4.イタリアン、スパニッシュ

京都市左京区

チェンチcenci

 今、京都で、「キメラ(→ 京都グルメバイブル・イタリアンの頁を参照)」と共に、最も予約が取りにくいイタリアンである。店名はフィレンツェの方言で、素朴なという意味。イタリア料理店とはとても思えない外観の建物は、元々普通の日本家屋だったものを、地下に掘り下げてリノベーションしたものだという。なので、現在の2階が元の1階であり、1階のメインダイニングの部分は地下にあたる。
 ドアを開けるとアンティークなイメージの不思議な空間。ドアが2つあり、正面のドアは2階に、そして左はカウンター席とメインダイニングへ繋がっている。木材をふんだんに使用したメインダイニングは吹き抜けになっており、中央にはヨーロッパ的なR(丸み)をイメージした木の柱が鎮座している。このような斬新なインテリアのレストランを見たのは初めてで、一見の価値があるデザインだ。
 この日はランチだったが、ディナーと同じ12000円のコースで予約。まずは、オーナーシェフである坂本さんが挨拶に来てくれ、その後「グリッシーニ」とオリーブオイルが運ばれてきた。ドリンクメニューにあった料理毎に出てくるペアリングワインは、酒の弱い人ならば少量にしてくれる。料金は飲んだ分に換算してもらえ、これはありそうでなかなかない優れたサービスだ。
 続いて、新潟産の豚を使って岐阜で作ったという国産のパルマ風生ハム「ペルシュウ」に、作り立てのモッツァレラチーズ、刻んだ蓮根が入った蓮根餅、そして自家製「熊本高菜のマスタード」が添えられて出てきた。作り立てのモッツァレラチーズは、焼いた「カチョカヴァロ」のような美味しさで、極薄にスライスされた「ペルシュウ」は、出来としては悪くはないが、豚肉の嫌な香りが少し気になった。「フォカッチャ」は、パンは表面がカリッとしていてオイリーで、バゲットのように香ばしくて美味しい。「青森マグロのカツレツ・カルダモンのサワークリームソース」は、マグロがレアに揚げられているので、マグロの旨味が感じられる。また、香ばしい焼きナスとカルダモン、オリーブオイル、マグロと一体となっていて調和していた。全粒粉で作ったという「冷たいトレネッテ・牡蠣とオクラ、ツルムラサキのタルタルのせ」は、広島県産のレモンを絞っていただく。酢の物のように酸味が前面に出てしまい、牡蠣が生かされていなかったが、ペアリングで、酸味のある食べ物とリースリング種(白ワイン)が合うことだけは分かった。「伝助穴子と椎茸、舞茸のスープ仕立て」は、プルンとした肉厚な伝助穴子とバジル、キノコ、松の実のスープがよく合う。「アボカドムースと生ウニ ビーフコンソメジュレ」は、茶豆や冬瓜、カボチャなどが複雑なパズルとなった微妙な美味しさ。「岩手県産ホロホロ鳥のロースト」は、トウモロコシのピューレとブルーベリー、スモークしたメキシコ産唐辛子パウダーが添えられていた。トウモロコシのピューレは甘いので、唐辛子パウダーに付けて食べた方が美味しかった。また、胸肉よりもモモ肉の方が旨味があって良かった。「フレッシュトマトとニラ、サザエのスパゲティ」は、鷹の爪が入ったピリ辛味。悪くはないが、例えて言うなら中華料理っぽく、洗練された味とは言えない。1つ目のデザート「銀杏のクレープ・晩柑のコンフィチュール」は、クレープというよりもモチっとした「どら焼き」の皮に近い感じ。なかなか美味しいが、銀杏の実は不要かなと感じた。2つ目のデザート「蓮根餅カカオパウダー」は、食感も含めてイマイチだった。3つ目のデザート「桃とマスカットのデザート・ヨーグルトソース 酒粕アイス添え」は、まさに想像通りの味。飲み物の「カプチーノ」には、店名を冠した素朴なクッキーが添えており、これにて終了となった。
 なお、下記ホームページからはネット予約も可能なので、ネットで予約した方が便利である。(2019年10月追加)
http://cenci-kyoto.com

左京区聖護院円頓美町44-7  
電話番号:075-708-5307
定休日:月曜(月に2回、不定で日曜休みがある)
営業時間:12時〜13時、18時〜20時
予算:【ランチ】6000円、10000円、12000円、【ディナー】12000円
アクセス:京阪本線・神宮丸太町駅出入口1を出て、丸太町通を東へ進む。「京都大学・熊野寮」、「熊野神社」のある東大路通りを過ぎて次の信号を右折すると、すぐ右側にある。神宮丸太町駅より徒歩12分
最寄りのランドマーク:熊野神社、丸太町通り、東大路通り、平安神宮
お勧めポイント:古い日本家屋をリノベーションしたアーティスティックなモダンイタリアン

2階を見ると、古い日本家屋であることが分かる これがドア ドアを開けるとアンティークなイメージの不思議な空間。木材をふんだんに使用したメインダイニングは吹き抜けになっており、中央にはヨーロッパ的なR(丸み)をイメージした木の柱が鎮座している。これは2階のテーブル席からの様子で、直接1階のメインダイニング席は見えないが、中央の柱だけは垣間見える ドリンクメニュー1。料理毎に出てくるペアリングワインは、酒の弱い人ならば少量にしてくれる。料金は飲んだ分に換算してもらえ、これはありそうでなかなかない優れたサービスだ ドリンクメニュー2 本日のコースについて 本日のコースの素材だけが表示されている まずは、「グリッシーニ」とオリーブオイルが運ばれてきた 続いて、新潟産の豚を使って岐阜で作ったという国産のパルマ風生ハム「ペルシュウ」に、作り立てのモッツァレラチーズ、刻んだ蓮根が入った蓮根餅、そして自家製「熊本高菜のマスタード」が添えられて出てきた。作り立てのモッツァレラチーズは、焼いた「カチョカヴァロ」のような美味しさで、極薄にスライスされた「ペルシュウ」は、出来としては悪くはないが、豚肉の嫌な香りが少し気になった 「フォカッチャ」は、パンは表面がカリッとしていてオイリーで、バゲットのように香ばしくて美味しい 青森マグロのカツレツ・カルダモンのサワークリームソース」 マグロがレアに揚げられているので、マグロの旨味が感じられる。また、香ばしい焼きナスとカルダモン、オリーブオイル、マグロと一体となっていて調和していた 全粒粉で作ったという「冷たいトレネッテ・牡蠣とオクラ、ツルムラサキのタルタルのせ」広島県産のレモンを絞っていただく 酢の物のように酸味が前面に出てしまい、牡蠣が生かされていなかったが、ペアリングで、酸味のある食べ物とリースリング種(白ワイン)が合うことだけは分かった
「伝助穴子と椎茸、舞茸のスープ仕立て」に、スープを注いでいるところ プルンとした肉厚な伝助穴子とバジル、キノコ、松の実のスープがよく合う 「アボカドムースと生ウニ ビーフコンソメジュレ」は、茶豆や冬瓜、カボチャなどが複雑なパズルとなった微妙な美味しさ 「岩手県産ホロホロ鳥のロースト」 トウモロコシのピューレとブルーベリー、スモークしたメキシコ産唐辛子パウダーが添えられていた。トウモロコシのピューレは甘いので、唐辛子パウダーに付けて食べた方が美味しかった。また、胸肉よりもモモ肉の方が旨味があって良かった 「フレッシュトマトとニラ、サザエのスパゲティ」は、鷹の爪が入ったピリ辛味。悪くはないが、例えて言うなら中華料理っぽく、洗練された味とは言えない 飲み物のメニュー1 飲み物のメニュー2 香りをかぐことを出来る1つ目のデザート「銀杏のクレープ・晩柑のコンフィチュール」は、クレープというよりもモチっとした「どら焼き」の皮に近い感じ。なかなか美味しいが、銀杏の実は不要かなと感じた2つ目のデザート「蓮根餅カカオパウダー」は、食感も含めてイマイチだった 3つ目のデザート「桃とマスカットのデザート・ヨーグルトソース 酒粕アイス添え」は、まさに想像通りの味 「カプチーノ」「カプチーノ」には、店名を冠した素朴なクッキーが添えられていた

