べることを勧められたが、やはり、酢・醤油とラー油の組み合わせがベストであった。また、ゆで卵が入った「ポテトサラダ」は、カリカリとしたポテトチップスのような玉葱フレークがかけられており、その食感が何とも言えない。タレがかかった「エッグチャーシュー」は、煮豚ではなくローストされた本格的なチャーシューの香りがする。卵黄と絡めて食べると美味しく、お勧めである。さらに、「なかじまの鳥肝煮」は意外にも冷製のつまみであり、酒のアテには良かった。
 ちなみに、昼は比較的空いているが、夜は行列ができるほどの人気店なので、夜に行くなら開店時の17時くらいが確実。また、この店では、10個単位で生餃子や焼き餃子をテイクアウトもできる。(2019年10月追加)

中京区西洞院通夷川下る薬師町652-1  
電話番号:075-223-0141
定休日:火曜
営業時間:11時〜13時、17時〜21時半
予算:ぎょうざ(ディープ、フレンチ)270円、エッグチャーシュー580円
アクセス:地下鉄東西線・二条城前駅1番出口を出て、右斜め前にある建物「ANAクラウンプラザ京都」を目指して進む。二条城に沿って広い東堀川通りを北に進み、押小路通り、二条通りを過ぎて、次の夷川通りを右折する。油小路通り、小川通りを過ぎると、左に「夷川児童公園」が見えるのでその右側。二条城前駅から徒歩10分
最寄りのランドマーク:二条城、ANAクラウンプラザ京都、東堀川通り、夷川通り、夷川児童公園
お勧めポイント:小振りな京都餃子を格安で食べられるB級居酒

夷川通りを進むと「夷川児童公園」が見えるが・・・
ココです!(開店前に到着) お持ち帰りのメニュー 開店した カウンター席とテーブル席が26席と意外に広い メニューはどの品も格安 酢は黒酢と普通の酢の2種があり、黒酢には「ク」、醤油は「シ」と容器に書かれている 飲み物のジョッキに芸能人の名前が書かれてあるのも面白い ゆで卵が入った「ポテトサラダ」は、カリカリとしたポテトチップスのような玉葱フレークがかけられており、その食感が何とも言えない タレがかかった「エッグチャーシュー」 煮豚ではなくローストされた本格的なチャーシューの香りがする。卵黄と絡めて食べると美味しく、お勧め! 「なかじまの鳥肝煮」は意外にも冷製のつまみであり、酒のアテには良かった ニンニク入りの「ディープ」 ニンニクなしの「フレンチ」店員からは辛子あるいは酢・胡椒で食べることを勧められたが、やはり、酢・醤油とラー油の組み合わせがベストであった

西富家 要庵

 「ミシュラン京都・大阪・神戸・奈良」で、7年連続で1つ星を獲得している有名旅館。このためか、客の8割が外国人客だという。実は、この旅館では宿泊しなくても、数寄屋造りの個室で朝食を味わえるのである。個室は最大10名まで収容可能で、1日5組が朝食をいただくことができる。また、来年の2020年3月15日からは、6席限定のカウンター席の店「要・Kaname」がオープン予定であり、夜に10品コース(20000円)が味わえるという。
 「ミシュラン京都・大阪・神戸・奈良」で、7年連続で1つ星を獲得している有名旅館。このためか、客の8割が外国人客だという。実は、この旅館では宿泊しなくても、数寄屋造りの個室で朝食を味わえる。個室は最大10名まで収容可能で、1日5組が朝食をいただくことができるのである。また、来年の2020年3月15日からは、6席限定のカウンター席の店「要・Kaname」がオープン予定であり、夜に10品コース(20000円)が味わえるという。
 この日は、もちろん予約したうえでの訪問。名前を告げて上がり框で靴を脱ぎ、2階にある食事専用の個室へ案内される。この日は一人飯であったが、広い個室でゆったりと食事ができた。この旅館の主人はよほどの酒好きなのか、一階にある2つのワインセラーにはブルゴーニュとボルドーワインが、さらに黒龍の「石田屋」と「仁左衛門」などがあった。2階のセラーにはシャンパンやイタリアワインなどがあり、ガラス越しにジャックセロスやジャクソンなどの有名シャンパン、サッシカイアやティニャネロなどの有名イタリアワインなどが見られた。(2019年10月追加)
https://www.kanamean.co.jp/meal/bf.html

中京区富小路通六角下る  
電話番号:075-211-2411
定休日:無休
営業時間:8時〜10時
予算:朝食4000円(税・サービス料別)
アクセス:地下鉄烏丸線・四条駅20番出口を出て左へ進み、5本目の富小路通りを左折する。錦市場を過ぎ、蛸薬師通りを過ぎたら左側にある(生祥小学校の向かい)。四条駅から徒歩8分
最寄りのランドマーク:富小路通り、錦市場、生祥小学校
お勧めポイント:ミシュランガイド1つ星旅館の個室でゆったりと味わえる朝食

富小路通り沿いの・・・ ココです! 入口を入って通路を進む 上がり框で靴を脱ぎ、1階のレセプションにあるワインセラーには、ブルゴーニュとボルドーワインがある 2階のセラーにはシャンパンやイタリアワインなどがあり、ガラス越しにジャックセロスやジャクソンなどの有名シャンパン、サッシカイアやティニャネロなどの有名イタリアワインなどが見られた。
食事用の個室へ案内された。この日は一人飯であったが、広い個室での食事となった 出てきた朝食は、「茄子の煮浸し」、「出汁巻玉子」、「青菜のおひたし」、「豆とヒジキ」、「車海老、満願寺唐辛子、冬瓜の冷やしに煮物」、「鱧の白焼き」、「ちりめんじゃこ」、「香の物」
「茄子の煮浸し」は、間違いのない美味しさ 「香の物」は、長芋の漬物、梅干し、しば漬け。シャキシャキしたピリ辛の長芋の漬け物が美味しい 「車海老、満願寺唐辛子、冬瓜の冷やし煮物」は美味しい! 「豆とヒジキ」も、ヒジキの食感が柔らかくて塩梅も絶妙 「青菜のおひたし」は、辛子が効いている 「ちりめんじゃこ」は、間違いのない美味しい 木の芽の香りの「鱧の白焼き」は、可もなく不可もなしの普通 「出汁巻玉子」は、比較的美味しい お櫃に入れられて出てきたご飯 お櫃に入って出てきたご飯は炊きたてなのか、ネットリとしてツヤツヤしていて美味しい 「ワカメの味噌汁」は、深みがあって最高 水菓子紅茶

なる屋

 今年で6年目を迎えた錦市場近くの日本料理店。現在は店主一人でやっているが、もうすぐ若い店員が入る予定だという。カウンター僅か7席だけの小さな店ではあるが、常連客が多く観光客は少ないようだ。今回は初めてなので、真ん中のコースを予約。
 ワインはボトル売りしかなかったので、まずは生ビールを注文。まず出てきたのは、何と!「長野産天然シメジと菊の花の小鍋」。天然しめじは歯ごたえが良く、出汁も繊細かつ優しい味で、コース最初の一品として悪くない。続いて出てきた「イチジクと柿、揚げ小芋の胡麻ソース」は、シットリ系の果物とネットリとした小芋に、濃厚な胡麻ソースが絶妙にマッチしている。さらに、カリカリに炒られた胡麻の食感がアクセントになっていた。お造りの「本鮪の黄身醤油と山椒のスプラウト」はイマイチだったが、「クエのしゃぶしゃぶ・青ギリみかんと大根おろし添え」は、まあまあの美味しさ。お椀は「玉ねぎと芋茎の卵とじ」で、スッポンの出汁が味に更なる深みを与えている。飲んだ後の余韻が長く、まるでグランクリュのワインのような美味しさ。焼き物は「金目鯛と海老芋」で、これらは特に可もなく不可もなしといった感じだ。「菱の実とイクラ」は、イクラの皮が硬かったのが残念だったが、ポン酢ゼリーの酸味と栗のような菱の実の取り合わせが実に面白かった。「香茸のすき焼き」は、じっくりと甘辛く濃く味付けされているにもかかわらず、それに負けない香茸の香りが素晴らしかった。「天然舞茸とカマス」の煮物は、香茸の後だったせいもあって舞茸が香らずイマイチだった。秋を感じさせる「子持ち鮎の土鍋ご飯」は、山椒が香り、なかなか良かった。しかし、一緒に出された「赤出汁の味噌汁」は、何故か塩辛くてダメだった。デザートの「バナナアイスのモナカ」と「きな粉のプリン」は美味しかったが、「卵のプリン」は硬く卵の香りに乏しくてイマイチだった。そして、最後の薄茶で終了となった。(2019年10月追加)

中京区堺町通錦小路上ル539  
電話番号:075-252-1199
定休日:月曜(不定休あり)
営業時間:18時〜22時
予算:13000円、16000円、18000円
アクセス:地下鉄烏丸線・四条駅20番出口を出て左へ。東洞院通り、高倉通りを過ぎ、次の堺町通りを左折する。錦市場を過ぎると右側にある。四条駅から徒歩5分
最寄りのランドマーク:堺町通り、錦市場
お勧めポイント:実直な美味しさが光る日本料理店

錦市場から堺町通りを進むと・・・ 右側にあるココです! 店主一人でやっているカウンター僅か7席だけの小さな店 まず出てきたのは、何と!「長野産天然シメジと菊の花の小鍋」。天然しめじは歯ごたえが良く、出汁も繊細かつ優しい味で、コース最初の一品として悪くない続いて出てきた「イチジクと柿、揚げ小芋の胡麻ソース」は、シットリ系の果物とネットリとした小芋に、濃厚な胡麻ソースが絶妙にマッチしている。さらに、カリカリに炒られた胡麻の食感がアクセントになっていたお造りの「本鮪の黄身醤油と山椒のスプラウト」はイマイチ 「クエのしゃぶしゃぶ・青ギリみかんと大根おろし添え」は、まあまあの美味しさ お椀は「玉ねぎと芋茎の卵とじ」で、スッポンの出汁が味に更なる深みを与えている。飲んだ後の余韻が長く、まるでグランクリュのワインのような美味しさ 焼き物は「金目鯛と海老芋」 海老芋には味噌が塗られ、蓮根や蕪、マコモ茸なども添えられているが、これらは特に可もなく不可もなしといった感じだ 「菱の実とイクラ」は、イクラの皮が硬かったのが残念だったが、ポン酢ゼリーの酸味と栗のような菱の実の取り合わせが実に面白かった 「香茸のすき焼き」は、じっくりと甘辛く濃く味付けされているにもかかわらず、それに負けない香茸の香りが素晴らしかった 「天然舞茸とカマス」の煮物は、香茸の後だったせいもあって舞茸が香らずイマイチだった 秋を感じさせる「子持ち鮎の土鍋ご飯」 白く粒々の鮎の子の食感に加えて山椒が香り、なかなか良かった 香の物 一緒に出された「赤出汁の味噌汁」は、何故か塩辛くてダメだった デザートの「バナナアイスのモナカ」と「きな粉と卵のプリン」 パリッとしたモナカとバナナアイスが合う白い「きな粉のプリン」は美味しかったが、オレンジ色の「卵のプリン」は硬く卵の香りに乏しくてイマイチ最後の薄茶で終了となった

オルトORTO

 烏丸三条から西の路地に入ったところにある小さなイタリア料理店。「ORTO」とは、イタリア語で「菜園」という意味で、この店の料理には随所に旬の野菜が盛り込まれている。このため、この店にはベジタリアンやビーガンメニューもあるという。
 町家をリノベーションしたという店内は、1階は吹き抜けとなっていて白木のカウンター席がある。2階はテーブル席となっており、2名〜12名様までの個室区切りが可能。しかしながら、吹き抜けとなっている2階はどうしても1階の音が反響してしまうため、1階の客の話し声の大きさによっては接待などには向かないことも。ドリンクメニューを見ると、グラスワインは1200円からで、生ビールがあるのがいい。この日はランチに訪れたが、折角なのでディナーコースと同じコースで予約した。
 最初に、「サワークリームを挟んだ黒炭入りビスケット」が出てきた。オレオを模したビスケットは本物よりも硬めで、サワークリームは柚子七味風味。黒色のペーストは黒ニンニクによるもの。「シナモン風味のサツマイモの冷たいポタージュ」自体は、塩味が足りずぼやけた味だが、生イクラには塩味があるのでトータル的には丁度いい。焼き立ての「胡麻のパン」は、表面がカリッとしていて中がふっくらとしている。胡麻の香りは良いが、小麦の香りに欠ける。写真を撮り忘れた「鰻と青リンゴ(ブラムリー)」は、鰻が甘酸っぱいリンゴと合わないわけではないが、ベストマッチとは言えない。店名のオルト(菜園)をモチーフにした「秋分のサラダ」には、洋梨のピューレにローズマリーのジュレとスダチの皮が入っている。野菜そのものは美味しいが、このソースと合うかと言えば微妙だ。むしろ、こんな多くの野菜を混ぜて食べると、それぞれの野菜の美味しさが分からなくなってしまうので、温野菜のようにもっとシンプルでもよいのではないだろうか。「マナガツオのソテー・バターナッツと青ミカンソース」は、マナガツオの火の通り方がミディアムレアで最高だ。キリッと塩味の効いた青ミカンのソースも良かった。「冬瓜と子持ち鮎の自家製フェットチーネ」は、タイのグリーンカレーのような味付けで、これは美味しい!「焼きナスのジェラート・粒ヘシコとキノコのマリネ添えて」は、ジェラートの焼きナス以外は、ほぼ和食と言っても良いくらいの味で微妙だ。「京都で養殖された七谷鴨のフリットとロースト」は、モモがフリット、ロースがローストに調理されており、ピーナッツソースはまあまあ。締めの「鴨カレー」は、スパイシーな辛口のカレー。これはもはや、イタリア料理店のレベルと言うよりもカレー専門店のレベルだ。「台湾ウーロン茶のゼリーと梨」は、梨がシャーベット、すりおろし、角切りといろいろ混ざっていて、サッパリとして美味しい。「イチジクのコンポートとシナモンのジェラート」は、コーヒーで炊いた小豆がアクセントになっている。そして、エスプレッソと小菓子で終了となった。
 どの品も、どちらかというと、味よりも見た目やサプライズ重視の傾向があり、この店にも京都イタリアンやフレンチにありがちな問題が出てしまっている。それにしても、最近のモダンイタリアンやモダンフレンチの店では、コースメニューには素材しか書いておらず、パフォーマンスとして詳細な料理の説明してくれる店が多いが、素材の説明が並列的でダラダラと長すぎ、全く頭に入ってこない。味も含めて、もっと簡潔に料理のポイントを表現できないものかと、いつも思ってしまう。(2019年10月追加)
http://orto-kyoto.jp

中京区衣棚通三条下ル三条町337-2  
電話番号:050-5592-2088
定休日:月曜(不定休あり)
営業時間:12時〜13時、18時〜20時
予算:【ランチ】4500円、5000円、8500円、【ディナー】8500円
アクセス:地下鉄烏丸線、東西線・御池駅6番出口を出て右へ、烏丸通りを四条通方向へ進む。次の三条通り(スターバックス、みずほ銀行)を右折し、「三井ガーデンホテル京都三条」、「京都医健専門学校」を過ぎた交差点を左折すると右側にある。御池駅から徒歩3分
最寄りのランドマーク:三条通り、三井ガーデンホテル京都三条、京都医健専門学校
お勧めポイント:野菜にこだわったコスパの良いイタリアン

烏丸三条から西の路地に入ったところにある・・・ ココです! 2階はテーブル席となっており、2名〜12名様までの個室区切りが可能。しかしながら、吹き抜けとなっている2階はどうしても1階の音が反響してしまうため、1階の客の話し声の大きさによっては接待などには向かないことも 本日のメニューの素材 「秋分のサラダ」に使われる野菜とハーブの一覧 「サワークリームを挟んだ黒炭入りビスケット」 オレオを模したビスケットは硬めで、サワークリームは柚子七味風味。黒色のペーストは黒ニンニクによるもの 「シナモン風味のサツマイモの冷たいポタージュ」自体は、塩味が足りずぼやけた味 しかし、生イクラには塩味があるのでトータル的には丁度いい 焼き立ての「胡麻のパン」 表面がカリッとしていて中がふっくらとしている。胡麻の香りは良いが、小麦の香りに欠ける 「鰻と青リンゴ(ブラムリー)」は写真を撮り忘れ、続く店名のオルト(菜園)をモチーフにした「秋分のサラダ」には、洋梨のピューレにローズマリーのジュレとスダチの皮が入っている 野菜そのものは美味しいが、このソースと合うかと言えば微妙だ。むしろ、こんな多くの野菜を混ぜて食べると、それぞれの野菜の美味しさが分からなくなってしまうので、温野菜のようにもっとシンプルでもよいのではないだろうか 「マナガツオのソテー・バターナッツと青ミカンソース」 マナガツオの火の通り方がミディアムレアで最高だ。キリッと塩味の効いた青ミカンのソースも良かった 「冬瓜と子持ち鮎の自家製フェットチーネ」 タイのグリーンカレーのような味付けで、これは美味しい! 「焼きナスのジェラート・粒ヘシコとキノコのマリネ添えて」 ジェラートの焼きナス以外は、ほぼ和食と言っても良いくらいの味で微妙だ 「京都で養殖された七谷鴨のフリットとロースト」は、モモがフリット、ロースがローストに調理されており、ピーナッツソースはまあまあ 締めの「鴨カレー」 スパイシーな辛口のカレー。これは、もはやイタリア料理店のレベルと言うよりもカレー専門店のレベルだ 「台湾ウーロン茶のゼリーと梨」は、梨がシャーベット、すりおろし、角切りといろいろ混ざっていて、サッパリとして美味しい 「イチジクのコンポートとシナモンのジェラート」コーヒーで炊いた小豆がアクセントになっている エスプレッソと小菓子で終了となった小菓子

リストランテ野呂

 二条城の南側にある人気のイタリアン。オープンキッチンのカウンター席の店内には、ゆったりとジャズが流れている。厨房内の4人の料理人は、キビキビとしていて動きに無駄がない。
 本日のグラスワインは、スパークリングワインが1種類と赤白各2種類ずつで、この他にプレミアムモルツの生ビールもあった。昼はコースメニューしかないようだが、逆に夜はアラカルトメニューしかなく、シェアして食べるスタイル。手書きのアラカルトメニューを見ると、とにかく魚貝類が豊富だ。とくに冷前菜は、目移りするほどの品揃えである。「香住のかにクリームコロッケ・トマトソースで」や「リストランテ野呂のメンチカツ・デミグラスバルサミコで」、「京丹波高原豚のトンテキ・りんごじょうゆソースで」などといったこれってイタリアン?と思うようなメニューも見受けられるが、これはシェフが「洋食 おがた」にいたことが影響しているものと思われる。アラカルトメニューには価格が表示されていないが、実際には京都の日本料理ほどの値段ではなかった。また、この店の一皿は通常の1.5人前ほどであるが、僕のような一人飯客でも、品数が食べられるよう量を調整してもらえるのがありがたい。
 まず、出てきた突き出しの「人参のマリネ」は、ほんのりと甘く、サッパリとしていた。本日の冷前菜の盛り合わせは、「天然真鯛」、「マナガツオの炙り」、「ハマチのタタキ」、「金目鯛の炙り」、「海老と完熟アボガドのタルタル」などが良かった。スモールポーションにしてくれた「香住のかにクリームコロッケ・トマトソースと」は、トマトソースで食べるよりも、ウスターソースで食べた方が美味しかった。「スナップえんどうのカルボナーラ仕立て」は、濃厚な黄身ソース自体は良かったが、スナップエンドウには火が通り過ぎていたのが残念。人気の「リストランテ野呂のメンチカツ・デミグラスバルサミコで」も、スモールポーションにしてくれた。マスタードをたっぷりと塗り、ソースと絡めるように食べると美味しい。しかし、ナイフで切ると肉汁が溢れ出してしまうので、切らずにそのまま食らいついた方が、もっと美味しく食べられるかも。また、付け合わせのマッシュポテトをソースに絡めて食べても最高だった。パスタは素材を選び、客の好みの味をリクエストできる。この日の素材は、「活オマール海老」、「釜揚げシラス」、「天然真鯛の一夜干し」、「アサリ」、「海老」など。僕は「活オマール海老」をチョイスし、トマトソース味、スパゲッティを50gで注文。残念ながらトマトソースには深みがなく、オマール海老の旨味が十分出ているとは言えなかったが、それでも、十分合格点を出せるレベルであった。また、この日のデザートは、「番茶のパンナコッタ」と「ヘーゼルナッツセミブレッド」、「グレープフルーツのプリン」の3つであったが、珍しい「グレープフルーツのプリン」をチョイス。トロトロとした食感に加え、クレームブリュレのように濃厚な味だ。カラメルソースに微かにグレープフルーツの香りが感じられて美味しかった。料理は全般的に非常にテンポ良く出され、ホスピタリティーを感じるサービスも良かった。(2019年8月追加)

中京区西ノ京職司町67-14  
電話番号:075-823-8100
定休日:月曜(月1回火曜)
営業時間:11時半~13時半、17時半~22時
予算:【ランチ】1800円のセット、4500円のおまかせコース【ディナー】価格表示のないアラカルトメニューのみ(一人1万円くらい)、グラスワイン800円〜
アクセス:地下鉄東西線・二条城前駅3番出口を出て左へ。二条城に沿って進み、2つ目の交差点(最初の信号)を左折して進むと、信号のある御池通りに出る。右折して進むと祇園祭で有名な「神泉苑」が見え、更に1つ目の信号を過ぎ、「株式会社 中蔵」が見えると、そのすぐ先にある。二条城前駅から徒歩10分
最寄りのランドマーク:二条城、神泉苑、御池通り
お勧めポイント:洋食とイタリアンの両方を楽しめるハイブリッドイタリアン

二条城南側の御池通りの・・・ ココです! 明るいオープンキッチンのカウンター席の店内には、ゆったりとジャズが流れている ドリンクメニュー。本日のグラスワインは、スパークリングワインが1種類と赤白各2種類ずつで、この他にプレミアムモルツの生ビールもあった昼はコースメニューしかないようだが、逆に夜はアラカルトメニューしかなく、シェアして食べるスタイル。手書きのアラカルトメニューを見ると、とにかく魚貝類が豊富だ。とくに冷前菜は、目移りするほどの品揃えである 「香住のかにクリームコロッケ・トマトソースで」や「リストランテ野呂のメンチカツ・デミグラスバルサミコで」、「京丹波高原豚のトンテキ・りんごじょうゆソースで」などといったこれってイタリアン?と思うようなメニューも見受けられるが、これはシェフが「洋食 おがた」にいたことが影響しているものと思われる。アラカルトメニューには価格が表示されていないが、実際には京都の日本料理ほどの値段ではなかった。また、この店の一皿は通常の1.5人前ほどであるが、僕のような一人飯客でも、品数が食べられるよう量を調整してもらえるのがありがたい 京都のイタリアンらしく箸もある まず、出てきた突き出しの「人参のマリネ」は、ほんのりと甘く、サッパリとしていた 本日の冷前菜の盛り合わせを、1名用のスモールポーションにしてくれた。中でも「天然真鯛」、「マナガツオの炙り」、「ハマチのタタキ」、「金目鯛の炙り」、「海老と完熟アボガドのタルタル」などが良かった。 こちらもスモールポーションにしてくれた「香住のかにクリームコロッケ・トマトソースと」 トマトソースで食べるよりも、ウスターソースで食べた方が美味しかった 「スナップえんどうのカルボナーラ仕立て」は、濃厚な黄身ソース自体は良かったが、スナップエンドウには火が通り過ぎていたのが残念 バゲット 人気の「リストランテ野呂のメンチカツ・デミグラスバルサミコで」も、スモールポーションにしてくれた マスタードをたっぷりと塗り、ソースと絡めるように食べると美味しい。しかし、ナイフで切ると肉汁が溢れ出してしまうので、切らずにそのまま食らいついた方が、もっと美味しく食べられるかも。また、付け合わせのマッシュポテトをソースに絡めて食べても最高だった パスタは素材を選び、客の好みの味をリクエストできる。この日の素材は、「活オマール海老」、「釜揚げシラス」、「天然真鯛の一夜干し」、「アサリ」、「海老」など。僕は「活オマール海老」をチョイスし、トマトソース味、スパゲッティを50gで注文 残念ながらトマトソースには深みがなく、オマール海老の旨味が十分出ているとは言えなかったが、それでも、十分合格点を出せるレベル  この日のデザートは、「番茶のパンナコッタ」と「ヘーゼルナッツセミブレッド」、「グレープフルーツのプリン」の3つであったが、珍しい「グレープフルーツのプリン」をチョイストロトロとした食感に加え、クレームブリュレのように濃厚な味だ。カラメルソースに微かにグレープフルーツの香りが感じられて美味しかった

木山

 マンションの1階にある完全予約制の日本料理店。マンションの1階とは言っても、入口は全く別になっており、和の雰囲気を感じさせる外観となっている。入口を抜けると、手前と奥にテーブル席の個室が1つずつあり、奥の扉を開けるとカウンター席がある。カウンター席は京都らしい雰囲気があって良いが、後ろの空間が狭く、決して快適とは言えない広さである。
 まずは、井戸水を沸かした白湯が出てきた。この店の日本酒は基本純米酒で、プレミアム的なものはなかった。日本酒の品揃えを見ると、料理を邪魔しない淡麗系のものがメインで、アルコール類が充実していないことが、この店最大の問題点なのかもしれない。今回は昼の訪問であったが、昼の1万円のコースではなく、取材なので、敢えて夜の2万円のコースを注文。
 おしるしは、福岡の地酒「天縁」で、かなり淡麗で辛口な日本酒であった。最初の料理は「蓮根豆腐」で、スッポンの煮こごりと生姜、ネギ、天草のウニなどが入っている。ネットリした蓮根餅に歯応えのある刻み蓮根が入っており、食感のコントラストに加え、力強いスッポンの出汁と生姜の香りが最高だった。続く「黒アワビの煮物」には、万願寺唐辛子とアラレが入っており、アワビの旨味を最大限に引き出していた。
 ここで、2種類の鰹節(1年ものと2年もの)とマグロ節の3つをその場で削るというパフォーマンスを見せてくれ、削り立てを、先ずはそのまま味見させてくれた。さらに、削り立ての出汁を少し飲ませてくれる。塩が入っていないのにもかかわらず、十分に濃厚な香りと旨味が感じられた。
 料理に戻って、「車海老の冷たい海老出汁・白味噌仕立て」が出てきた。さっとレアな状態に油通しされた車海老に、濃厚な海老出汁と真空調理された桃とイチジクの甘さがアクセントになっていた。そして、先程の3種の削り節で出汁をとった「ハモと賀茂茄子のお椀」が登場。薄塩ながら、旨味が口腔内を覆い尽くし、逆に出汁の味が引き立った。1つ目のお造りは、「フエダイの赤シソソース」。フエダイの身自体はそれほどではなかったが、酸味のある赤シソソースがサッパリとして出汁による旨味もあった。2つ目のお造りは、「マグロの酢飯ペースト」。トロミのあるポン酢のようなソースが、青ネギ、海苔と良く合う。「千葉鴨川の天然鮎」は小振りなので身も骨も柔らかく、酸味が柔らかい蓼酢も美味しかった。「天草の天然牡蠣」は、プルプルしたジュンサイの食感とクリーミーな岩牡蠣の食感が、爽やかなライムの酸味とよく合った。「蛸の柔らか煮と茶豆の天ぷら」は、添えられた揚げバチコ(ナマコの卵巣)やクラゲの胡麻和えなども含めて良かった。炊き合わせの「鰻の白焼きと炊いた冬瓜」は、この日唯一印象のない味であった。そしてフィナーレは、この店名物の締めご飯である。4種類の中から幾つでも選べ、おかわりもできるのだ。この日のご飯は「玉子餡かけのローストビーフ丼」、「削り立てのかつお節とちりめん山椒の玉子かけごはん」、「ハモ寿司」、「北海道ホタテと岩モズクの雑炊」と目移りするほど。もちろん、僕は全てを少しずついただいたが、「玉子餡かけのローストビーフ丼」と「削り立てのかつお節とちりめん山椒の玉子かけごはん」の2つがお勧めだ。水菓子は「ゼリーと季節のフレッシュフルーツのフルーツポンチ」で、薄茶と茶菓子で終了となった。
 それにしても、最近京都で食べた店では、「富小路 やま岸(→ 京都グルメバイブル・日本料理の頁を参照)」と並ぶお勧め店である。両店とも現時点でミシュランガイド1つ星であるが、将来的は2つ星以上を獲得することは間違いないであろう。「京都和久傳」の料理長だったという店主はまだ若そうだが、料理センスは抜群であり、どの料理も塩加減が絶妙であった。ちなみに、隣の客が昼の1万円コースであったが、水菓子を含めて料理の素材や品数に結構違いがあったので、やはり昼でも2万円のコースがお勧めである。(2019年9月追加)

中京区絹屋町136 ヴェルドール御所1階  
電話番号:075-256-4460
定休日:不定休
営業時間:12時〜13時半、18時〜19時半
予算:【昼】10000円、(20000円)、【夜】15000円、20000円
アクセス:地下鉄烏丸線・丸太町駅7番出口を出て右へ進み、次の交差点を右折して竹屋町通りを進む。右に「竹間公園」を見ながら進み、3つ目の交差点を右折するとすぐ右側にあるマンションの1階。丸太町駅から徒歩6分
最寄りのランドマーク:竹屋町通り、竹間公園
お勧めポイント:料理を美味しい!と思わせる魅せる日本料理店

普通のマンションの1階にあります マンションの1階玄関の左側に進むと・・・ マンションとは思えない和の雰囲気を感じさせる外観となっている入口を抜けると、手前と奥にテーブル席の個室が1つずつあり、奥の扉を開けるとカウンター席がある。カウンター席は京都らしい雰囲気があって良いが、後ろの空間が狭く、決して快適とは言えない広さ まずは、井戸水を沸かした白湯が出てきたおしるしは、福岡の地酒「天縁」で、かなり淡麗で辛口な日本酒 最初の料理は「蓮根豆腐」 葉をどけると、器にはスッポンの煮こごりと生姜、ネギ、天草のウニなどが入っている。ネットリした蓮根餅に歯応えのある刻み蓮根が入っており、食感のコントラストに加え、力強いスッポンの出汁と生姜の香りが最高だった 「黒アワビの煮物」には、万願寺唐辛子とアラレが入っており、アワビの旨味を最大限に引き出していた ここで、2種類のかつお節(1年ものと2年もの)とマグロ節の3つをその場で削るというパフォーマンスを見せてくれた これが削り立てのもの 2種の削り立てのカツオ節と1種のマグロ節を、先ずはそのまま味見する さらに、削り立ての出汁を少し飲ませてくれる。塩が入っていないのにもかかわらず、十分に濃厚な香りと旨味が感じられた 「車海老の冷たい海老出汁・白味噌仕立て」が出てきた。さっとレアな状態に油通しされた車海老に、濃厚な海老出汁と真空調理された桃とイチジクの甘さがアクセントになっていた
先程の3種の削り節で出汁をとった「ハモと賀茂茄子のお椀」が登場。薄塩ながら、旨味が口腔内を覆い尽くし、逆に出汁の味が引き立った 1つ目のお造りは、「フエダイの赤シソソース」。フエダイの身自体はそれほどではなかったが、酸味のある赤シソソースがサッパリとして出汁による旨味もあった 2つ目のお造りは、「マグロの酢飯ペースト」。トロミのあるポン酢のようなソースが、青ネギ、海苔と良く合う 「千葉鴨川の天然鮎」は小振りなので身も骨も柔らかく、酸味が柔らかい蓼酢も美味しかった 「天草の天然牡蠣」は、プルプルしたジュンサイの食感とクリーミーな岩牡蠣の食感が、爽やかなライムの酸味とよく合った 「蛸の柔らか煮と茶豆の天ぷら」は、添えられた揚げバチコ(ナマコの卵巣)やクラゲの胡麻和えなども含めて良かった 炊き合わせの「鰻の白焼きと炊いた冬瓜」は、この日唯一印象のない味であった フィナーレは、この店名物の締めご飯である。4種類の中から幾つでも選べ、おかわりもできる。もちろん、僕は全てを少しずついただいた。最初は「ハモ寿司」 「玉子餡かけのローストビーフ丼」 「北海道ホタテと岩モズクの雑炊」 「削り立てのかつお節とちりめん山椒の玉子かけごはん」 この「削り立てのかつお節とちりめん山椒の玉子かけごはん」と「玉子餡かけのローストビーフ丼」の2つがお勧め 水菓子は「ゼリーと季節のフレッシュフルーツのフルーツポンチ」
茶菓子薄茶

御幸町 田がわ

 2017年にオープンした人気の日本料理店。町家を改装した店内に入り、上り框を上がると、掘りごたつ式のオープンキッチンのカウンター席がある。ベンチシートのような畳座には座布団が敷いてあるだけなので、できれば、背もたれのある座椅子がほしいところだ。スタッフは店主と女性料理人の2人だけで、専属のサービス担当はいない。料理は16000円の1コースのみで、アルコールは日本酒、シャンパン、赤白ワインなど色々あるが、プレミアム的なものはないようだ。
 今回は18時の一斉スタートであった。最初は店主の地元である三重県鳥羽の「煮アワビ」。肝ソースや芋茎、冬瓜、芽ネギなどの組み合わせがいい。お椀は「明石のアコウダイのお椀」で、揚げたアコウダイに千両茄子や松茸、そして針生姜が入っている。優しく香る出汁の余韻は長く、とても味わい深い。一品目のお造りは、「愛媛県八幡産の甘鯛」。ちり酢でいただくと、ネットリとした旨味がある。二品目のお造りは、「皮目を炙った淡路島のハモ」。ハモはほぼ生に近いが香ばしく、骨切りされているために舌触りがいい。ほんのりと山椒が香る山椒醤油ともよく合う。八寸の中では、「鱧の粽寿司」と「鯵と梅肉タタキオクラかけ」が美味しかった。「琵琶湖のビワマスの付け焼き」は、皮目がカリッと焼かれており、ハラミの部分のせいか、淡水魚にも関わらずかなり脂がのっていた。「宮崎牛イチボの炭火焼と蒸し野菜」は、サッパリとしたゴマポン酢でいただいたが、これは想像通りの美味しさ。「北海道産毛ガニのおこわ・湯葉あんかけ」は薄味であったが、カニの旨味のある餡が良かった。そして締めは、この店の名物となった「天草産・天然岩牡蛎のシャブすき」。ゴボウ、大根おろし、しらたき、豆腐などが入った醤油ベースの濃めの出汁に、生の岩牡蛎サッとくぐらせ、生卵に浸して食べると、甘くないので思いのほか美味しい。炊きたての土鍋ご飯も銀舎利状態で素晴らしく、牡蠣と玉子をすくってご飯にのせて牡蠣玉子丼として食べると最高に旨い。
 デザートの水菓子は「わらび餅と季節のフルーツ」であるが、作りたてのわらび餅にしてはそれほど感動がなかった。料理は全般的にシンプルで分かりやすく、料理に実直な大将の考え方が伝わってくるような料理だ。(2019年9月追加)
https://www.gokoumachi-tagawa.com

中京区夷川通御幸町西入松本町575-1  
電話番号:075-708-5936
定休日:不定休(完全予約制)
営業時間:18時~20時半
予算:おまかせコース16000円
アクセス:地下鉄東西線・京都市役所前駅を出て、「御幸町通り」を京都御所方向(北側)へ進む。「押小路通り」、「二条通り」を過ぎ、次の「夷川(えびすがわ)通り」を左折するとすぐ右側にある。京都市役所前駅より徒歩6分
最寄りのランドマーク:京都市役所前駅、御幸町通り、夷川通り
お勧めポイント:ミシュランガイドで1つ星を獲得した人気の日本料理店

夷川(えびすがわ)通り沿いにあります ココです! 上り框を上がると、掘りごたつ式のオープンキッチンのカウンター席がある店主の地元である三重県鳥羽の「煮アワビ」 肝ソースや芋茎、冬瓜、芽ネギなどの組み合わせがいい お椀は「明石のアコウダイのお椀」で、揚げたアコウダイに千両茄子や松茸、そして針生姜が入っている。優しく香る出汁の余韻は長く、とても味わい深い 一品目のお造りは、「愛媛県八幡産の甘鯛」 ちり酢でいただくと、ネットリとした旨味がある 二品目のお造りは、「皮目を炙った淡路島のハモ」 ハモはほぼ生に近いが香ばしく、骨切りされているために舌触りがいい。ほんのりと山椒が香る山椒醤油ともよく合う 八寸の中では、「鱧の粽寿司」と「鯵と梅肉タタキオクラかけ」が美味しかった 「キスの磯辺揚げ」「枝豆とクチコの翡翠玉」 「鯵と梅肉タタキオクラかけ」 「蓮根の白和え」 「イチジクのコンポート」と「モズク酢」 「鱧の粽寿司 」 「琵琶湖のビワマスの付け焼き」は、皮目がカリッと焼かれており、ハラミの部分のせいか、淡水魚にも関わらずかなり脂がのっていた 「宮崎牛イチボの炭火焼と蒸し野菜」 サッパリとしたゴマポン酢でいただいたが、これは想像通りの美味しさ 「北海道産毛ガニのおこわ・湯葉あんかけ」は薄味であったが、カニの旨味のある餡が良かった 締めは、この店の名物となった「天草産・天然岩牡蛎のシャブすき」と土鍋ご飯 この日は天草産の岩牡蛎 土鍋ご飯 炊きたての土鍋ご飯は、銀舎利状態で素晴らしい セットが完成。ゴボウ、大根おろし、しらたき、豆腐などが入った醤油ベースの濃めの出汁に、生の岩牡蛎サッとくぐらせ、生卵に浸して食べると、甘くないので思いのほか美味しい 牡蠣と生玉子をすくってご飯にのせ、牡蠣玉子丼として食べると最高に旨い デザートの水菓子は「わらび餅と季節のフルーツ」作りたてのわらび餅にしてはそれほど感動がなかった

二条 有恒(ありつね)

 ワンランク上の「大人の居酒屋」をコンセプトに、お酒と旬の食材が楽しめる店。入って左側にオープンキッチンのカウンター席、右奥に2名用のテーブル席があり、さらに2階には4〜6名用の個室もある。
 この店にはコース料理はなく、アラカルトメニューの中から好きなものを頼んで食べるスタイル。メニューには値段表示がないが、よほど特別なものをたくさん頼まない限り、料理予算は1万円くらいと考えておけばよい。日本酒は純米酒がメインで、プレミアム的なものこそないが、島根の「出雲富士」の特別純米や三重の「作」の純米大吟醸などといった僕好みのものがあった。ワインは国産ワインが中心である。
 まず出てきた突き出しは、「冷やし茶碗蒸し」。酸味のある餡が夏らしく、車海老と芋茎の食感もいい。注文した「お造りの盛り合わせ」は、バフンウニ、本鮪の中トロ、真イカの3種であったが、それぞれの素材の良さを感じられて良かった。続いて注文したのは、この店の名物である八寸。「未熟メロンの浅漬け明太子詰め」、「サツマイモの蜜煮」、「ハモ寿司」、「トコブシ煮」、「トウモロコシのすり流し」、「水前寺草の胡麻和え」、「枝豆」、「胡麻豆腐」、「長芋酢とシシトウ」、「ジャコ万願寺唐辛子」が盛り付けられていた。焼きものは、しっとりと焼かれた「グジの炭火焼」。グジの皮は剥がされてカリカリに揚げられていたが、塩がかけられていないのが良くない。身は薄塩であるが旨味があり、醤油をかけた大根おろしと一緒に食べるといい。「びふかつ」は、和食屋らしく塩とワサビでいただく。モモ肉なのか?肉は旨味があって悪くないが、油切れが良くないので、お勧めというほどでない。また、塩ワサビだけでは飽きてしまったので、ウスターソースをリクエストしたが、やはり、ウスターソースの方がビフカツ合う。「龍のたまごの玉子かけご飯・カラスミがけ」は、ご飯が醤油ご飯になっていて、トロロに削られたカラスミと黄身を混ぜて食べると、ムース状のトロロと醤油ご飯の海苔の香りが絶妙だった。(2019年9月追加)

中京区二条寺町西入丁子屋町694-3  
電話番号:075-212-7587
定休日:月曜(月に1回火曜も休みに)
営業時間:17時〜22時
予算:1万円くらい
アクセス:地下鉄東西線・京都市役所前駅を出て、「寺町通り」を京都御所方向(北側)へ進む。少し通りが広くなった「二条通り」を左折するとすぐ右側にある。京都市役所前駅より徒歩5分
最寄りのランドマーク:京都市役所前駅、二条通り
お勧めポイント:京都ならではの割烹風大人の居酒屋

二条通り沿いの・・・ ココです! 入って左側にオープンキッチンのカウンター席、右奥に2名用のテーブル席があり、さらに2階には4〜6名用の個室もある カウンター席から見た厨房 ドリンクメニュー1。日本酒は純米酒がメインで、プレミアム的なものこそないが、島根の「出雲富士」の特別純米や三重の「作」の純米大吟醸などといった僕好みのものがあった。ワインは国産ワインが中心である ドリンクメニュー2 本日のメニュー1(全て単品メニュー)。メニューには値段表示がないが、よほど特別なものをたくさん頼まない限り、料理予算は1万円くらいと考えておけばよい 本日のメニュー2 本日のメニュー3 本日のメニュー4 まず出てきた突き出しは、「冷やし茶碗蒸し」。酸味のある餡が夏らしく、車海老と芋茎の食感もいい 注文した「お造りの盛り合わせ」は、バフンウニ、本鮪の中トロ、真イカの3種であったが、それぞれの素材の良さを感じられて良かった この店の名物である八寸。「未熟メロンの浅漬け明太子詰め」、「サツマイモの蜜煮」、「ハモ寿司」、「トコブシ煮」、「トウモロコシのすり流し」、「水前寺草の胡麻和え」、「枝豆」、「胡麻豆腐」、「長芋酢とシシトウ」、「ジャコ万願寺唐辛子」が盛り付けられていた 左から「長芋酢とシシトウ」、「枝豆」、「ジャコ万願寺唐辛子」 手前左から「トウモロコシのすり流し」、「水前寺草の胡麻和え」、「胡麻豆腐」、奥左からキウイのような「未熟メロンの浅漬け明太子詰め」、「サツマイモの蜜煮」、「ハモ寿司」、「トコブシ煮」 しっとりと焼かれた「グジの炭火焼」 グジの皮は剥がされてカリカリに揚げられていたが、塩がかけられていないのが良くない。身は薄塩であるが旨味があり、醤油をかけた大根おろしと一緒に食べるといい 「びふかつ」は、和食屋らしく塩とワサビでいただく。モモ肉なのか?肉は旨味があって悪くないが、油切れが良くないので、お勧めというほどでない

竹ざき

 押小路通りにひっそりとある7席だけの小さな日本料理店。靴を脱いで店内に入ると、足元が掘りごたつになったL字型のカウンター席がある。ガラス越しに、綺麗にライトアップされた坪庭が見える。聞くところによると、店主は「京料理 木乃婦」出身らしい。
 まずは、おしるしをいただく。先付は「栗の白和え」。クリームチーズも入っているようで、コクがあって美味しい。お凌ぎは「穴子の飯蒸し」。これは穴子がフックラとしていて良かった。お造りは「カマス、バフンウニがのったモンゴウイカ、真鯛」で、皮目を炙ったカマスが特に美味しかった。この店の真骨頂はやはりお椀で、この日は「真丈と松茸」。出汁は吉兆系や「富小路 やま岸(→ 京都グルメバイブル・日本料理の頁を参照)」のように濃くて味わい深い。揚げ物は「甘鯛」で、皮がパリパリに揚げられていたが、これはイマイチ。口直しの「シャーベット」に続いて、「スッポンの茶碗蒸し」が出てきた。スッポンらしい深みのある旨味が絶品である。「雲子のムースと真鯛のポン酢」は、見た目とは違ってイマイチだった。炊き合わせに「黒アワビと海老芋」が出て、更に、締めの土鍋ご飯の「白米」と「香の物」が出てきた。また、ご飯のお供として、「イクラの醤油漬け」や「鯛茶漬け」が出てきた。続くデザートの「ピスタチオのアイスクリーム」は最高に美味しく、水菓子の「完熟柿」、「芋きんつば」、「薄茶」で終了となった。
 この店は、店主と女将さんの2人でやっているのだが、この日は二人の連携が悪かったせいか、料理のテンポが悪く、料理の段取りもイマイチだった。北海道であれば1.5つ星くらいの評価だが、京都で評価するならば1つ星が妥当であろう。(20199月追加)

中京区押小路通高倉東入竹屋町150  
電話番号:075-744-1661
定休日:不定休
営業時間:12時スタート、18時〜20時半
予算:コース16000円
アクセス:地下鉄烏丸線・烏丸御池駅を出て、御池通りを東(鴨川方向)へ向かう。東洞院通り、間之町通りを過ぎ、高倉通りを左折する。1つ目の交差点を右折して押小路通りに入るとすぐ左側にある。烏丸御池駅から徒歩5分
最寄りのランドマーク:高倉通り、押小路通り
お勧めポイント:お椀が絶品の日本料理店

押小路通りにひっそりとある 通路を抜け靴を脱いで店内に入ると・・・ 足元が掘りごたつになったL字型のカウンター席がある。ガラス越しに、綺麗にライトアップされた坪庭が見える まずは、おしるしをいただく 先付は「栗の白和え」 クリームチーズも入っているようで、コクがあって美味しい お凌ぎは「穴子の飯蒸し」。これは穴子がフックラとしていて良かった お造りは「カマス、バフンウニがのったモンゴウイカ、真鯛」
皮目を炙ったカマスが特に美味しかった この店の真骨頂はやはりお椀で、この日は「真丈と松茸」。出汁は吉兆系や「富小路 やま岸(→ 京都グルメバイブル・日本料理の頁を参照)」のように濃くて味わい深い 揚げ物は「甘鯛」で、皮がパリパリに揚げられていたが、これはイマイチ 直しの「シャーベット」 「スッポンの茶碗蒸し」が出てきた。スッポンらしい深みのある旨味が絶品である 雲子のムースと真鯛のポン酢」 美しい見た目とは違ってイマイチだった 炊き合わせに「黒アワビと海老芋」 締めの土鍋ご飯の「白米」と「香の物」が出てきた ご飯のお供として、「イクラの醤油漬け」と・・・ 白米に掛けていただく 「鯛茶漬け」が出てきた続くデザートの「ピスタチオのアイスクリーム」は最高に美味しい 水菓子の「完熟柿」 「芋きんつば」「薄茶」で終了となった

二条城 ふる田

 ANAクラウンプラザ京都のすぐそばにあるミシュランガイド1つ星の日本料理店。店内はカウンター席が6席と4名用のテーブル席が1つだけの小さな店である。ドリンクメニューを見ると、シャンパンや赤白ワイン、焼酎など一通りあるが、種類が少なく、酒に関してはあまり期待しない方がよいかも。夜のコースは、13000円(全9品)と30000円(全10品)の2コースで、値段にあまりにも開きがあるため、初回なので13000円のコースで予約した。
 まず出てきたのは「そうめんカボチャ」。コリコリとした食感と酸味のある出汁の組み合わせが実に夏らしい。お椀は「アコウダイと冬瓜、焼きナス」。冬瓜はすり流しのような状態で、出汁は濃すぎず薄過ぎず美味しい。続いて「ハモの温かい落とし・紫蘇の花と梅肉ソース」。茹でたての温かいハモの落としは初めてだが、コチラの方が食感がフワッと柔らかく、ハモの香りも感じることができて良い。そして、「トウモロコシと新生姜のかき揚げ」、「揚げ賀茂茄子のそぼろ味噌」、「鮎の塩焼き」へと続く。「鮎の塩焼き」の鮎があまりに小さく、焼モロコかと思ったが、むしろ、この大きさの方が一口で骨まで食べられ、内臓の苦みも少なくていい。「徳島の半田麺と北海道噴火湾のモズク」には、紫蘇の葉が入っており、爽やか鰹節の出汁も深い。さらに、「イサキとジュンサイ、白芋茎の小鍋」が出てきた。暑い日(この日の京都は36度)に、グツグツと沸騰した小鍋はどうかと思ったが、プルンとしたジュンサイと白芋茎の食感に加え、生姜が効いたトロミがある汁はなかなか良かった。締めの土鍋ご飯は、「万願寺唐辛子と新小芋の炊き込みご飯」まあまあの出来。米は店主の実家から取り寄せているという。そして、「季節のフルーツとメロンアイス」で終了となった。
 既成の調理法にとらわれない、若い店主の料理に対するポリシーを感じさせる料理であった。料理はシンプルで、素材の味を最大限に引き出す玄人好みの料理ともいえる。御夫婦2人と見習い料理人の3人だけであったが、サービスも問題なく、むしろホスピタリティを感じるものだった。ちなみに、この店での支払いは現金のみで、クレジットカードは使えないのでご注意を。(2019年9月追加)
https://nijyoujyoufuruta.gorp.jp

中京区押小路通小川西入ル古城町371  
電話番号:075-254-8377
定休日:不定休
営業時間:【昼】12時~14時半(完全予約制)、【夜】17時〜20時半
予算:【昼】13000円、【夜】13000円、30000円
アクセス:地下鉄東西線・二条城前駅1番出口を出て、右斜め前にある建物「ANAクラウンプラザ京都」を目指して進む。「ANAクラウンプラザ京都」横の押小路通りを進み、「ANAクラウンプラザ京都」を過ぎるとすぐ右側にある。二条城前駅から徒歩5分
最寄りのランドマーク:二条城、ANAクラウンプラザ京都
お勧めポイント:シンプルで素材の味を最大限に引き出す玄人好みの店

ANAクラウンプラザ京都のすぐそばにあります ココです! まず出てきたのは「そうめんカボチャ」。コリコリとした食感と酸味のある出汁の組み合わせが実に夏らしい お椀は「アコウダイと冬瓜、焼きナス」。冬瓜はすり流しのような状態で、出汁は濃すぎず薄過ぎず美味しい 「ハモの温かい落とし・紫蘇の花と梅肉ソース」。茹でたての温かいハモの落としは初めてだが、コチラの方が食感がフワッと柔らかく、ハモの香りも感じることができて良い 「トウモロコシと新生姜のかき揚げ」 「揚げ賀茂茄子のそぼろ味噌」 「鮎の塩焼き」の鮎があまりに小さく、焼モロコかと思ったが、むしろ、この大きさの方が一口で骨まで食べられ、内臓の苦みも少なくていい 「徳島の半田麺と北海道噴火湾のモズク」 紫蘇の葉が入っており、爽やか鰹節の出汁も深い 「イサキとジュンサイ、白芋茎の小鍋」 暑い日(この日の京都は36度)に、グツグツと沸騰した小鍋はどうかと思ったが、プルンとしたジュンサイと白芋茎の食感に加え、生姜が効いたトロミがある汁はなかなか良かった締めの土鍋ご飯は、「万願寺唐辛子と新小芋の炊き込みご飯」 米は店主の実家から取り寄せているというが、まあまあの出来 ちりめん山椒 赤だしとちりめん山椒とのそろい踏み「季節のフルーツとメロンアイス」で終了

旬菜いまり

 六角通りにある人気の朝食店。正確には居酒屋であるが、今回のお勧めは、この居酒屋がやっている「京の朝ごはん」である。店内は縦長のレイアウトで、手前にテーブル席、奥にカウンター席とテーブル席がある。オペレーションの関係上、朝食時には入口側のテーブル席は使用せず、奥だけを使用しているようだ。
 開店時間の7時半に伺うと、既に店の前には行列が。予約せずに並んでいた客もいたが、空いていても予約がない場合には全て断られていた。その理由は、客が来店する時間に合わせて土鍋ご飯を炊き、料理を用意しているからである。なので、たとえ予約していたとしても時間厳守なのである。
 着席して10分くらいですぐに料理と土鍋ご飯が出てきた。「ナスのオランダ煮」は、味がよく染みていて柔らかくて美味しい。「鮭の西京味噌焼き」は、バーナーで温めなおして出てくるが、味噌はやや甘め。「菜っ葉のおひたし」と「出汁巻き玉子」は、どちらも美味しい。「ナスとミョウガの味噌汁」と「水菜のサラダ梅ドレッシング」は、まあまあの出来。「ミョウガとパプリカのぬか漬け」は意外と美味しい。そして、メインの土鍋ご飯であるが、土鍋ご飯は味の変化を少しずつ楽しむべきだということを、「朝食 喜心(→ 京都グルメバイブル・朝から食べるの頁を参照)」で学んだ。最初の1杯は水分多めで僅かに芯が残るが、時間が経った2杯目からは丁度良くなってくる。
 あくまでも居酒屋の朝食なので、完璧な朝食というには程遠いが、値段を考えればギリギリ1つ星といったところである。それにしても、オプションでもよいので、僕的には白米には生卵や納豆などが欲しいところ。(2019年9月追加)
https://kyoto-imari.com

