9.お好み焼き、ドンブリ、鰻

京都市左京区

京うどん生蕎麦 おかきた

 平安神宮の近くにある蕎麦とうどんの店。この店の並びには1時間以上待ちが当たり前の行列・讃岐うどん店「山元麺蔵」があるが、この店も昼時には行列ができる人気店なのである。ドアを開けると天井が高く、大きな生け花が飾られている。奥には坪庭があり、竹と木を使った特注の家具や江戸唐紙など、和を感じさせるモダンなインテリアがいい。また、ジャズが流れ、直接光や間接光などもそれを効果的に演出している。案内された席は僕1人であるにも関わらず、相席ではなく4名用のテーブル席であった。
 この店のメインは蕎麦とうどんであるが、最近の一番人気はいかにも京都らしい「天とじ丼」である。出てきたその姿は、大きめの海老天2本にフンワリトロトロの玉子とじがかかっており、ビジュアル的にも食欲がそそられる。海老天の衣は玉子とじの水分を吸ってベチャッとしているかと思いきや、江戸前天丼のようにカリッと揚がっていた。ほんのりダシが効いた薄めの味付けは、親子丼の有名店 「ひさご(→ 京都グルメバイブル・親子丼の頁を参照)」 よりもやや甘めなので、山椒よりも七味をかけた方がマッチする。白菜の浅漬けやしば漬けは美味しかったが、湯葉入りの赤出汁は後味が苦めでごく普通。ちなみに、店内は禁煙であり、小食の方や隣の「山元麺蔵」もハシゴしたいという方のために「ミニ丼」や海老天1本のものも用意されている。
 店主を中心としたきめ細かなサービスはうどん店としては抜きん出ており、さらに行列店でありながら相席を要求しない点も素晴らしい。行列は開店後にできるので、行くなら開店直前か14時以降がベストであろう。(2014年4月追加)

左京区岡崎南御所町34  
電話番号:075-771-4831
定休日:火曜
営業時間:11時〜20時
予算:天とじ丼1200円(ミニ丼650円、海老1本の天とじ丼1000円)
アクセス: 地下鉄東西線・東山駅1番出口を出て三条通を左へ進む。橋を渡り、「三条神宮道交差点」の信号を過ぎ、さらに左にある小さな鳥居を過ぎたすぐの信号(岡崎通)を左折する。細い岡崎通を300mほど進むと急に開けて通りが広くなり、左に「京都市美術館」、右に「京都市動物園」が見える。さらに進むと、左に「岡崎公園」のテニスコートが見え、右に「山元麺蔵」の行列が見えるので、その先。東山駅から徒歩15分。
最寄りのランドマーク:岡崎公園地下駐車場・動物園側出入り口、岡崎通沿い
お勧めポイント:フワフワトロトロの玉子とじの「天とじ丼」が美味しい

京都市下京区

タレカツ 京都本店

 東京を中心に多店舗展開する新潟カツ丼チェーン店。関東以外の店舗は、この京都本店しかないようだ。僕はかつて「吉祥寺店」で一度食べたことがあるが、新潟で食べた「とんかつ太郎」や「とんかつ政ちゃん」などといった有名店とほぼ変わらない味で、ファストフード店としてはなかなか良い店だと思っていた。まさか、京都で再びお目にかかれるとは思ってもみなかったが、関西では珍しいローカルB級グルメなので掲載することに。
 そもそも「新潟カツ丼」とは、薄く叩いた豚肉のモモ肉あるいはヒレ肉(店によっては牛肉もある)に細かなパン粉を塗して揚げ、天丼のタレに似た甘辛醤油ダレにさっと潜らせてご飯にのせたもの。玉子やソース、キャベツなどといった余分なものは一切入ってないシンプルなカツ丼なのである。
 店内は、木とコンクリートを組み合わせた和モダンな造りで、常に若者たちで混雑している。基本のメニューは、モモ肉を使った「カツ丼」とヒレ肉を使用した「ヒレカツ丼」の2種類であり、カツの枚数とご飯の量によって「ミニカツ丼orミニヒレカツ丼」、「カツ丼orヒレカツ丼」、「二段盛りカツ丼or二段盛りヒレカツ丼」の3つのボリュームに分かれている。この他にトロロがのった「とろろカツ丼」や海老フライがのった「海老丼」、豚カツと海老フライがのった「合いもり丼」などがある。「カツ丼」と「ヒレカツ丼」は、どちらも見た目は同じだが、「ヒレカツ丼」の方が柔らかくて肉質も良くお勧めである。
 ちなみに、この店のタレは、有機栽培で育てられた大豆を天然酵母で醸造した最高級の「有機醤油」に、砂糖や特製スープを注ぎ足したタレだという。豚肉は「和豚もちぶた」を使用し、純正ラードでカラッと揚げられていていい。しかし、米は新潟米を少し硬めに炊いているため、食感が良くなくイマイチだ。カツとご飯をそのまま食べても良いし、卓上にある辛子をカツにつけて食べても旨い。なお、ほとんどのメニューはテイクアウトもできる。(2019年10月追加)
http://tarekatsu.jp