Pizzeria Napoletana Da Yuki
       (ダ・ユウキ)

 なぜ京都にピザ職人が多いのかは不明だが、自転車で街をぶらぶらしているととにかくピッツェリアが目に付く。この店も岡崎の 「旬席 鈴江(→ 京都グルメバイブル・日本料理店の頁を参照)」 へ行く時に店の前の行列が気になり、後に取材してみたナポリピザ専門店である。調べてみると、この店は京都でも屈指の人気店のようだ。ウィンドウ越しに外から薪釜が見え、店内はかなり狭く窮屈そうである。店に入ると左側に外から見えたピザ釜と薪が、右側にカウンター席、そして窓際にテーブル席があり、かなり小さな店である。
 この日のメニューを見ると、レギュラーのピザが15種類、そして日替わりのピザが7種類あった。さらに、ピザ以外の料理もピッツェリアとは思えないくらい豊富で、ピッツェリアというより通常のイタリア料理店のようなラインナップ。この店で使用する水牛のモッツアレラチーズは、ナポリで出来上がって24時間以内に日本に直送されるという。メニューの中で特に気になったのは、京都らしいネーミングの「KAGUA(馨和)」というビール。白と赤があり、今回は白(Blanc)の方を注文。味はスモーキーかつフルーティで、サッパリとした感じ。しかしラベルを見てみると、中身は京都でなくやはりベルギービールであった。
 今回はピザ以外のメニューの中から「間人(たいざ)産白イカのリピェーノソテー」を、そしてレギュラーのピザメニューから「マルゲリータD.O.C.」を注文した。通常の「マルゲリータ」と「マルゲリータD.O.C.」の違いは、乳牛のモッツアレラチーズか水牛のモッツアレラチーズかの違いである。この店自慢の水牛モッツアレラチーズは確かに美味しく、ピザ生地も少し塩味が効いていてモチモチとして旨い。但し、トマトソースだけはシンプルすぎて何かしらの物足りなさを感じてしまう。「間人産白イカのリピェーノソテー」は、魚介をミンチにしてイカに詰めてソテーしたもので、これもなかなかイケル。
 ちなみに、ピザ職人の男性が1人とカウンター内に男性料理人が2人、そしてサービス担当の女性が1人でやっているが、人気店にも関わらず店員の接客は良かった。今回の取材では、1人取材であるという物理的・時間的な都合上、ピザは「マルゲリータD.O.C.」の1品しか食べていないが、これまでの経験からこの評価でほぼ間違いないと思う。人気店なので事前の予約は必須である。(2014年9月追加)

左京区岡崎円勝寺町36-3  
電話番号:075-761-6765
定休日:月曜(祝日の場合には翌日が休み、不定休があるので要確認)
営業時間:12時〜15時、18時〜22時半
予算:マルゲリータD.O.C.1900円
アクセス:地下鉄東西線・東山駅1番出口を出て三条通を右へ進む。「古川町商店街」の真向いの道(古川町通)を左折して進む。「田村豆腐店」を過ぎ、右に「京都文教学園」を見ながら進むと広い仁王門通へ出る。「京都文教中学高等学校」を過ぎ、平安神宮の堀のあたりに「左京消防署岡崎消防出張所」が見えるのでその隣。東山駅から徒歩5分。
最寄りのランドマーク:古川町通、京都文教学園、仁王門通、左京消防署岡崎消防出張所
お勧めポイント:京都ナンバーワンの人気ピッツェリア

外から見たピザ釜と薪

ランチ時は開店と同時にすぐに満席となります

「KAGUA(馨和)」の白(Blanc)

ラベルを見てみるとベルギービール。確かに「ヒューガルデン」っぽい味だ

「間人産白イカのリピェーノソテー」

イカを含む魚介をミンチにてイカに詰め込んだ断面

水牛のモッツアレラチーズを使った「マルゲリータD.O.C.」

  

京都市中京区

オルトORTO

 烏丸三条から西の路地に入ったところにある小さなイタリア料理店。「ORTO」とは、イタリア語で「菜園」という意味で、この店の料理には随所に旬の野菜が盛り込まれている。このため、この店にはベジタリアンやビーガンメニューもあるという。
 町家をリノベーションしたという店内は、1階は吹き抜けとなっていて白木のカウンター席がある。2階はテーブル席となっており、2名〜12名様までの個室区切りが可能。しかしながら、吹き抜けとなっている2階はどうしても1階の音が反響してしまうため、1階の客の話し声の大きさによっては接待などには向かないことも。ドリンクメニューを見ると、グラスワインは1200円からで、生ビールがあるのがいい。この日はランチに訪れたが、折角なのでディナーコースと同じコースで予約した。
 最初に、「サワークリームを挟んだ黒炭入りビスケット」が出てきた。オレオを模したビスケットは本物よりも硬めで、サワークリームは柚子七味風味。黒色のペーストは黒ニンニクによるもの。「シナモン風味のサツマイモの冷たいポタージュ」自体は、塩味が足りずぼやけた味だが、生イクラには塩味があるのでトータル的には丁度いい。焼き立ての「胡麻のパン」は、表面がカリッとしていて中がふっくらとしている。胡麻の香りは良いが、小麦の香りに欠ける。写真を撮り忘れた「鰻と青リンゴ(ブラムリー)」は、鰻が甘酸っぱいリンゴと合わないわけではないが、ベストマッチとは言えない。店名のオルト(菜園)をモチーフにした「秋分のサラダ」には、洋梨のピューレにローズマリーのジュレとスダチの皮が入っている。野菜そのものは美味しいが、このソースと合うかと言えば微妙だ。むしろ、こんな多くの野菜を混ぜて食べると、それぞれの野菜の美味しさが分からなくなってしまうので、温野菜のようにもっとシンプルでもよいのではないだろうか。「マナガツオのソテー・バターナッツと青ミカンソース」は、マナガツオの火の通り方がミディアムレアで最高だ。キリッと塩味の効いた青ミカンのソースも良かった。「冬瓜と子持ち鮎の自家製フェットチーネ」は、タイのグリーンカレーのような味付けで、これは美味しい!「焼きナスのジェラート・粒ヘシコとキノコのマリネ添えて」は、ジェラートの焼きナス以外は、ほぼ和食と言っても良いくらいの味で微妙だ。「京都で養殖された七谷鴨のフリットとロースト」は、モモがフリット、ロースがローストに調理されており、ピーナッツソースはまあまあ。締めの「鴨カレー」は、スパイシーな辛口のカレー。これはもはや、イタリア料理店のレベルと言うよりもカレー専門店のレベルだ。「台湾ウーロン茶のゼリーと梨」は、梨がシャーベット、すりおろし、角切りといろいろ混ざっていて、サッパリとして美味しい。「イチジクのコンポートとシナモンのジェラート」は、コーヒーで炊いた小豆がアクセントになっている。そして、エスプレッソと小菓子で終了となった。
 どの品も、どちらかというと、味よりも見た目やサプライズ重視の傾向があり、この店にも京都イタリアンやフレンチにありがちな問題が出てしまっている。それにしても、最近のモダンイタリアンやモダンフレンチの店では、コースメニューには素材しか書いておらず、パフォーマンスとして詳細な料理の説明してくれる店が多いが、素材の説明が並列的でダラダラと長すぎ、全く頭に入ってこない。味も含めて、もっと簡潔に料理のポイントを表現できないものかと、いつも思ってしまう。(2019年10月追加)
http://orto-kyoto.jp

