福岡グルメバイブル

博多 大東園の「博多ユッケジャン」

 「大東園(→ 福岡グルメバイブル・焼肉の頁を参照)」は、博多にある有名焼肉店。福岡市中心部にある本店の他、祇園亭がある。焼肉店なので、もちろん最高レベルの肉を提供しているが、実はこの店のユッケジャンスープも美味しいのである。
 良質な黒毛和牛から作られたスープは、旨味たっぷり。同じ博多にあるミシュラン1つ星店「田無羅(→ 福岡グルメバイブルに近日掲載予定)」の冷凍ユッケジャンスープも取り寄せて比較してみたが、具材のボリュームを含めて、こちらの方が遙かに味わい深くて完成度が高い。
 たっぷりと入った干しずいき(サトイモやハスイモなどの葉柄)のシャキシャキとした歯ごたえが何とも言えず、辛さも適度で円やか。また、もう一つのメイン具材である黒毛和牛も、香り良く柔らか。現在日本でテイクアウト用に発売されている冷凍ユッケジャンスープとしては最高レベルであり、僕の知る限り、ナンバーワンのユッケジャンスープである。
 もちろん、そのまま食べても良いが、ご飯を投入してユッケジャンクッパとしていただくのがお勧め。また、ご飯の代わりにラーメンの麺を入れ、ユッケジャンラーメンとしていただいてもいい。ちなみに、冷凍のテイクアウト品は辛さを選べないが、店内で食べれば辛さを変更できる。
 冷凍のテイクアウト品は、大東園の各店や天神にある百貨店「岩田屋」の地下食品売り場の他、下記の大東園オンラインショップや楽天市場からも購入できる。「博多ユッケジャンスープ」の他、「アワビ粥」や「サムゲタン」もお勧めである。(2022年2月追加)

アクセス
http://www.daitoenshop.com/
https://item.rakuten.co.jp/daitoenshop/da-40/?s-id=ph_pc_itemname
予算:博多ユッケジャン3個セット(送料込み)4104円

これが「博多ユッケジャン」。 大東園の各店や天神にある百貨店「岩田屋」の地下食品売り場の他、大東園オンラインショップや楽天市場からも購入できます 解凍するとこんな感じ スプーンですくうと、干しずいき(サトイモやハスイモなどの葉柄)がたっぷり。シャキシャキとした歯ごたえが何とも言えず、スープの辛さも適度で円やか 同じ博多にあるミシュラン1つ星店「田無羅」の冷凍ユッケジャンスープも取り寄せて比較してみたが、具材のボリュームを含めて、「大東園」の方が遙かに味わい深くて完成度が高い

タンテール富士 (仮店舗で営業中)

 ビルの老朽化に伴う建て替えのため、現在は仮店舗にて営業中の人気居酒屋。僕が訪れたのは、実は旧店舗で営業していた昨年のこと。旧店舗は、真ん中がカウンター席となっていて、それを挟むように小上がりがあるという面白い造りとなっていた。
 この店の看板メニューは、まさに店名通りのタンとテールである。この店の三大名物として、「テール塩焼」と「上タン焼」に加え、「サガリ焼」の3つが店外に掲示されていた。この他に博多らしい「テールスープもつ鍋」なるものもあった。
 まずは、一人飯なので三大名物を注文。和風ステーキのような「サガリ焼」は、ミディアムレアに焼かれ、赤身の旨味を感じる逸品だった。「上タン焼」は、熟成和牛のタンシン部分を使用しているらしく、ミディアムに焼かれた食感が最高だ。熟成肉らしく、ほんのりとアミノ酸を感じる味わい。これに塩ダレや三升味噌を付けてもいける。「テール塩焼」は熱いうちにほぐし、岩塩でいただく。シンプルながら表面がカリッと香ばしく、ネットリとしたゼラチン質が味わえる最高レベルのテール焼きだ。そのまま岩塩を付けて食べてもよし、レモンを絞って岩塩を付けて食べてもまた美味しい。
 まだ食べられそうだったので、ネーミングが気になった「韓流きゅうり」と「究極の酢もつ」、そして「焼き餃子」を追加注文。「韓流きゅうり」は、甘辛味噌を付けて食べるのだが、味はごく普通。「究極の酢もつ」は、ポン酢を掛けて食べるのだが、これは柔らかく臭みがなくて美味しい。見た目が平べったく立体感がない「焼き餃子」は、不恰好で稚拙なようにも見えるが、実際はカリッと焼かれていて、黒豚とニラの餡が美味しかった。タップリのラー油と酢醤油のタレで食べると、京都の「泉門天(→ 京都グルメバイブル・餃子の頁を参照)」を彷彿とさせる美味しさである。
 今回は一人飯だったにもかかわらず、さらに締めのご飯が食べたくなったので、旧店名を冠した「かね萬・やきめし」を再度追加で注文。秘伝のニンニク風味の酢醤油タレをかけていただくという「かね萬・やきめし」は、味的にはちょっとガッカリで、お勧めではない。
 それにしても、この店はハズレが少なく美味しいので、人気テレビ番組「孤独のグルメ」のように、ついつい注文してしまいがちなので要注意だ。ちなみに、気になった「テールスープもつ鍋」は2人前からなので、今回は注文出来なかったのが残念。また、この店は喫煙可なのが唯一の欠点である。(2019年6月追加)
http://www.kanemanfuji.com

福岡市中央区大名1丁目9-18  
電話番号:092-752-0073
定休日:月曜
営業時間:18時~22時半
予算:テール塩焼(大)1700円、(中)1200円、(小)900円、上タン焼1700円、サガリ焼1500円
アクセス:地下鉄空港線・赤坂駅4番出口を出て左へ。「スターバックス」のある交差点を左折し、「ドコモショップ」を過ぎ、「白洋舍クリーニング」と「福壽飯店」の交差点を左折し、雁林町通りを進むと左側にある。赤坂駅から徒歩5分
最寄りのランドマーク:雁林町通り
お勧めポイント:3大名物「テール塩焼」、「上タン焼」、「サガリ焼」が美味しい居酒屋

これが旧店舗です ココです! 旧店舗のカウンター席 旧店舗の小上がり この店の三大名物 季節のメニュー1 季節のメニュー2 店主のお勧めメニュー 焼酎はどれも480円 この店の人気焼酎ベスト10 その他お勧め焼酎と梅酒 突き出しはササミの湯引き 和風ステーキのような「サガリ焼」 ミディアムレアに焼かれ、赤身の旨味を感じる逸品 「テール塩焼」 熱いうちにほぐし、岩塩でいただく。シンプルながら表面がカリッと香ばしく、ネットリとしたゼラチン質が味わえる最高レベルのテール焼きだ。そのまま岩塩を付けて食べてもよし、レモンを絞って岩塩を付けて食べてもまた美味しい 「上タン焼」 熟成和牛のタンシン部分を使用しているらしく、ミディアムに焼かれた食感が最高だ。熟成肉らしく、ほんのりとアミノ酸を感じる味わい深いだ。これに塩ダレや三升味噌を付けてもいける 韓流きゅうり」は、甘辛味噌を付けて食べるのだが、味はごく普通 「究極の酢もつ」 ポン酢を掛けて食べるのだが、これは柔らかく臭みがなくて美味しい 「焼き餃子」 不恰好で稚拙なようにも見えるが、実際はカリッと焼かれていて、黒豚とニラの餡が美味しかった。タップリのラー油と酢醤油のタレで食べると、京都の「泉門天」を彷彿とさせる美味しさである 旧店名を冠した「かね萬・やきめし」 秘伝のニンニク風味の酢醤油タレをかけていただく味的にはちょっとガッカリで、お勧めではない

ラ・ターブル・ド プロヴァンスProvence

 食べログでトップクラスの人気を誇るフレンチ店。ドアを開けると店内は思っていたよりも広く、南仏風の石造り建築のイメージなのだろうか?白を基調としたインテリアはシックで良い感じだ。今回はランチタイムの訪問。ランチタイムは4つのコースがあるが、上から2番目のCコースを注文。
 今回の料理は、油ぎれの悪かった「鱧のフリッター」以外はどれも美味しく手堅い味だった。しかしながら、どの料理も想像を超えたワクワクするようなサプライズ感はなく、良質なフレンチといった評価である。ディナーはともかく、ランチコースの値段と質を考えれば、コスパ的にもそれ程悪くはないと思う。(2013年9月追加)

福岡市中央区赤坂1-13-8 赤坂ウィングビル1階  
電話番号:092-732-5277
定休日:日曜・祝日
営業時間:11時45分~13時半、18時~22時半
予算:【ランチ】Aコース1995円、Bコース2625円、Cコース3990円、季節のおまかせコース6300円、【ディナー】季節のコース6825円、プロヴァンスコース9975円、シェフのおまかせコース12600円
アクセス:地下鉄空港線・赤坂駅1番出口を出て右へ。50mほど歩くと右にある。赤坂駅より徒歩1分。
最寄りのランドマーク:地下鉄空港線・赤坂駅
お勧めポイント:ランチがお得な良質フレンチ

博多 鈴懸(すずかけ)

 福岡土産で美味しい和菓子はないの?と捜していたら、以前にスイーツの頁に掲載 (→ 福岡グルメバイブル・スイーツの頁を参照) したことのあるこの店のお菓子が美味しいことが判明。特に僕のお勧めは、「草月(そうげつ)」と「かの実」の2つ。「草月」は“どら焼き”と“生八つ橋”を足して2で割ったような小振りなお菓子。モチモチとした生地の食感と小倉餡の絶妙な甘さが何とも言えず病みつきになる。「かの実」は熊本産利平栗を裏ごしして作った水羊羹。自然な甘さの蒸し栗の舌触りや香りを実感できる秋限定の逸品。また、一押しではないものの、大粒の卵ボーロのような卵菓子「陽光(ひなた)」は、和三盆のシンプルな甘さがクセになる懐かしいお菓子である。
 ちなみに、「天神岩田屋」や「博多大丸」などの市内百貨店の他、JR博多駅にある「JR博多駅マイング」や「JR博多シティ」でも購入できる。また、福岡市以外では、東京の「新宿伊勢丹」や名古屋の「JR名古屋タカシマヤ」でも購入が可能だ。さらに、地方の方は下記オンラインショップから入手できる。(2013年10月追加)
http://www.suzukake.co.jp/shop/

【本店】福岡市博多区上川端町12-20 ふくぎん博多ビル1階  
電話番号:092-291-0050
定休日:無休
営業時間:9時~20時(喫茶は11時から)
予算:草月(5個入り)977円、かの実472円
アクセス:地下鉄空港線・中洲川端駅の川端方面出口へ進み、5番出口の左側の階段から出るとすぐ目の前。中洲川端駅から徒歩1分。
最寄りのランドマーク:地下鉄空港線・中洲川端駅、川端方面出口
お勧めポイント:福岡和菓子土産のツートップ「草月」と「かの実」を購入できる

あべる ABEL

 赤坂駅近くの裏通りにある焼き菓子の専門店。「あべる」とは奇妙な名前だが、想像するに、店主の“安部 守”さんの名前を冠したものであろう。この店の真骨頂は焼き菓子。どの商品も甘さ控えめで、スイーツが苦手な方でも美味しいと思えるような甘さなのである。「あべるプリン」は、表面にうっすらとクリームが張っていて、プリンの柔らかさや滑らかさ、甘さ、全てが丁度良い。名物の「シュークリーム」は、シュー皮がやや厚めで、中にはサクッとしたクッキーが入っている。カスタードクリームの量が少なめなので、むしろ面白い食感を楽しむことができる。シュークリームというよりは、むしろ別なスイーツのよう。「ロールケーキ」もシットリとキメが細かい生地の中に、甘さ控えめのクリームが入っていて、素直に美味しいと思える美味しさ。これだけきめ細やかで柔らかな生地ならば、「シフォンケーキ」も美味しいのかも。「フレッシュバナナのパウンドケーキ」は、ブランデーとバナナの香りがよく、フワッとシットリとしていて美味しい。
 中でも、僕の一押しは、「フィナンシェ」と「雅 きな粉」の2つ。「フィナンシェ」は、アーモンド粉とバターの香りがリッチで最高。「雅 きな粉」は、“きな粉”という難しい素材を、見事に美味しいクッキーとして昇華させている。この他、ネットリサクサクしたキャラメル状のラムレーズンに、香ばしいクルミの食感が印象的な「エンガディーナ」や、カリッとしたアーモンドとバターが香る「フロランタン」、サクサクとした食感と香ばしいバターの香り、さらにラムの余韻が広がる「ガレットブルトンヌ」、鼻腔の中に立ちこめるアールグレイの妖艶な香りとバターの香りが素晴らしい「アールグレイのサブレ」などもお勧め。さらに、フィナンシェにオレンジピールの苦みが加わった大人の味の「オレンジケーキ」や、シットリとビターなチョコケーキ「ガトーショコラ(クラッシックショコラ)」も良かった。(2012 年12月追加)