中京区六角通り新町西入ル西六角町108
電話番号:075-231-1354
定休日:火曜
営業時間:7時半〜10時(京の朝ご飯)
予算:京の朝ごはん1500円(完全予約制)
アクセス:地下鉄烏丸線・四条22番出口を出て、烏丸通りを北(御池通り方向)へ進む。錦小路通り、蛸薬師通りを過ぎ、次の六角通りを左折する。1つ目の交差点、T字路、2つ目の交差点を過ぎると、左の京都逓信病院が見えるので、その向かい側。四条駅から徒歩10分
最寄りのランドマーク:六角通り、京都逓信病院
お勧めポイント:居酒屋が作る良質な朝食

開店前から行列ができています 開店時間となりました 手前通路の右にテーブル席がありますが、朝食時には使わないようです カウンター席の奥にもテーブル席があります カウンター席から入口側を見たところ 朝食からビールも飲めます 本日の朝食の説明図 実際の朝食 炊きたての土鍋ご飯(一人用) 炊きたてなのでツヤツヤ 「水菜のサラダ梅ドレッシング 」はまあまあで、「出汁巻き」はふっくらしていて美味しい 「鮭の西京味噌焼」きはやや甘めの味付けで、焼きたてでなく、バーナーで温めなおしているのでイマイチ 「ミョウガとパプリカのぬか漬け」は美味しい。「昆布の佃煮とカツオふりかけ」は普通「菜っ葉のおひたし」は美味しい。「ナスのオランダ煮」は味がよく染みていて柔らかく旨い。「ナスとミョウガの味噌汁」はまあまあ

サボ SABOT

 昭和の風情が残る町家で、店主がひっそりとやっているカレー店。寺町通りから二条通り、さらにそこから北へ向かう細い通りを進むと、ネコのマネキン人形が立っている門がある。門をくぐって通路を進むと、猫グッズを販売している町家猫喫茶「うたねこ堂」があり、さらに奥にこの店がある。目立つ暖簾や看板らしきものはなく、普通の家の玄関前に、店名の書かれた赤い木の板が置かれているだけである。思わず、福岡の「Tiki(→ 福岡グルメバイブル・カレーの頁を参照)」を彷彿とさせるような不思議なカレー店である。
 扉を開けて靴を脱ぎ、もう一つの扉を開けて店内に入ると、中はリノベーションして裸電球が灯るフローリングの室内。2名用の狭いテーブル席が3つとカウンター席という狭いスペース。路地の奥にあるせいか、静寂の中にウィスパーな音楽が流れ、時間がゆったりと流れている。
 開店当初と変わったことが2点ほどある。以前はホールスパイスやギー、長粒米などの販売をしていたが、現在は行っていないこと。そして、オープン時には「チキンカレー」1本だったが、今は日替わりカレーが2つ加わり、「チキンカレー」とあいがけができるようになったことだ。
 僕のお勧めは、何と言っても開店当初からある「チキンカレー」。ホールスパイスが感じられる南インド・スリランカ風カレーで、辛さは選べないものの、中辛〜辛口程度の辛さである。今回初めていただいた日替わりの「キノコのキーマカレー」は、スパイスが抑えられていて非常にマイルド。パルメザンチーズをかけたり、パクチーをのせたライスと一緒に食べると、味の輪郭がハッキリと感じられて更に美味しい。これらに対して、「チャイ」はあまりスパイスが香らない。(2019年9月)
https://twitter.com/sabotkyoto?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

中京区新烏丸通二条上る橘柳町155-3  
電話番号:非公開(上記ツイッターにて確認)
定休日:木曜
営業時間:【平日】11時半〜20時、【日曜】11時半〜17時
予算:ハーフ&ハーフ(チキンカレーと日替わりのあいがけ)950円
アクセス:地下鉄東西線・京都市役所前駅を出て、御池通りから寺町通りを北(京都御所側)へ向かう。寺町通りが広くなる2本目の交差点の二条通りを右折し、すぐ次のT字路を左折するとすぐ左側にある。京都市役所前駅から徒歩4分
最寄りのランドマーク:京都市役所、寺町通り、二条通り
お勧めポイント:昭和の風情が残る町家で楽しめる本格カレー

寺町通りから二条通り、さらにそこから北へ向かう細い通りを進むと・・・ 左側に変な猫のマネキン人形が 門の奥の路地には・・・ 4つの店舗があるらしい 路地を進むと・・・ 猫グッズを販売している町家猫喫茶「うたねこ堂」があり さらに奥にこの店がある 目立つ暖簾や看板らしきものはなく、普通の家の玄関前に、店名の書かれた赤い木の板が置かれているだけである 扉を開けて靴を脱ぎ、もう一つの扉を開けて店内に入ると・・・ 中はリノベーションして裸電球が灯るフローリングの室内 2名用の狭いテーブル席が3つとカウンター席という狭いスペース。路地の奥にあるせいか、静寂の中にウィスパーな音楽が流れ、時間がゆったりと流れている メニュー 僕のお勧めは、何と言っても開店当初からある「チキンカレー」 ホールスパイスが感じられる南インド・スリランカ風カレーで、辛さは選べないものの、中辛〜辛口程度の辛さ 副材の野菜 ハーフ&ハーフ(チキン+日替わりカレー) 「チキンカレー」 今回初めていただいた日替わりの「キノコのキーマカレー」は、スパイスが抑えられていて非常にマイルド。パルメザンチーズをかけたり、パクチーをのせたライスと一緒に食べると、味の輪郭がハッキリと感じられて更に美味しい ライス「チャイ」はあまりスパイスが香らない

カーヴ ド ケイ Cave de K

 この建物の2階にある「BAR K6(→ 京都グルメバイブル・バーの頁を参照)」が、2014年にオープンさせたワインバー。1階にあるこの店の隣には、同じく「BAR K6」が経営する会員制ウィスキーバー「バー ケラー Bar Keller」がある。
 ドアを開けると、ジャズソングが流れる大人の空間が広がる。ゆったりとしたカウンター席があり、右側には多数のワインカーヴがある。こういう店のワインカーヴは、往々にしてガラス張りの部屋タイプのものが多いが、インテリアコーディネーターが考えたのだろうか?この店のワインカーヴは小型の冷蔵庫タイプで、しかも2段に積み重ねられている。また、床がガラス張りになっており、床下にもワインが貯蔵されている。入口を入ってすぐ右側には、8名までの個室もあるようだ。
 この日のスパークリングワインは5種類、赤ワインは3種類、白ワインは3種類であった。ボトルワインの品揃えも悪くはない。フードメニューを見ると、「BAR K6」と同様にフードメニューが充実している。軽い前菜から肉料理、パスタ、デザートに至るまでいろいろとある。聞くところによると、現在のシェフは「BAR K6」にいた方で、2階の「BAR K6」の厨房とは全く別になっているが、会員制ウィスキーバー「Bar Keller」のフードはこちらで作っているという。確かに、カウンター背後の壁の戸棚が隠し扉となっており、隣の「Bar Keller」へ食べ物を運ぶときに開かれていた。さらに、この店はナチュラルチーズの品揃えもいい。今回いただいた「宮崎牛のハンバーグ」は、デミグラスソースはまあまあで悪くはなかったが、肉はジューシーさに欠けた。(2019年8月追加)
http://www.ksix.jp/cavedek/

中京区木屋町二条東入ル481 ヴァルズビル1階  
電話番号:075-231-1995
定休日:火曜
営業時間:11時~翌2時(17時からはチャージ1000円)
予算:グラスワイン1500円〜、チャージ1000円(税、サービス料10%)
アクセス:地下鉄東西線・京都市役所前駅2−3番出口を出て、広い御池通りを鴨川方向へ向かう。「やまや」の横を左折して疎水に沿って木屋町通りを進み、さらに「がんこ 二条苑」を過ぎると、二条通りに突き当たるのでそこにある。京都市役所前駅から徒歩6分
最寄りのランドマーク:木屋町通り、がんこ 二条苑、二条通り
お勧めポイント:食事も楽しめるハイセンスなワインバー

ココです! カウンター席 カウンター席の背後には多数のワインカーヴがある。こういう店のワインカーヴは、往々にしてガラス張りの部屋タイプのものが多いが、インテリアコーディネーターが考えたのだろうか?この店のワインカーヴは小型の冷蔵庫タイプで、しかも2段に積み重ねられている フードメニュー1 フードメニュー2 フードメニュー3 デザートメニュー グラスワイン ナチュラルチーズの品揃えが充実している 盛り合わせたところ 「宮崎牛のハンバーグ」デミグラスソースはまあまあで悪くはなかったが、肉はジューシーさに欠けた

ワインバー ミュゼ Wine Bar Musée

 今年で11年目を迎える四条烏丸の近くにあるワインバー。エレベーターでビルの3階へ上がり、店内に入ると、思っていたよりもコンパクトな店内。手前に小さなワインセラーと4人掛けのテーブル席が2つあり、奥にはライトアップされた坪庭が見えるガラス張りのカウンター席がある。どうやら、店長がサービスと調理の両方を一人でやっている小さなワインバーのようである。なので、混んでくると料理もサービスにも時間がかかるであろう。 
 ボトルワインは若いブルゴーニュがメインのようだ。グラスワインの価格帯は1400円〜4500円で、この日のグラスワインは、シャンパンが2種、白ワインが4種、赤ワインが5種、そしてデザートワインに96年のディケムもあった。
 店主は、元はフレンチかイタリアンのシェフだったのだろうか。一人で全てをやっているとは思えないくらいフードメニューが充実しており、メニューには、前菜や肉料理、パスタ、チーズ、乾き物などがあった。この日いただいた「鮎のコンフィ」は、ほんのり温かい前菜で、食べづらかったので箸を貰った。身はじっくりと火が通されて柔らかく、ほんのりとした内臓の苦味も塩味もピッタリ。シャンパンには最高のアテであった。「ほうき鶏モモ肉のロートロ・生コショウ風味」は鶏の香りに溢れ、柔らかく粗塩による塩味もピッタリで、お勧めである。
 それにしても、ボトルワインの種類が少なく、決して上級者向けの店とは言えないが、食べ物も美味しくグラスワインも決して悪くないので、ギリギリ2つ星とした。地元にあったら2軒目にフラリと立ち寄ってみたい居心地の良い店だ。ちなみに、流れているBGMが、もっとゆったりとしたジャズなどであれば、更に雰囲気がアップするのでは思うのは僕だけだろうか。(2019年8月追加)
https://ja-jp.facebook.com/Wine.bar.Musee/

中京区観音堂町470 道家商事ビル3階  
電話番号:050-5592-1230
定休日:火曜
営業時間:17時~翌1時(土・日は14時〜翌1時)
予算:グラスワイン1500円〜、ほうき鶏モモ肉のロートロ・生コショウ風味2000円、パスタ1800円
アクセス:地下鉄烏丸線・四条駅から「LAQUE四条烏丸」へ出る。四条通を西側(河原町と反対方向)へ向かう。「四条烏丸調剤薬局」を過ぎ、「Holly’s Café四条室町店」と「京都スカイPARKING」の間の小路を右折する。最初のT字路を左折するとすぐ左のビル。四条駅から徒歩3分
最寄りのランドマーク:LAQUE四条烏丸、Holly’s Café四条室町店
お勧めポイント:軽い食事も楽しめる優良ワインバー

このビルの・・・ 3階にあります エレベーターを降りると入口が・・・ 奥にはライトアップされた坪庭が見えるガラス張りのカウンター席がある入口側には、4人掛けのテーブル席が2つと・・・ 手前に小さなワインセラーがある 本日のグラスワインのメニュー 本日の食べ物のメニュー。店主は元はフレンチかイタリアンのシェフだったのだろうか?一人で全てをやっているとは思えないくらいフードメニューが充実している グラスのシャンパン チャームはフルーツほおずき グラスの白ワイン この日いただいた「鮎のコンフィ」は、ほんのり温かい前菜。食べづらかったので箸を貰った。身はじっくりと火が通されて柔らかく、ほんのりとした内臓の苦味も塩味もピッタリ。シャンパンには最高のアテであった グラスの赤ワイン 「ほうき鶏モモ肉のロートロ・生コショウ風味」鶏の香りに溢れ、柔らかく粗塩による塩味もピッタリで、お勧めである

富小路 やま岸 

 2015年に開店した新進気鋭の料理人・山岸さんの店。茶道、華道、書道に精通した店主の作る料理はセンス抜群で、五感で楽しませる料理を提供してくれる。また、店主は寿司職人からスタートしたため、コースの途中に出てくる寿司もかなり美味しい。
 入口を抜けて通路を進み、店内に入ると、カウンター僅か9席だけの小さな空間。店主と女将さんの他に、見習いの料理人が一人だけ。テーブルはダウンライトで照らされ、料理をしっかりと映し出してくれる。
 コースの先付「カマスのジュレがけ」は、ビジュアルも素晴らしいが、サッパリとしたジュレに絡んだカマスが実に美味しい。続くお凌ぎは「アワビの肝素麺・イクラがけ」で、こんな組み合わせがあるのかと感心。お椀は「クエと菊」で、このお椀が素晴らしく、出汁が濃くて僕好みだった。向付けのお造りは「鰹のたたき」。みじん切りのタマネギと生姜でいただくと、もう最高。八寸は「鮎の干物と焼き栗」、そして「丹波の黒豆」。炊き合わせは「キノコと牛肉、蕪」。揚げ物は確か「鮭フライ」だったような気がする。続いて鮨となるが、「鯖の棒寿司」は1つか2つか選べるが、最高に美味しいので絶対に2つ頼まないと後悔する。次の「バフンウニの巻き寿司」も言うまでもなく最高。焼き物の「キンキ」は、塩加減絶妙で脂ものっており、このレベルのキンキにはなかなか出会えない。
 最後を締める土鍋ご飯が、特に美味しかった。料理店の炊きたての白米を、あまり美味しいと思ったことはなかったが、新米なのだろうか?この店の白米はツヤツヤで瑞々しく、本当に美味しかった。ご飯のお供は「タラコ(糀漬け?)」、「釜揚げしらす」、「ナメコ」の3つであり、特にタラコが良かった。水菓子は渋柿を熟成させたものに、甘さをスッキリと調節するためなのだろうか、ライムを添えてあるのが実に心憎い。そして、最後は薄茶で終了となった。
 それにしても、この店で出てくる素材はどれも一級品のものばかりで、一口食べただけでその違いが分かるほど。これほどの素材は、「旬席 鈴江(→ 京都グルメバイブル・日本料理の頁を参照)」で経験して以来である。しかも、素材の組み合わせが斬新で、ビジュアル的なセンスも抜群である。さらに、女将さんの気遣いが素晴らしく、実にホスピタリティーのある日本料理店である。
 ちなみに、下記ホームページからのウェブ予約も可能である。(2019年9月追加)
http://www.tominokoji-yamagishi.com

中京区富小路通六角下る骨屋之町560  
電話番号:075-708-7865
定休日:火曜、第2・4水曜
営業時間:18時〜21時
予算:コース18000円〜20000円(食材により変わる)
アクセス:地下鉄烏丸線・四条駅20番出口を出て左へ進み、5本目の富小路通りを左折する。錦市場を過ぎ、蛸薬師通りを過ぎたら左側にある(生祥小学校の向かい)。四条駅から徒歩8分
最寄りのランドマーク:富小路通り、錦市場、生祥小学校
お勧めポイント:店主のセンスを感じさせる日本トップレベルの料理店

ココです! 入口を入ると・・・ 中に暗い通路が 店内はカウンター僅か9席だけの小さな空間 コースの先付「カマスのジュレがけ」は、ビジュアルも素晴らしいが、サッパリとしたジュレに絡んだカマスが実に美味しい お凌ぎは「アワビの肝素麺・イクラがけ」で、こんな組み合わせがあるのかと感心お椀は「クエと菊」で、このお椀が素晴らしく、出汁が濃くて僕好み 向付けのお造りは「鰹のたたき」 みじん切りのタマネギと生姜でいただくと、もう最高 八寸は「鮎の干物と焼き栗」、そして「丹波の黒豆」 炊き合わせは「キノコと牛肉、蕪」 揚げ物は確か「鮭フライ」だったような気がする 続いて鮨となるが、「鯖の棒寿司」は1つか2つか選べるが、最高に美味しいので絶対に2つ頼まないと後悔する そのまま食べるのではなく、海苔に巻いて食べる 「バフンウニの巻き寿司」も言うまでもなく最高 焼き物は「キンキ」 塩加減絶妙で脂ものっており、このレベルのキンキにはなかなか出会えない ご飯のお供は「タラコ(糀漬け?)」、「釜揚げしらす」、「ナメコ」の3つであり、特にタラコが良かった 最後を締める土鍋ご飯が、特に美味しかった 料理店の炊きたての白米を、あまり美味しいと思ったことはなかったが、新米なのだろうか?この店の白米はツヤツヤで瑞々しく、本当に美味しかった水菓子は渋柿を熟成させたものに、甘さをスッキリと調節するためなのだろうか、ライムを添えてあるのが実に心憎い
薄茶で終了となった

アッサンブラージュ カキモト
ASSEMBLAGES KAKIMOTO

 久々の3つ星スイーツ店。この店は日本トップクラスのスイーツ店であり、現時点で京都ナンバーワンではないかと思う。店舗は京都御所近くの町家をリノベーションしたもので、外からはスイーツ店とは思えないような佇まい。店内に入ると手前にショップがあり、奥には京都らしい坪庭のあるカウンター席のイートインスペースがある。ショーケースを覗くと、ケーキの種類こそそれほど多くはないものの、見るからに美味しそうなビジュアルだ。
 この店の真骨頂は、何と言ってもフンワリトロトロのムースケーキ。特に、チョコレート系のものがいい。ここまでギリギリまで柔らかくしたムースケーキは、東京の 「イデミ・スギノ(→ 銀座グルメバイブル・スイーツの頁を参照)」 や京都の 「パティスリー タンドレス(→ 京都グルメバイブル・スイーツの頁を参照)」 、名古屋の 「ピエール プレシュウズ(→ 名古屋グルメバイブル・スイーツの頁を参照)」 くらいしか思い当たらないほど。 
 一番のお勧めは「ZEN」。下に求肥とコーヒーで浸したようなシットリとしたスポンジが敷かれ、バニラムースに入った小豆との重層感が素晴らしい。もう一つの一押しは「ショコラバニーユ」。チョコレートのトロトロ感が半端ではなく、カカオの香りと酸味、そして絶妙なミルキーチョコの甘さが素晴らしい。また、ピスタチオを使った「ピスターシュ」も、トロトロ・パリパリとした食感のコントラストと濃厚なコクが最高。さらに、ホワイトチョコムースとマンゴーやバナナムースのケーキ「フロレゾン」もお勧めだ。 
 これらに対し、店名を冠した「アッサンブラージュ」は意外とお勧めではない。「アッサンブラージュ」はA、B、Cの3種類あるが、もしも、これらの中で食べるとすれば、最も人気のないCだ。Cはコーヒーとキャラメルがベースになっており、滑らかな食感と味のバランスがいい。この店一番人気のAはコーヒーの味が強すぎ、二番人気のBはベリー系の酸味が勝っていて、いずれもバランスが良くない。ムース系チョコレートケーキの王道「テ・オ・ショコラ」は悪くはないが、「イデミ・スギノ」のアンブロワジーほどの洗練されてはいない。 
 ちなみに、夜にはパティシエである垣本シェフが作るディナーコース(要予約)もあるらしい。それにしても、この店は味だけでなく店員の心のこもった対応も素晴らしい。現在のところ、新しい店なのであまり未だ知られていないせいか、土日・祝日の昼にこそ行列ができるが、平日ならば並ばずに入ることができる。(2017年9月追加)

中京区竹屋町通寺町西入ル松本町587-5  
電話番号:075-202-1351 
定休日:火曜、第2・第4水曜(不定休あり) 
営業時間:12時~17時半(テイクアウトは19時まで、18時からのディナーは13800円で要予約) 
予算:ZEN580円、ショコラバニーユ620円、ピスターシュ580円 
アクセス:地下鉄烏丸線・丸太町駅5番出口を出て、「ハートピア京都」の角をすぐ左折して竹屋町通を進む。「竹間公園」、「御所南小学校」、「森歯科医院」を過ぎたらすぐ右側にある(寺町通の手前)。丸太町駅から徒歩10分 
最寄りのランドマーク:御所南小学校、竹屋町通、寺町通 
お勧めポイント:洗練されたチョコレート系のムースケーキが美味しい

竹屋町通にありますココです!入口を入って手前にあるショップ。ショーケースの左がケーキ、右がチョコ奥に坪庭があるカウンター席。実にシックで京都っぽい初日のケーキ「ZEN」。下に求肥とコーヒーで浸したようなシットリとしたスポンジが敷かれ、バニラムースに入った小豆との重層感が素晴らしいムース系チョコレートケーキの王道「テ・オ・ショコラ」は悪くはないが、「イデミ・スギノ」のアンブロワジーほどの洗練されてはいない2日目のケーキもう一つの一押しは「ショコラバニーユ」。チョコレートのトロトロ感が半端ではなく、カカオの香りと酸味、そして絶妙なミルキーチョコの甘さが素晴らしい「ショコラバニーユ」の断面ピスタチオを使った「ピスターシュ」断面を見ると何となく分かってもらえると思うが、トロトロ・パリパリとした食感のコントラストと濃厚なコクが最高この店一番人気の「アッサンブラージュ A」は、コーヒーの味が強すぎだ3日目のケーキこの店2番人気の「アッサンブラージュ B」は、ベリー系の酸味が勝っていてバランスが良くない「アッサンブラージュ C」は、コーヒーとキャラメルがベースになっており、滑らかな食感と味のバランスがいいホワイトチョコムースとマンゴーやバナナムースのケーキ「フロレゾン」もお勧めだ

田中鶏卵

 創業80年を迎える京出汁巻き卵の専門店。錦市場内にあるこの店は、近くの「三木鶏卵」と並ぶ出汁巻き卵の人気店である。食べ比べてみたが、この店の方が味、食感共に僕好みである。この店の一番人気は、オーソドックスな「京だし巻き」。大と中サイズの他に、その場で食べられる串に刺さったミニサイズの「京だし巻き」もある。この他に、「う巻き」や「活はも巻き」、「青のり巻き」なども販売されている。「京だし巻き」の出来たてをその場で頂くと、フワッフワな食感に加えて、昆布や削り節の出汁が効いたその深い味わいに、感動すら憶える。(2015年1月追加)

中京区錦小路通富小路西入東魚屋町185  
電話番号:075-221-2094
定休日:無休(正月を除く)
営業時間:9時〜18時
予算:京だし巻き(大)1030円、(中)720円、(串)120円
アクセス:地下鉄烏丸線・四条駅、阪急烏丸駅の出入り口5「京都三井ビルディング」を出て四条通を左へ。「東横イン」、「大丸」、「野村證券」を過ぎ、「ベネトン」の角を左折して富小路通を錦市場へ向かうとすぐ右側。四条駅、阪急烏丸駅より徒歩3分。
最寄りのランドマーク:錦市場、富小路通、大丸
お勧めポイント:出汁の効いたフワフワの京都らしい出汁巻き卵

1本120円の串

含気量が多くフワッフワ

こちらが近くにある人気の三木鶏卵

こちらのもう一つの名物は「黄味餡ぱん」

三木鶏卵のだし巻き

三木鶏卵のだし巻きは密度が濃い

これが三木鶏卵の名物・黄味餡パン。カスタードクリームのように濃厚な黄味の味わいがするが、お勧めするほどではない

京都鳩居堂(きゅうきょどう)本店

 銀座グルメバイブル(→ 銀座グルメバイブル・ショッピングの頁を参照) でも取り上げた「東京鳩居堂」は、銀座四丁目の一等地にあるため、地価のニュースなどで耳にしたことがある方も多いだろう。銀座店とは対照的に、京都にある本店は、寂れた感のある寺町通にひっそりとある。1663年(寛文3年)の創業で、もとは寺町の本能寺門前にあった薬種商だったという。現在の「鳩居堂」は、日本伝統文具の専門店である。
 風情のある黒塗りの店内では、筆や硯などの書画用品や季節の便せん、封筒、絵葉書、お香、線香、和紙工芸品などを扱っている。特に、書道用品の硯には100万円を超えるようなものもある。お勧めは、美しく煌びやかな和紙や絵葉書、便せん、封筒、金箔シールなど。これらは日本土産としても外国人受けしそうなアイテムである。(2014年12月追加)
http://www.kyukyodo.co.jp/index.html

 

中京区寺町姉小路上ル下本能寺前町520  
電話番号:075-231-0510
定休日:日曜日(祝日、祭日は営業)
営業時間:10時~18時
アクセス:地下鉄東西線・京都市役所駅を出て、御池通から寺町通南側のアーケード街に入るとすぐ右側。京都市役所駅から徒歩3分
最寄りのランドマーク:御池通、寺町通
お勧めポイント:日本伝統文具の専門店

香老舗 松榮堂

 京都御所近くにある宝永2年(1705年)創業の老舗お香店である。現在、全国に9店舗を構え、京都にはこの店の他、「産寧坂店」と「京都駅 薫薫」、「嵐山香郷」の3店舗がある。
 店内では様々なお香製品が販売されている。火をつけるお香は線香のような棒状のものから渦巻き型の蚊取り線香状のもの、さらには粉状のものやコーン型、木片状のものまで様々あり、長さも色々である。それぞれには専用の香炉が販売されている。もしも、棒状のものであれば、どのお香にも簡易のお香立てが付いているので、すぐに香りを楽しむことが出来る。専用のお香立てには、線香を立てて楽しむ皿付きのオープンタイプのものと、蓋の付いたクローズドタイプがある。蓋付きは外からお香が見えないので、お店などに向いている。
 僕のお勧めは、甘くてシックで品のある香りがするお香「芳輪 二条」。この香りは、かつて京都の有名日本料理店で嗅いだことのある香りだ。この他に、常温で香るお香や、御供・礼拝用の温めたり、くゆらせたりするお香などもある。さらに、本店限定で、お好みの香りと巾着を選んで作れる「匂い袋オーダーメイドサービス」も。ちなみに、下記ウェブショップから製品を購入できる。(2014年12月追加)
http://shop.shoyeido.co.jp/shop/default.aspx

京都市中京区烏丸通二条上ル東側  
電話番号:075-212-5590
定休日:無休
営業時間:9時~19時(土曜は18まで、日曜・祝日は17時まで)
予算:芳輪 二条(棒状20本)648円
アクセス:地下鉄烏丸線・丸太町駅7番出口を出て烏丸通を左へ進む。「京都新聞社」を過ぎたらすぐ左側。丸太町駅から徒歩2分
最寄りのランドマーク:京都新聞社、烏丸通
お勧めポイント:京都の老舗お香店

棒状のお香いろいろ

香炉いろいろ

匂い袋を選ぶ

白竹堂・本店

 扇子は先の開いた形から「寿恵廣(すえひろ)」と呼ばれ、縁起が良いものとされてきた。かつて都であった京都には数多くの京扇子店があるが、創業約300年の歴史を持つこの店は、決して古さに埋没しない素晴らしい老舗である。また、この本店の他に京都祇園店と三条寺町店があるが、東京など他の地域に進出していない正真正銘の京都限定のローカル店である。
 店内には様々な扇子が並べられ、そのディスプレーが見事である。これらの中には有名外国人デザイナーによる扇子なども見られ、特に「ナイナイ」の岡村も持っているというクロムハーツの様な真鍮製・本革黒扇子が目を引く。さらに、アニメ「あやかし緋扇」とコラボして作られた扇子もある。また、この店ではオリジナルデザインの日本手拭いなども売っており、「ザ・ローリング・ストーンズ」のキース・リチャーズがバンダナとして使用して音楽誌に登場したという日本手拭いが大人気という。
 予約すれば店内で「扇子の絵付け」や日本伝統のお座敷遊び「投扇興(とうせんきょう)」などを体験できるので、体験観光としても外国人に受けそうだ。「扇子の絵付け体験」の費用は2500円と3800円であるが、これは扇子の骨部分が白竹か塗竹かの違いであるとのこと。また、最後は職人が仕上げるため、出来上がるまでに1ヶ月半を要するらしい。「投扇興」は2500円で体験でき、使用した扇子の1つをお土産としてお持ち帰りできる。なお、下記インターネットからも製品を購入出来る。(2014年3月追加)
http://www.rakuten.ne.jp/gold/hakuchikudo/

中京区麩屋町通六角上ル白壁町448  
電話番号:075-221-1341
定休日:水曜
営業時間:10時〜18時(夏季は19時まで)
予算:本革真鍮扇子38000円+税
アクセス:地下鉄東西線・京都市役所前駅を出て地下街「ゼスト御池」の出口8・御幸町南西から出る。すぐ正面に見える「柊旅館」の手前角を左折し、「俵屋旅館」、「京四季」、「炭屋旅館」を過ぎ、100mくらい進むと右側にある。地下鉄東西線・京都市役所前駅より徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:柊旅館、俵屋旅館、炭屋旅館
お勧めポイント:キラリとセンスが光る京扇子

紫野和久傳

 「和久傳」は京都で人気の日本料理店である。料理は本店の「高台寺和久傳」の他、ジェイアール京都伊勢丹11階にある「京都和久傳」と「室町和久傳」の3店舗で食べることができる。お土産品やお菓子類は、実は「紫野和久傳」という別ブランドで販売されている。京都では「紫野和久傳 堺町店」の他、「ジェイアール京都伊勢丹」などの百貨店、東京では「松屋銀座店」や「新宿伊勢丹」、「丸の内新東京ビル」、さらに名古屋では「ミッドランドスクエア店」や「松坂屋名古屋店」、大阪では「JR大阪三越伊勢丹店」などで購入できる。
 お土産のお勧めは、以前に銀座グルメバイブル (→ 銀座グルメバイブル・お土産・銀座周辺編を参照) や名古屋グルメバイブル (→ 名古屋グルメバイブル・スイーツの頁を参照) でも紹介した「西湖(せいこ)」、「れんこん餅」、「からすみ餅」の3品。特に、僕の一押しはこの店の名物「西湖」。蓮根粉と和三盆で練り上げたプルプル食感の蒸し餅である。これは、和久傳の各店のコースのデザートとして供される名物菓子である。また、きな粉好きの方には「西湖」のきな粉バージョン「れんこん餅」もお勧めだが、新商品の「笹わらび」は笹の香りが強すぎでお勧めできない。「れんこん餅」は、きな粉の香りと黒糖の風味に加え、食感がいい。やはり、和久傳のコース料理の中で炙って供される名物「からすみ餅」も、値段は高いが至高の逸品。さらに、紫野和久傳のカフェ 「紫野和久傳 堺町店(→ 京都グルメバイブル・スイーツの頁を参照)」 でお茶と共に供される「艶ほくろ」もいい。小さな黒豆に砂糖がコーティングされていてとても香ばしいのである。豆が小さいために食感が非常に良く、お土産としても最適である。また、「ジェイアール京都伊勢丹」のお弁当売り場や各店で購入出来る「鯖寿司」もお勧めであるが、秋限定なので滅多にお目にかかれない逸品だ。(2014年11月追加)

中京区堺町通御池下ル東側  
電話番号:075-223-3600
定休日:無休(元日を除く)
営業時間:11時半〜18時(ショップは10時半〜19時半)
予算:西湖(5本入り)1728円
アクセス:烏丸線、東西線・烏丸御池駅3−1出口を出て、御池通を四条方向(東)へ進む。「車屋町通」、「東洞院通」、「間之町通」、「高倉通」を過ぎ、次の「堺町通」を右折するとすぐ左側。烏丸御池駅から徒歩3分
最寄りのランドマーク:ホテルギンモンド京都、堺町通

紫野和久傳 堺町店のショップ

ジェイアール京都伊勢丹のショップ

西湖

れんこん餅

開けると追加のきな粉の袋が上に載せてある

きな粉の袋をどけるとれんこん餅が。予めかかっているきな粉はシットリとしているので、追加のきな粉をかけて食べる

西湖と見かけはそっくりな「笹わらび」の中には小豆が入っている

カラスミ餅のパッケージ

カラスミ餅をオーブントースターで焼いたところ

断面はこんな感じ

クルミ菓子「くるみ」と黒豆菓子「艶ほくろ」

艶ほくろ

くるみ

鯖寿司

鯖寿司の断面

秋限定の「栗の葛やき」はお勧めできるレベルでない

秋限定の「栗大福」は微妙

秋限定の栗煎餅「焼板 きり栗」はイマイチ

本家 月餅家 直正(なおまさ)

 三条木屋町にある人気の老舗和菓子店。昼食後、散歩がてら夜に予約した 「京都ネーゼ(→ 京都版洋食・フレンチ・イタリアンの頁を参照)」 の場所を確認しようと歩いていたところ、「(わらび餅)売り切れました」との表示が目についた。店に入ってショーケースのわらび餅を見たところ、名古屋の 「芳光(→ 名古屋版北大医局秘書が選ぶベストオブ名古屋土産の頁を参照)」 と同じ上生菓子タイプのわらび餅。早速ホテルに帰って食べログでこの店を検索してみると、わらび餅が美味しい有名店であることが判明。ちょうど翌月また京都に来る用事があったので、すぐに電話で予約。後日、購入してホテルに持ち帰って食べてみることに。わらび餅を手でつかんで食べようとすると、餡を包んでいる餅の部分がかなり薄く、しかもトロトロに柔らかい。なので、手で持つとすぐに崩れてしまうほど。中の漉し餡は少し甘めであるが、かなりレベルの高いわらび餅である。餡の甘さがもう少し抑えられていたなら、名古屋の「芳光」と同じ3つ星評価を与えても良いくらい美味しかった。(2012年10月追加)

中京区木屋町通三条上ル上大阪町530  
電話番号:075-231-0175
定休日:木曜、第3水曜 
営業時間:9時40分~19時 
予算:わらび餅200円 
アクセス:地下鉄東西線・三条京阪駅2番出口を出て三条通を左へ進む。京阪電鉄の三条駅を過ぎて鴨川を渡って進むと、高瀬川手前の左角に「松屋」が見えるので、その信号を右折するとすぐ右側。地下鉄東西線・三条京阪駅より徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:京阪電鉄・三条駅、高瀬川 
お勧めポイント:上生菓子タイプのトロトロのわらび餅

松之助 京都本店

  有名パティシエ・平野顕子さんがプロデュースするスイーツカフェ。この店では、彼女が得意とするアップルパイやパンケーキ、スコーン、チーズケーキなどのアメリカンスイーツなどを食べることができる。町家をリノベーションした店内は、白と黒を基調としたシンプルなインテリアで、BGMにジャズが流れる。店の奥にはパイの入ったガラスケースがあり、客はその日のパイを見てから注文する。10月から3月までは「紅玉」を使った「ビックアップルパイ」をやっているため、この日あった9種類のパイのうち、アップルパイが何と5種類もあった。「ビックアップルパイ」はリンゴがタップリ入っているので、多少パイが水っぽくなる。また、紅玉を使用しているため、そのまま食べると酸が強すぎるような気がするが、添えられたバニラアイスと一緒に食べると最高のパフォーマンスを発揮する。リンゴ好きなら「ビックアップルパイ」を、パイの食感を楽しみたければそれ以外のアップルパイをチョイスしたい。 
 この店は朝8時から営業しており、10時までのドリンク付きモーニングメニューは、「プレーンパンケーキ」、「ホームメイド・スコーン・クリームジャム」、「ホームメイド・グラノーラヨーグルト」、「ホームメイドビスケット2個」の4種類。これに「ソーセージエッグ」を追加する場合にはプラス250円、「ベーコンエッグ」を加える場合にはプラス150円となる。この日は「ホームメイド・スコーン・クリームジャム」にベーコンエッグをトッピング。スコーンは通常見かけるスコーンよりも一回り大きく、外がカリッと、中は温かくホロホロとした食感。リンゴのコンフィチュール(ジャム)とホイップクリームをのせて食べると思った以上に美味しかった。目玉焼きは“サニーサイドアップ(片面焼き)・スティームド(蒸し焼きで表面に熱を通す)”で焼かれ、塩とコショウを振って食べるとこちらも普通に美味しい。もちろん、セットメニューとは別にパイやケーキ、キッシュなども朝から食べることができる。
 僕の一押しはパンケーキで、ランチメニューの中では「バナナキャラメルパンケーキ」がいい。厚めのパンケーキはフンワリと滑らかな食感で実に美味しい。パンケーキは焼き上がるまで15分くらいかかるので、時間に余裕のあるときに頂きたい。僕の好物の「バナナクリームパイ」は、意外にも甘くなくサッパリとしたテイストだ。生クリームがフンワリとシルキーで独特の食感。カスタードクリームがもう少し濃厚で、パイがサクッとバターの香りが高ければ完璧なのだが。ちなみに、この店のパイやケーキ、スコーンなどはテイクアウトも可能である。
http://www.matsunosukepie.com

中京区高倉御池下ル亀甲屋町605  
電話番号:075-253-1058
定休日:無休
営業時間:8時〜20時(カフェは17時半まで)、【モーニングメニュー】8時~10時、【ランチメニュー】11時半〜14時
予算:モーニングメニュー680円、バナナキャラメルパンケーキ880円、ビックアップルパイ(バニラアイス添え)720円
アクセス:地下鉄烏丸線、東西線・烏丸御池駅3−1出口を出て、御池通を市役所方面(東側)へ進む。車屋町通、東洞院通、間之町通を過ぎ、「ホテルギンモンド京都」を過ぎた次の高倉通を右折すると、すぐ左側に見える。烏丸御池駅から徒歩2分
最寄りのランドマーク:御池通、ホテルギンモンド京都、高倉通
お勧めポイント:京都唯一のアメリカンスイーツ専門店

奥にあるショーケースにはその日のパイが入っている。ケースの上にはビスケットやスコーン、キッシュなどがのっている

この日選んだ朝ご飯は、「ホームメイド・スコーン・クリームジャム」にベーコンエッグをトッピング

目玉焼きは“サニーサイドアップ(片面焼き)・スティームド(蒸し焼きで表面に熱を通す)”で焼かれ、塩とコショウを振って食べるとこちらも普通に美味しい

ホットコーヒー

ビックアップルパイのバニラアイス添え

バナナキャラメルパンケーキ

バナナクリームパイとカフェラテ

京都ホテルオークラ
   カフェ・レックコート

 京都ホテルオークラ1階ロビー前にあるカフェ。ウィンドウ越しに京都市庁舎と停車する観光バスが見え、カフェ前は観光バスの出発拠点となっているようだ。実は、この店の「フレンチトースト」が独特で美味しく、朝食としてお勧めなのである。
 店内はクリーム色を基調としたヨーロッパ風の明るいインテリア。ゆったりとしたイージーリスニングが流れ、静かな1日をスタートするにはピッタリの雰囲気なのである。名物の「フレンチトースト」はホテルオークラ伝統のものらしく、卵と牛乳を一晩染み込ませたトーストを、オーブンでふんわりと焼き上げた逸品。
 まずは、セットに含まれるフレッシュフルーツが出てくる。さらに、飲み物が出てくるのだが、ホテルなのでコーヒーも紅茶もポットサービスである(コーヒーのポットは置いていかないが、お替わり自由で、その都度ポットでサービスされる)。焼き上がるまでに約20分を要する「フレンチトースト」は、厚い部分がゆうに数㎝くらいはありそう。まずは何もつけずにそのまま食べると、ほんのりと甘く、中まで玉子が染みていて玉子の風味を感じる。初めて味わう食感で、シットリとしていてまるでトロトロのオムレツと厚焼き玉子を足して2で割った様な感じだ。しかも、外はカリッとしていて、シナモンやバターの香りが心地よい。添えられたバターやメイプルシロップをつけなくても十分美味しいと思えるほど。この他、モーニングメニューには、「クロワッサンサンド」や「ウェイクアップセット」などもあるが、こちらはごく普通のビジュアル。
 ちなみに、「フレンチトースト」は1日10食限定となっているため、電話で予約してから行くことをお勧めしたい。フレンチトーストにこの価格は高いと思われる方もいるかもしれないが、一流ホテルのカフェで、カットフルーツが付いて、コーヒーがお替わり自由予約であることを考えると、まあありかなと思う。しかしながら、焼き上がるまでに約20分を要するため、時間に余裕のあるときに訪れたい。(2014年11月追加)

中京区河原町二条南入ル一之船入町53 京都ホテルオークラ 1階  
電話番号:075-254-1140
定休日:無休
営業時間:8時〜23時
予算:1500円(税・サービス料込みで1782円)
アクセス:地下鉄東西線・京都市役所前駅から直結
最寄りのランドマーク:京都市役所
お勧めポイント:朝からホテルオークラ伝統のフレンチトーストが食べられ

京都ホテルオークラの1階ロビー前ににあります

店の入口

離れの個室

朝食のメニューは3つ

11時からはミラノ風のパンケーキも食べられます

まずはフレッシュフルーツが出てきます

注文後20分くらいで真打ちのフレンチトーストが登場

分厚いじゃないか!!

断面はまるで出汁巻き卵のよう

パターとメイプルシロップが付きますが、 そのまま食べても十分美味しいフレンチトーストです

京料理 入船の「すっぽん小鍋のこだわり朝食」

 京都グルメバイブルの巻頭でも述べたが、現在、1年という長い期間をかけて2015年度版・京都グルメバイブルを作成中である。ある日、「朝から食べる」に掲載できそうな店をネットで探していたら、「京都ホテルオークラ」の6階にあるこの店の記事が目にとまった。それによると、どうやらこの店では朝から至高の食事が頂けるらしい。調べてみると、入店時間は7時〜9時で、早めの予約客があると2回転目の予約も受けているようだ。早速電話で予約し、後日受付で予約の旨を告げると、一般の朝食客のテーブル席を通過し、奥の離れの個室に通されるではないか・・・。鴨川に面した離れは2部屋しかないため、もしも2回転でなければ、1日2組限定の朝食ということになる。窓から眺める鴨川の向こうには東山が見え、ロケーション的にも素晴らしい。この部屋の広さとロケーションを考えると、この値段でも納得できるかもしれない。
 料理は本来少しずついろいろと運ばれてくるらしいが、僕はこの後に新幹線に乗って名古屋へ行かなければならなかったため、水菓子以外は出来上がり次第順次運んでもらった。すると、写真の様に僕1人分の朝食であるにもかかわらず、テーブル一杯に料理が並んだ。中でも素晴らしかったのはスッポンを使ったミニ丸鍋「すっぽん小鍋」。生姜が効いたスープは、味に何とも言えない深みがあり、量は少ないがスッポンの旨味を十分堪能できた。この他に、客の来店時間に合わせて土鍋でご飯が炊かれ、焼き海苔を炭火で炙って食べたり、鮎の塩焼きが付いたり、味噌汁は「赤出汁」、「白味噌」、「合わせ味噌」の3つから選ぶことができるなど、朝からゆったりと豪華な朝食を頂くことができた。
 ちなみに、「朝粥定食」や「和朝食」は予約なしでも頂けるが、こちらの「すっぽん小鍋のこだわり朝食」だけは2日前までの完全予約制であるのでご注意を。(2014年7月追加)

中京区河原町御池 ホテルオークラ6階  
電話番号:075-254-2537
定休日:無休
営業時間:【朝食】7時〜9時
予算:すっぽん小鍋のこだわり朝食5000円(税・サ料込み5940円)
アクセス:地下鉄東西線「京都市役所前駅」直結(京都市役所の東隣)
最寄りのランドマーク:京都市役所
お勧めポイント:離れの個室で豪華な朝食が頂ける

エレベーターを降りたところから(人の立っているところが店)

店の入口

離れの個室

小鉢いろいろ

鱧の子玉〆

じゃこ山椒

トマト、生帆立、キュウリの黄身酢

枝豆豆腐 新じゅんさいとイクラ、山葵添え

香の物

鮎の塩焼き

湯葉と丸茄子の炊き合わせ

焼き海苔

スッポンの小鍋仕立て

出汁巻き卵

炊きたての土鍋ご飯

季節の果物とシャンパンゼリー

栖園(せいえん)

 老舗和菓子店「大極殿本舗」の中にある甘味処であ。古そうな建物の暖簾をくぐると。正面に菓子を販売する店舗が、右に進むとテーブル席がある。ガラス越しに見ると坪庭を挟んだ向かいにも座敷があるようだ。
 この店の名物は何と言っても「琥珀流し」。「琥珀流し」は寒天を使ったスイーツだが、月毎に蜜(シロップ)の素材が異なるため、一年中いろいろな「琥珀流し」が頂ける。ちなみに、今年の4月は「桜」、5月は「抹茶・小豆」、6月は「梅酒」、7月は「ペパーミント」、8月は「冷やし飴」、9月は「ぶどう」、10月は「栗と小豆」、11月は「柿」、12月は「黒豆」で、来年1月〜3月は検討中とのこと。
 11月の「柿」は、干し柿ベースで作られた蜜にフレッシュな柿が入った、ダブル柿による重層感のある味わい。瑞々しい寒天は、通常のものとは異なり、柔らかで儚く崩れて溶けていく独特の食感だ。スルスルと喉を通り抜けていくので、いくらでも食べられる魔法の美味しさである。
 この店のメニューは季節によって入れ替わるが、夏メニューの「かき氷」や通年メニューの「大粒丹波大納言・ぜんざい」も人気のようである。(2014年11月追加)

中京区六角通高倉東入ル南側堀之上町120  
電話番号:075-221-3311
定休日:水曜
営業時間:10時〜17時
予算:琥珀流し660円、琥珀流しと小椀ぜんざいのセット1200円
アクセス:地下鉄烏丸線、東西線・烏丸御池駅5番出口を出て、烏丸通を四条側(反対方向)へ進む。「京都銀行」、「華道家元池坊」を過ぎた次の信号を左折して六角通を進む。東洞院通、高倉通を過ぎるとすぐ右に見える。烏丸御池駅から徒歩5分
最寄りのランドマーク:京都銀行三条支店、華道家元池坊
お勧めポイント:最高レベルの寒天スイーツ「琥珀流し」が美味しい

入口にある和菓子を販売する ショップ

奥にあるテーブル席

坪庭を挟んで奥に屏風のある座敷が見える

琥珀流しとミニわらび餅のセット

「柿」の琥珀流し

わらび餅

わらび餅に黒蜜をかけたところ

秋メニュー(単品 )

秋メニュー(セット)

然花抄院(ぜんかしょういん)
        京都室町本店 茶寮Zen Café

 東京ブランドのカステラ専門店「黒船」などを手がける大阪のカステラ専門店「長崎堂」の京都ブランド店である。しかし、この店は特にカステラ専門というわけではなく、様々なお菓子を販売している。古い店舗をリノベーションしたのだろうか、外観は京都の老舗店のような佇まい。通りに面した左側にはショップが、そして右側にはカフェがある。さらに奥に進むと「ギャラリーSUGATA」があり、作家による企画展や常設展などを行っている。
 入り口を入って右側にあるカフェは和のモダンといったイメージのデザイン。天井が高く、とても開放感があっていい。この店のお勧めは、何と言っても「抹茶パフェ」であろう。今回の取材で、僕が知り得た京都有名スイーツ店の抹茶パフェ全てを食べた結果、この店が最も美味しかった。まず、パフェに入りがちな乾き物のシリアルが入っておらず、代わりに食感の良い小さなラスクが入っている。僕は最近のパフェに何故シリアルが入っているのかが疑問であったが、結論としてはパフェにシリアルはやはり不要である。生クリームもフワッとシルキーで優しく、甘さも丁度良く完璧である。
 この他に「焙じ茶パフェ」もあるが、この品は残念ながら時間の関係で未取材のままである。さらにもう一つ選ぶとすれば、お菓子と飲み物がセットになった「然ノ膳(ぜんのぜん)」がいい。お菓子は「然かすてら」、飲み物は「抹茶」がお勧め。「煎茶」も悪くないが、 「一保堂茶舗 嘉木(→ 京都グルメバイブル・スイーツの頁を参照)」 ほどのこだわりはないらしく、簡単な説明にお湯を入れた小さなポットと抽出時間1分を測る砂時計が添えられるだけ。「然かすてら」は今流行のいわゆる“生カステラ”で、トロトロの食感とキャラメルのような濃厚さが何とも言えない美味しさ。お土産としてもお勧めである。これらに対し、もう一つのカステラ「卵蜜(らんみつ)」は玉子の風味が強く、ホロホロと崩れる食感で味はまあ普通。「聖花冠(せいかかん)」は「たまご」と「抹茶」の2種類があり、中がトロトロのカスタードクリームで美味しいが、外のカステラ部分がパサパサしていて頂けない。また、「わらび餅」は硬めで食感が良くない上に、きな粉に香りがなく甘くてイマイチ。(2014年9月追加)
http://zen-kashoin.com/muromachistore/zencafe/index.html

中京区室町通二条下ル蛸薬師町271-1  
電話番号:075-241-3300
定休日:隔週の月曜(要ホームページで確認)
営業時間:10時〜19時
予算:抹茶パフェ900円
アクセス:烏丸線、東西線・烏丸御池駅2番出口を出て、御池通を二条城方向(西)へ進む。「LIXIL」を過ぎ、「ミサワホーム」の交差点を右折する。「室町通」を進み、300mほど進む戸左側にある。烏丸御池駅から徒歩3分。
最寄りのランドマーク:LIXIL、ミサワホーム、室町通

入り口

入り口を入って右側にあるカフェ

抹茶パフェ

然ノ膳(然カステラと薄茶)

トロッと濃厚な生カステラ「然カステラ」

ここで抹茶を点てます

然ノ膳(聖花冠の抹茶と煎茶)

聖花冠(抹茶)

わらび餅

もう一つのカステラ「卵蜜(らんみつ)」

鳴門金時で作った「すいーとぽてと」

焼きちょこらすく畳畳(じょうじょう)は少し粉っぽい独特の食感。左から、「いちご」、「まっちゃ」、「ばなな」

焼きちょこらすく畳畳(まっちゃ)

    

紫野和久傳 堺町店

 「和久傳」は京都で人気の日本料理店である。料理は本店に当たる「高台寺和久傳」の他、ジェイアール京都伊勢丹11階にある「京都和久傳」とこの店の1階にある「室町和久傳」の3店舗で頂くことができる。ショップは京都では「ジェイアール京都伊勢丹」などの百貨店、東京では「松屋銀座店」や「新宿伊勢丹」、「丸の内新東京ビル」、さらに名古屋では「ミッドランドスクエア店」や「松坂屋名古屋店」、大阪では「JR大阪三越伊勢丹店」などで購入することができる。
 “おもたせ(お土産)”を扱うショップは「紫野和久傳」というブランド名で統一されている。この店も1階にはショップがあり、奥に日本料理店「室町和久傳」がある。さらに、2階には和風カフェ「紫野和久傳 堺町店」があり、町家をリノベーションした高い天井と太い梁が印象的。店内にはクラシック音楽が流れ、伝統的な日本家屋のイメージを残しつつも、和洋折衷なモダンなインテリアがいい。
 一押しは「(できたて)本わらび餅」で、熱々トロトロで粟餅のような食感。中には甘く炊かれた小豆が入っているが、これは不要のような気がする。そのまま食べても美味しいが、黒蜜をかけて食べてもいい。また、最後にお薄(薄茶)で締めるとサッパリとしてこれまた良い。もう一つのお勧めは、「季節のゼリーと一口れんこん餅」。夏はグレープフルーツゼリーであるが、生のグレープフルーツの上に砕かれたグレープフルーツゼリーがのっている。ゼリーは季節によって柚子や日向夏などに変わるという。「れんこん餅」はきな粉の香りと黒糖の風味に加え、その食感が抜群。また、お茶と一緒に出てくる「艶ほくろ」が美味しい。小さな黒豆に砂糖がコーティングされていて、とても香ばしい。豆が小さいために食感が良く、お土産としても最適。その他のお土産のお勧めとしては、以前に銀座グルメバイブル (→ 銀座グルメバイブル・お土産・銀座周辺編を参照) と名古屋グルメバイブル (→ 名古屋グルメバイブル・スイーツの頁を参照) でも紹介した「西湖(せいこ)」、「れんこん餅」、「からすみ餅」の3品。特に名物である「西湖」は、蓮根粉と和三盆で練り上げたプルプル食感の蒸し餅。これは、和久傳の各店の食事のコースのデザートとして供される名物菓子である。また、きな粉好きな方には、「西湖」のきな粉バージョン「れんこん餅」もお勧め。また、和久傳のコース料理の中で炙って出される名物「からすみ餅」も、値段は高いが至高の逸品。さらに、「塩鯖寿司」もお勧めであるが、現在は季節限定でやっていないことが多い。
 ちなみに、カフェは基本的に女性1〜2人でやっているので、混んでくると出てくるまでに時間がかかる。また、1階に料亭があるため、このカフェでも「鯛茶漬け」や「鱧の飯蒸し」などの軽食などを頂けるが、コスパは良くない。しかしながら、京都の高級日本料理店のカフェと言うことを考えると、この点は仕方がないのかも。(2014年9月追加)

中京区堺町通御池下ル東側  
電話番号:075-223-3600
定休日:無休(元日を除く)
営業時間:11時半〜18時(ショップは10時半〜19時半)
予算:本わらび餅(お抹茶付き)880円、西湖(5本入り)1728円、艶ほくろ1080円
アクセス:烏丸線、東西線・烏丸御池駅3−1出口を出て、御池通を四条方向(東)へ進む。「車屋町通」、「東洞院通」、「間之町通」、「高倉通」を過ぎ、次の「堺町通」を右折するとすぐ左側。烏丸御池駅から徒歩3分。
最寄りのランドマーク:ホテルギンモンド京都、堺町通
お勧めポイント:町家のカフェで頂く和のスイーツ