中京区衣棚通三条下ル三条町337-2  
電話番号:050-5592-2088
定休日:月曜(不定休あり)
営業時間:12時〜13時、18時〜20時
予算:【ランチ】4500円、5000円、8500円、【ディナー】8500円
アクセス:地下鉄烏丸線、東西線・御池駅6番出口を出て右へ、烏丸通りを四条通方向へ進む。次の三条通り(スターバックス、みずほ銀行)を右折し、「三井ガーデンホテル京都三条」、「京都医健専門学校」を過ぎた交差点を左折すると右側にある。御池駅から徒歩3分
最寄りのランドマーク:三条通り、三井ガーデンホテル京都三条、京都医健専門学校
お勧めポイント:野菜にこだわったコスパの良いイタリアン

烏丸三条から西の路地に入ったところにある・・・ ココです! 2階はテーブル席となっており、2名〜12名様までの個室区切りが可能。しかしながら、吹き抜けとなっている2階はどうしても1階の音が反響してしまうため、1階の客の話し声の大きさによっては接待などには向かないことも 本日のメニューの素材 「秋分のサラダ」に使われる野菜とハーブの一覧 「サワークリームを挟んだ黒炭入りビスケット」 オレオを模したビスケットは硬めで、サワークリームは柚子七味風味。黒色のペーストは黒ニンニクによるもの 「シナモン風味のサツマイモの冷たいポタージュ」自体は、塩味が足りずぼやけた味 しかし、生イクラには塩味があるのでトータル的には丁度いい 焼き立ての「胡麻のパン」 表面がカリッとしていて中がふっくらとしている。胡麻の香りは良いが、小麦の香りに欠ける 「鰻と青リンゴ(ブラムリー)」は写真を撮り忘れ、続く店名のオルト(菜園)をモチーフにした「秋分のサラダ」には、洋梨のピューレにローズマリーのジュレとスダチの皮が入っている 野菜そのものは美味しいが、このソースと合うかと言えば微妙だ。むしろ、こんな多くの野菜を混ぜて食べると、それぞれの野菜の美味しさが分からなくなってしまうので、温野菜のようにもっとシンプルでもよいのではないだろうか 「マナガツオのソテー・バターナッツと青ミカンソース」 マナガツオの火の通り方がミディアムレアで最高だ。キリッと塩味の効いた青ミカンのソースも良かった 「冬瓜と子持ち鮎の自家製フェットチーネ」 タイのグリーンカレーのような味付けで、これは美味しい! 「焼きナスのジェラート・粒ヘシコとキノコのマリネ添えて」 ジェラートの焼きナス以外は、ほぼ和食と言っても良いくらいの味で微妙だ 「京都で養殖された七谷鴨のフリットとロースト」は、モモがフリット、ロースがローストに調理されており、ピーナッツソースはまあまあ 締めの「鴨カレー」 スパイシーな辛口のカレー。これは、もはやイタリア料理店のレベルと言うよりもカレー専門店のレベルだ 「台湾ウーロン茶のゼリーと梨」は、梨がシャーベット、すりおろし、角切りといろいろ混ざっていて、サッパリとして美味しい 「イチジクのコンポートとシナモンのジェラート」コーヒーで炊いた小豆がアクセントになっている エスプレッソと小菓子で終了となった小菓子

リストランテ野呂

 二条城の南側にある人気のイタリアン。オープンキッチンのカウンター席の店内には、ゆったりとジャズが流れている。厨房内の4人の料理人は、キビキビとしていて動きに無駄がない。
 本日のグラスワインは、スパークリングワインが1種類と赤白各2種類ずつで、この他にプレミアムモルツの生ビールもあった。昼はコースメニューしかないようだが、逆に夜はアラカルトメニューしかなく、シェアして食べるスタイル。手書きのアラカルトメニューを見ると、とにかく魚貝類が豊富だ。とくに冷前菜は、目移りするほどの品揃えである。「香住のかにクリームコロッケ・トマトソースで」や「リストランテ野呂のメンチカツ・デミグラスバルサミコで」、「京丹波高原豚のトンテキ・りんごじょうゆソースで」などといったこれってイタリアン?と思うようなメニューも見受けられるが、これはシェフが「洋食 おがた」にいたことが影響しているものと思われる。アラカルトメニューには価格が表示されていないが、実際には京都の日本料理ほどの値段ではなかった。また、この店の一皿は通常の1.5人前ほどであるが、僕のような一人飯客でも、品数が食べられるよう量を調整してもらえるのがありがたい。
 まず、出てきた突き出しの「人参のマリネ」は、ほんのりと甘く、サッパリとしていた。本日の冷前菜の盛り合わせは、「天然真鯛」、「マナガツオの炙り」、「ハマチのタタキ」、「金目鯛の炙り」、「海老と完熟アボガドのタルタル」などが良かった。スモールポーションにしてくれた「香住のかにクリームコロッケ・トマトソースと」は、トマトソースで食べるよりも、ウスターソースで食べた方が美味しかった。「スナップえんどうのカルボナーラ仕立て」は、濃厚な黄身ソース自体は良かったが、スナップエンドウには火が通り過ぎていたのが残念。人気の「リストランテ野呂のメンチカツ・デミグラスバルサミコで」も、スモールポーションにしてくれた。マスタードをたっぷりと塗り、ソースと絡めるように食べると美味しい。しかし、ナイフで切ると肉汁が溢れ出してしまうので、切らずにそのまま食らいついた方が、もっと美味しく食べられるかも。また、付け合わせのマッシュポテトをソースに絡めて食べても最高だった。パスタは素材を選び、客の好みの味をリクエストできる。この日の素材は、「活オマール海老」、「釜揚げシラス」、「天然真鯛の一夜干し」、「アサリ」、「海老」など。僕は「活オマール海老」をチョイスし、トマトソース味、スパゲッティを50gで注文。残念ながらトマトソースには深みがなく、オマール海老の旨味が十分出ているとは言えなかったが、それでも、十分合格点を出せるレベルであった。また、この日のデザートは、「番茶のパンナコッタ」と「ヘーゼルナッツセミブレッド」、「グレープフルーツのプリン」の3つであったが、珍しい「グレープフルーツのプリン」をチョイス。トロトロとした食感に加え、クレームブリュレのように濃厚な味だ。カラメルソースに微かにグレープフルーツの香りが感じられて美味しかった。料理は全般的に非常にテンポ良く出され、ホスピタリティーを感じるサービスも良かった。(2019年8月追加)