下京区綾小路柳馬場下がる塩屋町44  
電話番号:075-341-8350
定休日:無休
営業時間:【月曜〜土曜】11時〜22時、【日曜・祝日】11時〜21時
予算:ヒレカツ丼1120円
アクセス:地下鉄烏丸線・3番出口を出て左をすぐに左折し、綾小路通りを進む。東洞院通り、高倉通り、堺町通りを過ぎ、次の交差点の右側(柳馬場通りとの交差点)。
最寄りのランドマーク:綾小路通り、柳馬場通り
お勧めポイント:京都唯一の新潟カツ丼専門店

綾小路通りを進むと・・・ ココです! 店内は、木とコンクリートを組み合わせた和モダンな造りで、常に若者たちで混雑している基本のメニューは、モモ肉を使った「カツ丼」とヒレ肉を使用した「ヒレカツ丼」の2種類であり、カツの枚数とご飯の量によって「ミニカツ丼orミニヒレカツ丼」、「カツ丼orヒレカツ丼」、「二段盛りカツ丼or二段盛りヒレカツ丼」の3つのボリュームに分かれている。この他にトロロがのった「とろろカツ丼」や海老フライがのった「海老丼」、豚カツと海老フライがのった「合いもり丼」などがある ほとんどのメニューはテイクアウトもできる プラス50円で辛いタレにも変更できる カツとご飯をそのまま食べても良いし、卓上にある辛子をカツにつけて食べても旨い 「ヒレカツ丼」と追加の「カツ丼」の肉1枚 「カツ丼」と「ヒレカツ丼」は、叩いて薄く揚げているので、どちらも見た目は同じだが、「ヒレカツ丼」の方が柔らかくて肉質も良くお勧めだ

京都市東山区

お好み焼き 吉野

 食べログ京都のお好み焼き部門で、常にトップを争う人気店。店は大和大路通沿いの三十三間堂・南裏の分かりにくいところにある。しかも、そこからさらに小路を入った奥にあるため、通り沿いに看板が置かれていなければ全く分からないほど。小路には冷蔵庫を含むいろいろな物が雑然と置かれているため、待つのが大変なくらい狭い。
 店内は右手前にカウンター席、右奥と左側にテーブル席が5つある。お母さんと息子さんらしき方が、テキパキとオーダーをこなして行く。先ずは生ビールを注文し、セルフサービスのおでんを頂く。おでんはごく普通のおでんで、特にお勧めではない。
 今回は食べログの投稿内容を読んで良さそうだった「ホソ焼き」、「スジ焼き」、「焼きそば・上ミノ」、「(お好み焼きの)豚玉+油かす(牛の腸を揚げたもの)トッピング」の計4品を注文。「ホソ焼き」と「スジ焼き」は混ぜて一緒に焼いて頂いたが、ホソもスジも、ジンギスカンのタレのようなものにつけて食べる。「ホソ焼き」は、臭みもなくフワフワトロトロで美味しく、これはお勧め。「スジ焼き」は、煮込みが不十分なせいか硬くてお勧めできない。実は、僕はこの店の美味しさはソースにあると思う。ソースは甘口と辛口があり、甘口でも通常のソースよりも辛め。辛口はいわゆるドロソースで、インパクトのある官能的な辛さだ。もちろん、焼きそばもこのソースによってスパイシーな味付けとなっている。麵は低加水の細麺を使用しており、麵は食感的には微妙である。「上ミノ」はホルモン特有の臭みがあり、お勧めできない。この店のお好み焼きは広島と同じ薄焼き。常連客はそれに「そば」か「うどん」をトッピングしている。薄焼きにしては外がカリッと中がフンワリとした食感であるが、焼きムラがあったり厚さが一定でないなど、焼き方はスキルが低くかなり雑である。焼き上がるとテーブルの鉄板に運ばれてくるので、自分で好みのソースと青のり、魚粉をかけて頂く。ちなみに、マヨネーズは置いていない。
 今回は平日の開店少し前に到着したため、すんなりと入れたが、店を出た12時前頃には、店の前にはかなり長い行列ができていた。僕的には京都の平均的お好み焼き店よりもちょっと良いくらいのレベルに思えるので、何故こんなに人気があるのかは不明である。いずれにせよ、出かけるときには11時少し前までに到着することをお勧めしたい。(2015年1月追加)