1階奥にある室町和久傳のメニュー

1階のショップ

ショップ奥の小さな階段がカフェへ続く

2階のカフェ

天井が高く、大きな照明が印象的

重厚な椅子もあります

まずはお茶と黒豆菓子の「艶ほくろ」が出てきます

「艶ほくろ」

グレープフルーツゼリと一口れんこん餅

できたて本わらび餅 ・薄茶付き

本わらび餅の表面をすくったところ

本わらび餅の中身をすくったところ

黒豆菓子 艶ほくろ

古の実 くるみ

一保堂茶舗 嘉木(かぼく)

 言わずと知れた京都の有名老舗茶舗。入ると正面にお茶を販売する店舗がある。一面に茶壺が並び、歴史を感じさせる素晴らしいディスプレイ。店舗を挟んで右側にカフェ「嘉木」が、左側に試飲やテイクアウトのスペースがある。テイクアウトの容器は、意外にもスタバと同じ現代的なディスポ容器であり、現在は「煎茶・松の緑」か「極上ほうじ茶」を選択できる。
 カフェは正面にL字型のカウンター席が、左奥と右奥にテーブル席がある。カフェの店名となっている「嘉木」とは、実はこの店の最上級煎茶の名前。旨味、渋み、香りが力強い煎茶であるが、フルーティーさよりもむしろ出汁のような独特の旨味を感じる。玉露の「天下一」も同様で、あまりフルーティーさや甘みは感じられない。これらは築地の有名茶舗「うおがし銘茶」のお茶に近く、お茶のフルーティーな甘さをこよなく愛する僕好みの味ではない。抹茶以外の煎茶や玉露は、店員が懇切丁寧に飲み方を説明してくれる。例えば煎茶はお茶が10g。2つのお碗を使い、お湯を交互に入れ替えてお湯を70℃まで冷ます。一度移し替えると10℃下がるという。さらに、最初の一煎目だけはキッチリ50秒待ってから急須を揺すらずに一気に注ぐ。2煎目以降は待ち時間なしで注ぐと言った具合。
 僕のお勧めは「薄茶」と「濃茶」で、特に京都らしいのは「濃茶」であろう。この日頂いた京都限定の薄茶「京極の昔」は、香りが素晴らしく適度な渋みがあって口当たりが円やか。京都限定の濃茶「北野の昔」は、見た目の濃厚で鮮やかな深緑に違わず、ドロッとしたインパクトのある苦みが最初に訪れ、アフターは緑茶の心地よい華やかな香りが鼻腔に漂う。飲んだ後には残りを立て直して薄茶にしてもらえるので、2度楽しめるが、味的には「京極の昔」の方が僕好み。
 ちなみに、煎茶や玉露も含めて全てのお茶にお菓子が付いている。上生菓子は日替わりで、これまで、二条城近くにある「亀廣脇」の道明寺を使ったお菓子「おみなえし」や 「本家 月餅家直正(→ 京都グルメバイブル・お土産の頁を参照)」 の「おぼろ」、「末広菓舗」の「わらび餅」などが出てきた。(2014年9月追

中京区寺町二条上ル常磐木町52  
電話番号:075-211-3421
定休日:無休(年末年始を除く)
営業時間:11時〜17時
予算:薄茶「京極の昔」(お菓子付き)600円、濃茶「北野の昔」(お菓子付き)1000円
アクセス:地下鉄東西線・京都市役所駅を出て京都市役所側へ出る。京都市役所を右に見ながら、京都市役所沿いの寺町通りを北へ400mほど進むと通りが広くなり、ファミリーマートが見えるが、そこから200m先の右側。京都市役所駅から徒歩6分。
最寄りのランドマーク:京都市役所北庁舎
お勧めポイント:美味しい抹茶が頂ける京の有名老舗茶舗

入り口を入ってすぐ正面にあるショップ

ショップの左にある試飲やテイクアウトのスペース

カフェの嘉木の左側テーブル席

L字型カウンター席

カウンター席には茶釜がある

カウンター内で店員さんが薄茶と濃茶を点ててくれる

カウンター席を右側から眺める

右側のテーブル席

英語メニューもあります

薄茶と上生菓子

「亀廣脇」の道明寺を使ったお菓子「おみなえし」

濃茶は鮮やかなエメラルドグリーンでドロッとしています

飲んでも茶碗にくっついていてかなり残ります

残った濃茶を点て直して薄茶にしてもらえます

「末広菓舗」の「わらび餅」

店員が煎茶の入れ方を説明

煎茶「嘉木」のセット、茶菓子付き

茶碗に入れ替えてお湯を冷まします

煎茶一煎目

「千本玉寿軒」の銘菓「西陣風味」

煎茶二煎目

玉露 天下一

玉露一煎目

玉露二煎目

「本家 月餅家直正」の「おぼろ」

グラン・ヴァニーユ 
      grains de vanille

 ムース系ケーキと焼き菓子が美味しいと評判の店。店内は南仏のような明るい白を基調としたインテリア。イートインスペースは2人掛けテーブルが4つのみ。この日は開店直後に訪れたが、ぞくぞくと女性客が押し寄せ、かなりの人気店のようだ。ケーキはどれも甘さがほどほどで軽く、パティシエのセンスを感じさせる美味しさ。特に、ムース系ケーキはどれもハズレがない。「シシリー」は、ピスタチオのムースの中にカシスのようなフレーズデボアのムースが入っている。「エテルニテ」は、アールグレイ風味のミルクチョコムースとビターチョコムースのダブルムース。カリッとした外側のチョコクランチの食感が良いアクセントになっている。「エベレスト」は、フロマージュブランを使ったレアチーズケーキで、中にベリー系ソースとシットリとしたスポンジが入っている。また、「ダコワーズ(ダックワーズ)」や「フィナンシェ」などの焼き菓子はどれも美味しく、京都のお土産としてもお勧め。(2012年9月追加)

中京区鍵屋町間之町通486  
電話番号:075-241-7726
定休日:第2、第4火曜・水曜 
営業時間:11時~18時 
予算:シシリー、エテルニテ550円 
アクセス:地下鉄東西線・烏丸御池駅1番出口を出て反対方向へ進み、ニチコン本社ビルの角を右に曲がる。烏丸通を左に「京都国際マンガミュージアム」を見ながら進み、「とり安」と「すき家」の間の通りを右折する。そして、3つ目の交差点を左折すると、左に「足立病院」が見えるのでその向かい。烏丸御池駅から徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:とり安、足立病院お
勧めポイント:ムース系ケーキと焼き菓子が美味しい

遊形 サロン・ド・テ 
   2007 YÙKEI SALON DE THÉ

 京都の有名旅館「俵屋」のプロデュースによる喫茶サロンである。外観からは何の店なのか分からない町屋風の一軒家に入ると、中は白を基調としたモダンなインテリア。建物の中央には吹き抜けがあり、4席あるカウンター席の前には苔の生えた坪庭もある。  この店では、「俵屋」の名物である「わらび餅」食べることができる。
 「わらび餅」だけの単品メニューはなく、抹茶か煎茶、ほうじ茶とのセットとなっている。「わらび餅」は予めきな粉がまぶされ、小さな竹の容器に入って出てくる。「わらび餅」は容器の中に3つしか入っていないので、干菓子付きのお茶とのセットとはいえ、値段を考えるとほとんどの人が高いと思うかも知れない(実際、僕も高いと思う)。また、「わらび餅」は黒蜜をつけて食べるスタイルではなく、わらび餅自体に黒蜜が練り込まれている。箸で持ち上げようとしても、なかなか持ち上げられないほどトロトロとしていて柔らかい。口の中に入れると、表現できないくらいの絶妙な食感である。この他に季節の洋風デザートもあり、こちらの飲み物は深入りコーヒーと紅茶から選ぶことができる。洋風デザートは2種類あり、「京都ネーゼ」の森シェフによると、5月から6月に登場する「キャラメルのババロア・空豆のソース」が絶品らしい。(2012年7月追加)

中京区姉小路麩屋町東入ル  
電話:075-212-8883
定休日:火曜
営業時間:11時~19時 
予算:俵屋のわらび餅(煎茶あるいは焙じ茶)2000円、季節のデザート(深入りコーヒーあるいは紅茶)2200円 
アクセス:地下鉄東西線・京都市役所前駅を出て地下街「ゼスト御池」の「出口8御幸町南西」から出る。すぐ正面に見える「柊旅館」の手前角を左折し、「俵屋旅館」を過ぎた角を左折するとすぐ左側。地下鉄東西線・京都市役所前駅より徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:本能寺文化会館、柊屋旅館
お勧めポイント:有名旅館・俵屋の経営するサロン

別邸 bar K家

 京都で人気の町家バー 「バー K家(→ 京都グルメバイブル・バーの頁を参照)」 の別館である。ある日「バー K家」を訪れた時に満員で入れず、この店に案内された。なんと、「バー K家」からは徒歩2分という非常に近い場所にあるのだ。
 外観は「バー K家」よりもさらに町家らしく、中に入るとすぐ右に上がり框があり、靴を脱いで2階席に上がれる階段がある。さらに奥に進むとライトアップされた坪庭が見え、手前右に小上がりの広い個室と小さな半個室が、そして左側にカウンター席がある。特に、ブビンガの一枚板を使ったカウンター席は天井まで吹き抜けとなっており、独特の雰囲気でお勧めである。
 カクテルは「バー K家」と同様、スタンダードカクテルはごく普通で、フルーツカクテルの方が美味しい。特に、この店オリジナルのエスプーマを使った蜂蜜のカクテルがいい。かなりの大人数にも対応できそうな店なので、大人数の場合には電話して見る価値がある。その京都らしい雰囲気は、間違いなく観光客に受けそうな店である。(2015年1月追加)

中京区麩屋町通三条上ル下白山町297  
電話番号:075-255-5244
定休日:水曜
営業時間:17時〜翌2時
予算:カクテル1000円〜1500円前後、チャージ・カウンター席300円、テーブル席500円
アクセス:地下鉄東西線・京都市役所前駅を出て地下街「ゼスト御池」の「出口8御幸町南西」から出る。すぐ正面に見える「柊旅館」の手前角を左折して麩屋町通を進み、「俵屋旅館」を過ぎた「晦庵 河道屋」の隣。地下鉄東西線・京都市役所前駅より徒歩4分。 
最寄りのランドマーク:麩屋町通、柊屋旅館、炭屋旅館、晦庵 河道屋

入り口を抜け、長い通路の横には個室が

入った右に上がり框が

上がり框横の階段

井戸もある

右が小上がりになった個室、左側がカウンター席。奥にライトアップされた箱庭が見える

小上がりの個室の内部

このブビンガの一枚板を使ったカウンター席がいい

バー K家

 京都で人気のオーセンティックバーである。外観は一般住宅のようで外から分かりにくいが、扉を開けると中には高い天井のエントランスが。さらに右へ進むと、古い日本家屋をリノベーションした広い空間が広がる。手前右側に厚い一枚板のカウンター席があり、左側には半個室のテーブル席が、さらに奥にはライトアップされた庭と15人まで対応できる座敷もある。
 今回は1人だったのでカウンター席に座ったが、棚には蒸留酒がズラリと並べられて圧巻である。カウンター内には男性バーテンダーが2人いてカクテルを作っている。女性バーテンダーらしき店員(見習い?)もいるが、カクテルは作っておらず、もっぱらサービス担当のようだ。
 まずは、いつものようにスタンダードカクテルを注文。「ギムレット」は甘くライムは人工的な香りがする。「マティーニ」はジンがピリピリとして全体的にライムジュースと溶け込んでおらず円やかさがない。このように、スタンダードカクテルはイマイチであるのに対し、フルーツカクテルは美味しい。特に、この店オリジナルのエスプーマを使った蜂蜜のカクテルは美味しい。スタンダードカクテルに関してはギリギリ1つ星といった感じだ。
 素敵な京都らしい雰囲気にしてリーズナブルな価格。なるほど多くの客に支持され人気があるのもうなずける。ちなみに、この店の他にやはり町家を改装した姉妹店「別邸 バー K家(075-255-5244)」もある。(2014年10月追加)

中京区六角通御幸町西入ル八百屋町103  
電話番号:075-241-0489
定休日:火曜
営業時間:【平日】18時~翌2時、【金・土】18時~翌3時
予算:カクテル1000円〜1500円前後
アクセス:地下鉄東西線・京都市役所前駅を出て地下街「ゼスト御池」の「出口8御幸町南西」から出る。すぐ正面に見える「柊旅館」の手前角を左折し、「俵屋旅館」、「炭屋旅館」、「三木半旅館」を過ぎた角を左折した六角通のすぐ右側(三木半旅館のすぐ向かい)。地下鉄東西線・京都市役所前駅より徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:柊屋旅館、炭屋旅館、三木半旅館
お勧めポイント:比較的大人数にも対応できる町家をリノベーションしたオーセンティックバー

の普通の住宅がそうです

通路を奥に進みます

引き戸を開けます

中は天井が高く、2階まで吹き抜けになっています

カウンターにはズラリと蒸留酒が・・・

左側にテーブル席、奥の明るい庭の左には15名までの個室があります

オリジナルカクテルのメニュー

季節のフルーツカクテルのメニュー

チャームのマスカルポーネチーズの蜂蜜がけ

マティーニ

ギムレット

苺のカクテル

フレッシュレモンとハチミツミルクムースのカクテル

BAR K6

 高瀬川源流部エリアにあるオーセンティックバー。店に入るとL字型の大きなカウンター席があるが、実はこれはイギリスのパブをイメージしたカジュアルスペースのカウンターである。更に左に進むと、奥に照明が落とされた重厚なカウンター席があり、こちらの方はオーセンティックバースペースとなっている。オーセンティックバースペースではチャージ料が取られるが、カジュアルスペースではチャージ料が取られない。
 オーセンティックバーでのスタンダードカクテルのレベルは高く、どれもハズレがない。また、この店はオーセンティックバーとしては珍しく、この店出身者がオーナーを務める 「ロッキングチェア(→ 京都グルメバイブル・バーの頁を参照)」 と同様、フードメニューが豊富である。パスタ、サンドイッチ、ピザ、フライ、ハム、ローストビーフなどいろいろあるが、スモークのつまみが特に充実している。スモークものの中ではサーモンやベーコンなどが人気という。
 ちなみに、この店は1階でワインバー「Cave de K」と200名限定のウィスキー専門の会員制バー「Bar Keller(完全予約制)」もやっている。そのためか、この店の蒸留酒もかなり充実している。(2014年9月追加)
http://www.ksix.jp

中京区二条通木屋町東入ル東生洲町481 ヴァルズビル2F  
電話番号:075-255-5009
定休日:無休
営業時間:【月曜~木曜・日曜】18時~翌3時、【金曜〜土曜】18時~翌5時
予算:チャージ300円(オーセンティックバースペースでのみ)
アクセス:地下鉄東西線・京都市役所前駅2番出口を出て御池通を進み、木屋町通を左折する。高瀬川沿いに進み、石垣のある「がんこ・二条苑」を過ぎて突き当たりのビルの2階(ザ・リッツ・カールトン京都の並び)。京都市役所前駅より徒歩5分
最寄りのランドマーク:高瀬川、木屋町通、がんこ・二条苑、ザ・リッツ・カールトン京都
お勧めポイント:大箱でありながらハイレベルなオーセンティックバー

このビルの2階です

階段を上ります

イギリスのパブをイメージしたカジュアルスペース

オーセンティックバースペース(照明と店員の服装の違いに注意)

ギムレット

チャーム

スモークチーズ

マティーニ

フルーツカクテル

魚とお酒 ごとし

 住宅街のマンションの1階にある知る人ぞ知る居酒屋。店内に入ると右にカウンター席、左側に4人掛けのテーブル席が1つある。実はこの店の店主は日本酒に大変造詣が深く、何時しか燗酒の魅力にはまり、この店を燗酒専門店にしてしまったのである。とは言っても、暑い夏に燗酒はちょっと〜という方もご心配なく。冷たい瓶ビール(サッポロ)や「生酛のどぶソーダ割り」も置いているのだ。
 燗酒を注文すると、いろいろなお猪口の中からまずは好みのお猪口をチョイス。この日の燗酒は計15種類あった。燗酒はぬる燗ではなく熱燗。また、燗酒の注文は1合でも半合でもOKなので、酒がそれ程強くない方にも親切。熱燗と共に冷たい水がチェイサーとして添えられる点もいい。
 この店の店主はまだ若いが、料理のセンスがとてもいい。また、使用している素材もかなり吟味しているのでは?と感じさせる素晴らしいものであった。この店に来たらなら、絶対に食べてほしいのが「蒸し鮑」。値段こそ高いが、香りが良く柔らかで、これまで食べた「蒸し鮑」のベストと言っても良いくらいの最高の逸品。さらに、「本鰹の塩たたき」も直前に藁で燻して作られる至高の一品であった。
 ちなみに、他の客が食べてて美味しそうだなあと思ったのは、「鴨黒こしょう焼き」、「のどぐろの炭火焼き」、「鰹ゆっけ」、「とうもろこしと海老のかき揚げ」、「あじフライ」、「蛸炙り」、「穴子めし」など。酒が燗酒だけという縛りは唯一のマイナス点だが、それを差し引いても間違いなく全国的に見てもトップクラスの居酒屋である。(2014年7月追加)

中京区高倉通二条下ル瓦町543-1 EDU高倉1階  
電話番号:075-255-4541
定休日:月曜
営業時間:18時〜翌2時(LOは決めておらず翌2時に閉店)
予算:本鰹の塩たたき1200円、蒸し鮑2400円、燗酒700〜1000円/合
アクセス:地下鉄烏丸線、東西線・烏丸御池駅1番出口を出て御池通を進み、4本目の高倉通を左折する。一つ目の交差点を過ぎると右側にマンションがあるのでその1階にある。烏丸御池駅から徒歩3分。
最寄りのランドマーク:御池通、高倉通
お勧めポイント:京都ナンバーワンのつまみが食べられる燗酒専門居酒屋

本日の燗酒

本日のお品書き

濁り酒(生酛のどぶ)も燗酒に

本日の突き出しの子持ち昆布

蒸し鮑と本鰹の塩たたき

穴子の1本揚げ葱だし

岩ガキフライ

アジのなめろう

カルバドール Calvador

 この店を初めて訪れてまず戸惑うのは、店はどこにあるの?ということ。何故なら、ビルの入り口には看板などは一切無く、ビルには1階のスペイン料理店の看板しか出ていない。敢えてそうしないのは、毎日常連客で席がすぐに埋まってしまうためなのかも。事実、店主1人だけでやっているバーであるにもかかわらず、営業中もフリー客の来店や電話の問い合わせがひっきりなしにあって、その都度断るのも大変そうである。
 古いビルのエレベーターで2階に降りると、ドアには店名の由来となっているリンゴのマークがあるだけで、やはり店名が書かれたものはない。ドアを開けると、緩やかなL型のカウンター席と多数の蒸留酒(主にカルバドス)が目に飛び込んでくる。カウンターの中の店主・高山さんは、お笑い芸人“ぐっさん(山口智充)”に似ており、しかも、顔だけでなく、声質や滑らかなトークも含めて似ているような気がする。実は、彼こそ日本ナンバーワンの「カルバドス(北フランスで作られるリンゴが原料の蒸留酒)」コレクターであり、世界的にも高山さんよりも持っている方はあまりいないほど。また、毎年フランスで行われるオークションにも参加し、古い良質なカルバドスを1年分購入してくるという。
 そんな店主の作るカクテルは、繊細なバランス感覚が素晴らしい。甘さや香りが絶妙であることはもちろんのこと、いわゆる味にキレがあるのだ。それはスタンダードカクテルだけでなく、フルーツカクテルも同様である。特に、もしも行った日に生のザクロがあったなら、カルバドスベースのザクロのカクテルを是非注文してみてほしい。そして、締めはやはりオールドヴィンテージのカルバドスを頂こう。かなりのコレクションなので、バースデイヴィンテージのカルバドスもあるかもしれない。もしもブランデー好きな方なら、コニャックにも勝るとも劣らないその香りと深みにはまること請け合いで、「1968年MORISE」はお勧めである。また、少ないがワインも置いているようである。どんなカルバドスがあるのか見てみたいという方は、店のホームページからご覧になって頂きたい。
http://www.calvador.jp/new.html 
 店の雰囲気や店主の軽妙なトークも含めて、また行きたいと思わせる京都ナンバーワンのオーセンティックバーである。前述のように、店主1人でやっている僅か8席のカウンターバーなので、大人数は難しく、しかもかなり早めの予約が必要である。(2014年4月追加)

中京区妙満寺前町446 若林ビル2階  
電話番号:075-211-4737
定休日:木曜
営業時間:19時〜翌1時(日曜は24時まで)
予算:メニューがないので不明だが、良心的な価格だった
アクセス:地下鉄東西線・京都市役所駅を出て京都市役所側へ出る。京都市役所を右に見ながら、京都市役所沿いの寺町通りを北へ400mほど進むと通りが広くなりファミリーマートが見えるので、その手前の並びにあるビル。京都市役所駅から徒歩5分。
最寄りのランドマーク:京都市役所北庁舎
お勧めポイント:素晴らしいカクテルと日本一のカルバドスが頂ける

高倉二条

 高倉二条にある人気のラーメン店。この店は「和醸良麵 すがり」や「工房 まちや」、「台湾縁」などを展開するグループ店である。店内はL字型のカウンター席のみで、それほど広くない。
 先ずは自動券売機で食券を購入。メニューは非常にシンプルで、「らーめん」と「つけめん」、「カレーつけめん」の3種類。これに、「味玉」や「チャーシュー」のトッピングができる。店のお勧めは「つけめん」。「らーめん」と「つけめん」のスープは混濁した魚介系豚骨ベースの醤油味で、オーソドックスな魚介由来の酸味を感じる旨みのあるスープだ。しかも、無化学調味料なので後味が抜群にいい。一方、麵は小麦の香りを感じる全粒粉の中太麵で、これは「つけめん」、「らーめん」とも共通。ゆず麵か定番麵のどちらかを選べ、「つけめん」には1.5玉分入っている。麵はコシがあるものの、含水率が少ないのかモチモチ感に欠け、これは好みが分かれると思う。
 「つけめん」のチャーシューは細くブロック状に切られたチャーシューで、「らーめん」のチャーシューは炙りチャーシュー。いずれのチャーシューも普通に美味しい。どちらにもビネガーに漬けたような酸っぱいプチトマトが入っている。シナチクは太く歯通りが良くて美味しい。味玉はネットリとした黄味が美味しく、火の通り方も良い。
 ちなみに、「つけめん」のスープは鉄鍋で供され,カウンター上のIH調理器で温め直すことが出来るのがいい。もちろん最後はつけ汁をスープ割りして飲みます。(2015年1月追加)

中京区観音町64-1  
電話番号:075-255-9575
定休日:無休
営業時間:【月~金】11時~14時50分、18時~21時50分、【土日・祝日】11時~14時50分、18時~20時50分
予算:味玉つけめん850円
アクセス:地下鉄烏丸線・東西線・烏丸御池駅1番出口を出て御池通を進む。セブンイレブンを過ぎた高倉通を左折し、2つ目の右角にある。烏丸御池駅から徒歩3分
最寄りのランドマーク:御池通、高倉通
お勧めポイント:つけ麺が美味しい新進気鋭のラーメン店

「カレーつけめん」のためなのか?コショウだけでなくガラムマサラと山椒もあります

味玉らーめん

全粒粉なので粒々が見えます

味玉つけめん

味玉も美味しい

これが「つけめん」のスープを温め直すIH調理器

最後はスープ割りで飲みます

らーめん セアブラノ神 壬生本店

 壬生のマンションの1階にある「背脂煮干そば」が評判の店。先ずは、自動券売機で食券を購入。店内はカウンター席しかなく、カウンター席の後ろには比較的広い待合席がある。メニューを見ると、通常のラーメンのみならず、今時の麵である“つけ麺”や“まぜそば”、“汁なし和え麵”などもあるようだ。平日限定と書かれたメニューがいろいろあるが、現在はいつでも昼夜関係なく全てのメニューを注文できる。
 初めての訪問である今回は、「背脂煮干そば」に味玉をトッピングした「味玉煮干そば」にトライ。麵は太麺か中太麵から選べるが、中太麵をチョイス。背脂は増量した「鬼脂」もあるようだが、“初めて来店の方にはお勧めしておりません”との記載があったので、今回は通常のものを。麵はモチッとした感じではあるが、コシはそれ程ない。スープは塩味が若干薄めで、煮干しの風味は強くない。スープの表面にはタップリの背脂が浮いているが、背脂は少し硬めだ。鶏ガラベースと豚骨のブレンドなのか、醤油スープは比較的アッサリとしていて美味しい。具材のネギは九条ネギとタマネギのダブルネギで、シナチクやチャーシューはごく普通。この他に、10食限定の白湯スープ「背脂煮干白湯そば」や背脂が苦手という人のために背脂の入らないアッサリ鶏ガラベースの「地鶏醤油そば」や「地鶏塩そば」などもある。
 ちなみに、全てのメニューを店主1人で作り、年輩のおばさんがサービスをしているので、オペレーションが悪く、出てくるのにかなり時間がかかるのがマイナス点だ。最近人気が出てきたのか、下記の支店もできたようだ。(2019年9月追加)

中京区壬生相合町25-4 デイスターアベニュー1階  
電話番号:080-3119-8558
定休日:水曜、第3日曜
営業時間:11時半〜14時半、18時〜20時(売り切れ次第終了)
予算:背脂煮干しそば700円
アクセス:阪急京都線・大宮駅を出て、大宮通を南側(バス乗り場や嵐電・四条大宮駅側)へ進む。「FRESCO」、「洛友中学校」を過ぎ、高辻通を右折する。「松原中学校」を過ぎるとすぐ右側。大宮駅より徒歩7分
最寄りのランドマーク:洛友中学校、松原中学校
お勧めポイント:背脂入りチャッチャ系の中華そば

【伏見剛力店】
伏見区深草柴田屋敷町23-27
電話番号:075-642-5252
定休日:火曜
営業時間:11時半~15時、18時~23時
アクセス:近鉄京都線・伏見駅出入口2を出たら目の前
最寄りのランドマーク:伏見駅出入口2

待合席からカウンターを見たところ

「背脂煮干そば」に煮玉子トッピングした「味玉煮干そば」

背脂がビッシリとスープの表面を覆う。「鬼脂」はいったいどうなる?

タマネギと九条ネギのダブルネギ

味玉の断面

山崎麵二郎

 ランチタイムには常に行列ができる人気のラーメン店。食べログなどで調べてみると、どうやら「塩ラーメン」が有名な店のようである。店主は大阪・上本町の「麵乃家」で修業後、この地で独立したらしい。特に麵にこだわりがあるらしく、3種類あるラーメンの麵全ての小麦の配合や太さを変えて作っているという。店内は広めのL字型のカウンター席しかなく、カウンター内では若いご夫婦が黙々と作業をしている。最近改めてお昼に訪問したところ、奥さんはおらずアルバイトの男性店員が新たに加わっていた。
 メニューは「らーめん」、「塩らーめん」、「つけめん」の3種類。中でも僕の一押しは「らーめん」。「らーめん」は薄濁りの醤油ラーメンで、鶏ガラベースのスープに魚介の風味がほんのりと香り、絶妙なバランス。具材はモモ肉のチャーシューの他、メンマと白髪ネギ・青ネギのダブルネギ。特にメンマが特徴的で、分厚い割には最適な大きさに切られているため、歯切れが抜群。麵は中細のストレート麵で、角が立っていて非常にコシのある麺。例えて言えば、札幌の人気ラーメン店 「麵eiji平岸ベース(→ 札幌グルメバイブル・ラーメンの頁を参照)」 のような麺である。しかしながら、完成度の高いこのスープにはこの麵が上手く絡まないような気がする。「塩ラーメン」も同様で、スープ自体は塩ラーメンのスープとしては最高レベルの鶏清湯スープであるが、使用している麺が平打ちの太麺なのである。この麺自体もモッチリしていて美味しいが、スープとの相性に関しては今一つなのである。常連に人気の「つけめん」は、“ひやもり”の太麺で、モチモチツルツルとした食感。通常のつけ麺店のようなコシのある極太麺ではないので多少物足りなく感じてしまうが、つけ汁とのバランスを考えると僕はこれで良いのではないかと思う。つけ汁は今流行の魚粉で強調された豚骨魚介系スープではなく、とても上品で素晴らしい鶏魚介系醤油スープ。なので、添えられているスダチは不要と感じた。ちなみに、トッピングの「味付け玉子」はおいしいので是非注文されたい。(2014年9月追加)

中京区西の京北円町1−8  
電話番号:075-463-1662
定休日:月曜
営業時間:11時半〜14時、18時〜22時
予算:らーめん650円、味付け玉子100円
アクセス:JR山陰本線・円町駅を出て丸太町通を右へ進む。「パチンコKING」、「三井住友銀行」のある円町交差点(丸太町通と西大路通の交差点)を左折するとすぐ左側にある。JR円町駅から徒歩3分。
最寄りのランドマーク:丸太町通、西大路通
お勧めポイント:完璧なスープを味わえる人気のラーメン店

開店直後の店内

開店15分後の店内

らーめん

分厚いメンマが美味しい

角が立ったコシのある中細ストレート麵

塩らーめんに味付け玉子をトッピング

柚子皮がのっている

味付け玉子は必須トッピングアイテム

塩スープには平打ちの太麺

つけめん

意外にも混濁していない清湯系つけ汁

モチモチツルツルの太麺

  

森林食堂

 地下鉄・JR二条駅近くにある幻のカレー店。元々は店舗を持たない出張専門のカレー店であり、店舗を持つようになった現在もケータリングの仕事のために営業していないことが多く、これが幻と言われる所以である。京都でドラマ撮影を行っている俳優にも大変人気があるため、ロケ先までケータリングをすることもあるという。
 実は、この店の噂は以前から知っていたが、なかなか行く機会に恵まれずにいた。ある日、 「カルバドール(→ 京都グルメバイブル・バーの頁を参照)」 で酒を飲んでいたときに、店主の高山さんがよく行っている店だと勧めてくれたため、行ってみることに。観葉植物が置かれた店の入口を開けると、小さなカウンター席の奥に小上がりのテーブル席がある。カフェのような店内にも多くの観葉植物が飾られ、“森林食堂”というイメージにピッタリの個性的な店である。
 この日は奥さんだけしかいなかったが、堀さん夫妻の作るカレーは、既製香料の味が一切しないホールスパイス感溢れる素晴らしいカレーだ。日によって作るカレーは異なり、この日食べることのできたのは、「長期熟成鶏のチキンカレー(チキンホウレン草カレーにもできる)」、「特撰キーマと京鴨肉キーマのMix(キーマホウレン草カレーにもできる)」、「丹後産猪カレー」、「ビジタブルなヒヨコ豆のダルカレー」の4つで、いずれも2つ選んで合いがけにすることができる。辛さはカレーの種類により決まっており、辛さを追加したり選ぶことができない。ルーはサラサラスープタイプの南インド風で、ライスは黒米をブレンドした三穀米である。カレーは細長い葉っぱ型の皿に入れて供され、カレーにはヒヨコマメの煎餅(パパド)がのっている。
 「丹後産猪カレー」は肉に歯ごたえがあり、適度な酸味が特徴。「特撰キーマ」は後を引くスパイス感があり、ホウレン草カレーにした方が辛さがマイルドになる。ちなみに、ラッシーにはカルダモンが入っており、生乳のように濃厚で甘めだ。(2015年1月追加)
http://shinrin-syokudo.com  

中京区西ノ京内畑町24-4  
電話番号:075-202-6665
定休日:不定休(基本6の倍数日6、12、18、24、30が定休日であるが、ケータリングにより変わるため、上記サイトで要確認)
営業時間:11時半~22時(売り切れ次第終了となるので要確認)
予算:カレー2種類の合いがけ1000円
アクセス:地下鉄東西線・二条駅1番出口を出て左折し、「ライフ」の前を過ぎて角を左折する。
最寄りのランドマーク:JR二条駅、地下鉄東西線・二条駅、ライフ二条駅前店、西ノ京内畑郵便局
お勧めポイント:ホールスパイス感溢れる素晴らしいカレー

住宅街にひっそりとあるため、目立ちません

入口は観葉植物に覆われて、何の店だか分かりません

カウンター席

カウンター席の奥を上がると

このような小上がりのテーブル席があります

本日のメニュー

この店の名刺ですが、アートを感じます

横のテーブルには、友人の工芸作家が作る動物のピンバッジが販売されています

長期熟成鶏のチキンカレーと特撰キーマホウレン草カレー

長期熟成鶏のチキンカレー

特撰キーマホウレン草カレー

黒米をブレンドした三穀米

ヒヨコマメの煎餅(パパド)

長期熟成鶏のチキンカレーと特撰キーマと京鴨肉キーマのMix

特撰キーマと京鴨肉キーマのMix

丹後産猪カレーと特撰キーマホウレン草カレー

丹後産猪カレー

ラッシーは濃厚で甘め

静岡県の地ビール「アングリーボーイ・ブラウンエール」

北海道産でなく何故か兵庫県産の「ダイアモンド ガラナ」

グリルフレンチ

 京都食べログ・ナンバーワンの洋食店である。店は二条城の近くにある三階建ての一軒家。メインダイニングは2階になっており、入口を入ってから階段を上る。2階はオープンキッチンのカウンター席の他に、奥にテーブル席もある。どうやら1階は個室となっているようだ。
 この日はランチタイムの訪問。ランチは2種類のコースしかないが、夜はアラカルトメニューがあるようだ。今回は前菜が付く3200円のコースを注文。1品目の前菜は、「サーモンのマリネ」、「蟹のサラダ」、「ハム・トマト・キュウリのミルフィーユ仕立て」の3品の盛り合わせ。中でもマヨネーズ仕立てのズワイガニが入った「蟹のサラダ」は美味しかった。2品目のスープは「サツマイモのポタージュ」で、サツマイモの香りと旨味十分でこれも美味しかった。3品目の「サラダ」は、なぜ缶詰のホワイトアスパラを入れる必要があるの?と疑問に思う上に、ドレッシングもイマイチだった。4品目は小振りの牡蠣(佐呂間産?)を使用した「カキフライ」。少々火が通りすぎていて、「進々堂」謹製の細かなパン粉の食感もイマイチだった。さらに、ソースはケチャップソースと僅かなタルタルソースのみで、どちらもカキフライには今一つマッチしていない。5品目の「牛肉の照り焼きステーキ」だけは、店主の藤井さんが調理してくれた。薄めの牛肉(イチボ?)にも関わらず、焼き方は見事なミディアムレアに仕上がっていて、藤井さんのスキルを感じさせる逸品だった。醤油ベースのソースのであるこの品は、やはりライスと一緒に頂きたい。デザートの「プリン」は、食感がしっかりとしたホームメイドタイプの素朴なプリンであった。
 会計後はフレンドリーな店主・藤井さんが自ら名刺を渡して見送ってくれた。ちなみに、超人気店なので、ランチタイムの予約は必須である。(2014年11月追加)

中京区小川通御池上ル下古城町377  
電話番号:075-213-5350
定休日:木曜
営業時間:12時~13時半、17時~22時
予算:【ランチコース】2100円、3200円
アクセス:地下鉄東西線・二条城前駅2番出口を出て右へ。最初の交差点を右折して押小路通を進む。2つ目の交差点を右折して小川通を進むとすぐ右側。
最寄りのランドマーク:二条城前駅、押小路通、小川通
お勧めポイント:京都食べログ・ナンバーワンの洋食店

料理人がたくさんいて活気があります

カウンターの奥にテーブル席があります

ランチメニューはAとBの2コース

前菜3品の盛り合わせ

サーモンのマリネ

蟹サラダ

ハム・トマト・キュウリのミルフィーユ仕立て

サツマイモのポタージュ

サラダ

カキフライとライス

ケチャップソースにつけて食べる

牛肉の照り焼きステーキ

見事なミディアムレアに焼けている

プリン

コーヒー

  

スパイスカリー カマル

 ホテルに帰るために三条通を歩いていたところ、偶然目に留まったカレー店である。近づいて外にあったメニューを見てみると、今は無き“東京・原宿にあったカレー店「GHEE」のレシピを受け継ぐ店”というキャッチーコピーが・・・。「GHEE」と言えば「バターチキンカレー」で有名になった伝説の店。原宿と言ってもかなり寂しいエリアにあり、驚くほど小さな店であったと記憶している。ネット情報によると。最近、ランチのみの営業であるが、明治神宮前にある「BROWNHORSE」の場所を借りて復活営業しているらしい。
 とても興味が沸いたので入ってみると、1階はカウンター席、2階がテーブル席の狭い店である。1階の奥にはミキサーが3つ並んでおり、どうやら3種類の野菜ジュース(REDジュース、GREENジュース、YELLOWジュース)とカレーがコンセプトのようである。夜はビールなどのお酒やフレッシュサラダ、つまみなどのサイドメニューもあり、酒を飲んで最後にカレーで締めるといった使い方もできる。カレーのメニューを見ると、ランチタイムには「バターチキンカレー」と「ビーフカレー」、「キーマチキンカレー」、「やさいカレー」の4種が、ディナータイムには「ホウレン草カレー」と「なすのカレー」が加わり6種類となる。「ビーフカレー」だけは激辛であるが、他のカレーは甘〜中辛程度で、辛さは選べない。カレーのサイズはS(ライス200g)、SM(250g)、M(300g)、ML(350g)、L(400g)の5段階に細かく分かれている。この他に、2種類のカレーを楽しめる「コンビネーション」もある。
 この日は初めてだったので、定番の「バターチキンカレー」と「ビーフカレー」の「コンビネーション」を注文。出てきた「コンビネーション」の長皿は、「GHEE」で使っていたものと同じであった。味の方は僕が「GHEE」に最後に行ったのが約30年前なので、全く同じであるかどうかは自信が無いが、「バターチキンカレー」はかなり近いように思う。激辛の「ビーフカレー」は好みが分かれると思うが、「キーマチキンカレー」は味噌が隠し味?と思うくらい複雑なスパイスが美味しい。それにしても、この店のカレーはホールスパイス感満載で、他のカレー店とは一線を画す素晴らしい店である。また、刻んだらっきょをブレンドした「漬け物」も「GHEE」のものを忠実に再現しているという。いろいろなカレーを食べてみたいと思う方は、1つ150円で「ちょい盛り」という小さな容器に入れて出してくれる。なので、注文の仕方は、まずは僕のお勧めである「バターチキンカレー」を注文し、後は気になるカレーを「ちょい盛り」で追加するのがお勧め。
 僕もそうだったように、「CoCo壱番屋」などの通常のカレーを食べ慣れている方がこのカレー食べると、すぐにこのホールスパイス感を理解できないかもしれないことを予めつけ加えておきたい。また、この日はサイドメニューから「ポテトサラダ」と「GREENジュース」も注文したが、「ポテトサラダ」はブラックペッパーが効いたオーソドックスな懐かしい味だった。そして、「GREENジュース」はリンゴジュースをベースにしているためか飲みやすかった。ちなみに、サイドメニューにはハーフサイズもあるので1人飯にも親切であり、店内が禁煙であるのもいい。(2014年3月追加)

中京区三条東洞院東入ル菱屋町32-1  
電話番号:075-211-3949
定休日:無休
営業時間:【平日】11時半〜14時半、17時〜22時、【土日・祝日】11時半〜22時
予算:バターチキンカレー(S)750円、(M)850円、(L)1100円
アクセス:地下鉄烏丸線・烏丸御池駅5番出口を出て、逆方向の「烏丸三条交差点」へ向かう。「エクセルシオール」のある烏丸三条交差点を左折して100mほど進むとすぐ右側にある。烏丸御池駅から徒歩2分。
最寄りのランドマーク:エクセルシオール烏丸三条店
お勧めポイント:既製調味料に頼らないホールスパイスのカレーが味わえる

プチレストランないとう

 「グリルフレンチ(→ 京都グルメバイブル・洋食の頁を参照)」  と人気を二分する洋食店。「グリルフレンチ」が近代的なビルの建物であるならば、この店は古さと新しさが同居する京都らしい洋食店である。三条河原町通近くにあったときにはカウンターだけの小さな店だったが、その後現在の地に移転し、築100年の町家の洋食店としてリニューアルオープンした。外の暖簾をくぐり、細い路地を進むと、ごく普通の町家が見える。入口を入ってすぐ正面に掘りごたつの小上がりがあり、左側にオープンキッチンの広いカウンター席がある。カウンター席からは京都らしい坪庭を眺めることができる。
 今年の1月からから昼の「スペシャルランチ」とアラカルトメニューがなくなり、昼も夜は「おまかせコース」のみとなった。特に昼の「おまかせコース」は限定10名なので、予約は必須である。昼の「おまかせコース」はまだ食べていないので何れ取材するが、前菜からコーヒーまでの8品であるという。ちなみに、「夜のおまかせコース」は、季節の突き出しが2皿とパン、本日の海鮮オードブル、本日のポタージュスープ、メイン料理(選択するもので価格が変わる)、ご飯(ポークカレーか白飯と豚汁かを選ぶ)、デザート、飲み物というラインナップ。
 洋食店としてはかなり値段設定が高めなので、コスパに関しては意見が分かれるところだろう。しかしながら、冬季に登場する「コウバコガニ(松葉ガニのメスのこと)を使ったサラダ風前菜(入荷によるので電話確認が必要)」は僕の一押しなので、これが出てくる11月の3週目~1月10日だけは、是非「夜のおまかせコース」を味わってみてほしい。また、「夜のおまかせコース」の最後を締めるポークカレーは洋食屋のカレーとしては秀逸で、お腹に余裕があればおかわりしたくなるほど。また、2日前からの予約でお弁当(2個以上からの注文)もやっているらしい。(2019年9月更新)
http://petitrestaurant-naito.com/top.htm

中京区柳馬場通夷川上ル西側  
電話番号:075-211-3900
定休日:月曜
営業時間:11時半~13時半、18時~21時
予算:【ランチ】昼のおまかせコース6000円(10名限定)、【ディナー】夜のおまかせコース8000円〜13000円(メインの料理の選択によって値段が異なる)
アクセス:地下鉄烏丸線・丸太町駅5番出口を出て、「ハートピア京都」の角をすぐ左折して竹屋町通を進む。「御所南小学校」の手前角を右折し、柳馬場通を進むとすぐ右側にある。丸太町駅から徒歩5分
最寄りのランドマーク:ハートピア京都、御所南小学校、柳馬場通(やなぎのばんばどおり)
お勧めポイント:京都トップレベルの高級洋食店

車の手前の木の塀が見えるところが店です

ここです

奥に暖簾が見えます

暖簾をくぐると

細い路地が

この家が店です

入ってすぐに掘りごたつの小上がり(テーブル席2つ)があります

オープンキッチンのカウンター席

カウンター席横の坪庭が実に京都らしい

夜のおまかせコースのメニュー

夜のおまかせコースの価格はメインを何を選ぶかによる

突き出しの「丹波栗の素揚げとイチジクのフライの生ハムのせ、丹波の黒豆」は素朴な味わいでいい

ハムのサラダとポテトサラダ」は「グリルフレンチ」のサラダより美味しい

「スペシャルランチAセット」の盛り合わせ 手前から「車海老クリームコロッケ」、「和牛のハンバーグ」、「養老豚のヒレとんかつ」

手前から「車海老クリームコロッケ」、「和牛のハンバーグ」、「養老豚のヒレとんかつ」

「和牛のハンバーグ」は、つなぎがが入りすぎでネットリとしている。ジューシーさがなく、肉の食感もイマイチ

「岐阜県産・養老豚のヒレとんかつ」はジューシーでいい。カツはどれも細かめのパン粉を使用しており、カラッと揚がっている。

カラシとウスターソースをつけて食べれば最高

豚汁は旨味にかけ、イマイチだが、ご飯は美味しい

デザートのプリンはごく普通

飲み物はコーヒー、紅茶、エスプレッソ、カプチーノから選べるが、今回はカプチーノを注文

    

ランカ Länka

 四条河原町にある人気のビストロフレンチ。店名の「Länka」は「Link」を意味し、「料理、ワイン、空間、そしてお客様すべてを繋ぐそんな存在でありたい」という店のポリシーを表しているらしい。
 店内に入ると天井が高く、白を基調としたウッディなインテリアが心地よい。右側にはオープンキッチンのカウンター席があり、そして左側にはテーブル席がある。ビストロのオフタイムにはカフェ営業もしているためか、奥にはソファー席もある。
 この店の料理は一皿2人前くらいのボリュームがあるので、2〜4人くらいでシェアして食べるのがいい。塩味はしっかりと効いていて火の通し方も抜群。しかしながら、シェフのスキルの問題なのかスタッフの少なさが問題なのかは分からないが、料理が出てくるペースが非常に遅い。なので、時間に余裕を持って出かけたい。また、ボトルのワインの価格は1万円以下とリーズナブルで、ボトルもグラスも種類が多いのはマル。しかしながら、機械や農薬を使わず丹精に造られた自然派ワインしかないのが、ワイン好きにとっては不満なところ。(2015年1月追加)
http://www.lanka-vin.com/index.html

中京区新京極四条上ル中之町565-23 ハレの日花遊小路ビル2階  
電話番号:075-741-8070
定休日:木曜日、第2水曜日
営業時間:【ビストロ・ランチ】日曜・祝日限定で12時〜14時、【ビストロ・ディナー】18時~22時
予算:【ランチ】2315円、【ディナー】シェフのおまかせディナーコース5800円
アクセス:阪急電鉄 河原町駅地下道9番出口よりを出て「新京極」に入る。一つ目の角を右折し、突き当たりを左折するとすぐ右側。河原町駅より徒歩2分
最寄りのランドマーク:新京極
お勧めポイント:洗練された空間で頂くビストロメニュー

この階段を上った2階左側にあります

天井を見上げるとこんな感じ

テーブル席

オープンキッチンのカウンター席

奥のソファー席

これがメニュー!!

めくってみるとこんな感じ

グラスワインのメニュー

これがワインリスト

中には自然派ワインの写真付きの説明文が

注文したソフトドリンク。ジンジャエールだったかな?忘れました

鰤のサラダ仕立て

混ぜているところ

混ぜた後

パテ・ド・カンパーニュ(田舎風パテ)

ブーダン・ノワール(豚の血のソーセージをパテ風に)

オマール(海老)のサラダ

本日の鮮魚のソテー(イサキだったかな?)