中京区西ノ京職司町67-14  
電話番号:075-823-8100
定休日:月曜(月1回火曜)
営業時間:11時半~13時半、17時半~22時
予算:【ランチ】1800円のセット、4500円のおまかせコース【ディナー】価格表示のないアラカルトメニューのみ(一人1万円くらい)、グラスワイン800円〜
アクセス:地下鉄東西線・二条城前駅3番出口を出て左へ。二条城に沿って進み、2つ目の交差点(最初の信号)を左折して進むと、信号のある御池通りに出る。右折して進むと祇園祭で有名な「神泉苑」が見え、更に1つ目の信号を過ぎ、「株式会社 中蔵」が見えると、そのすぐ先にある。二条城前駅から徒歩10分
最寄りのランドマーク:二条城、神泉苑、御池通り
お勧めポイント:洋食とイタリアンの両方を楽しめるハイブリッドイタリアン

二条城南側の御池通りの・・・ ココです! 明るいオープンキッチンのカウンター席の店内には、ゆったりとジャズが流れている ドリンクメニュー。本日のグラスワインは、スパークリングワインが1種類と赤白各2種類ずつで、この他にプレミアムモルツの生ビールもあった昼はコースメニューしかないようだが、逆に夜はアラカルトメニューしかなく、シェアして食べるスタイル。手書きのアラカルトメニューを見ると、とにかく魚貝類が豊富だ。とくに冷前菜は、目移りするほどの品揃えである 「香住のかにクリームコロッケ・トマトソースで」や「リストランテ野呂のメンチカツ・デミグラスバルサミコで」、「京丹波高原豚のトンテキ・りんごじょうゆソースで」などといったこれってイタリアン?と思うようなメニューも見受けられるが、これはシェフが「洋食 おがた」にいたことが影響しているものと思われる。アラカルトメニューには価格が表示されていないが、実際には京都の日本料理ほどの値段ではなかった。また、この店の一皿は通常の1.5人前ほどであるが、僕のような一人飯客でも、品数が食べられるよう量を調整してもらえるのがありがたい 京都のイタリアンらしく箸もある まず、出てきた突き出しの「人参のマリネ」は、ほんのりと甘く、サッパリとしていた 本日の冷前菜の盛り合わせを、1名用のスモールポーションにしてくれた。中でも「天然真鯛」、「マナガツオの炙り」、「ハマチのタタキ」、「金目鯛の炙り」、「海老と完熟アボガドのタルタル」などが良かった。 こちらもスモールポーションにしてくれた「香住のかにクリームコロッケ・トマトソースと」 トマトソースで食べるよりも、ウスターソースで食べた方が美味しかった 「スナップえんどうのカルボナーラ仕立て」は、濃厚な黄身ソース自体は良かったが、スナップエンドウには火が通り過ぎていたのが残念 バゲット 人気の「リストランテ野呂のメンチカツ・デミグラスバルサミコで」も、スモールポーションにしてくれた マスタードをたっぷりと塗り、ソースと絡めるように食べると美味しい。しかし、ナイフで切ると肉汁が溢れ出してしまうので、切らずにそのまま食らいついた方が、もっと美味しく食べられるかも。また、付け合わせのマッシュポテトをソースに絡めて食べても最高だった パスタは素材を選び、客の好みの味をリクエストできる。この日の素材は、「活オマール海老」、「釜揚げシラス」、「天然真鯛の一夜干し」、「アサリ」、「海老」など。僕は「活オマール海老」をチョイスし、トマトソース味、スパゲッティを50gで注文 残念ながらトマトソースには深みがなく、オマール海老の旨味が十分出ているとは言えなかったが、それでも、十分合格点を出せるレベル  この日のデザートは、「番茶のパンナコッタ」と「ヘーゼルナッツセミブレッド」、「グレープフルーツのプリン」の3つであったが、珍しい「グレープフルーツのプリン」をチョイストロトロとした食感に加え、クレームブリュレのように濃厚な味だ。カラメルソースに微かにグレープフルーツの香りが感じられて美味しかった

ラ・マーサ La masa

 「アカ aca1°(→ 京都グルメバイブル・スパニッシュの頁を参照)」 の東シェフから教えてもらったスペイン料理店。東シェフはかつてこの店で修行していたという。実は、この店は「株式会社バハルボール」が経営するスペイン料理店。この店の他に「La Gallega」や「EL FOGON」、「FUIGO」など計4店舗を運営しているようだ。
 2015年版当時は寺町二条の有名バー 「カルバドール(→ 京都グルメバイブル・バーの頁を参照)」 と同じビルにあったが、2018年に「EL FOGON」があった場所に移転してきた。
 まずは定番の「サングリア」を注文。この店のサングリアは、ベースとなる赤ワインにガルナッチャ(グルナッシュ)100%のワインを使用しており、甘い独特な香りがして日本ではあまり味わったことのない味だ。メニューはレギュラーと日替わりの2つのメニューあるが、レギュラーメニューの品数はそれほど多くはない。 ボトルワインは3500〜7500円くらいと比較的リーズナブルで、フルボディータイプのものが揃っている。  
 この店のお勧めはパエリアと日替わりのコロッケ。「白身魚のクリームコロッケ」は、スペインでは本来は鱈(タラ)を使用するそうだが、本日はスズキを使用しているという。「イワシとトマトのパエリア」は、青魚であるイワシの香りがマッチしているかどうかは別として、米は半生の本格的なアルデンテに焼かれていて美味しかった。また、「タパス5種盛り合わせ」はその日のお勧めの5つが900円とかなりお得。デザートだけはイマイチだったが、その他の料理はそれなりに美味しかった。
 また、シェフの神永さんはとても気さくで話しやすく、従業員と定期的にスペインに研修旅行に出かけるなど、できるだけ現地の味や雰囲気に近づけるよう努力しているという。また、神永さんだけでなく店員全ての対応が良く、もしも地元であれば行きつけにしたいくらいホスピタリティを感じる店だ。夜のみテーブルチャージを取られるが、これはサービス料のようなものなのかも。ちなみに、ランチタイムには「タパスとパエリアのランチ」1700円で食べられ、ディナータイムのコスパもいい。ちなみに、英語メニューや下記に英語のホームページもある。(2019年9月追加)
http://www.lamasa.jp