東山区大和大路通り塩小路下ル上池田町546  
電話番号:075-551-2026
定休日:月曜と火曜
営業時間:11時~20時半
予算:ホソ焼き900円、豚玉700円(そば入り・小850円)
アクセス:京阪本線・七条駅出入り口1番を出て、マクドナルドの角を右へ。「七條甘春堂」、「料亭わらじや」を過ぎた3つめの交差点を右折し、「三十三間堂」に沿って細くなった大和大路通を進む。さらに、塩小路通を過ぎると、左側に看板が見えるので、その小路を左折する。七条駅から徒歩6分。
最寄りのランドマーク:七条駅、マクドナルド、甘春堂三十三間堂の南裏
最寄りのランドマーク:大和大路通、三十三間堂、塩小路通
お勧めポイント:京都で人気ナンバーワンのお好み焼き店

奥に見えるのが三十三間堂の南側

赤い提灯と看板が見える建物の手前の小路を入る

店の前には冷蔵庫やいろいろな物が置かれていて狭い

小路はこんな感じ

逆からのアングルで見ると冷蔵庫が・・

カウンター席

右側と奥にテーブル席

メニュー

カウンターに置かれたセルフのおでん

運ばれてきた「ホソ焼き」と「スジ焼き」のミックス

肉のような物がスジで脂身みたいのがホソ

タレにつけて頂く

甘口、辛口ソースと魚粉、青のり

「豚玉+油かす(牛の腸を揚げたもの)トッピング」が運ばれてきた時の状態

ソースを塗る

魚粉と青のりをかけて完成

豚玉の断面はキャベツだらけ

物足りないのでさらに辛口ソースをつける

辛口ソースまみれ状態だが、これがクセになる美味しさ

焼きそば上ミノ

鉄板食堂 ことら

 店内に入ると、まず坊主頭の店主が笑顔で迎えてくれた。シェフはフレンチとイタリアンの修行経験があるにも関わらず、人見知りと言うことで、それを克服するために敢えてカウンター席を作ったという。しかしながら、既にそれは克服したように思える。
 この店の特徴は、京都の地ソースである「ツバメソース」にこだわっていることと、焼きそばに茹でたての麵を使用していることである。なので、僕の一押しは焼きそば。中太ストレートの麵は茹でたてなので、モチモチと言おうか、どこかしら「富士宮焼きそば」と通じる独特のコシがある。今回は「すじ煮込み焼きそば」を注文したが、店のお勧めは、ホルモンやハラミが入った「スタミナ焼きそば」。ソースは僕的には甘めで、これでもう少しソースが辛口ならば完璧になると思う。ちなみに、焼きそばはこの他に、「海鮮塩焼きそば」や「ホルモン焼きそば」などいろいろある。
 ビールのお供に注文した「ホルモン焼き」は、いわゆる脂のタップリと付いた小腸のことで、京都で言うホソ焼き。モヤシには火が通っているものの、キャベツと九条ネギには火が通っていない。しっかりとした味付けがされているのも京都らしく、悪くない。また、九条ネギがタップリと入った「ねぎ焼き」は、兵庫のものに比べると少し厚めで、中がトロッとしている。これは醤油とレモンでサッパリと頂きたい。この他に「牛ハラミのガーリック醤油焼」や「九条ネギと豚トロの柚子こしょう炒め」、「赤バクダン」、「鶏皮のカリカリ焼き」などの魅力的なメニューがいろいろとあったが、この日は2軒目の取材であったので、これにて終了となった。(2015年1月追加)

東山区祇園町南側529-1 祇園ケントビル 1F  
電話番号:075-525-4050
定休日:月曜、第1日曜
営業時間:18時~翌2時半
予算:牛すじ焼きそば800円、スタミナ焼きそば1250円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座を過ぎ、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)過ぎて進むと正面に八坂神社が見えるので、ローソンの角を東大路通に右折する。すぐ右側に「旅館東山ホテル」が見えるが、その手前にある。阪急河原町駅より徒歩10分 
最寄りのランドマーク:八坂神社、旅館東山ホテル、東大路通
お勧めポイント:モチモチの釜揚げ麵を使った焼きそばが美味しい