短角牛ランプのロースト

メシャン・ルー Méchant Loup

  「一保堂茶舗(→ 京都グルメバイブル・スイーツの頁を参照)」 の並びのビルの1階にひっそりとあるフレンチ店。店内は白を基調としたインテリアで、ダウンライトによるシックな感じがいい。入口を抜けると右側に長く直線的にテーブルが配置され、左側に4人用のテーブル席が1つだけある。テーブルの上には演出なのか?抽象的なオブジェが置かれている。
 この店は昼夜ともワンコースのみの完全予約制で、コースは昼が全8皿、夜が全10皿のコースとなっている。メニューはネット上でも公開されておらず、その日の素材によってシェフが考えるという、行ってからのお楽しみなのである。シェフの長野さんは未だ若いが料理にとてもセンスを感じる。その美しさは芸術的ですらある。加えて、素材の組み合わせの妙と完璧な火の通し方である。値段を考えると、恐らく京都トップクラスのフレンチと言えよう。さらに、ソムリエの打田さんのサービスも秀逸である。
 完全予約制ということもあってフラリと入ってくる飛び込み客がいないので、今のところそれほど混んでいないが、この値段と料理の質を考えれば、もっと流行っても良い店である。ちなみに、さすが観光地京都のフレンチ店だけあって、小さい店ながらホームページには英語版もあった。(2014年10月追加) 
http://www.mechantloup.com/index.html

中京区寺町通二条上ル常盤木町55  
電話番号:075-212-2012(完全予約制)
定休日:水曜、第2・4木曜
営業時間:12時〜14時、18時〜20時半
予算:【ランチ】5775円(全8皿)、【ディナー】10500円(全10皿)
アクセス:地下鉄東西線・京都市役所駅を出て京都市役所側へ出る。京都市役所を右に見ながら、京都市役所沿いの寺町通りを北へ400mほど進むと通りが広くなり、ファミリーマートが見えるが、そこから200m先の右側。京都市役所駅から徒歩6分。
最寄りのランドマーク:京都市役所北庁舎
お勧めポイント:洗練されたコスパ抜群のフレンチ

店がどこにあるのか全く分からず、店の前から場所確認の電話をしてしまった

このビルだったのですね

ここまで来なければ分からないなあ

今回はランチのコース。最初は何これ?「サンマルセラン・アフィネ」と言い、熟成チーズのブリオッシュ(シュー皮みたいなもの)で、熱々です

ゴールドラッシュ(トウモロコシ)の粒・芽と刻んだ万願寺唐辛子のスープ

「塩トマトとグリーンアスパラガスの冷凍パウダー、ミモレットチーズにオレンジとレモンソース」はとても複雑な味

「静岡産・熟成させた金目鯛の蒸し物・ラディッシュ添え」は火の通し方が抜群で美味しい

「シャラン産小鴨の熟成黒ニンニクソース・賀茂茄子のピューレ添え」は皮目がパリッとしていてとても深い味が

デザートの1品目はルバーブと苺・バラのジェラート

デザート2品目

エスプレッソ

小菓子

フレンチキュイジーヌ ティアレ

 マンションの1階にある家族経営のようなカジュアルフレンチ店。店内に入ると、左右にテーブル席が配置され、暖色系を基調とした明るいインテリア。ナプキンやおしぼりは紙製で、多少チープな感じも否めないが、ランチメニューを見れば納得。このエリアのフレンチ店としては値段設定が低めで、コスパが抜群に良いのである。この日のランチタイムは僕以外が全て女性客。やはり、女性客の集まるところはコスパが良くて美味しいのである。
 サービスはマダムと若い女性が担当し、プロのサービスとは異なったアットホームでカジュアルな雰囲気を醸し出ている。シェフ1名で調理しているのか?カウンターが高くハッキリとは見えないが、ガラスで仕切られた厨房が客席からチラリと見える。ランチは全部で3コースあるが、今回は前菜、スープ、魚、肉料理、デザートの盛り合わせなどが付いたフルコースメニュー(2900円)をチョイス。ちなみに、5000円の「季節のスペシャルランチ」はシェフのおまかせコースとなり、アミューズブーシュ(先付け)が加わって素材も変わるようだ。
 まずは「フォアグラのフラン」が登場。グラスの上にはカマンベールチーズ入りのスティック状の春巻きがのっている。春巻きはモチッと熱々で、フォアグラのスフレはしっかりとした味付けで美味しい。続いて自家製の「ライ麦パン」が出てきたが、こちらも持てないほど熱々。「空豆の冷製スープ」は爽やかでコクがあり、湿度が高く暑い京都の夏にはピッタリ。「ラケット型の平目と帆立のソテー・アメリカンソース」は帆立がほぼレアな状態で、最高の火の通し方だ。エビから抽出したアメリカンソースもくどさがなく、とても上品な仕上がり。メインの「アンガス牛のステーキ・ペッパーベリー(ペルー胡椒)ソース」は、ビジュアル的にはどうかと思ったが、実際食べてみると、粒マスタードとペッパーベリーがアンガス牛のトモサンカクの旨さを見事に引き出していた。今流行のサプライズやアーティスチックな演出などは一切ないが、火の通し方や塩味が絶妙で、クラシックな質実剛健な料理である。ちなみに、「デザートの盛り合わせ」だけは平均レベルであった。(2014年7月追加)

中京区麩屋町通押小路上ル尾張町234 アマデウス1階  
電話番号:075-253-4733
定休日:水曜、第3火曜
営業時間:12時〜13時半、18時〜21時
予算:【ランチ】1900円、2900円、5000円、【ディナー】3900円、4900円、6000円、8500円
アクセス:地下鉄東西線・京都市役所前駅から御池通に出て、麩屋町通を北側(繁華街と反対側)へ進む。1つ目の交差点を過ぎて右側に見えるマンションの1階。京都市役所前駅から徒歩2分。
最寄りのランドマーク:京都市役所、麩屋町通
お勧めポイント:コスパ抜群のカジュアルフレンチ

フォアグラのフラン

自家製ライ麦パン

空豆の冷製スープ

ラケット状の平目と帆立のソテー・アメリカンソース

アンガス牛のステーキ・ペッパーベリー(ペルー胡椒)ソース

デザートの盛り合わせ

ラ・ビオグラフィ 
    La Biographie・・・

 2014年版ミシュランで1つ星を獲得したフレンチ店。町家をリノベーションした白を基調としたインテリア。箱庭を囲むようにテーブルが配置され、奥の部屋は独立した半個室となっている。この日はランチタイムの訪問。昼の日差しがタップリと差し込み、まるでリゾートレストランにいるような心地よさであった。 
 この店の料理は、ディナー、ランチ共に1コースのお任せのみ。どの料理も美しくサプライズ感に溢れ、次は何が出てくるのかとワクワクする。ビジュアルはアーティスティックで、いろいろな食材やスパイスなどがパズルのように組み合わされ、それが味に複雑さを与えている。しかしながら、必ずしもそれがシェフの思い通りになっていないような料理もあり、もう少しシンプルな味付けにした方が素材の味をもっと生かせるのでは?と思われるものも見受けられた。現時点では、確かに完璧ではないものの、これからの更なる進化が期待できる良質なレストランであり、コストパフォーマンスも良く、人気があるのもうなずける。また、京都のフレンチとしては珍しく、京都っぽいフレンチに迎合せず、滝本シェフのアイデンティティもしっかりと感じられる。さらに、サービスも良く、東京でも十分やって行けそうな店である。
 ちなみに、あまりTシャツやトレーナーなどのラフな格好の方や12才以下の子供は入店できないそうなので、ご注意を。(2014年5月追加)

中京区衣棚通御池下ル西側長浜町152  
電話番号:075-231-1669
定休日:月曜、火曜
営業時間:12時〜13時、18時〜20時
予算:【ランチ】6500円、【ディナー】15000円(税・サービス料別)
アクセス:地下鉄東西線、烏丸線・御池駅4-1出口を出て御池通をそのまま西へ進む。3本目の通り(室町通の次の通り)を左折するとすぐ右側にある。御池駅から徒歩3分
最寄りのランドマーク:御池駅
お勧めポイント:アーティスティックなモダンフレンチ

黒胡椒とパルミジャーノのサブレ

8種のアペリティフ

冷製インカの目覚め(ヴィシソワーズ)

サクラマスの瞬間燻製

アコヤガイのセヴィーチェ(マリネ)

カカオ(手前)とグリエールチーズ(奥)の煎餅

田舎風パテ(左)とタルタルコルネ(右)

朝取りラディッシュ(黒オリーブを塗して)

アスパラガスのロワイヤル(茶碗蒸し)

卵のショー・フォロワー(半熟卵のスパイシーオーロラソース)

色々なコキアージュ(貝)と根セロリ、トマトの料理

北海道産ライ麦のパン

甘鯛グリルと桜海老のかき揚げ 濃縮された海のプレミアムエッセンスを添えて

ペリゴール産乳飲み仔牛肉の低温100分グリヤード(グリル)

フォロマージュブラン(レアチーズケーキ)苺添え

カカオオレンジ風味ショコラ シリンダー(筒状) アカシア蜂蜜アイスとカカオウオーターを添えて

カカオウオーター(チョコケーキを食べる前に飲みます)

エスプレッソ

小菓子

ブラン・ピエール

 

 京都御所の近くにある人気のフレンチ店。店内は天井がロフトのようになったモダンなインテリアで、入口を入って左側にオープンキッチンのカウンター席が、右側にテーブル席がある。奥はガラス張りになっており、土蔵をバックに桜が咲いていてとても美しかった。また、トイレは庭に面しており、一度ダイニングの外に出て、外の空気を感じてから入るという日本家屋のトイレ。このような坪庭に面したタイプのトイレは 「祇園 さヽ木(→ 京都グルメバイブル・日本料理店の頁を参照)」 や 「蕎麦屋 にこら(→ 京都グルメバイブル・蕎麦の頁を参照)」 など、町家スタイルの京都の飲食店で見られるが、古き良き日本家屋の趣を感じさせるので、外人受けしそうだ。
 ランチは、料理が選べる「プリフィクスコース(2000円、3200円)」と、フォアグラ料理が付いたお任せの「スペシャルコース(4500円)」の3コースからなるが、今回は3200円のコースをチョイス。このコースは、アミューズ、前菜、スープ、メイン2品、コーヒー又は紅茶からなり、デザートは別料金で+300円。ディナータイムには、要予約で「ブイヤベースセット」があるところを見ると、この店のシェフは南フランスで修行したのであろうか?
 調理はシェフを含めた2人の料理人だけで行っているが、この日のランチタイムは満席状態であるにもかかわらず、料理は淀みなく出された。料理は装飾的な派手さは一切無いが、どの料理もソースは軽めで火の通し方も良く、素材の味を上手く引き出していた。
 とても小さなレストランであるが、雰囲気やサービスも含めてなかなか良い店である。ちなみに、貸し切りのパーティープランもあるそうなので、結婚式などの2次会にも使えるかも。(2014年5月追加)

中京区御幸町夷川上ル松本町577  
電話番号:075-231-8550
定休日:火曜
営業時間:11時半〜14時、17時半〜21時半
予算:【ランチ】2000円、3200円、4500円、【ディナー】4200円、5000円、6800円、8000円
アクセス:地下鉄烏丸線・丸太町駅7番出口を出て烏丸通を左へ。初めの信号(角に「なか卯」がある)を左折して夷川通を進む。「家具の川上」、「豆政」、「櫻井唐木本店」を過ぎ、「ノグチ精肉」と「OKUMOTO 」を過ぎた交差点を左折するとすぐ右側のマンションの1階。丸太町駅から徒歩10分。
最寄りのランドマーク:夷川通と御幸町通の交差点
お勧めポイント:コスパの良い良質のフレンチ

箸もあります

アミューズ(突き出し)

2種類のパンにリエットを添えて

炙りサバのマリネ じゃがいもとアンチョビのサラダ

本日スープ

本日の魚料理

フランス産ひな鶏のロースト ソース ディアヴル

本日のデザート

エスプレッソ

モトイ

 町屋をリノベーションした人気のフレンチ店。入り口の前に立つと、これが本当にフレンチ店?と思うくらい巧みに改装されている。入り口を抜けると、まずはウェイティングルームが、そして左奥にメインダイニングがある。メインダイニングは2階を取り壊して吹き抜けになっているため、開放感があってとても快適。また、メインダイニングの中心には大きな花が飾られ、テーブル間隔も十分。これほどまでに贅沢な空間を持つ町家のフレンチ店は見たことがない。間違いなく観光客や外国人受けしそうな店である。入り口近くの壁にはガラス張りのワインセラーが鎮座し、これもインテリアの一部となっている。
 店内には静かにジャズピアノが流れ、サービスも淀みがなくて文句なし。若い前田シェフの作る料理は、日本料理や京都らしさを意識していて、見た目も美しく軽い仕上がりとなっている。このためか、今一つ迫ってくる素材の美味しさが感じられない。言い換えれば、形にこだわっているために料理に迷いがあり、素材本来の味を上手く引き出せていないようにも思う。サービスやロケーション的には3つ星クラスであるが故に、少し残念な気がしてならない。ワインの品揃えはそこそこで、1万円前後の若いものが中心。また、8名まで収容できる個室もある。なお、完全予約制なのでご注意を。(2012年10 月追加)

中京区富小路通二条下る俵屋町186  
(中京税務署の東裏通り) 
電話番号:075-231-0709
営業時間:12時~13時半(木曜は休み)、18時~20時 
定休日:水曜
予算:ランチ7350円、ディナー13650円 
アクセス:地下鉄東西線・京都市役所前駅を出て地下街「ゼスト御池」の「出口9」から出る。2つ目の角を右折して富小路通を進む。一つ目の交差点酢を過ぎるとすぐ左側に見える。地下鉄東西線・京都市役所前駅より徒歩4分。

最寄りのランドマーク:富小路通、中京税務署

お勧めポイント:町屋をリノベーションした素敵なフレンチ店

ラ・マーサ La masa

 「アカ aca1°(→ 京都グルメバイブル・スパニッシュの頁を参照)」 の東シェフから教えてもらったスペイン料理店。東シェフはかつてこの店で修行していたという。実は、この店は「株式会社バハルボール」が経営するスペイン料理店。この店の他に「La Gallega」や「EL FOGON」、「FUIGO」など計4店舗を運営しているようだ。
 2015年版当時は寺町二条の有名バー 「カルバドール(→ 京都グルメバイブル・バーの頁を参照)」 と同じビルにあったが、2018年に「EL FOGON」があった場所に移転してきた。
 まずは定番の「サングリア」を注文。この店のサングリアは、ベースとなる赤ワインにガルナッチャ(グルナッシュ)100%のワインを使用しており、甘い独特な香りがして日本ではあまり味わったことのない味だ。メニューはレギュラーと日替わりの2つのメニューあるが、レギュラーメニューの品数はそれほど多くはない。 ボトルワインは3500〜7500円くらいと比較的リーズナブルで、フルボディータイプのものが揃っている。  
 この店のお勧めはパエリアと日替わりのコロッケ。「白身魚のクリームコロッケ」は、スペインでは本来は鱈(タラ)を使用するそうだが、本日はスズキを使用しているという。「イワシとトマトのパエリア」は、青魚であるイワシの香りがマッチしているかどうかは別として、米は半生の本格的なアルデンテに焼かれていて美味しかった。また、「タパス5種盛り合わせ」はその日のお勧めの5つが900円とかなりお得。デザートだけはイマイチだったが、その他の料理はそれなりに美味しかった。
 また、シェフの神永さんはとても気さくで話しやすく、従業員と定期的にスペインに研修旅行に出かけるなど、できるだけ現地の味や雰囲気に近づけるよう努力しているという。また、神永さんだけでなく店員全ての対応が良く、もしも地元であれば行きつけにしたいくらいホスピタリティを感じる店だ。夜のみテーブルチャージを取られるが、これはサービス料のようなものなのかも。ちなみに、ランチタイムには「タパスとパエリアのランチ」1700円で食べられ、ディナータイムのコスパもいい。ちなみに、英語メニューや下記に英語のホームページもある。(2019年9月追加)
http://www.lamasa.jp

 中京区亀屋町380(御幸町通り・御池上ル) 
電話番号:075-255-6093
定休日:不定休
営業時間:12時〜14時、18時〜22時
予算:【ランチ】1000円、1700円、【ディナー】タパス5種盛り合わせ900円、イワシとトマトのパエリア1700円、季節のコース3000円〜5000円
アクセス:地下鉄東西線・京都市役所前駅を出て、御池通りから御幸町通りを北へ(京都御所方向へ)進むとすぐ左側。京都市役所前駅から徒歩1分
最寄りのランドマーク:御池通り、御幸町通り
お勧めポイント:コスパの良いカジュアルなスペイン料理店

このビルの1階です

英語メニュー

サングリア

1人前にしてくれたタパス5種盛り合わせ

レコードプレイヤー

シードル

白身魚のクリームコロッケ

ムール貝の白ワイン蒸し・クリーム仕立て

イワシとトマトのパエリア

クレマ・カタラナ(カタラーナ地方のクレームブリュレ)とタルタ・デ・サンティアゴ(ガリシア地方のアーモンドタルト)

東京移転 アカ aca1°

 三条通にあるスペイン料理の店。スペイン料理とは言ってもよくあるスペイン料理ではなく、モダンスパニッシュである。僕の考える“モダンスパニッシュ”とは、むしろフレンチやイタリアンに近いイメージ。創作性が高く、閉店となった世界で最も予約の取れないスペインのレストラン「エル・ブジEl Bulli」の影響を受けた料理である。日本における代表店と言えば、東京の 「サンパウ(→ 銀座グルメバイブル・スペイン料理の頁を参照)」 や 「スリオラ(→ 銀座グルメバイブル・スペイン料理の頁を参照)」 、そして神戸の「カセント」などが有名である。そういう意味において、この店の料理も創作性が高く、地方毎に特徴的な従来のどのスペイン料理の範疇にも入らない。言い換えれば、フランス、イタリア、日本などのニュアンスを取り込んだフュージョンスパニッシュである。
 階段を上がり、ドアを開けると、木の囲まれたシンプルなインテリア。手前右に4人用のテーブル席が2つ、そして奥にオープンキッチンのカウンター席がある。シェフの東(あずま)さんはまだ若く、とても気さくな方である。料理はどれも洗練されており、火の通し方、塩味共に的確である。特に良かったのは、「静岡産・金目鯛と豆」と「北海道産毛ガニのパエリア」。「北海道産毛ガニのパエリア」はサフランの香りタップリで、アルデンテのような米の火の通し方といい、毛ガニの身と実にマッチしていた。「静岡産・金目鯛と豆」の金目鯛は、活け締めにして10日間冷温熟成させたものらしく、これに素晴らしい火の通し方が加わることで、「のどぐろ?」と間違うくらい皮目がカリッと香ばしく、身がトロッとしていて、今年食べた魚料理の中ではピカイチの逸品だった。この他、今回頂いた中で比較的良かったのは、「馬肉のソブラサーダ“マヨルカ島”のパテ」。軽く火を通したタルタルステーキとチョリソーを混ぜたような味で、茄子のピューレやドライハム、クルトンなどが加わり、混ぜてカリカリに焼いたパンにのせて食べると更にアクセントが増して美味しい。
 ラストオーダーが遅く日曜日も営業しており、ワインバーとしても使えるため、とてもユーティリティーが高く、憶えておくと便利な店である。それにしても、最後のデザートに至るまで美味しく、限りなく3つ星に近い2つ星店である。(2014年8月追加)

中京区桝屋町55 白鳥ビル2階  
電話番号:075-223-3002
定休日:不定休
営業時間:17時半〜24時
予算:静岡産・金目鯛と豆1980円、北海道産毛ガニのパエリア(2人前)2400円
アクセス:地下鉄烏丸線・烏丸御池駅5番出口を出て、烏丸通を四条側(反対方向)へ進む。京都銀行の交差点を左折して三条通を進む。レンガ壁の「中京郵便局」を過ぎ、同じレンガの「京都府文化博物館」が左に見えたら右角にファミリーマートが見えるので、その隣の「石鹸屋」が入っているビルの2階。烏丸御池駅から徒歩2分
最寄りのランドマーク:京都銀行三条支店、三条通、中京郵便局、京都府文化博物館
お勧めポイント:京都では珍しい洗練されたモダンスパニッシュ

京都産・蜂トマトのガスパチョ(濃厚です!)

イカのクロケッタの外観(ウニがのっていてイカスミ味なので真っ黒)

イカのクロケッタ断面(中はトロトロ)

若狭産・岩ガキ 生ハムの泡(生牡蠣です)

徳島産・ハモとトマトのジュレ(サッパリとして良い)

静岡産・金目鯛と豆(絶品!)

北海道産毛ガニのパエリア(これも絶品!!)

馬肉のソブラサーダ“マヨルカ島”のパテ(混ぜる前)

馬肉のソブラサーダ“マヨルカ島”のパテ(混ぜた後)

混ぜたものを茄子のピューレと共にカリカリのパンにのせたところ

マミア“牛乳プリン”ピスタチオ、クルミ、アーモンドのロースト(これも美味しいが、シェフのお勧めは「生チョコと塩、オリーブオイル」です)

  

Cucina Italiana東洞(トウドウ)

 京都御所の近くにある小さな町家のイタリアン。ドアを開けるとガランとした空間の中に2階へ続く階段が見える。さらに奥に進むとオープンキッチンのカウンター席があり、2階にはテーブル席がある。
 メニューを見ると、ランチタイムは3コースあるが、今回は3800円のコースを頂くことに。ディナータイムは1コースのみであるが、予約に限って旬の素材を使ったスペシャルコースを用意してもらえる。特に、素晴らしい!!と思う様な感動的な料理はなかったが、料理はどれもハズレがなく、素材の味を前面に出した火の通し方や味付けとなっている。ちなみに、今回のコースの中では、濃厚な味付けのパスタが最も美味しかった。(2014年5月追加)

中京区東洞院通竹屋町下ル三本木五町目496-3  
電話番号:075-212-5207
定休日:木曜
営業時間:11時半〜14時、17時半〜22時
予算:【ランチ】2100円、2900円、3800円、【ディナー】6500円(8000円、10000円、12000円のスペシャルコースは事前の予約が必要)
アクセス:地下鉄烏丸線・丸太町駅5番出口を出て左へ、すぐに竹屋町通りを左折。2つ目の交差点(チョコレートで有名な「BRUN BRUN」の角)を右折して東洞院通を進む。公園と「中京もえぎ幼稚園」を過ぎるとすぐ左側に見える。丸太町駅から徒歩3分。
最寄りのランドマーク:東洞院通、中京もえぎ幼稚園
お勧めポイント:オシャレな町家で頂くイタリアン

京都ネーゼ

 繁華街にあるビルの3階にあり、比較的遅くまでやっているダイニングバーのようなイタリアンである。店内の客席は時間帯や予約の状況によって配置が変わり、カウンターが長くなったり、テーブル席が多くなったりする。料理は、京都「キメラ」のような手の込んだ料理ではなく、炭火焼きを中心としたシンプルなもの。僕のイメージ的には、京都「イル・パッパラルド」のコンセプトに近いように思う。
 森シェフはストイックなほど素材にこだわっているので、どうしても料理の価格設定は高めだ。深夜までやっていることや居心地の良いこと、そして魅力的な素材を生かした料理はまた来たいと思わせる。どの料理もハーフサイズにしてくれたり、メニューに捕らわれない客好みの調理法に変えてくれたり柔軟に対応してもらえる。また、箸を用意しているのも京都らしくていい。加えて、デザートのジェラートはとても滑らかで旨い!店内は禁煙であり、シェフの森さんをはじめスタッフの皆さんは、とてもフランクで感じが良かった。(2012年8月追加)

中京区三条木屋町上ル三軒目  
三条木屋町ビルII3階 
電話:075-212-2129
定休日:日曜、不定休有り
営業時間:18時~23時
予算:山田農園のカルボナーラ1800円、富士幻豚のカツレツ1400円、和牛舌の炭火焼き2800円、コース料理は6000円から
アクセス:地下鉄東西線・三条京阪駅2番出口を出て三条通を左へ進む。京阪電鉄の三条駅を過ぎて鴨川を渡って進むと、高瀬川手前の左角に「松屋」が見えるので、その信号を右折するとすぐ右側のビル。地下鉄東西線・三条京阪駅より徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:京阪電鉄・三条駅、高瀬川 
お勧めポイント:魅力的な素材を生かしたシンプルな調理法のイタリアン

中国菜 大鵬

 JR二条駅近くの住宅街にある人気の四川料理店。店内はテーブル席のみで、一人客は大きなテーブル席での相席となる。客席からは厨房が見渡せ、明るく清潔感がある。
 この店の料理はスパイスの効いた現地の四川料理というよりは、どれも辛味がかなり抑えられたアレンジされた四川料理である。なので、痺れや辛さを求めたい方は、注文時に予め言っておいた方が良いかもしれない。
 前菜のお勧めは、何と言っても「大鵬水口鶏(京都七谷地鶏のよだれ鶏)」。複雑なウスターソースのようなピリ辛テイストのソースと京都七谷地鶏が絶妙にマッチする。さらに、鶏を食べ終えた頃を見計らって、茹でられた太い緑豆春雨が運ばれ、それを残ったタレと絡めていただくと、もう最高である。しかし、京都七谷地鶏が高級なせいなのか?他の料理に比べて、何故かこの品だけはボリュームがかなり少なかった。もう一つ前菜でお勧めしたいのが「金華老虎菜(クチーたっぷりの干し豆腐と金華ハムのサラダ)」。パクチーサラダだったの?というくらい驚くほどの量のパクチーが入っているのに対し、金華ハムはどこに?というくらい存在感が少ないのである。それでも、パクチーと干し豆腐の食感の相性は抜群で、シンプルな味付けもいい。また、名物の「飄香排骨(ポークスペアリブの四川スパイス煮カリカリ揚げ)」は既に売り切れだったため、もう一つの人気料理「牛肉麻婆豆腐(近江牛100%の本場麻婆豆腐)」を注文。これは、豆豉(中国納豆)が全体を包みこむような味の麻婆豆腐で、辛味は後からジンワリとくる程度。痺れる感じがほとんどないので、お好きな方は花山椒を入れるように頼んだ方が良いかも。さらに、北方産と南方産の杏仁をミックスして作るという人気のデザート「杏仁豆腐」は、食感と香りが良く、食べても良いレベル。変わり種のデザート「三椒冰激凌(青山椒を使ったアイスクリーム)」も、アールグレイアイスのような感じで、サッパリとしていて悪くない。
 ちなみに、ランチタイムはかなり混み合うので、予約してから出かけることをお勧めしたい。(2016年11月追加)

中京区西ノ京星池町149  
電話番号:075-822-5598
定休日:火曜
営業時間:11時半~14時20分、17時半~22時
予算:京都七谷地鶏のよだれ鶏1500円(ハーフ950円)、パクチーたっぷりの干し豆腐と金華ハムのサラダ1500円、牛肉麻婆豆腐(小)1050円、(中)1550円、(大)1850円
アクセス:地下鉄東西線・二条駅3番出口を出て右へ向かい、セブンイレブンとマンションの間の歩行者専用道路を右折するとすぐ目の前(コープ二条駅の裏通)。地下鉄東西線・二条駅3番出口から徒歩2分
最寄りのランドマーク:コープ二条駅
お勧めポイント:京都では比較的珍しい四川料理店

駅近くのマンションの裏側の・・・ココです厨房が見渡せる店内これはランチタイムメニューですが、ランチタイムでもアラカルトの注文は可能です僕の一押しの「大鵬水口鶏(京都七谷地鶏のよだれ鶏)」鶏を食べ終えた頃を見計らって、茹でられた熱々の太い緑豆春雨が運ばれてきたタレの中に投入混ぜるとこんな感じ「鶏足先のピクルス」は、特に可もなく不可もなし「じゃがいものピリ辛山椒風味」は、酸味が強すぎてお勧めできない「成都鐘水餃」は、八角の効いた水餃子で、辛味がない分だけ物足りない「大鵬小籠包」。メニューの中に「黒酢酢豚」と「小籠包」の2つの上海料理がもあった。小籠包はまあ普通の味「金華老虎菜(クチーたっぷりの干し豆腐と金華ハムのサラダ)」パクチーサラダだったの?というくらい驚くほどの量のパクチーが入っているのに対し、赤い小さな金華ハムは、「どこに?」というくらい存在感が少ない。それでも、パクチーと干し豆腐の食感の相性は抜群で、シンプルな味付けもいい「脆皮猪蹄(豚足のパリパリ四川香り焼き)」は揚げすぎていて硬すぎだ「牛肉麻婆豆腐(近江牛100%の本場麻婆豆腐)」を注文。これは、豆豉(中国納豆)が全体を包みこむような味の麻婆豆腐で、辛味は後からジンワリとくる程度。痺れる感じがほとんどないので、お好きな方は花山椒を入れるように頼んだ方が良いかも「麻辣牛肉面」は、ネーミングの割りには全く辛くないうえに、山椒もそれほど香らず残念一見すると辛そうなのだが・・・「重慶小面」は今流行の汁無しの担々麺であるが、これも全く辛くない。四川風と言うよりも、まるで汁無し担々麺と上海風焼きそばを混ぜたような感じだよく混ぜて食べる北方産と南方産の杏仁をミックスして作るという人気のデザート「杏仁豆腐」は、食感と香りが良く、食べても良いレベル変わり種のデザート「三椒冰激凌(青山椒を使ったアイスクリーム)」も、アールグレイアイスのような感じで、サッパリとしていてこれも悪くないレベル 

食工房 ひろさき

 「木屋町櫻川」の元料理長が独立して開いたミシュラン1つ星の日本料理店。入口近くには個室があり、奥に進むと5席だけのカウンター席がある。個室客がいないときには店主1人でやっているため、このくらいが丁度良い広さなのである。
 この店は京都の日本料理店としては珍しく生ビールがあったため、先ずは生ビールを注文。話を聞くと、「木屋町櫻川」の彼の後任の料理長が現在の 「前田(→ 京都グルメバイブル・日本料理店の頁を参照)」 の店主であるという。
 この店の料理はどれも素材の味を引き出した真にシンプルなもの。今回では、椀ものの代わりに出てきた「松茸とシメジの小鍋」は、出汁が深く秀逸であった。最後の締めに出てきた「土鍋炊きの白ご飯」と「アジの干物」、「赤出汁」、「香の物」のご飯は艶々で美味しかったが、アジの干物はイマイチであった。日本酒は純米酒のみで、吟醸や大吟醸などは置いていない。しかしながら、店主お勧めの石川県の地酒「宗玄・純米原酒ひやおろし」は、トロリと円やかでアミノ酸度はそれ程高くなく、洗練されていてかなり美味し かった。(2014年11月追加)

中京区竹屋町通新町東相生町282  
電話番号:075-211-1366
定休日:不定休
営業時間:17時~22時
予算:13000円
アクセス:地下鉄烏丸線・丸太町駅4番出口を出て烏丸通を右へ。進入禁止の表示のある次の「竹屋町通」を右折し、2筋過ぎると左側にある。丸太町駅から徒歩3分。
最寄りのランドマーク:烏丸通、竹屋町通
お勧めポイント:元・木屋町櫻川の料理長が独立して開いたミシュラン1つ星の店

入口近くの個室は掘りごたつ

平貝のポン酢ジュレ

厚岸産牡蠣の煮物と大根カラスミ

お椀の代わりに松茸とシメジの小鍋

グジ(甘鯛)のお造り

マナガツオの焼き物

長芋と菊

意外!!真鱈と白子(雲子)のバターソテー

石川県の源助大根と海老芋の炊き合わせは最高

締めのご飯

水菓子は柿

竹屋町 三多(たけやまち さんた)

 寺町通にひっそりとある日本料理店。この店はミシュラン1つ星ながら、 「炭火割烹 いふき(→ 京都グルメバイブル・日本料理の頁を参照)」 や「草喰 なかひがし」、「食堂 おがわ」などと共に、現在、京都で最も予約の取りづらい店の一つである。
 店内にはカウンター席しかないが、店主と奥さんの2人だけでやっているので、この広さくらいが丁度良いのかもしれない。実は、2階には座敷があるらしいのだが、今のところそこまでは手が回らず、一度も使用したことがないという。
 店主は 「旬席 鈴江(→ 京都グルメバイブル・日本料理店の頁を参照)」 出身で、「旬席 鈴江」には10年以上いというが、まだかなり若く見える。料理は「旬席 鈴江」とは若干異なるが、そこは全く同じような料理を出したくないという彼の料理人としてのプライドであろう。しかしながら、素材の力を最大限に引き出すシンプルな料理という点で、方向性は同じである。
 奥さんと二人三脚による心づくしともてなしにはホスピタリティを感じ、また来たいなあと思わせる店である。ちなみに、クレジットカードは使用できなのでご注意を。(2014年11月追加)

中京区寺町通竹屋町下ル西側久遠院前町667-1  
電話番号:075-231-3556(完全予約制)
定休日:無休
営業時間:17時〜21時
予算:
アクセス:地下鉄烏丸線・丸太町駅5番出口を出て、「ハートピア京都」の角をすぐ左折して竹屋町通を進む。「御所南小学校」、「森歯科医院」を過ぎ、突き当たりにある寺町通との交差点右角にある。丸太町駅から徒歩10分
最寄りのランドマーク:御所南小学校、竹屋町通、寺町通
お勧めポイント:今、京都で最も人気の日本料理店

カウンター奥には焼き物に使う七輪が用意されていた

日本酒のメニュー

京都の秋の定番「子持ち鮎の山椒煮」

平貝と菊の酢の物

イクラの醤油漬け

イカと真鯛のお造り

お椀はグジ(甘鯛)の白味噌仕立て

炭火焼きの最初は名残ハモが一切れずつ焼かれて出てくる

続いて焼き松茸

焼き松茸と名残ハモを一緒に頂く

焼きイカと大葉の和え物だったかなあ?

松葉ガニ(ズワイガニ)の餡かけ

和牛のヒレステーキ・キノコとネギ

季節のご飯(鯛とミョウガ?)

水菓子はぶどう3種

栗きんとん

余ったご飯はお握りにしてくれたので、翌朝の朝食に

余志屋

 賑やかな先斗町の通りから少し入った薄暗い小路にある割烹料理店。1階はL字型のカウンター席と掘りごたつのテーブル席が1つあり、2階には最大8名と4名収容できる座敷がそれぞれ1部屋ずつある。1階のカウンター内はオープンキッチンになっており、大将と男女各1名の料理人が料理を作っている。カウンター内では、大将の指示のもとに各人がテキパキと滞りなくオーダーをこなして行く。
 席に着くと、まず店員が本日入荷したお勧め素材の説明をしてくれ、飲み物のオーダーをとってくれる。大将がそれ程忙しくないときには自ら説明してくれるが、2〜3mくらい離れて作業をしながらの説明なので、まるで口上のように声が大きい。メニューはいろいろと魅力的なものが多いが、何分にも金額の表示がないのでちょっと不安になる。高いのか?安いのか?ボリュームはどのくらい?などの情報を知っておきたいところだが、コースの値段からも分かるように、基本的にビックリするほど高い値段ではない。それでもやっぱり不安という方は、リーズナブルなコース料理もあるので、予約の際にその旨を告げよう。
 まず、突き出しに出てきた「焼きナスの胡麻ダレがけ」は、胡麻のソースと濃厚でシットリとした焼きナスの相性が最高だった。この店の名物は、餡かけものの「鴨まんじゅう」や「野菜のあんかけ」、そして焼き物の「鴨ロース」、「だし巻き」などいろいろあるが、僕が京都らしくて美味しいと思ったのは「野菜のあんかけ」である。また、常連客の多くは「一口カツ(1個からの注文が可能)」を注文していたが、僕の注文した揚げ物の「ぐじの唐揚げ」は美味しかったものの油ぎれが悪く、お勧めというほどではなかった。。
 一品一品のボリュームがあるため、1人飯の場合には半量にしてもらうのが良いだろう。しかしながら、人気の「釜飯」だけは3人分でしか炊けないので、もしも余った場合にはおにぎりにしてもらい、持ち帰って朝ご飯にすればいい。この日注文した「穴子の釜飯」は、シットリと炊かれた煮穴子と錦糸卵を混ぜて食べたら本当に旨かった!!また、最後にサービスで出た「黒糖のシャーベット」もサッパリと甘さ控えめで美味しかった。
 それにしても、店員の対応が丁とても寧で、すこぶる感じの良い店である。また、京都でもトップクラスの人気店であるため、早めの予約が必要だ。(2014年6月追加)

中京区先斗町通三条下ル材木町188  
電話番号:075-221-5115
定休日:月曜
営業時間:17時〜22時半
予算:コースは8000円と10000円の2コース
アクセス:阪急京都線・河原町駅出入り口5を出て、四条通を鴨川方面へ向かう。高瀬川、木屋町通を過ぎ、「先斗町」の看板のある小路を左折する。しばらく進むと、右に公園、左に「先斗町バイク駐車場」が見えるので、その20〜30m先の左側にある。河原町駅(四条河原町交差点)から徒歩5分。
最寄りのランドマーク:先斗町、先斗町バイク駐車場
お勧めポイント:実に京都らしい割烹料理店

突き出しとビール

焼きナスの胡麻ダレがけ

明石鯛の刺身

カツオのたたき・おろしニンニク添え

野菜のあんかけ

鴨まんじゅう

ぐじの唐揚げ

鴨ロース

穴子の釜飯

黒糖のシャーベット

お土産にしてもらった残った穴子の釜飯

むろまち 加地

 マンションの1階にある食べログで大人気の和食店。店内は木と白を基調とした明るい雰囲気で、手前にオープンキッチンのカウンター席が、そして奥には4人用の個室がある。この店は店主が1人で料理を造り、もう1人の男性がサービスを担当している。なので、混んでいると鳴っている電話にも対応できないくらい忙しい。
 お品書きを見ると「からすみ餅」があったので、店主は「和久傳」出身かと思いきや、 「祇園 にしかわ(→ 京都グルメバイブル・日本料理の頁を参照)」 出身とのこと。お品書きの半分が酒の肴で、「祇園 にしかわ」の真骨頂である“椀もの”は見当たらず、「祇園 にしかわ」自慢の鯖寿司も今一つだった。もしかすると、店主は若いので、「祇園 にしかわ」ではそれほど長く修行していないのかも。なので、この店は“さあ!日本料理を食べるぞ〜!!”と気合いを入れて行くとちょっとガッカリする。コースを注文するのではなく、お酒を飲んで酒のアテを楽しみ、料理を何品か食べてご飯で締めるといった居酒屋的な使い方が良いのである。それを知ってか知らずか、客のほとんどは単品でいろいろ注文しながらお酒を楽しんでいた。青森の「田酒」や山形の「上喜元」、京都の「久美の浦」など日本酒は比較的揃っていて、純米を中心とした品揃え。メニューに書いていない日本酒もあるので、注文の際に店主に尋ねてみて頂きたい。
 今回は“1人飯”なので、敢えてコース料理を注文。コースは基本予約が必要で5000円から注文できるが、折角なので季節の釜炊きご飯が付いた8000円のコースにした。季節のご飯(この日はじゃこご飯)は2合から1組ずつ炊かれ、僕のような1人飯の客は余ったらおにぎりにしてもらえ、お土産としてお持ち帰りができる。
 料理は全体的に薄味で、もう一塩ほしいと思われる品も幾つか見受けられた。また、刺身は良かったものの、刺身に添えられた前述の鯖寿司はネタもシャリも今ひとつだった。料理はどれも京都では中の上くらいで、特に“お〜”と唸るようなものはなかったので、日本料理店として評価すれば1つ星ギリギリでもどうか?というような評価になるかもしれない。しかしながら、夜遅くまで営業していることや日本酒が比較的揃っていること、雰囲気やコストパフォーマンスも悪くないことから今回はこの評価となった。
 それにしても、若い店主は料理の説明が上手く聞き取れないくらい早口でよくしゃべる方である。なので、カウンターでの1人飯であったが、彼の話や説明を聞いているだけでも退屈しなくて良かった。(2014年6月追加)

下京区松原通新町東入中野之町185  
電話番号:075-353-1113(営業中は電話に出られないことも)
定休日:木曜
営業時間:18時〜23時
予算:お造り三種と鯖寿司、珍味1850円(お通し八寸は前日までの予約の方のみ)、煮穴子焼(1本)980円
アクセス:地下鉄烏丸線・烏丸五条駅2番出口を出て五条通を西へ進み、2つ目の角(OPENと書かれたビルの角、室町通)を右折する。室町通を進み、「ミニストップ」を過ぎた交差点(松原通)を左折するとすぐ左側。烏丸五条駅から徒歩4分。
最寄りのランドマーク:室町通、松原通
お勧めポイント:お酒を飲んで酒のアテを楽しみ、料理を何品か食べてご飯で締めるといった使い方がベストな店

八寸

煮ダコに真鱈の白子がかかったもの?(忘れました)

刺身の盛り合わせと鯖寿司(大根と金山寺味噌添え)

新竹の子のカブラ蒸し

和風グラタン

トキシラズの焼き物

シラスご飯

抹茶のシャーベット

お土産のシラスご飯お握り

蛸八

 新京極にひっそりと佇む小さな居酒屋。カウンター僅か10席だけしかなく、席の後ろを通るのもやっというくらいの狭さだ。雰囲気なら、間違いなくB級居酒屋と言えるが、B級居酒屋でかたづけるにはあまりにもったいない店である。特に、「スッポン鍋」と「コウバコガニ(メスのズワイガニ)」が登場する冬に行ってもらえれば、その実力を実感できる。一応、壁には素材が書かれたメニューが表示しているが、その日仕入れた素材で書かれていないものもあるので、店主か女将さんに聞いてみよう。
 擦った生姜がタップリと入った小鍋「スッポン鍋」は、この店の冬の名物料理。その深い味わいは、僕のこれまで食べたスッポン料理の中でも最高レベルの逸品だ。前述の「コウバコガニ(メスのズワイガニ)」も、旬の11月〜12月に登場するが、こちらも必ず味わってほしい品。また、「あなご焼き」は、噛めば噛むほど濃厚で香ばしく、「あなごの付け焼き」はフンワリとしていてどちらもいい。刺身を注文すると、擦り立ての本ワサビを添えてくれるので、店主にその日のお勧めの刺身を聞いて注文しよう。醤油はシソの香りがして好みが分かれるかもしれないが、僕的には嫌いではない。ちなみに、この店の人気メニューは「ぐじの焼き物」と「小芋からあげ」、「きずし(シメサバ)」などであるが、余裕があればこちらも是非いただきたい。
 それにしても、焼き物と煮物を担当していた親父さんがいなくなったのは残念であるが、家庭的な暖かみを感じる雰囲気は健在である。残念なのは、お酒が充実していないことである。日本酒は「白鹿」だけしかなく、この点が改善されればもっと魅力的な店になるであろう。(2019年10月追加)

中京区蛸薬師通新京極西入ル東側町498  
電話番号:075-231-2995
定休日:日曜 
営業時間:18 時~23時 
予算:全て時価だが、それほど高くはない 
アクセス:阪急京都線・河原町駅の交差点を渡り、「河原町オーパ」側に渡る。河原町通を北へ進み、「GAP」、「パチンコキングコング」、「サークルK」を過ぎたら左折。「松屋」、「LoFt」を過ぎ、「新京極」の看板を右に曲がると「寛永堂」が見えるので、その隣。河原町駅より徒歩5分
最寄りのランドマーク:河原町オーパ、LoFt、寛永堂京極店
お勧めポイント:ほのぼのとした家庭的な居酒屋

蛸薬師通りにある「寛永堂」の隣の・・・ココです!
以前の大将(現在は若大将に代わっている)突き出しの「ぬた」お造り「真鯛と本マグロ」擦り立ての本ワサビをのせて「あなご焼き」はカリッと香ばしく、噛めば噛むほど濃厚で美味しい「コウバコガニ(メスのズワイガニ)」内子と蟹味噌が美味しい!「きずし(シメサバ)」「何かの西京味噌焼き」「スッポン鍋」は、この店の冬の名物料理
その深い味わいは、僕のこれまで食べたスッポン料理の中でも最高レベルの逸品「あなごの付け焼き」は、フンワリとしていて美味しい

四季料理 かわむら

 四条烏丸にある“おばんざい”の店。通りから少し入った小路にあるので目立たないが、京都最高峰のおばんざい店である。扉を開けると正面に広めのカウンター席があり、2階には広い座敷がある。
 この店の名物は「焼きフグ」であるが、基本的には何を食べても美味しく、特に“おばんざい”や刺身などがいい。僕の一押しは「海老芋唐揚」で、味が染みた海老芋の外側がカリッと、中がフワッ、トロッとしていて美味しい。もう一つのお勧めは「茄子の煮浸し」。フックラと炊かれた身欠きニシンとしっかりと味が染みた柔らかい茄子が絶品だ。京都の定番料理「きずし(酢のタレで頂く“しめ鯖”のこと)」や旬の刺身の他、若狭グジ(甘鯛)やノドグロ(赤ムツ)の焼物もいい。冬なら間人蟹(たいざがに)の「コウバコガニ(メスのズワイガニ)」や「フグの白子」などもいい。そして最後の締めは「さば(の棒)寿司(焼鯖寿司もあるが、焼鯖でない方がいい)」。
 この店の唯一の欠点といえば、日本酒の品揃えが悪いことくらい。昼にはランチをやっているようだが、もちろん行くなら夜がいい。また、単品の方がこの店の醍醐味が味わえるが、お得なコースもやっている。(2013年1月追加)

中京区錦小路通室町東入ル占出山町310-7  
電話番号:075-255-0192
定休日:日曜・祝日 
営業時間:17時半~22時 
予算:若狭グジの焼物2000円、さば寿司(2貫)600円、海老芋唐揚1200円、ミニコース3500円、占出山会席5250円 
アクセス:地下鉄烏丸線・四条駅の出入口1から「アーバンネット四条烏丸ビル」へ出て、烏丸通を左へ(北へ)進む。最初の細い通り(錦小路通)を左折し、最初の小路(モータープールおだぜんの手前)をまた左折するとすぐ左側。四条駅から徒歩2分。 
最寄りのランドマーク:烏丸通、錦小路通 
お勧めポイント:京都最高峰のおばんざい店

じき 宮ざわ

 錦市場近くにあるカウンター10席の日本料理店。看板から続く敷地は日本料理「はな邑」と共通で、左手前が「宮ざわ」、奥が「はな邑」である。この店は度々マスコミで紹介されているせいか、いつも予約客で一杯。席は隣同士の間隔が狭く、トイレに行くにも出て行きにくいほど。この日も席は満杯。昼で最も高い7000円のコースを注文したが、偶然にも他の客全てが同じコースだった。コースは料金によって品数と素材が異なるそうだ。
 昼は12時と13時45分からの2回転同時スタート。夜も週末だけは17時半と20時からの同時スタートとなる。そのためか、料理は驚くほどの早いテンポで出てくる。料理は全般的にシンプルで派手さは全くない。なので、火の通し方や塩味が決まらないと、どうしても料理は締まらなくなってしまうが、今回は残念ながらギリギリ合格点といった評価である。しかし、名物の「焼胡麻豆腐」は熱々トロトロで最高に美味しいし、自慢の「土鍋釜炊きご飯」は2杯目、3杯目と時間の経過と共に、ご飯の変化を楽しめて面白い。この店で日本酒を飲むなら限定の品の「磯自慢純米吟醸」がいい。(2012年9月追加)

中京区堺町通四条上ル東側八百屋町533-1  
電話番号:075-213-1326
定休日:木曜、第1水曜 
営業時間:昼12時~、13時45分~、夜17時半~、20時~ 
予算:昼3500円、5000円、7000円、夜7000円、10000円、12000円、15000円 
アクセス:地下鉄烏丸線・四条駅、阪急烏丸駅の出入り口5「京都三井ビルディング」を出て四条通を左へ。「東横イン」、「大丸」を過ぎ、「野村證券」角を左折して堺町通を錦市場へ向かうとすぐ右側。四条駅、阪急烏丸駅より徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:大丸、野村證券、錦市場 
お勧めポイント:名物の「焼き胡麻豆腐」が熱々トロトロで最高に美味しい

浜町(はまちょう)

 木屋町にある3階建ての割烹料理店である。店内は1階にカウンター席とテーブル席、2階は最大55名、3階は30名まで対応可能な座敷とカウンター席がある。1階のテーブル席は半個室のボックス席と個室がある。
 メニューを見ると通常の京のおばんざいや刺身、焼き物、揚げ物、煮物から創作系料理まで、あまりの種類の多さに目移りしてしまうほど。また、日本酒などの酒類も一通り揃えている。しかも、宴会コースなら3000円からと、京都にあるこの種の店としては非常に良心的な価格である。料理は特に凄いと言うほどではないが、どれも一定レベル以上の美味しさで、お勧めできる。英語の写真付きメニューもあり、外国人観光客にもお勧めである。(2014年12月追加)
http://hamachodesu.com/

中京区河原町通三条上ル恵比須町448-2(木屋町通三条上ル1筋目西入ル南側)  
電話番号: 075-257-4949 
定休日:不定休
営業時間:17時~23時
予算:鴨ロース900円、月替わりおまかせコース4500円
アクセス:京阪三条駅を出て鴨川を渡り、三条通を河原町通方面へ向かう。「松屋」のある木屋町通の交差点を右折し、一つ目の交差点を左折して高瀬川を渡ると左側にある。京阪三条駅より徒歩5分
最寄りのランドマーク:三条通、木屋町通、高瀬川
お勧めポイント:コスパの良い大箱の割烹料理店

英語メニューもあります

1階のカウンター席

1階のボックス席

たくさんあるメニューの1例

突き出し

お造りは甘鯛とクエ(アラ)

鴨ロースはミディアムレア状態で、味付けはやや甘め

かにと水菜のおひたし

名物つくねは普通

生ゆばの刺身

「鯛飯とゆばの餡かけ」は餡かけチャーハンのようで美味しい

京都市東山区

ワインバー スズナリ ヴィーニュ

 祇園の花見小路通りにある小さなワインバー。扉を開けると、ジャズピアノが流れるカウンター8席の落ち着いた空間。開店して6年目を迎えたそうだが、今年から現在のソムリエにオーナーが変わったようだ。18時〜21時までの早い時間は制約がないが、21時以降は紹介客しか入店できないというレギュレーションがある。
 後に、シャンパン専門のワインバー「クープ・ド・シャンパーニュ(→ 京都グルメバイブル・バーの頁を参照)」のソムリエールから聞いたところによると、以前の店は10種ほどのパンが木箱に入れられ、ワインのつまみとして客が選べたそうだ。それが今のオーナーに引き継がれているかどうかは不明であるが、僕の時にはパンは出てこず、つまみはハムやチーズなどの乾き物だけだった。グラスワインは15種〜20種あり、オーナーソムリエこだわりのワインがラインナップされている。僕が行ったときには、ニュージーランドの日本人ワインメーカー「コヤマ・ワインズ」の小山さんがこの店に来ていたということで、グラスワインに「コヤマ・ワインズ」のピノ・ノワールとリースリングがあった。
 ワインオタクと言ってもいいくらい真面目なオーナーは、ホスピタリティーという面においてはイマイチかもしれないが、ある意味とても実直な方である。ちなみに、この店は以前の店と異なりワインリストはないので、ボトルでオーダーするようなワイン上級者向けというより、どちらかと言えば、ワインをこれから学びたいようなワイン入門者向けの店であろう。(2019年10月追加)

東山区祇園花見小路四条上る富永町117-6  
電話番号:075-748-1866
定休日:日曜・祝日
営業時間:18時〜翌2時
予算:グラスワイン1500〜3000円くらい
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通りを鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座の前を過ぎ、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)がある交差点を左折し、花見小路通りを進む。一つ目の交差点を過ぎたら右側に見える。阪急河原町駅より徒歩7分
最寄りのランドマーク:花見小路通り、お茶屋一力亭
お勧めポイント:祇園にある良質なワインバー

白を基調とした外観入口 扉を開けると、ジャズピアノが流れるカウンター8席の落ち着いた空間この日のグラスワイン

ぎをん遠藤

 祇園花見小路から少し入ったところにある隠れ家的なカウンター割烹の店。今年で開店して8年目を迎えるらしい。2015年版の時に一度取材をしたことがあるが、実はこの時には残念ながら掲載されなかった。しかし、その後も食べログで高得点を維持しているため、気になっての再度の訪問である。
 入口を入ると、手前にテーブル席があり、左奥にカウンター席がある。この店にはコースがなく、アラカルトメニューの中から客が好きなものを注文するという割烹スタイル。メニューには値段の表示がないが、それなりにリーズナブルな価格のようだ。大将の父親が魚の卸しをやっているということで、この店は魚を売りにしている割烹店のようだ。アルコールに関してはそれほど種類が多くはないが、日本酒は「南部美人」、「寫楽」、「十四代」、「松の司」、「田酒」などがあり、日本酒のセレクトは優れている。
 この日の突き出しは「丹波の枝豆」で、甘みと香りがあった。「お造りの盛り合わせ」は素材を選べるようだったので、僕の好きな真鯛とサワラ、カツオの3つをチョイス。どれも悪くなかったが、極上の素材と言うほどではなかった。「穴子の白焼き」は表面がカリッと焼かれ、身もジューシーで臭みもなくお勧め。「和牛タン塩焼き」は、素材自体は脂がのっていて素晴らしいが、熟成していないのか深みに欠け、塩味も足りないためにボヤけた味となっていた。「松茸の土瓶蒸し」は、国産でないのか?香りに欠け、出汁の引き方も薄めだ。「あじフライ」は、素材が素晴らしく火の通し方も良かったが、サクッとしていないパン粉だけは好みではなかった。ウズラの黄身が入った「からすみご飯」は、まさに想像通りの美味しさ。
 料理は大将一人で調理しているが、料理はテンポ良く出されていい。しかし、料理はシンプルかつストレート過ぎるような気がするので、もう少し料理に深みが出るような工夫が欲しい。それにしても、深夜まで営業している店としてはレベルが高く、ホスピタリティーのあるサービスも含めて魅力的である。(2019年10月追加)

東山区祇園町北側347-118 楽宴小路内  
電話番号:075-551-7271
定休日:日曜・祝日
営業時間:18時〜翌2時
予算:10000円〜15000円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通りを鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座の前を過ぎ、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)がある交差点を左折し、花見小路通りを進む。一つ目の信号を右折すると右側に見える(天ぷら「京星(→ 京都グルメバイブル・天ぷらの頁を参照)」の前)。阪急河原町駅より徒歩7分
最寄りのランドマーク:花見小路通り、お茶屋一力亭
お勧めポイント:夜遅くまで営業している隠れ家的な割烹料理店

祇園花見小路から少し入った小路の・・・ さらにこの先の楽宴小路内にあります 杉玉のあるココです! 入口を入って左奥にあるカウンター席 メニュー1(値段表示はない)メニュー2(値段表示はない) この日の突き出しは「丹波の枝豆」で、甘みと香りがあったお造りの盛り合わせ」は素材を選べるようだったので、僕の好きな真鯛とサワラ、カツオの3つをチョイス。どれも悪くなかったが、極上の素材と言うほどではなかった 「穴子の白焼き」 表面がカリッと焼かれ、身もジューシーで臭みもなくお勧めだ 「和牛タン塩焼き」は、素材自体は脂がのっていて素晴らしいが、熟成していないのか深みに欠け、塩味も足りないためにボヤけた味となっていた 「松茸の土瓶蒸し」国産でないのか?香りに欠け、出汁の引き方も薄めだ 国産でないのか?香りに欠け、出汁の引き方も薄めだ「あじフライ」 素材が素晴らしく火の通し方も良かったが、サクッとしていないパン粉だけは好みではなかった 「からすみご飯」ウズラの黄身が入っており、まさに想像通りの美味しさ。

割烹 まつおか

 永田眼科の黒田院長から教えてもらった日本料理店。食べログの点数こそ高くはないものの、地元客を中心とした人気店である。中に入ると、入口から想像していたよりも奥が広く、右側にカウンター席があり、奥に座敷がある。常連客はアラカルトで好みのものを注文していたが、僕は初めてなのでコースで注文。酒はそれなりにあるようだが、プレミアム的なものはない。良かったのは、3つある純米大吟醸のうち、青森の「田酒」と京都の「鳳麟」の純米大吟醸。
 先付けは、「ホタテのウニ焼き、大徳寺麩の白和え、枝豆、イクラの醤油漬け、生湯葉の盛り合わせ」。味がしっかと付いた大徳寺麩の白和えとイクラが美味しかった。お造りは「クエ、カンパチ、マグロ」で、クエはポン酢でいただく。お椀は「鱧と松茸」で、分厚い大ぶりの鱧が素晴らしかった。出汁の引き方は決して濃くはなかったが、その分、鱧の旨味が半端なく美味しく感じられた。炊き合わせは、夏らしく「冷たい炊き合わせ」。それぞれの素材に味が染みていて、柚子の香りも含めて最高の炊き合わせだった。「鮎の塩焼き」は小振りで食べやすく、蓼酢も酸味が柔らかくて美味しい。蒸し物は「蓮根饅頭の蟹餡かけ」で、ネットリと香ばしく揚げられた蓮根と生姜の香りが絶妙にマッチしていた。酢の物は「ツブ貝とトリ貝の酢味噌」で、ご飯は、「鯖寿司と鱧寿司の盛り合わせ」と赤出汁。棒寿司はどちらも美味しいが、脂がのっていて塩味が効いた鯖寿司の方が僕好みだ。そして水菓子へと続き、終了となった。
 それにしても、板前さんのホスピタリティのあるサービスが素晴らしく、比較的遅くまでやっていることも含めて、近くにあったら、ぜひ常連客になりたい店である。(2019年10月追加)

東山区松原通大和大路西入ル弓矢町25  
電話番号:075-531-0233
定休日:水曜
営業時間:17時~22時半
予算:おまかせコース12000円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。鴨川を渡り、「京都四條南座」の信号を右折して川端通りを進む。「焼肉の名門・天壇」を過ぎ、2つ目の橋がある交差点(松原通り)を左折して進むと、右側にある。阪急河原町駅より徒歩10分
最寄りのランドマーク:京都四條南座、川端通り、松原通り
お勧めポイント:地元客に人気の日本料理店

川端通りを左折し、松原通りの・・・ ココです! 中に入ると、入口から想像していたよりも奥が広く、右側にカウンター席があり、奥に座敷がある メニュー1。常連客はアラカルトで好みのものを注文していたが、僕は初めてなのでコースで注文 メニュー2 メニュー3 メニュー4 先付けは、「ホタテのウニ焼き、大徳寺麩の白和え、枝豆、イクラの醤油漬け、生湯葉の盛り合わせ」。味がしっかと付いた大徳寺麩の白和えとイクラが美味しかった お造りの「クエ」 クエはポン酢でいただく お造りの「カンパチとマグロ」 お椀は「鱧と松茸」は、分厚い大ぶりの鱧が素晴らしかった。出汁の引き方は決して濃くはなかったが、その分、鱧の旨味が半端なく美味しく感じられた 炊き合わせは、夏らしく「冷たい炊き合わせ」。それぞれの素材に味が染みていて、柚子の香りも含めて最高の炊き合わせだった 「鮎の塩焼き」は小振りで食べやすく、蓼酢も酸味が柔らかくて美味しい 蒸し物は「蓮根饅頭の蟹餡かけ」で、ネットリと香ばしく揚げられた蓮根と生姜の香りが絶妙にマッチしていた 酢の物は「ツブ貝とトリ貝の酢味噌」 ご飯は、「鯖寿司と鱧寿司の盛り合わせ」と赤出汁。棒寿司はどちらも美味しいが、脂がのっていて塩味が効いた鯖寿司の方が僕好みだ水菓子はシャインマスカットとピオーネ、梨