 中京区亀屋町380(御幸町通り・御池上ル) 
電話番号:075-255-6093
定休日:不定休
営業時間:12時〜14時、18時〜22時
予算:【ランチ】1000円、1700円、【ディナー】タパス5種盛り合わせ900円、イワシとトマトのパエリア1700円、季節のコース3000円〜5000円
アクセス:地下鉄東西線・京都市役所前駅を出て、御池通りから御幸町通りを北へ(京都御所方向へ)進むとすぐ左側。京都市役所前駅から徒歩1分
最寄りのランドマーク:御池通り、御幸町通り
お勧めポイント:コスパの良いカジュアルなスペイン料理店

このビルの1階です

英語メニュー

サングリア

1人前にしてくれたタパス5種盛り合わせ

レコードプレイヤー

シードル

白身魚のクリームコロッケ

ムール貝の白ワイン蒸し・クリーム仕立て

イワシとトマトのパエリア

クレマ・カタラナ(カタラーナ地方のクレームブリュレ)とタルタ・デ・サンティアゴ(ガリシア地方のアーモンドタルト)

東京移転 アカ aca1°

 三条通にあるスペイン料理の店。スペイン料理とは言ってもよくあるスペイン料理ではなく、モダンスパニッシュである。僕の考える“モダンスパニッシュ”とは、むしろフレンチやイタリアンに近いイメージ。創作性が高く、閉店となった世界で最も予約の取れないスペインのレストラン「エル・ブジEl Bulli」の影響を受けた料理である。日本における代表店と言えば、東京の 「サンパウ(→ 銀座グルメバイブル・スペイン料理の頁を参照)」 や 「スリオラ(→ 銀座グルメバイブル・スペイン料理の頁を参照)」 、そして神戸の「カセント」などが有名である。そういう意味において、この店の料理も創作性が高く、地方毎に特徴的な従来のどのスペイン料理の範疇にも入らない。言い換えれば、フランス、イタリア、日本などのニュアンスを取り込んだフュージョンスパニッシュである。
 階段を上がり、ドアを開けると、木の囲まれたシンプルなインテリア。手前右に4人用のテーブル席が2つ、そして奥にオープンキッチンのカウンター席がある。シェフの東(あずま)さんはまだ若く、とても気さくな方である。料理はどれも洗練されており、火の通し方、塩味共に的確である。特に良かったのは、「静岡産・金目鯛と豆」と「北海道産毛ガニのパエリア」。「北海道産毛ガニのパエリア」はサフランの香りタップリで、アルデンテのような米の火の通し方といい、毛ガニの身と実にマッチしていた。「静岡産・金目鯛と豆」の金目鯛は、活け締めにして10日間冷温熟成させたものらしく、これに素晴らしい火の通し方が加わることで、「のどぐろ?」と間違うくらい皮目がカリッと香ばしく、身がトロッとしていて、今年食べた魚料理の中ではピカイチの逸品だった。この他、今回頂いた中で比較的良かったのは、「馬肉のソブラサーダ“マヨルカ島”のパテ」。軽く火を通したタルタルステーキとチョリソーを混ぜたような味で、茄子のピューレやドライハム、クルトンなどが加わり、混ぜてカリカリに焼いたパンにのせて食べると更にアクセントが増して美味しい。
 ラストオーダーが遅く日曜日も営業しており、ワインバーとしても使えるため、とてもユーティリティーが高く、憶えておくと便利な店である。それにしても、最後のデザートに至るまで美味しく、限りなく3つ星に近い2つ星店である。(2014年8月追加)

中京区桝屋町55 白鳥ビル2階  
電話番号:075-223-3002
定休日:不定休
営業時間:17時半〜24時
予算:静岡産・金目鯛と豆1980円、北海道産毛ガニのパエリア(2人前)2400円
アクセス:地下鉄烏丸線・烏丸御池駅5番出口を出て、烏丸通を四条側(反対方向)へ進む。京都銀行の交差点を左折して三条通を進む。レンガ壁の「中京郵便局」を過ぎ、同じレンガの「京都府文化博物館」が左に見えたら右角にファミリーマートが見えるので、その隣の「石鹸屋」が入っているビルの2階。烏丸御池駅から徒歩2分
最寄りのランドマーク:京都銀行三条支店、三条通、中京郵便局、京都府文化博物館
お勧めポイント:京都では珍しい洗練されたモダンスパニッシュ

京都産・蜂トマトのガスパチョ(濃厚です!)

イカのクロケッタの外観(ウニがのっていてイカスミ味なので真っ黒)

イカのクロケッタ断面(中はトロトロ)

若狭産・岩ガキ 生ハムの泡(生牡蠣です)

徳島産・ハモとトマトのジュレ(サッパリとして良い)

静岡産・金目鯛と豆(絶品!)

北海道産毛ガニのパエリア(これも絶品!!)

馬肉のソブラサーダ“マヨルカ島”のパテ(混ぜる前)

馬肉のソブラサーダ“マヨルカ島”のパテ(混ぜた後)

混ぜたものを茄子のピューレと共にカリカリのパンにのせたところ

マミア“牛乳プリン”ピスタチオ、クルミ、アーモンドのロースト(これも美味しいが、シェフのお勧めは「生チョコと塩、オリーブオイル」です)

  

Cucina Italiana東洞(トウドウ)

 京都御所の近くにある小さな町家のイタリアン。ドアを開けるとガランとした空間の中に2階へ続く階段が見える。さらに奥に進むとオープンキッチンのカウンター席があり、2階にはテーブル席がある。
 メニューを見ると、ランチタイムは3コースあるが、今回は3800円のコースを頂くことに。ディナータイムは1コースのみであるが、予約に限って旬の素材を使ったスペシャルコースを用意してもらえる。特に、素晴らしい!!と思う様な感動的な料理はなかったが、料理はどれもハズレがなく、素材の味を前面に出した火の通し方や味付けとなっている。ちなみに、今回のコースの中では、濃厚な味付けのパスタが最も美味しかった。(2014年5月追加)

中京区東洞院通竹屋町下ル三本木五町目496-3  
電話番号:075-212-5207
定休日:木曜
営業時間:11時半〜14時、17時半〜22時
予算:【ランチ】2100円、2900円、3800円、【ディナー】6500円(8000円、10000円、12000円のスペシャルコースは事前の予約が必要)
アクセス:地下鉄烏丸線・丸太町駅5番出口を出て左へ、すぐに竹屋町通りを左折。2つ目の交差点(チョコレートで有名な「BRUN BRUN」の角)を右折して東洞院通を進む。公園と「中京もえぎ幼稚園」を過ぎるとすぐ左側に見える。丸太町駅から徒歩3分。
最寄りのランドマーク:東洞院通、中京もえぎ幼稚園
お勧めポイント:オシャレな町家で頂くイタリアン