カウンター席

テーブル席

焼きそばのメニュー

カウンター席の前にはテレビがあるので、1人飯には退屈しない

「ホルモン焼き」を焼いているところ

「すじ煮込み焼きそば」。焼きそばには目玉焼きはのっている

目玉焼きの黄味を混ぜて頂く

「ねぎ焼き」はフックラと厚め。お勧めは醤油味

祇園ねぎ焼 かな 東店

 祇園東大路通沿いにある古くてマニアックなお好み焼き店。外から眺めると入口と思しき扉が3つあるが、そのうち2枚は本当の入口であり、残り1つの扉は何と調理場の扉である。というのも、建物の構造自体が細長くて狭いため、カウンター席の後ろを通るのが大変で、近くにある外の扉から入った方が便利だからである。カウンター内ではおばちゃんがテキパキとオーダーをこなしてしていく。左奥の調理場にはもう1人女性店員がおり、具材の下準備をしていた。
 この店は一応関西風の鉄板焼き店なので、まずはビールを飲みながら鉄板焼きを頂き、そして締めにお好み焼きや焼きそばを食べるのがお勧めである。鉄板焼きの具材はいろいろあるが、「とん平」、「豚キムチ」、「セセリ」、「砂ズリ」などがいい。この店の鉄板焼きは、関西のこの種の店にしては意外と薄味だ。
 お好み焼きは「ねぎ焼き」、「ベタ焼き」、「お好み焼き」の3種類がある。「ねぎ焼き」と「ベタ焼き」は、いわゆる広島風の“薄焼き”のことで、両者の差はメインの具材がネギかキャベツかだけの違い。「お好み焼き」は、いわゆる大阪風の“厚焼き”のことで、フックラしてるかと思いきや、キャベツが大量に入ったごく普通のお好み焼きだったので、お勧めというほどではない。なので僕のお勧めは、あくまでも「ねぎ焼き」と「ベタ焼き」である。具材は「牛」、「豚」、「スジ」、「エビ」、「カキ」、「ちくわ」などがあるが、「ねぎ焼き」には「スジ」が、「ベタ焼き」には「豚」か「ミックス」がベストだと思う。さらに、中太麵を使った「焼きそば」も結構美味しく、これもお勧めである。
 ちなみに、この店は昼から深夜までの通し営業なので、日中の中途半端な時間帯や夜遅く京都に到着したときには非常に重宝するB級グルメ店である。(2015年1月追加)

東山区東大路安井北門通月見町  
電話番号:075-561-4529
定休日:月曜
営業時間:12時~翌4時
予算:ねぎ焼き・スジ900円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座を過ぎ、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)過ぎて進むと正面に八坂神社が見えるので、ローソンの角を東大路通に右折する。「かに家」を過ぎて進むと右側にある。阪急河原町駅より徒歩10分 
最寄りのランドマーク:八坂神社、かに家京都店、東大路通、東山安井交差点
お勧めポイント:深夜まで鉄板焼きとお好み焼きが食べられるB級店

