Kyobashi f
「酛TOKYO(→ 銀座グルメバイブル・日本料理の頁を参照)」と同じファースト商事ホールディングスが運営する日本酒割烹の店。以前ここは「京橋もと(酛)」という店であったが、「京橋もと(酛)」が東京ミッドタウン八重洲へ移転し、「酛TOKYO」と名称変更したのに伴い、こちらも「Kyobashi f」と名を改めて再出発した。また、料理長に前料理長の上野さんを迎え、内装はそのままに今年の3月から営業をスタートした。料理はお任せのコース料理のみで、一緒に料理に合った料理長セレクトの日本酒が供される。
店の外には看板はや暖簾などは一切なく、日本橋の擬宝珠をイメージしたアイコンのオブジェだけが目印である。重厚な扉を開けて店内に入ると、照明が落とされた店内にはジャズが流れ、以前と変わらぬオープンキッチンのカウンター席がある。この店は基本、料理長の上野さんが調理もサービスも全て一人で行っているため、一日1〜2組に人数制限をしている。どうしても9席が満席となったときには、グループ店からのヘルプを頼んでいるという。上野さんは未だ若いが料理センス抜群で、素晴らしい料理を次々と出してくれる。元々ワイン好きであった彼は、面接時には職場が日本酒の店だとは知らなかったらしいが、今は日本酒にハマっているという。日本酒のセンスもなかなか素晴らしく、以前から彼の料理ファンだという常連客が、今日も集まっていた。
本日の1杯目は、福島県・峰の雪酒造の「大和屋善内 しぼりたて純米生原酒」。福島らしい重厚でフルーティーな酒だ。この酒を知らなかったとは、日本酒もまだまだ奥が深い。料理の1品目は、「ズワイガニの飯蒸し」。優しい味の餡がズワイガニの香りと甘みを引き立たせており、フキノトウの苦みがアクセントに。意外にも、2品目は「ベビーリーフのサラダ」。素揚げされた野菜とベースリーフとの相性が抜群で、ドレッシングに酸味がなく、日本料理店らしいサラダ。2杯目は茨城県の森島酒造の「森嶋 雄町純米大吟醸」。ラベルがアーティスティックで、味は微発泡ながらトロミがあり、滑らか。非常にまとまっており、香りも強くないので食中酒としてはいいかも。3品目は「初鰹の山ワサビ漬け」。鰹の脂こそ少ないが、漬けにしたことで鰹特有の鉄分と香りを強く感じられる。また、ワサビ葉の醤油漬けの辛味とミョウガのシャキシャキ感とも合う。4品目は「お造り(サヨリ、金目鯛、ヒラメ、イワシのなめろう)」には、ごま塩と醤油が添えられていた。どれも美味しかったが、酢で締めたイワシを使った「なめろう」が、日本酒との相性がベストだった。3杯目は福島の「飛露喜」の地元銘柄「泉川 うすにごり純米吟醸ふな口本生」。甘さがそれほどなく、トロミと厚みがあり、それでいて飛露喜らしく洗練された味がする。4杯目は「鳳凰美田 純米大吟醸」。何度も飲んだことがある酒だが、見事なバランスと純米らしい旨味がある。まさに、侍ジャパンの吉田正尚選手のような間違いの無い酒だ。5品目は「サワラの山椒焼き」。柔らかくとろけるようなサワラは、煮魚のような優しい味付け。これが、トロトロのバフンウニと絶妙に合う。山椒の葉と実のスパイシーな香り、甘く味付けされた菊芋のピューレ、葉ごぼうのシャキシャキ感、どれも欠かせないピースであり、全てが調和している。6品目は「ホタルイカと新筍の茶碗蒸し」。ホタルイカが入ったことで、茶碗蒸しとは思えないくらいのコクが出ている。新筍の香りも素晴らしい。5杯目は、十四代が作る山形の好適米・山酒四号を使った福島の「会津宮泉 純米吟醸・山酒四号うすにごり」。微発泡で柔らかな酸を感じ、バランス良し。7品目は「苺と金柑の白和え」。一見ミスマッチのようだが、意外にも美味しい。8品目は揚げ物三連発「トンカツ、フキノトウのコロッケ、トラフグの白子のおかき揚げ」。全てを塩でいただく。トンカツに塩はよくあるが、さらに山椒の葉とは意外である。しかし、このトンカツが一番印象に残った。6杯目は福島の「飛露喜 純米吟醸」。厚みがあってバランスが良く、まさに王道の酒。9品目は、料理長が初めて作ったという「和牛のハンバーグ 新玉ねぎソース」。サッパリとした和風ソースとウルイのネットリとしたシャキシャキ感が、粗挽きのミディアムレアなハンバーグにピッタリ!10品目となる締めのご飯は「ホタルイカと筍の土鍋ご飯」と「シジミの赤だし」、香の物。蒸らしは少し足りなかったが、旨味たっぷりで美味しい。山椒の葉の香りも良く、塩味もピッタリでお見事。久しぶりに、ご飯をおかわりしてしまった。デザートは特になく、これで終了となった。