京都ネーゼ

 繁華街にあるビルの3階にあり、比較的遅くまでやっているダイニングバーのようなイタリアンである。店内の客席は時間帯や予約の状況によって配置が変わり、カウンターが長くなったり、テーブル席が多くなったりする。料理は、京都「キメラ」のような手の込んだ料理ではなく、炭火焼きを中心としたシンプルなもの。僕のイメージ的には、京都「イル・パッパラルド」のコンセプトに近いように思う。
 森シェフはストイックなほど素材にこだわっているので、どうしても料理の価格設定は高めだ。深夜までやっていることや居心地の良いこと、そして魅力的な素材を生かした料理はまた来たいと思わせる。どの料理もハーフサイズにしてくれたり、メニューに捕らわれない客好みの調理法に変えてくれたり柔軟に対応してもらえる。また、箸を用意しているのも京都らしくていい。加えて、デザートのジェラートはとても滑らかで旨い!店内は禁煙であり、シェフの森さんをはじめスタッフの皆さんは、とてもフランクで感じが良かった。(2012年8月追加)

中京区三条木屋町上ル三軒目  
三条木屋町ビルII3階 
電話:075-212-2129
定休日:日曜、不定休有り
営業時間:18時~23時
予算:山田農園のカルボナーラ1800円、富士幻豚のカツレツ1400円、和牛舌の炭火焼き2800円、コース料理は6000円から
アクセス:地下鉄東西線・三条京阪駅2番出口を出て三条通を左へ進む。京阪電鉄の三条駅を過ぎて鴨川を渡って進むと、高瀬川手前の左角に「松屋」が見えるので、その信号を右折するとすぐ右側のビル。地下鉄東西線・三条京阪駅より徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:京阪電鉄・三条駅、高瀬川 
お勧めポイント:魅力的な素材を生かしたシンプルな調理法のイタリアン

京都市東山区

山地陽介

 祇園花見小路から少し入った小路にある人気のフレンチ店。町家をリノベーションしたという店内は、奥にライトアップされた坪庭が見え、入口側には小さな個室がある。さらに、右側にオープンキッチンのカウンター席があり、左側にはテーブル席が2つある。ドリンクメニューを見ると、グラスワインは有名造り手のものはないが、シャンパンが1種、白が5種、赤が4種、ロゼが1種、デザートワインが2種と、種類が多く充実している。ペアリングワインは10000円、15000円、20000円と高めの設定だ。今回はディナーの真ん中のコースを予約し、18時からの一斉スタート。先ずは、「7FRANCE」とプリントされたエプロンを着た店主が挨拶。シェフは僕が思っていたよりも若い印象。
 料理は「レアな車海老と梨のスリ流し・生姜風味」からのスタートであったが、これは微妙な美味しさ。続く「2種のウニと人参のピューレ・オマール海老の出汁」は海の旨味満載で、これは美味い!と思うような逸品。次の料理の説明は受けなかったが、隣の席の説明によると、「白甘鯛のフォアグラ入りサバイヨンソース」らしい。酸味のあるマヨネーズのようなソースで、味が複雑で調和がなくこちらも微妙。白甘鯛は皮が揚げられおり、身の火の通し方は良かった。また、グリーンアスパラには生ハムが巻かれてローストされている。パンはフォカッチャのように柔らか。「伝助穴子の炭火焼・ビーツのリゾット」は、関西風の鰻の蒲焼のようにカリッとしていて、蒲焼きのタレの様なソースも香ばしさを感じる。ビーツのリゾットともよく合い、ゴールドラッシュのかき揚げも美味しい。「じっくりとローストした淡路島の新玉葱」の玉葱の蓋を開けると、くり抜かれた中には、牛頰肉の煮込みとフォアグラ、サマートリュフが入っていた。口直しの「柚子のソルベ」には、原了郭の柚子辛が振られている。手渡しされた「鮎の唐揚げ」の尻尾にはキャビアがのっており、先ずはキャビアの部分をそのまま食べ、頭から腹の部分はパプリカとトマトソースを付けて食べる。「淡路島の鱧・神戸牛のコンソメと京野菜」は、想像通りの美味しい味。「熟成された神戸牛のロースト」は、焼肉のタレの様にほんのりと甘い。サマートリュフと京都産の静むらさきが添えられていた。そして、「フランス産チーズの盛り合わせ」の後、デザートの「フランス産チョコのガナッシュと奄美大島のパッションフルーツ」が出てきたが、これはとろけるように美味しかった。さらに、「完熟マンゴーとマンゴーピューレ・ホワイトチョコ、ココナッツミルク」、飲み物(カプチーノ)で終了となった。
 幾つかの皿は、京都を意識し、斬新さを求めるシェフの意図が空回りしていたが、基本となる火の通し方と塩味は安定していた。しかしながら、決してディナーのコスパは良くないので、もしも初めて訪れるのなら、まずはランチを体験してみてからの方が良いかも。(2019年10月追加)
http://www.yosukeyamaji.com

東山区祇園町南側570-151  
電話番号:075-561-8001
定休日:月曜(不定で月3回2連休あり)
営業時間:12時、18時もしくは19時の入店
予算:【ランチ】10000円、15000円、【ディナー】15000円、20000円、30000円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座の前を過ぎて進むと、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)が見えるので、その交差点を右折する。花見小路通りを進み、2つ目の交差点を左折する。そして、2つ目の交差点を右折すると右側にある。阪急河原町駅より徒歩7分
最寄りのランドマーク:祇園花見小路通り、お茶屋一力亭
お勧めポイント:斬新な発想のモダン京フレンチ

祇園花見小路から少し入った小路の・・・ ココです! オープンキッチンのカウンター席 本日のコースの食材 料理は「レアな車海老と梨のスリ流し・生姜風味」からのスタート これは微妙な美味しさ 続く「2種のウニと人参のピューレ・オマール海老の出汁」は海の旨味満載で、これは美味い!と思うような逸品 パンはフォカッチャのように柔らかい「白甘鯛のフォアグラ入りサバイヨンソース」らしい。酸味のあるマヨネーズのようなソースで、味が複雑で調和がなくこちらも微妙。白甘鯛は皮が揚げられおり、身の火の通し方は良かった。また、グリーンアスパラには生ハムが巻かれてローストされている 「伝助穴子の炭火焼・ビーツのリゾット」 関西風の鰻の蒲焼のようにカリッとしていて、蒲焼きのタレの様なソースも香ばしさを感じる。ビーツのリゾットともよく合い、ゴールドラッシュのかき揚げも美味しい 「じっくりとローストした淡路島の新玉葱」
玉葱の蓋を開けると・・・
くり抜かれた中には、牛頰肉の煮込みとフォアグラ、サマートリュフが入っていた
口直しの「柚子のソルベ」には、原了郭の柚子辛が振られている パプリカとトマトソース 手渡しされた「鮎の唐揚げ」の尻尾にはキャビアがのっており、先ずはキャビアの部分をそのまま食べ 頭から腹の部分はパプリカとトマトソースを付けて食べる 「淡路島の鱧・神戸牛のコンソメと京野菜」。コンソメを注いでくれているところ 想像通りの美味しい味 「熟成された神戸牛のロースト」焼肉のタレの様にほんのりと甘い。サマートリュフと京都産の静むらさきが添えられていた 「フランス産チーズの盛り合わせ」 デザートの「フランス産チョコのガナッシュと奄美大島のパッションフルーツ」が出てきたが、これはとろけるように美味しかった完熟マンゴーとマンゴーピューレ・ホワイトチョコ、ココナッツミルク」 カプチーノ小菓子