暖簾が2つ見えるが、この他に左側にも調理場へ繋がる扉がある

L字型のカウンター席

メニューは壁一面に

かきの鉄板焼きはモヤシと共に

豚キムチ

セセリ

「特製だし巻き」を作ってもらう

完成

「特製だし巻き」の断面

すじ焼き

とん平

砂ズリ

ねぎ焼き・スジ(手前)とお好み焼き・豚(奥)を焼いているところ

ねぎ焼き・スジ

お好み焼き・豚

名前を忘れたが、とろろ焼きのようもの

焼きそば・ミックス

祇をん う

 ミシュランガイド関西2014で1つ星を獲得した祇園の鰻店。店は花見小路の1本裏通りの祇園の町家街にある。この店は関西風ではなく、実は関東風の蒸した鰻の蒲焼きを出す。戸を開けると、調理場のある1階の入り口奥にもテーブル席があるが、メインはあくまでも2階の座敷。この店の名物は大きな木桶の中に数匹の鰻が敷き詰められた「う桶(3〜5人前)」であるが、今回の取材は僕1人だったため、「鰻丼(きも吸い付)」を注文することに。鰻丼には「松」と「竹」の2種類があるが、折角なので高い方の「鰻丼(松)」と「うざく」を注文。周りを見てみると、ほとんどの客はビールや冷酒と一緒にフワフワで熱々の「う巻」や「だし巻」を食している。
 まず出てきた「うざく」は、酢の当たりが柔らかく、キュウリやミョウガ、海藻麵の食感も良かった。肝心の「鰻丼」の鰻はかなり小振りな鰻を使用している。焼き方は焦げ目が少なくスキルは高そうだ。また、鰻は全く泥臭さのない良質な鰻で、タレも甘みが少なくスッキリとしていい。フックラとした東京の一流店で食べる鰻の蒲焼きには及ばないものの、関西で食べる関東風の鰻の蒲焼きとしては決して悪くないと思う。(2014年8月追加)

東区祇園町南側570-120  
電話番号:075-551-9966
定休日:月曜(祝日の場合は翌日)
営業時間:11時半〜14時、17時〜20時
予算:う桶(3人前10000円、4人前13500円、5人前16380円)、鰻丼(竹)3250円、(松)4250円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座の前を過ぎて進むと、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)が見えるので、その角を右折。100mほど進むと左側に「旅館・菊梅」と「京料理・西坂」見えるので、その前の道を右折する。すぐに「廣東料理・翠雲苑」が見えるので角を左折して進むと左側に見える。阪急河原町駅より徒歩6分。

最寄りのランドマーク:祇園花見小路、お茶屋一力亭
お勧めポイント:京都で頂ける美味しい関東風の鰻の蒲焼き

お品書き

1階のテーブル席

2階の座敷

うざく(鰻ざく)

鰻丼(松)

鰻丼(松)のアップ

きも吸い

香の物

  

権兵衛

 八坂神社近くの親子丼で有名な 「ひさご(→ 京都グルメバイブル・親子丼の頁を参照)」 と同様、親子丼の専門店ではなく、普通の街の蕎麦屋である。しかしながら、この店の親子丼が滅法旨いのである。店内は、入り口に目新しいテーブル席が、奥の方は風情のある小上がりとなっている。小上がりは基本4名掛けのテーブルなので、混み合う場合には相席となることを覚悟しなければならない。5年ぶりにこの店の親子丼を食してみたが、やっぱり美味しい。2006年度版に比べると、150円も値上がりしていて、観光地価格なのか?親子丼としては破格の値段である。
 この店の親子丼は山椒がかかった京風の親子丼で、蕎麦屋らしく出汁が効いている。このため、見た目は通常の親子丼よりもやや茶色い色をしている。甘さが抑えめで、出汁の深みに山椒の香りが加わることで、それほどお腹が空いていなくてもスルスルと入ってしまう。使用している鶏は特に銘柄鶏ではないとのことだが、“丹波の赤鶏”の様な弾力と香りがして、鶏も申し分のない美味しさである。加えて、卵の火の通し方もトロトロで、卵の食感、出汁の深み、鶏の旨味と弾力、3拍子全て揃った親子丼で、日本トップレベルの親子丼であることは間違いない。(2014年1月更新)

東山区祇園町北側254   
電話番号:075-561-3350
定休日:木曜
営業時間:12時〜20時
予算:親子丼1450円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。「京都四條南座」、縄手通(大和大路通)を過ぎ、次の角の小路を左折するとすぐ左側。阪急河原町駅より徒歩5分。
最寄りのランドマーク:京都四條南座
お勧めポイント:出汁の効いたトロトロの京風親子丼が味わえる

ひさご

 八坂神社近くにある蕎麦屋であるが、この店の名物は蕎麦ではなく親子丼。開店前から店の前には行列ができ、日曜日のこの日も30分くらい並んでからの入店となった。2006年の京都グルメバイブル取材時とは見違えるほど綺麗になった店内は、天井が高くとても清潔感がある。他の京都B級グルメ人気店と同様、この店も基本は相席である。僕は 「菊乃井(→ 京都グルメバイブル・日本料理店の頁を参照)」 の店主・村田さんの著書でこの店のことを知って訪れて以来、この店の親子丼が大好物となった。
 この店の親子丼は通常のものとは全く異なる。通常の親子丼は1杯ずつ小さな平鍋で作られるが、この店の親子丼は5人分なら5人分一度に深鍋で作られるのである。なので、ザックリと言えば、玉子がフワフワの“玉子とじ”のような“つゆだく”の親子丼なのである。この京都らしいハンナリとしたダシの効いた“つゆだく”の玉子には、予め山椒がかけられて出される。注文時にかけても良いかどうか聞かれるので、心配ならかけないで出してもらい、後でテーブルの山椒をお好みでかけてもいい。親子丼に山椒という組み合わせは、最初は馴染めなくても徐々に慣れて病みつきになるので、是非かけて食べることをお勧めしたい。また、親子丼には丹波の赤鶏のモモ肉が使用されているが、これがとても濃厚でコクがある。(2014年3月更新)

