8.中華料理、餃子、小籠包

ヤウメイ

 世界的なレストランプロデューサーであるアラン ヤウ氏が監修する点心の専門店。新しいビルのエスカレーターで2階まで上がると、真っ赤なモダンアートのような外観。ポップミュージックが流れる店内は、まるで香港かニューヨークで食べているかのようなメトロポリタンな雰囲気で、中国語や英語を話せる店員も多い。
 この店は、雰囲気、サービス、全てがスタイリッシュ。この日は、キッチンの見える白木のカウンター席に座ったが、これは日本の寿司店や割烹を意識して造ったらしい。テーブルのサービスは不明だが、カウンター担当の女性のサービスは素晴らしく、ほぼホテルレベル。なので、もしも人数が少なければ、是非カウンター席で味わいたい。 驚くべきはワインリストで、点心店とは思えないくらいワインの種類が多い。例えば、デザートワインにはディケム(ボトル売り)まであり、グラスワインだけでも20種類以上ある。
 点心中心のメニューがそれほど種類が多くないのと、価格設定が高めなのは問題だが、 メニューは年に3〜4回くらいアラン ヤウ氏が来日する時に改訂されるという。実際の料理は2つ星くらいのレベルであるが、雰囲気やサービス、さらに、点心の店としては稀有なワインの品揃えを評価して、3つ星とした。また、料理が一度に出てくるのではなく、食べ終える頃にタイミングよく供されたことにも驚いた。(2020年2月追加)

千代田区丸の内3丁目2-3 二重橋スクエア2階  
電話番号:03-6269-9818
定休日:無休(不定休あり)
営業時間:【平日】11時〜14時半、17時半〜22時、【土日・祝日】11時〜21時半
予算:鶏足豆豉ソース800円、ピータンと鶏肉のお粥1500円、マンゴープリン800円
アクセス:JR有楽町駅から東京フォーラム側に出て、ビックカメラと東京フォーラムの間の通りを、皇居側へ進む。「ラ・メゾン・デュ ショコラ丸の内店」を過ぎた交差点を右折し丸の内仲通りを進むと、左側にあるビル。
最寄りのランドマーク:JR有楽町駅、東京フォーラムから徒歩3分
お勧めポイント:点心の店としては稀有な素晴らしいワインの品揃え

このビルです エントランスを抜け、エスカレーターで2階まで上がると・・・ 真っ赤なモダンアートのような外観 真っ赤な入口を通って店内に入ると・・・ ポップミュージックが流れる店内は、まるで香港かニューヨークで食べているかのようなメトロポリタン的な雰囲気で、中国語や英語が堪能な店員も多いこの店は、雰囲気、サービス、全てがスタイリッシュ。この日は、キッチンの見える白木のカウンター席に座ったが、これは日本の寿司店や割烹を意識して造ったらしいテーブルのサービスは不明だが、カウンター担当の女性のサービスは素晴らしく、ほぼホテルレベル。なので、もしも人数が少なければ、是非カウンター席で味わいたいフードメニュー1フードメニュー2フードメニュー3デザートメニューとデザートワイン 左側から、辛子オイル、豆板醤、胡麻油入り酢醤油 「豆苗と海老の蒸し餃子」は、味が薄めなので、豆板醤か酢醤油で食べるのがお勧め。一番客だったせいか?長く蒸し器に入っていたせいか?皮が緩くベチャっとしていた 「フカヒレ上湯餃子スープ」は、赤酢針生姜入りフカヒレと共に供される。先ずはそのまま味わうと、乾物による優しい旨味のあるスープだ。餃子を崩して食べると、椎茸と海老が現れ、さらにリッチな味に変化する。最後に赤酢を加えると乾物の香りが薄れ、サッパリ感が出るのでお勧め 「鷄足 豆豉ソース」は、ソースがスパイシーかつ複雑で美味しい。これまで味わったことのないソースで、鷄足も柔らかく上出来。お勧め 「紋甲イカのカレー風味」は、まさに甘口のシーフードカレーのよう。ミニ紋甲烏賊をスプーンですくって味わうと、ついつい白米にかけて食べたいと思ってしまう 「鴨肉春巻」は、中にほぐした八角風味の鴨肉とキュウリが入っており、ボリューム満点ながら味はイマイチ。付いてきた甘めの甜麺醤ソースをかけて食べると、北京ダックを彷彿とさせる味わいに。他の3つの醬で味変させて食べてやっと完食できた 「ピータンと豚肉のお粥」 胡麻油と生姜が香る。豚肉と書かれていたが、実際には鶏肉だった。チキンスープで焚かれたお粥は、滑らかで味わい深く、日本で食べた広東風お粥の中ではトップクラスの逸品。これにサクサクの油条を浸して食べても美味しい「マンゴープリン」は、上にパッションフルーツがかかっている。見た目よりも柔らかく滑らか。甘さも絶妙で、世界最高レベルのマンゴープリンだ

喜記(へいげい)

 “避風塘料理”を掲げるシーフードが評判の中華料理店。“避風塘料理”とは、香港ビクトリア湾の避風塘(タイフーンシェルター:香港では台風が近づいた時に高潮から船を非難させるところを避風塘と呼ぶ)に停泊する船上で供されていた料理。それがその後、陸上レストランとして営業するようになったという。「喜記」のオーナーである廖傳喜シェフは、避風塘料理の創始者として有名。僕も香港に行ったときに食べたことがあるが、避風塘料理はスパイシーな味付けが特徴。「喜記」は、香港の湾仔(ワンチャイ)の他、広東省や四川省などにも支店があるが、この銀座店は日本初の店である。
 急な階段を上がって店に入ると、中国ポップスが流れる店内は、大箱ではなく、こぢんまりとした広さである。メニューはシーフードだけでなく、肉料理や野菜料理などいろいろとある。コースは2名以上で、ランチメニューは平日限定なので、今回はアラカルトメニューから注文。
 この店の名物は、生きたマッドクラブ(ノコギリガザミ)を使った「マッドクラブのチリガーリック炒め」であるが、これは7000円と10000円のコースにも入っている。香港や中国本土で食べた類似したどの料理よりも味付けや辛さが洗練されおり、美味しく感じられた。今回は一人飯だったので、ローストものは食べられなかったが、シーフード以外の料理もそれなりに美味しかった。「茹で鶏肉の葱生姜ソース」は、鶏の切り方といい、ほんのり甘い葱生姜ソースといい、十分合格点である。特にお勧めしたいのは、「豆腐のスパイスソルト揚げ」。豆腐の外側がカリッと、中はトロッとしていてジューシー。醤油と揚げニンニクの風味にピリ辛がよくマッチしていて、最高のビールの友となった。
 今のところ、何故か「食べログ」の点数は低いが、東京フォーラムからも近く、日本に迎合しないリアルな香港の味を楽しむことができる素晴らしい店である。(2020年2月追加)
http://heigei.jp

中央区銀座6丁目3-11 西銀座ビル2階 
電話番号:03-3289-0505
定休日:日曜
営業時間:11時半〜14時半、17時半〜22時(土曜・祝日は21時まで)
予算:【ランチ限定コース】2800円〜6000円、【コース】4800円〜10000円、豆腐のスパイスソルト揚げ1300円、マッドクラブのチリガーリック炒め5500円、大海老のチリガーリック炒め2800円、牡蠣の土鍋焼き葱生姜風味1800円、アサリの豆豉ソース炒め1500円
アクセス:JR有楽町駅、東京メトロ丸ノ内線・銀座駅から数寄屋橋交差点へ向かう。「PARLA東急プラザ銀座」と公園の間の細い数寄屋通りを進み、2つ目の交差点を右折すると右側のビル(交詢社通り沿い)。数寄屋橋交差点から徒歩3分
最寄りのランドマーク:数寄屋橋交差点、PARLA東急プラザ銀座、数寄屋通り、交詢社通り
お勧めポイント:リアル香港の海鮮中華が楽しめる店