山地陽介

 祇園花見小路から少し入った小路にある人気のフレンチ店。町家をリノベーションしたという店内は、奥にライトアップされた坪庭が見え、入口側には小さな個室がある。さらに、右側にオープンキッチンのカウンター席があり、左側にはテーブル席が2つある。ドリンクメニューを見ると、グラスワインは有名造り手のものはないが、シャンパンが1種、白が5種、赤が4種、ロゼが1種、デザートワインが2種と、種類が多く充実している。ペアリングワインは10000円、15000円、20000円と高めの設定だ。今回はディナーの真ん中のコースを予約し、18時からの一斉スタート。先ずは、「7FRANCE」とプリントされたエプロンを着た店主が挨拶。シェフは僕が思っていたよりも若い印象。
 料理は「レアな車海老と梨のスリ流し・生姜風味」からのスタートであったが、これは微妙な美味しさ。続く「2種のウニと人参のピューレ・オマール海老の出汁」は海の旨味満載で、これは美味い!と思うような逸品。次の料理の説明は受けなかったが、隣の席の説明によると、「白甘鯛のフォアグラ入りサバイヨンソース」らしい。酸味のあるマヨネーズのようなソースで、味が複雑で調和がなくこちらも微妙。白甘鯛は皮が揚げられおり、身の火の通し方は良かった。また、グリーンアスパラには生ハムが巻かれてローストされている。パンはフォカッチャのように柔らか。「伝助穴子の炭火焼・ビーツのリゾット」は、関西風の鰻の蒲焼のようにカリッとしていて、蒲焼きのタレの様なソースも香ばしさを感じる。ビーツのリゾットともよく合い、ゴールドラッシュのかき揚げも美味しい。「じっくりとローストした淡路島の新玉葱」の玉葱の蓋を開けると、くり抜かれた中には、牛頰肉の煮込みとフォアグラ、サマートリュフが入っていた。口直しの「柚子のソルベ」には、原了郭の柚子辛が振られている。手渡しされた「鮎の唐揚げ」の尻尾にはキャビアがのっており、先ずはキャビアの部分をそのまま食べ、頭から腹の部分はパプリカとトマトソースを付けて食べる。「淡路島の鱧・神戸牛のコンソメと京野菜」は、想像通りの美味しい味。「熟成された神戸牛のロースト」は、焼肉のタレの様にほんのりと甘い。サマートリュフと京都産の静むらさきが添えられていた。そして、「フランス産チーズの盛り合わせ」の後、デザートの「フランス産チョコのガナッシュと奄美大島のパッションフルーツ」が出てきたが、これはとろけるように美味しかった。さらに、「完熟マンゴーとマンゴーピューレ・ホワイトチョコ、ココナッツミルク」、飲み物(カプチーノ)で終了となった。
 幾つかの皿は、京都を意識し、斬新さを求めるシェフの意図が空回りしていたが、基本となる火の通し方と塩味は安定していた。しかしながら、決してディナーのコスパは良くないので、もしも初めて訪れるのなら、まずはランチを体験してみてからの方が良いかも。(2019年10月追加)
http://www.yosukeyamaji.com

東山区祇園町南側570-151  
電話番号:075-561-8001
定休日:月曜(不定で月3回2連休あり)
営業時間:12時、18時もしくは19時の入店
予算:【ランチ】10000円、15000円、【ディナー】15000円、20000円、30000円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座の前を過ぎて進むと、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)が見えるので、その交差点を右折する。花見小路通りを進み、2つ目の交差点を左折する。そして、2つ目の交差点を右折すると右側にある。阪急河原町駅より徒歩7分
最寄りのランドマーク:祇園花見小路通り、お茶屋一力亭
お勧めポイント:斬新な発想のモダン京フレンチ

祇園花見小路から少し入った小路の・・・ ココです! オープンキッチンのカウンター席 本日のコースの食材 料理は「レアな車海老と梨のスリ流し・生姜風味」からのスタート これは微妙な美味しさ 続く「2種のウニと人参のピューレ・オマール海老の出汁」は海の旨味満載で、これは美味い!と思うような逸品 パンはフォカッチャのように柔らかい「白甘鯛のフォアグラ入りサバイヨンソース」らしい。酸味のあるマヨネーズのようなソースで、味が複雑で調和がなくこちらも微妙。白甘鯛は皮が揚げられおり、身の火の通し方は良かった。また、グリーンアスパラには生ハムが巻かれてローストされている 「伝助穴子の炭火焼・ビーツのリゾット」 関西風の鰻の蒲焼のようにカリッとしていて、蒲焼きのタレの様なソースも香ばしさを感じる。ビーツのリゾットともよく合い、ゴールドラッシュのかき揚げも美味しい 「じっくりとローストした淡路島の新玉葱」
玉葱の蓋を開けると・・・
くり抜かれた中には、牛頰肉の煮込みとフォアグラ、サマートリュフが入っていた
口直しの「柚子のソルベ」には、原了郭の柚子辛が振られている パプリカとトマトソース 手渡しされた「鮎の唐揚げ」の尻尾にはキャビアがのっており、先ずはキャビアの部分をそのまま食べ 頭から腹の部分はパプリカとトマトソースを付けて食べる 「淡路島の鱧・神戸牛のコンソメと京野菜」。コンソメを注いでくれているところ 想像通りの美味しい味 「熟成された神戸牛のロースト」焼肉のタレの様にほんのりと甘い。サマートリュフと京都産の静むらさきが添えられていた 「フランス産チーズの盛り合わせ」 デザートの「フランス産チョコのガナッシュと奄美大島のパッションフルーツ」が出てきたが、これはとろけるように美味しかった完熟マンゴーとマンゴーピューレ・ホワイトチョコ、ココナッツミルク」 カプチーノ小菓子

クープ・ド・シャンパーニュCoupe de Champagne

 祇園花見小路の北側にある京都唯一のシャンパン専門のワインバー。実はこの店、祇園花見小路の南側にあるイタリアン「リストランテ ティ ヴォリオ ベーネ (Ristorante t.v.b)」の系列店なのである。「リストランテ ティ ヴォリオ ベーネ」の方は、残念ながらグルメバイブルに掲載されるには至らなかったが、こちらの方はなかなか良かった。
 古いビルのニューアルされたエレベーターで4階まで上がり、店のドアを開けると、中はカウンター席のみのシックで落ち着いた空間。BGMにジャズヴォーカルが静かに流れている。女性ソムリエールによると、この店は今年で7年目を迎えたという。
 まずは、この店の名物チャームであるフレッシュフルーツが出てきた(この日はナガノパープル)。同じぶどうのせいか、意外と辛口のシャンパンに合う。黒板に書かれたメニューを見ると、フード類は、「ラトビア産キャビア」、「チーズ」、「生ハム」、「フライドポテト」、「オーガニックポップコーン」、「ペンネのボロネーゼ」などといった簡単なつまみしかなかった。この日のグラスシャンパンは8種あり、1つだけが高価なプレステージシャンパン(4000円)というラインナップ。ラッキーなことに、この日のプレステージシャンパンは、未だ開けてないとのことだったので、提示された有名シャンパン6種の中から「アンリジローのマルチヴィンテージ」をチョイス。飲んでみると、意外にもアンリジロー特有の深みや重層感はなく、ドライな感じで少しガッカリ。しかし、他のグラスシャンパンはなかなか良く、女性ソムリエの接客も含めて、とても居心地の良い店であった。(2019年10月追加)
http://www.coupe-de-champagne.net

東山区祇園四条花見小路上ル西側 花見会館4階  
電話番号:075-561-6653
定休日:日曜
営業時間:19時〜翌2時
予算:グラスシャンパン1500円〜4000円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座の前を過ぎて進むと、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)が見えるので、その交差点を左折し花見小路通りを進むと、最初の左角のビル。阪急河原町駅より徒歩6分
最寄りのランドマーク:花見小路通り、お茶屋一力亭
お勧めポイント:京都唯一のシャンパン専門のワインバー

祇園花見小路沿いのこのビル 花見会館の・・・ 4階です ココです! 店のドアを開けると、中はカウンター席のみのシックで落ち着いた空間。BGMにはジャズヴォーカルの曲が静かに流れている この日のグラスシャンパンは8種あり、1つだけが高価なプレステージシャンパン(4000円)というラインナップ ラッキーなことに、この日のプレステージシャンパンは、未だ開けてないとのことだったので、提示された有名シャンパン6種の中から・・・ アンリジローのマルチヴィンテージ」をチョイス。飲んでみると、意外にもアンリジロー特有の深みや重層感はなく、ドライな感じで少しガッカリ しかし、他のグラスシャンパンはなかなか良かった

ぎをん福志

 祇園花見小路から少し入ったところにある小さな日本料理店。実はこの店、開店1年目を迎えたまだ新しい店なのである。青森県金木町出身の店主・福士さんは、「たん熊北店・本店」を経てこの店を開いた。開高 健を彷彿させる店主の料理は、今まさに旬を迎えつつある。
 店内に入ると、左に樹齢200年の檜のカウンター席が7席と、右に6名までのテーブル席が1つある。料理は大将一人で調理し、サービスは女将さん一人で担当しているが、とても淀みのない素晴らしいサービスである。コースは3コースで、今回は真ん中のコースを予約。
 先ずはおしるし(日本酒)をいただく。この日の料理は、「ワタリガニと焼きナスの酢のもの」からのスタート。ハマボウフウとウニが加わることで、料理に厚みが感じられる。続く「岩手産松茸とハモの土瓶蒸し」は、松茸だけでなく、脂ののったハモが抜群に旨い。最初のお造りは「明石の真鯛と九州のアカイカ」で、2つ目のお造りは「鰹のたたき」。皮目がカリカリに焼かれたスモーキーな鰹を、ニンニク醤油と辛子でいただく。そして、続く「鯖の棒鮨」には、バッテラのような白板昆布がのっていた。酢が優しく、脂ののった鯖がほんのり甘く感じられる。さらに、蒸さずに焼き上げたという関西風の「琵琶湖の天然鰻の蒲焼き」は、皮が香ばしく身は柔らかでジューシー。「スッポンの茶碗蒸し」は、スッポンの深遠なる旨味が何とも美味しい。最後の締めは、何と!「ほうじ茶の鯛茶漬け」。これはよくある胡麻醤油漬けの真鯛の刺身ではなく、真鯛の刺身の下には、ネットリとした胡麻醤油ペーストが敷かれ、香ばしいあられがアクセントになっている。水菓子は「洋梨と栗のカスタード」。そして、最後の「鍵善良房」の上生菓子をいただき、薄茶で終了となった。
 それにしても、どの料理も店主のセンスを感じさせる洗練された京料理であった。(2019年10月追加)
http://gion-fukushi.jp

東山区祇園町南側570-120  
電話番号:075-354-5314
定休日:日曜、第2・第4月曜(月1回の不定休あり)
営業時間:12時、17時半〜19時半
予算:【昼】15000円、【夜】15000円、20000円、30000円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座の前を過ぎて進むと、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)が見えるので、その角を右折。花見小路を進み、右側の3つ目の交差点を右折すると次の左角にある。阪急河原町駅より徒歩6分
最寄りのランドマーク:祇園花見小路、お茶屋一力亭、
お勧めポイント:店主のセンスを感じさせる洗練された京料理店

祇園花見小路から少し入ったところにある ココです! 店内に入ると、左に樹齢200年の檜のカウンター席が7席と・・・ 右に6名までのテーブル席が1つある 先ずはおしるし(日本酒)をいただく この日の料理は、「ワタリガニと焼きナスの酢のもの」からのスタート。ハマボウフウとウニが加わることで、料理に厚みが感じられる 「岩手産松茸とハモの土瓶蒸し」は、松茸だけでなく、脂ののったハモが抜群に旨い 最初のお造りは「明石の真鯛と九州のアカイカ」 2つ目のお造りは「鰹のたたき」。皮目がカリカリに焼かれたスモーキーな鰹を、ニンニク醤油と辛子でいただく 「鯖の棒鮨」には、バッテラのような白板昆布がのっていた。酢が優しく、脂ののった鯖がほんのり甘く感じられる 蒸さずに焼き上げたという関西風の「琵琶湖の天然鰻の蒲焼き」は、皮が香ばしく身は柔らかでジューシー「スッポンの茶碗蒸し」は、スッポンの深遠なる旨味が何とも美味しい 炊きたての土鍋ご飯 見事な銀シャリ これを「ほうじ茶の鯛茶漬け」でいただく これはよくある胡麻醤油漬けの真鯛の刺身ではなく、真鯛の刺身の下には、ネットリとした胡麻醤油ペーストが敷かれ、香ばしいあられがアクセントになっている 水菓子は「洋梨と栗のカスタード」最後の「鍵善良房」の上生菓子 薄茶で終了となった

祇園 にし

 八坂神社近くにある人気の日本料理店。ビルの1階にある店内は、日本料理店としてはやや箱が小さめ。入口側にテーブル席があり、奥にカウンター席があるが、入口側のテーブル席は配置的に落ち着かないので、僕のお勧めは奥のカウンター席。
 この店の特筆すべき点は。とにかくお酒の品揃えが凄いことである。シャンパンは、1997年のサロンから2008年と2009年のクリスタルの他、ジャックセロス、アンリジローなどといったビックネームが揃っており、価格帯は9000円〜150000円である。白ワインは、コントラフォンのムルソー、エティシエンヌ・ソゼのピュリニー・モンラッシュ1er ペリエール、キスラーのシャルドネ、ドメーヌ セリーヌのシャルドネなどがあり、価格帯は6000円〜56000円。赤は、シャトー・ラフィット・ロートシルト、フィリップ・バカレ、ロベール・シュヴィヨン、シャトー・ムートン・ロートシルト、オーパス・ワン、スタッグリーブ、ロバート・モンタヴィなどがあり、価格帯は6500円〜130000円。日本酒は、而今、十四代、飛露喜、洗心、醸し九平次などで、全て半合からグラスでいただける。さらに焼酎は、魔王、森伊蔵、村尾、佐藤、中々など。これは、あくまでも店主の酒好きが高じて集められたものであり、ソムリエなどのサービス担当はいない。
 まず出てきたのは「長芋ソーメン」。シンプルながら出汁に深みがあり、夏らしくサッパリとしている。お椀は「牡丹ハモと蓮根饅頭の白味噌仕立て」。暑い季節に白味噌とは珍しいが、意外にサッパリとしていて良かった。最初のお造りは「岩手県の白トリ貝(石影貝)と本マグロのトロ」で、二品目のお造りは「ケンサキイカと甘海老のウニ和え」。八寸は「胡麻豆腐と蒸し鮑」、「オマール海老と桃」、「イチジク」、「白髪ソーメンとスーパートマト・毛ガニ・白芋茎の土佐酢ジュレ」、「トウモロコシのムース」。お凌ぎは「ノドグロご飯」で、焼きたてのノドグロから染み出た脂とキャビアの塩味が相まって最高だった。「グジと松茸の揚げ出し」は、カリッと揚げられたグジが最高に美味しかった。トロッと揚げられた「賀茂茄子と小振りの焼き鮎の海老あんかけ」は絶妙。炊き込みご飯の具材は、「鰻」か「近江牛ミスジとトウモロコシ」の2つであったが、「近江牛ミスジとトウモロコシの炊き込みご飯」をチョイス。いわゆる牛肉のバター醤油味ご飯で、非常に美味しいがそれほどたくさんは食べられない。「赤出汁」はナメコとアサリで、山椒が効いていた。また、香の物には珍しく「自家製ウリと明太子」が付いてきたが、これはなかなか美味しかった。デザートの「宮崎マンゴーのムース・ソーテルヌジェル」 は、トロトロで美味しく、パティシエがつくるレベルであった。そして、最後はコーヒーと抹茶のマカロンで終了となった。
 もちろん、料理も美味しかったが、グラスワインや日本酒のセレクトも良く、お酒好きにとっては満足度が高い店だ。(2019年9月追加)

東山区月見町21-2 
電話番号:075-532-4124
定休日:月曜(火曜は夜のみ)
営業時間:【昼】12時~12時半、【夜】18時~19時半(前日までの予約が必要)
予算:【昼】5000円、10000円、(夜の15000円も可能)【夜】12000円、15000円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座を過ぎ、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)過ぎて進むと正面に八坂神社が見えるので、東大路通りの信号を八坂神社側へ渡る。東大路通り右側へ進み、2つ目の信号(東山安井交差点)を左折すると、すぐ左側にある。阪急河原町駅より徒歩12分
最寄りのランドマーク:八坂神社、東大路通り、東山安井交差点
お勧めポイント:ワインや日本酒などのお酒が充実している日本料理店

八坂神社の近くの坂を上ると、左に派手な飲食店の看板が見えるが、地味な方の・・・ココです!入口側にテーブル席があり、奥にカウンター席があるが、入口側のテーブル席は配置的に落ち着かないので、僕のお勧めはこのカウンター席 英勲の純米大吟醸をいただいたら ワイングラスで出てきた まず出てきたのは「長芋ソーメン」 シンプルながら出汁に深みがあり、夏らしくサッパリとしている お椀は「牡丹ハモと蓮根饅頭の白味噌仕立て」。暑い季節に白味噌とは珍しいが、意外にサッパリとしていて良かった 最初のお造りは「岩手県の白トリ貝(石影貝)と本マグロのトロ」 二品目のお造りは「ケンサキイカと甘海老のウニ和え」見た目は美しかったが、ウニとイカの組み合わせの相乗効果はなかった 八寸は「胡麻豆腐と蒸し鮑」、「オマール海老と桃」、「イチジク」、「白髪ソーメンとスーパートマト・毛ガニ・白芋茎の土佐酢ジュレ」、「トウモロコシのムース」 お凌ぎは「ノドグロご飯」で、焼きたてのノドグロから染み出た脂とキャビアの塩味が相まって最高だった「グジと松茸の揚げ出し」は、カリッと揚げられたグジが最高に美味しかった トロッと揚げられた「賀茂茄子と小振りの焼き鮎の海老あんかけ」は絶妙 炊き込みご飯の具材は、「鰻」か「近江牛ミスジとトウモロコシ」の2つであったが、「近江牛ミスジとトウモロコシの炊き込みご飯」をチョイス セットが完成。香の物には珍しく「自家製ウリと明太子」が付いてきたが、これはなかなか美味しかった いわゆる牛肉のバター醤油味ご飯で、非常に美味しいがそれほどたくさんは食べられない 「赤出汁」はナメコとアサリで、山椒が効いていた デザートの「宮崎マンゴーのムース・ソーテルヌジェル」 は、トロトロで美味しく、パティシエがつくるレベルであった最後はコーヒーと「抹茶のマカロン」で終了となった

まとの

 高台寺近くにある小さな日本料予約したので個室に通されたが、カウンター席もあるようだ。個室は冷え冷えとしており、冬期の利用はお勧めできない。しかし、個室から見渡す雪の降る坪庭は美しかった。
 ドリンクメニューを見ると、日本酒も焼酎も種類がそれほど多くないが、日本酒のセレクトは良く、価格も適正であった。
 先付は「数の子と海老」で、サッパリとしていい。お凌ぎは「穴子の蒸し寿司」。蒸し寿司自体はもちろん美味しかったが、添えられた自家製のカラスミや黄身饅頭などが良かった。お椀は「蛤と松葉ガニの真丈」。塩加減がピッタリで、出汁の引き具合も良かった。お造りは「ヒラメの昆布締め、寒ブリ、サワラの焼き霜」。中でも、サワラが最高に美味しかった。「野菜の煮物」は、クワイ、京人参などで、こちらはまあまあの味。揚げ物の「イカ、蓮根、海老の頭、穴子とフキノトウの天ぷら」、そして酢のものの「トラフグの煮こごりとナマコ酢」と続き、最後は「鯛の土鍋ご飯」で終了。この土鍋ご飯だけはパラついていてイマイチだった。水菓子は「2種類のシャーベットとメロン、ミカンのゼリー」で、美味しかった。
 古い家屋を利用した店なので、雰囲気が実に京都らしく、コスパも良かった。(2019年9月追加)

東山区高台寺北門前通下河原東入ル鷲尾町501  
電話番号:075-531-0202
定休日:不定休
営業時間:12時~13時、18時~19時
予算:【昼】4500円、9000円、【夜】13000円
アクセス:阪急河原町駅の出入口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座を過ぎ、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)過ぎて進むと正面に八坂神社が見えるので、八坂神社側へ信号を渡る。更に右に進み、「ホテル サンライン」がある最初の角を左折する。八坂神社・南楼門前のT字路を右折して進み、「浜作本店」の手前の角を左折すると右側にある。阪急河原町駅より徒歩13分
最寄りのランドマーク:八坂神社・南楼門、浜作本店
お勧めポイント:コスパの良い日本料理店

高台寺近くにある小さな日本料理店 ココです! 門を抜けて小路のような通路を進むと、入口が見える この日は4名で予約したので個室に通されたが、カウンター席もあるようだ ドリンクメニューを見ると、日本酒も焼酎も種類がそれほど多くないが、日本酒のセレクトは良く、価格も適正 先付は「数の子と海老」で、サッパリとしてよかった お凌ぎは「穴子の蒸し寿司」 蒸し寿司自体はもちろん美味しかったが、添えられた自家製のカラスミや黄身饅頭などが良かった お椀は「蛤と松葉ガニの真丈」 塩加減がピッタリで、出汁の引き具合も良かった お造りは「ヒラメの昆布締め、寒ブリ、サワラの焼き霜」 中でも、サワラが最高に美味しかった 「野菜の煮物」は、クワイ、京人参などで、こちらはまあまあの味 揚げ物の「イカ、蓮根、海老の頭、穴子とフキノトウの天ぷら」 酢のものの「トラフグの煮こごりとナマコ酢」 最後は「鯛の土鍋ご飯」この土鍋ご飯だけは、パラついていてイマイチだった

佳肴岡もと(かこうおかもと)

 東山五条「妙法院」の近くにある日本料理店。日本料理店とは言っても、通常の日本料理店ではない。店主がセレクトした選りすぐりの日本酒60種類と共に、おまかせコースを楽しむ酒飲みのための日本料理店なのである。もちろん、お酒は別料金だが、徳利でも、グラスでも、お猪口でも、お好みの量を料理に合わせて飲むことができる。
 店内は、L字型のカウンター席が8席のみの割烹スタイル。店主の岡本さんはまだ若いが、日本酒にかなり精通しており、僕の知らない銘柄も多数みられた。食材は主に明石から直送される魚や契約農家からの野菜などで、それを調理する店主の鮮やかな仕事ぶりを、カウンター越しに眺めることができる。
 まず出てきたのは、「焼き千両茄子のピューレ」。冷たい一皿だが、サラッとしたピューレ状の焼き茄子が、実に夏らしい。続く「千葉産・黒アワビの煮アワビ」は、深みのある肝ソースとソーメンカボチャのシャキシャキとした食感が最高だった。お椀は「キスの葛うちとおかひじき」で、濃厚な出汁に包まれたキスの質が素晴らしく、本枯れ節の香りも良かった。お造りは「スズキの昆布締め」。タマネギ醤油と針ミョウガ、針カボチャと共にいただくと、ネットリ、サッパリとした味わい。さらに、八寸が長皿に一品ずつ出てきた。最初は「イワシの辛煮」。酸味のあるイワシが、まぶされた鰹節の粉の旨味と一体化した美味しさ。温かい「鱧の南蛮漬け」も、ほんのりと酸味を感じる素晴らしいアテ。「ササゲとクラゲの胡麻和え」は、単純な胡麻和えではなく、醤油が加わることで味の輪郭がクッキリとしていた。「鱧の子の卵とじと茶豆」は、柚子が香るシンプルな塩味で、これはまあまあの出来。「ハマグリの酒蒸し」は、その時に飲んでいた日本酒を使って酒蒸しにしてくれた。明石海苔の佃煮とキュウリのピューレに紫蘇の花がかかっており、一見複雑そうな味のようだが、実に調和がとれていて良かった。「冬瓜の煮物」は、鮎出汁による鮎餡がけ。ガラス細工のようにとても繊細な出汁であった。「鯖の棒寿司2種」は、思ったほど脂がのってなく、酢飯も今一つの出来。「鹿児島産地鶏の清湯スープと米粉麺」には、気仙沼産フカヒレが入っていたが、乾物の旨味による重層感はなかった。デザートの一品目の「ピオーネとデラウェア」は、白ワインが深みを与えていた。二品目の「煎った玄米粉の蒸し饅頭」は、丹波大納言小豆の香りは良かったが、皮はシットリしていない。
 それにしても、店主は日本酒に造詣が深いだけでなく、料理の塩味もピッタリでセンス抜群。さらに、酒飲みの心をつかむテクニックを持ち合わせているようだ。カウンター席で日本酒を飲める日本料理店としては、「祇園楽味(→ 京都グルメバイブル・日本料理の頁を参照)」とともにお勧めである。また、店主も女将もとてもホスピタリティーがあり、一人で訪れる店としてもお勧めできる。(2019年9月追加)

東山区常盤町470-4  
電話番号:075-551-1055
定休日:月曜、最終週の日曜
営業時間:17時半〜22時
予算:飲み物込みで17000円
アクセス:京阪本線・五条駅出入口1を出て、五条通りを東側(鴨川と反対方向)へ向かう。「東山郵便局」、歩道橋、「金光院」を過ぎて「東山五条交差点」を右折し、1つ目の信号「馬町交差点」を左折すると右側にある。五条駅より徒歩15分
最寄りのランドマーク:東山郵便局、東山五条交差点、馬町交差点
お勧めポイント:日本酒ラヴァーのための日本料理店

東山五条「妙法院」の近くの・・・ ココです! 店内はL字型のカウンター席が8席のみの割烹スタイル まず出てきたのは、「焼き千両茄子のピューレ」。冷たい一皿だが、サラッとしたピューレ状の焼き茄子が、実に夏らしい 日本料理店とは言っても、通常の日本料理店ではない。店主がセレクトした選りすぐりの日本酒60種類と共に、おまかせコースを楽しむ酒飲みのための日本料理店なのである。料理に合わせた最初のお勧め日本酒 「千葉産・黒アワビの煮アワビ」 深みのある肝ソースとソーメンカボチャのシャキシャキとした食感が最高だった 続くお勧めの日本酒はこちら お造りは「スズキの昆布締め」 タマネギ醤油と針ミョウガ、針カボチャと共にいただくと、ネットリ、サッパリとした味わい さらに、八寸が長皿に一品ずつ出てきた 最初は「イワシの辛煮」。酸味のあるイワシが、まぶされた鰹節の粉の旨味と一体化した美味しさ 温かい「鱧の南蛮漬け」も、ほんのりと酸味を感じる素晴らしいアテ 更にお勧めの日本酒はこちら 「ササゲとクラゲの胡麻和え」は、単純な胡麻和えではなく、醤油が加わることで味の輪郭がクッキリとしていた 「鱧の子の卵とじと茶豆」は、柚子が香るシンプルな塩味で、これはまあまあの出来 「ハマグリの酒蒸し」 その時に飲んでいた日本酒「赤い糸」を使って酒蒸しにしてくれた。一瞬にして水蒸気が・・・ 明石海苔の佃煮とキュウリのピューレに紫蘇の花がかかっており、一見複雑そうな味のようだが、実に調和がとれていて良かった 再びお勧めの日本酒が登場 「冬瓜の煮物」は、鮎出汁による鮎餡がけ。ガラス細工のようにとても繊細な出汁であった 「鯖の棒寿司2種」は、思ったほど脂がのってなく、酢飯も今一つの出来 「鹿児島産地鶏の清湯スープと米粉麺」には、気仙沼産フカヒレが入っていたが、乾物の旨味による重層感はなかった デザートの一品目の「ピオーネとデラウェア」は、白ワインが深みを与えていた二品目の「煎った玄米粉の蒸し饅頭」は、丹波大納言小豆の香りは良かったが、皮はシットリしていない

朝食 喜心(きしん)

 祇園の小さなホテルの1階にある完全予約制の朝食専門店。ホテルの1階にあるとは言っても、ホテルとは全く関係のない店である。実はこの店、「日本の朝食」という食の体験を提案する新しいコンセプトの料理店。つまり、食事を提供するだけという従来の店とは異なり、作っているところを見せたり、土鍋ご飯の変化を楽しませてくれたりといった、体験型の食事を提供してくれる店なのだ。現在は京都と鎌倉に2店舗あり、各店舗とも時間枠ごとの完全予約制となっているので、フラリと訪れても食べることはできない。
 店内に入ると、左側にカウンター席があり、右側にテーブル席が1つある。カウンター内では、若い女性料理人が調理を担当し、もう一人の若い女性がサービスを担当するという2名体制である。客の人数に合わせて土鍋ご飯を炊き上げるため、前述のように時間枠による完全予約制となっている。
 先ずは冷たい京番茶が出て、朝食のコース内容の説明をしてくれる。コースは、向付の「汲み上げ湯葉」と一汁一菜形式のシンプルなもので、京名物の出汁巻き玉子などといった手の込んだものはない。この日の汁は、夏季限定の「夏野菜と鯖の冷汁」の他、「京白味噌の豚汁」と「季節野菜の汁物」の3つあり、この中から選ぶ。あとは有料オプションの中から選ぶというスタイル。オプションには、「山田農園の卵」、「揚げジャガイモ」、「ちりめん山椒」、「古都の無添加ソーセージ」、「焼き海苔」、「オリーブ昆布」などいろいろあるが、今回は、汁を「京白味噌の豚汁」、オプションには、「山田農園の卵」と「ちりめん山椒」を選んだ。
 向付の「汲み上げ湯葉」は、京都「ゆば工房 半升」のものらしい。大粒の結晶塩とワサビ、オリーブオイルでいただくと、クリーミーかつ濃厚な湯葉の味に加え、甘味が感じられて美味しい。続いて、ご飯を盛るお椀を選ぶ。全国の作家ものの茶碗らしいが、僕が選んだのは奈良県の作家のもの。そして、炊き上がったご飯を見せてくれる。ここからは、炊いた白米の変化も味わってもらいたいという趣旨らしい。まずは、一口量のご飯を、何も加えずそのままでいただく。水分がかなり残っているのでツヤツヤで、ほんのりと米の食感が残っていて甘味を感じる。続いて、香の物と2回目のご飯が少量出てきた。先程より水分が落ち着いてきたのがハッキリと分かる。3回目になるといつもの銀舎利の水分と柔らかい食感に近くなった。最期のおこげは、まさに黄金色をした見事なもの。岩塩が振られているので、そのままいただく。カリカリと香ばしく、まさにかき餅の原形である。豚汁は京都らしく白味噌仕立てで、ミョウガや揚げた賀茂茄子、豚肉、揚げた刻んだナスの皮、和がらしなどが入っている。ほんのり甘い白味噌は、いつもの豚汁とは全く異なる京都らしいテイスト。ウルメイワシはお腹の方が苦いので、尻尾の方からいただく。「山田農園の卵」は、生卵の黄身だけがご飯にのせられて出てきた。醤油をかけて食べるとまさに濃厚で、残った黄身に「ちりめん山椒」を入れて食べると更に美味しかった。
 それにしても、ショーの要素を取り入れたこのような体験型の日本食は、外国人だけでなく、インスタ映えを意識する日本人女性にも間違いなく受けるであろう。シンプルな朝食なので、料理の基本を習得したくらいの若い料理人にもオペレーションを任せることができ、しかも、仕込みがほとんどいらない料理なので、17時に終了できるという働き方改革にも合致している。食べた後に歩きながら、よくぞ、このようなニッチな専門店を考え出したなあと感心しきり。ちなみに、予約は電話だけでなく、ネットからウェブ予約もできる。(2019年9月追加)
https://www.kishin.world

東山区小松町555 花とうろホテル祇園1階  
電話番号:075-525-8500
定休日:木曜
営業時間:【第一枠】7時半〜8時50分、【第二枠】9時から10時20分、【第三枠】10時半〜11時50分、【第四枠】12時〜13時20分、【第五枠】13時半〜14時50分
予算:喜心の朝食2500円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座の前を過ぎて進むと、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)が見えるので、その角を右折。花見小路を進み、右側の2つ目の交差点を右折すると常光院が見えるので、その前のホテル。阪急河原町駅より徒歩6分
最寄りのランドマーク:祇園花見小路、お茶屋一力亭、常光院
お勧めポイント:ショーの要素を取り入れた体験型の日本食が味わえる

小さなホテル「花とうろホテル祇園」の1階にありますが、ホテルの施設ではありません。完全予約制の朝食専門店です 開店の7時半までは、鍵が閉まっています カウンター席の周りにはテーブル席がある。カウンター内では、若い女性料理人が調理を担当し、もう一人の若い女性がサービスを担当するという2名体制 テーブル席 先ずは冷たい京番茶が出て、朝食のコース内容の説明をしてくれる。コースは、向付の「汲み上げ湯葉」と一汁一菜形式のシンプルなもので、京名物の出汁巻き玉子などといった手の込んだものはない
この日の汁は、夏季限定の「夏野菜と鯖の冷汁」の他、「京白味噌の豚汁」と「季節野菜の汁物」の3つあり、この中から選ぶ
ご飯以外のおかわりは有料となる 追加のオプションには、「山田農園の卵」、「揚げジャガイモ」、「ちりめん山椒」、「古都の無添加ソーセージ」、「焼き海苔」、「オリーブ昆布」などいろいろある
向付の「汲み上げ湯葉」は、京都「ゆば工房 半升」のものらしい 大粒の結晶塩とワサビ、オリーブオイルでいただくと、クリーミーかつ濃厚な湯葉の味に加え、甘味が感じられて美味しい炊き上がったご飯を見せてくれる ここからは、炊いた白米の変化も味わってもらいたいという趣旨らしい。まずは、一口量のご飯を、何も加えずそのままでいただく 水分がかなり残っているのでツヤツヤで、ほんのりと米の食感が残っていて甘味を感じる 続いて、香の物と2回目のご飯が少量出てきた。先程より水分が落ち着いてきたのがハッキリと分かる 「京白味噌の豚汁」は、豚汁は京都らしく白味噌仕立てで、ミョウガや揚げた賀茂茄子、豚肉、揚げた刻んだナスの皮、和がらしなどが入っている。ほんのり甘い白味噌は、いつもの豚汁とは全く異なる京都らしいテイスト 3回目になるといつもの銀舎利の水分と柔らかい食感に近くなった ウルメイワシはお腹の方が苦いので、尻尾の方からいただく オプションの「ちりめん山椒」 こちらもオプションの「山田農園の卵」は、生卵の黄身だけがご飯にのせられて出てきた 醤油をかけて食べるとまさに濃厚 残った黄身に「ちりめん山椒」を入れて食べると更に美味しかった 最期のおこげは、まさに黄金色をした見事なもの岩塩が振られているので、そのままいただく。カリカリと香ばしく、まさにかき餅の原形である

マルシン飯店

 東大路通にある人気の中華料理店。中華料理店とは言っても、本格的なものではなく、いわゆる町中華の店である。油で薄汚れた看板と店の前の料理サンプルが何とも印象的で、まるで昭和にタイムスリップしたかのようだ。店の横には駐輪場と生餃子のテイクアウト専門店もある。
 今回は開店10分前に到着したが、店の前には既に行列ができていた。開店の11時となり、幸運にも1回転目に入店することができた。店内も外観と同様に昭和を感じさせる佇まい。テーブルが6つと狭いので、基本は相席である。
 まずは、餃子に合うよう開発されたというオリジナルクラフトビール「GYO-SEN」を注文。原料に八朔を入れているというが、特に柑橘系のフルーティーさが増しているというわけではなく、よくあるホップの香りのするドライタイプのドラフトビールだ。餃子に合うかと問われれば、もちろん、ビールなだけに間違いなく合う。
 名物の焼き餃子は、通常の「ギョーザ」と「熟成豚肉ギョーザ」の2つがある。「熟成豚肉ギョーザ」は、京都産の厳選された熟成豚肉を使用しているという。京都らしい小振りな餃子は、表面がカリッと焼かれ、野菜や肉の繊維をあまり感じない餃子だ。味的に大きな差はないものの、やはり熟成豚肉の方が肉のコクがあって美味しい。もう一つの名物「天津飯」は、餡掛けがたっぷりとかけられている。玉子は半熟トロトロで、餡も酸味がなくて美味しい。「京都 王将」の京風ダレの天津飯と共通する味ではあるが、玉子の柔らかさも含めて、こちらの方が完成度は高い。
 それにしても、午前11時から朝の6時までの通し営業なので、とても使い勝手がいい。また、隣にある「マルシン生餃子直売店」では、冷凍餃子を全国配送してくれるので、お土産としてもいいかも。この店オリジナルの餃子のタレ「餃子醤」も、1袋30円(20g)でお持ち帰りできる。(2019年8月追加)
https://marushinhanten.com

東山区東大路三条下ル南西海子町431-3
電話番号:075-561-4825
定休日:火曜
営業時間:11時~翌6時
予算:マルシン熟成豚肉ギョーザ380円、ギョーザ300円
アクセス:地下鉄東西線・東山駅エレベーター側の出口を出て左へ。「東山三条交差点」を左折して東大路通り(ひがしおおじどおり)を進むと、すぐ右側にある。東山駅から徒歩2分
最寄りのランドマーク:東山三条交差点、東大路通り
お勧めポイント:焼き餃子と天津飯が美味しい町中華

東大路通り(ひがしおおじどおり)沿いにあります 隣にある「マルシン生餃子直売店」 冷凍餃子を全国配送してくれるので、お土産としてもいいかも 今回は開店10分前に到着したが、店の前には既に行列ができていた 店の前には食品サンプルがあり、昭和の町中華の雰囲気 店内も外観と同様に昭和を感じさせる佇まい。テーブルが6つと狭いので、基本は相席 まずは、餃子に合うよう開発されたというオリジナルクラフトビール「GYO-SEN」を注文 メニュー1 メニュー2 原料に八朔を入れているというが、特に柑橘系のフルーティーさが増しているというわけではなく、よくあるホップの香りのするドライタイプのドラフトビールだ。餃子に合うかと問われれば、もちろん、ビールなだけに間違いなく合う 「熟成豚肉ギョーザ」は、京都産の厳選された熟成豚肉を使用しているという。京都らしい小振りな餃子は、表面がカリッと焼かれ、野菜や肉の繊維をあまり感じない餃子だ。味的に大きな差はないものの、やはり熟成豚肉の方が肉のコクがあって美味しい 通常の「ギョーザ」もう一つの名物「天津飯」は、餡掛けがたっぷりとかけられている。玉子は半熟トロトロで、餡も酸味がなくて美味しい。「京都 王将」の京風ダレの天津飯と共通する味ではあるが、玉子の柔らかさも含めて、こちらの方が完成度は高い

BAR TALISKER (タリスカー)

 祇園のビルの1階にあるオーセンティックバー。エレベーター横のドアを開けると、いきなりタバコ臭いが立ち込め、あまり換気は良くないよう。照明が暗めの店内には、L字型のカウンター席と奥にソファー席がある。メニューは出てこなかったが、一見して蒸留酒が充実しているように見える。
 いつものように、先ずは「ギムレット」を注文。とくに、ジンの銘柄は聞かれなかった。店主は銀座でやっていたということだが、シェイカーの振り方が独特で所作が美しくない。出てきたギムレットは、通常よりも量が少なめで、氷片は入っていない。和三盆を使っているそうだが、スッキリとまとまっていて美味しい。次に「マティーニ」を注文。大きめのグラスで出てきたマティーニは甘めだが、トロッとしてバランスが良かった。
 それしても、赤いまいかけをした店主はやたらと多弁で、フランクで話しやすいが、電話での対応だけは良くなかった。(2019年9月追加)

東山区祇園町南側570-88 祇園町南側ビル1階
電話番号:075-525-6205
定休日:月曜(月1回日曜定休)
営業時間:18時~翌1時(日曜・祝日は23時まで)
予算:スタンダードカクテル2杯で3900円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座の前を過ぎて進むと、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)が見えるので、その角を右折。祇園花見小路を100mほど進むと左側に「ぎおん徳屋」が見えるので、その角を左折する。突き当たりのT字路を右折すると左側にある。阪急河原町駅より徒歩7分 
最寄りのランドマーク:祇園花見小路、お茶屋一力亭 、ぎおん徳屋
お勧めポイント:祇園の人気オーセンティックバー

祇園花見小路から少し入った町家が並ぶエリア 飲食店ビルの 1階にあります1階のエレベーター奥にあります メニューは出てこなかったが、一見して蒸留酒が充実しているように見える 先ずは「ギムレット」を注文 とくに、ジンの銘柄は聞かれなかった。店主は銀座でやっていたということだが、シェイカーの振り方が独特で所作が美しくない。出てきたギムレットは、通常よりも量が少なめで、氷片は入っていない。和三盆を使っているそうだが、スッキリとまとまっていて美味しい次に「マティーニ」を注文大きめのグラスで出てきたマティーニは甘めだが、トロッとしてバランスが良かった。

南座

 400年の歴史を誇る日本最古の劇場「京都四條南座」。現在は「松竹」が運営する劇場となっているが、この度、約3年におよぶ耐震補強改修工事を終え、2018年11月にリニューアルオープンした。
 今回の工事では、国の登録有形文化財に指定されている1929年創建の建物を可能な限り保存し、修復したという。舞台の格子天井や桟敷席の欄干などを事前に3Dスキャンで読み取って保存し、通路にあるアール・デコ調の照明も含めて細部に至るまで復元した。さらに、劇場内の客席をゆったりした椅子に変更し、お年寄り向けにエレベーターを設置するなどしてバリアフリー化し、より快適な劇場に変貌を遂げた。
 2階の西ロビーには「なだ万茶寮 京都四條南座店」があり、観劇の合間に食事することができる。また、1階の東ロビーでは「なだ万茶寮」の観劇弁当も販売されている。
 残念ながら本学会期間中には歌舞伎興行は行われず、藤山直美(主演)、林与一、三林京子、石倉三郎、松村雄基、鈴木杏樹などが出演する「喜劇 道頓堀ものがらり」の舞台が上演される予定である。なお、下記のウェブサイトからもチケットの購入ができる。(2019年9月追加)
https://www.shochiku.co.jp/play/theater/minamiza/

京都市東山区四条大橋東詰
電話番号:075-561-1155
定休日:不定休
営業時間:不定休
予算:興行演目により異なる
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通りを鴨川・八坂神社方面に進む。四条大橋を渡ると目の前に見える建物。阪急河原町駅から徒歩3分
最寄りのランドマーク:四条通り、四条大橋
お勧めポイント:400年の歴史を誇る日本最古の劇場

KISSHOKARYO KYOTO吉祥菓寮の「きなの宮サンド」

 「KISSHOKARYO KYOTO吉祥菓寮」は、2006年に生まれた「きな粉菓子」専門の新ブランド。そのルーツは、1934年に北川徳次郎が京都で創業した菓子店「桂華堂」にある。徳次郎は、当時まだ珍しかった「煎り大豆」を節分豆として売り出し、そのマインドはこの店に受け継がれることに。現在も最高の国産大豆を追い求め、幾度も焙煎を繰り返し、それぞれの豆に合った適切な焙煎方法で作っているという。
 「きなの宮サンド」は、深煎りきな粉で作られたホワイトチョコをクッキーでサンドしたお菓子。クッキーは、サクッとしていながらほろほろと崩れて食べにくい。小麦やアーモンド、オートミールなどが入っているせいか、食感はまるで胚芽入りのクッキーのよう。茶色いきな粉チョコも甘さがそれほど強くなく、きな粉の香りをしっかりと感じることができて美味しい。
 この商品は、下記ホームページの他、祇園にある本店、「京都四条店」、「大丸京都店」、また、JR京都駅近くの「ジェーアール京都伊勢丹店」と「京都タワーサンド店」で購入することができる。
https://kisshokaryo.jp/products/list.php

東山区古門前通東大路東入ル石橋町306  
電話番号:075-708-5608
定休日:無休
営業時間:10時〜19時
予算:プレーン216円、季節のお味248円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。「京都四條南座」、縄手通(大和大路通)、花見小路通を過ぎ、八坂神社前「祇園交差点」を左折する。東大路通りを進み、「よしもと祇園花月」、「天下一品・知恩院前店」を過ぎ、白川を渡って信号を右折したらすぐ右側(知恩院の参道沿い)。阪急河原町駅より徒歩15分
最寄りのランドマーク:八坂神社、東大路通り、知恩院前交差点
お勧めポイント:きな粉チョコをサンドしたサクっとホロッと崩れるお菓子

「きなの宮サンド」
箱を開けると・・・深煎りきな粉で作られたホワイトチョコをクッキーでサンドしたお菓子。クッキーは、サクッとしていながらほろほろと崩れて食べにくい。小麦やアーモンド、オートミールなどが入っているせいか、食感はまるで胚芽入りのクッキーのよう茶色いきな粉チョコも甘さがそれほど強くなく、きな粉の香りをしっかりと感じることができて美味しい

KISSHOKARYO KYOTO吉祥菓寮の「本わらび餅」

 「KISSHOKARYO KYOTO吉祥菓寮」は、2006年に生まれた「きな粉菓子」専門の新ブランド。そのルーツは、1934年に北川徳次郎が京都で創業した菓子店「桂華堂」にある。徳次郎は、当時まだ珍しかった「煎り大豆」を節分豆として売り出し、そのマインドはこの店に受け継がれることに。現在も最高の国産大豆を追い求め、幾度も焙煎を繰り返し、それぞれの豆に合った適切な焙煎方法で作っているという。
 本わらび粉100%で作られたという「本わらび餅」は、ネットリとしている。口溶けを良くするために、とことん柔らかくしているため、切られているタイプではなく、京都和菓子老舗「笹屋昌園」の「至高(→ 京都グルメバイブル・お土産の頁を参照)」のように、流し込んで固められたタイプ。きな粉と黒蜜をかけてスプーンですくって食べると、最高レベルのわらび餅が味わえる。常温保存タイプのわらび餅の中では、間違いなくトップレベルの逸品であり、専門店ならではの深煎りきな粉もとても香ばしい。(2019年9月追加)
 この商品は、下記ホームページの他、祇園にある本店、「京都四条店」、「大丸京都店」、また、JR京都駅近くの「ジェーアール京都伊勢丹店」と「京都タワーサンド店」で購入することができる。
https://kisshokaryo.jp/products/list.php

東山区古門前通東大路東入ル石橋町306  
電話番号:075-708-5608
定休日:無休
営業時間:10時〜19時
予算:本わらび餅1080円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。「京都四條南座」、縄手通(大和大路通)、花見小路通を過ぎ、八坂神社前「祇園交差点」を左折する。東大路通りを進み、「よしもと祇園花月」、「天下一品・知恩院前店」を過ぎ、白川を渡って信号を右折したらすぐ右側(知恩院の参道沿い)。阪急河原町駅より徒歩15分
最寄りのランドマーク:八坂神社、東大路通り、知恩院前交差点
お勧めポイント:香ばしい深煎りきな粉が香る最高レベルのわらび餅

「本わらび餅」蓋を開けると、特別自家焙煎のきな粉が見える さらに中のパッケージを開けると、わらび餅が見える。口溶けを良くするために、とことん柔らかくしているため、切られているタイプではなく、流し込んで固められたタイプ きな粉と黒蜜をかけ・・・

スプーンですくって食べると、最高レベルのわらび餅が味わえる。常温保存タイプのわらび餅の中では、間違いなくトップレベルの逸品であり、専門店ならではの深煎りきな粉はとても香ばしい

洋菓子ぎをん さかいの「花くるみ」

 スイスの伝統菓子「エンガディナー」を、和風にアレンジして作ったのが、この店の「花くるみ」。キャラメルの中のクルミがしっかりと存在感を示していて美味しい。残念ながら黒豆に関しては、濃厚なキャラメルの味の中に埋没してしまっている。キャラメルを挟んでいるサブレもサクッとして美味しく、甘さもちょうどいい感じだ。実は、医局秘書の中ではかなり評価が分かれたが、お菓子の完成度としては高いと思う。
 この商品は、下記ホームページの他、祇園にある本店、JR京都駅近くの「ジェーアール京都伊勢丹店」と「京都タワーサンド店」で購入することができる。
http://www.gion-sakai.com/index.html

東山区祇園町南側570-122  
電話番号:075-531-8878
定休日:無休
営業時間:11時〜19時
予算:花くるみ1620円(10個入り)
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座の前を過ぎて進むと、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)が見えるので、その角を右折。1つ目の交差点を右折し、すぐT字路を左折すると左側に見える。阪急河原町駅より徒歩8分
最寄りのランドマーク:祇園花見小路、お茶屋一力亭
お勧めポイント:キャラメルとクルミのハーモニーを奏でるお菓子

スイスの伝統菓子「エンガディナー」を、和風にアレンジして作ったのが、この店の「花くるみ」 蓋を開けるとこんな感じキャラメルの中のクルミがしっかりと存在感を示していて美味しい。残念ながら黒豆に関しては、濃厚なキャラメルの味の中に埋没してしまっている。キャラメルを挟んでいるサブレもサクッとして美味しく、甘さもちょうどいい感じ

洋菓子ぎをん さかいの「鞠すふれ」

 「鞠すふれ」は、鞠をイメージした丸いスフレサンド。フワッとしていて、しっとりした口当たりのスフレ生地に、甘さ控えめの軽いチーズクリームがサンドされている。通常の「プレーン」の他に、「季節のお味(この時はイチゴとチョコ)」があり、中でも「プレーン」がお勧め。要冷蔵なので長時間の持ち歩きこそできないが、1口大のミニサイズなので、帰りの飛行機や列車でのおやつとして食べるのにもいい。
 この商品は、下記ホームページの他、祇園にある本店、JR京都駅近くの「ジェーアール京都伊勢丹店」と「京都タワーサンド店」で購入することができる。
http://www.gion-sakai.com/index.html

東山区祇園町南側570-122    
電話番号:075-531-8878
定休日:無休
営業時間:11時〜19時
予算:プレーン216円、季節のお味248円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座の前を過ぎて進むと、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)が見えるので、その角を右折。1つ目の交差点を右折し、すぐT字路を左折すると左側に見える。阪急河原町駅より徒歩8分
最寄りのランドマーク:祇園花見小路、お茶屋一力亭
お勧めポイント:フワッとしたスフレ生地にチーズクリームがサンドされたお菓子

鞠をイメージした丸いスフレサンド。フワッとしていて、しっとりした口当たりのスフレ生地に、甘さ控えめの軽いチーズクリームがサンドされている。通常の「プレーン」の他に、「季節のお味(この時はイチゴとチョコ)」があり、中でも「プレーン」がお勧め イチゴチョコ

洋菓子ぎをん さかいの「京さんど」

 祇園に本店を構える「洋菓子ぎをん さかい」のお菓子は、どれもある程度レベルが高くてお勧めだが、中でも、要冷蔵商品である「京さんど」がお勧めである。
 「京さんど」には、レギュラー商品である「抹茶」と「ラムレーズン」の他、季節商品が1つある(この時は「塩キャラメル」)。ちなみに、僕のお勧め順は、「ラムレーズン」、「抹茶」、「塩キャラメル」の順である。シットリとしたビスケット様のサブレにバタークリームを挟んでいるのだが、クリームは甘さが絶妙で滑らか。類似の商品と比較しても、ワンランク上の洗練された味わいである。ラムレーズンは、「鞠すふれ(→ 京都グルメバイブル・お土産の頁を参照)」のラムレーズンと共通するまろやかで優しい美味しさ。また、「抹茶」は京都宇治「森半」の抹茶を使用しており、小豆が入っているのもいい。生クリームではないので日持ちしそうだが、これはバタークリームが溶けないようにするための措置であり、冷蔵状態では10日も保存可能とのこと。
 なお、この商品は、下記ホームページの他、祇園にある本店、JR京都駅近くの「ジェーアール京都伊勢丹店」と「京都タワーサンド店」で購入することができる。
http://www.gion-sakai.com/index.html

東山区祇園町南側570-122  
電話番号:075-531-8878
定休日:無休
営業時間:11時〜19時
予算:京さんど1個248円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座の前を過ぎて進むと、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)が見えるので、その角を右折。1つ目の交差点を右折し、すぐT字路を左折すると左側に見える。阪急河原町駅より徒歩8分
最寄りのランドマーク:祇園花見小路、お茶屋一力亭
お勧めポイント:しっとりとしたサブレに挟まれたバタークリームのお菓子

ショーケースの見本 レギュラー商品は、「抹茶」と「ラムレーズン」の2種類があり、この他に季節商品が1つある(この時は「塩キャラメル」)。ちなみに、僕のお勧め順は、「ラムレーズン」、「抹茶」、「塩キャラメル」の順 僕の一押しの「ラムレーズン」 シットリとしたビスケット様のサブレにバタークリームを挟んでいるのだが、クリームは甘さが絶妙で滑らか。クリームは、「鞠すふれ」のラムレーズンと共通するまろやかな味わい
一見すると「ラムレーズン」のようだが・・・ 中味は「塩キャラメル」 「抹茶」京都宇治「森半」の抹茶を使用しており、小豆が入っているのがいい

よしもと 祇園花月

 ご存じ吉本興業の京都劇場である。席数は502席あり、京都らしく内桟敷席も18席ある。人気の若手芸人から有名ベテラン芸人までがいろいろ出演するので、もしも時間のあるときには、京都でお笑いライブを楽しむのも良いかも。
 ちなみに、出演者などの詳細な情報は吉本興業の下記ホームページから確認できる。(2014年12月追加)
http://www.yoshimoto.co.jp/gion/index.php

東山区祇園町北側323 祇園会館内  
電話番号: 0570-550-100(チケットよしもと)
定休日:不定休
営業時間:劇場公演のある日の朝11時~当日最終の公演終演まで(チケットは公演がある日のみ引取可能)
予算:4200円(公演内容によって異なる)
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。「京都四條南座」、縄手通(大和大路通)、花見小路通を過ぎ、八坂神社前「祇園交差点」を左折するとすぐ左側。阪急河原町駅より徒歩9分
最寄りのランドマーク:京都四條南座、八坂神社