福岡県中央区舞鶴2丁目4-2 ミラバ天神1階  
電話番号:092-714-2812 
定休日:日曜 
営業時間:9時~19時 
予算:フィナンシェ150円、雅 きな粉180円 
アクセス:地下鉄空港線・赤坂駅1番出口を出て左へ。マクドナルドの交差点を左折して大正通りを進み、法務局前交差点を渡り、2つ目の通りを右折するとすぐ左側。地下鉄空港線・赤坂駅より徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:昭和通り法務局前交差点 
お勧めポイント:福岡では珍しい焼き菓子の専門店

フォンダンフロマージュ

 赤い風船は佐世保のスイーツ店。「フォンダン フロマージュ」は、まるで小樽ルタオの「ドゥーブルフロマージュ」のような冷凍チーズケーキであるが、それもそのはず、小樽ルタオを経営している「寿スピリッツ株式会社」のグループ店なのである。九州産小麦やクリームチーズ、砂糖、そして阿蘇小国のジャージー牛乳を使用するなど、徹底的に九州産にこだわって作られている点も、全国各地で地域に根差したスイーツブランドを展開する「寿スピリッツ」お得意の手法なのである。天神の大丸百貨店や地下街店の他、福岡空港や博多駅でも購入できる。解凍すると、中心部がトロッとしていて食感が良い。ピュアで滑らかなクリームチーズの風味がとても美味しく、甘さも丁度良い。福岡土産としては最適な一品。下記のホームページからも購入可能。 (2012年9月追加) 
http://item.rakuten.co.jp/akaifusen/c/0000000106/ 

予算:フォンダン フロマージュ1575円

博多 鈴懸(すずかけ)本店

 創業90年という老舗和菓子店とは思えないモダンな店内には、ショップ(菓舗)に隣接してカフェ(茶舗)がある。カフェの店内にはカウンター5席の他、ゆったりとしたテーブル席があってかなり広めである。話を伺うと、2008年に現在のビルに移転してきたという。ランチタイムであったが、店内にはスイーツ店と思えないカレーの香りが漂い、かなりの違和感を憶える。客のほとんどがOLで、彼女たちの大部分は何故かカレーライスを食べているのだ。
 カレーは通常のカレーと、福岡~北九州にかけての有名B級グルメ「焼きカレー」の2種類がある。メニューを見ると、カレーも含めてスイーツメニューも和洋折衷。カレーも試してみたかったが、お腹がいっぱいだったので、まずは「冷やしぜんざい」を注文。冷たい汁粉であるにも関わらず、小豆の香りがしっかりと感じられ、小豆の粒も残っていて甘さも丁度良かった。また、鈴の形をした香り高い最中と一緒に食べても美味しかった。白玉はスマートボール大の球形で、どちらかと言えば、平べったい方が僕の好みである。なので、もしも食べるなら「冷やし葛きりぜんざい」の方が良いかも。僕のお勧めは「かすていらバター焼き」。カステラをバターで焼き、濃厚なキャラメルアイスを添えたもの。食べ方は、キャラメルアイスを載せて食べるのだという。バターで表面がカリカリに焼かれたカステラにキャラメルを載せて食べると、冷温のコントラスに加えて食感のコントラストも際立って美味しい。和のスイーツ店でありながら、その柔軟な発想が素晴らしい。
 ちなみに、注文を受けてから本わらび粉で作られる「蕨餅」も美味しいらしい。福岡の他、東京の新宿伊勢丹と名古屋のJR名古屋タカシマヤのも支店がある。(2013年1月追加)

福岡市博多区上川端町12-20 ふくぎん博多ビル1階  
電話番号:092-291-0050
定休日:無休 
営業時間:11時~20時(ショップは9時から) 
予算:かすていらバター焼き840円、蕨餅790円 
アクセス:地下鉄空港線・中洲川端駅の川端方面出口へ進み、5番出口の左側の階段から出るとすぐ目の前。中洲川端駅から徒歩1分。 
最寄りのランドマーク:地下鉄空港線・中洲川端駅、川端方面出口 
お勧めポイント:福岡の良質な和のスイーツ店

珈琲美美(こーひーびみ)

 自家焙煎された深煎りのハイローストで有名な珈琲店。シアトル系コーヒー全盛の現在では考えられないが、この店が開店した1977年当時は、未だアメリカンコーヒーが全盛の時代であった。当初はなかなか客がつかず大変だったらしいだが、次第にその美味しさが受け入れられ、美味しいという噂が九州全土へ、さらに全国にまでとどろいたという。僕は20年以上前に山本益博さんの著書でこの店のことを知り、その頃に一度訪れたことがある。その頃は現在の店でなく、確か大名の近くにあったような気がする。しかも、こんなに現代的な綺麗な店ではなく、昭和の風情を感じさせる下町の純喫茶といった感じであった。3年半前に、護国神社と福岡城址(大濠公園・鶴舞公園)に挟まれた緑の多いこの地に移転したそうである。店の1階には大きなロースターが置かれ、コーヒー豆を販売するショップが、そして、2階に山小屋風の喫茶室がある。2階に上がると、年老いて今なお元気なマスターの森光さんが座っていた。しかし、現在は奥さんなのか?お母さんがドリップを担当しているようだ。
 この店のコーヒーは、ネル・ドリップで抽出される。これは、森光さん修行した東京の名店「吉祥寺もか」の標さんが、ネル・ドリップの先駆者であったことが影響している。森光さんは「モカ」のスパイシーな香りをとことん追求し、イエメンやエチオピアまで何度も足を運んだという。なので、コーヒー豆はエチオピア産とイエメン産のモカがメインで、モカだけでも5種類もある。僕の一押しであるイエメン産「バニーマタル・モカ」は、ビターな中にも甘い余韻が感じられ、“モカ=酸味”という僕のモカの概念を変えてくれた。これに対し、エチオピア産の「ハラール・モカ」は、これにほんのりとした柔らかい酸味が加わり、僕のイメージに近いモカであった。1番人気はブレンドの「中味」 で、ブレンドは、「淡味 → 中味 → 濃味 → 吟味 → 趣味」の順でローストが強くなる。ハイロースト好きの僕は、今回「濃味」を注文。酸味と苦みのバランスが良く、ふくよかな香りで、神戸「御影ダンケ」のバターコーヒーを彷彿させた。コーヒーとともに味わいたいのは「フルーツケーキ」。 シットリときめ細やかで、中のドライフルーツのバランスが絶妙。甘さも丁度良く、複雑さと奥深さもあり、ありそうでなかなかない完成度の高いフルーツケーキである。メニューの中で最も目を引くのは、「水だしギシルコーヒー」。これはコーヒーのルーツ国・イエメンで日常飲まれている飲み物で、コーヒー豆を包む“穀(ギシル)”の部分を使ってコーヒーを抽出し、それにスパイスと砂糖を加えた温かい飲み物。コーヒーと言うよりもむしろ、「チャイ」や「生姜湯」に近いイメージの飲み物。もしも、ハイローストコーヒー好きの方へ贈るなら、1階のショップでコーヒー豆を購入してお土産とすれば、素晴らしい福岡土産となること請け合い。(2012年11月追加)

福岡市中央区赤坂2-6-27  
電話番号:092-713-6024 
定休日:月曜(但し、祭日の場合には翌日) 
営業時間:11時~19時半(但し、2階の喫茶室は19時まで) 
予算:バニーマタル・モカ750円(100g 1000円)、濃味630円(100g 750円)、フルーツケーキ380円 
アクセス:地下鉄空港線・大濠公園駅5番出口を出て堀に沿って明治通りを進む。すぐに信号のある大手門交差点を右折して、大濠公園の中に入る。平和台競技場前の信号を過ぎ進むと、右側に住宅街が見えてくる。更に進むと、左に池と右に駐車場が見えてくるので、突き当たり信号(護国神社前交差点)を左折するとすぐ左側。大濠公園駅より徒歩15分。 
最寄りのランドマーク:護国神社 
お勧めポイント:ハイローストタイプのコーヒーとしては、日本最高レベルの珈琲店

ジャック 大濠店

 フランス・アルザスで修行した有名パティシエが経営する洋菓子店。この大濠店の他、赤坂に大名店もあるが、一軒家のようなロケーションのこちらがお勧め。店内のインテリアは白とダークブラウンを基調としており、とても落ち着いた雰囲気。また、狭いながらもイートインスペースもある。
 まずはショーケースを見てケーキを選び、飲み物を注文し、精算してから席に着くシステム(飲み物とケーキのセットだと100円引き)。テーブル席もあるが、外向きに配置されたカウンター席の方が落ち着く。初めに言っておくが、この店のケーキは全体的にやや甘めだ。店名にもなっている「ジャック」は、洋なしのムースをキャラメルのムースでサンドしたもの。瑞々しさにやや欠けるが悪くない。「ピスタ・アンタンス」は、ピスタチオのムースの中にチョコムースなどが入っていてこれもなかなか美味しい。「リュビ」は、ピスタチオムースとチョコムムースにフランボワーズがアクセントに。濃厚で甘めだが素直に美味しい。カプチーノも店のイートインにしてはなかなか。(2012年11月追加)

福岡市中央区荒戸3-2-1  
電話番号:092-762-7700
定休日:火曜、第1月曜 
営業時間:11時~19時 
予算:ジャック420円、ピスタ・アンタンス、リュビ480円 
アクセス:地下鉄空港線・大濠駅1番出口を出て明治通りを進む。ミスタードーナッツが角にある「西公園入口」交差点を右折すると、すぐ左側に見える。大濠駅より徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:西公園入口交差点 
お勧めポイント:ビジュアル的にも美しい洗練されたケーキ

バー ジータ Bar GITA

 店主が1人でやっている中洲のオーセンティックバー。ドアを開けると、左にカウンター席が、そして右側にテーブル席がある。老練な店主は数々のコンテストでの受賞歴があるらしく、一口飲めばそのスキルの高さが分かる。カクテル技術だけでの評価ならばもちろん2つ星であるが、雰囲気も含めた全体的な評価としてはこのくらいが妥当なところ。また、ウィスキーの種類も比較的多く、ウィスキー好きの方にもお勧めである。それにしても、店主の客に対する淀みのない対応が素晴らしく、ホスピタリティを感じさせる良い店である。(2013年10月追加)

博多区中洲4-1-1 あざみビル1階  
電話番号:092-262-2623
定休日:日曜・祝日
営業時間:19時~翌4時
予算:ドリンクメニュー1200円~2000円くらい
アクセス: 地下鉄空港線・中洲川端駅1番出口を出て明治通りを天神方向へ進む。橋の手前を左折し、川沿いに進む。「博多エクセルホテル東京」を過ぎ、進むと道が合流するので、無料案内状のある角のビル。中洲川端駅より徒歩4分。
最寄りのランドマーク:博多エクセルホテル東京
お勧めポイント:老練な店主の作るハイレベルなカクテルを楽しめる