このビルです 「デリー銀座店(銀座グルメバイブルでは掲載せず)」などの有名店が入っていますここから入ります 急な階段を上がって店に入ると・・・ 中国ポップスが流れる店内は、大箱ではなく、こぢんまりとした広さである ドリンクメニュー この店の名物、生きたマッドクラブを使った「マッドクラブのチリガーリック炒め」。これは7000円と10000円のコースにも入っている 前菜 野菜料理とスープ 乾物料理 甲殻類の料理 その他のシーフード料理 海老や貝柱の料理 肉料理と豆腐料理 その写真 土鍋料理 ご飯類 麺類 点心 「茹で鶏肉の葱生姜ソース」は、鶏の切り方といい、ほんのり甘い葱生姜ソースといい、十分合格点である 特にお勧めしたいのは、「豆腐のスパイスソルト揚げ」。豆腐の外側がカリッと、中はトロッとしていてジューシー。醤油と揚げニンニクの風味にピリ辛がよくマッチしていて、最高のビールの友となった 「香港焼売」は、点心専門店ほどのレベルではないが、胡麻油が香りがよくて美味しい 調理前の生きたマッドクラブとのご対面 蟹割りや万能ばさみ、蟹スプーンなどがスタンバイ 蟹割りや万能ばさみ、蟹スプーンなどがスタンバイ 「マッドクラブのチリガーリック炒め」が到着 ビニール手袋を装着して、いざ!紹興酒の炭酸割り「ドラゴンハイボール」が意外にシーフードに合う 「海老ワンタンメン」の中央には乾燥した海老の卵が麺は乾麺のような食感の極細麺で、イマイチ。清湯スープはバランスが良くて美味しいが、肝心の海老ワンタンは、香港で食べるほどプリっとした海老の食感がなく物足りない

富錦樹台菜香檳(フージンツリー)

 「誠品生活日本橋(→ 銀座グルメバイブル・ショッピングの頁を参照)」の中にあるカジュアル台湾料理店。シャンパンと共に洗練された台湾料理を楽しめる店として、今、台北で最も人気を集めているレストランである。この日は土曜日だったせいか、開店前の10分前には既に店の前には行列ができていた。テーブルに案内されると、窓の外にもテラス席があり、外でも食事することができるようだ。さらに見渡してみると、調理場がオープンとなっており、入口から想像したよりもずっと大箱店である。
 ドリンクメニューを見ると、カジュアルな中華料理店のわりにはワインの種類が多い。シャンパンだけのワインリストもあり、グラスのシャンパンは1280円で、ボトル売りのものは29000円のドン・ペリニオンや38000円のクリュッグ・グランド・キュヴェなどといった高級なものまである。フードメニューはセットメニューもあるが、単品でもさほど高くはないので、複数の人数であれば是非アラカルトメニューでいただきたい。
 店のお勧めは、「冷製茹で鶏の柑橘醤油添え」や「台湾揚げ出し豆腐」、「睡蓮菜と木の実の炒め」、「台湾ビーフン」、「豚バラ肉の角煮・ナツメとハイビスカスソース」、「カキと揚げパンのニンニクソース」、「花ニラとピータン、豚挽肉のピリ辛炒め」、「北海道産干貝柱とキヌガサダケ入り丸鶏スープ」であるが、僕のお勧めは「台湾揚げ出し豆腐」。これはニンニク風味のピリ辛味で、豆腐はこれまで経験した事のないくらいとろけるように軟らかい。
 それにしても、どの料理もこれは!という素晴らしいものはなかったが、値段を考えると、コスパがよく良心的である。点心のメニューがない点は非常に残念だが、従業員のテキパキとした軽やかなサービスには好感が持てる。(2020年2月追加)

中央区日本橋室町3丁目2−1 COREDO室町テラス2階 
電話番号:03-6262-5611
定休日:無休(不定休あり)
営業時間:11時〜22時
予算:冷製茹で鶏の柑橘醤油添え1680円、台湾揚げ出し豆腐980円、グラスシャンパン1280円
アクセス:東京メトロ銀座線・三越前駅で降り、「室町三丁目方面改札口」へ向かう。改作口を出てまっすぐJR新日本橋方向へ進むと、地下で直結している
最寄りのランドマーク:日本橋三越本店
お勧めポイント:台北で人気のレストランの日本初出店

この日は土曜日だったせいか、開店前の10分前には既に店の前には行列ができていた テーブルに案内されると、窓の外にもテラス席があり、外でも食事することができるようだ。さらに見渡してみると、調理場がオープンとなっており、入口から想像したよりもずっと大箱店であった ドリンクメニューを見ると、カジュアルな中華料理店のわりにはワインの種類が多い。シャンパンだけのワインリストもあり、グラスのシャンパンは1280円で、ボトル売りのものは29000円のドン・ペリニオンや38000円のクリュッグ・グランド・キュヴェなどといった高級なものまである 赤白のワインリストは、フランスとニューワールド 生ビールはハートランドで、台湾産のビールもある。有料のお茶は3種類 フードメニュー1 フードメニュー2 フードメニュー3 フードメニュー4フードメニュー5デザートメニュースペシャリティメニュー1 スペシャリティメニュー2 僕のお勧めの「台湾揚げ出し豆腐」。これはニンニク風味のピリ辛味で、豆腐はこれまで経験した事のないくらいとろけるように軟らかい「台湾ビーフン」 ビーフンの麺はかなり細めで、何故か麺が少ない。具材はキャベツと台湾の水蓮菜、椎茸、豚肉、干し海老など。塩味でなく醤油や酢などが入っているが、味が単調で深みに欠ける。添えられた山椒入りのラー油を入れて食べると複雑さが増すしていい「花ニラとピータン、豚挽肉のピリ辛炒め」は、甘いピリ辛で味は濃いめ。ニラのシャキシャキした食感が印象的。ピータンが少ないせいかピータンの存在感はない。ピータンは深みを与える調味料的なものなのかも。もう少し甘さが抑えられていれば良いのだが 「鶏肉とピーナッツの唐辛子炒め」は、モモ肉でなくササミがメインなので、食感がイマイチ。ほんのり甘く酸味があるが、見た目ほど辛くはない ゼリーのような食感の「杏仁豆腐」は、杏仁が香らず、そのまま食べるとイマイチだしかし、不思議なことに、黒蜜をかけて食べるとそれなりに美味しくなる

黒猫夜 銀座店

エレベータを降りて店内に入ると、入って左側にカウンター席があり、奥にテーブル席がある。まるで一軒家の木造家屋の中にいるようなインテリアは、六本木店とも似ているが、入口側が細く暗めな照明は赤坂店とも似ている。個室は大小合わせて6室あり、最大収容人数は10名である。
「黒猫夜」全店の特筆すべき点は、見たことも、聞いたことも、味わったこともないような中国のローカル料理を味わうことができる点である。これを実現するために、日本ではなかなか手に入らない食材を入手したり、手に入らない中国野菜は自家菜園で種から栽培しているという。さらには、ビックリするくらい豊富な中国酒の品揃えも魅力的である。マニアックな黄酒(いわゆる紹興酒などの醸造酒)だけではなく、白酒(いわゆる蒸留酒)も多数ラインナップされているのだ。複数で行くときには、18種類の黄酒を一度にテイスティングできる「超利き酒5800円」に、是非チャレンジしてもらいたい。
料理はまず、インスタ映えする「季節の前菜盛り合わせ」からスタートしたい。どれも味がしっかりと付けられており、酒のアテには最高である。「百家風鴨舌炒め」はネギの香りが何とも言えず、「烤羊つくね」とともにビールによく合う。とくに、「百家風鴨舌炒め」は、永遠に食べていられるくらいの美味しさ。少し変わったところとしては、「蟹肉豆腐」や「陳村煎腸粉(陳さん村のクレープ餃子)」、「銀鱈の湖南辛味噌蒸・辛子油かけ」、「生搾菜とせせりの黒胡椒炒め」、「帆立米粉まぶし湖南ソースがけ」、「茹で山羊のスペアリブの冷菜・四川風辛子醤油ソース」などがお勧め。そして締めは、塩漬け魚とタイ米を使った「ハムイチャーハン」である。
メニューは、赤坂の本店や六本木店と基本的に同じであるが、料理の味付けに関しては微妙に異なる。3店舗の中では、六本木店、赤坂店、銀座店の順で勧めだが、銀座エリアで食べるのなら、この銀座店で十分満足できるかも。なお、ランチタイムも営業しているが、ランチタイムはランチ限定のご飯と麺メニューしかないので、黒猫夜の醍醐味は味わえない。(2020年1月追加)http://kuronekoyoru.com/info3.html#ginza

中央区銀座7丁目8-15 第二新橋会館8階
電話番号:03-6280-6464
定休日:日曜・祝日
営業時間:【月曜〜金曜】11時半〜14時、18時〜22時半、【土曜】18時〜22時
予算:百家風鴨舌炒め980円、季節の前菜盛り合わせ(2名から)1000円/1名、ハムイチャーハン1100円、黄酒3種利き酒900円
アクセス:東京メトロ銀座線・銀座駅A2出口を出て、銀座中央通り沿いに新橋方向へ進む。「ユニクロ銀座店」を過ぎ、「フェラガモ」のある交差点を右折する。すぐに1つ目の交差点を左折して進むと、左側にあるビル。銀座駅から徒歩5分
最寄りのランドマーク:サルヴァトーレ フェラガモ銀座本店
お勧めポイント:中国の郷土料理と豊富なラインナップの中国酒が味わえる貴重な店