それにしても、美味しい食事とそれに合わせた最高の日本酒、そして店の雰囲気、この三拍子全てが揃っている店は、ありそうでなかなかない。近くにあれば毎週通いたくなるような店であり、日本酒好きには一度は訪れて欲しい店である。美味しい料理とアテでお腹一杯になること請け合いで、満足度120%となること間違いなし。(2023年4月追加)
中央区京橋2-6-13 イーストビル1階
電話番号:03-3567-7888
定休日:日曜〜火曜、祝日(不定休あり)
営業時間:【水曜〜土曜】17時〜22時
予算: 12000円(コース+日本酒)
アクセス:東京メトロ銀座線・京橋駅6番出口を出て、次の角(レム東京京橋の横のセブンイレブン)を左折する。「天ぷら 深町」を過ぎ、宝くじ売り場の向かいのにある細い通り(エトワール画廊と日本橋焼餃子・極の間)を左折すると右側にある。京橋駅より徒歩2分
最寄りのランドマーク:レム東京京橋
お勧めポイント:日本酒好きには一度は訪れて欲しい店
宝くじ売り場の向かいのにある細い通り(エトワール画廊と日本橋焼餃子・極の間)を左折すると・・・ 奥の右側のココです 店の外には看板はや暖簾などは一切なく、日本橋の擬宝珠をイメージしたアイコンのオブジェだけが目印である 重厚な扉を開けて店内に入ると、更に扉がある。店内に入ると、照明が落とされた店内にはジャズが流れ、以前と変わらぬオープンキッチンのカウンター席がある 本日の1杯目は、福島県・峰の雪酒造の「大和屋善内 しぼりたて純米生原酒」。福島らしく重厚でフルーティーな酒だ。この酒を知らなかったとは、日本酒もまだまだ奥が深い 料理の1品目は、「ズワイガニの飯蒸し」。優しい味の餡がズワイガニの香りと甘みを引き立たせており、フキノトウの苦みがアクセントに 意外にも、2品目は「ベビーリーフのサラダ」。素揚げされた野菜とベースリーフとの相性が抜群で、ドレッシングに酸味がなく、日本料理店らしいサラダ 2杯目は茨城県の森島酒造の「森嶋 雄町純米大吟醸」。ラベルがアーティスティックで、味は微発泡ながらトロミがあり、滑らか。非常にまとまっており、香りも強くないので食中酒としてはいいかも 3品目は「初鰹の山ワサビ漬け」。鰹の脂こそ少ないが、漬けにしたことで鰹特有の鉄分と香りを強く感じられる。また、ワサビ葉の醤油漬けの辛味とミョウガのシャキシャキ感とも合う 4品目は「お造り(サヨリ、金目鯛、ヒラメ、イワシのなめろう)」には、ごま塩と醤油が添えられていた。どれも美味しかったが、酢で締めたイワシを使った「なめろう」が、日本酒との相性がベストだった 3杯目は福島の「飛露喜」の地元銘柄「泉川 うすにごり純米吟醸ふな口本生」。甘さがそれほどなく、トロミと厚みがある。それでいて、飛露喜らしく洗練された味がする 4杯目は「鳳凰美田 純米大吟醸」。何度も飲んだことがある酒だが、見事なバランスと純米らしい旨味がある。まさに、侍ジャパンの吉田正尚選手のような間違いの無い酒だ 5品目は「サワラの山椒焼き」 柔らかくとろけるようなサワラは、煮魚のような優しい味付け。これが、トロトロのバフンウニと絶妙に合う。山椒の葉と実のスパイシーな香り、甘く味付けされた菊芋のピューレ、葉ごぼうのシャキシャキ感、どれも欠かせないピースであり、全てが調和している 6品目は「ホタルイカと新筍の茶碗蒸し」 ホタルイカが入ったことで、茶碗蒸しとは思えないくらいのコクが出ている。新筍の香りも素晴らしい 5杯目は、十四代が作る山形の好適米・山酒四号を使った福島の「会津宮泉 純米吟醸・山酒四号うすにごり」。微発泡で柔らかな酸を感じ、バランス良し 7品目は「苺と金柑の白和え」。一見ミスマッチのようだが、意外にも美味しい 8品目は揚げ物三連発「トンカツ、フキノトウのコロッケ、トラフグの白子のおかき揚げ」。全てを塩でいただく。トンカツに塩はよくあるが、さらに山椒の葉とは意外である。しかし、このトンカツが一番印象に残った 6杯目は福島の「飛露喜 純米吟醸」。厚みがあってバランスが良く、まさに王道の酒 9品目は、料理長が初めて作ったという「和牛のハンバーグ 新玉ねぎソース」 サッパリとした和風ソースとウルイのネットリとしたシャキシャキ感が、粗挽きのミディアムレアなハンバーグにピッタリ!
10品目となる締めのご飯は「ホタルイカと筍の土鍋ご飯」と「シジミの赤だし」、香の物。 蒸らしは少し足りなかったが、旨味たっぷりで美味しい。山椒の葉の香りも良く、塩味もピッタリでお見事。久しぶりに、ご飯をおかわりしてしまった。デザートは特になく、これで終了となった