バー カヴァロ

 薬院にある人気のオーセンティックバー。元は学生街である西新(にしじん)にあったそうだが、2年前にこの薬院に移転してきた。入り口を抜けると右手前に冷蔵庫型のワインカーブが3つ並んでおり、左奥には4名用のテーブル席が1つ、右側にはカウンター席がある。照明はやや暗めで、ゆったりとした空間が広がる。それは素敵な大人の隠れ家のようでもある。
 オーセンティックバーなので、スタンダードカクテルはいうまでもなく、ワインも揃っている。グラスワインも常に数種類はあるようだ。また、通常のオーセンティックバーではフードメニューが充実していないことが多いが、この店は銀座の 「リトル スミス(→ 銀座グルメバイブル・バーの頁を参照)」 のようにフードメニューが充実している。それもそのはず、この店には立ち上げ時から専属の料理人がいるのである。スタンダードカクテルを試す前に、まずはこの店の名物創作カクテル「自家製のソルティードック」から頂こう。フードメニューはそれほど試していないが、「馬肉のタルタル」は美味しかった。2名いるバーテンダーはいずれもフランクで話しやすく、また来たいと思わせるホスピタリティを感じさせる。(2013年10月追加)

中央区薬院2-1-8 リアン薬院ビル2階  
電話番号:092-406-5888
定休日: 月曜
営業時間:18時~翌2時半(食事は翌2時まで)
予算:カクテル800円~、熊本産馬肉のタルタル1500円、長崎五島牛ローストビーフ1800円
アクセス:地下鉄七隈線・薬院大通駅1番出口を出て左へ進む。次の角を左折し、斜め右方向へ進むとすぐ右側に見える。薬院大通駅より徒歩2分。
最寄りのランドマーク:薬院大通駅
お勧めポイント:食事も楽しめる大人のオーセンティックバー

バー シャルジェ La BARRE Charger

 今年で開店1周年を迎えた中洲にあるオーセンティックバー。ドアを開けると、天井が高くロフトのような雰囲気。手前にテーブル席が2つと奥に丸みを帯びたカウンター席がある。シェーカーを振るバーテンダーは1人。スタンダードカクテルは一定以上のレベルで、フルーツカクテルも美味しい。しかしながら、この店ではシガーも吸えるため、タバコが苦手な人にはお勧めできない。(2013年10月追加)

博多区中洲3-2-12 第3ラインビル地下1階  
電話番号:092-282-3668
定休日:日曜
営業時間:17時~翌3時
予算:カクテル1300円~1500円前後
アクセス:地下鉄空港線・祇園駅2番出口を出て、すぐに国体道路を右折。「M SQUWARE博多祇園」、「大東園」などを過ぎ、歩道橋をくぐって橋を渡り、「中洲INFOMATION」の角を右折する。セブンイレブンを過ぎ、信号のある交差点の右角にある茶色いビル。祇園駅より徒歩6分。
最寄りのランドマーク:M SQUWARE博多祇園、大東園本店、中洲INFORMATION
お勧めポイント:中洲にある雰囲気の良いオーセンティックバー

バー オスカー

 大名のビルの最上階にあるオーセンティックバー。ゆったりとしたカウンター席が10席とテーブル席が4卓あり、天井も高くてとても快適。しかし、ビルの最上階にあるにしては高いビルに囲まれているため、それほど眺めは良くない。この店の店主・長友さんは、銀座のフレンチ「ロオジエ(今年リニューアルオープン予定)」で、現「銀座 テンダー(→ 銀座グルメバイブル・バーの頁を参照)」 の上田さんと共に働いていた方らしい。
 数々のコンペで受賞があるらしいが、スタンダードカクテルに関しては「銀座 テンダー」のほどのキレはなく、スペシャリティの「オスカーNO1、NO2」も含めて特にこれは!と思うものはなかった。しかし、どのカクテルも一定レベル以上のスキルの高い美味しさである。「ギムレット」には何故か氷が入っていたが、これは僕は初体験。加えて、フローズンカクテルは滑らかでとても美味しかった。(2013年5月追加) 

福岡市中央区大名1-10-29 ステージ1大名6階  
電話番号:092-721-5352
定休日:日曜 
営業時間:18時~翌3時 
予算:カクテル1200円~1300円 
アクセス:地下鉄空港線・赤坂駅4番出口を出て左へ。広い大正通りを通り、「SUNNYサニー赤坂」がある「ハローワーク福岡中央」の交差点を過ぎ、「華風 福壽飯店」がある次の交差点を左折する。細い通りを進み、2つ目の交差点右角のビル。赤坂駅から徒歩6分。 
最寄りのランドマーク:サニー赤坂、ハローワーク福岡中央、華風 福壽飯店 
お勧めポイント:フローズンカクテルが美味しいオーセンティックバー

モモタ バー MOMOTA Bar

 大名のビルの中にあるオーセンティックバー。店内に入ると正面に8席のカウンターがあり、右側に最大10名まで座れるテーブル席がある。バーテンダーは店主の百田さんの他、男性と女性のバーテンダーが1名ずついる。店内はブラウン系で統一され、ウッディで落ち着きのあるインテリア。照明はやや暗めだ。店主は銀座の「モーリバー MORI BAR」出身らしく、カクテルはどれもキレが合って美味しい。季節のフルーツカクテルもセンスが良く秀逸である。恐らく、現時点で福岡ナンバーワンのオーセンティックバーであろう。しかしながら、バーなので仕方がないことなのだが、この店の客層は何故か喫煙率が異常に高く、この点だけはマイナスである。(2013年5月追加)

福岡市中央区大名1丁目10-14 MATCHビル5階  
電話番号:092-714-6077
定休日:月曜 
営業時間:18時~翌3時 
予算:スタンダードカクテル900円~1300円、季節のフルーツカクテル1000円~1400円 
アクセス:地下鉄空港線・赤坂駅4番出口を出て左へ。広い大正通りを通り、「SUNNYサニー赤坂」がある「ハローワーク福岡中央」の交差点を過ぎ、「華風 福壽飯店」がある次の交差点を左折する。細い通りを進み、次の交差点を右折するとすぐ左側。赤坂駅から徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:サニー赤坂、ハローワーク福岡中央、華風 福壽飯店 
お勧めポイント:福岡ナンバーワンのオーセンティックバー

ヴィニュロン

 以前に後輩の先生たちと訪れ、とても良かった店である。その後しばらく行く機会がなく、今回が数年ぶりの訪問となった。この店はビルの2階にあり、入り口がちょっと地味なので分かりづらいが、福岡、いや九州ナンバーワンのフレンチワインバーである。ワインは全てフランスワインで、この店だけでなく別に借りているマンションの在庫も含めると、計3500本あるという。特筆すべきはワインの価格設定がとても良心的なことで、古いヴィンテージのものだと楽天価格より安いものも。特に、入手困難なブルゴーニュのカリスマ作り手のものや、飲み頃を迎えた90年代のヴィンテージなどいろいろ揃えてあるのが素晴らしい。また、グラスワインも常時10種類以上もある。 
 フレンチ担当のシェフは未だ若いが、料理はどれも塩味にブレがなく火の通し方も良い。アラカルトメニューはかなりボリュームがあるので、各々で注文するよりも幾つか適当に注文してシェアして食べるのがお勧めだ。ちなみにコース料理もあるが、こちらも2~3人でシェアして食べられるような量になっており、4人ならコースを2人前を注文すれば良い。また、料理はフレンチだけに留まらず、飲んだ後に何故か食べたくなるパスタまである。コストパフォーマンスが抜群で料理も美味しいので、1次会にも、そして食べた後の2次会や3次会にも使える非常にユーティリティーの高い店だ。 
 僕はこれまで、福岡のワインバーやダイニングバーに色々行ってみたが、今なおこの店を越える店に出会えていない。なので、もしも福岡で美味しいブルゴーニュワインが飲みたくなったら、是非思い出して頂きたい一軒である。加えて、店内が禁煙である点もワインバーとしては完璧である。(2013年5月追加)

福岡市中央区高砂1-24-24 Fコラソン薬院2階  
電話番号:092-531-3880
定休日:火曜 
営業時間:18時~翌2時 
予算:チャージ500円、コース(2~3人前)5600円~8400円 
アクセス:地下鉄・渡辺通駅の2番出口を出て直進し、すぐに「みらいホール」や「福岡銀行」が入っているビル側へ信号を渡る。更に「テムジン」の看板の見える方向へ信号を渡って右の薬院駅方向へ進むとすぐ左側。地下鉄・渡辺通駅から徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:ホテルニューオータニ博多 
お勧めポイント:日本トップレベルのフレンチワインバー

セッション SESSION

 天神のビルの2階にある本格派の広東料理店。メインダイニングは縦に細長く、三角形のような形をしている。窓側の席からは大きなガラス越しに外を眺めることができる。席は通常のテーブル席の他に、カーテンで仕切られた3~6名用の個室と5~13名用の完全個室がある。
 この日はランチタイムでの訪問。ランチコースは2000円と3000円の2コースがあったが、コースの内容を見て2000円のコースを選択。さらに、アラカルトから焼き物2品を追加注文した。ランチタイムはこの他に、メインディッシュ1品にスープと点心、サラダが付いた1000円と1200円のランチプレートがある。壁側のテーブルにはいろいろなワインや飲み物が氷で冷やされており、まるでフレンチレストランのようなビジュアル。
 別注文の「焼きたてチャーシュー(蜜汁叉焼)」はとてもジューシーで、「トントロの焼き物」もまた格別な食感でいい。この店の焼き物は実に美味しい。これに対して、コースの「2種類の前菜の盛り合わせ」のクラゲと豚すね肉ともにイマイチで、クレソンともマッチしていなかった。「揚げた卵と5つの野菜の甘酢餡かけ」の卵はフワッとしていて、火の通し方、塩味ともに良かったが、甘酢とは今一つ合わないような気がした。また、ランチなので牛肉の素材自体は良くなかったが、「豆豉炒牛肉(牛肉の豆豉炒め)」は、火の通し方、味付けともに良く、炒め物もスキルの高さを感じさせる出来だ。日本料理を判断する最大のポイントが「椀」であるように、広東料理のレベルを判断する最大のポイントはスープ「湯」であろう。この日のメニューは「湯」ではなく「魚肚山葯粥(山芋のお粥仕立て)」であったが、これが最高の出来だった。米の代わりに長芋をペースト状にしたすり流し状態のスープに金華ハムや魚の浮き袋などが入っており、コリコリとした浮き袋の食感に加えて、丁寧にとられた湯の深みが素晴らしかった。デザートの「滑らか杏仁豆腐」はトロトロで食感は最高だったが、杏仁の香りに欠けていたのが残念だった。
 ちなみに、焼き物に加えて、炒め物とスープ(実際には粥)が良い店はありそうで実はなかなかなく、福岡のランチでこの様なハイレベルな中華料理をいただけるとは思っていなかった。(2017年7月追加)http://www.tenjinterra.com/session/

福岡市中央区渡辺通5丁目25-18 天神テルラビル2階  
電話番号:050-5571-4171
定休日:水曜
営業時間:11時半〜14時、17時半〜20時半
予算:ランチコース2000円、3000円、ディナーコース5000円、8000円
アクセス:地下鉄七隈線・南天神駅6番出口を出てすぐ右にあるビル。南天神駅より徒歩1分(大丸福岡天神店の南向かい)
最寄りのランドマーク:大丸福岡天神店
お勧めポイント:本格的な広東料理がリーズナブルな価格で食べられる

ビルの2階ですココです!メインダイニングは縦に細長く、三角形のような形をしている壁側のテーブルにはいろいろなワインや飲み物が氷で冷やされており、まるでフレンチレストランのようなビジュアル今回注文した2000円のメニューメニューのアップ1メニューのアップ2コースの「2種類の前菜の盛り合わせ」。クラゲと豚すね肉ともにイマイチで、クレソンともマッチしていなかった別注文の「焼きたてチャーシュー(蜜汁叉焼)」はとてもジューシーで、「トントロの焼き物」もまた格別な食感でいい「焼きたてチャーシュー(蜜汁叉焼)」「トントロの焼き物」「揚げた卵と5つの野菜の甘酢餡かけ」卵はフワッとしていて、火の通し方、塩味ともに良かったが、甘酢とは今一つ合わないような気がした豆豉炒牛肉(牛肉の豆豉炒め)」火の通し方、味付けともに良く、炒め物もスキルの高さを感じさせる出来だ魚肚山葯粥(山芋のお粥仕立て)」であったが、これが最高の出来だった米の代わりに長芋をペースト状にしたすり流し状態のスープに金華ハムや魚の浮き袋などが入っており、コリコリとした浮き袋の食感に加えて、丁寧にとられた湯の深みが素晴らしかった付け合わせのザーサイデザートの「滑らか杏仁豆腐」トロトロで食感は最高だったが、杏仁の香りに欠けていたのが残念だった最後はお茶で締める 