このビルです 8階です エレベータを降りて店内に入ると、入って左側にカウンター席があり・・・ まるで一軒家の木造家屋の中にいるようなインテリア 暗めな照明は赤坂店とも似ている 黄酒は3つのエリアに分けられる 黄酒のメニュー 白酒のメニュー18種類の黄酒を一度にテイスティングできる「超利き酒」 紹興酒といえども、見た目がこんなにも違う この日の突きだし。どれも美味しい 「百家風鴨舌炒め」は、永遠に食べていられるくらいの美味しさ 「帆立米粉まぶし湖南ソースがけ」 「茹で山羊のスペアリブの冷菜・四川風辛子醤油ソース」「生搾菜とせせりの黒胡椒炒め」 「銀鱈の湖南辛味噌蒸・辛子油かけ」 陳村煎腸粉(陳さん村のクレープ餃子)」「蟹肉豆腐」はズワイガニを使ったくずし豆腐。お勧め! カイラン(中国野菜)とハムイ(塩座漬け魚)のキノコあんかけ烏龍茶はポットで供され、氷のグラスに注いで飲む最後に出される温かいお茶

ティム・ホー・ワン(添好運)日比谷店

 香港のミシュランガイド1つ星に輝く点心専門店。何度か香港へ行ったときに食べようと思っていたが、残念ながら行けなかった店である。まさかこの日本で味わえるとは思っていなかったので、早速取材することに。現在のところ、日本にはこの日比谷店と新宿サザンテラス店の2つがある。店の前には常に行列ができており、とくに土日・祝日は、かなりの時間並ばなくては入れない。
行列に並び、そろそろ入店できそうになると、セルフのオーダー表が渡される。香港の本店には行ったことはないが、標準的な香港の飲茶店に比べるとメニュー数はかなり少なく、本店よりもかなりメニュー数を絞っているのかもしれない。店内に入ると、従業員の数が多く活気がある。テーブルの間隔は狭く、左にオープンキッチンの調理場が見える。見渡してみると、中国人客もかなり多く、この店が有名店である事を伺わせる。ステンレスポットでサービスされるお茶はプーアール茶である。
この店の蒸し餃子の皮は、モッチリとしていてかなり美味しい。特に、「海老とニラの蒸し餃子」がお勧めである。また、「鶏足の香港式煮込み アワビソース」も他店とは異なり、非常に洗練された味つけになっていて、こちらもお勧め。ご飯なら、「牛挽肉と卵の蒸しご飯」よりも、「蓮の葉ちまき」か「塩豚のお粥 ピータンと塩卵入り」の方が良い。「塩豚のお粥 ピータンと塩卵入り」は、鶏ガラベースのスープに、ピータンや塩卵が入った香港ではスタンダードレベルのもの。しかし、本物を食べた事のない人にとっては、かなり美味しいと感じられる優しいお粥だ。デザートの「本日のココナッツミルク タピオカ入り」は、この日は苺やマンゴーが入ったココナッツミルクであったが、甘さ抑えめで、これも外せない美味しさ。
日本的なきめ細やかなサービスをする店員もいるが、多くの店員は香港的で、素っ気ないサービスをするのはご愛敬。ちなみに、土日や祝日はとても混み合うので、開店30分以上前に並ばなければ、すぐには入れないのでご注意を。また、平日の夜8時半頃か新宿サザンテラス店の方が比較的空いている。(2020年1月追加)
http://timhowan.jp

千代田区有楽町1丁目2-2 日比谷シャンテ 別館1階 
電話番号:03-6550-8818
定休日:無休
営業時間:11時〜22時
予算:海老とニラの蒸し餃子480円、鶏足の香港式煮込み アワビソース580円、塩豚のお粥 ピータンと塩卵入り480円、本日のココナッツミルク タピオカ入り480円
アクセス:JR有楽町駅から線路沿いに新橋方向へ進むと、東京ミッドタウン日比谷が見えるので、その手前にある。JR有楽町駅から徒歩3分
最寄りのランドマーク:東京ミッドタウン日比谷
お勧めポイント:まるで香港で食べているような点心の店

「東京ミッドタウン日比谷」前の広場に面したこのビルです。夕方の午後5時くらいですが、この行列 中国や香港などにはありがちな看板 夜の9時くらいの状態。これでもかなり少ない方 行列に並び、そろそろ入店できそうになると、セルフのオーダー表が渡される ラストオーダーが午後10時なので、それまでに店内に入れるように並ばなくてはならない 店内に入ると、従業員の数が多く活気がある。テーブルの間隔は狭く、左にオープンキッチンの調理場が見えるオープンキッチンの調理場 香港の本店には行ったことはないが、標準的な香港の飲茶店に比べるとメニュー数はかなり少なく、本店よりもかなりメニュー数を絞っているのかもしれない 「鶏足の香港式煮込み アワビソース」は、脱水しておらず、しっとりトロトロに蒸されている。八角の香りがするが、香り抑えめでアワビソースも洗練されている。お勧め 「海老とニラの蒸し餃子」は皮がもっちり、海老がプリッとしている。ニラが味に深みを与えていて美味しい。お勧め 「塩豚のお粥 ピータンと塩卵入り」は、鶏ガラベースのスープに、ピータンや塩卵も入った香港ではスタンダードなレベルのもの。しかし、本物を食べた事のない人にとっては、それなりに美味しいと感じられる優しいお粥だ 「陳皮入り牛肉団子」は、パクチーとミカンの皮が香る。ミンチの具合が、粗挽きでなく、妙に滑らかな魚肉団子のような感じで良くない 「スペアリブの豆鼓蒸し」は、大振りのスペアリブを使用している。味付けは悪くはないが、豚肉の臭みが気になる。お勧めではない 「海老の蒸し餃子」は、もっちりとした皮とプリプリの海老の食感が特徴的。悪くはないが、「海老とニラの蒸し餃子」の方がお勧め 「海老の湯葉春巻」は、外側はカリッとしていて、意外と素朴な味。お勧めではない 「ポークと海老の焼売」は、粗挽きポークと海老の食感が良い。やや甘めの味付けなので、卓上の醤油かチリソースにつけて食べるのがお勧め 「牛挽肉と卵の蒸しご飯」は、ご飯の上に牛肉団子のミンチを乗せて蒸したもの。 ハンバーグというより魚肉真丈の様に滑らかな食感が、逆に良くない。特徴のない味付けも含めてお勧めでない 「本日のココナッツミルク タピオカ入り」は、苺やマンゴーが入ったのココナッツミルク甘さ抑えめで、もちろん、外さない美味しさ

南翔饅頭店 六本木ヒルズ店

 上海発祥の小籠包の専門店。この店のお勧めは、「上海蟹 みそ入り小籠包」や「上海蟹みそ入り春巻き(2個)」、「上海蟹 みそ入り海老団子」などといった上海蟹を使った濃厚系の点心。濃厚なだけに、人によって好みが分かれるかもしれないが、食べた後に、ミルク風味の杏仁豆腐を食べればサッパリしていい。

港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ ヒルサイド1階   
電話:03-5413-9581
定休日:不定休(施設に準じる)
営業時間:11時~22時半
予算:上海蟹みそ入り小籠包1449円、上海蟹みそ入り春巻き(2個)945円、上海蟹みそ入りエビ団子(2個)945円
アクセス:東京メトロ(日比谷線)、都営地下鉄(大江戸線)六本木駅の地下通路を通り、六本木ヒルズ(西麻布)方面に進み、エスカレーターで上がればすぐ。東京メトロ六本木駅から徒歩5分。

最寄りのランドマーク:六本木ヒルズ

お勧めポイント:夜遅くまでやっている濃厚系小籠包の店

鼎泰豊(ディンタイフォン)銀座店

 