京都国立博物館
  よねむらオリジナルクッキー

 ご存じ、2013年関西版ミシュランで1つ星を獲得した京風フレンチ「レストラン よねむら」。町家を改築した祇園本店で食事をしたことがあるが、残念ながら現在のところグルメバイブルに掲載するには至っていない。しかし先日、ワインをこよなく愛する明石市の釣り友・田村先生から頂いたこの店のクッキーの美味しさにいたく感激。早く皆さんにもこの情報をお知らせしたいと思い、筆を執った次第である。
 実はこのクッキー、もともとは「京都国立博物館」のお土産品(文化財保護基金の対象商品)として販売されたようだが、京都や銀座の「レストラン よねむら」の店頭や下記ホームページ(電話・ファックスでも可能)からでも購入できる。
 個性あふれる12種入りのクッキーの特徴は、何と言ってもリッチなバターの香りとサクサクした心地良い歯ごたえ。加えて、それぞれのクッキーの個性が実に上手に表現されているのである。これまで、いろいろなクッキーを食べてきた僕も初めて味わうテイストばかりで、例えば、京都を代表する宇治茶を使用した「お抹茶」のクッキーは、抹茶の濃さが半端でないくらい凄い。また、「ぶぶあられ」は、バターの香りに和の「あられ」が入ったありそうでない素晴らしい和洋のコラボである。また、「七味」や「大徳寺納豆」、「柚子」なども決して京風の奇をてらったものではなく、味が調和した完成された味わいなのである。この他、「マカデミアナッツ」もマカデミアナッツチョコ以上の味わいだし、「チーズ胡椒」はビールの友としても最高なのである。セットの中のどの品も個性的で美味しく、京都土産だけでなく、外国への土産としても最高のアイテムであろう。加えて、期間限定の「冬トリュフクッキー」も6800円という高額ながら、生地に黒トリュフが練り込んであり、香りも良くとても贅沢な逸品である。塩味と甘いトリュフクッキーの2種類が入っているが、ほんのりと甘いトリュフクッキーに塩味効いたクリーミー系ナチュラルチーズを載せ、赤ワインと一緒に頂くとまさに官能的な味である。(2014年3月更新)
http://yonemura-ec.com/ec/eccube-2.11.5/html/

東山区八坂鳥居前下ル清井町481-1  
電話番号:075-708-5133(クッキー専用ダイヤル)
ファックス:075-708-5134(クッキー専用ダイヤル)
定休日:無休
営業時間:10時~23時くらい(本店での受付)
予算:3900円
お勧めポイント:個性あふれる和風テイストの12種のクッキーが味わえる

京本山高台寺 洛匠

 高台寺の参道“ねねの道”にある甘味処。店内は手前にテーブル席があり、そして奥に小上がりがある。右側には細長い池と通路があり、小上がりに上がる場合には池側で靴を脱いでから上がる。僕的には、小上がりで池を眺めながら蕨餅を頂くのが京都らしくお勧めである。
 この店の名物は「草わらびもち」。草と言ってもヨモギではなく、宇治の「小山園」の上質抹茶を使った蕨餅。蕨餅の上に“きな粉”が塗された、どちらかと言えばオーソドックスなタイプの蕨餅である。口に含むと 「京わらびもちの茶洛(→ 京都グルメバイブル・お土産の頁を参照)」 よりも食感がしっかりとしているが、すぐに口の中に溶けていく感じがいい。
 もちろん、店で食べるのがベストであるが、お土産であれば、わざわざ店に出向かなくても「ジェイアール京都伊勢丹」や「京都タカシマヤ」、「大丸京都店」など京都の3つのデパートの全国和菓子売り場か下記の阪急百貨店ウェブサイトから購入もできる。(2014年11月更新)
http://www.rakusyou.co.jp/ 
https://web.hankyu-dept.co.jp/ecshop/shohinDetailDisplay.do?mstShohinId=47162

東山区高台寺北門通下河原東入鷲尾町516  
電話番号:075-561-6892
定休日:不定休
営業時間:9時〜18時
予算:草わらびもち(店舗で食べた場合)700円、(持ち帰り240g)540円、(持ち帰り370g)864円
アクセス:四条通を「八坂神社」を目指して東へ進む。「八坂神社」前の祇園交差点を右折し、東大路通を進む。「ホテルサンライン京都祇園四条」のある2本目の斜め通りを上り、3本目の通りが高台寺参道“ねねの道”であり、その通りにある。
最寄りのランドマーク:ホテルサンライン京都祇園四条、高台寺
お勧めポイント:しっかりとした食感ながらトロける蕨餅

ショーウィンドウには懐かしいサンプル品が展示している

入口側のテーブル席

右側の細長い池

小上がりへ上がるには、一旦外に出て、池の通路で靴を脱いで入る

小上がりのテーブル席

小上がりから池を眺めたところ

草わらび餅

お持ち帰りの草わらび餅を詰める店員さん

お持ち帰り用の草わらび餅

祇園きなな本店

 祇園にある「きな粉」をテーマにしたアイス専門店。ホームページによると、「やさしく、おいしく」をテーマに、「丹波黒大豆きな粉」を始めとした厳選された天然素材をふんだんに使用し、化学的な着色料、保存料を一切使わず、脂肪分も極力抑えて製造しているという。また、通常アイスクリームには欠かせない卵を使用していないので、 卵アレルギーの方でも安心して食べられるらしい。アイスクリームには、「プレーン(きな粉アイス)」の他、京都山田精油の練りゴマを混ぜた「黒ごま」、丹波大納言小豆を練り込んだ「小豆」、波照間産黒砂糖を使用した「黒みつ」、京都宇治抹茶を使用した「抹茶」、「よもぎ」などがある。
 町家の建物の1階にはアイスクリーム工房があり、カフェが2階にある。階段を上がると左がテーブル席、右の窓側がカウンター席となっており、思ったよりも広めだ。
 席に着くと、ほうじ茶が急須でサービスされる。訪れた時期の夏メニューを見ると、夏限定のかき氷やドリンクなどが目立つ。中でも、この店一番の人気はアイスクリームで、そのアイスクリームを使ったパフェが有名だ。特に、フローズン・ラズベリーやブルーベリーを使ったパフェ「ベリーベリーきなな」が人気らしい。「ベリーベリーきなな」には温かい白玉が3つ入っており、カリカリの蕎麦クレープの食感がいい。さらに、上に八つ橋、底には無糖のヨーグルトが入っている。アイスクリームは 「ハンデルスベーゲン(→ 京都グルメバイブル・スイーツの頁を参照)」 ほど洗練された味ではないが、京都ならではのアイスクリームである。店員のサービスも良く、とても居心地の良いスイーツ店である。(2014年11月追加)
http://www.kyo-kinana.com/index.htm

東山区祇園町南側570-119  
電話番号:075-525-8300
定休日:不定休
営業時間:11時〜18時半
予算:ベリーベリーきなな1100円、きなな(アイスクリーム)三種盛800円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座の前を過ぎて進むと、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)が見えるので、その角を右折。100mほど進むと左側に「旅館・菊梅」と「京料理・西坂」見えるので、その前の道を右折する。すぐに「廣東料理・翠雲苑」が見えるので角を左折するとすぐ右側。阪急河原町駅より徒歩6分。

最寄りのランドマーク:祇園花見小路、お茶屋一力亭
お勧めポイント:自家製ジェラートを使ったパフェが美味しい

2階のテーブル席。祇園祭シーズンなので、浴衣姿の女性が

2階窓側のカウンター席

パフェメニューは3種

本日のアイスクリーム

ロールケーキやパウンドケーキもあります

夏季にはかき氷もあります

席に着くと、ほうじ茶が急須でサービスされます

フローズンラズベリーやブルーベリーを使った人気のパフェ「ベリーベリーきなな」

京本山高台寺 洛匠

 高台寺の参道“ねねの道”にある甘味処。店内は手前にテーブル席があり、そして奥に小上がりがある。右側には細長い池と通路があり、小上がりに上がる場合には池側で靴を脱いでから上がる。僕的には、小上がりで池を眺めながら蕨餅を頂くのが京都らしくお勧めである。
 この店の名物は「草わらびもち」。草と言ってもヨモギではなく、宇治の「小山園」の上質抹茶を使った蕨餅。蕨餅の上に“きな粉”が塗された、どちらかと言えばオーソドックスなタイプの蕨餅である。口に含むと 「京わらびもちの茶洛(→ 京都グルメバイブル・お土産の頁を参照)」 よりも食感がしっかりとしているが、すぐに口の中に溶けていく感じがいい。
 もちろん、店で食べるのがベストであるが、お土産であれば、わざわざ店に出向かなくても「ジェイアール京都伊勢丹」や「京都タカシマヤ」、「大丸京都店」など京都の3つのデパートの全国和菓子売り場か下記の阪急百貨店ウェブサイトから購入もできる。(2014年11月更新)
http://www.rakusyou.co.jp/ 
https://web.hankyu-dept.co.jp/ecshop/shohinDetailDisplay.do?mstShohinId=47162

東山区高台寺北門通下河原東入鷲尾町516  
電話番号:075-561-6892
定休日:不定休
営業時間:9時〜18時
予算:草わらびもち(店舗で食べた場合)700円、(持ち帰り240g)540円、(持ち帰り370g)864円
アクセス:四条通を「八坂神社」を目指して東へ進む。「八坂神社」前の祇園交差点を右折し、東大路通を進む。「ホテルサンライン京都祇園四条」のある2本目の斜め通りを上り、3本目の通りが高台寺参道“ねねの道”であり、その通りにある。
最寄りのランドマーク:ホテルサンライン京都祇園四条、高台寺
お勧めポイント:しっかりとした食感ながらトロける蕨餅

ショーウィンドウには懐かしいサンプル品が展示している

入口側のテーブル席

右側の細長い池

小上がりへ上がるには、一旦外に出て、池の通路で靴を脱いで入る

小上がりのテーブル席

小上がりから池を眺めたところ

草わらび餅

お持ち帰りの草わらび餅を詰める店員さん

お持ち帰り用の草わらび餅

  

ぎおん徳屋

 祇園花見小路にある人気の甘味処。店は小さく目立たないが、外には行列待ちの女性客がいるのですぐに分かる。メニューには「かき氷」の他、テーブルのコンロで焼く「花見こもち」など、魅力的なものが多数見られる。僕のお勧めはこの店の名物「本わらびもち」。注文を受けて作られる出来たてのわらび餅は、クラッシュアイスの上に載せられ冷やされた状態で供される。わらび餅には予め和三盆が入れられているため、そのまま食べてもほんのり甘いが、そのまま食べるのではなく、たっぷり全体にきな粉をまぶし、更に黒蜜に浸して食べた方がはるかに美味しい。そのプルプルとした食感は日本一と言っても過言では無い。
 名古屋グルメバイブルで紹介した「 和風喫茶 松月 」とともに、わらび餅ファンなら是非押させておきたい一軒。なお、「本わらび餅」は前日までの予約でお持ち帰りもできるので、お土産としても最適。但し、店内で食べるものとは異なり、テイクアウト品は予め黒蜜に浸されている。また、賞味期限も当日に限られる。(2012年7月改訂)

東山区祇園町南側570-127  
電話:075-561-5554
定休日:無休 
営業時間:12時~18時(売り切れ終了) 
予算:本わらびもち1200円 、お土産用本わらび餅4個入り2500円、6個入り3500円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座の前を過ぎて進むと、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)が見えるので、その角を右折。100mほど進むと左側に見える。阪急河原町駅より徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:祇園花見小路、お茶屋一力亭 
お勧めポイント:日本最高峰のわらび餅

名物「本わらびもち」。塗りの取り皿の左がきな粉、右が黒蜜

「本わらびもち」のアップ

おでん屋 蛸長(たこちょう)

 1882年創業の京都で最も古いおでんの店。今年で創業133年を迎え、この店よりも古い店は1844年創業の大阪の「たこ梅」くらいであろう。「蛸」はおでん屋の隠語で、この店の初代・長次郎の「長」をとって名付けられたという。この店は古いだけでなく、日本最高レベルのおでんを食べさせてくれる。とにかく、洗練されたコクのある出汁が旨いのである。
 店内に入るとL字型のカウンター席がある。カウンター内にはおでん鍋と共に、灘の「白鶴」とサッポロの「ヱビスビール」が置かれているが、実はこの店にはこの2つの酒しか置いていない。「白鶴」はこの店のおでんに合うよう造られた特注品とのことであるが、酒の種類の少なさが唯一残念な点である。
 壁のお品書きは全て漢字で、当て字のものもあるため、店主の説明を聞きかなければ分からないものも多い。例えば「和蘭陀(オランダ)」とは魚の練り物の素揚げのことで、「冬四季茸」とは冬椎茸のこと。また、「巻甘藍」とはロールキャベツのことで、「和布」はワカメと読む。この日の大根は「京大根」、つまり聖護院大根であったが、夏季は通常の長大根になるという。中でも、「湯葉」と「蛸」、「海老芋」、「京大根」の4点は必ず食べてほしい逸品だ。「湯葉」はトロトロのおぼろ湯葉を生湯葉で包んでおり、その食感と湯葉の風味は絶品。瀬戸内の岡山県産タコを使用した「蛸」も食感が良く、濃厚な味がする。「海老芋」は線維を感じないくらい滑らかで、箸で持つと崩れてしまうほど柔らか。おでん汁を吸い込んだ「京大根」も最高にいい。全てのおでんには、黒七味をかけた九条ネギが添えられる。実は、この店には「裏種」という日替わりの裏メニューがあり、この日は「米沢牛」のおでんであった。また、おでんの締め「七五三締」は、蛸メシの焼きお握りを茶漬けにしたもの。
 この店は予約ができないので、まず電話で混んでいるかどうかを確認し、近くまで行ったらもう一度電話で確認してから行こう。たとえ、早い時間に満員であっても比較的回転が良いので、時間を空けてもう一度電話をすれば入れることが多い。ちなみに、店内は禁煙である。(2015年1月追加)

東山区宮川筋1-237  
電話番号:075-525-0170
定休日:水曜
営業時間:18時~22時(ネタがなくなるまで)
予算:1人5000〜6000円くらい
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。鴨川を渡り、「京都四條南座」の信号を右折して川端通を進む。「焼肉の名門・天壇」を過ぎて進むと、交差点の左角にある。阪急河原町駅より徒歩7分
最寄りのランドマーク:京都四條南座、川端通
お勧めポイント:出汁が素晴らしい京おでん

カウンター席の奥には「白鶴」と「ヱビスビール」が置かれている

手前が店主、奥が番頭さん

これがお品書き

トロトロの「海老芋」

聖護院大根を使った「京大根」

豆腐

「鴨捏」鴨ツクネは骨や軟骨が入っていないので、風味や食感に欠ける

「葱鮪」は赤身のマグロを使っているのか硬め

和蘭陀

厚揚げのような「油揚」

厚みのある「湯葉」

祇園サンボア

 京都でトップラスの人気を誇るオーセンティックバーである。建物は祇園らしく町家を改装したもので、入口に「SAMBOA」という手書き風の暖簾が掛かっているのが目を引く。店内は縦長で、長いカウンター席のみ。ジャズが流れ、昭和のオーセンティックバーを思わせるようなノスタルジックな感じが良い。基本的に店主と若いバーテンダーの2人だけのようだが、午後7時を過ぎたあたりで、バイトと思しき若いバーテンダーも加わった。
 スタンダードカクテルは平均的なレベルの味。「サンボア」なので、ハイボールはサントリー角の氷無しかと思いきや、意外にもウイスキーの種類も氷の有り無しも客が選べるようだ。それしても、丁度良い広さのせいなのか?ノスタルジックな雰囲気のせいなのか?よく分からないが、 「たかはし(→ 京都グルメバイブル・バーの頁を参照)」同様、1人客にとって妙に居心地の良い店である。(2014年11月追加)

東山区祇園町南側570-186  
電話番号:075-541-7509
定休日:月曜
営業時間:18時~翌1時(日曜・祝日は24時まで)
予算:チャージ500円、スタンダードカクテル1400円くらい
アクセス:地下鉄烏丸線・四条駅、阪急京都線・烏丸駅19番出口あるいは阪急河原町駅の出入口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面へ進む。「京都四條南座」、朱色の壁の大きな建物「一力亭」を過ぎ、「アパホテル京都祇園」手前角を右折する。突き当たり(三芳前)T字路を左折し、「祇園佐川急便」と「祇園楽味」のT字路を右折するとすぐ右側にある。四条駅、烏丸駅より徒歩13分。 
最寄りのランドマーク:京都四條南座、一力亭、アパホテル京都祇園
お勧めポイント:京都でトップラスの人気を誇るオーセンティックバー

奥のトイレ側から見たカウンター席

マスターがカクテルを作ってくれます

入口側から見たカウンター席。奥の坪庭が京都らしい

ギムレット

チャムのサラダとピーナッツ

マティーニ

ハイボールを氷無しで

    

しぇりークラブ京都 石塀小路
       (いしべこうじ)

 京都グルメバイブルを取材していて思うのだが、京都のバーは実に個性的かつ魅力的だ。ワインバーなら「ぶどうの蔵(→ 京都グルメバイブル・バーの頁を参照)」 、オーセンティックバーなら 「ロッキングチェア(→ 京都グルメバイブル・バーの頁を参照)」 、カルバドスなら 「カルバドール(→ 京都グルメバイブル・バーの頁を参照)」 、そしてシェリー酒ならこの店がお勧めである。この店は、 銀座グルメバブル(→ 銀座グルメバイブル・バーの頁を参照) でも取り上げたシェリー酒専門のバーである。実は、銀座の本店は“シェリー酒の品揃え世界一”としてギネスの認定を受けている。何でも、オーナーが大の京都好きらしく、趣味でこの石塀小路に店を作ったという。
 蔵を改装した店内は、2階に美術品のギャラリーが併設され、1階がバーとなっている。店内はL字型のカウンター席とテーブル席があり、銀座の本店とは全く趣が異なる。特に目を引くのは分厚い木の椅子で、これは丸ごと木を削って作られた特注品らしい。
 この店はあくまでも小規模なバーなので、本店のような品揃えはない。シェリー酒は一杯900円のスタンダードタイプ(26種類)から、高価なプレミアムタイプ(19種類)まで、計45種類ある。また、本店のように樽から直接注いでもらえる樽のシェリーもない。しかしながら、本店と同様にシェフがいるので、パエリアなど本格的なスペイン料理を食べることができる。しかも、味に関して言えば、本店の料理よりも美味しい。
 シェリー酒は、熟成したワインのような香りがするものから中国の老酒のような香りがするものまで、味は様々である。また、シェリー酒はlight~heavy、sweet~dryなど、程度によって9種に分類できるが、僕のお勧めは熟成した辛口タイプのオロロソ(O)。今回頂いた超レアなプレミアム・シェリー酒「シバリータ・オロロソVORS 30年」は、香り、味、深み全てがパーフェクトだった。しかしながら、味にかなりバリエーションがあるので、色々と試してみて、自分の好みのものを捜してみることをお勧めしたい。(2014年11月追加)

東山区下河原町489-2 石塀小路  
電話番号:075-525-2201
定休日:月曜
営業時間:【火曜〜土曜】17時~24時、【日曜】15時~23時
予算:スタンダードタイプのシェリー酒900円、赤エビのアヒージョ1200円
アクセス:阪急河原町駅の出入口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座を過ぎ、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)過ぎて進むと正面に八坂神社が見えるので、八坂神社側へ信号を渡る。更に右に進み、「ホテル サンライン」がある最初の角を左折する。八坂神社・南楼門前のT字路を右折して進み、親子丼で有名な「ひさご」、「浜作本店」を過ぎたマンション(グレーシティ京都・東山)左の石塀小路を上るとすぐ右側にある。阪急河原町駅より徒歩13分。 
最寄りのランドマーク:八坂神社・南楼門、石塀小路
お勧めポイント:スペイン料理も頂ける京都唯一のシェリー酒専門バー

いくつかある石塀小路の入口

入口の中は映画のセットのようなこんな感じの小路

白い蔵が店です

左の階段を上るとギャラリー、右が店の入口です

特注の木の椅子

スタンダード・シェリーのリスト。全26種類は9種類に分類されている

お勧めのOloroso

最高レベルの超アシェリー「シバリータ・オロロソVORS 30年」

チャームの殻付きアーモンド

超甘口のPedro Ximenes「マエストロVORS 」は、まるで濃縮したプルーン液で、色も赤ワインのようだ

赤エビのアヒージョ(ハーフサイズ)と自家製パンはどちらも美味しい

前菜9品盛り合わせ

季節のパエリア(甘鯛とハモと松茸)は和風テイストで旨し

アフィナージュ

 祇園のビルの1階にあるカウンター8席だけのワインバー。店内は白と黒を基調としたシックなインテリア。芸子さんや舞妓さんの団扇が飾られているところが実に京都らしい。席に着くと店主の小嶋さんが笑顔で出迎えてくれた。見渡してみると、どうやら客の半数以上は常連客のようである。実はこの店、今回取材で訪れたバーの複数のバーテンダーが教えてくれたワインバーである。
 この店のワインは基本的にバイザグラスなので、若くてお手頃なワインが中心である。この日はシャンパンが3種、白が3種、赤が4種で、この他に季節のフルーツカクテル(この日は桃、スイカ、パイナップル)もあった。ボトルワインに関しては特にワインリストなどはなく、予算と好みのワインを伝え、店主がセレクトしたいくつかの候補から選ぶというスタイル。ワインはシャンパーニュとブルゴーニュワインが中心で、店内の2つのワインセラーには150〜160本以上はありそう。また、近くに保管している分も併せて300本くらいはあるという。つまみは生ハムやチーズなどの簡単なものが中心となるが、中には「黒毛和牛ほほ肉の赤ワイン8時間煮込み」や「アフィナージュのスペシャリテ・自家製キッシュ(この日は野菜のキッシュ)」、「本日のショートパスタ(この日はブルーデコースチーズとマスカルポーネのパスタ)」などのような本格的なものまである。
 ちなみに、とても小さい店なので予約は必須である。また、店主1人でやっているため、混んでくると多少出てくるのが遅くなるのは、大目に見ていただきたい。それにしても、店主の小嶋さんのサービスはとても素晴らしく、常連になりたいと思わせるホスピタリティを感じる良い店だ。(2014年10月追加)

東山区花見小路通 新門前上ル東側 花見会館汀館1階  
電話番号:075-525-5175
定休日:月曜
営業時間:19時〜翌3時
予算:グラスワイン1500〜3900円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座の前を過ぎて進むと、角に朱色の壁の大きな建物「お茶屋一力亭」が見える交差点があるので、左折して花見小路を進む。「天下一品」、2つ目の信号(新橋通)を過ぎ、次の新門前通を過ぎたらすぐ右側にある。阪急河原町駅より徒歩8分。 
最寄りのランドマーク:お茶屋一力亭、花見小路、新橋通、新門前通
お勧めポイント:店主のホスピタリティを感じる初心者〜中級者向けのワインバー

のビルの1階です

外観はスナックみたいなドアです

シャサニー・モンラッシェ 1er ヴェルジェ 2008年

マスカルポーネのレザーウッド・ハニーがけ

アフィナージュのスペシャリテ・自家製キッシュ(この日は野菜のキッシュ)

ボーヌ 1er ブレッサンド 2010年

フランスバイヨンヌ地方の生ハム(Sサイズ)は大山(だいせん)のバターと共に頂くと香りがより柔らかく味がマイルドになる。この食べ方は京都寺町にある「ブション」が考案した食べ方とのこと

エル・テソロ El Tesoro

 「八咫(→ 京都グルメバイブル・バーの頁を参照)」 のバーテンダーから教えてもらった川端通りに面したビルの1階にあるオーセンティックバー。この店は今年で8年目を迎えるらしいが、店主の大塚さんはオーセンティックバー 「Bar K6(→ 京都グルメバイブル・バーの頁を参照)」 出身である。39才(だったかな?)の店主は人柄が良くとても話しやすい方である。
 店内は重厚感のあるクラシックで落ち着いた雰囲気。長めのL字型のカウンター席があり、右側にテーブル席が1つある。スタンダードカクテルはもちろん、フルーツカクテルも平均レベル以上で悪くはない。(2014年9月追加)

東山区大和大路新橋上がる西側 大和ビル 1F  
電話番号:075-541-1770
定休日:不定休
営業時間:18時〜翌3時
予算:カクテル800円〜
アクセス:阪急河原町駅・出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。「京都四條南座」を過ぎた次の信号を左折し、縄手通(大和大路通)を進む。「壱錢洋食」、「祇園かね松」、「梅の井」、白川の橋を過ぎた左側のビル。阪急河原町駅より徒歩6分。
最寄りのランドマーク:大和大路通
お勧めポイント:比較的広めで落ち着いた雰囲気のオーセンティックバー

ギムレット

チャーム

マティーニ

フルーツカクテル

八咫(やた)

 日本料理店「祇をん 八咫」の2階にあるオーセンティックバー。階段を上ると2階の左手前に入り口がある。店内に入るとカウンター席が僅か9席しかなく、バーとしてはかなり狭い。現在のチーフバーテンダーの伊藤さんは、京都の有名老舗バー「フィンランディア バー FINLANDIA BAR」出身の女性バーテンダーである。この店は今年で19年目を迎えるそうだが、彼女で9代目になるらしい。彼女の他にもう1人の若い男性バーテンダーがいるが、カクテルはもっぱら彼女が作っている。店内にはジャズピアノが流れ、狭いながらも町家のバーとしてはなかなか居心地が良い。
 スタンダードカクテルはもちろん標準レベル以上の味。「ギムレット」や「マティーニ」はライムの果実味を強く感じるが、とても飲みやすい。ちなみに、小さな店なので行く前の予約は必須である。(2014年9月追加)
東山区大和大路新橋東入ル元吉町42-3

東山区大和大路新橋東入ル元吉町42-3  
電話番号:075-525-5511
定休日:日曜
営業時間:19時〜翌2時
予算:チャージ1000円
アクセス:阪急河原町駅・出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。「京都四條南座」を過ぎた次の信号を左折し、縄手通(大和大路通)を進む。「壱錢洋食」、「祇園かね松」、「梅の井」、白川の橋を過ぎたT字路を右折するとすぐ左側(「八咫(やた)」の並び)。阪急河原町駅より徒歩6分。
最寄りのランドマーク:新橋通、大和大路通
お勧めポイント:和食店の2階にある町家のオーセンティックバー

夜の新橋通

この町家です!

1階の入口を入ったところ

2階への階段(すぐ左の明るいところが入口)

小さなバーカウンター

チャーム

ギムレット

マティーニ(オリーブと別盛)

マティーニ(オリーブを入れたところ)

XYZ

マンゴーのフルーツカクテル

    

祇園 日NITI

 祇園花見小路から少し入ったところにあるオーセンティックバー。この店のオーナーは、大和大路通(縄手通)で「Sfera Bar SATONAKA」も経営しており、もちろん、この店にも出ている。実はこの店、昼間は甘味処、夜はオーセンティックバーというように、女性従業員でやっている昼と男性店員のいる夜とでは従業員も全て入れ替わり、メニューも含めて全く別な店となるのが面白い。
 町家の入り口を抜けると、1階は箱庭が見えるカウンター席とテーブル席、そして奥には掘りごたつの座敷がある。2階には座敷とテーブル席があり、2階は最大20名様まで対応できるらしい。
 今回は昼と夜の両方を取材したが、お勧めは夜のバーの方。この店にはイタリアンのシェフがいるため、ダイニングバーと言っても良いくらいフードメニューが充実している。料理のレベルはそこそこであるが、前菜からパスタ、ピザ、メイン料理、デザートまでいろいろとある。他にもオーセンティックバーを経営しているだけあって、スタンダードカクテルやフルーツカクテルともに標準レベル以上であり、それに加えて、町家で箱庭のある祇園らしい雰囲気も良い。(2014年8月追加)
http://www.gion-niti.com/bar/index.html

東山区祇園町南側570-8  
電話番号:075-525-7128
定休日:不定休
営業時間:【カフェ】11時〜17時半、【バー】19時〜翌2時
予算:チャージ1000円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座の前を過ぎて進むと、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)が見えるので、その角を右折。200mほど進むと左側に「祇園新地甲部歌舞演場」見えるので、その手前の小路を左折すると右側にある。阪急河原町駅より徒歩8分。
最寄りのランドマーク:祇園花見小路、祇園新地甲部歌舞演場
お勧めポイント:祇園の町家にあるオーセンティックバー

昼の祇園花見小路(「祇おん さらら」という提灯のある女性が立っているところを曲がります)

ここを曲がります(昼の様子)

夜にはこうなります

昼の店の前

夜の店の前

昼のカウンターにはかき氷の機械とポット、茶釜があります

夜のカウンターは何もなくシンプル

カウンターから見えるライトアップされた箱庭

カウンタの背後にはテーブル席が

テーブル席

昼間のカフェで人気の「天然氷を使ったかき氷(抹茶宇治金時1200円)」この他に季節の果実を使ったかき氷もある

マティーニ

京都らしくチャームには出汁巻き卵

フグのフリット

ムール貝のワイン蒸し

季節のフルーツカクテル(桃+シャンパン)

  

ザ・コモン・ワン・バー・キョウト

 京都の老舗バー「フィンランディア バー FINLANDIA BAR」が経営する町家バーである。本店に当たる「フィンランディア バー」も同じ町家を改装したバーであるが、残念ながらグルメバイブルの掲載には至っていない。もしも、同じ町家スタイルでお酒を楽しむなら、断然こちらの店の方がお勧めである。
 初めて訪れると、店名の書かれた暖簾や看板などがなく、唯一「何生館」と読めるかな?という程度の看板しかないので、写真を見て外観のイメージをつかんでから行かないと分かりづらい。外の門の格子戸を開け、行灯が灯る細長い通路を抜けると明るい入り口が見える。元は民家だったらしいが、現在は町家の雰囲気を残しつつも見事に京都らしくリノベーションされ、とてもスタイリッシュなオーセンティックバーである。両サイドのガラス越しには、ライトアップされた小さな箱庭が見える。また、カウンター席の他、テーブル席が1つだけしかなく、「フィンランディア バー」よりもゆったりと作られている。さらに、普段は使っていないが、6名までの大人数向けに、入り口近くに座敷と掘りごたつの席がある。この席はまさにザ・京風日本家屋であり、外人受けすることも間違いない。
 さすが「フィンランディア バー」の姉妹店だけあって、女性バーテンダー・福呂さんの作るカクテルは、スタンダードカクテルだけでなくフルーツカクテルもそれなりに美味しい。また、つまみに出されるマカデミアナッツもスモークされていて、おかわりしたくなるほど。恐らく京都でしか味わえないこのロケーションは、祇園に佇む大人の隠れ家と言っても良いくらい魅力的である。(2014年6月追加)

東山区新橋通大和大路東入元吉町46 何生館内  
電話番号:075-561-5644
定休日:火曜
営業時間:17時〜翌2時
予算:カクテル1500円くらい
アクセス:阪急河原町駅・出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。「京都四條南座」を過ぎた次の信号を左折し、縄手通(大和大路通)を進む。「壱錢洋食」、「祇園かね松」、「梅の井」、白川の橋を過ぎたT字路を右折するとすぐ左側(「八咫(やた)」の並び)。阪急河原町駅より徒歩6分。
最寄りのランドマーク:新橋通、大和大路通
お勧めポイント:京都らしい素敵なオーセンティックバー

ぶどうの蔵

 創業20年を迎えた京都屈指の品揃えを誇るワインバー。以前は大和大路四条にあったが、ビルの取り壊しにより、4年前にこのビルに移転してきた。エレベーターでビルの5階に上がり、店内に入ると、入口側に重厚感のあるカウンター席とガラス張りのワインセラーがあり、奥の窓側に小さなソファー席がある。決してゆったりと広いわけではないが、現在も店主1人で全てをやっているため、この広さくらいがちょうど良いのかもしれない。広い窓からは、遠くに京都タワーを見ることができる。
 この店の凄いところは、1000種類というワインの多さだけに留まらず、マニアックな古いヴィンテージワインが多いことである。特に、仏ブルゴーニュとボルドー、シャンパーニュの品揃えは圧巻だ。さらに、1930年代~1950年代の店主自慢のオールドヴィンテージコレクションもあるのだ。なので、事前に言っておけば、もしかすると、誕生日のヴィンテージワインもあるかも。また、ハーフワインの品揃えもボルドーの5大シャトーからカリフォルニアのオーパスワンに至るまで、ワインバーの中では有数の品揃えであろう。ワインの平均価格は市場価格のおよそ2倍強であり、若いワインのコストパフォーマンスこそ良くないものの、古いヴィンテージワインのような値が張るワインの価格は比較的割安となっている。グラスワインに関しても、この日はブルゴーニュの90年代のワインがいくつかあり、ブルゴーニュラバーにとっては嬉しい店だ。
 ちなみに、 「メゾンドヴァン鶉亭(→ 京都グルメバイブル・バーの頁を参照)」 に比べるとかなりマニアックな品揃えとなっており、上級者向けのワインバーである。(2019年8月追加)
http://vinfin.jp

東山区祇園町北側300番地 ムーンビューティ祇園ビル5階
電話番号:075−525−8200
定休日:日曜・祝日
営業時間:17時〜翌3時
予算:グラスワイン1200円〜
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。「京都四條南座」、縄手通(大和大路通)、花見小路通を過ぎ、八坂神社前「祇園交差点」を左折するとすぐ右角(「よしもと祇園花月」の東大路通りを挟んだ向かい)。阪急河原町駅より徒歩8分
最寄りのランドマーク:八坂神社、よしもと祇園花月
お勧めポイント:京都トップクラスの上級者向けワインバー

八坂神社横のビル(よしもと 祇園花月の東向かい)にありますこのビルです5階です1000種を超えるワインがありますエレベーターを降り扉を開けると・・・ワインセラーがありますDRCはもとより超有名オールドヴィンテージワインが揃っていますカウンター席奥には狭いながらもテーブル席がある窓の外には、暗闇を照らすロウソクのような京都タワーが見えますグラスワインといえども、そこそこのヴィンテージワインが出てきます本日のグラスワイン本日のグラスワイン

ワインリストは圧巻ですこんな高額なワインもあります知る人ぞ知る、こんなレアワインもあります

お好み焼き 吉野

 食べログ京都のお好み焼き部門で、常にトップを争う人気店。店は大和大路通沿いの三十三間堂・南裏の分かりにくいところにある。しかも、そこからさらに小路を入った奥にあるため、通り沿いに看板が置かれていなければ全く分からないほど。小路には冷蔵庫を含むいろいろな物が雑然と置かれているため、待つのが大変なくらい狭い。
 店内は右手前にカウンター席、右奥と左側にテーブル席が5つある。お母さんと息子さんらしき方が、テキパキとオーダーをこなして行く。先ずは生ビールを注文し、セルフサービスのおでんを頂く。おでんはごく普通のおでんで、特にお勧めではない。
 今回は食べログの投稿内容を読んで良さそうだった「ホソ焼き」、「スジ焼き」、「焼きそば・上ミノ」、「(お好み焼きの)豚玉+油かす(牛の腸を揚げたもの)トッピング」の計4品を注文。「ホソ焼き」と「スジ焼き」は混ぜて一緒に焼いて頂いたが、ホソもスジも、ジンギスカンのタレのようなものにつけて食べる。「ホソ焼き」は、臭みもなくフワフワトロトロで美味しく、これはお勧め。「スジ焼き」は、煮込みが不十分なせいか硬くてお勧めできない。実は、僕はこの店の美味しさはソースにあると思う。ソースは甘口と辛口があり、甘口でも通常のソースよりも辛め。辛口はいわゆるドロソースで、インパクトのある官能的な辛さだ。もちろん、焼きそばもこのソースによってスパイシーな味付けとなっている。麵は低加水の細麺を使用しており、麵は食感的には微妙である。「上ミノ」はホルモン特有の臭みがあり、お勧めできない。この店のお好み焼きは広島と同じ薄焼き。常連客はそれに「そば」か「うどん」をトッピングしている。薄焼きにしては外がカリッと中がフンワリとした食感であるが、焼きムラがあったり厚さが一定でないなど、焼き方はスキルが低くかなり雑である。焼き上がるとテーブルの鉄板に運ばれてくるので、自分で好みのソースと青のり、魚粉をかけて頂く。ちなみに、マヨネーズは置いていない。
 今回は平日の開店少し前に到着したため、すんなりと入れたが、店を出た12時前頃には、店の前にはかなり長い行列ができていた。僕的には京都の平均的お好み焼き店よりもちょっと良いくらいのレベルに思えるので、何故こんなに人気があるのかは不明である。いずれにせよ、出かけるときには11時少し前までに到着することをお勧めしたい。(2015年1月追加)

東山区大和大路通り塩小路下ル上池田町546  
電話番号:075-551-2026
定休日:月曜と火曜
営業時間:11時~20時半
予算:ホソ焼き900円、豚玉700円(そば入り・小850円)
アクセス:京阪本線・七条駅出入り口1番を出て、マクドナルドの角を右へ。「七條甘春堂」、「料亭わらじや」を過ぎた3つめの交差点を右折し、「三十三間堂」に沿って細くなった大和大路通を進む。さらに、塩小路通を過ぎると、左側に看板が見えるので、その小路を左折する。七条駅から徒歩6分。
最寄りのランドマーク:七条駅、マクドナルド、甘春堂三十三間堂の南裏
最寄りのランドマーク:大和大路通、三十三間堂、塩小路通
お勧めポイント:京都で人気ナンバーワンのお好み焼き店

奥に見えるのが三十三間堂の南側

赤い提灯と看板が見える建物の手前の小路を入る

店の前には冷蔵庫やいろいろな物が置かれていて狭い

小路はこんな感じ

逆からのアングルで見ると冷蔵庫が・・

カウンター席

右側と奥にテーブル席

メニュー

カウンターに置かれたセルフのおでん

運ばれてきた「ホソ焼き」と「スジ焼き」のミックス

肉のような物がスジで脂身みたいのがホソ

タレにつけて頂く

甘口、辛口ソースと魚粉、青のり

「豚玉+油かす(牛の腸を揚げたもの)トッピング」が運ばれてきた時の状態

ソースを塗る

魚粉と青のりをかけて完成

豚玉の断面はキャベツだらけ

物足りないのでさらに辛口ソースをつける

辛口ソースまみれ状態だが、これがクセになる美味しさ

焼きそば上ミノ

鉄板食堂 ことら

 店内に入ると、まず坊主頭の店主が笑顔で迎えてくれた。シェフはフレンチとイタリアンの修行経験があるにも関わらず、人見知りと言うことで、それを克服するために敢えてカウンター席を作ったという。しかしながら、既にそれは克服したように思える。
 この店の特徴は、京都の地ソースである「ツバメソース」にこだわっていることと、焼きそばに茹でたての麵を使用していることである。なので、僕の一押しは焼きそば。中太ストレートの麵は茹でたてなので、モチモチと言おうか、どこかしら「富士宮焼きそば」と通じる独特のコシがある。今回は「すじ煮込み焼きそば」を注文したが、店のお勧めは、ホルモンやハラミが入った「スタミナ焼きそば」。ソースは僕的には甘めで、これでもう少しソースが辛口ならば完璧になると思う。ちなみに、焼きそばはこの他に、「海鮮塩焼きそば」や「ホルモン焼きそば」などいろいろある。
 ビールのお供に注文した「ホルモン焼き」は、いわゆる脂のタップリと付いた小腸のことで、京都で言うホソ焼き。モヤシには火が通っているものの、キャベツと九条ネギには火が通っていない。しっかりとした味付けがされているのも京都らしく、悪くない。また、九条ネギがタップリと入った「ねぎ焼き」は、兵庫のものに比べると少し厚めで、中がトロッとしている。これは醤油とレモンでサッパリと頂きたい。この他に「牛ハラミのガーリック醤油焼」や「九条ネギと豚トロの柚子こしょう炒め」、「赤バクダン」、「鶏皮のカリカリ焼き」などの魅力的なメニューがいろいろとあったが、この日は2軒目の取材であったので、これにて終了となった。(2015年1月追加)

東山区祇園町南側529-1 祇園ケントビル 1F  
電話番号:075-525-4050
定休日:月曜、第1日曜
営業時間:18時~翌2時半
予算:牛すじ焼きそば800円、スタミナ焼きそば1250円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座を過ぎ、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)過ぎて進むと正面に八坂神社が見えるので、ローソンの角を東大路通に右折する。すぐ右側に「旅館東山ホテル」が見えるが、その手前にある。阪急河原町駅より徒歩10分 
最寄りのランドマーク:八坂神社、旅館東山ホテル、東大路通
お勧めポイント:モチモチの釜揚げ麵を使った焼きそばが美味しい

カウンター席

テーブル席

焼きそばのメニュー

カウンター席の前にはテレビがあるので、1人飯には退屈しない

「ホルモン焼き」を焼いているところ

「すじ煮込み焼きそば」。焼きそばには目玉焼きはのっている

目玉焼きの黄味を混ぜて頂く

「ねぎ焼き」はフックラと厚め。お勧めは醤油味

祇園ねぎ焼 かな 東店

 祇園東大路通沿いにある古くてマニアックなお好み焼き店。外から眺めると入口と思しき扉が3つあるが、そのうち2枚は本当の入口であり、残り1つの扉は何と調理場の扉である。というのも、建物の構造自体が細長くて狭いため、カウンター席の後ろを通るのが大変で、近くにある外の扉から入った方が便利だからである。カウンター内ではおばちゃんがテキパキとオーダーをこなしてしていく。左奥の調理場にはもう1人女性店員がおり、具材の下準備をしていた。
 この店は一応関西風の鉄板焼き店なので、まずはビールを飲みながら鉄板焼きを頂き、そして締めにお好み焼きや焼きそばを食べるのがお勧めである。鉄板焼きの具材はいろいろあるが、「とん平」、「豚キムチ」、「セセリ」、「砂ズリ」などがいい。この店の鉄板焼きは、関西のこの種の店にしては意外と薄味だ。
 お好み焼きは「ねぎ焼き」、「ベタ焼き」、「お好み焼き」の3種類がある。「ねぎ焼き」と「ベタ焼き」は、いわゆる広島風の“薄焼き”のことで、両者の差はメインの具材がネギかキャベツかだけの違い。「お好み焼き」は、いわゆる大阪風の“厚焼き”のことで、フックラしてるかと思いきや、キャベツが大量に入ったごく普通のお好み焼きだったので、お勧めというほどではない。なので僕のお勧めは、あくまでも「ねぎ焼き」と「ベタ焼き」である。具材は「牛」、「豚」、「スジ」、「エビ」、「カキ」、「ちくわ」などがあるが、「ねぎ焼き」には「スジ」が、「ベタ焼き」には「豚」か「ミックス」がベストだと思う。さらに、中太麵を使った「焼きそば」も結構美味しく、これもお勧めである。
 ちなみに、この店は昼から深夜までの通し営業なので、日中の中途半端な時間帯や夜遅く京都に到着したときには非常に重宝するB級グルメ店である。(2015年1月追加)

東山区東大路安井北門通月見町  
電話番号:075-561-4529
定休日:月曜
営業時間:12時~翌4時
予算:ねぎ焼き・スジ900円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座を過ぎ、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)過ぎて進むと正面に八坂神社が見えるので、ローソンの角を東大路通に右折する。「かに家」を過ぎて進むと右側にある。阪急河原町駅より徒歩10分 
最寄りのランドマーク:八坂神社、かに家京都店、東大路通、東山安井交差点
お勧めポイント:深夜まで鉄板焼きとお好み焼きが食べられるB級店

暖簾が2つ見えるが、この他に左側にも調理場へ繋がる扉がある

L字型のカウンター席

メニューは壁一面に

かきの鉄板焼きはモヤシと共に

豚キムチ

セセリ

「特製だし巻き」を作ってもらう

完成

「特製だし巻き」の断面

すじ焼き

とん平

砂ズリ

ねぎ焼き・スジ(手前)とお好み焼き・豚(奥)を焼いているところ

ねぎ焼き・スジ

お好み焼き・豚

名前を忘れたが、とろろ焼きのようもの

焼きそば・ミックス

祇をん う

 ミシュランガイド関西2014で1つ星を獲得した祇園の鰻店。店は花見小路の1本裏通りの祇園の町家街にある。この店は関西風ではなく、実は関東風の蒸した鰻の蒲焼きを出す。戸を開けると、調理場のある1階の入り口奥にもテーブル席があるが、メインはあくまでも2階の座敷。この店の名物は大きな木桶の中に数匹の鰻が敷き詰められた「う桶(3〜5人前)」であるが、今回の取材は僕1人だったため、「鰻丼(きも吸い付)」を注文することに。鰻丼には「松」と「竹」の2種類があるが、折角なので高い方の「鰻丼(松)」と「うざく」を注文。周りを見てみると、ほとんどの客はビールや冷酒と一緒にフワフワで熱々の「う巻」や「だし巻」を食している。
 まず出てきた「うざく」は、酢の当たりが柔らかく、キュウリやミョウガ、海藻麵の食感も良かった。肝心の「鰻丼」の鰻はかなり小振りな鰻を使用している。焼き方は焦げ目が少なくスキルは高そうだ。また、鰻は全く泥臭さのない良質な鰻で、タレも甘みが少なくスッキリとしていい。フックラとした東京の一流店で食べる鰻の蒲焼きには及ばないものの、関西で食べる関東風の鰻の蒲焼きとしては決して悪くないと思う。(2014年8月追加)

東区祇園町南側570-120  
電話番号:075-551-9966
定休日:月曜(祝日の場合は翌日)
営業時間:11時半〜14時、17時〜20時
予算:う桶(3人前10000円、4人前13500円、5人前16380円)、鰻丼(竹)3250円、(松)4250円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座の前を過ぎて進むと、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)が見えるので、その角を右折。100mほど進むと左側に「旅館・菊梅」と「京料理・西坂」見えるので、その前の道を右折する。すぐに「廣東料理・翠雲苑」が見えるので角を左折して進むと左側に見える。阪急河原町駅より徒歩6分。

最寄りのランドマーク:祇園花見小路、お茶屋一力亭
お勧めポイント:京都で頂ける美味しい関東風の鰻の蒲焼き

お品書き

1階のテーブル席

2階の座敷

うざく(鰻ざく)

鰻丼(松)

鰻丼(松)のアップ

きも吸い

香の物

  

権兵衛

 八坂神社近くの親子丼で有名な 「ひさご(→ 京都グルメバイブル・親子丼の頁を参照)」 と同様、親子丼の専門店ではなく、普通の街の蕎麦屋である。しかしながら、この店の親子丼が滅法旨いのである。店内は、入り口に目新しいテーブル席が、奥の方は風情のある小上がりとなっている。小上がりは基本4名掛けのテーブルなので、混み合う場合には相席となることを覚悟しなければならない。5年ぶりにこの店の親子丼を食してみたが、やっぱり美味しい。2006年度版に比べると、150円も値上がりしていて、観光地価格なのか?親子丼としては破格の値段である。
 この店の親子丼は山椒がかかった京風の親子丼で、蕎麦屋らしく出汁が効いている。このため、見た目は通常の親子丼よりもやや茶色い色をしている。甘さが抑えめで、出汁の深みに山椒の香りが加わることで、それほどお腹が空いていなくてもスルスルと入ってしまう。使用している鶏は特に銘柄鶏ではないとのことだが、“丹波の赤鶏”の様な弾力と香りがして、鶏も申し分のない美味しさである。加えて、卵の火の通し方もトロトロで、卵の食感、出汁の深み、鶏の旨味と弾力、3拍子全て揃った親子丼で、日本トップレベルの親子丼であることは間違いない。(2014年1月更新)

東山区祇園町北側254   
電話番号:075-561-3350
定休日:木曜
営業時間:12時〜20時
予算:親子丼1450円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。「京都四條南座」、縄手通(大和大路通)を過ぎ、次の角の小路を左折するとすぐ左側。阪急河原町駅より徒歩5分。
最寄りのランドマーク:京都四條南座
お勧めポイント:出汁の効いたトロトロの京風親子丼が味わえる

ひさご

 八坂神社近くにある蕎麦屋であるが、この店の名物は蕎麦ではなく親子丼。開店前から店の前には行列ができ、日曜日のこの日も30分くらい並んでからの入店となった。2006年の京都グルメバイブル取材時とは見違えるほど綺麗になった店内は、天井が高くとても清潔感がある。他の京都B級グルメ人気店と同様、この店も基本は相席である。僕は 「菊乃井(→ 京都グルメバイブル・日本料理店の頁を参照)」 の店主・村田さんの著書でこの店のことを知って訪れて以来、この店の親子丼が大好物となった。
 この店の親子丼は通常のものとは全く異なる。通常の親子丼は1杯ずつ小さな平鍋で作られるが、この店の親子丼は5人分なら5人分一度に深鍋で作られるのである。なので、ザックリと言えば、玉子がフワフワの“玉子とじ”のような“つゆだく”の親子丼なのである。この京都らしいハンナリとしたダシの効いた“つゆだく”の玉子には、予め山椒がかけられて出される。注文時にかけても良いかどうか聞かれるので、心配ならかけないで出してもらい、後でテーブルの山椒をお好みでかけてもいい。親子丼に山椒という組み合わせは、最初は馴染めなくても徐々に慣れて病みつきになるので、是非かけて食べることをお勧めしたい。また、親子丼には丹波の赤鶏のモモ肉が使用されているが、これがとても濃厚でコクがある。(2014年3月更新)

東山区下河原通八坂鳥居前下ル下河原町484   
電話番号:075-561-2109
定休日:月曜(祝日の場合は翌日が休み)
営業時間:11時半~19時半
予算:親子丼980円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座を過ぎ、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)過ぎて進むと正面に八坂神社が見えるので、八坂神社側へ信号を渡る。更に右に進み、最初の角を左折すると南楼門前に出るので右折する。「京ばん」、「京菓匠 栗阿彌」、「浜作 本店」を過ぎて進むと左側にある。阪急河原町駅より徒歩12分。 
最寄りのランドマーク:お茶屋一力亭、八坂神社、浜作 本店
お勧めポイント:京都ならではの玉子とじのような親子丼

泉門天

 京都に来て、いつも深夜に食べたくなるのが、祇園にある「泉門天」の焼き餃子。「京都グルメバイブル2015」を作成した時には、残念ながら閉店してしまっていたが、その後復活したと聞きつけての再訪。
 店内に入ると、以前と変わらず右側にカウンター席があり、左奥にテーブル席があった。果たして、焼いていた高齢の店員も以前と同じであった。まずは、生ビールと餃子20個、胡瓜の浅漬けを注文。餃子は通常の「餃子」とサッパリとしたシソ入りの「しそ餃子」があるが、お勧めはあくまでも「餃子」である。 
 この店の「餃子」は、大阪の「点天」や「天平」と似た平べったい一口餃子。片面がカリッと焼かれており、このクリスピーさがビールと良く合う。餡にはニンニクを使用しておらず、ニラの風味がアクセントになっている。「点天」や「天平」に比べると、よりジューシーで野菜の甘みとコクがあり、飲んで食べた後でも思わず食べたくなるのだ。冷凍で全国発送もしてもらえるので、興味のある方は是非一度食べてみては。(2016年12月追加)
http://www.g-food.co.jp/senmonten/

東山区花見小路新橋下ル東側 竹会館1階  
電話番号:075-532-0820
定休日:日曜・祝日(お盆・年末年始も)
営業時間:18時~翌2時、【金曜・土曜・祝日前】18時~翌3時
予算:餃子(10個)530円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座の前を過ぎて進むと、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)が見えるので、その交差点を左折。100mほど進むと右側に見える。阪急河原町駅より徒歩5分
最寄りのランドマーク:祇園花見小路、お茶屋一力亭
お勧めポイント:飲んで食べた後でも思わず食べたくなるクリスピー餃子

このビルの1階ですココです奥のテーブル席から入口側のカウンター席を眺めたところカウンター奥では、熟練の店員が以前と変わらず餃子を焼いていたメニューはこれだけタレはラー油、酢、醤油を自分好みにブレンドする「餃子」片面がパリッとクリスピーに焼き上がっているほとんど見て目は変わらないが、こちらは「しそ餃子」 

ぎょうざ 歩兵

 僕の行きつけだった祇園花見小路の「泉門天」が2014年10月をもって閉店したため、飲んだ後に行けるような餃子店がないかと捜していたところ、この店を発見。意外なことに、かつての「泉門天」と目と鼻の先にある。店は町家を改造しているが、店内は全くそれを感じさせない今風の造りである。L字型のカウンター席の他、手前にテーブル席が2つだけと非常に狭い。
 先ずは生ビールを注文し、アテに「肉味噌もやし」と「壺きゅうり」、「ポテトサラダ」を注文。「肉味噌もやし」は茹でモヤシにピリ辛の肉味噌をタップリとかけたもので、これは美味しい。「壺きゅうり」は、キュウリをゴマ油と醤油味をサッと和えた中華風のテイストで、これはまあまあ美味しい。「ポテトサラダ」は、生のタマネギが多すぎで微妙。
 餃子はニラ入り餃子である「ぎょうざ」と、生姜テイストの「生姜ぎょうざ」の2種類。「泉門天」の餃子は、大阪のひとくち餃子「点天」と同じ薄いタイプの餃子で、皮をしっかりと焼いたクリスピーな食感が信条である。これに対し、この店の餃子は同じ一口餃子とは言っても、通常の餃子の一口タイプで、博多の鉄鍋餃子に近い感じだ。通常の「ぎょうざ」はラー油入りの酢醤油で頂くが、「生姜ぎょうざ」は味噌ダレで頂く。両方とも食べて比べてみたが、「ぎょうざ」の方が「泉門天」の餡に近く美味しいので、お勧めである。近くにあった「泉門天」を意識しているわけではないと思うが、この店の餃子も相当カリッとしていてクリスピーだ。薄皮でかつ片面だけをカリッと焼いているだけに、クリスピーさが際立つ。繁華街の祇園で夜遅くまで営業しているので、2軒目や3軒目の店としてもいい。(2014年11月追加)