Tiki

 南天神エリアの路地裏に佇む隠れ家的なカレー店。本当にこんなところにあるの?というような焼肉店横の細い路地を進むと、突き当たりに古い一軒家が見える。ドアを開けて店内に入ると、1階はオープンキッチンの狭いカウンター席が8席のみ。後から来た客が階段を上がっていくところを見ると、どうやら、2階にも客席があるようだ。人気店の取材はいつも開店前に行くことにしているのだが、この店もかなりの人気店らしく、開店後10分もすると行列ができはじめる。
 メニューを見ると、「スパイスMAXチキンカレー」、「豚ナンコツと季節野菜のキーマカレー」、「スパイシーチキンカレー」、「タイ風モルディブ寄りシーフードココナッツカレー」の4種類のみ。客のほとんどは常連客ようのうで、彼らの圧倒的な一番人気は「スパイスMAXチキンカレー」。
 もちろん、僕のお勧めも「スパイスMAXチキンカレー」である。メニュー名通り、ルーを口に含むとクミンを中心としたリッチなホールスパイスの香りが鼻腔一杯に広がる。久々に味わう絶妙かつ完璧なスパイスバランスだ。ルーはサラサラとした南インド風で、辛さの調整は、卓上の「辛味スパイス」もしくは、10本まで無料のタイ産青唐辛子(プリッキーヌ)で行う。何も加えずそのまま食べれば、CoCo壱番屋2〜3辛くらいの辛さレベルである。この店のライスはパラパラとしたインディカ米(長粒米)で、このサラッとしたルーに良く合う。
 2番人気の「豚ナンコツと季節野菜のキーマカレー」には、粗挽きの豚肉とコリコリとした豚ナンコツの他、豆やパクチーなどが入っている。辛さは中辛程度とマイルドで、ホールスパイス感はさほど感じられない。また、スパイスのメインはローズマリー・タイム系の香りなので、これは好みが分かれるところだ。このカレーは、添えられたレモンを搾っていただいた方がキリッとして味に深みが増す。(2017年3月追加)https://www.facebook.com/Tiki.Fukuoka

福岡市中央区渡辺通5-24-38  
電話番号:092-738-2008
定休日:日曜
営業時間:11時〜15時(なくなり次第終了)
予算:スパイスMAXチキンカレー850円
アクセス:地下鉄七隈線・南天神駅5番出口を出て左へ。「あかひげ薬局」、「フレッシュネスバーガー」の角を左折して進むと、右側に炭火焼肉「春吉 金剛園」があるので、横の小路を右折すると突き当たりにある。南天神駅より徒歩2分
最寄りのランドマーク:赤ひげ薬局、春吉 金剛園
お勧めポイント:ホールスパイスの素晴らしさを味わえる南インド風・スリランカ風カレー

「大丸百貨店」南向かいのこの角を曲がります右側の焼肉店「金剛園」が目印ですここなんですが、「スパイシーチキンカリー Tiki」の木の看板が出てなければ分かりません焼肉店のお手洗いの前の路地裏を進むと・・・一軒家のココのようです!ドアを開けて店内に入ると、1階はオープンキッチンの狭いカウンター席が8席のみ。後から来た客が階段を上がっていくところを見ると、どうやら、2階にも客席があるようだ黒板メニューテーブル上にもメニューがあった何故か、カレー店のカップラーメンが積まれているテーブル上には辛味スパイスと岩塩が置かれているこれがお勧めの「スパイスMAXチキンカレー」ルーはサラサラとした南インド風ライスはパラパラとしたインディカ米(長粒米)で、このサラッとしたルーに良く合うルーを口に含むとクミンを中心としたリッチなホールスパイスの香りが鼻腔一杯に広がる。久々に味わう絶妙かつ完璧なスパイスバランスだ2番人気の「豚ナンコツと季節野菜のキーマカレー」粗挽きの豚肉とコリコリとした豚ナンコツの他、豆やパクチーなどが入っているこちらのライスも、もちろんインディカ米 

スパイスロード(風味路)

 マニアックそうな店主がやっているカレー専門店。自分で描いたのであろうか?ピンク色の外観がとても印象的だ。店内はカウンター席とテーブル席が2つだけと非常に狭い。壁のメニューを見ると、この店のカレーの種類は1種類のみで、現在は月曜日から木曜日が「マサラチキンカレー」、金曜日から日曜日が「Maxチキンカレー」となっている。サイズはS、M、L、SSの4つがあり、S、M、Lは同じ値段で、SSは50円引きとなる。
 この日は土曜日だったので「Maxチキンカレー」。カレーはライスを取り囲むように予めルーが注がれており、ライスにはピクルスがのっている。一口食べると、スパイスの香りが口腔から鼻腔に広がり、辛さは中辛?と思うくらい辛く感じない。しかしながら、食べていくうちにジワジワと辛さが増してきて辛口だと実感。これだけホールスパイスが香る素晴らしいカレーを食べたのは、東京神田の 「インドカレー・カーマ(→ 銀座グルメバイブル・カレーの頁を参照)」 のチキンカレーか、新橋の 「ザ・カリ(→ 銀座グルメバイブル・カレーの頁を参照)」 のビーフカレー食べて以来である。食後にデミタスカップに入った甘めの自家製ラッシーが付いてくるが、これがまた口の中の辛さをリセットしてくれていい。それにしても、久々に食べた実に中毒性のある美味しいカレーである。(2013年10月追加)

福岡市中央区高砂2-11-1  
電話番号:非公開
定休日:祝日
営業時間:【月曜~木曜】11時半~15時、19時~21時、【金曜】11時半~15時、【土日】12時~15時
予算:マサラチキンカレー(S・M・L)850円、(SS)800円、Maxチキンカレー(S・M・L)900円、(SS)850円
アクセス:西鉄天神大牟田線・平尾駅出口を出てローソン側へ進み、信号を右折。次の信号を右折して「百年橋通り」を進み、高架下をくぐると左に「ロイヤルホスト」が見える。「TSUTAYA」を過ぎ、「かに本家」手前信号のT字路を左折すると、左側にある。西鉄平尾駅から徒歩5分。
最寄りのランドマーク:百年橋通り、かに本家
お勧めポイント:ホールスパイスが香る魅惑のチキンカレー

FRISCO フリスコ

 暗い路地の奥にあるハンバーガー専門店。実はこの店、東京の下北沢から移転してきた店なのである。店内はカウンターが6席、3人用テーブル席が一つだけしかなく、初老の店主1人でやっている。かなりマニアックそうな店主にはこだわりがあるようで、肉の焼き方や野菜など具材の組み合わせの変更は一切受け付けないという。本当かどうかは分からないが、店主によると、一応聞いてはあげるが最終的に変更はしないということである。なので、例えばピクルスが嫌いであれば、ハンバーガーが来てから自分で取り除いて食べれば良いのだ。
 この店の1番人気は「ダブルチーズバーガー」。但し、シングルでもパテは150gのボリュームがあり、「ダブルチーズバーガー」にすると、300gのパテに加えて野菜も倍になるのでご注意を。注文をすると、店主が鼻歌交じりでハンバーガーを作っていく。パテとバンズは炭火で網焼きされ、長いコテを使ってパテに線を引くように焼いて行く。換気が悪いせいかパテを焼くと店内はかなり煙たい。パテは嫌な牛肉の臭みなど一切なく、良質な牛肉を使用していることが分かる。挟む野菜は生玉葱とピクルス、トマト、レタス。生玉葱のスライスは厚切りが2枚入り、ピクルスもかなり分厚い。
 僕の感想としては、玉葱は1枚で十分で、むしろ全くない方が美味しいのではと思う。特にソースなどは使用せず、パテは塩胡椒のみで味付けされ、バンズにはマヨネーズが塗られているだけ。このようにシンプルな味付けながらとても美味しく、値段は張るが実にクオリティの高いハンバーガーである。ちなみに、食べ方は肉汁がこぼれないよう袋から取り出さずに、ハンバーガーを少しずつずらして食べるのがコツ。(2013年2月追加)

福岡市中央区舞鶴1-9-11 ハリウッドビル102  
電話番号:092-714-1610
定休日:火曜(火曜が祝日の場合には水曜が定休日に) 
営業時間:11時半~20時半 
予算:シングルチーズバーガー850円(フライドポテトとドリンク付きのセットは1400円)ダブルチーズバーガー1300円(フライドポテトとドリンク付きのセットは1850円) 
アクセス:地下鉄空港線・天神駅1番出口を出て明治通りを右へ。次の角を右折し、「ホテル モントレ」前の「舞鶴1丁目」交差点の信号を渡る。すぐに次の交差点を左折し、50mほど進むと右に「ハリウッド化粧品」の看板が見えるビル。地下鉄空港線・天神駅より徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:ホテル モントレ ラ・ス−ル福岡 
お勧めポイント:値段が高いがクオリティも高いハンバーガー

完熟野菜の大自然CURRY

 地下鉄空港線・西新(にしじん)駅からほど近い商店街にある欧風カレーの店。肉屋の2階にあり、階段を上って店内に入ると、カウンター8席、2人用テーブル席が2つと、かなり狭い喫茶店のような感じ。ご夫婦なのか?店主と女性の2人でやっている。メニューの中にはカクテルなどのお酒もあり、夜は最近密かに流行している“カレーバー”のようなスタイルで営業しているのかもしれない。
 この店のお勧めは「ゴロッとビーフカレー」。100円増しで肉が増量された「Wビーフカレー」というものもある。いずれにせよ辛さは選べないのがマイナス点だが、ルーは円やかな中にもホールスパイスの豊かな香りが感じられて美味しい。店の説明によると、牛肉と10種の野菜で6時間かけてベースとなる出汁を取り、それに20種類ものホールスパイスを加えて作るという。辛さはそれ程ではなく中辛程度。辛さがもっとほしいという方は、備え付けのスパイスをセルフで加える方式。3日間煮込んだというビーフはそれ程美味しいというわけではないが、総合的には良質な欧風カレーである。お二人ともに客への対応が素晴らしく、ホスピタリティを感じる良い店だ。(2013年1月追加)

福岡市早良区西新4丁目8-41 2階  
電話番号:092-846-2212
定休日:水曜 
営業時間:11時半~15時、18時~22時 
予算:ゴロッとビーフカレー790円 
アクセス:地下鉄空港線・西新駅4-B出口を出て右へ、西新中央商店街へ進む。数十メートルほど進むと、右にパチンコ店、左に「肉の鳥安」があるので、その2階。西新駅から徒歩2分。 
最寄りのランドマーク:西新中央商店街 
お勧めポイント:真面目に作られた良質な欧風カレー