イル ギオットーネ 京都本店

 京都東山「八坂の塔」のすぐ横にある有名イタリアン。オーナーシェフの笹島さんは、この店の他に、東京に「イル ギオットーネ 丸の内(→ 銀座グルメバイブル・イタリアンの頁を参照)」 と、京都市内にカジュアルなバール形式の「バール・トラットリア イル ギオットーネ」をプロデュースしている。
 一軒家の京都本店は、白を基調としたウッディなインテリア。店内には大きめの音量でジャズが流れる。1階のダイニングの両サイドに坪庭が見えるのが実に京都らしい。1階にはテーブル席の他、キッチン前にカウンター席が2席だけある。さらに奥には半個室のテーブル席があり、2階には12名まで対応できる個室もある。壁側の椅子には背もたれがあり、革張りの椅子よりも座り心地が良い。
 かつて世界ナンバーワンと言われたスペインのレストラン「エル・ブジ」以降、世界的にサプライズな料理がトレンドとなっているが、実はこれは料理人が陥りやすい罠なのである。美味しい思う料理の本質は、実はとてもシンプル。「良い素材」、「適切な火の通し方」、「適切な塩味」、この3つに尽きるのである。そういう意味では、この店の料理は多少いじり過ぎのような気がする。例えば、7品目の「栗と白トリュフのリゾット」は、仕上げにパルミジャーノチーズの上で和えたものだが、折角の白トリュフの香りがパルミジャーノチーズの強い香りに隠されてしまっている。この場合、栗と白トリュフを生かすのであれば、パルミジャーノでのパフォーマンスは不要だったのではと思うのである。それとは対照的に、2種類の和牛を使った「和牛の炭火焼き」は、シンプルながら素材の旨味が感じられてとても美味しかった。コース全体でみると、この店の料理はビジュアルも含めてなかなか良く、京都の素材を使った良質のイタリアンとしてお勧めできる。(2014年11月追加)
http://www.ilghiottone.com/home.html

東山区下河原通塔の前下ル八坂上町388-1  
電話番号:075-532-2550
定休日:火曜(変更の場合あり、ホームページか電話で要確認)
営業時間:12時~14時半、18時~21時半
予算:【ランチ】5000円、7500円、【ディナー】10000円
アクセス:阪急河原町駅の出入口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座を過ぎ、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)過ぎて進むと正面に八坂神社が見えるので、八坂神社側へ信号を渡る。東大路通を更に右(南方向)に進み、「ホテル サンライン」、「フレスコ 東山安井店」を過ぎた次の信号を左折して八坂通を上る。八坂の塔に向かって上り、八坂の塔に突き当たったらすぐ左奥にある。阪急河原町駅より徒歩15分。 
最寄りのランドマーク:八坂神社、八坂通、八坂の塔
お勧めポイント:京都の素材を使用した笹島シェフ独自のイタリアンが味わえる

ガラスの扉

ガラスの扉を開けると、ワインセラーと奥にもう一つ扉が

奥の扉を開けるとダイニング

ダイニングの両脇には坪庭がある

先ず出てきたのは煎茶とグリッシーニ(刺さっているポッキーみたいもの)

1品目の「焦げちゃった、アワビ」は炭の衣をまとったアワビと肝、マイタケの揚げ物

2品目は「塩水雲丹のコルネ」。ウニの手巻き寿司をイメージしたもので、中はご飯で海苔に相当する外側の部分は春巻きの皮のようにパリパリ

木の保温箱

中にはには2種類のパンが

皿に取り出したところ

3品目の「赤貝と黒イチジク」は、金木犀のジュレにキャビアが

4品目は「ウナギとポルチーニ茸のスモーク」。フレッシュポルチーニ茸と琵琶湖産天然鰻を使用

5品目は「伝助穴子のカルパッチョ 梨とウィキョウ」。辛味大根とザクロ、酒、グレープフルーツなどが入り、味は複雑

6品目は「サンマと松茸のスパゲティ」。スダチの皮が入り、サンマの肝が入っているのでほろ苦い

パルミジャーノチーズの窪みに栗のリゾットが入っている

それを客の前でかき混ぜるというパフォーマンスが

さらに白トリュフをスライスしてかけます

仕上がりはこんな具合

8品目は「和牛の炭火焼き」、「ビュルゴー鴨の炭火焼き」、「仔羊の炭火焼き」の中から1品を選ぶ。「和牛の炭火焼き」をチョイス。土佐の赤牛と信州牛の炭火焼きの他、、キクラゲ、フルーツほおずき、銀杏、肉詰め椎茸が

土佐の赤牛と信州牛の炭火焼きのアップ

キクラゲをどけると

肉詰め椎茸が出現

デザートメニュー

ヘーゼルナッツのティラミス

エスプレッソと小菓子

リストランテ 245 祇園

 祇園にあるカウンター席メインのイタリア料理店。入り口を抜けると、床が透明になっており、地下のワインセラーが見える。手前にはなだらかなL字型のカウンター席があり、奥にはMax6名までの個室がある。カウンター席の中はオープンキッチンとなっており、中ではシェフともう1人の料理人がテキパキと料理を作ってゆく。サービス専門の方はいないが、その分値段設定は低めとなっている。夜のコースは1コースのおまかせコースのみでほぼ同時スタートとなるため、入店時間には制限がある。今回はこのディナーコースを頂くことに。
 この店の料理は、本格的なイタリアンと言うよりは、シェフオリジナルの京風創作イタリアンと言った方が正しいのかもしれない。料理は京風フレンチの様な小ポーションの多皿料理で、特に印象に残ったのは温野菜と焼き黒ニンニクペーストを使ったサラダである。このサラダは京野菜が中心であるが、島根県のシェフの実家から送られてきた野菜も含まれているという。この野菜の火の通し方が実に良く、野菜の美味しさを再認識させてくれる逸品だ。また、この店のシェフはジビエ料理が得意らしく、この日のコースの締めは何と「ツキノワグマの煮込みをのせた丼ぶり」であった。このツキノワグマの脂がトロッとしていて甘く、とても素晴らしかった。
 それにしても、料理の説明も含めてシェフは本当に良くしゃべる。特に、料理について語り出すと止まらず、本当に料理が好きなんだなあということが伝わってくる。(2014年1月追加)