 銀座1丁目のビルにある台湾・台北の中華料理店。国内ではこの店他に、関東に13店舗、関西に3店舗、さらには名古屋店と仙台店、博多店、熊本店(→ 熊本グルメバイブル・中華料理の頁を参照)があり、日本国外では、中国各地と台湾各地に多数ある他、オーストラリア、インドネシア、シンガポール、マレーシア、アメリカなどにも支店がある。店内は、デパートに入っている通常の店舗とは異なり、天井が高く、四角いテーブルと円いテーブルを組み合わせたモダンな雰囲気。
 メニューを見ると、名物である小籠包などの点心を含めて、前菜から炒め物、麺類、ご飯もの、デザートに至るまでいろいろとあるが、あくまでもお勧めは小籠包である。取材した時期の小籠包は、通常の豚肉の「小籠包」の他、「辛子明太子入り小籠包」、「帆立入り小籠包」、「ずわい蟹入り小籠包」、「蟹みそ入り小籠包」、「アワビ入り小籠包」、そして季節メニューの「トリュフ入り小籠包」と「牡蠣入り小籠包」、「モンブラン小籠包」の計10種類であった。この店の小籠包はサッパリとしていて、上海の「南翔饅頭店(→ 銀座グルメバイブル・小籠包の頁を参照)ほどの濃厚な旨味はない。多少の物足りなさを感じない訳ではないが、モチッとした薄皮に包まれた餡はとてもジューシーで、台湾で食べた小籠包そのもの。僕のお勧めは、通常の豚肉の「小籠包」と「蟹ミソ入り小籠包」の2つで、もう一つのお勧めは「えび入り棒春巻き」である。「えび入り棒春巻き」は、細長いスティック状なので、歯切れがよく、濃厚な海老のテイストとも合っている。
 前菜では、「豆腐干と昆布のあえ物」や「きゅうりの甘辛漬け」、「鶏肉の紹興酒漬け」などがいい。「豆腐干と昆布のあえ物」は、シャキシャキとした歯ごたえとサッパリとした味付けに加え、刻み昆布や春雨、モヤシ、干し豆腐が複雑な食感を作り出している。「きゅうりの甘辛漬け」は、ニンニクとラー油の効いていて美味しい。「鶏肉の紹興酒漬け」は、残念ながら丸鶏から切られたものではなかったが、老酒の風味が抑えられた味は塩加減がちょうど良く、洗練された味だった。しかし、「蒸し鶏のねぎソース」の方がオーソドックスな味なので、万人受けしそう。粗挽きソーセージのような「チョウヅメ(腸詰め)」は、そのまま食べると何てことのない味だが、辛子味噌をつけてネギと一緒に食べると、ビールのアテにピッタリ。
 その他では、「えびと豚肉入り焼き餃子」は、いわゆる羽根つき餃子で、表面がカリッと焼かれており、豚肉と海老の餡も美味しいが、焼き面以外の部分がベチャッとしていて、それほどお勧めできない。「海鮮と野菜の塩炒め」は美味しいが、レベルとしては平均をちょっと超えた程度。デザートでは「マンゴ杏仁豆腐」がお勧めだが、より台湾っぽいものを求めるなら、「愛玉ゼリー」か「仙草ゼリー」であろう。しかし、「仙草ゼリー」は、漢方薬のような独特の香りがあるので微妙だ。「ベリー杏仁豆腐」は、ベリーソースが甘く強すぎる。(2020年2月追加)
https://dintaifung-ginza.owst.jp/foods

中央区銀座1丁目8-19 キラリト ギンザ8階 
電話番号:03-5159-4141
定休日:無休(不定休あり)
営業時間:11時〜22時
予算:小籠包(4個)560円、(6個)840円、蟹みそ入り小籠包(4個)960円、(6個)1440円
アクセス:東京メトロ銀座線、日比谷線・銀座駅A8出口を出て、銀座中央通りを京橋方向へ進む。「松屋銀座」、「銀座 伊藤屋」、「メルサ銀座二丁目店」を過ぎたら右側にあるビル。銀座駅から徒歩5分
最寄りのランドマーク:メルサ銀座二丁目店
お勧めポイント:モチッとした薄皮に包まれた餡は台湾で食べた小籠包そのもの

ビルの8階にあります 季節のメニュー 入口近くにある調理場では小籠包が次々と作られている 通常の店とは異なり、天井が高く四角いテーブルと円いテーブルを組み合わせたモダンな雰囲気 クラフトビールもあった 今回は「点心セット」を注文 小籠包のメニュー 小籠包のセットメニュー 前菜三点。「蒸し鶏のネギソース」は、鶏の質はともかく、ネギソースは悪くない。「きゅうりの甘辛漬け」は、ニンニクとラー油の効いていて美味しい。「干し豆腐」は切り方が太めで、水で戻した干し豆腐でないかも。写真を撮り忘れたが、この後に「揚げ物2点」が出た。「海老のフリッター」はカリッとしていて、マヨネーズソースとも合う。ビールのつまみにピッタリ。酢醤油が効いた「鶏の唐揚げ」は脱水し過ぎでイマイチ 豚肉とアワビ(奥)の小籠包。はやり豚肉が美味しい。皮が極薄で、マイルドなスープがジューシー。しかし、他の支店よりも餡が微妙に少ない気がする 手前が「海老の蒸し餃子」。コクがあるが海老が少なくプリプリ感に欠ける。奥の「野菜の蒸し餃子」は、野菜細かく切られていて胡麻油が香る 「ネギチャーシュー麺」は、細麺でコシない。チャーシューは美味しいがスープは甘め「ベリー杏仁豆腐」は、ベリーソースが甘く強すぎ

52(ゴニ)

 六本木交差点近くにある中華居酒屋。すぐ近くに 「黒猫夜 六本木店(→ 銀座グルメバイブル・中華料理を参照)」 があるが、「黒猫夜」の方はメニューが豊富な本格的な中華居酒屋で、こちらはメニューがかなり絞られた今風の中華居酒屋といった感じだ。若い男性料理人が2人だけでやっている店なので、このくらいが料理をスピーディーに出すにはちょうど良い数なのかもしれない。
 小さなビルの階段を上って2階に向かうと、木のドアに小さく「52」と書かれている。ドアを開けて入ると、白を基調としたシンプルなインテリアで、ぱっと見は中華料理店とは思えないくらい。手前にオープンキッチンのカウンター席があり、左奥に6名用と2名用のテーブル席が各1つずつある。
 メニューは黒板に書かれた「本日のおすすめメニュー」と、紙一枚の「レギュラーメニュー(ドリンクメニューを含む)」の他、メニューには載っていない締めのご飯として、花山椒の効いた「麻婆豆腐とご飯」や「炒飯」、「焼きそば」、「担々麺」などがあった。「レギュラーメニュー」を見ると、スペシャリティは、「豚バラ黒酢」と「焼餃子」の2つのようなので、まずはこれを注文。そしてさらに、「パクチーサラダ」と「牛ハラミ」、本日のおすすめメニューの中から「牡蠣の豆豉炒め」と「よだれ鶏」を注文した。食べた結果、この店の料理全般に言えることは、どの料理も火の通し方や塩味がビシッと決まっているということである。とくに、「豚バラ黒酢」と「牡蠣の豆豉炒め」は美味しく、お勧めである。(2015年6月追加)

港区六本木4-6-4 第5一越ビル2階  
電話番号:03-3402-0052
定休日:日曜・祝日
営業時間:18時半〜翌4時
予算:豚バラ黒酢800円、焼餃子500円
アクセス:東京メトロ日比谷線六本木駅・都営大江戸線六本木駅6番出口を出ると「俳優座」があるので左折する。2つめの通り(現在:麻布警察署建設予定地)を右折するとすぐ左側にあるビル。六本木駅より徒歩3分
最寄りのランドマーク:六本木交差点、俳優座
お勧めポイント:深夜までやっている中華居酒屋

入り口には小さな文字で「52」と書かれています

ドアを開けるとオープンキッチンのカウンター席が見えます

奥のテーブル席

コーラはクラシックタイプの瓶コーラーです

本日のおすすめメニューは6品

レギュラーメニューとドリンクメニューはこれだけ

「よだれ鶏」は思ったほど辛くなかった

「パクチーサラダ」はパクチー好き限定のお勧め

「焼餃子」は焼き方はとても上手だが、スペシャリティというほどではない

もう一つのスペシャリティ「豚バラ黒酢」は旨い

本日のおすすめメニューの「牡蠣の豆豉炒め」も火の通りが良く美味しい

「牛ハラミ」はまあまあ美味しい

  