東山区下河原通八坂鳥居前下ル下河原町484   
電話番号:075-561-2109
定休日:月曜(祝日の場合は翌日が休み)
営業時間:11時半~19時半
予算:親子丼980円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座を過ぎ、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)過ぎて進むと正面に八坂神社が見えるので、八坂神社側へ信号を渡る。更に右に進み、最初の角を左折すると南楼門前に出るので右折する。「京ばん」、「京菓匠 栗阿彌」、「浜作 本店」を過ぎて進むと左側にある。阪急河原町駅より徒歩12分。 
最寄りのランドマーク:お茶屋一力亭、八坂神社、浜作 本店
お勧めポイント:京都ならではの玉子とじのような親子丼

京都市南区

あらた

 京都で最も人気のお好み焼きの店。僕も何度か通った店だが、今回は約10年ぶりの訪問。店内は以前と変わらず、入り口付近にテーブル席が1つと正面にL字型のカウンター席、さらに左側にL字型の小上がりがある。
 まずは冷えた生ビールと人気の「ピリカラきゅうり」を注文。「ピリカラきゅうり」は腐乳でも入っているのか?オイキムチとは違ったサッパリとコクのありお勧め。続いて鉄板焼きの人気メニュー「あぎ塩焼」と「ホソ塩焼」を注文。“あぎ”とは牛肉のアゴ肉のことで、筋張ったコリコリとした食感。アゴが丈夫でなければ決してお勧めはできないが、ニンニク風味の塩味が塩辛いくらいしっかりとしていてビールと良く合う。“ホソ”とは牛の小腸のことで、やはりニンニク風味の塩味でキャベツと共に炒められ、柔らかくこれもお勧め。スジ肉の炒め物である「すじ焼」や「すじキムチ」は、スジが硬めなのでよほど好きでなければお勧めできない。他の鉄板焼きメニューで選ぶなら、以前僕がよく食べていた砂肝焼き「砂ずり」がお勧め。また、この店の「とん平焼」は他店とは異なった独特の豚肉の卵巻きで、タップリのマヨネーズソースがかかっていて美味しい。
 この店の人気のお好み焼きは、兵庫県で一般的な「薄焼き(広島風のような生地が薄いお好み焼き)」であるが、もちろん大阪で一般的な「混ぜ焼き(生地が厚いお好み焼き)」もある。また、この店の「薄焼き(ベタ焼)」は5種類あり、具材が選べる「ベタ焼」と、予め具材が決まっているこの店オリジナルである「あらたお好み」の他、「す焼」や京都特有の「マンボ焼き」、関西の人気商品「ねぎ焼」などがある。僕もこれらの違いをハッキリと覚えていないので、詳しくはに店員にお聞き願いたい。とにかく、「薄焼き(ベタ焼)」で注文するなら「ねぎ焼」か「あらたお好み」を、「混ぜ焼き(お好み焼き)」で注文するなら「ブタ玉」がいい。また、今回は食していないが、「焼そば」や「辛焼そば」なども美味しいので、お腹に余裕があれば注文されたし。
 とにかく、サービスの男性店員が明るく元気が良く、とても気持ちが良い。ちなみに、人気店だけに予約は必須で、油の臭いが服に付くので、付いても構わないような服装で伺いたい。(2014年5月追加)

南区西九条院町24-4  
電話番号:075-661-5444
定休日:日曜
営業時間:17時〜23時
予算:とん平焼き690円、ホソ焼690円
アクセス:JR京都駅八条口を出て、向かいにある「新・都ホテル」へ向かう。「新・都ホテル」と「駿台」の間の西洞院通を左折し、さらに「イオンモールKYOTO」の交差点を左折して東寺通を進むとすぐ左側。JR京都駅から徒歩5分。
最寄りのランドマーク:新・都ホテル、駿台、イオンモールKYOTO
お勧めポイント:京都で最も人気のお好み焼きの店

ピリカラきゅうり

あぎ塩焼

ホソ塩焼

すじキムチ (混ぜて炒める前)

すじキムチ(完成)

とん平焼

あらたお好み