東山区知恩院新門前大和大路東入二丁目中之町245-1  
電話番号:075-533-8245
定休日:火曜
営業時間:12時〜14時、18時〜21時
予算:【ランチ】3675円、6300円【ディナー】10500円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面へ進む。「京都四條南座」の前を過ぎて進むと、角に朱色の壁の大きな建物「お茶屋一力亭(花見小路沿い)」 の交差点が見えるので、その信号を左折する。2つ目の信号を過ぎ、「金光教教会」の角を右折するとすぐ左側。阪急河原町駅より徒歩7分。
最寄りのランドマーク:お茶屋一力亭、花見小路
お勧めポイント:サプライズ性もある京風創作イタリアン

リストランテ ディ カチャトーリ
   RISTORANTE DEI CACCIATORI

 大和大路通にあるテーブル席4つだけの小さなイタリアン。店は1階であるが1段高いところにあるため、階段を上って店内に入る。中は狭いながらも、白を基調とした落ち着いた雰囲気。 
 席に着くと店主が挨拶に来て、苦手な食材を尋ねる。実はこの店にはアラカルトメニューがなく、金曜~日曜限定のランチタイムは1コース、ディナータイムは2コースのお任せなのである。今回はランチタイムの4000円のコースを頂く。サービスの方はいるにはいるが、まだ修行中のようで、全ての料理は基本的に店主が料理の説明をしてくれる。その説明はとても丁寧で、料理の技法だけでなくその背景についても話してくれる。また、店主は非常に勉強熱心なようで、通常のイタリア料理店では食べられないような地方料理や古典的技法を使った料理も作る。料理は塩加減が絶妙で、火の通し方もいい。特に、パンとデザート以外は文句のつけようがないくらい美味しい。コスパも良く、ホスピタリティを感じるとても良い店だ。 
 ちなみに、この店は予約制であり、料理はシェフが1人で行っているので、もしも満員になると食べ終えるまでに時間がかかるかも知れない。(2014年1月)

東山区大和大路四条上ル常盤町158-2 紅屋ビル1階  
電話番号:075-551-7457
定休日:月曜(祝日の場合には営業)
営業時間:12時~15時(金、土、日のみ)、18時~21時
予算:【ランチ】4000円、【ディナー】6000円と9000円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。「京都四條南座」を過ぎた次の信号を左折し、縄手通(大和大路通)を進む。「壱錢洋食」を過ぎ、「京都祇園郵便局」の並びのビル。阪急河原町駅より徒歩5分。
最寄りのランドマーク:京都四條南座、京都祇園郵便局
お勧めポイント:繊細かつマニアックなイタリア料理が味わえる

キメラ

 八坂神社南側にある町屋を改築したイタリアン。1階にはグランドピアノを備えたウェイティングスペースとワインセラーが、そして8名まで収容できる個室がある。個室には窓がないのでそれほど快適でとは言えないが、この個室を利用すれば子供連れでもOKなのがいい(個室料は無料)。階段を使って2階に上がると、そこには調理場と4名席が4つ、2名席が4つのメインダイニングがある。明るい白壁の店内は、天井が高く太い木の梁が印象的。これは「ゴロンボ」と呼ばれ、梁を見せるために吹き抜けにする京都町屋の特徴の1つらしい。とてもダイナミックで、町屋を改築したとは思えない山荘のような雰囲気がいい。 
 料理はどれも味だけでなく、ビジュアル的なセンスもいい。加えて、素材の組み合わせが独創的で、次にどんな料理が出てくるのかワクワクする。筒井シェフは大阪の「ポンテヴェキオ」出身らしいが、僕は「ポンテヴェキオ」で感動したことがなかっただけに、これは彼の実力なのであろう。僕がこれまで食べた京都イタリアンの中ではナンバーワンの店である。唯一デザートだけは普通だったが、エスプレッソは香り高く素晴らしかった。また、サービスも心地よく、また来たい、あるいは誰かを連れてまた来たいと思わせるリストランテである。(2012年8月追

東山区祇園町南側504  
電話:075-525-4466
定休日:水曜
営業時間:12時~14時、18時~21時
予算:ランチ:4000円、8000円、ディナー:10000円、15000円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座を過ぎ、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)過ぎて進むと正面に八坂神社が見えるので、八坂神社側へ信号を渡る。更に右に進み、最初の角を左折すると南楼門前の角にある。阪急河原町駅より徒歩10分。 
最寄りのランドマーク:お茶屋一力亭、八坂神社 
お勧めポイント:京都ナンバーワンのイタリアン

イル・パッパラルド
   IL PAPPALARDO

 かつて、 「イル ギオットーネ 京都本店(→ 京都グルメバイブル・イタリアンの頁を参照)」 の笹島シェフが料理長を務めていた頃に初めて訪れ、とても感動した店である。笹島シェフが独立した後は、新たにピッツェリアとして生まれ変わり、若者向けのカジュアルなイタリアンとなった。別なシェフとなった現在も非常に人気が高く、その美味しさは現在も変わらない。
 この店のピッツァの生地は、東京「SAVOY」のように香りが高くモチモチとしており、京都のナポリ風ピッツァの中ではトップレベルの美味しさ。目移りするような魅力的な料理に加え、パスタも素材が生きていて美味しい。調理法だけでなく、1人客には一皿の量を減らしてくれるなど柔軟に対応してくれるサービスも。例えば、オマール海老のメイン料理がメニューにあった場合、メニューにないオマール海老を使ったトマト味のパスタを頼みたいという要望にも対応してくれる。ちなみに、ランチタイムにはセットメニューがあるが、ディナータイムはアラカルトメニューのみとなっている。(2014年11月更新)
http://www.ilpappalardo.com/

東山区妙法院前側町451-1  
電話番号:075-533-3330
定休日:火曜(不定休あるので要電話確認)
営業時間:11時半~14時半、17時半~21時
予算:【ランチ】1800円、2800円、4000円、【ディナー】マルゲリータ1700円
アクセス:京阪本線・七条駅出入口3を出て、七条通を「マクドナルド」のある東側へ向かう。「七條甘春堂」、「料亭 わらじや」、「京都国立博物館」を過ぎ、「東山七条交差点」を左折してすぐ右折し、「妙法院」と「智積院」の間の坂を上るとすぐ右側。七条駅より徒歩15分
最寄りのランドマーク:京都国立博物館、東山七条交差点、妙法院、智積院
お勧めポイント:モチモチのナポリピッツァとパスタが美味しいカジュアなルイタリアン

テーブル席の奥に薪のピザ釜が見える

ランチの前菜の盛り合わせ

キノコのヴィネガー風味

ラザニア

カボチャのチーズ風味

リエット

白身魚のカルパッチョ

フォカッチャはイマイチ

生地が美味しいマルゲリータ

アマトリチャーナ

イサキと京野菜のグリル

デザートはまあまあ

エスプレッソは香り高く美味しい