GARAM

 若い店主が1人でやっているカレー店。カウンターが8席だけと狭く、席の後ろを通るのもお腹の出ている中年男性には厳しいくらい。以前たまたま僕が福岡で見ていたローカルグルメ番組で取り上げられて以来、行列店となってしまったようで、現在では仕込みが間に合わなくなり、開店直後にソールドアウトとなるメニューもあるという。この日のランチタイムのカレーは4種(ディナーは7種)と数が少なく、その分少し値段が安い。また、自家製ヨーグルトで作った濃厚なミニラッシーも付いていて、ライスの大盛りも無料。どのカレーも注文を受けてから一つ一つ作られるので、混んでいると時間がかかることも。
 基本的に「ガラムカレー」と「ポークビンダルー(昼はやっていない)」は辛さを選ぶことができない。なので、辛さが苦手な人はこれ以外のカレーを注文すべき。店主によると、「ガラムカレー」以外のカレーなら、「チキンカレー」がお勧めらしい。カレーのベースとなるスープは、九州産“華味鶏”から取られたもの。店名と同じ「ガラムカレー」は真っ黒なカレー。ついつい僕の世代の漫画「包丁人味平・カレー戦争編」のカレー将軍・鼻田香作が作ったカレーを連想してしまうが、こちらはトロみのないサラサラなカレー。東京「デリー」のカシミールカレーにインスパイアされたらしいが、似て非なるスパイシーなカシミール風カレーなのである。
 初めは玉葱の甘さとホールスパイスが感じられ、それ程辛く感じないが、唐辛子成分なのか?後から刺さるような辛さが襲ってくる。辛さで評価するなら大辛といったところだ。全てがホールスパイスの風味かと言えば、それはちょっと微妙なところだ。具材は柔らかく煮込まれたチキンの手羽元が2本入っており、ライスにはレモン果汁とスパイス入りのマッシュポテトが添えられている。「キーママサラ」はクミンやローリエの風味がするドライカレーで、コロコロと大ぶりの鶏挽き肉を使用している。夜にはチルドラムを使用した「ラム キーママサラ」が加わる。ちなみに、僕のお勧めのスパイス入り紅茶「チャイChai」は、ランチタイムにはやっておらず、ディナータイムでもオーダーが入っていないときしか作らなってもらえない。(2013年1月追加)

福岡市中央区高砂1−7−4  
電話番号:070-5814-1242 
定休日:日曜 
営業時間:12時~15時、18時半~22時 
予算:ガラムカレー800円(夜は850円)、チキンカレー750円(夜は800円)、ラム キーママサラ950円 
アクセス:地下鉄・渡辺通駅の2番出口を出て直進し、すぐに「みらいホール」や「福岡銀行」が入っているビル側へ信号を渡る。更に「テムジン」の看板の見える方向へ信号を渡り、直進してファミリーマートを過ぎ、「ドレミ薬局」を右折すると突き当たり。地下鉄・渡辺通駅から徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:ホテルニューオータニ博多 
お勧めポイント:ホールスパイス感のある本格的インドカリー

焼肉すどう 春吉

 中州に近い飲食店ビルの1階にある焼肉店。実はこの店、満を持して福岡進出を果たした熊本の人気焼肉店なのである。熊本と福岡を含めて現在3店舗あるが、店主は熊本ではなく福岡に住んでおり、この店にかけるその意気込みが伝わってくる。熊本店と福岡店の最大の違いは肉にある。例えば、熊本店ではユッケは馬肉を使用するが、福岡店では和牛を使用する。また、使用する和牛も熊本店は九州産にこだわり、福岡店は日本全国からその時々の最高の牛肉を仕入れているという。
 店の前に立つと「肉」という看板しかなく、一見すると、何の店だか分からない。店内に入ると、目の前には焼肉店とは思えない換気扇ないスタイリッシュなカウンター席が広がる。そして、入口の右には、通路を挟んでパーティッションで仕切られたテーブル席が続く。一番奥のテーブル席だけは6名席が2つあるため、最大12名まで対応できる
 この店の売りは、最近全国的に人気となっている肉料理のフルコースである。つまり、京都の 「三芳(→ 京都グルメバイブル・肉料理の頁を参照)」 や 「京洛肉料理 いっしん(→ 京都グルメバイブル・肉料理の頁を参照)」 、東京の「和牛銘菜 然(→ 銀座グルメバイブル・焼肉の頁を参照)」 などのように、とにかく肉を美味しく食べさせようという趣旨の店なのである。加えて、肉も全て店員が焼いてくれるというスタイルなのだ。
 コースは7000円から12000円までの3コースがある。店員によると、ステーキの付く12000円(要予約)がお勧めとのことなのでそれを注文。キムチの盛り合わせとサラダからスタートし、和牛のユッケ、しゃぶしゃぶ、塩焼き肉、ステーキ、焼き野菜、タレ焼肉(ミニ焼肉丼付き)、カレー、自家製プリンで終了となる。ボリュームもありコスパも悪くないが、率直な評価としては1.5〜2つ星くらいの評価である。(2017年4月追加)

福岡市中央区春吉3丁目11-19パノラマスクウェア博多1階  
電話番号:092-287-8015
定休日:日曜
営業時間:18時〜23時
予算:コース7000円、8500円、12000円
アクセス:地下鉄七隈線・天神南駅6番出口を出て右へ、国体道路に沿って進む。「三光橋」、「吉野家」、「ビックエコー」を過ぎた右側のビル(玉屋本店の隣、春吉橋の手前)。天神南駅から徒歩5分
最寄りのランドマーク:国体道路、三光橋、玉屋本店、春吉橋
お勧めポイント:福岡へ進出してきた熊本の人気焼肉店

国体通を春吉、中州方面に向かいます このビルです(パチンコ店「玉屋本店」の隣のビル) ココです 看板はこれだけ? 入口近くにあるカウンター席。焼肉店とは思えないくらいスタイリッシュで、換気扇がない 入って右側に進むとこんな感じ。通路の両側にテーブル席があり、簡単ななパーティッションで仕切られている 一番奥のテーブル席は6名用が2つあり、12名まで対応が可能 最初に運ばれてきたのは、キムチの盛り合わせと粉チーズがかかったサラダ(シーザーサラダではない) 白菜キムチとカクテキ(大根)はイマイチだったが、面取されたオイキムチ(キュウリ)は歯ごたえ良く美味しい シーザーサラダのようだが、普通のサラダ 近江牛を使ったユッケ 味的にはまあまあ しゃぶしゃぶ 肉に野菜を巻き、ポン酢につけていただく 最初の焼肉の盛り合わせは全て塩でいただく。奥の2枚が切り方の違う牛タンで、あとは確かモモとハラミだったかな?(忘れた) 最初のタンはそのまま塩で 次のタン元は、煎ったパウダー状の白ネギをのせていただく モモは・・・ モモ肉には炒めた玉ネギのペーストをのせていただく。これは美味しい! ハラミは・・・ ハラミは薬味とともに燻製醤油で リーズナブルなグラスワインもあります メインのステーキの肉はA5ランクの但馬牛 焼き上がった 切ってみるとこんな感じ。特に焼き方は指定していない 長崎産「生の黒コショウの実の塩漬け」。プチッとした驚きの味わい ステーキと共にいただくと最高の味わい 先ほどモモ肉で出てきた「玉葱ペースト」をのせても美味しい 「生の黒コショウの実の塩漬け」と「玉葱ペースト」をダブルでのせるのが僕のお勧め! ステーキに付いてくる野菜 このように焼いて出された 続いて出てきたのはタレの焼肉。奥がサーロイン、右がイチボ、左がモモ まずはサーロイン イチボはミニ丼にしていただく。名前を忘れたが、上にのっているのは韓国の食べるラー油のようなもの これは次のモモ肉用の玉子の黄身とチーズを使ったソース これが完成形だが、味はイマイチ 16種類のスパイスがブレンドされたカレーは、サラサラとした中辛の南インド風。口に含むとカルダモンのような華やかな香りが広がり、これもお土産として人気らしい 最後のデザートの自家製プリンは驚くほど美味しい。客の多くがお土産としてお持ち帰りするという。食感はトロトロで、甘さも丁度良く、カラメルとの相性も絶妙だ 

たんや 門

 ご夫婦でやっているJR南福岡駅近くの牛タン専門店。外観は一見すると蔵のような作りになっている。靴を脱いで上がるとL字型のカウンター席があり、外観から想像したよりも若干狭めだ。カウンター内の中央にはアイランド型の焼き台が鎮座している。レンガで囲まれた焼き台の脇にある板の上には大量の塩が置かれている。店主の森川さんによると、もしもこれと同じような焼き台があれば、店主の修業先である福岡・長浜「たんや 卜傳(ぼくでん)」出身者の店であるとのこと。聞くところによると、「たんや 卜傳」の大将は、福岡にあった名店「たんや又兵衛」の先代のもとで修行したしい。現在、「たんや又兵衛」直系の店は鹿児島にしかなく、鹿児島で修行した方が暖簾分けをしてもらって東京・六本木や銀座で「たんや又兵衛」をやっているという。
 メニューを見ると、牛タン専門店であるにもかかわらず、「(豚の)レバー」と「(豚の)こぶくろ」がある。これは、修業先の親方が作ったコースメニューの中に牛タンの他、この豚メニューがあったことに由来する。僕のお勧めは豚メニューではなく、「牛舌」と「(牛)さがり」。「牛舌」は冷蔵庫で1カ月熟成した逸品で、黒毛和牛のタン芯を使っているため、1人様限定1本となっている。予め焼き方の好みを聞かれるが、客の多くがミディアムレアで注文する中、僕は敢えてミディアムで注文。というのも、タンのような筋繊維がしっかりとした肉は、火を通した方が歯ごたえ良く、味わいもより深くなると考えているため。なので、タンは肉の中で最も刺身に向かない部位であると思う。「さがり」は焼き方がジューシーで、衝撃的なくらい赤肉の旨味を感じる。ポン酢がかかっていて、これまで食べたサガリの中でもベストと言っても良いくらい美味しかった。お通しは「豚の胃袋」で、これもサッパリと酢が効いて美味しかった。皮を剥いだ「千枚(しろせんまい)刺し」は塩味のゴマ油で頂くが、これはまあまあ。箸休めに生野菜が出てくるがこれもいい。キュウリは軽く塩がしてあり、そのまま食べられる。生のキャベツにはポン酢をかけて食べるが、これは福岡の箸休めとしては定番。「豚足」は醤油で煮たものを更にカリッと焼いた焼き豚足であるが、これはまあ悪くない。「テールスープ」は標準レベル以上で、食べログで評判の「たんすじ」は硬く筋張っていて食感は良くないが濃厚な味がする。
 それにしても、ご主人はかなりの話し好きで、奥さんもフレンドリーで話しやすい。福岡に来たらまた寄りたいと思わせる、素晴らしい牛タン店である。(2014年7月追加)

博多区寿町3-1-35  
電話番号:092-593-3459
定休日:日曜・祝日
営業時間:18 時~22時半くらい(早く閉店することもあるので要予約)
予算:牛舌2900円、さがり2400円
アクセス:JR鹿児島本線・南福岡駅を出て、駅前通を直進する。2つ目の信号「南福岡駅入口交差点」を左折し、「NTT前交差点」左折せずに筑紫通を真っ直ぐ道なりに進む。「河野歯科医院」を過ぎ、次の信号(銀天有料駐車場の角)を左折したらすぐ左側にある。 JR南福岡駅から徒歩5分。西鉄天神大牟田線・雑餉隈(ざっしょのくま)駅西出口から徒歩5分。
最寄りのランドマーク:NTT前交差点、銀天有料駐車場
お勧めポイント:熟成した究極の焼きタンとサガリが食べられる

タンの熟成庫

焼き台と店主の森川さん

豚の胃袋の酢の物

牛タンを焼いているところ

ミディアムで焼いてもらった牛舌

箸休めの野菜

さがり

千枚(しろせんまい)刺し

(豚の)レバー

テールスープ

(豚の)こぶくろ

たんすじ

(焼き)豚足

味は付いているが、ポン酢をかけても良い

  

焼とり 鳥次(ちょうじ)

 繁華街から少し離れた大手門近くにひっそりと店を構える焼き鳥店。店内にはポップミュージックが流れ、モダンで高級感のあるインテリアがいい。客席はコの字型のカウンターのみ。坊主頭の若い店主は、口数が少ないがスキルは確かである。生ビールはキリンの「ハートランド」とアサヒが作っているイギリスの「バスペールエール」の2種類だが、「バスペールエール」の方がいい。この日の日本酒は「墨廼江」、「而今」、「東一」、「伯楽星」、「六根」の5種類で、全てが純米酒。さらに、焼酎は7種類あった。 
 この店の焼きものは、素材もさることながら、塩味や焼き加減が素晴らしい。なので、野菜といえども美味しいのである。焼き鳥の基本はお任せの5本、7本、9本で、基本を終えると後はお好みの品を注文できる。従って、多少割高にはなるが、まずはお任せ5本を注文して、後は好きなものを注文するのがお勧め。レアな焼き加減が絶妙な「さび焼き」やジューシーな「だんご」、最高のオクラが味わえる「オクラ焼き」、ネギ好きならハマル「ねぎ巻き」などが良かった。また、メニューに載っていないような希少部位もあるので、店主に相談してみよう。「そぼろ丼」はハーフサイズもあり、添えられるスープと共に締めには最高の逸品である。焼き鳥店としてはコストパフォーマンスも良く、僕が福岡に住んでいたなら、毎週通いたくなるような素晴らしい焼き鳥店である。(2013年10月追加)

