2.焼肉、肉料理

京都市北区

焼肉・塩ホルモン アジェ
      木屋町団栗店

 今、京都で最も勢いのある焼肉チェーン店である。京都市内にはこの店の他に「松原本店」と「北店」があり、昨年12月には名古屋市中村区に「名古屋店」もオープンした。店内は左側にカウンター席、中央と右側にテーブル席がある。肉のほとんどが700円前後とお手頃価格なせいか、客の多くは若者である。店内は常に混み合っており、この騒然とした雰囲気が何ともいい。また、この種の店にしては換気が良く、店員のサービスも秀逸である。
 席に着くと、まずは生ビールと一緒に名物の「蒸し豚」をいただく。この店の「蒸し豚」は、大分県の「耶馬溪(やばけい)黒豚」を使用した逸品である。蒸し立てなので生温かく、まさにとろける様な柔らかさだ。突き出しの「生キャベツ」は、ゴマ油風味のイタリアンドレッシングのようなものがかかっており、口直しとして最適。メニューを見ると、肉やホルモンはどれも「塩」か「タレ」を選べるようだ。漬けダレで味付けされた肉やホルモンにはニラとタマネギが入った独特の薄味のタレが付く。冷麺のスープを甘くしたような感じなので、肉に味を付けるというよりもむしろ洗い流してサッパリとさせるのであろう。なので、特につける必要もなく、この店では基本的にタレはないと考えた方が良いかも。「ホソ・塩」にも類似のタレが付くが、やはり脂っこいホソをサッパリと食させるのが目的のようだ。
 僕の一押しは「ホソ・塩」。「ホソ」とは脂のタップリと付いた小腸のことで、他の地方では「シロ」、「丸腸」、「ホルモン」などと呼ばれているもの。この店の「ホソ」は実に質が良くて美味しい。その他のお勧めは、きめ細やかな霜降りの「三角カルビ・タレ」と「上サガリ・タレ」、「上ハラミ・タレ」である。「上サガリ」と「上ハラミ」の違いは、「上ハラミ」の方が脂身が多く、「上サガリ」は脂身が少なめで厚めに切っているとのこと。「上タン塩」は生でも食べられる鮮度だそうで、サッと焼いてネギを挟んで食べる。「牛せせり・塩」はサーロインのように脂肪の割合が多い。京都でよく見る「アギ(牛のアゴ肉)」は、コリコリとした軟骨を含んでいて非常に硬い。僕の好みではないが、京都では大人気の必須アイテムである。「キムチ三種盛り」は「白菜キムチ」と「カクテキ(大根キムチ)」の他に、「オイキムチ(キュウリキムチ)」かと思いきや、意外なことに「水キムチ」であった。しかも、「カクテキ」はキューブ型ではなくスライスタイプであり、これは京都特産の聖護院大根を使っているためという。
 さらに、サイドメニューの変わり種では、「天然どじょう汁」や「真っ赤ラーメン・卵入り」などがある。ちなみに、予約は開店時に入店できる方限定で、「北店」は土日の昼も営業していて便利である。(2015年1月追加)

下京区河原町木屋町団栗下る東側  
電話番号:075-371-2727
定休日:不定休(水曜多し)
営業時間:【月~金】18時~23時、【土日・祝日】17時~23時
予算:蒸し豚800円、ホソ600円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面へ進む。「お菓子のデパート よしや」を過ぎて高瀬川を渡り、「マクドナルド」の手前の通りを右折してしばらく進むと左側にある。阪急河原町駅より徒歩4分
最寄りのランドマーク:高瀬川、木屋町通
お勧めポイント:京都で今最も勢いのある人気焼肉店

ホルモンのメニュー

肉のメニュー

生肉のメニュー

サイドメニュー

店のお勧めメニュー

口直しのキャベツはイタリアンドレッシングのようなものがかかっている

ニラとタマネギが入っているのがタレ肉のダレ

ネギが入っているのが「ホソ」のタレ

これが一押しの「ホソ・塩」1人前

プリップリの脂肪が甘い

大根キムチ(オイキムチ)

白菜キムチ

水キムチ

これも必須の「蒸し豚」

蒸し立てなので、生温かくジューシー

「極上タン」は売り切れだったので「上タン・塩」を注文

「上タン・塩」ネギを包んでいただく

「牛せせり・塩」はサーロインのように脂肪の割合が多め

「アギ(牛のアゴ肉)・塩」は非常に硬いので僕の好みではないが、京都の方にはとても人気がある部位

「アギ・塩」を焼いているところ

三角カルビ

上ハラミ

上サガリ

京都市東山区

三芳(みよし)