東山区清本町373-3  
電話番号:075-533-7133
定休日:日曜・祝日
営業時間:18時~翌3時
予算:ぎょうざ420円、肉味噌もやし420円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。「京都四條南座」、大和大路通(縄手通)を過ぎ、次の角の小路(切り通し)を左折し、一つ目の交差点の右角にある。阪急河原町駅より徒歩5分。
最寄りのランドマーク:京都四條南座、大和大路通(縄手通)
お勧めポイント:深夜までやっているカリッカリの一口餃子

外国人もOKのようです

確かに、メニューに英語表記もあります

カウンター席には生姜が高く積まれています

ポテトサラダにはハムと生タマネギが入っていて、ブラックペッパーがかかっています

「壺きゅうり」は、キュウリをゴマ油と醤油味をサッと和えた中華風のテイスト

肉味噌もやし」は茹でモヤシにピリ辛の肉味噌をタップリとかけたもので、これは美味しい

酢、醤油、ラー油

手前がニラ入り餃子である「ぎょうざ」。 奥が生姜テイストの「生姜ぎょうざ」。タレはラー油入りの酢醤油と味噌ダレ

ル・ピックアシエット Le pique-assiette

 妙法院の近くのマンション1階にある小さなフレンチの店。店の構造は京都らしく縦長で、調理場を挟むようにテーブル席が配置されている。店内は白を基調としたインテリアで、まるでフランスの街角から抜け出てきたような雰囲気。半オープンキッチンの調理場では、店主と若い料理人が調理を担当し、女性の方がサービスを担当している。
 この店の料理はどちらかと言えば、味もボリュームもしっかりとしたクラッシックタイプの本格的なフレンチである。この日食べた骨付きの「鶉のカツレツ」は実に美味しく、鶉の香りとソースが絶妙なハーモニーを奏でていた。なので、この店のスペシャリティはジビエのようで、シーズンになると雷鳥や山シギ、雌雉などが入荷するという。また、デザートに頂いた「ココナッツミルクのブランマンジェ」も良かったが、さらに、そこに添えられた「塩キャラメルのジェラート」は出される直前に作られているため、とても滑らかで最高の出来であった。
 ちなみに、この店ではワインを1本3000円で持ち込めるので良いワインであれば持ち込んだ方がお得だ。また、クレジットカードは使えないのでくれぐれもご注意を。(2014年10月追加)
http://le-pique-assiette.com

東山区渋谷通東大路東入下馬町491 アースコート清水1階  
電話番号:075-531-9850
定休日:火曜
営業時間:11時半〜14時、17時半〜20時半
予算:【ランチ】2000円、2800円、4500円、【ディナー】4500円、6500円、8800円、11000円(シェフお任せの特別コース)
アクセス:京阪電鉄・七条駅2番出口を出て、「マクドナルド」の角を右折して七条通を進む。「七条甘春堂」、「料亭わらじや」、「京都国立博物館」を過ぎ、「東山七条交差点」を左折して東大路通を進む。「妙法院」を過ぎた「馬町交差点」を右折し、200mほど進むと「下馬町郵便局」があるので、その隣。七条駅から徒歩15分。
最寄りのランドマーク:京都国立博物館、妙法院、下馬町郵便局
お勧めポイント:ランチのコスパが良い本格派フレンチ

  • 郵便局の右の細長いマンションの1階にあります

マッシュルームのスープ

「前菜の盛り合わせ」。右手前から時計回りに、エスカルゴのガーリックバター(撮る前に食べてしまいました)、タマネギのタルト、田舎風パテ、豚のリエット・パン添え、ツブ貝のオレガノ・レッドペッパー風味、ブータンノワール、オリーブのパン

トマトのムースとジュレ・コンソメゼリーと生ウニ添え

鶉(うずら)のカツレツ

ココナッツミルクのブランマンジェ・塩キャラメルのジェラート添え

コーヒー

匠 奥村

 祇園花見小路の 「ぎおん徳屋(→ 京都グルメバイブル・スイーツの頁を参照)」 の東側の小路を入ったところにある京風フレンチの店。外観は全くの京都の町家で、しかも暖簾が掛かっていないため、注意しなければ通り過ぎてしまう。この店は奥村グループのフラッグシップ店であり、この店の他に、一乗寺にある本店「西洋御膳おくむら」、そして同じ祇園にある 「祇園おくむら(→ 京都グルメバイブル・フレンチの頁を参照)」 、さらに、デザートに特化した「ル パティシエ オクムラ」やパンを製造販売する「ORENO PAN okumura」などもグループ店である。 「祇園おくむら 」 がカウンター席しかない割烹スタイルなのに対し、こちらの店は個室や座敷などがある。玄関で靴を脱いで上がり、階段の横を通って奥に進むと、箱庭が見え、ゆったりとしたカウンター席がある。また、入り口側には掘りごたつの個室があり、2階には座敷や床のテーブル席、掘りごたつ席がある。カウンター席は 「HANA吉兆(→ 京都グルメバイブル・日本料理店の頁を参照)」 のような日本の美を意識したインテリアで、僅か6席だけとこぢんまりとしている。
 奥村グループの料理はどの店も基本的に少量多皿で、まさに日本料理を意識した京風フレンチである。八寸からスタートし、酢の物、椀、石焼き、締めのご飯などは、まさに日本料理そのもの。どこまでがフレンチで、どこまでが日本料理なのかと考えせられる京都ならではのフュージョン料理なのである。なので、本格的なフレンチを期待して行くと、少しガッカリするかもしれないが、こういうジャンルの料理と割り切って行くと案外面白い。
 コースの最後を飾る黒毛和牛のステーキとビーフカレー以外は基本的に魚介料理であり、どれも和食のようにサッパリとしていてソースも軽め。こちらの店の方が「祇園おくむら」に比べると、塩味がぶれておらず良かった。パンは「祇園おくむら」より1種類少ない4種類の中から選べ、「ガーリックパン」などのソフト系パンが美味しい。前述のように、どのコースにも最後の締めに黒毛和牛のステーキとご飯が付く。肉はロースかヒレのどちらかを選べるが、お勧めはヒレである。「祇園おくむら」の肉に比べるとエイジングビーフのような深みがあり、美味しかった。しかし、タレは「ポン酢」しかなく、薬味はワサビと辛子、そして塩が添えられている。締めのご飯は「白米」と「一口ビーフカレー」から選べるが、ほとんどの客は「一口ビーフカレー」を選ぶ。また、デザートは6〜7種類くらいあるが、好きなものを選んでも全てを少しずつという選択でも良い。僕は焼き菓子以外の全てをチョイスしたら、写真の様にさらに抹茶のアイスクリームも添えられてきた。(2014年5月追加)

東区祇園町南側570-6  
電話番号:075-541-2205
定休日:火曜
営業時間:12時〜13時半、17時半〜21時
予算:【ランチ】6500円、9500円、13000円、15000円、【ディナー】15000円、20000円、25000円、30000円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座の前を過ぎて進むと、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)が見えるので、その角を右折。花見小路を100mほど進むと左側に「ぎおん徳屋」が見えるのでその角を左折すると最初の左角にある。阪急河原町駅より徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:祇園花見小路、お茶屋一力亭
お勧めポイント:京風フレンチ・奥村グループのフラッグシップ店

八寸

4種類のパンをお好きなだけどうぞ

祇園おくむら

 町家をリノベーションしたフレンチの店。この店の本店は一乗寺にある「西洋御膳おくむら」であるが、支店はこの店の他に祇園にもう一軒 「匠 奥村(→ 京都グルメバイブル・フレンチの頁を参照)」 がある。「匠 奥村」がグループのフラッグシップ店であり、「西洋御膳おくむら」、「祇園おくむら」の順でコースの値段が安くなっている。この他、デザートに特化した「ル パティシエ オクムラ」やパンを製造販売する「ORENO PAN okumura」などもグループ店である。この店は個室やテーブル席などがなく、1階と2階にそれぞれにオープンキッチンのカウンター席がある割烹スタイル。
 奥村グループの料理は基本的に少量多皿で、まさに日本料理を意識したフレンチ。八寸や酢の物、椀、石焼き、締めのご飯などの一皿は、まさに日本料理そのもの。どこまでがフレンチなのか?日本料理なのか?と考えせられる京都ならではのフュージョン料理なのである。なので、この種のフレンチ店に本格的なフレンチを期待して行くと、多少ガッカリするかもしれない。こういうジャンルの料理と考えて行くのがベターなのである。
 コース料理は最後の黒毛和牛のステーキ以外は基本的に魚介料理である。2006年当時と比べると料理はどれもサッパリとした薄味となり、味が多少ぼやけてしまっているため、今回は評価を一段階下げた。この店に比べると、フラッグシップ店である「匠 奥村」の方が塩味がビシッとして良かった。パンは5種類の中から選べ、「柚子のブリオッシュ」や「ガーリックパン」などのソフト系パンが美味しかった。前述のように、どのコースにも最後の締めに黒毛和牛のステーキとご飯が付く。肉はロースかヒレのどちらかを選べるが、もちろんお勧めはヒレである。そのまま食べても、添えられたタレをつけてもどちらでもお好みで・・・と告げられるが、やはりタレにつけて食べた方が美味しい。タレは「ポン酢」と「ピーナッツバターガーリック風味タレ」の2種あり、どちらも美味しいが「ピーナッツバターガーリック風味タレ」の方がお勧め。締めのご飯は「白米」と「一口ビーフカレー」から選べるが、ほとんどの客は「一口ビーフカレー」を選ぶようだ。また、デザートは6〜7種類くらいあるが、好きなものを選んでも全てを少しずつという選択でも良い。もちろん、僕は全てをチョイスした。
 この店はディナーよりもランチで食べた方がコスパが良く、満足度も高い。ちなみに、この日はディナーの10000円を頂いたが、13000円以上のコースにはフォアグラが付き、15000円以上ではさらに素材の質がアップするそうだ。(2014年5月更新)

住所:東山区祇園町北側255    
電話番号:050-5872-3836(予約専用)、075-533-2205(お問い合わせ専用番号)
定休日:火曜
営業時間:12時〜13時半、17時半〜21時
予算:【ランチ】5000円、7500円、9500円、12000円、【ディナー】10000円、13000円、15000円、20000円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。「京都四條南座」、大和大路通(縄手通)を過ぎ、次の角の小路を左折するとすぐ右側。阪急河原町駅より徒歩5分。

最寄りのランドマーク:京都四條南座
お勧めポイント:割烹スタイルの町家で頂ける京風フレンチ

イル ギオットーネ 京都本店

 京都東山「八坂の塔」のすぐ横にある有名イタリアン。オーナーシェフの笹島さんは、この店の他に、東京に「イル ギオットーネ 丸の内(→ 銀座グルメバイブル・イタリアンの頁を参照)」 と、京都市内にカジュアルなバール形式の「バール・トラットリア イル ギオットーネ」をプロデュースしている。
 一軒家の京都本店は、白を基調としたウッディなインテリア。店内には大きめの音量でジャズが流れる。1階のダイニングの両サイドに坪庭が見えるのが実に京都らしい。1階にはテーブル席の他、キッチン前にカウンター席が2席だけある。さらに奥には半個室のテーブル席があり、2階には12名まで対応できる個室もある。壁側の椅子には背もたれがあり、革張りの椅子よりも座り心地が良い。
 かつて世界ナンバーワンと言われたスペインのレストラン「エル・ブジ」以降、世界的にサプライズな料理がトレンドとなっているが、実はこれは料理人が陥りやすい罠なのである。美味しい思う料理の本質は、実はとてもシンプル。「良い素材」、「適切な火の通し方」、「適切な塩味」、この3つに尽きるのである。そういう意味では、この店の料理は多少いじり過ぎのような気がする。例えば、7品目の「栗と白トリュフのリゾット」は、仕上げにパルミジャーノチーズの上で和えたものだが、折角の白トリュフの香りがパルミジャーノチーズの強い香りに隠されてしまっている。この場合、栗と白トリュフを生かすのであれば、パルミジャーノでのパフォーマンスは不要だったのではと思うのである。それとは対照的に、2種類の和牛を使った「和牛の炭火焼き」は、シンプルながら素材の旨味が感じられてとても美味しかった。コース全体でみると、この店の料理はビジュアルも含めてなかなか良く、京都の素材を使った良質のイタリアンとしてお勧めできる。(2014年11月追加)
http://www.ilghiottone.com/home.html

東山区下河原通塔の前下ル八坂上町388-1  
電話番号:075-532-2550
定休日:火曜(変更の場合あり、ホームページか電話で要確認)
営業時間:12時~14時半、18時~21時半
予算:【ランチ】5000円、7500円、【ディナー】10000円
アクセス:阪急河原町駅の出入口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座を過ぎ、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)過ぎて進むと正面に八坂神社が見えるので、八坂神社側へ信号を渡る。東大路通を更に右(南方向)に進み、「ホテル サンライン」、「フレスコ 東山安井店」を過ぎた次の信号を左折して八坂通を上る。八坂の塔に向かって上り、八坂の塔に突き当たったらすぐ左奥にある。阪急河原町駅より徒歩15分。 
最寄りのランドマーク:八坂神社、八坂通、八坂の塔
お勧めポイント:京都の素材を使用した笹島シェフ独自のイタリアンが味わえる

ガラスの扉

ガラスの扉を開けると、ワインセラーと奥にもう一つ扉が

奥の扉を開けるとダイニング

ダイニングの両脇には坪庭がある

先ず出てきたのは煎茶とグリッシーニ(刺さっているポッキーみたいもの)

1品目の「焦げちゃった、アワビ」は炭の衣をまとったアワビと肝、マイタケの揚げ物

2品目は「塩水雲丹のコルネ」。ウニの手巻き寿司をイメージしたもので、中はご飯で海苔に相当する外側の部分は春巻きの皮のようにパリパリ

木の保温箱

中にはには2種類のパンが

皿に取り出したところ

3品目の「赤貝と黒イチジク」は、金木犀のジュレにキャビアが

4品目は「ウナギとポルチーニ茸のスモーク」。フレッシュポルチーニ茸と琵琶湖産天然鰻を使用

5品目は「伝助穴子のカルパッチョ 梨とウィキョウ」。辛味大根とザクロ、酒、グレープフルーツなどが入り、味は複雑

6品目は「サンマと松茸のスパゲティ」。スダチの皮が入り、サンマの肝が入っているのでほろ苦い

パルミジャーノチーズの窪みに栗のリゾットが入っている

それを客の前でかき混ぜるというパフォーマンスが

さらに白トリュフをスライスしてかけます

仕上がりはこんな具合

8品目は「和牛の炭火焼き」、「ビュルゴー鴨の炭火焼き」、「仔羊の炭火焼き」の中から1品を選ぶ。「和牛の炭火焼き」をチョイス。土佐の赤牛と信州牛の炭火焼きの他、、キクラゲ、フルーツほおずき、銀杏、肉詰め椎茸が

土佐の赤牛と信州牛の炭火焼きのアップ

キクラゲをどけると

肉詰め椎茸が出現

デザートメニュー

ヘーゼルナッツのティラミス

エスプレッソと小菓子

リストランテ 245 祇園

 祇園にあるカウンター席メインのイタリア料理店。入り口を抜けると、床が透明になっており、地下のワインセラーが見える。手前にはなだらかなL字型のカウンター席があり、奥にはMax6名までの個室がある。カウンター席の中はオープンキッチンとなっており、中ではシェフともう1人の料理人がテキパキと料理を作ってゆく。サービス専門の方はいないが、その分値段設定は低めとなっている。夜のコースは1コースのおまかせコースのみでほぼ同時スタートとなるため、入店時間には制限がある。今回はこのディナーコースを頂くことに。
 この店の料理は、本格的なイタリアンと言うよりは、シェフオリジナルの京風創作イタリアンと言った方が正しいのかもしれない。料理は京風フレンチの様な小ポーションの多皿料理で、特に印象に残ったのは温野菜と焼き黒ニンニクペーストを使ったサラダである。このサラダは京野菜が中心であるが、島根県のシェフの実家から送られてきた野菜も含まれているという。この野菜の火の通し方が実に良く、野菜の美味しさを再認識させてくれる逸品だ。また、この店のシェフはジビエ料理が得意らしく、この日のコースの締めは何と「ツキノワグマの煮込みをのせた丼ぶり」であった。このツキノワグマの脂がトロッとしていて甘く、とても素晴らしかった。
 それにしても、料理の説明も含めてシェフは本当に良くしゃべる。特に、料理について語り出すと止まらず、本当に料理が好きなんだなあということが伝わってくる。(2014年1月追加)

東山区知恩院新門前大和大路東入二丁目中之町245-1  
電話番号:075-533-8245
定休日:火曜
営業時間:12時〜14時、18時〜21時
予算:【ランチ】3675円、6300円【ディナー】10500円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面へ進む。「京都四條南座」の前を過ぎて進むと、角に朱色の壁の大きな建物「お茶屋一力亭(花見小路沿い)」 の交差点が見えるので、その信号を左折する。2つ目の信号を過ぎ、「金光教教会」の角を右折するとすぐ左側。阪急河原町駅より徒歩7分。
最寄りのランドマーク:お茶屋一力亭、花見小路
お勧めポイント:サプライズ性もある京風創作イタリアン

リストランテ ディ カチャトーリ
   RISTORANTE DEI CACCIATORI

 大和大路通にあるテーブル席4つだけの小さなイタリアン。店は1階であるが1段高いところにあるため、階段を上って店内に入る。中は狭いながらも、白を基調とした落ち着いた雰囲気。 
 席に着くと店主が挨拶に来て、苦手な食材を尋ねる。実はこの店にはアラカルトメニューがなく、金曜~日曜限定のランチタイムは1コース、ディナータイムは2コースのお任せなのである。今回はランチタイムの4000円のコースを頂く。サービスの方はいるにはいるが、まだ修行中のようで、全ての料理は基本的に店主が料理の説明をしてくれる。その説明はとても丁寧で、料理の技法だけでなくその背景についても話してくれる。また、店主は非常に勉強熱心なようで、通常のイタリア料理店では食べられないような地方料理や古典的技法を使った料理も作る。料理は塩加減が絶妙で、火の通し方もいい。特に、パンとデザート以外は文句のつけようがないくらい美味しい。コスパも良く、ホスピタリティを感じるとても良い店だ。 
 ちなみに、この店は予約制であり、料理はシェフが1人で行っているので、もしも満員になると食べ終えるまでに時間がかかるかも知れない。(2014年1月)

東山区大和大路四条上ル常盤町158-2 紅屋ビル1階  
電話番号:075-551-7457
定休日:月曜(祝日の場合には営業)
営業時間:12時~15時(金、土、日のみ)、18時~21時
予算:【ランチ】4000円、【ディナー】6000円と9000円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。「京都四條南座」を過ぎた次の信号を左折し、縄手通(大和大路通)を進む。「壱錢洋食」を過ぎ、「京都祇園郵便局」の並びのビル。阪急河原町駅より徒歩5分。
最寄りのランドマーク:京都四條南座、京都祇園郵便局
お勧めポイント:繊細かつマニアックなイタリア料理が味わえる

キメラ

 八坂神社南側にある町屋を改築したイタリアン。1階にはグランドピアノを備えたウェイティングスペースとワインセラーが、そして8名まで収容できる個室がある。個室には窓がないのでそれほど快適でとは言えないが、この個室を利用すれば子供連れでもOKなのがいい(個室料は無料)。階段を使って2階に上がると、そこには調理場と4名席が4つ、2名席が4つのメインダイニングがある。明るい白壁の店内は、天井が高く太い木の梁が印象的。これは「ゴロンボ」と呼ばれ、梁を見せるために吹き抜けにする京都町屋の特徴の1つらしい。とてもダイナミックで、町屋を改築したとは思えない山荘のような雰囲気がいい。 
 料理はどれも味だけでなく、ビジュアル的なセンスもいい。加えて、素材の組み合わせが独創的で、次にどんな料理が出てくるのかワクワクする。筒井シェフは大阪の「ポンテヴェキオ」出身らしいが、僕は「ポンテヴェキオ」で感動したことがなかっただけに、これは彼の実力なのであろう。僕がこれまで食べた京都イタリアンの中ではナンバーワンの店である。唯一デザートだけは普通だったが、エスプレッソは香り高く素晴らしかった。また、サービスも心地よく、また来たい、あるいは誰かを連れてまた来たいと思わせるリストランテである。(2012年8月追

東山区祇園町南側504  
電話:075-525-4466
定休日:水曜
営業時間:12時~14時、18時~21時
予算:ランチ:4000円、8000円、ディナー:10000円、15000円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座を過ぎ、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)過ぎて進むと正面に八坂神社が見えるので、八坂神社側へ信号を渡る。更に右に進み、最初の角を左折すると南楼門前の角にある。阪急河原町駅より徒歩10分。 
最寄りのランドマーク:お茶屋一力亭、八坂神社 
お勧めポイント:京都ナンバーワンのイタリアン

イル・パッパラルド
   IL PAPPALARDO

 かつて、 「イル ギオットーネ 京都本店(→ 京都グルメバイブル・イタリアンの頁を参照)」 の笹島シェフが料理長を務めていた頃に初めて訪れ、とても感動した店である。笹島シェフが独立した後は、新たにピッツェリアとして生まれ変わり、若者向けのカジュアルなイタリアンとなった。別なシェフとなった現在も非常に人気が高く、その美味しさは現在も変わらない。
 この店のピッツァの生地は、東京「SAVOY」のように香りが高くモチモチとしており、京都のナポリ風ピッツァの中ではトップレベルの美味しさ。目移りするような魅力的な料理に加え、パスタも素材が生きていて美味しい。調理法だけでなく、1人客には一皿の量を減らしてくれるなど柔軟に対応してくれるサービスも。例えば、オマール海老のメイン料理がメニューにあった場合、メニューにないオマール海老を使ったトマト味のパスタを頼みたいという要望にも対応してくれる。ちなみに、ランチタイムにはセットメニューがあるが、ディナータイムはアラカルトメニューのみとなっている。(2014年11月更新)
http://www.ilpappalardo.com/

東山区妙法院前側町451-1  
電話番号:075-533-3330
定休日:火曜(不定休あるので要電話確認)
営業時間:11時半~14時半、17時半~21時
予算:【ランチ】1800円、2800円、4000円、【ディナー】マルゲリータ1700円
アクセス:京阪本線・七条駅出入口3を出て、七条通を「マクドナルド」のある東側へ向かう。「七條甘春堂」、「料亭 わらじや」、「京都国立博物館」を過ぎ、「東山七条交差点」を左折してすぐ右折し、「妙法院」と「智積院」の間の坂を上るとすぐ右側。七条駅より徒歩15分
最寄りのランドマーク:京都国立博物館、東山七条交差点、妙法院、智積院
お勧めポイント:モチモチのナポリピッツァとパスタが美味しいカジュアなルイタリアン

テーブル席の奥に薪のピザ釜が見える

ランチの前菜の盛り合わせ

キノコのヴィネガー風味

ラザニア

カボチャのチーズ風味

リエット

白身魚のカルパッチョ

フォカッチャはイマイチ

生地が美味しいマルゲリータ

アマトリチャーナ

イサキと京野菜のグリル

デザートはまあまあ

エスプレッソは香り高く美味しい

いづう

 “鯖寿司”は京都の伝統的料理として広く知られているが、実は2006年のグルメバイブル作成時に、いろいろな有名店で購入したり食べ歩いたことがある。その結果、有名店や専門店と言われる店であればあるほど、酢や塩味がしっかりとしており、まるで古典的な江戸前のコハダ寿司を食べているかのような感覚になる。これは江戸前の技術同様、いわゆる物流の悪かった頃の技術であり、現代ではちょっと締めすぎのような気もするが、これはこれで伝統的な京料理と考えれば納得できるのである。
 しかしながら、締め方を抑えた日本料理店の鯖寿司の方がより美味しいというのが僕の結論であり、例えば、「祇園 にしかわ(→ 京都グルメバイブル・日本料理店の頁を参照)」 の鯖寿司などはその最たるものである。そうは言っても、日本料理店はあくまでも日本料理店であり、コースの一部の鯖寿司だけを食べに行くというわけにはいかない。なので、もしも伝統的な鯖寿司を食べたいと思ったらこの店がお勧めである。
 店内に入ると、左側にテイクアウトや会計をする帳場があり、右側にテーブル席があるが、15名くらい入れば一杯というくらいの広さである。「いづう」の鯖寿司は伝統に裏打ちされたいわゆるクラシックタイプの鯖寿司であるが、これらの店の中では食べやすい方だ。しかも、酢飯も粒がしっかりとしていて美味しい。ガイドブックにでも載っているのか?最近は中国人客が多いようだ。メニューを見ると鯖寿司「鯖姿寿司」だけでなく、「小鯛の雀寿司」や「鱧姿寿司」、「京ちらし寿司」などいろいろある。しかし、やはりお勧めは「鯖姿寿司」。
 出てきた鯖寿司は、かつて食べたものに比べると今回食べた鯖寿司の鯖は小振りで身が薄かったが、これは季節的な影響なのかも知れない。厚めの昆布が巻かれているのでまずは昆布を外し、鯖に塩味がついているので醤油をつけずに食するのが基本である。真丈の入った「お吸い物」を勧められるが、ハッキリ言ってこれはお勧めできない。
 京都大丸にも支店があり、この店もテイクアウトはもちろん、その場で食せるイートインコーナーもある。また、「JR京都伊勢丹」や「京都タカシマヤ」などの地下食品売り場でも購入ができる。(2014年9月追加)

東山区八坂新地清本町367  
電話番号:075-561-0751
定休日:火曜(祝日を除く)
営業時間:【月曜〜土曜】11時〜22時半、【日曜・祝日】11時〜21時半
予算:鯖姿寿司(1人前・6貫)2430円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。「京都四條南座」、大和大路通(縄手通)を過ぎ、次の角の小路を左折すると右側にある。阪急河原町駅より徒歩5分。
最寄りのランドマーク:京都四條南座、大和大路通(縄手通)
お勧めポイント:京都で最も有名な鯖寿司の店

店員が立っているのが帳場です

テーブル席はこんな感じで狭いです

鯖姿寿司(1人前・6貫)2430円

横断面

昆布を外します

外すとこうなります

お吸い物です

  

中国彩膳 にじょう

 七条の「三十三間堂」近くにある人気の中華料理店。店内はカウンター席の他、4人用テーブル席2つと2人用テーブル席が1つだけとかなり狭い。 また、料理は店主1人で作っており、サービスの女性は1人だけなので、この広さでも多少時間がかかることを覚悟して行ってほしい。
 この店の料理はお任せのコース料理しかなく、もちろんアラカルトメニューはない。もしも、店主の実力を体験したいのなら、是非ディナーコースで味わうことをお勧めしたい。たとえランチタイムでも、予約時にその旨を告げればディナーコースを頂くことができる。
 コース料理は、いろいろな品を食べるには丁度良い少量小皿で供される。料理はどれも塩味や火の通し方が絶妙で、どの品も店主のスキルを感じさせる料理である。また、料理は四川料理から上海料理や広東料理までバラエティーに富んでおり、店主のレパートリーはかなり広そうだ。特に、今回のディナーコースの最後の方に出てきた「海鮮の塩味炒め」や最後を飾る「フカヒレあんかけご飯」、そして「冬瓜のスープ」などは、最近食べた中華料理の中でもピカイチの美味しさであり、店主の食に対する探求心を感じる逸品であった。
 もしも近くに住んでいたら、常連になって他のいろいろな料理を味わってみたい思わせる店である。ちなみに、席数が少ない上に人気店なので、行くなら早めに予約するのがベターである。(2014年6月追加) 

東山区本町7-34  
電話番号:075-531-7738
定休日:月曜(祝日の場合には翌日が休み)
営業時間:12時〜13時半、18時〜21時
予算:【ランチコース】2000円、【ディナーコース】6000円
アクセス:京阪本線・七条駅出入り口1番を出て、マクドナルドの角を右へ。2つ目の交差点(「甘春堂」、「サークルK」あり)を右折し、200mほど進むと右角にある。七条駅から徒歩3分。
最寄りのランドマーク:七条駅、マクドナルド、甘春堂
お勧めポイント:京都では珍しく本格的かつコスパ抜群の中華料理

中華風ヨコワ(本マグロの幼魚)の刺身・海ぶどう添え

クラゲの酢の物

バイ貝の蒸し物

自家製干し肉の蒸し物

北京ダック包餅添え

四川風牛肉とナスの炒め

海鮮の塩味炒め

フカヒレあんかけご飯

冬瓜のスープ

デザート

京星

 「京星」と言えば、銀座のミシュラン3つ星超高額天ぷら店「七丁目 京星」の方が有名であるが、この店も2013年度版ミシュランで2つ星を獲得した名店である。詳細ははっきりと分からないが、この店の女将さんと銀座の「七丁目 京星」と「由松」の店主は兄弟であるという。なので、ルーツが同じ3つ星の「七丁目 京星」もこの店の天ぷらも、基本的にはスタイルが同じなのだ。最大の違いは、「七丁目 京星」の方がよりレア感のある天ぷらであるということくらい。店内はL字型のカウンターが10席のみで、天ぷら店としては比較的狭めである。
 まずは叩いた海老を挟んだ「海老パン」からスタート。中華料理からの発想なのだろうか?中華料理よりも小ぶりであるが、かなり似たような感じだ。その後いろいろな天ぷらが出されるが、才巻エビ(小さな車エビ)の天ぷらがコースの所々に出てくる。この「海老パン」に始まり、才巻エビの天ぷらがコースの間に何回か登場するのが「京星」系のスタイルなのである。また、天つゆはなく、塩とレモン汁で頂く。味の付いた大根おろしも出てくるが、これは寿司店のガリのような口直しと考えて良い。天ぷらは軽く衣の薄い関西系の天ぷら。油を感じさせないので、いくらでも頂ける感じだ。特に京野菜の天ぷらが素晴らしく、生き生きとしていて甘く、野菜の香りも感じられる。店主のオリジナルである「サツマイモの天ぷら」は、ブランデーに浸し、砂糖をつけて食べる。これは意外と美味しい!さらに、女将さんを中心としたサービスも素晴らしく、家庭的でホスピタリティもあり、電話予約の際の対応もいい。ちなみに、この店は完全予約制であり、店内は禁煙であるのでご注意を。(2013年2月追加) 

東山区花見小路末吉町東入ル 双葉ビル1階  
電話番号:075-551-2303
定休日:日曜 
営業時間:18時~22時(完全予約制) 
予算:コース1万円 
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座の前を過ぎて進むと、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)が見える信号があるので、その角を左折。一つ目の信号を右折すると左側に見える。阪急河原町駅より徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:祇園花見小路、お茶屋一力亭 
お勧めポイント:京星スタイルの美味しい天ぷら

三芳(みよし)

 食べログで一躍人気となった祇園にある肉割烹料理店。店内は左側にオープンキッチンのカウンター席が6席、右側に4人用テーブル席が4つある。店主はまだ若干39才と若いが、料理のセンスは抜群。メニューを見ると、最後のステーキの肉によってコースの値段が異なっている。「ロース」だと12000円、「ヒレ」は13000円、「熟成ロース」は14000円、「特選ヒレ(シャトーブリアン)は15000円といった具合。店のお勧めはエイジングビーフである「熟成ロース」。
 料理は肉や脂身、そして抽出したブイヨンなどを上手に使い分けた和洋折衷のもの。使用している和牛やその火の通し方、味付け、どれをとっても申し分ない出来。特に汁物は、ブイヨンの旨味と鰹節など魚介系出汁とのコンビネーションが絶妙。ボリュームや調理法のバラエティさに関しては 「京洛肉料理 いっしん(→ 京都グルメバイブル・肉料理の頁を参照)」 に一歩譲るが、逆にこの店の料理の方が、そのシンプル故にストレートに和牛の美味しさが味わえる。(2014年5月追加)

東山区祇園町南側570-15  
電話番号:050-5868-1886 (予約専用番号)、075-561-2508 (お問い合わせ専用番号)
定休日:日曜(日曜が祝日の場合には営業し、翌月曜日が休み)
営業時間:18時〜22時
予算:コースの価格は文中に記載(別途席料として500円がかかる)
アクセス:地下鉄烏丸線・四条駅、阪急京都線・烏丸駅19番出口あるいは阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。「京都四條南座」、朱色の壁の大きな建物「一力亭」を過ぎ、「アパホテル京都祇園」手前角を右折すると突き当たりにある。四条駅、烏丸駅より徒歩13分。 
最寄りのランドマーク:京都四條南座、一力亭、アパホテル京都祇園
お勧めポイント:和牛の美味しさを堪能できる肉割烹料理店

初めに出された一口コンソメスープ

和牛芯タンの刺身

リブロースの刺身

黄身醤油

黄身醤油とワサビをのせて食する

和牛とタケノコの椀

帆立ご飯と牛肉煮

クチコ(ナマコの卵巣)と芋を牛脂で揚げた物

和牛とホワイトアスパラのジュレトンブリ添え(酢の物)

和牛のしゃぶしゃぶ

ヒレ肉のステーキ

最後のご飯

和牛の昆布巻き

濃茶のシャーベット

京洛肉料理 いっしん

 歴史的背景によるのか京都人の好みなのかは分からないが、京都には鶏肉料理や牛肉料理の店が多い。この店は滋賀県の守山にあった牛肉料理専門店であるが、京都に移転してきて更に人気を博した。現在は祇園の白川疎水からほど近いところにあり、店の通りは京都花見小路のような風情のある茶屋街のよう。紅葉シーズンや花見シーズンの夜に散歩すると雰囲気があっていい。この店は外観こそ町家風であるが、 中はその面影すら感じられないくらい新しくて綺麗である。入り口近くにはカウンター席があり、奥には個室のテーブル席がある。
 昼と夜のコースの違いは、品数の違いと夜のコースの肉は全て“近江牛の雌牛”を使っていること。なので、ちょっと高くても夜のコースがお勧めである。料理は日本料理をベースとしたもので、全ての料理に牛肉が用いられ、さっと火を通したレアの状態か生の状態で供されるものが多い。そのためか、カルビやロース肉を敬遠しがちな年配者の方でもペロっと食べられるくらいサッパリとしている。また、味がしっかりと付いているので、どの料理も分かりやすい味だ。それでいながら、ステーキにスポンジケーキを彷彿させる醤油ムースを添えるなど、所々にサプライズを感じさせる素晴らしい牛肉料理である。グラスワインを注文すると、赤ワインが陶器の茶碗に入れられて出てきた。料理も含めて、これも外国人客受けしそうだ。(2013年2月追加) 

東山区縄手通新橋東入ル 祇園新橋元吉町51  
電話番号:075-531-5311
定休日:月曜(祝日の場合には営業することも) 
営業時間:12時~14時半、18時~22時半 
予算:昼のコース6000円、夜のコース11500円 
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座を過ぎた次の信号を左折し、縄手通を進む。「壱錢洋食」、「祇園かね松」を過ぎて橋を渡り、「鳥新」を過ぎセブンイレブンの角を右折するとすぐ左側。阪急河原町駅より徒歩8分。 
最寄りのランドマーク:京都四條南座、壱錢洋食、鳥新 

祇園 又吉

 祇園にある食べログで人気の日本料理店。実はこの店、ミシュラン2つ星店である。通りから少し入った小路にある店は、L字型のカウンター席が8席のみと小さい。しかしながら、2015年1月には祇園花見小路近くに移転して個室もできる予定という。
 先ずはビールを注文。ビールはサッポロラガーとアサヒのスーパードライの2つ。特に日本酒の品揃えが良く、常時20種類以上、多いときには40種類くらいあり、シャンパンやワインも置いている。コースは16000円と22000円の2コースのみ。料理はどれも吟味された素材を、洗練された味に仕上げられており、「炭屋旅館」と「祇園丸山」出身の店主・又吉さんの円熟した技量を感じる。しかも、コースの中には魚やキノコのフライという遊び心も。器もセンスが良く、舌だけでなく、視覚や嗅覚からも脳を刺激する料理だ。専属のサービス担当がいないのが唯一残念だが、それを差し引いても心に残る素晴らしい料理であった。
 ちなみに、今回は許可を頂いての撮影だったが、通常写真撮影をする場合は、店主に一言許可を取ってほしいとのこと。(2014年11月追加)
東山区祇園町南側523-8(2015年1月移転予定なのでホームページを要確認)
http://www.gion-matayoshi.com/

東山区祇園町南側523-8(2015年1月移転予定なのでホームページを要確認)  
電話番号:075-551-0117
定休日:水曜
営業時間:12時~14時(完全予約制)、18時~21時
予算:【おまかせコース】16000円、22000円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座を過ぎ、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)過ぎて進むと正面に八坂神社が見えるので、ローソンの角を東大路通に右折する。「かに家」の手前の細いT字路を右折し道なりに左に曲がるとすぐ右側にある。阪急河原町駅より徒歩10分 
最寄りのランドマーク:八坂神社、札幌かに家
お勧めポイント:ミシュラン2つ星獲得の実力店

湯葉の餡かけ(梅干しと枝豆を添えて)

紅ズワイガニの黄身酢・酒盗風味(トンブリとミョウガ添え)

イチジクの赤ワイン煮(芥子の実を添えて)

ノドグロ、原木椎茸、栗饅頭のお椀は旨かった!

最初のお造りはクエ(手前右から塩ダレ、醤油、ポン酢)

2つめのお造りはグジ(甘鯛)の昆布〆で、昆布を粉末にしたものが添えられていた

グジとクエの皮の唐揚げ

ハガツオはカラシと醤油で頂く(写真を撮る前にうっかり一切れ食べてしまった)

お凌ぎ(空腹を凌ぐための炭水化物)は、左がゴマと白板昆布を載せた鯖の握り、右がクエの握り

クエの握り

ゴマと白板昆布を載せた鯖の握り

子持ち鮎の山椒煮

グジと髭ダラ、豆腐の炊き合わせ。グジと髭ダラはポン酢で頂く

美しい秋の葉で覆われた八寸

葉をどけると・・・

モロコの炭火焼きはジューシーでフワッと柔らか。ワカサギとは違った味わい

スッポンと九条ネギの煮物

左から真ダラ、原木椎茸、マイタケのフライに熟成ソースを添えて

自家製の熟成ソース

ご飯は土鍋で熱々を炊いてくれる

本来はご飯かニュウメンのいずれかを選ぶのだが、今回は特別に 両方を頂くことに(写真はクエのニュウメン)

長崎県産・赤ウニと卵の黄身を使ったウニご飯は絶品!

デザートの盛り合わせ

抹茶のソルベ

プリンは日本料理店とは思えないくらいトロッと美味しい

石塀小路 豆ちゃ 京都

 開店して13年目を迎えた石塀小路(いしべこうじ)にあるおばんざいの店。実はこの店、広島の会社が経営しているという。町家を改装した建物の玄関でまずは靴を脱ぎ、店内へと入る。入って左側にカウンター席が、2階に4名と6名までの個室がある。カウンター席は間接照明と和紙を駆使したモダンなインテリアで、バーと言われても全く違和感がないほど。コの字型のカウンター席の両側には坪庭が見え、京都らしい雰囲気がいい。
 メニューを見ると、メインのおばんざいの他、お酒は日本酒、焼酎、ワインなど一通りある。日本酒は吟醸酒までしかなく、大吟醸は置いていない。値段は、この辺りの店にしては価格が抑えられているため、客の年齢層は20〜30代が中心のよう。特に良かったのは炊きたての「季節の羽釜ご飯」である。今回は「サンマと生姜の羽釜ご飯」、「ハモとキノコの羽釜ご飯」、「鯛の羽釜ご飯」の中から、「サンマと生姜の羽釜ご飯」をチョイス。大きめの土鍋ながら1合炊きにしてもらえる。ご飯は艶々で、味付けもしっかりしていて実に美味しく、締めにこれだけを食べに来てもよいと思うほど。最後には薄茶を点ててくれたり、1人客には量を半分にしてくれたり、とにかく居心地が良くホスピタリティを感じる店だ。料理は取り立てて美味しいというほどではないが、この雰囲気と値段を考えれば、十分お勧めできる店である。(2014年11月追加)

東山区下河原通八坂鳥居前下ル下河原町463-16  
電話番号:050-5868-2878 (予約専用番号)、075-532-2788 (お問い合わせ専用番号)
定休日:無休
営業時間:17時~23時(食べ物のLOは22時半)
予算:おばんざい箱840円、季節の羽釜ご飯1200円、コース4500円
アクセス:阪急河原町駅の出入口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座を過ぎ、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)過ぎて進むと正面に八坂神社が見えるので、八坂神社側へ信号を渡る。更に右に進み、「ホテル サンライン」がある最初の角を左折する。八坂神社・南楼門前のT字路を右折して進み、親子丼で有名な「ひさご」、「浜作本店」を過ぎたマンション(グレーシティ京都・東山)左の石塀小路を上り、次のT字路を右折するとすぐ右側にある。阪急河原町駅より徒歩14分。 
最寄りのランドマーク:八坂神社・南楼門、石塀小路
お勧めポイント:石部小路にある雰囲気の良いおばんざい店

この門の奥が「石塀小路」

突き出しの冷たい小芋の煮物

いろいろなおばんざいが楽しめる「おばんざい箱」

刺身の盛り合わせ(1人用にしてくれた)

揚げ出し豆腐はイマイチだった

「まぐろとアボガドのわさびマヨネーズ和え」は美味しい

「サンマと生姜の羽釜ご飯」が炊きあがった

サービスの薄茶(お抹茶)と羊羹

祇園楽味(ぎおんらくみ)

 「祇園 さヽ木(ささき)(→ 京都グルメバイブル・日本料理店の頁を参照)」 がプロデュースする別ブランド店。町家をリノベーションした店内は、L字型のオープンキッチンのカウンター席のみ。店内は天井が吹き抜けとなっており、白を基調としたモダンな空間が心地よい。
 2015年版当時の料理長は木田さんであったが、2016年に料理長が水野さんに交代した。後輩の新明先生に言わせると、料理自体にはさほど変化はないものの、日本酒のセレクトが大きく変わったという。木田さん時代にはかなりマニアックなものも揃っていたが、現在は誰もが知る大道の日本酒になったらしい。
 この店の特徴を一言で表すなら、美味しいものを食べさせたいという意欲に溢れた「新しいコンセプトの高級割烹居酒屋」であるということ。料理はあくまでもコースが基本であるが、いろいろな素材を自分で選び、自分好みの料理法で調理してもらえるのだ。刺身もあれば炭火焼きやフライもやる、そしてドンブリも握り寿司もありなのである。しかも、お腹に余裕があればアラカルトメニューから料理を追加できたり、酒をもっと飲みたいので酒のアテをもっとほしいなどといった我が儘もOKなのである。料理も美味しいが、酒のアテも秀逸である。もちろん、このようなコンセプトなので、ワインや日本酒の品揃えもいろいろあり、特に日本酒に関しては常時30種類くらいある。まさに、酒が飲める客にとっては、この店は天国のような店であり、料理法がシンプルなだけに外国人客にも分かりやすいと思う。「祇園ささ木」ほどの完成度はないものの、ジャンルに捕らわれずに美味しいものを食べさせたいと姿勢は同じである。
 ちなみに、人気店なので早めの予約が必須であるが、もしも予約が埋まっている場合でも基本2回転制なので、20時半過ぎにオンコールで入れることが多い。(2019年9月更新)

東山区祇園町南側570-206  
電話番号:050-5789-9278(予約専用)、075-531-3733(お問い合わせ・予約変更)
定休日:日曜、第2月曜
営業時間:17時半~22時半
予算:おまかせで15000円くらい
アクセス:地下鉄烏丸線・四条駅、阪急京都線・烏丸駅19番出口あるいは阪急河原町駅の出入口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面へ進む。「京都四條南座」、朱色の壁の大きな建物「一力亭」を過ぎ、「アパホテル京都祇園」手前角を右折する。突き当たり(三芳前)T字路を左折すると「祇園佐川急便」のあるT字路が見えるのでその向かい角。四条駅、烏丸駅より徒歩13分。 
最寄りのランドマーク:京都四條南座、一力亭、アパホテル京都祇園
お勧めポイント:「祇園ささ木」がプロデュースする新しいコンセプトの居酒屋割烹

カマスとシメジ、イチジクの酢の物

銀杏の素揚げ

スッポンの椀もの

刺身。これらの素材からお好きなものを何種類でもどうぞ(とは言っても、通常は4種類くらい)

左手前から真鱈の白子、クジラの尾の身、自家製イカの塩辛、イクラの醤油漬け

手前左から本マグロのトロ、アラ、関アジ、サンマ、バフンウニ、鯨ベーコン、ブリ、白エビ

ハガツオ、鯖 、イカゲソ、コハダ、真ツブ、ボタン海老、カマス、シャコ、ホッキ貝、ホタテ貝、煮ダコ

注文した刺身。左から「白エビとバフンウニ、海苔」、「ハガツオのニラポン酢」、「関サバと自家製鯨ベーコン」

「白エビとバフンウニ、海苔」

海苔にのせ、スダチを搾って粗塩をひとつまみ。そして海苔で巻いて食する

「関サバと自家製鯨ベーコン」

「ハガツオのニラポン酢」

追加注文できるアラカルトメニュー

焼き物はこの中から素材をチョイス

エイジングビーフ(黒毛和牛)

手前からハタハタ、ノドグロ、笹ガレイ、きんき、金目鯛

珍味色々と貝類

丹波の枝豆・紫ずきん

エイジングビーフを3枚切ってもらい、炭にのせて直火焼きに

山葵と共にいただく

この日出てきた大吟醸。この他にもう一種類出た

琵琶湖産モロコの炭火焼き

キンキの炭火焼き

酒のアテに追加注文した「甘エビの酒盗和え」

青森県・田酒の大吟醸はワイングラスで

酒のアテにクチコの炭火焼きも追加

鯖寿司も一切れ追加

吸い物

さらに握り寿司も注文

コハダの握り

「祇園ささ木」のヅケトロの手巻き

炭火割烹 いふき

 祇園花見小路の南側にある人気の日本料理店。町家をリノベーションした建物の玄関でまずは靴を脱ぎ、さらに奥の扉を開けると、美しい白木のオープンキッチンのカウンター席が広がる。さすが炭火割烹と言うだけあって、中央にはガラス張りの焼き台が鎮座している。店主の山本さんは坊主頭で一見強面であるが、話してみると非常に人柄が穏やかな方であった。
 炭火割烹を名乗っているが、全ての料理が焼き物というわけではない。もちろん、メインの料理は肉や魚を炭火で焼いたものであるが、刺身や椀もの、揚げ物、炊き合わせなど、いたって普通の日本料理の構成なのである。飲み物のメニューを見ると、日本酒は「十四代」、「磯自慢」、「醸し九平次」、「黒龍」、「喜楽長」、「松の司」、「醴泉」、「瀧自慢」など13種類あり、比較的充実している。
 焼き物は素材を選んで炭火焼きにしてもらうというスタイル。高いコースを注文すると、肉と魚の両方を注文できる。この日の素材は「甘鯛(ぐじ)」、「きんき」、「ノドグロ」、「スッポン」、「黒毛和牛」、「キントア豚」、「シャラン鴨」であった。迷わず、好物の「ノドグロ」と食べたことのない「(焼き)スッポン」を注文。「スッポン」は、生肉を焼いたものと煮込んでつけダレで焼いたものの計2皿が供される。結論から言うと、生肉を焼いた肉はサッパリとしてほぼ鶏肉と変わらず、煮込んだものをつけダレで焼いた肉はトロッとしてまさにスッポンそのものであった。また、スッポンの肝は白レバーとアン肝を足して2で割ったような味で、これは美味しかった。また、「ノドグロの炭火焼き」は脂がのっていて、文句なく美味しい。繊細な「蒸しアワビ」には、意外にも生姜味に加えて擦りたてのワサビがのっていた。ご飯のおかずは「鰻の蒲焼き」、「サンマの塩焼き」、「シシャモの焼き物」、「カキフライ」の中から選ぶのだが、僕は「鰻の蒲焼き」に。鰻は表面がカリッと焼かれていて、タレを追加してワサビと共に頂くと、専門店に負けない美味しさだった。加えて、銀シャリの白米は秀逸だった。(2014年11月追加)

東山区祇園町南側570-8  
電話番号:075-525-6665
定休日:火曜
営業時間:17時〜23時
予算:13000円、16000円、20000円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座の前を過ぎて進むと、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)が見えるので、その角を右折。花見小路を100mほど進むと左側に「ぎおん徳屋」が見えるのでその角を左折すると右側にある。阪急河原町駅より徒歩6分。 
最寄りのランドマーク:祇園花見小路、お茶屋一力亭

玄関で靴を脱ぎます。奥の格子模様の扉を開けるとカウンター席です

カウンター席

正面に半円のガラスがついた焼き台が見えます

八寸

雲子(真鱈の白子)のあられ揚げ

軽く炙ったボタン海老のウニのせ

子持ち鮎の山椒煮

枝豆とムカゴの豆豆腐和え

茹でシャコ・カブラ漬け添え

飲み物のメニュー

松葉ガニ(ズワイガニ)の脚の炭火焼きと抱き身の蒸しガニの2種類

トラフグの炙りをポン酢大根か塩で

雲子のお椀(ゴマ豆腐入り)

津軽海峡でとれた本マグロの炙りの握り

焼き松茸と鶉のつみれと小芋の炊き合わせ

ノドグロの炭火焼き

蒸しアワビ

スッポンの生肉の炭火焼き(脚の部分)

スッポンの煮たもののつけダレ焼きに山ワサビを添えて(奥がエンペラを含む甲羅近くの肉で、手前が肝)

口直しの柿、リンゴ、イチジクにクルミソース

トラフグの唐揚げ・ネギの甘酢餡かけを添えて

鰻の蒲焼きと炊きたての白飯、厚揚げとキノコのお吸い物

洋なしのソルベとフレッシュフルーツの赤ワインジュレがけ(和梨、巨峰)

最後は栗のソルベ入り最中

安久(あんきゅう)

 宮川町のマンションの1階にある日本料理店。実はこの店、ミシュランで2つ星を獲得したことで話題となった店である。店内は非常に狭く、カウンター席が僅か6席しかない小さな店である。最近話題となっている京都の日本料理店の店主は30~40代の方が目立つが、この店の店主・上田さんもまだ30代という若さである。カウンター内には若手の見習の方がもう1人おり、奥さんがサービスを担当している。
 料理は素材の旨味を引き出すようなシンプルな料理。そのため、素材にはとことんこだわっているようだ。日本酒は純米酒が6〜7種類あるが大吟醸は置いていない。また、この店は 「前田(→ 京都グルメバイブル・日本料理店の頁を参照)」 や 「啐啄 つか本(→ 京都グルメバイブル・日本料理店の頁を参照)」 と同様、写真撮影は禁止なので、今回も料理のことは文章でお伝えしたい。
 まず、最初のスタートは小さな椀に入った「梅干しとワサビの吸い物」。梅干しの酸味とワサビの辛みが食欲を刺激するため、最初のイントロとしてピッタリ。2品目の「煮穴子とキュウリの胡麻酢かけ」は、濃厚な胡麻の香りが酢でサッパリとまとめられており、トロトロの煮穴子とシャキシャキのキュウリのコントラストも良かった。3品目は京都名物の「鯖寿司」。意外にもオーソドックスな鯖寿司ではなく、軍艦巻きのように海苔で巻かれ、忍ばせてあるガリが良いアクセントとなっていた。4品目は「松茸とスッポンの椀もの」で、香りを出すためなのか?松茸が細かく千切りにされており、これがスッポンや生姜の香りに負けないくらい存在感があった。5品目と6品目はいずれもお造り。幻と言われる「白甘鯛」は湯引きされた皮付きのもので、身は脂がのっていて、まるで五島や玄界灘のアラのようだった。「シビマグロ(クロマグロの幼魚)」はハラミのトロの部分を炙ったもので、皮目が香ばしくサクッ、トロッとした食感。7品目は「琵琶湖産・天然鰻の白焼き」。関西風なので蒸す作業を行っておらず、身がプリッと厚くて香ばしい。また、活け締めにして血抜きをし、さらにヌメリを取る作業をとことん行っているため、全く泥臭さを感じない。8品目の「ノドグロと蕪の炊合わせ」は、蕪の甘みとノドグロの脂の旨味が最高。9品目は「牛ヒレ肉のステーキ」で、こちらは想像通りの美味しさ。10品目は3つのご飯から選択できる。僕は迷わずこの店の名物「鮭ご飯」をチョイス。これはご飯の上に香ばしく焼かれた鮭の身をのせたもので、東京の 「京味(→ 銀座グルメバイブル・和食の頁を参照)」 にインスパイアされたものかも。「京味」はキングサーモンをしているそうだが、こちらは国産・銀ザケのハラミと背の身を使用しているという。
 店主の上田さんはとてもフランクで、トークが軽妙。なので、1人客でも飽きさせず、常に場が和む。ちなみに、6席しかない小さな店なので、早めの予約は必須である。(2014年10月追加)

東山区宮川筋3-283  
電話番号:075-531-5999
定休日:日曜(要相談)
営業時間:18時〜22時
予算:お任せで2万円ぐらい
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。鴨川を渡り、「京都四條南座」の信号を右折して川端通を進む。「焼肉の名門・天壇」を過ぎてしばらく進むと、ラブホテル「ホテルと、いうわけで」と「ホテルRei」が見えるので、その並び角のマンション。阪急河原町駅より徒歩10分。 
最寄りのランドマーク:京都四條南座、川端通、ホテルと、いうわけで、ホテルRei
お勧めポイント:ミシュラン2つ星を獲得した注目の若手料理人の店

割烹 千ひろ

 ミシュランガイド2014年で2つ星を獲得した日本料理店だが、実は3つ星の「千花」とは兄弟店(兄の店が「千花」で弟の店が「割烹 千ひろ」)である。なので、先代「千花」の料理を受け継ぐ両店の料理は基本的に似ている。どちらも素材を生かしたシンプルで派手さのない料理で、コースの中にフルーツを使った料理が出てくるのと最後はフレッシュジュースで締めるというのが定番である。加えて、「千花」のコースに出てくる「生湯葉」が実に美味しい。なので、兄の「千花」の方ももちろん良いのだが、外国人客が多いことやコスパを考えればこの「千ひろ」の方がお勧めである。
 店を入ると右側に白木のカウンター席があり、そして左側には8名までの個室がある。カウンター内には大将の永田さんと若い職人が立ち、大将の指示のもと黙々と下作業をしている。久々に訪れたが、大将は以前よりも更にトークが軽妙になっており、とても元気そうだ。この店のコースは3コースあり、昼も夜も変わらない。コースは値段によって品数だけでなく素材も変わる。前述のように店主は素材にフルーツを用いるのが得意であるが、今回はいつものフルーツの酢の物はではなく、「炊いた干しバナナ」や「湯葉と桃」という驚きの変化球であった。しかも、今回の料理は全般的にこのような変化球の連投で、これをサプライズというプラスに受け取るか、マイナスに受け取るかは意見の分かれるところだろう。(2014年9月更新)

東山区祇園町北側279-8  
電話番号:075-561-6790
定休日:月曜
営業時間:12時〜13時(予約時のみ)、17時〜20時半
予算:コース12000円、15000円、18000円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。「京都四條南座」の前を過ぎ、朱色の壁の大きな建物「お茶屋一力亭」のある花見小路 を過ぎ、東側2本目の小路(アパホテル京都祇園EXELLENTの正面向かい)を左折するとすぐ右側。阪急河原町駅より徒歩7分。 
最寄りのランドマーク:お茶屋一力亭、花見小路、アパホテル京都祇園EXELLENT
お勧めポイント:シンプルながらサプライズな料理を提案する和食店

四条通を挟んだこのホテルの向かい側の小路を入ったところにあります

「宮田圓月堂」の横にある小路です

この小路の奥です

店主の永田さん

まずは「だだ茶豆のヴィシソワーズ」からスタート

タコと大根たったかな?