中央区大手門1-8-14  
電話番号:092-715-4301
定休日:日曜・祝日
営業時間:18時~23時
予算:5本1200円、7本1700円、9本2200円
アクセス:地下鉄空港線・大濠公園駅4番出口を出て信号を渡り、昭和通りを進む。次の大手門1丁目交差点の信号を右折するとすぐ左側。大濠公園駅から徒歩4分。
最寄りのランドマーク:昭和通り、大手門1丁目交差点
お勧めポイント:塩味や焼き加減が素晴らしい至高の焼き鳥店

とりかわ 粋恭 薬院店

 薬院にある行列のできる焼き鳥店。焼き鳥の「とりかわ」が福岡名物であることを、実をいうと僕は知らなかった。ある日「秘密のケンミンSHOW」を見ていて、「とりかわ」が福岡の知る人ぞ知るB級グルメであることを知ることとなったのだが、調べてみると、この「とりかわ 粋恭(旧・権兵衛)」とこの店の出身者がやっている「かわ屋」が、福岡の「とりかわ」の2大ブランド店らしいことが分かった。「とりかわ」と言っても、通常の焼き鳥店の「皮」とは作り方が異なる。首の皮の部分をグルグルと串に巻き付け、タレを漬けては焼き、漬けては焼きを6日間繰り返し、客に出す前に再び焼いて出すのである。すると、余分な脂が落ちてカリッと香ばしく焼き上がるため、一度食べるとまた食べたくなるという逸品なのである。両店とも洗練された銘柄鶏を使用しているわけでなく、あくまでもブロイラーを使ったB級焼き鳥店である。今回、両店を訪れて食べ比べてみた結果、「とりかわ」に関しては「とりかわ 粋恭」の方がよりネットリと、「かわ屋」の方がカリッと焼かれていたが、これは好みによって評価が分かれるだろう。また、「笹身のしぎ焼き」に関しては「かわ屋」の方がよりレア感が強い。しかし「とりかわ」と「笹身のしぎ焼き」以外の焼き鳥に関してはこの「とりかわ 粋恭」の方が美味しかったので、この店の方を掲載することにした。この日は雨の日の土曜の22時頃に訪れたが、相変わらず行列できていた。店内は結構広めで、1階には大きなコの字型のカウンター席があるが、2階にも客席があるようだ。
 席に着くと店員がやってきて、飲み物と「とりかわ」を何本注文するのかを聞きにくる。それほどまでに、この店に来る客は「とりかわ」目当てに来店するのである。見ていると、客一組当たり10本単位で注文するため、焼き手は常に「とりかわ」を焼いているという状態。さらに、皿に盛った生キャベツを持ってきて、口直しに塩をつけて食べるよう教えてくれる。「かわ屋」では塩でなくサッパリとしたドレッシングで食べる。オプションとして「自家製 梅くずし100円」につけて食べても良いというが、試してみたがこれはお勧めできない。
 「とりかわ」は醤油ベースのタレに漬けられているせいか、噛めば噛むほどしっかりとした味がする。表面はかなり強めにカリッと焼かれているため、噛んだときの皮のネットリ感が半端でない。しかしながら、他の焼き鳥は基本的に塩味で焼かれている。「とりかわ」と並ぶ人気商品は「豚足塩焼き」と「中落ちカルビ」で、ほとんどの客が注文する。しかし、僕の一押しは何と言っても「せせり」だ。塩加減はもとより、焼き方も見事にジューシーで焼かれるため、何本でも食べたくなるような美味しさ。これこそ10本単位で注文したい逸品である。この他に、半生で焼かれた醤油ワサビ味の「笹身のしぎ焼き」や塩味の「とりはつ」や「豚バラ」などもいい。会計を告げると、無料の鶏ガラスープを出してくれる。焼酎だけは15種類あったが、日本酒など他の酒は種類が少ない。
 この店はあくまでもB級グルメ店であり、長時間外で行列してまでも食べるべきというほどの店ではない。なので、予約ができる3名以上であれば必ず予約してから出かけよう。なお、この店からそれ程離れていない場所に支店の「清川店」もある。(2013年10月追加)

福岡市中央区薬院1-11-15  
電話番号:092-731-1766
定休日:無休(年末年始を除く)
営業時間:17時~24時
予算:とりかわ130円、せせり100円、笹身のしぎ焼き(一皿)400円
アクセス:地下鉄七隈線、西鉄大牟田線・薬院駅を出て2つ目の信号(城東橋西)を、(ローソンを右に見ながら)右斜め方向の道を進む。150mほど進むと左側にある。薬院駅より徒歩5分。
最寄りのランドマーク:地下鉄七隈線、西鉄大牟田線・薬院駅、城東橋西交差点
お勧めポイント:福岡B級グルメのひとつ元祖「とりかわ」が食べられる店

【とりかわ 粋恭】 とりかわ

【かわ屋】 とりかわ

【とりかわ 粋恭】 笹身のしぎ焼き

【かわ屋】 笹身のしぎ焼き

牛たん料理 蕃

 福岡では珍しい牛タン料理と馬肉料理の専門店。冷蔵庫には皮付きの牛タンの塊が吊され、ドライエイジングスタイルで熟成させている。このスタイルは東京の六本木や銀座にある「たんや又兵衛」と同じスタイルだ。僕のお勧めは「和牛たんステーキ」と「和牛たんタタキ」、「生赤身の馬刺し」、「和牛サガリステーキ」など。しかしながら、和牛タンは品切れのときもあるので、その場合は普通のタンでも十分美味しい。ちなみに、馬刺しは一切冷凍しいないというこだわりも。
 この店には日本酒はあまり置いていないが、焼酎の品揃えは秀でている。また、お手頃価格のワインも置いている。家族経営なのか、暖かみを感じるホスピタリティ溢れる店である。確かに価格は高いかもしれないが、肉の品質を考えるとそれなりにリーズナブルだ。居酒屋だと思うから高いと感じるわけで、見方を変えてステーキ屋で美味しい肉を食べていると考えれば、納得の価格であろう。(2013年5月追加)

福岡市中央区今泉1-20-21  
電話番号:092-712-1177
定休日:基本は水曜だが不定休(要確認) 
営業時間:18時~23時 
予算:和牛たんステーキ(120g)4800円、和牛たんタタキ3600円、生赤身の馬刺し1500円 
アクセス:地下鉄七隈線・天神南駅1番出口を出て、国体通を西鉄福岡天神駅南口方面へ進む。右に「警固神社」、左に「ビックカメラ」、「AOKI」、「ターリーズコーヒー」を過ぎたらすぐ左側。天神南駅より徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:西鉄福岡天神駅南口、警固神社、ビックカメラ、AOKI、ターリーズコーヒー 
お勧めポイント:良質な牛タン料理と馬肉料理の専門店

大東園

 比較的古くから博多にある有名焼肉店。中心部に本店と祇園亭の2店があり、今回は本店の方を訪問した。本店は焼肉店とは思えないくらい大箱の綺麗なビル。店内に入ると高い吹き抜けになっており、一見して、焼肉店と言うよりもデザイナーズレストランのような雰囲気。空調が完璧なのか、全く煙くない。1階にはテーブル席の他、カウンター席もある。ホームページを見ると、2階と4階には大人数にも対応できる部屋があるようだ。
 席に着き、まずは生ビールと「キムチ盛り合わせ」を注文。メニューを見ると、肉の種類はかなり豊富だ。また、肉はハーフサイズもあって1人飯にも親切である。ホルモンはどれも僕好みではなかったが、豚の軟骨「ウルテ」だけは、細かく包丁が入っていて、独特の食感が美味しかった。和牛では、「ブリスケ」と「ミスジスライス」が、特に旨味があってお勧めである。「ヒレ」も美味しかったが、中心部の超高級希少部位「シャトーブリアン」などもあった。馬肉を使った「とろろユッケ」は、ハズレのない美味しさで、牡蠣と葱のチヂミである「クルパジョン」は、表面がカリッと、中の葱がフワッとしていて旨い。「アワビ粥」は、細かく切ったアワビが僅かしか入っていなかったが、粥はトロッと滑らかで、肝の風味が美味しい。これで大ぶりのアワビが入っていたなら、釜山で食べたアワビ粥専門店よりも美味しいかも。「ケジャン」は事前の予約が必要。また、「サムゲタン」もサッパリと上品で旨い。締めは、やはり「ユッケジャンクッパ」か「ユッケジャンスープ」。冷凍のテイクアウト品は辛さを選べないが、店内では「辛く」か「大辛」への変更も可能である。この店の「ユッケジャンスープ」には、干しゼンマイではなく、芋のツルが入っており、シャキシャキとした食感がとても良い。また、 冬には焼肉店では珍しい「焼き天然ふぐ」が味わえる。冷凍のテイクアウト品は、大東園の各店と天神の「岩田屋」地下食品売り場の他、下記オ ンラインショップからも購入できる。テイクアウトのお勧めは、「ユッケジャンスープ」と「アワビ粥」、そして「サムゲタン」の3つ。(2012年12月追加)
http://www.daitoenshop.com/

福岡市博多区上川端町1−1−1  
電話番号:092-282-0055
定休日:無休 
営業時間:11時半~24時 
予算:ユッケジャンスープ1000円(ハーフ650円)、ブリスケ800円、ミスジスライス1800円、とろろユッケ(馬肉)1400円、天然ふぐ1050円、サムゲタン(丸鶏)2400円 
アクセス:地下鉄空港線・祇園駅2番出口を出て、すぐに国体道路を右折。「M SQUWARE博多祇園」を過ぎ、しばらく進むと右側に見える。祇園駅より徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:M SQUWARE博多祇園
お勧めポイント:肉の種類が豊富な有名焼肉店

太郎源(たろうげん)

 JR博多駅前にある人気の居酒屋。古いビルの階段を降りて店内に入り、入口で靴を脱いで上がる。左側にオープンキッチンのカウンター席があり、右側には20名まで対応出来るテーブル席がある。この日がたまたまだったのかもしれないが、基本的に調理は店主一人で行っているようだ。サービスはアルバイトと思しき女の子たちが数人で行っている。メニューについて尋ねてもすぐには答えることができないが、彼女らの笑顔はとっても良く、ホスピタリティを感じる。
 この店の売りは新鮮な天然の地魚であり、そのクオリティは非常に高い。まずは、「お造りの盛り合わせ」を注文すれば、それを実感できるであろう。この店のメニューは基本的にアラカルトメニューのみであるが、事前に大人数で予約すればコース料理も可能とのことだ。店のお勧めは、「五島のごま鯖」、「鯨うねうす造り」、「対馬赤むつ(ノドグロ)の塩焼き」、「自家製からすみ」、「自家製昆布漬け明太子」、「大村キスの天ぷら」、「旬の天ぷら盛り合わせ」、「佐賀牛の網焼き(2000円/100g)」、「虎ふぐ白子焼き」、「寄せ豆腐」など。締めのご飯のお勧めは、「佐賀牛ステーキ丼」や「自家製からすみごはん」、「特製海鮮丼」、「五島の鯖または玄ちゃん鰺の茶漬け」である。メニューの中にはハーフサイズにできるものも多く、これは一人飯客にとってはありがたいサービス。日本酒も焼酎もセレクトが良く、お酒を前面に出していない居酒屋にしては意外と充実している。
 この店は、とにかく客に美味しいものを食べさせたいという思いが伝わってくるような良質な居酒屋であり、札幌の 「味百仙(→ 札幌グルメバイブル・居酒屋の頁を参照)」 と、どうしてもイメージが重なってしまう。(2017年4月追加)