 食べログで一躍人気となった祇園にある肉割烹料理店。店内は左側にオープンキッチンのカウンター席が6席、右側に4人用テーブル席が4つある。店主はまだ若干39才と若いが、料理のセンスは抜群。メニューを見ると、最後のステーキの肉によってコースの値段が異なっている。「ロース」だと12000円、「ヒレ」は13000円、「熟成ロース」は14000円、「特選ヒレ(シャトーブリアン)は15000円といった具合。店のお勧めはエイジングビーフである「熟成ロース」。
 料理は肉や脂身、そして抽出したブイヨンなどを上手に使い分けた和洋折衷のもの。使用している和牛やその火の通し方、味付け、どれをとっても申し分ない出来。特に汁物は、ブイヨンの旨味と鰹節など魚介系出汁とのコンビネーションが絶妙。ボリュームや調理法のバラエティさに関しては 「京洛肉料理 いっしん(→ 京都グルメバイブル・肉料理の頁を参照)」 に一歩譲るが、逆にこの店の料理の方が、そのシンプル故にストレートに和牛の美味しさが味わえる。(2014年5月追加)

東山区祇園町南側570-15  
電話番号:050-5868-1886 (予約専用番号)、075-561-2508 (お問い合わせ専用番号)
定休日:日曜(日曜が祝日の場合には営業し、翌月曜日が休み)
営業時間:18時〜22時
予算:コースの価格は文中に記載(別途席料として500円がかかる)
アクセス:地下鉄烏丸線・四条駅、阪急京都線・烏丸駅19番出口あるいは阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。「京都四條南座」、朱色の壁の大きな建物「一力亭」を過ぎ、「アパホテル京都祇園」手前角を右折すると突き当たりにある。四条駅、烏丸駅より徒歩13分。 
最寄りのランドマーク:京都四條南座、一力亭、アパホテル京都祇園
お勧めポイント:和牛の美味しさを堪能できる肉割烹料理店

初めに出された一口コンソメスープ

和牛芯タンの刺身

リブロースの刺身

黄身醤油

黄身醤油とワサビをのせて食する

和牛とタケノコの椀

帆立ご飯と牛肉煮

クチコ(ナマコの卵巣)と芋を牛脂で揚げた物

和牛とホワイトアスパラのジュレトンブリ添え(酢の物)

和牛のしゃぶしゃぶ

ヒレ肉のステーキ

最後のご飯

和牛の昆布巻き

濃茶のシャーベット

京洛肉料理 いっしん

 歴史的背景によるのか京都人の好みなのかは分からないが、京都には鶏肉料理や牛肉料理の店が多い。この店は滋賀県の守山にあった牛肉料理専門店であるが、京都に移転してきて更に人気を博した。現在は祇園の白川疎水からほど近いところにあり、店の通りは京都花見小路のような風情のある茶屋街のよう。紅葉シーズンや花見シーズンの夜に散歩すると雰囲気があっていい。この店は外観こそ町家風であるが、 中はその面影すら感じられないくらい新しくて綺麗である。入り口近くにはカウンター席があり、奥には個室のテーブル席がある。
 昼と夜のコースの違いは、品数の違いと夜のコースの肉は全て“近江牛の雌牛”を使っていること。なので、ちょっと高くても夜のコースがお勧めである。料理は日本料理をベースとしたもので、全ての料理に牛肉が用いられ、さっと火を通したレアの状態か生の状態で供されるものが多い。そのためか、カルビやロース肉を敬遠しがちな年配者の方でもペロっと食べられるくらいサッパリとしている。また、味がしっかりと付いているので、どの料理も分かりやすい味だ。それでいながら、ステーキにスポンジケーキを彷彿させる醤油ムースを添えるなど、所々にサプライズを感じさせる素晴らしい牛肉料理である。グラスワインを注文すると、赤ワインが陶器の茶碗に入れられて出てきた。料理も含めて、これも外国人客受けしそうだ。(2013年2月追加) 

東山区縄手通新橋東入ル 祇園新橋元吉町51  
電話番号:075-531-5311
定休日:月曜(祝日の場合には営業することも) 
営業時間:12時~14時半、18時~22時半 
予算:昼のコース6000円、夜のコース11500円 
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座を過ぎた次の信号を左折し、縄手通を進む。「壱錢洋食」、「祇園かね松」を過ぎて橋を渡り、「鳥新」を過ぎセブンイレブンの角を右折するとすぐ左側。阪急河原町駅より徒歩8分。 
最寄りのランドマーク:京都四條南座、壱錢洋食、鳥新