過橋米線(かきょうべいせん)秋葉原店

 秋葉原にある雲南料理の店。雲南省はベトナム、ラオス、ミャンマーと国境を接する中国南東部にある地域。標高が高く、年中春のような気候が続くため、中国産松茸が数多く採れることでも知られるキノコの産地である。また、少数民族が多く、山の幸にも恵まれているため、店名にもなっている「過橋米線」や「気鍋鶏」など雲南特有の料理が生まれた。 
 「過橋米線」はこの秋葉原店の他、吉祥寺や上野、日暮里にも支店がある。料理は高級中華料理と言うよりはB級の中国家庭(家常)料理という感じで、この種の店で美味しいと思える店がなかなかなかっただけに、東京ではかなり貴重な存在である。
 住所では1階とあるが、実際はビルの中2階への階段を上がる。階段入り口には食べ放題の看板などがあり、料理の写真や外観からはとても美味しいとは思えない。店内に入ると、中のインテリアは想像通りB級中華店っぽく有名人の色紙が飾られ、店員も全員中国人のようだ。メニューを見ると、辛い料理には唐辛子マークが付いており、雲南料理もあるが、一般の中華料理店で見られる料理も多い。なので、実際のこの店の料理は、「雲南料理+その他中国料理」といった感じである。
 今回はこの後にも取材があったため、お腹いっぱいになりそうな本命の鍋料理「過橋米線」 や「気鍋鶏」を諦め、食べたことのない幾つかの現地料理にチャレンジした。食べて思ったのは、どの料理も味付けのセンスが良く、辛い料理でありながらとても洗練されていた。例えば、「海老入雲南酸辛豆腐」は、四川の麻婆豆腐とは全く異なったコクのある絶品のピリ辛豆腐であったし、「牛肉の水煮」も鮮烈な辛さのスープが何とも言えず美味しかった。また、次回是非食べてみたいと気になったメニューは、「過橋米線」や「気鍋鶏」の他、「老江湖豆 腐」、「千張肉」、「山椒ナス」、「山椒クミン魚」、「昆明辛子鶏」、「蝦と茶樹茸の炒め」、「黄油局蟹」など。
 それにしても、一品一品が安くてボリュームがあり、部下や家族を連れて来るには最適な中華料理店である。また、ホームページのクーポンを利用した2480円の2時間食べ放題(飲み放題付き3960円)のコースは、一部の高級メニューを除くほぼ全てのメニュー(100種)を対象としたオーダー制バイキングなので、これは絶対にお得である。(2014年5月追加)

千代田区外神田6-5-11 MOAビル1階  
電話番号:03-3835-7520
定休日:無休
営業時間:11時半〜14時半、17時〜23時半
予算:海老入雲南酸辛豆腐745円、牛肉の水煮894円、コース料理は3名からで2800円、3800円、4800円、5800円
アクセス:東京メトロ銀座線・末広町駅4番出口を出てすぐ反対方向の「外神田5丁目交差点」へ向かう。「たいやき 神田達磨」角を右折して蔵前橋通りを進む。150mほど進むと「ジョナサン」が見えるのでその手前のビル。末広町駅から徒歩2分。
最寄りのランドマーク:銀座線末広町駅、たいやき神田達磨・秋葉原店
お勧めポイント:日本では珍しい中国雲南料理が食べられる店

突き出し

海老入雲南酸辛豆腐

何か忘れました

牛肉の水煮

大理回族羊肉

中華料理 龍天門

 僕の敬愛する陳 啓明氏が料理長を辞められ、スタッフも入れ替わったということを聞きつけ、再訪問。ランチタイムの飲茶のワゴンが僅か6種類と少なくなり、「大根餅」や「海老の腸粉」などの飲茶定番メニューもなくなった。味も微妙に変化し、「白身魚の黒胡椒蒸し」はメリハリがなくなり、「肉焼売」は蒸しすぎで水っぽかった。ランチタイムの飲茶にもう力を入れないという姿勢なのだろうか?あるいは飲茶担当の点心師も一緒に辞めたのだろうか?それでも、スープやチャーハンは以前と比べて遜色ない美味しさだった。今回は新料理長の広東料理を本格的に食べていないので何とも言えないが、とりあえず、飲茶に関しては2つ星弱くらいの評価であろう。しかし、値段の高さを考えれば、コスパ的には1つ星くらいが妥当かも知れない。(2013年7月更新)

目黒区三田1-4-1 ウェスティンホテル東京2階   
電話番号:03-5423-7865
定休日:無休
営業時間:平日:11時半~15時(飲茶・点心タイム)、17時半~21時半、土日・祝日:11時半~16時半(飲茶・点心タイム)、17時半~21時半
予算:白身魚の黒胡椒蒸し600円、海老入り蒸し餃子(2個)480円、フカヒレのせ海老蒸し餃子(2個)520円
アクセス:東京メトロ(日比谷線)恵比寿駅からJR恵比寿駅東口改札方面へ進む。1階に出て「atre EBISU」のエスカレーターを上り、JR恵比寿駅東口改札へ向かう。そこから恵比寿ガーデンプレイス方面へ向かうと、「ガストロノミー ジュエル・ロブジョン」の奥にある。東京メトロ恵比寿駅徒歩8分。JR恵比寿駅東口から徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:atre EBISU、JR恵比寿駅東口改札、恵比寿ガーデンプレイス 
お勧めポイント:ランチタイムには本格的な点心を楽しむことができる

黒猫夜 六本木店

 この店の本店は赤坂店(→ 銀座グルメバイブル・中華料理の頁を参照)であるが、この店のメニューも基本的に本店と同じである。店は「俳優座」裏の古いビルの4階にあり、年代物の暗いエレベーターに乗るとちょっと不安にかられる。エレベーターを降りて店の前に立つと、看板がないのでさらに不安に。しかし、よく見ると小さく営業中と表示してある。店外の暗さとは裏腹に、ドアを開けると左奥に広めのカウンター席が広がり、テーブル席の椅子は籐製と、まるでリゾートのような良さげな雰囲気。店の中央には階段があり、上れば5〜6名まで収容可能な隠れ家のような中2階席もある。
  この店の特徴は、何と言っても中華居酒屋と呼んでもいいくらいお酒が充実していること。お酒は蒸留酒である「白酒(ぱいちゅう)」と紹興酒(老酒)の「黄酒(ほわんちゅう)」が充実しており、白酒で は「水井坊」と「貴州醇」がお勧めである。さらに、僕がとりわけお勧めしたいのが紹興酒(老酒)である。かなり高価な年代物もあり、多くの酒がグラスでもいただける。お勧めは「孔乙巳八年」と「神氣十年」で、中にはボトルで35000円という高額なものもある。さらに、御祝いならシャンパンタワーならぬ「紹興酒塔(タワー)」も注文できる。
 さらなる魅力は、通常の中華料理店では、まずお目にかかれないようなレアな中国郷土料理が食べられることである。まずは、この店の名物である「美极鴨舌」と「前 菜盛り合わせ」、「水煮牛筋搾菜」を注文してみてほしい。さらに、「蟹肉豆腐」や「陳村煎腸粉」、「塩爆 塩貝」、「馬油汁炒律蝦仁(芝エビ胡麻フリッターマヨネーズ和え)」、「腐乳炒空心菜」、「辛子鮮筍鶏」、「咸魚炒飯」なども美味しい。 早い時間はいつも混んでいるため、早めに予約しなければなかなか入れない。
 この店だけ以前は深夜まで営業していたが、最近閉店時間が早くなり、ランチタイムも営業するようになった。しかし、ランチタイムはランチ限定のご飯と麺メニューしかないので、黒猫夜の醍醐味は味わえない。(2013年6月追加)

港区六本木4-9-1 佐竹ビル4階  
電話番号:03-3497-0256
定休日:日曜・祝日 
営業時間:月曜〜金曜18時〜翌4時、土曜18時〜22時半 
予算:美极鴨舌980円、前菜盛り合わせ(1〜2名)1800円 
アクセス:東京メトロ日比谷線六本木駅・都営大江戸線六本木駅6番出口を出て目の前にある俳優座の裏側。六本木駅より徒歩1分。 
最寄りのランドマーク:六本木交差点、俳優座 
お勧めポイント:深夜にも地方色豊かな本格的な中華が食べられ、中国酒の種類も豊富

春秋(しゅんじゅう)

 日赤通りにある小さな中華料理店。店内に入るとカウンター席はなく、4名席のテーブルが7つと6名席のテーブルが1つだけ。にもかかわらず、1人だけのテーブル席も快くOKしてくれた。
 料理はいわゆる大皿料理ではなく、日本料理のように一皿一 皿少量ずつ出される。料理の見栄えは華やかさこそないが、素材の質、火の通し方、塩味、どれを取っても素材の旨味を引き出していて文句なく美味しい。とくに、清湯(スープ)は、口に含むと初めは優しく徐々に深みが舌を支配し、ついつい夢中に飲んでしまうほど。オフィシャルには、とくに何料理の店という表示はなかったが、「酔っ払い蟹」や醤油オイスターベースの「フカヒレの姿煮」などが出てくるところをみると、上海料理がベースとなっているのかもしれない。しかし、それ以外の料理は広東料理っぽいものが多くみられた。この店では、1本2,000円を払うとワインなどのお酒の持ち込みも可能であるという。また、マ ダムの心のこもったサービスも料理も、全く文句のつけようがないくらい素晴らしかったが、唯一、バーのような暗い照明だけは唯一気になった。