福岡市博多区博多駅前3-27-24 タナカビル地下1階  
電話番号:092-481-8522
定休日:日曜・祝日
営業時間:17時半~24時
予算:お造りの盛り合わせ2000円(一人前)、佐賀牛のステーキ丼・味噌汁付き2000円
アクセス:JR博多駅・博多口を出て「はかた駅前通り」を進む。「西日本シティ銀行」、「デュークスホテル博多」、「伊予銀行」を過ぎ、左側に「ドラッグイレブン」が見えたら、その並びのビルの地下1階。JR博多駅・博多口から徒歩5分
最寄りのランドマーク:伊予銀行・福岡支店、ドラッグイレブン
お勧めポイント:福岡らしい新鮮な魚貝類を味わえる居酒屋

「ドラッグイレブン」が目印 このビルです 階段を降りた地下1階にあります ココです 入って左側にあるオープンキッチンのカウンター席。小上がりのカウンター席としては珍しく、背の低い椅子が並ぶ 右側にテーブル席があります 本日のお勧めメニュー レギュラーメニュー1 レギュラーメニュー2 レギュラーメニュー3 レギュラーメニュー4 レギュラーメニュー5 本日のお勧めの日本酒 レギュラーメニューの日本酒 本日のお勧めの焼酎 レギュラーメニューの焼酎 本日の突き出しは「鯛の酒盗入り寄せ豆腐」。突き出しも手抜きなし 地物の「お造りの盛り合わせ2000円(これが一人前)」。醤油とポン酢はお好みで 左手前から地物のタコ、アオリイカ、五島のサバ、鯨うね、太刀魚の炙り(赤いのはマイクロトマト) 九州で獲れた本マグロのトロと中トロ、鐘崎の天然鯛と天然ヒラマサ 「五島のごま鯖」は他店とは異なり、醤油ベースのタレを和えずにかけている 地物の「大村キスの天ぷら」も魅力的だったが、敢えて、好きな「アオリイカの天ぷら」をチョイス ミディアムレアに揚げられていて美味しかった 「対馬赤むつ(ノドグロ)の塩焼き」は半身(1500円〜大きさによる)で注文。竹皮の上でこんがりと焼かれており、中はシットリトロトロで「ウマか〜」。塩分は薄めだったので醤油をかけたかった 名物の「佐賀牛ステーキ丼」 ジューシーで火の通りも完璧 鰹節の糸削りと刻み海苔がアクセントに 

田中田(たなかだ)

 今年の6月に東京・西麻布店をオープンした人気の高級居酒屋。今年で創業21年になるが、この新しい店舗に移転してからは9年目を迎えるという。店内に入ると、右側に広いカウンター席が、そして左側には小上がりの個室がある。カウンター内には10人くらいの料理人がおり、非常に活気があって雰囲気がいい。
 この店はとにかく魚の質が素晴らしい。どの素材も寿司屋を含めても福岡一の素材を揃えているのでは?と思うくらいの一級品である。特に、地サバの醤油和え「ごまさば」は、カンパチと間違うくらいピッチピチでコリコリしている。どこの居酒屋メニューにもある福岡の郷土料理であるが、この店のものは、福岡、いや日本トップクラスの美味しさである。これに匹敵する「ごまさば」は、唐津の 「鮨処 つく田(→ その他日本の旨い店・佐賀県の頁を参照)」 くらいしか思い当たらないほど。「ごまさば」ともに必ず注文したいのが「おまかせ・お造りの盛り合わせ」である。まずはこの2品を食べれば、この店の凄さを理解できるであろう。また、この店は高級居酒屋にしては缶詰メニューがあったり、カツ(フライ)が充実しているなど、メニューがとてもユニーク。カツは天ぷらに使用するエビやイカ、穴子、野菜類はもとより、「梅山豚の一口カツ」、「ロースカツ」、「ヒレカツ」、「まぐろのトロカツ」、「小あじのカツ」まである。さらに、カツの付け合わせ野菜がカツの種類によって変わるなど、添えられる自家製タルタルソースも含めて居酒屋とは思えないくらい一品一品の料理が熟考されている。焼きものでは「自家製・赤ムツの一夜干し」が一番のお勧めであるが、地鶏の「天草大王」も旨い。「天草大王」を使ったメニューは「もも塩焼き」や「砂ズリ塩焼き」だけでなく、大分の「とり天」や宮崎の「チキン南蛮」などといった魅力的なものまである。最後を締めるデザートの「練乳プリン」は、誰もが好きな懐かしい味だ。しかしながら、どれもが美味しい中で、それほど辛くない「ビーフカレー」だけは独特のスパイスで好みが分かれるところ。また、今回は「ごまさば」を食べてしまったので注文しなかったが、「ごまさば」が入ったドンブリとして「ごまさば丼」や「博多丼」などもある。
 ちなみに、今回は1人飯であったが、料理の量を調整してくれるなど、店員の対応も良かった。平日は比較的遅くまで営業しているのでとても使い勝手が良く、次回はぜひ西麻布店を取材してみたいと思う。(2014年7月追加)

福岡市中央区清川3-16-19  
電話番号:092-522-1211
定休日:月曜
営業時間:【火曜~土曜】18時~翌 12時半、【日曜・祝日】17時~22時半
予算:【単品】時価(ごまさば2000円くらい)、【コース】6800円、8800円、10800円
アクセス:西鉄天神大牟田線・西鉄平尾駅出入り口1を出て左へ。「サニー」を過ぎ、「洋服の青山」のある日赤通りを左折する。「かに本家」のある「那の川四ツ角交差点」を過ぎて右側に見える2つの大きなマンションの1階。西鉄平尾駅より徒歩8分。
最寄りのランドマーク:かに本家
お勧めポイント:福岡一の魚が揃う高級居酒屋

突き出しの冬瓜と挽肉の煮物

ごまさば(混ぜる前)

ごまさば(混ぜた後)

醤油は2種類(九州醤油は甘く、馬肉に合う)

おまかせ・お造りの盛り合わせ (手前か左から、イカ、アワビ、カンパチ、アラ、マグロの中トロ、ハモ、赤ウニと海苔)

唐津産・赤ウニと海苔

鯨ナンコツ粕漬

天草大王のもも塩焼き

小あじのカツ(半身)

まぐろのトロカツ

自家製・赤ムツの一夜干し (半身にしてもらいました)

ビーフカレー

トマトジュース

ポテトサラダ・タルタルソース添え

練乳プリン

磯ぎよし 薬院店

 薬院にある食べログで人気の居酒屋。福岡で魚を食べるならこの店という方も多いという。店内は右側にカウンター席、左側にテーブル席があり、2階にも客席があるのでキャパはそれなりにあるようだ。
 前述のようにこの店はとにかく新鮮な魚介が売りの店。刺身、焼き魚、煮魚など、調理はいかようにもしてもらえる。メニューの中には「まじゃく(有明海のシャコのようなもの)の唐揚げ」や「明太子のだしまき」、「めひかりみりん干し」など地元ならではの一品も。中でも、静岡産のワサビが添えられた「刺身の盛り合わせ」が良かった。さらに、この日頂いた対馬産の「赤ムツ」の焼き魚は、とろける様な美味しさだった。また、今回試すことが出来なかったが、メニューを見ると、長崎産の天然アラを使った「あら鍋」が1~2人前2480円という格安価格で頂けるようだ。しかしながら、この店の最大の欠点は、どの品にも九州特有の甘みのある醤油を使用しているため、どの品もちょっとした違和感を感じてしまう。言えば甘くない普通の醤油も出してもらえるので、気になる方は予め言っておこう。
 また、この店は居酒屋でありながら、女性客向けに「ほうじ茶アイス」や「茶cha-chaパフェ」などのデザートも用意されているのが嬉しい。
 店内はとても活気があり、店主を初めとした店員の対応も良く、また来たいと思わせるような良い居酒屋である。これでもう少し値段が安ければ2つ星でも良いのではと思う。ちなみに、この「薬院店」の他に「天神店」や「下川端店」もある。しかしながら、かなりの人気店なので早めの予約が必要だ。(2013年11 月追加)

中央区薬院3-7-1  
電話番号:092-523-1068
定休日:不定休
営業時間:18時~翌0時半
予算:極上赤ムツ2980円、特上刺身盛り合わせ(1~2人前)2500円
アクセス:西鉄天神大牟田線、地下鉄七隈線・薬院駅1番出口を出て右へ。城東橋を渡った信号を左折。左に川を見ながら川沿いに進み、「A-プライス」を過ぎ、「ポプラ」前の露切橋を少し過ぎた「貸ふとん 大ヤブ」の斜め通りを右折する。100mほど進むと左側にある。薬院駅より徒歩10分。
最寄りのランドマーク:A-プライス、露切橋交差点
お勧めポイント:地元の新鮮な魚が味わえる店

うわのそら

 福岡の春吉にある人気の居酒屋。店内は左にL字型のカウンター席が、そして右側には4名用のテーブル席が3つある。お酒は日本酒や焼酎の他、梅酒や国産ワインなどがあり、特に日本酒が充実している。この日は福島の「飛露喜」や「写楽」、三重の「而今」、福井の「黒龍」、佐賀の「東一」、宮城の「伯楽星」、愛知の「醸し人 九平次」、秋田の「一白水成」などの日本酒があった。中でも、この日頂いた「而今(鑑評会出品酒)」と「一白水成(愛山)」が良かった。それもそのはず、店主は日本料理の料理人であるにもかかわらず、日本酒にはかなり造詣が深いのである。日本酒に詳しくないが色々試してみたいという方には、「九州酒4種」や「おまかせ4種」、「ゴージャス4種」といった「うわのそら呑み比べ」お試しセットがお勧めである。
 それにしても、料理はどれも割烹レベルの洗練された美味しさで、素材もほとんどが九州産である。特に、この日頂いた料理の中で良かったのは、「鰯の酒盗焼き」や「刺身」、「つるむらさきの胡麻和え」、「焼き茄子すり流し」など。僕のような1人飯の客には、ほとんどのメニューをハーフサイズにしてくれるといった心遣いもいい。さらに、居酒屋であるにも関わらず、店内は禁煙である点も素晴らしい。(2013年9月追加)

福岡市中央区春吉3-12-24 BLUGE天神1階  
電話番号:092-761-1160
定休日:不定休
営業時間:17時半~翌0時半
予算:九州酒4種1900円、鰯の酒盗焼き1300円、刺身7種盛り3600円から
アクセス:地下鉄七隈線・天神南駅5番出口を出て左へ。国体道路を進み、「東横イン博多西中洲」手前の「春吉」交差点信号(右角に福岡叙々苑がある)にある「博多一幸舎 西中洲店」横の小路を入ると突き当たり。天神南駅から徒歩5分。
最寄りのランドマーク:東横イン博多西中洲、叙々苑、春吉交差点
お勧めポイント:美味しい日本酒と焼酎が頂ける上に美味しい料理も楽しめる素晴らしい居酒屋

鉄なべ 中洲本店

 博多餃子は小ぶりなミニ餃子。しかし、大阪や京都などの厚みのない平べったい一口餃子とは異なり、通常の餃子をミニサイズにしたような一口餃子なのである。この本店の他に、「であい橋店(092-262-0488)」と「天神PARCO店(092-235-7125)」がある。本店は1階がカウンター席、2階には小さなカウンター席と小上がりがある。この店はこれまで何度も訪れているが、京都の 「泉門天(→ 京都グルメバイブル・ラーメンの頁を参照)」 と同様、いつも食べて飲んだ後の最後にちょっと寄るような店なのである。
 僕の中では、この店はあくまでも飲んだ後に行く“餃子メインのB級居酒屋”という位置づけで、一軒目から行く店ではない。席に着くと、先ずは福岡県民のソウルフードである「ごまさば」と生ビールを注文。餃子は1人前8個だが、多くの客は2人前以上で注文している。何故なら、店員が「追加注文は2人前からで~す」と告げるから。しかし、飲んだ後なら1人8個で十分である。“鉄なべ餃子”の特徴は、片面を焼いた後で更に鉄板の上にひっくり返すため、両面焼きになること。なので、噛むとカリッとモチモチした食感。餡はニラやニンニクの強い香りはせず、野菜主体のあっさりとした感じである。以前に比べると少しベチャッとした感じで、コクやジューシーさがなくなったような気もするが、それでも美味しい。タレは酢が立ってなく、ウスターソースの様な独特の酸味があり、お土産用にも販売されている。また、ラー油は辛めなので、たくさん入れるとかなり辛くなるのでご注意を。実は、僕はこの“鉄なべ餃子”のファンで、年に1度くらい冷凍宅配便で取り寄せており、下記ホームページからの購入が可能だ。(2013年1月追加)
http://www.tetsunabe-shop.com/