八寸(ハモ、鯛、鯛の肝、)

サンマの煮物

ハモの子

鯛の肝のゼリー寄せ

ジャコと松茸

鯛?の炙り

ハモの刺身・梅肉あるいは塩、ワサビ醤油で

食感のアクセントにタコの吸盤が入っています

ハガツオの刺身・生姜醤油で

松茸と真丈のお椀

琵琶湖産鮎の塩焼き・炊いたドライバナナ添え

桃の生湯葉ペーストかけ(ほぼムース状の生湯葉)

ビックリするほどホクホクでジューシーな美味しさ「丸のまんまの蒸し焼き茄子、胡麻醤油で」

コーンのかき揚げと甘鯛の唐揚げの餡かけ

締めの「鱧カツ丼・梅肉ソース」は微妙。味噌汁は何と!!冷たい味噌汁でした

リンゴとオレンジのジュース

前田

 祇園花見小路の建仁寺近くにある日本料理店。店は大きな建物の1階にあり、清潔感のある目新しい店舗。店内は僅か10席のカウンター席しかない。この日の客の半分以上が常連客のようである。若い店主・前田さんと若い見習料理人の2人でやっているのだが、店主がテキパキと指示を出すため、料理は淀みなく出される。前田さんは木屋町の「櫻川」出身と言うことであるが、彼の料理は輪郭がはっきりとしていて、「櫻川」とは全く異なる料理を作る。
 ベビーフェイスの店主はまだ38才という若さながら、実に斬新な料理を出す。本当に僕の想像を超えるような料理を次々と出してくる。どの料理も店主の気合いと言おうかパッションを感じさせる品々。あくまでも正統派日本料理という土俵の上で勝負してくるのだが、その素材の組み合わせが驚きなのである。また、どの料理も塩味がビシッと決まっていてブレがない。同じ正統派の 「旬席 鈴江(→ 京都グルメバイブル・日本料理店の頁を参照)」の料理がモネなどの万人受けする印象派の絵だとすれば、この店の料理はピカソやルソーのような当時は前衛的だと言われた絵に例えられるのかもしれない。
 この日最初に出てきたのが「ユリ根羹のキャビアのせ」。ネットリと羊羹のように固められた冷たいユリ根羹に塩味のキャビアが良く合う。2品目の「天然鮎の春巻・蓼酢ソース」は、具材として鮎の身とその内蔵の塩辛「うるか」が入っており、パリッとした皮の中の塩味が効いた鮎の身が日本酒にピッタリ。3品目の「焼き茄子の煮浸しとイチジク・刻みアーモンド掛け」も一見ミスマッチのような組み合わせだが、全ての食材が素晴らしいハーモニーを奏でていた。4品目の「一塩したビワマスの刺身」は、一塩して時間をおくことで旨味が際立ち、さらにスダチが全体をキリッと引き締めていた。5品目のお椀「天然鰻の白焼きの冬瓜のすり流し」は、海で捕れたという天然鰻を揚げたの?というくらいカリッと焼かれており、それがとても香り高く、隠し味の「自家製万願寺唐辛子の柚コショウ」がほのかな酸味のアクセントとなっている。6品目の「蒸し鮑」は、蒸し鮑にトロロ芋の他、淡路島由良産の赤ウニと醤油の代わりに炊かれた海苔がのせられており、この組み合わせが新鮮なインパクトを感じさせた。7品目の「白甘鯛の蒸し物」は、蒸した白甘鯛に刻んだ松茸がのせられ、更にその上に餡がかかったもので、これも最高に旨かった。8品目の「ワタリガニのみぞれ酢・イクラのせ」も、ほぐしたワタリガニの身と大根おろし入りの土佐酢の組み合わせがサッパリとして良かった。9品目は酒のアテである「半生クチコの炙りと粉ふきイワシ」。「半生クチコ」は漁師に特注したというナマコの卵巣(クチコ)で、中がトロリとしていて塩加減もグッド。「粉ふきイワシ」は甘辛く炊かれた小さなイワシに鰹節の粉をかけたもので、これも酒のアテに良かった。10品目の「季節の野菜の煮物」の出汁は驚くほど濃厚で、この濃厚な出汁にタップリかかった針生姜が実にマッチしていた。最後の食事は、竈で炊かれた餅米100%の「松茸と栗の御飯」。松茸と栗の香りが際立ち、塩加減も絶妙だった。デザートの「フルーツとイチジクのシャーベット」はまあまあであったが、「羊羹の葛焼き」は良かった。これは恐らく、“金つば”からヒントを得たものと思われるが、水羊羹に溶いた葛を塗して焼いているので(作り方はあくまでも僕の想像です)、ハフハフと熱くとろける食感が何とも言えない美味しさであった。
 ちなみに、京都の日本料理店としては珍しく生ビールを置いている点は良かったが、四つ葉のクローバー型のグラスが飲みづらかった。また、日本酒のセレクトは良かった。それにしても、この店は写真撮影が禁止なので、あの素晴らしい料理の数々をお見せすることができなかったことが残念である。さらに、この店が2014年度ミシュランで僅か1つ星の評価しか得ていないことが驚きであった。(2014年9月追加)

東山区祇園町南側570-118  
電話番号:075-525-5577
定休日:日曜
営業時間:18時〜23時
予算:コース16000円、20000円(税サービス料別)
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座の前を過ぎて進むと、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)が見えるので、その角を右折。200mほど進むと左側に「祇園新地甲部歌舞演場」と「ウィンズ京都」見えるので、そのT字路を「建仁寺」の壁に沿って右折すると、一つ目の小路の右角にある。阪急河原町駅より徒歩10分。
最寄りのランドマーク:祇園花見小路、祇園新地甲部歌舞演場、建仁寺
お勧めポイント:京都若手トップの日本料理人が作る目の覚めるような斬新な料理

      

おが和

 「祇園 さヽ木(→ 京都グルメバイブル・日本料理店の頁を参照)」 で長年修行された料理人が店主を務める日本料理店。店内にはL字型のカウンター席が僅か6つしかなく、日本料理店としてはかなり小さめ。料理は店主と若い男の料理人の2人で作っており、サービスの担当はいない。
 料理はどれもシンプルな味付けながら、創意工夫が凝らされていて美味しい。1品目の梶(かじ)の葉で覆われた「タコの酢の物」は赤ジソで彩られ、ズイキ、ミョウガ、刻みオクラなどが入っていてサッパリとした美味しさ。1つだけ残念だったのは椀ものである「ハモのにゅうめん・梅干し添え」。塩梅は全く問題なかったが出汁の深みにやや欠け、修業先である「祇園 さヽ木」に及ばなかった。3番目に出てきた「お造り」の刺身醤油には刻み昆布が入っており、素材である青森産ムラサキウニ、イカ、煮アワビとも全てが良かった。特に肝醤油につけて食べる煮アワビは最高である。また、コースの途中で出てきた「本マグロの漬けの手巻き寿司」は、修業先の「祇園 さヽ木」のコースに出てくるものと同じ一品。小振りの天然鮎を使用した「鮎の唐揚げ・万願寺唐辛子添え」は、一見何も変哲のない唐揚げであるが、添えられたソースが何と!!自家製稚鮎の塩辛を入れた蓼酢(たでず)ソースなのである。これが鮎同士のせいか絶妙な相性を見せる。「蓴菜(ジュンサイ)とトマトの酢の物」はまあ普通であったが、「穴子の蒸し物」はこの日最も良かった品。穴子、賀茂茄子、だだ茶豆に大徳寺納豆がのったもので、材料の旨味がトロ効いた餡によって余すとこなく引き出されていた。そしてフィナーレを飾るのは、炊きたての白米とそれにのせる5種類のご飯のお供「カラスミ」、「本マグロの漬け」、「金山寺味噌ゴボウ」、「炊いた海苔」、「ちりめんじゃこ」。もちろん食べ放題なので、5種類全てを頼んでも良い。僕的には「カラスミ」と「本マグロの漬け」がお勧めである。特に「カラスミ」は最高で、思わずお代わりをしてしまったほど。さらに、デザートは日本料理店としては少し異色な「メロンクリームソーダ」。バニラアイス(これは恐らくハーゲンダッツのバニラアイス)やフレッシュ・マスクメロンと共に、シュワシュワとした炭酸を感じるサプライズな一品であった。(2014年8月追加)

東山区祇園町北側347-51 第一雅ビル1階  
電話番号:075-525-3327
定休日:日曜
営業時間:18時〜22時半
予算:コース15500円のみ
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座の前を過ぎて進むと、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)が見える信号があるので、その角を左折。花見小路の一つ目の信号を右折しするとすぐ左側のビル。阪急河原町駅より徒歩6分。 
最寄りのランドマーク:祇園花見小路、お茶屋一力亭
お勧めポイント:シンプルな味付けながら、創意工夫が凝らされた料理が美味しい

花見小路の最初の信号を右折した小路(手前茶色いビルの行灯のある店)

タコの酢の物

ハモのにゅうめん・梅干し添え

お造り(煮アワビ、ムラサキウニ、イカ)

刻み昆布入り刺身醤油

アワビの肝醤油

本マグロの漬けの手巻き寿司

鮎の唐揚げ・万願寺唐辛子添え

蓴菜(ジュンサイ)とトマトの酢の物

穴子の蒸し物

5種類のご飯のお供(左から「カラスミ」、「本マグロの漬け」、「金山寺味噌ゴボウ」、「炊いた海苔」、「ちりめんじゃこ」)

ご飯のお供「カラスミ」と「本マグロの漬け」

ご飯のお供「金山寺味噌ゴボウ」、「炊いた海苔」、「ちりめんじゃこ」

カラスミご飯と自家製漬け物

本マグロの漬けご飯

メロンクリームソーダ

メロンクリームソーダの泡を退けたところ

京の米料亭 八代目儀兵衛

 うどんで有名な岡崎の 「山元麺蔵(→ 京都グルメバイブル・うどんの頁を参照)」 と並び、今京都で最も行列ができる日本料理店である。いや、日本料理店というよりも“飯屋”と言った方がしっくりくるかも知れない。というのも、名物の土鍋で炊かれた銀シャリ以外は普通だからである。なので、わざわざディナータイムに行くほどではなく、1つ星はあくまでもランチタイムだけの評価なのでご注意を。この京都店の他、東京銀座にも店がある。
 ある日八坂神社界隈を歩いていると、店の前に行列が・・・。気になったので聞いてみると、炊きたての銀シャリが美味しい店だという。行列に並ぶと1時間以上待たなければならないというので、後日予約して改めて伺うことに。電話で予約したいと告げると、ランチタイムの予約は最初の1回転目のみ可能であるという。しかも、オープン10分前の10時50分に店の前にいなければ自動的にキャンセルになるとのこと。
 15分前に到着すると既に予約客の長い行列が。店員に予約していることを告げると、店の前に置かれている順番待ち名簿に名前があるかどうか確認してほしいと言われ、確認してあることを告げる。すると、メニューを渡されて注文をとられる。一番人気は「京のもち豚ロース照り焼き御膳」と「季節のお造り銀シャリ御膳」だが、今回は一番高く品数が最も多い「儀兵衛の三色御膳」をオーダー。開店時間となり店内に入ると、1階はカウンター席のみ。2階は窓際にカウンター席が、そして掘りごたつの小上がりとテーブル席が各1つずつあり、思ったよりも狭い店である。本日のご飯は、山形県産「夢ごこち」と長野県産「こしひかり」、宮崎産「ひのひかり」の3種ブレンド。
 席についてしばらくすると、注文した「儀兵衛の三色御膳」が運ばれ、銀シャリはお替わり自由ですと告げられる。正直言って、焼き魚も天ぷらも、ちりめんじゃこもイマイチで、お造りだけは良かった。なので結論から言うと、「京のもち豚ロース照り焼き御膳」か「季節のお造り銀シャリ御膳」にランチ限定の「卵かけご飯・美山の子守歌」を追加して、2杯目を「卵かけご飯」で締めるというのがベストであろう。卵かけご飯専用の蜂蜜入り醤油は黒酢の様な独特のコクがあるが、少し甘く、これは好き嫌いが分かれる味だ。僕的には刺身に付いてきた醤油をかけた方が美味しく感じられた。(2014年7月追加)

東山区衹園町北側296  
電話番号:075-708-8173
定休日:水曜
営業時間:11時〜14時半、18時〜21時
予算:京のもち豚ロース照り焼き御膳1306円、季節のお造り銀シャリ御膳1593円、卵かけご飯・美山の子守歌185円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。「京都四條南座」、縄手通(大和大路通)、花見小路通を過ぎ、八坂神社前「祇園交差点」を左折するとすぐ左側。阪急河原町駅より徒歩8分。

最寄りのランドマーク:京都四條南座、八坂神社

開店前に店員が注文をとりにくる

店舗のガラス越しに土鍋がズラリと見える

1階のカウンター席

2階の窓際のカウンター席と掘りごたつの小上がり

儀兵衛の三色御膳

1杯目の銀シャリ

1杯目の銀シャリのアップ

焼き魚と天ぷら

季節のお造り

ちりめんじゃこ

香の物

味噌汁

おから

焼き海苔

卵かけご飯・美山の子守歌

2杯目はお焦げ入り銀シャリ

2杯目はお焦げ入り銀シャリのアップ

卵かけご飯

  

啐啄 つか本

この店が先斗町で開店した当初はマスコミで随分話題となった。僕も雑誌「dancyu」でこの店の記事を読んで以来、ずっと行きたいと思っていた。何かの時に店に直接寄ったり、予約の電話を入れたこともあるが、残念ながらチャンスに恵まれず、この日が初めての訪問となった。
 現在の店は先斗町から祇園へと移転し、建仁寺近くの花見小路の1本西側の小路にひっそりとある。店内に入ると、L型のカウンター席が僅か8席のみと前店同様に狭い。店主と女性料理人の2人でやっているようだが、この席数のせいか料理は淀みなく出される。
 この店の料理は、盛りつけなども含めて決して派手さはなく、実直な料理だ。しかしながら、素材の持ち味を見事に引き出しており、素直に美味しいと思えるシンプルな料理である。最後を飾る季節のご飯(この日は牡蠣のご飯)もツヤツヤで美味しく、お替わり必至である。お酒は京都らしく、ビールは全メーカーが揃っており、日本酒は種類が少ないものの、良質なものを置いている。また、常連客が多い店だが、店主の対応が素晴らしく、初めての客でも問題なくくつろげる。
 ちなみに、クレジットカードは使えず、冬は足下が少し冷やっとするので女性の方は厚着をして行った方が良いかも。また、今回写真を何枚か撮影できたが、本来は写真撮影がNGらしいので、ご注意を。(2014年1月追加)

東山区祇園町南側570-120  
電話番号:075-525-8808
定休日:水曜
営業時間:18時〜21時
予算:お任せコース14000円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。「京都四條南座」の前を過ぎて進むと、朱色の壁の大きな建物「お茶屋一力亭」が見えるので、その角を右折。花見小路南側の3筋目(お茶屋・津田楼のところ)を右折し、すぐ次の角を左折すると左側。阪急河原町駅より徒歩7分 
最寄りのランドマーク:祇園花見小路(南側)、お茶屋一力亭

祇園 にしかわ

 八坂神社の南楼門から高台寺にかけてのエリアには、京都の有名美食店が集まっている。これまで京都グルメバイブルに掲載している店を思い浮かべてみても、親子丼の 「ひさご(→ 京都グルメバイブル・親子丼の頁を参照)」 や京都イタリアンの 「キメラ(→ 京都グルメバイブル・イタリアンの頁を参照)」 、日本料理の 「修伯」 などが、さらに行ったことがあるものの残念ながら未掲載の店では、日本料理の「高台寺和久傳」や京都フレンチの「レストランよねむら」、京都イタリアンの「イル・ギオットーネ京都店」などが思い浮かぶ。この店は「ひさご」から少し清水寄りにあり、表通りには細い入り口しか見えないので分かりづらいが、日本料理の「阿吽坊」や葛きりで有名な「鍵善良房 高台寺店」が目印である。 
 京都特有の細長い通路を抜けると、突き当たりの左側に入り口がある。格子戸を開けると、入り口近くに11~12席の広い白木のカウンターが広がっている。個室はテーブル席の他、有料の掘りごたつの座敷席もある。京都の日本料理店にしては珍しく生ビールがあったので注文すると、何と!高価なチタン製の真空ビアグラスで出てきた。料理は久々に本当に美味しい!と思うような料理で、どの料理も素材が素晴らしいだけでなく、火の通し方や塩味が絶妙なのである。お椀の出汁はひき方が深く、すばらしい逸品であった。さらに、「鯖寿司」も「和久傳」以来の美味しい鯖寿司だった。この「鯖(の棒)寿司4000円」は店頭販売のみであるが、お土産として購入もできる(事前に電話での確認が必要)。この店の料理全体のイメージとしては、「菊乃井」の料理に近い感じがするというのが僕の率直な感想。店内は全席禁煙となっており、店内には喫煙室が設けられている。なお、10日以上先の予約は下記インターネットからの予約が可能だ。(2013年2月追加)
http://gion-nishikawa.jp/t_61142/reservation

東山区下河原通八坂鳥居前下ル河原町473  
電話番号:075-525-1776
定休日:日曜(月曜が祝日の場合には、日曜営業、月曜休み)と月曜の昼(夜は営業) 
営業時間:12時~15時(退店)、17時半~21時 
予算:昼5000円、8000円、10000円、夜10000円、15000円、20000円(夜のカウンター席は、15000円以上のコースで)、座敷席のみ有料8000円(いずれも税サービス料別) 
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座を過ぎ、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)過ぎて進むと正面に八坂神社が見えるので、八坂神社側へ信号を渡る。更に右に進み、最初の角を左折すると左に八坂神社の南楼門があり、その前の道を道なりに右は進む。すぐに左に親子丼で有名な「ひだご」が見えるのでそこを過ぎ、少し清水寄りに進むと左側にある。日本料理の「阿吽坊」や葛きりで有名な「鍵善良房 高台寺店」が目印である。阪急河原町駅より徒歩12分。 
最寄りのランドマーク:お茶屋一力亭、八坂神社の南楼門、ひさご、鍵善良房 高台寺店 
お勧めポイント:久々に本当に美味しい!と思うような日本料理

祇園 大渡(おおわたり)

 古そうな一軒家の入り口を開けて伺うと、若い店主が出てきて挨拶。「どうぞ、お上がりください」ということで、玄関で靴を脱いで上がる。廊下を右に曲がると、カウンターの中で店主が待ち受けていた。驚いたことに、一軒家にもかかわらず席数は僅か8席の贅沢な空間。カウンターの奥の調理場には若い料理人もいるようだが、サービスは店主がほぼ1人で行っている。カウンター奥の右側には鮮やかな朱色の大きめの土鍋が目に付く。この日のコースに出てきたのは、「松茸のカツ」、「スッポンと松茸」、「名残鱧の霜焼きを塩ワサビで」など、料理は総じて素材の組み合わせや調理法が斬新であった。また、すり流しのアクセントとして岩茸を使用したり、魚の味噌漬けにこだわりの酒粕を用いたり、冷たいウーロン茶は台湾産で作った製品をわざわざ取り寄せるなど、店主は素材に対してもかなりのこだわりがありそうだ。料理の最後を締めくくるのが、白い御飯と漬け物、ちりめんじゃこだけなのはちょいと寂しいが、デザートの「わらび餅」は美味しかった。
 値段や素材を考えると、コストパフォーマンスは割と良く、使用している器もセンスがいい。また、店主は見た目とは裏腹に、割と砕けていてとても話しやすい。(2012年10月追加)

東山区祇園町南側570-265  
電話番号:075-551-5252
営業時間:18時~21時半 
定休日:月曜、不定休 
予算:コース11025円 
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座を過ぎ、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)過ぎて進むと正面に八坂神社が見えるので、ローソンの角を東大路通に右折する。「かに家」を過ぎ、左に「京都月見郵便局」が見えたら、最初の角(八坂庵と赤い看板のお好み焼き店の間の通り)を右折するとすぐ左側にある。阪急河原町駅より徒歩10分 
最寄りのランドマーク:八坂神社、かに家、京都月見郵便局 
お勧めポイント:コストパフォーマンスが良い新進気鋭の料理人の店

祇園 なん波

 四条通の北側の小路にひっそりとある日本料理店。店内に入ると正面左にカウンター席が6席、右側に7名まで入る個室がある。さらに、2階には10名まで入れる個室もある。カウンター内にある狭い調理場には、「招福楼」出身の大将を含めて3名の料理人がキビキビと手際よく働いている。そして、サービスはもっぱら女将さんが1人で行っているので、快適なサービスという訳にはいかない。料理の盛りつけには全く派手さがないが、ハズレのない手堅い味である。そのせいか、観光客よりも地元客の方が多いようだ。この日食べた料理の中では、刺身、季節のご飯、水菓子(デザート)などが良かった。しかし、コストパフォーマンス的にはギリギリ合格といったところ。(2012年8月)

東山区四条花見小路東入る祇園町北側279-7  
電話:075-525-0768
定休日:不定休
営業時間:11時半~14時、17時~22時
予算:8000円、10000円、13000円、15000円(昼は5000円から)
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。「京都四條南座」の前を過ぎ、朱色の壁の大きな建物「お茶屋一力亭」のある花見小路 を過ぎ、東側2本目の小路(アパホテル京都祇園EXELLENTの正面向かい)を左折するとすぐ右側。阪急河原町駅より徒歩7分。 
最寄りのランドマーク:お茶屋一力亭、花見小路、アパホテル京都祇園EXELLENT
お勧めポイント:祇園の小路に佇む良心的な日本料理店

祇園 末友

 元「花霞」の板長だった末友さんが店主を務める日本料理店。建仁寺の南側にあり、有名日本料理店「建仁寺 丸山」にも近い。一軒家の入り口を抜けるとすぐに暗い待合室がある(夏にここで待つときには、蚊に刺されるので注意)。奥手前には畳み敷のカウンター席が8~10席、奥には10~12名まで入れる個室がある。まだ2階を使用していないそうだが、いずれ余裕ができたら2階にも個室を作りたいという。この店の料理は、季節感だけでなく華やかな雅を感じさせる。もしかすると、その傾向は京都吉兆よりも強いかも知れない。それだけではなく、どの料理も美味しい。それは、最後の締めに出される季節の土鍋ご飯に至るまで美味しいのだ。特に、この店のスペシャリティと言ってもいい「鮎の塩焼き」は、とてもジューシーで他店とは全く異なる革新的な美味しさ。さらに、睡蓮菜を使った鱧の湯洗いも絶品で、睡蓮菜のシャキシャキ感と梅肉醤油が鱧の甘みをグンと引き立て、最高に美味しい鱧を食べ方であると実感できる。
 また、夜のコースはお腹がいっぱいになるくらいのボリュームなので、お勧めは夜のコースである。土鍋御飯は余ったらお土産にしてくれ、板長や女将のおもてなしも含めてホスピタリティ溢れる素晴らしい店だ。(2012年8月)

東山区大和大路四条下る小松町151-73  
電話:075-496-8799
定休日:水曜(木曜日の昼も)
営業時間:11時~14時半、17時~21時 
予算:昼5500円 、夜20000円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座を過ぎた角を右折し、500mほど進むと右に「えびす神社」、左に建仁寺の外壁が見えてくるので、壁に沿って角を左折する。すぐに建仁寺の一つ目の門が見え、そして二つ目の門が見えたら右側にある。阪急河原町駅より徒歩8分。 
最寄りのランドマーク:京都四條南座  
お勧めポイント:季節感ある華やかな盛りつけの日本料理店

八寸

 創業して40年近く経つ日本料理店である。現在は二代目の久保田完二さんがメインでやっており、先代の守さんは夜しか顔を出さない。僕は昼のコースを頂いたので、もちろん全て完二さんの料理である。料理を頂きながら話を伺うと、彼の料理の世界観は素晴らしく、特に素材に対しては妥協を許さないようだ。料理には華やかさはないが、どの料理も味付けが的確で美味しい。特に「鱧の椀」は、葛で覆われた鱧はふっくらしていてダシの風味は限りなく深かった。まるで「京都吉兆」の椀を彷彿させる味わい。今年頂いた椀の中ではピカイチの出来である。また、「鱧の湯洗い」も、京料理の夏の定番・梅肉ダレの「鱧おとし」よりも遙かに鱧の甘みと香りが立ち、鮮烈な美味しさであった。
 料理もサービスも基本的に3人の料理人だけで行っているので、料理のビジュアルやサービスを求める方にはお勧めできない。料理だけなら3つ星の超お勧め!にしても良いくらいだが、あまりマスコミに露出しないせいか、満席になることは滅多にないとのことである。入口には6名までの個室と奥には白木のカウンター席がある。ちなみに、この店からは多くの料理人が輩出されており、北海道帯広の2012年ミシュラン北海道版で2つ星を獲得した「八寸」もその一つである。(2012年8月)

東山区祇園末吉町95  
電話:075-561-3984
定休日:日曜
営業時間:12時~13時、18時~20時
予算:昼:8000円、10000円、夜:20000円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座を過ぎた次の信号を左折し、縄手通を進む。「祇園かね松」のある一つ目の小路を右折し、更に次の小路を左折するとすぐ右側。阪急河原町駅より徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:京都四條南座、祇園かね松 
お勧めポイント:料理に派手さはないが、素直に美味しいと思える料理

閼伽井(あかい)

 祇園花見小路の南側にある人気の日本料理店。店主の阿部さんは、下鴨の「吉泉」や人気老舗旅館「炭屋旅館」、京都ホテルオークラ「入舟」などで修業後、河原町三条「藤や」の料理長を務めた人物である。この度、祇園花見小路北側から南側へ移転し、店の雰囲気により重厚感が増した。店内に入ると玄関になっているので、先ずは靴を脱いで上がる。1階には僅か5名の掘りごたつのカウンター席が、そして2階には6〜8名の個室がある。移転後変わった点と言えば、2階の個室が広くゆったりとなったことと、昼夜共にコースの値段が同じになったことである。ご主人と奥様の二人三脚でやっている点は現在も変わっていない。
 料理はどれも美的センスを感じさせる美しい構成。一見するとキンカンか玉子の黄身のような「閼伽珠(あかだま)」はこの店の名物で、どちらのコースでも出される。季節によって月見団子になったりホオズキになったりして、少しずつ姿を変えて供される。今回の焼き物は少し火が通り過ぎていたが、それ以外はどれも良かった。また、以前と比べると酒がかなり充実した。日本酒は「十四代」の吟醸の他、「獺祭」や「聚楽第」などの大吟醸もあった。また、シャンパンやワインも日本料理店とは思えないくらい揃っていたが、リストには値段が表示されていない。
 ちなみに、料理は全て店主1人で作っているため、どうしても料理内容には制限があるが、それでも、1人で作っているとは思えないくらいスキルを感じさせる料理である。(2014年11月更新)

京都府京都市東山区祇園町南側570-7    
電話:075-551-8181
定休日:不定休
営業時間:12時~13時、17時半~20時 
予算:【昼夜共に同じコース】1万5千円、2万円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。「京都四條南座」の前を過ぎて進むと、朱色の壁の大きな建物「お茶屋一力亭」が見えるので、その角を右折。花見小路南側の3筋目(お茶屋・津田楼のところ)を右折し、すぐ次の角を左折すると右側。阪急河原町駅より徒歩7分。

現在屋根を改修中

玄関で靴を脱いで上がる。正面が2階への階段

カウンター席からは坪庭が見える

八寸

椀物は鴨の団子と生麩、菜の花、大根

お造り左が「寒ブリ」、右が手前から「剣先イカ」、「赤ウニ」、「本マグロのトロ」

日本酒を冷やで

蕪と湯葉の柚子皮入り小鍋仕立て

焼き物

葉っぱをどけたところ

丹波シメジの焼き物

ホタテの焼き物(火が通り過ぎだった)

近江牛の焼き物(火が通り過ぎだった)

鮭の西京味噌漬け焼き

ズワイガニのイクラがけ

鰻のおこわ・山椒風味

水菓子とスイートポテト

小菓子

薄茶

阪川(さかがわ)

 この店は鱧料理で有名な板前割烹である。特に、夏から晩秋にかけての「鱧しゃぶ」は以前から絶品との評判。2006年に京都グルメバイブルを作成したときにもそれなりの有名店だったが、最近の食べログ評価には驚くばかり。鱧料理に興味の無い僕もこの評価を目にしていなければ、訪れなかったかも知れない。中に入ると目の前には白木のカウンター席があり、1階奥と2階には個室もある。半分くらいは常連客のようだ。カウンターの中では店主の坂川さんを中心に若手の板前3人がキビキビと仕事をこなしてゆく。どちらかと言えば食べるのが早い僕のペースでも、問題なくテンポ良く料理が出される。薄めの出汁のお椀と水菓子(デザート)は僕好みではなかったが、それ以外の料理は赤出汁に至るまで火の通し方、塩味ともビシッと決まっていて素晴らしかった。特に鱧料理に至っては、身の臭さなどは一切なく、身は柔らかくて甘く香り、「炭火による炙り」や「鱧の落とし」、「鱧の柳川」など、これほど美味しい鱧料理は初めて。(2012年7月)

東山区祇園町南側570-199  
電話:075-532-2801
定休日:日曜
営業時間:17時~22時
予算:13000円 、15000円、18000円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座、朱色の壁の大きな建物「一力亭」を過ぎ、京都祇園ホテルの手前を右折。突き当たりに「にくの匠 三芳」が見えるので左折し、次の角をすぐ右折すると左の小路に見える。阪急河原町駅より徒歩7分。 
最寄りのランドマーク:一力亭、京都祇園ホテル 
お勧めポイント:鱧料理が美味しい日本料理店

HANA吉兆

 2010年に店舗をリニューアルし、店名も「花吉兆」から「HANA吉兆」に変わった。以前はエントランスだけだった1階には、和紙作家・堀木エリ子デザインによる6席のカウンター席ができ、一人飯の方でもゆったりと食事を楽しめるようになった。また、大人数を収容した広い2階のカジュアルなテーブル席はなくなり、2階は日本間の個室に、3階と5階はテーブル席の個室となり、階上はプライバシーを配慮した個室だけの空間に生まれ変わった。料理の方は相変わらず食器の使い方にメリハリがあり、所々にガラスの容器を使うなど料理を美しく見せる演出が施されている。どの料理も塩味や甘さが的確で、以前と比べて特に大きな変化は感じられない。但し、今回訪問したときの「鱧とジュンサイのお椀」は、以前と比べると出汁が薄めで、「お刺身」の鯛の切り方もどこかしら吉兆らしくなかった。しかし、他の料理は季節のご飯(この日は牛蒡のご飯)に至るまでどれも美味しく、給仕する方のサービスも良く、吉兆ならではのゆったりとした素敵な時間を過ごすことができた。
 リニューアル後は単品メニューにも力を入れるようになり、量が多くてコースで少ししか食べられない方やお酒を飲んで軽く食べたいという人向けに、大阪割烹的な使い方も出来るようになった。単品メニューの中にはコースではあり得ない「親子丼」といったメニューもある。次回来たときには、是非あたらしい個室で、単品のアラカルトメニューか高めのコース料理に挑戦してみたい。
 ちなみに、吉兆本店は京都だと思っている方が多いが、吉兆を一代で築きあげた天才・湯木貞一がいた吉兆本店は大阪の高麗橋にある(ちなみに、大阪・本吉兆の高麗橋本店と東京吉兆の築地本店は一見さんお断りらしい)。後に湯木の子供たちが、大阪・本および船場、東京、京都、神戸の5つの吉兆に別れ、それぞれ独立した株式会社を作って地域毎に経営するようになって現在に至る。これだけ多店舗形式に展開していながら、料理のレベルが高く保たれている店は類を見ないように思う。(2012年7月改訂)。

東山区大和大路四条下る  
電話:075-531-1500
定休日:無休 
営業時間:11時半~14時、17時~20時 
予算:弁当:月6930円、雪9240円、会席料理:11550円、17325円、20790円(前日までの予約で28875円と34650円のコースも頂ける) 
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座を過ぎた角を右折すると、1階が黒っぽいビルがあるのでそこ。阪急河原町駅より徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:京都四條南座
お勧めポイント:嵐山本店を除けば、京都吉兆系の中では中心的な料理店

祇園 さヽ木(ささき)

 「祇園 さヽ木」はこれまでに2回移転し、この店で3店舗目となる。これまでで最も広く閑静なこの地に移転してきたということは、この地こそ店主・佐々木さんが理想とする場所なのであろう。今回、僕はこの店となってから初めての訪問である。
 細長い通路を抜けると入り口があり、靴を脱いで上がると床暖房が心地よい。奥に進むと手前には広いカウンター席があり、奥には個室を見ることができる。カウンター前の棚にはケータイ禁止のマークとインテリアのように掛けられた包丁が目に付く。また、和の趣が強かったこれまでの店とは異なり、BGMにはジャズが流れ、中央には日本料理店としては珍しくオーブン釜がある。特に目を引いたのは、カウンター前に置かれた3つの大きなまな板。後で分かったことだが、これは店のスペシャリティである握り寿司を店主が握るときに、それぞれの客の目の前で移動して握り、直接手渡すためのものらしい。
 この店でのお約束は、奥の個室も含めた食事の一斉スタート。この日の夜は18時半スタートであったが、これは「未在(→ グルメバイブル未掲載)」や 「リストランテ 245 祇園(→ 京都グルメバイブル・イタリアンの頁を参照)」 など、一部の京都の人気料理店で見られるシステム。しかし、この「祇園 さヽ木」での意味合いは多少異なっている。この店では、これから始まる食のエンターテイメントを、ゲスト全員が一体となって体験してもらうためのものなのである。
 客が揃うと、先ずは店主の佐々木さん自らがゲスト全員に挨拶をし、さらにコース半ばにはそれぞれの客と乾杯して一体感を高めるなど、まさに体育会系のノリなのだ。料理の前半の説明は店主自らが行い、その滑らかな話術はまるでカリスマ実演販売員のよう。また、通常は見えないところで行う皿の盛りつけなどを敢えて客の目の前で行うなど、料理への期待が一層高まるようなライブ感満載の演出なのである。
 さらに、佐々木さんの凄いところは、どうすれば素材を美味しく味わえるかということを熟知していること。つまり、料理の本質が分かっているということなのである。例えば、冬に登場する「ズワイガニの蟹チャーハン」は、決して中華料理人が作るパラッとした本格的ものではなく、握り寿司も熟練した寿司職人が握るものに比べると劣るが、しかしそれを感じさせないくらい素材を美味しく食べさせてくれるのである。それは最後のデザートに至るまで同様で、佐々木さんは今まさに絶頂期を迎えている料理人ではないだろうか。この日の最後のフィナーレを飾ったご飯は「ズワイガニの蟹チャーハン」と「中トロ漬けの手巻き寿司」。しかもおかわりができるので、たとえ大食漢の方でも食べた〜!!という大きな満足感が得られる。佐々木さんの軽妙なトークも美味しさを倍増させ、これぞまさに食のエンターテイメントである。これを楽しむには絶対に夜に行くべきで、しかもカウンター席で頂くことが絶対条件である。
 また来たい!!という思いに駆られるのか、何組かの客は帰り際に次回の予約をしていた。なので、この店を訪れる客の半分以上がリピーターと言おうか、常連客であり、僕も取材さえなかったら次回の予約をして帰りたかったほど。2014年度版ミシュランでは何故か2つ星であったが、どうしてなの?と誰もが疑いたくなるほどの素晴らしい店である。
 日本酒は常時10種類くらいあり、人気の「十四代」や「初亀」なども置いている。また、グラスシャンパンなどワインも置いているので、外国人客にも受けそうだ。ちなみに、京都でも1、2を争う人気店なので、かなり早めの予約が必要である。また、前述のように一斉スタートなので、それを確認するリコンファームの電話が2〜3日前にあるが、それほど時間厳守なのでご注意願いたい。(2014年4月更新)

京都市東山区八坂通大和大路東入小松町566-27   
電話番号:075-551-5000 
定休日:日曜、第2月曜、不定休あり
営業時間:【昼】12時、【夜】18時半(完全予約制)
予算:【昼】6000円、【夜】18000〜20000円(仕入れる素材により変動)
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座を過ぎた角を右折し、500mほど進むと右に「えびす神社」、左に「建仁寺」の外壁が見えてくるので、壁に沿って角を左折する。すぐに建仁寺の一つ目の門が見え、さらに二つ目の門が見えたら右側に「祇園 末友」が見えるので通り過ぎ、右側に「祇園丸山 建仁寺店」が見えたらその向かえ(左側)。阪急河原町駅より徒歩10分。 
最寄りのランドマーク:京都四條南座、えびす神社、建仁寺
お勧めポイント:今まさに絶頂期の佐々木さんの日本料理店

京都市伏見区

大黒ラーメン 本店

 京都の伏見にある人気のラーメン店。通りから少し入った目立たないところにあるが、店内はいつも常連客で溢れている。信号のような暖簾をくぐって店内に入ると意外と広く、活気に溢れている。奥にオープンキッチンのカウンター席が、そして入口側にはテーブル席がある。
 壁に貼られたメニューを見ると、基本的にラーメンは1種類のみ。バリエーションとして、「ラーメン」、「ラーメン大盛り」、「ラーメンメンマ入り」、「チャーシュー麺」、「チャーシュー麺大盛り」があるのみ。しかも、特筆すべきはその値段の安さ。「ラーメン」は今時何と500円で、「チャーシュー麺」でも630円という良心的な価格なのである。この日は夜の10時の訪問であったが、ビールで「キムチ」をつまんでいる方、「ラーメン」を食べ、さらに「焼めし」をシェアして食べている常連客らしき方を多く見かけた。このパターンは、 「新福菜館 本店(→ 京都グルメバイブル・ラーメンの頁を参照) 」でよく見かけるシーンである。
 この店はチャーシューも美味しいので、僕のお勧めは「チャーシュー麺」。「チャーシュー麺」は、京都らしく九条ネギと茹でモヤシがタップリとのっており、チャーシューが隠れてしまうほど。シナチクなどは入っていないので、食べたい方は「ラーメンメンマ入り」で注文しよう。スープは混濁しており、豚骨と鶏ガラをブレンドした醤油味のスープ。とてもマイルドで旨味のあるスープだ。これに対し、麵はストレートの中細麺で、コシがなく物足りない。これで、麵が良ければもっと評価を上げても良いと思う。(2014年11月追加)

伏見区京町大黒町118  
電話番号:075-612-3153
定休日:月曜
営業時間:11時~23時(スープ無くなり次第終了)
予算:ラーメン500円、チャーシュー麺630円
アクセス:近鉄京都線・桃山御陵前駅(地下鉄烏丸線乗り入れ)出口を出て右へ進む。最初の交差点を右折し、100mほど進むと右に見える。桃山御陵前駅から徒歩2分
最寄りのランドマーク:近鉄京都線・桃山御陵前駅
お勧めポイント:ワンコインで食べられる良質な京都ラーメン

このチャーシュー麺が何と630円

九条ネギをよけたら茹でモヤシが

九条ネギをよけららチャーシューが

  

京都市南区

あらた

 京都で最も人気のお好み焼きの店。僕も何度か通った店だが、今回は約10年ぶりの訪問。店内は以前と変わらず、入り口付近にテーブル席が1つと正面にL字型のカウンター席、さらに左側にL字型の小上がりがある。
 まずは冷えた生ビールと人気の「ピリカラきゅうり」を注文。「ピリカラきゅうり」は腐乳でも入っているのか?オイキムチとは違ったサッパリとコクのありお勧め。続いて鉄板焼きの人気メニュー「あぎ塩焼」と「ホソ塩焼」を注文。“あぎ”とは牛肉のアゴ肉のことで、筋張ったコリコリとした食感。アゴが丈夫でなければ決してお勧めはできないが、ニンニク風味の塩味が塩辛いくらいしっかりとしていてビールと良く合う。“ホソ”とは牛の小腸のことで、やはりニンニク風味の塩味でキャベツと共に炒められ、柔らかくこれもお勧め。スジ肉の炒め物である「すじ焼」や「すじキムチ」は、スジが硬めなのでよほど好きでなければお勧めできない。他の鉄板焼きメニューで選ぶなら、以前僕がよく食べていた砂肝焼き「砂ずり」がお勧め。また、この店の「とん平焼」は他店とは異なった独特の豚肉の卵巻きで、タップリのマヨネーズソースがかかっていて美味しい。
 この店の人気のお好み焼きは、兵庫県で一般的な「薄焼き(広島風のような生地が薄いお好み焼き)」であるが、もちろん大阪で一般的な「混ぜ焼き(生地が厚いお好み焼き)」もある。また、この店の「薄焼き(ベタ焼)」は5種類あり、具材が選べる「ベタ焼」と、予め具材が決まっているこの店オリジナルである「あらたお好み」の他、「す焼」や京都特有の「マンボ焼き」、関西の人気商品「ねぎ焼」などがある。僕もこれらの違いをハッキリと覚えていないので、詳しくはに店員にお聞き願いたい。とにかく、「薄焼き(ベタ焼)」で注文するなら「ねぎ焼」か「あらたお好み」を、「混ぜ焼き(お好み焼き)」で注文するなら「ブタ玉」がいい。また、今回は食していないが、「焼そば」や「辛焼そば」なども美味しいので、お腹に余裕があれば注文されたし。
 とにかく、サービスの男性店員が明るく元気が良く、とても気持ちが良い。ちなみに、人気店だけに予約は必須で、油の臭いが服に付くので、付いても構わないような服装で伺いたい。(2014年5月追加)

南区西九条院町24-4  
電話番号:075-661-5444
定休日:日曜
営業時間:17時〜23時
予算:とん平焼き690円、ホソ焼690円
アクセス:JR京都駅八条口を出て、向かいにある「新・都ホテル」へ向かう。「新・都ホテル」と「駿台」の間の西洞院通を左折し、さらに「イオンモールKYOTO」の交差点を左折して東寺通を進むとすぐ左側。JR京都駅から徒歩5分。
最寄りのランドマーク:新・都ホテル、駿台、イオンモールKYOTO
お勧めポイント:京都で最も人気のお好み焼きの店

ピリカラきゅうり

あぎ塩焼

ホソ塩焼

すじキムチ (混ぜて炒める前)

すじキムチ(完成)

とん平焼

あらたお好み

ミスター・ギョーザ

 昭和46年創業の人気の餃子専門店である。店は有名観光スポットである東寺のすぐ近くにある。この店はフジテレビの番組「テレビ社会実験・あすなろラボ」で、「U字工事」が全国トップ3の浜松餃子、宇都宮餃子、京都餃子を食べ比べ、京都餃子代表の「ミスターギョーザ」が一番美味しいと答えたことで更に人気がヒートアップしたという。
 店はごく普通のラーメン店のような佇まいで、入口左にテイクアウト専門の窓口がある。日曜の昼に外で順番待ちをしていると、近所の常連客と思われる客が次から次へと訪れ、大量の生餃子を購入していく。この店ではその日に仕込んだ餃子のみ販売しているため、売り切れ次第終了となる。なので、遠方から客が押し寄せる週末には閉店時間を待たずに終了となってしまうため、夜に訪れる場合は事前の電話確認が必要である。
 店内はオープンキッチンのカウンター席の他、窓側にテーブル席がある。真ニューを見ると、意外なことにラーメンなどの麺類もあったが、まずは生ビールと名物の「キュウリの丸漬け」を注文し、本命の餃子が焼き上がるのを待つ。出てきた小振りの餃子は、焼き面がキツネ色に焼き上がっており、皮は薄くカリカリでクリスピー。ニンニク、ネギ、キャベツ、牛豚赤身の合い挽き肉などの国産素材にこだわっているという具材は、どちらかと言えばオーソドックスな餡だが、コクがあるわりには軽めに仕上がっていていい。この日は既にラーメン店を1軒取材してきたにもかかわらず、2人前をペロリと平らげることができた。 「泉門天 祇園本店(→ 京都グルメバイブル・餃子の頁を参照)」 ほど餡には深みがないものの、飲んだ後の締めの餃子としては良いかも。2つ星でも良いかなとも思ったが、焼くときに配慮が足りないためか、餃子同士がくっついてしまって食べづらかったので、今回は1つ星とした。
 また、この店のタレは、通常の酢醤油の他に、京都では珍しく 神戸餃子(→ 神戸グルメバイブル・餃子の頁を参照) のような味噌ダレ(こちらの店はゴマ油入り)もある。
 ちなみに、この店の生餃子は「大丸京都店」と「タカシマヤ京都店」の地下食品売り場でも購入ができるが、京都までは行けないという方は、下記サイトから冷凍餃子が購入出来る。(2014年10月追加)
http://www.mr-gyo-za.com/

南区唐橋高田町42  
電話番号:075-691-1991
定休日:木曜
営業時間:11時半〜20時半(餃子が売り切れ次第終了)
予算:ギョーザ1人前270円、キュウリの丸漬け200円
アクセス:JR東寺駅から九条通を「東寺」方向へ向かう。「東寺」を過ぎて400mほど進むと左に「京都九条病院」が見えるのでその「九条新千本交差点」を右折するとすぐ右角。JR東寺駅から徒歩15分。JR京都駅八条口から車で4分。
最寄りのランドマーク:東寺、京都九条病院
お勧めポイント:京都で今最も人気の餃子専門店

日曜の開店30分後の状態

入口横にあるテイクアウト専門の窓口

タレは、通常の酢醤油の他に、京都では珍しく神戸餃子のような味噌ダレ(こちらの店はゴマ油入り)もある。

この店の名物「キュウリの丸漬け」

ラーメン大栄 本店

 九条にある人気のラーメン店。京都市内には丸太町の「大栄」と嵐電天神川の「ラーメンかみのばし大栄」という同じ名前のラーメン店があるが、暖簾分けなのかどうかは分からない。古びた店内はL型のカウンター席のみで、席の後ろには雑然と物が置かれており、後ろを通るのにも窮屈なくらい。ご夫婦なのだろうか?カウンター内では店主と女性がテキパキとラーメンを作っていく。
 実は、この店には「みそラーメン」と「しょうゆラーメン」の2種類しかないが、僕のお勧めは「しょうゆラーメン」である。タップリの九条ネギの下には細めの茹でモヤシと薄めのチャーシューがタップリと入っており、どこかしら「本家 第一旭 たかばし本店(→ 京都グルメバイブル・ラーメンの頁を参照)」 と似ている。大きな違いと言えば、茹でモヤシが細くて食べやすいことやスープの味が濃いこと、メンマが大振りで美味しいことくらい。第一旭と同じスタイルのラーメン店が京都に多い理由は、第一旭の出身者が多いためなのか?この様な味が好まれるためなのか?は不明である。
 この店の「しょうゆラーメン」スープは、薄濁りの豚骨ベースのスープ。魚介系の酸味も感じられ、深みのあるスープだ。しかし、第一旭に比べるとさらに味が濃いめなせいか、建築土木関係の方が多いようだ。麵は細麺であるが、ほどほどコシがある。更にコシを求める常連客は、「麵硬めに!」と告げていた。作るのを眺めていると、チャーシューが自動スライサーで次々とスライスされていく。チャーシューは薄めなのでいくらでも食べられ、とても美味しい。なので、僕の一押しは「しゅうゆチャーシューメン」である。しかし、通常の「しょうゆラーメン」でもチャーシュー麺並みに入っているので、小食の方は「しょうゆラーメン」でよいかも。
 テーブルには入れ放題の擦りニンニクと関西定番の辛いニラが置かれている。目に付くと、ついついニラを入れたくなってしまうが、美味しいスープの味が全く変わってしまうので、僕的には入れない方がいいと思う。(2015年1月追加)

南区東九条西明田町20  
電話番号:075-661-5406
定休日:日曜
営業時間:11時〜20時(現在試験的に22時まで。但し、祝日は20時まで)
予算:しょうゆチャーシューメン950円
アクセス:地下鉄烏丸線・九条駅4番出口を出て烏丸通を右へ。左に烏丸市営住宅を見ながら烏丸通りを進む。最初の信号を右折して札辻通を200mほど進むと左側にある。九条駅から徒歩5分
最寄りのランドマーク:札辻通、烏丸通、殿田公園
お勧めポイント:チャーシュー麺が美味しい老舗ラーメン店

メニューはこれだけ

これがチャーシューの自動スライサー

しょうゆチャーシューメン

キムチのような辛いニラは入れ放題

しかし、スープに入れると全く別な味に

長岡京市

長岡京 小倉山荘の「嵯峨乃焼」

 「長岡京 小倉山荘」は、京都長岡京市にある人気のおかき・お煎餅の専門店。しかしながら現在では、チョコレートやゼリー、羊羹などといった現代菓子も含めていろいろと手がけているようだ。
 中でもこの店の一番人気は、国内産水稲米と有明産生海苔を使用した「嵯峨乃焼」。キャッチコピーのように、まさに食べると止まらない食感と美味しさなのだ。2枚入りの袋を開けると、細かい海苔が塗された丸い普通の煎餅である。噛むとパリッと程良い硬さが心地よい。初めはほんのりと甘く、そして続く深みのある醤油味の余韻が後を引く美味しさとなる。実に、ありそうでない絶妙なバランスの煎餅である。
 本店にあたる「小倉山荘 竹生の郷」以外でも関西を中心にいろいろな店舗で販売されている。関西エリアでは「京都タカシマヤ」や「大阪タカシマヤ」、「梅田 阪神本店」、「梅田 大丸」などの百貨店で、それ以外のエリアなら「日本橋、新宿、横浜、名古屋のタカシマヤ」や「池袋西武」、「博多大丸」、「博多阪急」、「名古屋松坂屋本店」、「名古屋三越」などでも購入できる。また、通販もやっているので、詳しくは下記ウェブを参照してほしい。(2015年5月追加)
http://www.ogurasansou.co.jp

長岡京市今里蓮ケ糸45番地  
電話番号:075-957-7070
定休日:無休(年末年始を除く)
営業時間:10時〜18時
予算:嵯峨乃焼・ご愛用袋(2枚入り11袋)432円、大缶(2枚入り34袋)1620円
アクセス:阪急京都線・西向日駅より700m
最寄りのランドマーク:赤根天神社
お勧めポイント:食べると止まらない美味しさの醤油煎餅