港区南青山7-14-5   
電話: 03-3407-4683 (完全予約制15時半〜)
定休日:日曜
営業時間:月曜〜金曜:18時~21時半、土日・祝日:18時~21
予算:お任せ(基本8品前後で15000円+α)
アクセス:東京メトロ(日比谷線)、都営地下鉄(大江戸線)六本木駅1A出口を出て左へ進み、六本木ヒルズ前を過ぎ、「博多ラーメン・赤のれん」を過ぎる。西麻布交差点を「Hobson’s」側に渡り、更に進む。「成城石井」を過ぎ、高樹町信号のある「西麻布三井ビルディング」角を左折 し、数十メートル先「三井リパーク」前向かいのビル。東京メトロ六本木駅から徒歩12分。

最寄りのランドマーク:六本木ヒルズ、西麻布三井ビルディング

お勧めポイント:旨味調味料に頼らない本格志向の中華料理

銀座 桃花源

 この店の本店は、熊本キャッスルホテル内にある「桃花源(→ 熊本グルメバイブル・中華料理の頁を参照)」である。熊本キャッスルホテルの中華料理の総料理長・斎藤隆士氏は、故・陳 建民氏に師事し、同ホテルの社長にまで登り詰めたという伝説の料理人。なので、この店の料理も陳 建民氏がアレンジして作り上げた日本風四川料理なのである。
 レギュラーメニューは「四川飯店」とほぼ同じで、新鮮味はない。しかし、季節の創作メニューは美味しく、しかも1人向けの量になっているので、1人飯の方にもお勧めである。僕のお勧めは、前菜の「白油鶏」や「棒々鶏」、そして「車エビの豆鼓炒め」などで、前もって予約すれば、オープン当初の幻のメニュー「2種の味のフカヒレスープ」も味わうことができる。もしも「麻婆豆腐」が食べたければ、通常のものでなく、花椒と豆鼓が効いた「陳麻婆豆腐」がお勧めである。さらに、お勧めしたいのは、ヨシキリ鮫を醤油白湯で煮た「フカヒレの姿煮」。これはかなり値が張るものの、この値段で、これほど見事なフカヒレの姿煮を味わえるのは、中国本土や香港でもなかなかなく、日本でもかつての「赤坂 楼外楼(閉店)」くらいしか思い当たらないほど。2人で一枚が目安だが、金銭的に余裕のある人は、この際1人で1枚を食べることをお勧めしたい。デザートは、生の杏仁に生クリームを加えて作ったという「正宗杏仁豆腐」がいい。

中央区銀座8-6-15 銀座グランドホテル2階   
電話:03-3569-2471
定休日:日曜
営業時間:【平日】11時半~15時、17時~22時、【土曜】11時半~21時半、【祝日】11時
半~21時
予算:白油鶏(小)2100円、棒棒鶏(小)2310円、清炒鮮?魚(1人前)1050円、豆鼓辣明蝦(1人前:2人前より)1050円
アクセス:①JR新橋駅銀座口を出て、カラオケBIG ECHOの側に渡る。右に進み、ファミリーマートの角を左折すると右角に「銀座グランドホテル」が見える。②東京メトロ(銀座線、丸ノ内線、日比谷線)銀座駅A1番出口を出て、3つめの角「マツモトキヨシ」を左折し、並木通りを進む。「カルティエ」、「ルイ・ヴィトン」、「MARUGEN53」、「PRONTO」を過ぎて進むと左角に。JR新橋駅から徒歩4分、東京メトロ銀座駅(4丁目交差点)から徒歩6分。 
最寄りのランドマーク:トイパーク博品館(玩具店)、MARUGEN25
お勧めポイント:熊本では超有名な四川料理店

全聚徳(ぜんしゅとく)

 中国では知らない人がいないくらい有名な北京ダック専門店。北京の王府井の店舗に2度ほど行ったことがあるが、常に入店待ちの行列ができていた。それもそのはず、中国において北京ダックは庶民の食べ物なのである。家族で一羽食べても200元弱(2400円くらい)と格安なのだ。日本ではどうしても高く、気軽に食べるというわけにはいかないが、3人以上が揃うなら行ってもいいだろう。ダックは、テーブルの前で切り分けられるが、日本では切り方について客がリクエストできない。薬味の他、砂糖も一緒に出てくるが、いつも不要と感じる。逆に、この店の甜麺醤は甘みが抑えられているからこそ良いのだ。それでもやはり、甜麺醤だけだと飽きてしまうので、山椒塩をもらい、肉に少しつけてネギやガーリックフライと一緒に巻いて食べても美味しい。ところで、実はこの店、北京ダック以外の料理もそれなりに美味しい。しかし、北京とは異なり、メニューに載っている料理の品数が少ない。メニューに載っていない料理では辛い「火燎砂肝(北京では火燎鴨心)」が美味しい。この日はできなかったが、事前に言えば「麻辣膀絲(ma la pang si)」も頂けるらしい。但し、辛い料理は最後に出すように言っておかないと、舌がしびれて味が分からなくなるかも。また、中華料理店にしては、シャンパンも含めたワインの品揃えも悪くない。

中央区銀座5-8-17 銀座ワールドタウンビル6階   
電話:03-5568-8668
定休日:無休
営業時間:月曜~金曜11時半~14時半、17時~22時、土日・祝日:11時半~21時
予算:塩漬け玉子の家鴨もも肉巻き2000円、北京ダック1羽7980円、半羽4515円
アクセス:東京メトロ(銀座線、丸ノ内線、日比谷線)銀座駅A3番出口を出て、銀座中央通りを新橋方面に進み、コアビルの隣のビル。東京メトロ銀座駅(4丁目交差点)から徒歩1分。

最寄りのランドマーク:銀座コアビル

お勧めポイント:中国で最も有名な北京ダックの専門店

四川豆花飯荘 東京店

 アジア食文化の東西交流地であるシンガポールから進出した四川料 理店。これだけ聞けば、アジアンテイストの怪しげな四川料理かと思いきや、食べてみると、驚くほど本格的で洗練された四川料理なのだ。まず着席すると、中国服を着た茶芸職人がお湯を注ぎに来る。そもそも、二千年以上前に中国で初めて本格的なお茶が栽培されたのが、四川省の蒙頂山なのである。四川の禅恵和尚という人物が、一千年前にが剣舞からヒントを得、長い注ぎ口をもつ長嘴壷(ちょうすいつぼ)を用いた「茶芸」を考えだした。その後、美しさや優雅さが歴史の中で磨かれ、洗練された茶芸として発展してきた。お湯を注ぐ型(ポーズ)は全部で18種類(十八式)ある。ちなみに、湯飲み茶碗に入っているのは、ジャスミン茶、 紅ナツメ、クコ、龍眼、菊花、氷砂糖、百合根、胡桃から作られた“八宝茶”である。料理はどれも平均点以上であるが、特に、痺れるような現地料理、「重慶よだれ 鶏」、「麻婆豆腐」、「水煮牛肉」、「旬の鮮魚の麻辣香スタイル」、「鶏肉の重慶とうがらし炒め」、「重慶担々麺」などは、辛い物好きなら必ず押さえておきた い。個室もあるが、5250~8400円の個室料が必要(2012年6月修正)

千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビル6階   
電話:03-3211-4000
定休日:不定休(新丸の内ビルに準じる)
営業時間:月曜~金曜:11時~14時半、17時~22時、土日・祝日:17時~21時
予算:重慶よだれ鶏(小)2100円。麻婆豆腐(小)2100円
アクセス:東京メトロ(丸ノ内線)東京駅、JR東京駅の丸の内北口を出て、「丸の内オアゾ」隣の正面のビル。駅の地下道からも直結。東京駅から徒歩2分。

最寄りのランドマーク:東京駅丸の内北口

お勧めポイント:学会場からも徒歩で行ける辛い物好きにお勧めの高級四川料理店。夜遅くまで営業している

チャイナブルー

 28階のフロントの前=を通り、奥にある“CHINA BLUE”と書かれたエントランスを抜けると、中国料理店とは思えないような高い天井と二階建てくらいのガラス張りのワインセラーが目に付く。この店は、とにかく、窓からの眺めが素晴らしい。中華料理店でこれほど眺望が良いのは、日本橋マンダリンオリエンタルホテルの「センス」くらいだが、「チャイナブルー」の方が、ゆったりとしたラグジュアリーな雰囲気に浸れる。料理は洗練されたスタイリッシュな広東料理だが、値段もかなり高い。アラカルトのメニューを見ると、1人前の値段で書かれた料理がズラリ。ついつい2~3人前の小皿で幾ら?中皿で幾ら?と計算してみたくなるような価格だ。恐らく、香港最高峰ペニンシュラホテルの「スプリングムーン」並の値段設定であろう。しかし恐れる事なかれ、コースの中にはリーズナブルなものもある。中でも一番のお勧めは、土日・祝日の昼限定のウィークエンドブランチ(最終入店時間13時45分)。これは、4500円、5800円、7800円の3つのランチコースの中から1つを選び、それに2時間の飲み放題(2000円で生ビールと紹興酒、3000円で更にワインが、4000円で更にシャンパンが飲み放題)を付けることができるサービスも。通常のプレミアムモルツ生が1杯1300円、シャンパンはグランメゾンの良質なものであることを考えると、付けた方がかなりお得だ。ところで、今回対象となった数あるホテルの中華料理店で、「桃花源」とこの「チャイナブルー」の2店だけがお勧めとなったのは、僕も意外だった。

港区東新橋1-9-1 コンラッド東京28階   
電話:03-6388-8745
定休日:無休
営業時間:ランチ:月曜~金曜11時半~14時、土日・祝日11時半~16時(最終入店時間13時45分)、ディナー17時半~21時 
予算:【ランチ】3000円〜22800円、【ディナー】10000円〜22800円
アクセス:アクセス:①都営地下鉄(大江戸線)、新交通ゆりかもめ汐留駅を出てすぐ目の前。②JR新橋駅から汐留方面への地下通路を通り、日本テレビ前を過ぎ、電通本社ビル手前を右へ都営大江戸線汐留駅方向に向かう。汐留駅から徒歩1分、JR新橋駅から徒歩5分
最寄りのランドマーク:電通本社ビル

天香回味 銀座中央通り店、台湾海鮮

 中国式しゃぶしゃぶの“火鍋”は、大きく分けて台湾式や四川式、日本に近い北京式など地域ごとにいろいろある。最近では鍋を2つに仕切って一方に塩味で薬膳風味の“白湯”、もう一方に辛くて赤い“麻辣湯”が入っているダブルスープタイプが一般的。日本では中国最大級の火鍋専門チェーン店「小肥羊」が有名だが、僕は台湾のお茶会社が経営するこのモンゴル式火鍋店の方が好み。しかし、モンゴル式とうたっているにもかかわらず、この店の通常肉は羊ではなく、豚か牛肉なのは不思議に思えるが、これは日本人の好みに合わせたものと勝手に推察。しゃぶしゃぶとは言っても、北京式のようなタレがあるわけではない。スー プ自体に濃いめの味付けがされているので、具とスープを一緒にお椀にすくって食べる。白湯:麻辣湯2:1の割合で食べるのがお勧めということだが、これは各自好みで変えればいい。基本的に具は辛い麻辣湯に入れて加熱するのがお勧め。なぜなら、辛い麻辣湯の方がクミンが効いており、スープカレーの様に後を引くからいいのである。ところで、最初のスープには味が付いているが、追加されるスープには味が付いていないのでご注意を。今回の取材エリアの中に、同店 舗はこの店も含めて6店舗。銀座エリアなら、銀座Velvia館にある銀座店(03-5524-7767)より、この中央通り店の方が席の間隔が広くて良い。個室を利用するなら、赤坂別館(03-5575-2314)の方が高級感があって良いのだそうだ。この他、日本橋本店(03-5255-7255)、赤坂店(03-5114-5789)、六本木店(03-5413-4567)などがある。もしも火鍋と小籠包の両方を一緒に食べたいという方は、東銀座ADK松竹スクエア内にある「台湾海鮮(03-3544-1717)」がお勧め。

中央区銀座7-9-15 GINZA gCUBE 9階   
電話:03-5537-2227
定休日:無休
営業時間:月曜~金曜11時~14時半、17時~21時40分(土日・祝日は20時40分まで)
予算:土日・祝日限定の薬膳火鍋ランチ2500円、薬膳鍋コース5250円、6500円、8000円
アクセス:東京メトロ(銀座線、丸ノ内線、日比谷線)銀座駅A3番出口を出て、銀座中央通りを新橋方面に進む。「松坂屋」を通り、「銀座ライオン」の信号を左折し、その裏通りを右折するとすぐ右。東京メトロ銀座駅(4丁目交差点)から徒歩4分。

最寄りのランドマーク:銀座ライオン7丁目ビル

お勧めポイント:薬膳テイストの中毒性の辛鍋

黒猫夜 赤坂本店

 日本の中華料理店のメニューは、どこに行っても同じありふれたものばかりで、ワクワクするような料理に遭遇することが少ない。以前、横浜中華街に「大珍樓 別館(現在閉店)」という名店があり、地方色あふれる料理を供していた。同店が閉店後、久しぶりにアヒルの舌料理が食べたいなあと思って探していたら、偶然この店を見つけた。この店の料理は中国本土で食べられるようなメニューがあり、何時行っても味にブレがなくて美味しい。例えば、アヒルの舌料理や「臭豆腐」などもある。加えて、置いてある中国酒の種類が半端でない。日本で中国酒といえば老酒と思っている人が少なくないが、老酒のような日本酒と同じ醸造酒(黄酒・ホワンチュウ)は、主に上海など揚子江流域・沿岸部の人が好んで飲む酒であって、中国で酒といえば焼酎と同じ蒸留酒(白酒・パイチュウ:代表は茅台酒)がポピュラーなのである。この店には、中国本土でも入手困難なプレミアム 白酒が揃っているので、酒好きの方も一度は行ってみる価値がある。なお、ランチタイムも営業しているが、ランチタイムはランチ限定のご飯と麺メニューしかないので、黒猫夜の醍醐味は味わえない。

赤坂本店 
港区赤坂3-9-8 篠原ビル3階   
電話:03-3582-3536
定休日:日曜・祝日
営業時間:18時~23時
予算: 前菜の盛り合わせ(小)1600円、(中)2600円、百家風鴨舌の炒め980円、麻辣ピータン780円、湖南蒸鮮魚(時価)、咸魚チャーハン1100円、魚香茄子1100円、その日の限定裏メニュー(スタッフに尋ねる)
アクセス:東京メトロ(丸ノ内線、銀座線)赤坂見附駅のエスカレーターを上り、ベルビー赤坂1階に出る。赤坂エクセル東急ホテルが見える広い外堀通りとは逆の右の裏通りに出て左へ。すぐに右に「富士そば」が見えるので、そのビルの3階。東京メトロ赤坂見附駅から徒歩1分。

最寄りのランドマーク:ベルビー赤坂、富士そば、SUBWAY

閉店 スヰートポーヅ

 この店の焼き餃子は、棒餃子のように完全に皮が閉じられていない。濃厚で少し塩味の効いた餡がとても美味しく、ビールやご飯ともよく合う。30年くらい前に行って以来、何故か気に入って、突然思い出したように食べたくなることがあり、数年ごとに訪れている。皮が厚めの水餃子も悪くないが、やはり、カリカリの焼き餃子の方がお勧めだ。但し、混雑する狭い店内は相席必至なので、それが嫌な方には向かない。

千代田区神田神保町1-13   
電話:03-3295-4084
定休日:日曜・月曜
営業時間:火曜~金曜:11時半~15時、16時半~20時半、土曜:11時半~20時
予算:餃子小皿(8個)480円、中皿(12個)720円、大皿(16個)960円
アクセス:東京メトロ(半蔵門線)、都営地下鉄(新宿線)神保町駅A7番出口を出て左へ。次の「セイジョー」角の「神田すずらん通り」を左折してすぐ右(揚子江菜館向かい)。東京メトロ神保町駅から徒歩2分。

最寄りのランドマーク:東京リスマチック、神田すずらん通り

お勧めポイント:ビールを飲みながら焼き餃子、もしくは、ガッツリと餃子ライスをという方にお勧め

神田雲林、雲林坊

 医局の先生を何度か連れて行ったことがある四川料理店。本店にあたる「神田雲林」は裏通りの2階にあり、少し分かりにくい。店内は、中華料理店というよりフランス料理店のような雰囲気。どちらかというと、日本人の味覚に合わせた四川料理であるが、どの料理もハズレがなくハイレベル。昼はほとんどの人が、麻婆豆腐を中心としたランチメニューを食べているが、夜はコースで頼む人が多い。しかし、アラカルトのメニューには魅力的な料理が多いので、中華料理に詳しい方ならアラカルトで注文するのがお勧め。なお、個室以外は禁煙である。
 「雲林坊」は「神田雲林」の支店で、本店で人気の辛い麻婆豆腐と担々麺(汁なし、汁あり)に特化した店である。本店より割安な価格で食べることができ、とても人気がある。麻婆豆腐は本店に比べて豆腐の割合が多く、多少水っぽく感じられたが、この値段を考えるとそう悪くないと思う。むしろこの店では、「汁なし担々麺」の方が良かった。砕いたナッツが入っており、タレとよくかき混ぜて食べると、酸味と辛みのバランスが絶妙で、太麺とも良く絡む。なお、券売機上には紙エプロンが置いてあるので、麺を食べるときには着けた方が服が汚れない。ちなみに、この店は通路を通るのもやっとというような狭いカウンター店ではあるが、清潔な上に禁煙なので、とても快適である。

神田雲林 
千代田区神田須田町1-17 第2F&Fロイヤルビル2階   
電話:03-3252-3226
定休日:日曜(貸し切りの場合には営業可)
営業時間:月曜~金曜:11時半~14時、17時半~21時25分、土曜・祝日:11時半~14時、17時半~21時
予算:本日の前菜盛り合わせ1260円、激辛麻婆豆腐1260円
アクセス:東京メトロ(丸の内線)、都営地下鉄(新宿線)淡路町駅A3出口を出て直進。「プロミス」を過ぎ、「りそな銀行」角を左折すると五叉路になるので、「六文そば」と小鳥のマークのビルの間の右斜め通りに入る。「加藤ビル」の右手前に竹が見えるので、そのビル。東京メトロ淡路町駅から徒歩5分。

最寄りのランドマーク: りそな銀行

お勧めポイント:麻婆豆腐が美味しい洗練された四川料理


雲林坊 
千代田区九段北1-5-5 東建ニューハイツ九段104   
電話:03-6272-3613
定休日:日曜日
営業時間:11時半~15時、17時~22時
予算:汁なし担々麺800円、麻婆豆腐ご飯セット900円
アクセス:東京メトロ(東西線)、都営地下鉄(新宿線)九段駅5番出口を出て反対方向へ。「マクドナルド」、「啓文堂書店」の角を右折し、しばらく進むと右角にある。東京メトロ九段駅から徒歩3分。

最寄りのランドマーク:啓文堂書店

お勧めポイント:麻婆豆腐と汁なし担々麺が美味しい

味芳齋(みほうさい) 支店

 この店の名物は「牛肉飯」。一見するとカレーのような色をしているが、実際に食べてみても、八角の効いたスパーシーな中華ビーフカレーといった感じだ。唐辛子、花山椒、豆板醤、八角などの香辛料でじっくりと煮込まれた牛頬肉は、辛さに重層感がありカレーとはまた違った後を引く辛さ。とても辛いので、添えられるモヤシとの相性は抜群である。食べ終えた後には、顔から首筋にかけて汗がびっしょりとなり、夏に食べるとまるで風呂上がり状態。また食べたくなるような中毒性があり、大手町の「港屋Minatoya 2(→ 銀座グルメバイブル・蕎麦の頁を参照)」の「冷たい(肉)そば」とともに、東京B級グルメベスト10に選出したいくらい。

港区芝大門1-10-1 全国たばこビル1階    
電話:03-3433-1095
定休日:日曜 
営業時間:11時〜15時、17時〜22時 
予算:牛肉飯1000円 

アクセス:都営地下鉄(大江戸線、浅草線)大門駅A6出口を出て、次の信号(芝大門)を右折。200mほど進むと左に「芝パークホテル」が見えるのでその右向かいのビル。大門駅から徒歩5分。 

おすすめポイント:東京B級グルメベスト10に選出したいスパイシー中華飯

閉店 福臨門 魚翅海鮮酒家 銀座店、丸ビル店

 銀座の旧店舗や大阪店、名古屋店、そして閉店した福岡店や福島店など全ての店に行ったことがあるが、この新しい銀座店は今回が初めての訪問。時間の都合上、今回は点心しか頂けなかったが、ネットなどで評論家が言うほど点心に関しては悪くなく、むしろ他店に比べると上出来なくらい。お昼の点心はレギュラーメニューが20種類あり、月替わりメニューが10種類ある。お勧めは、「フカヒレ入りスープ餃子」、「海老蒸し餃子」、「骨付きバラ肉の黒豆味噌煮」、「蟹玉子のせシューマイ」、「フカヒレ入り蟹肉小籠包」、「椎茸と海老すり身蒸し」、「ちまき」など。今回の対象エリアの中には丸ビル店もあるが、残念ながら行く時間がなかった。

銀座店:中央区銀座5-4-6 ロイヤルクリスタル銀座7階   
電話:03-6215-6996
定休日:月曜
営業時間:平日:11時半~15時、17時半~21時半、:土日・祝日:11時半~15時半、17時半~21時
アクセス:東京メトロ(銀座線、丸ノ内線、日比谷線)銀座駅A1番出口を出て、3つめの角「マツモトキヨシ」を左折し、並木通り「三笠会館」の向かいのビル。東京メトロ銀座駅(4丁目交差点)から徒歩2分。

最寄りのランドマーク:COACH、三笠会館

丸ビル店:千代田区丸の内2-4-6 丸の内ビルディング36階   
電話:03-3283-2002
定休日:無休
営業時間:平日、土曜:11時~15時、17時~21時半、:日曜・祝日:11時~15時半、17時~21時
アクセス:東京メトロ(丸ノ内線)東京駅、JR東京駅の丸の内南口を出て、正面のビル。駅の地下道からも直結。東京駅から徒歩2分。
最寄りのランドマーク:東京駅丸の内南口

予算:フカヒレ入りスープ餃子(1個)1680円、海老蒸し餃子(4個)1155円、骨付きバラ肉の黒豆味噌煮1050円、金鶏の姿揚げ(半羽)5250円、(1羽)10500円

お勧めポイント:香港の有名中華料理店の飲茶・点心

 

神楽坂 芝蘭(ちーらん)

 「芝蘭」は、板橋に本店を構える四川料理店である。かつて銀座にあった「芝蘭 銀座店」と交詢ビルにあった「趙楊(現在は新橋に移転)」の2 店は、銀座エリアで唯一現地の味に近い四川料理を食べさせてくれる店であった。既に閉店した「芝蘭 銀座店」で初めて食べたときの、鮮烈な香辛料の使い方には感動したものだった。神楽坂店の現在の料理長は、旧・銀座店の二代目料理長であり、四川省の成都から来ているという。板橋の本店の姉妹店である「Lou Ronルウロン」は、神楽坂店ほど現地的な味ではなかったので、今回は神楽坂店だけを紹介する。
 まずは、この店の名物である「四川ダック、辛い四川ダック」と「地鶏の四川辛子ソース」を注文したい。そして最後に、「陳麻婆豆腐」と「汁なし担々麺」で締めるというが僕のお勧め。この店の辛い料理はもちろん美味しいが、シンプルな塩味の辛くない料理も美味しいので、ぜひ辛い料理の間に挟んで味わってみてほしい。

新宿区神楽坂3-1 クレール神楽坂II 2階(神楽坂かくれんぼ横町)   
電話:03-5225-3225
定休日:無休(年末年始のみ休業)
営業時間:11時~14時半、17時~22時
予算:白いかに玉2600円、芝エビの香り辛子炒め2200円、白身魚・ビックリ唐辛子オイルかけ2600円、牛ヒレ肉の辛子煮・香りオイルかけ2000円
アクセス:東京メトロ(東西線、南北線、有楽町線、大江戸線)神楽坂駅のB3出口を出て、早稲田通りを右へ上る。「ファミリーマート」、「日高屋」を過ぎ、「ロイヤルホスト」、「サークルK」の角を右折。「PASSAGE」、「理窓会館」を過ぎ、「神楽坂仲通り」の看板が見えたら左折。「まかない・こすめ」の手前の小路を左折すると見える黒い建物。飯田橋駅から徒歩3分。

最寄りのランドマーク:ロイヤルホスト、まかない・こすめ

お勧めポイント:現地四川の辛い鮮烈な中華