福岡市中央区西中洲1-5  
電話番号: 092-725-4688 
定休日:祝日 (日曜営業)
営業時間:平日・土曜 17時~翌3時、日曜 17時~23時
予算:焼き餃子(8個)450円
アクセス:地下鉄七隈線・天神南駅5番出口を出て左へ。国体道路に沿って進み、「東横イン博多西中洲」を過ぎると左側にある。天神南駅から徒歩4分。
最寄りのランドマーク:東横イン博多西中洲
お勧めポイント:福岡名物の鉄鍋餃子が食べられる居酒屋

しんすけ

 夜になると若者で賑わう“大名”の人気居酒屋。店内に入ると右にカウンター席、左に小上がりがあり、思ったよりもかなり狭い。この店の売りは地魚の料理。福岡で生魚を使った料理(刺身、味噌漬け、煮魚)を食べるならばこの店、干物や焼き物の料理なら 「炉ばた 雷橋(→ その他日本の旨い店・福岡県の頁を参照)」 がお勧めだ。
 店主は宮崎県出身ということで、メニューの中には「チキン南蛮」や「地頭鶏(じどっこ)・ももの炭火焼、たたき」などもある。胸肉を使った「チキン南蛮」は、タルタルソースに加え、程良い酸味と甘さのタレがかかっており、プリッとシットリとした美味しさで、本場宮崎で食べたときよりも遙かに美味しかった。刺身はどれも鮮度が良く、特に、「真鯛」や「さわらの炙り」、「(クジラの)さえずり」が、飛び抜けて旨かった。また、この店の名物「博多ゆずみそ漬け」は、お土産として売り出すほどの人気商品。今回は「銀だら」を頂いたが、凄いというほどではなかったが、それなりに美味しかった。福岡の郷土料理「ごまさば」も鮮度抜群で、プリプリしていた。「もやしそば」は、シャキシャキとしたモヤシの食感とコシのある麺の相性が抜群で、最後の締めには最適な焼きそば。「メヒカリ焼」は、目刺しとも、干しシシャモとも異なる風味で、塩分は強いものの、日本酒のあてには最高だった。しかし、日本酒の種類が少なく、焼酎は16種のみ。このことも影響して今回は1つ星となったが、限りなく2つ星に近い1つ星店である。この他、今回は頂くことが出来なかったが、「まぐろのカツレツ」や「牛サガリ・ジャポネソース」、「煮浸し」、「じゃこ飯」なども美味しいらしい。(2012年12月追加)

福岡市中央区大名1-12-30  
電話番号:092-724-8300 
定休日:日曜 
営業時間:16時~翌1時 
予算:チキン南蛮750円、刺身の盛り合わせ(1人前)2100円、ゆずみそ漬け・銀だら800円、赤むつ1400円、ごまさば900円 
アクセス:地下鉄空港線・赤坂駅5番出口を出て中央区役所交通局合同庁舎前を通り、中央区役所交差点を右折する。しばらく進み、左角にローソンが、右側に「プラザホテル天神」が見えるとすぐ左側。赤坂駅より徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:プラザホテル天神 
お勧めポイント:福岡で生魚を使った料理を食べるならばこの店

たんか

 福岡放送本社の近くにある肉居酒屋。何でもこの店の大将は、福岡の老舗肉料理専門店「かね萬」の店長から独立したらしく、確かに食べログの写真を見ても、類似のメニューが見受けられる。また、この店は博多ではかなりの人気店らしく、1人飯の僕でも21時からやっと入れたほど。21時に訪れてみると、店内は満員状態で、女性客が目立つ。
 僕の一押しは、タン芯を使用した厚切りの「たんかの牛タン焼」。値段を考えれば、恐らく和牛タンではないと思うが、臭みなどは一切なく、歯通りが良くジューシー。お腹が空いていたなら、何回でもお代わりしたくなるくらい美味しく、コスパも最高。さらに、「たんかの牛サガリ焼」も、肉の旨味が十分で濃厚。1人飯の方には、これら2つを同時に楽しめる「たんかの牛タン焼と牛サガリ焼のハーフ焼き」もある。もう一つ絶対に外せないのは「炙りユッケ」で、肉の旨味だけでなく、ネットリと甘い脂肪が美味しく、ユッケファンには堪らない一品だ。さらに注文するなら、茹でた脂付きシマチョウをポン酢で頂く「ホルポン」や、焼豚足のような「たんかの牛テール焼」などがいい。デザートの「なめらか杏仁豆富」は全く杏仁の香りがしないが、牛乳プリンのようなものと思えば、それほど悪くない。大将を含めた店員の対応も良く、また来たいと思わせる福岡の優良肉居酒屋である。人気店だけに、早めの予約が必須。(2012年11月追加)

福岡市清川2-19-28  
電話番号:092-531-8529 
定休日:無休 
営業時間:18時~翌3時 
予算:たんかの牛タン焼、たんかの牛サガリ焼、たんかの牛タン焼と牛サガリ焼のハーフ焼き・各1300円、炙りユッケ900円、たんかの牛テール焼950円 
アクセス:西鉄・渡辺通駅2番出口を出て、渡辺通りを「ホテルニューオータニ」側へ進む。「福岡放送本社」を過ぎた高砂1丁目信号を左折すると、すぐ左側。西鉄・渡辺通駅より徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:福岡放送本社
お勧めポイント:また来たいと思わせる福岡の優良肉居酒屋

炉ばた 雷橋

 天神にある「大丸」の近くにある炭焼き居酒屋。店内はカウンター12席のみとかなり狭い。店の雰囲気で言えばB級居酒屋であるが、干物が食べられる居酒屋としては、最高レベルの居酒屋である。
 改めて、干物や焼き物の美味しさを再認識させてくれる。店名に“炉ばた”とあるが、通常の大きな炉端はなく、カウンター前に幾つかの小さな炉端があるだけ。先ずは生ビールを注文。容器は珍しい金属のジョッキ。すぐに突き出しの「かなぎ(こうなご)の干物」が焼かれる。頭から骨ごと食べられ、味も香りも最高。続いて注文した「ホタルイカのチンジャ」は、味が濃くて塩辛いが、日本酒のあてとして言うことなし。「鶏盛」は、鶏の5つの部分(モモ、つくね、砂肝、 首肉、軟骨)を焼いたもの。時間差で一つ一つ供され、柚コショウか黄味入りのポン酢醤油で食べると旨い。「自家製竹輪」はフワッとしていて、シャキシャキとした食感の蓮根が入っているので、これもまた美味しい。「牛ハツたたき」はレアに焼かれ、ニンニク醤油か生姜醤油で食べると、ジューシーかつ独特の歯ごたえが最高。「京都 の寄せ豆腐」は、甘くネットリとして、塩で食べても美味しい。「極上!塩さば」は、油が滴り落ちるくらいジューシーで、是非とも食べて頂きたい逸品。「金太郎 いわし」は丸々と太った真鰯で、脂がのっていてこれもいける。野菜は全国各地から取り寄せた野菜を焼いてくれる。「甘エビの醤油漬け」は人気商品らしく、既にソールドアウトであったので、 次回には必ず食べたいと誓う。居酒屋にしては珍しいくらい店員の対応も良く、限りなく3つ星に近い2つ星である。これでお酒が充実していれば、文句なしの3つ星店。(2012年11月追加) 

福岡市中央区渡辺通5-24-37 第5レジデンス江崎1階  
電話番号:092-751-4110 
定休日:日曜 
営業時間:17時~24時(要予約) 
予算:鶏盛500円、自家製竹輪300円、極上!塩さば500円、トロあじ700円 
アクセス:地下鉄七隈線・南天神駅5番出口を出て左へ。「あかひげ薬局」、「フレッシュネスバーガー」横の小路を左折するとすぐ右側。南天神駅より徒歩1分。 
最寄りのランドマーク:赤ひげ薬局 
お勧めポイント:焼き物の美味しさを再認識させてくれる絶品居酒屋

独酌しずく

 鯖料理がメインの人気居酒屋。入り口を抜けると石畳の通路があり、突き当たりを右に曲がると店内に。新しくて清潔な店内は左にカウンター席が、右側にテーブル席がある。先ずは生ビールと人気の「炙り鯖刺」を注文。生ビールは、サントリーの「ザ・プレミアムモルツ」。すぐに突き出しが出てきたが、とても美味しい。「炙り鯖刺」は香ばしく、表面に脂が浮いている。五島列島産なので、関サバのような弾力がある。塩、ポン酢、醤油の3つで頂いたが、塩とワサビの組み合わせが最も美味しかった。活〆の対馬産「炙り穴子刺」は、香りや食感も含めてイマイチだった。もう一つの人気メニュー「焼サバチャーハン」は、お茶碗1.5杯分くらいの量なので、1人でも問題なく食べられた。味付けはシンプルで、中華の「咸魚炒飯」にも似ているが、梅干しのペーストと刻み海苔、大葉などがのっていて、これが意外に美味しい。「サバコロッケ」は小ぶりな丸形をしており、中に鯖の肉じゃが版のような具が入っている。他にも熊本産「馬肉ユッケ」や「ゴマサバサンド」、「鶏そぼろと新ゴボウの春巻き」、「鯖肝ポン酢」、「鯖の焼き味噌」、「炙り生ヘシコ」、「せせりの塩辛」などの魅力的なメニューが多数。
 週末は2時間以内という制限があり、店内は写真撮影禁止などでご注意を(僕は突き出しを撮影した時点で知った)。店員のほとんどは若い男性店員であるが、食べログで言われているような店員の対応の悪さなどはなく、とても優良な居酒屋である。また、日本酒こそ少ないものの、焼酎は比較的充実している。(2012年10月追加)

福岡市中央区春吉3-22-7-1 プロスペリタ天神I 1階  
電話番号:092-771-3002
定休日:日曜(月曜が祝日の場合には日曜も営業) 
営業時間:18時~鯖がなくなり次第終了(あっても24時まで) 
予算:炙り鯖刺900円、サバコロッケ500円(2個) 
アクセス:地下鉄七隈線・天神南駅6番出口を出て右へ。国体道路に沿って進み、橋を渡った信号(弥太郎うどんとCaieの間)を右折する。「コートホテル福岡天神」を過ぎ、今村ビル(中華料理・長楽)の角を左折するとすぐ左側の新しいビル。天神南駅より徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:コートホテル福岡天神
お勧めポイント:九州産鯖の料理がメインの居酒屋

馳走や直(ちそうや なお)

 繁華街の外れにある居酒屋。カウンター席が6席、4人掛けテーブルが2つ,2人掛けテーブルが1つと、少しこぢんまりとしている。店内には店の雰囲気とはミスマッチなジャズ音楽が流れている。この店のメインは地の魚。特に対馬産の「穴子のにぎり」は、たとえお腹いっぱいであっても必ず食べることをお勧めしたい。バーナーで炙られて供されるが、今まで食べたことがないくらいトロトロで、泥臭さなど一切ない。一人前3貫であるが、軽く3人前は食べられるくらい旨い。それはわざわざこれだけでも食べに行きたいほど。テイクアウトも可能なので、家族へのお土産としても最適。魚料理は刺身から焼き魚に至るまでどれも美味しい。この日の頂いた「対馬産のどぐろの塩焼き」は脂がのっていて最高だった。但し、刺身に添えられたワサビは残念ながら擦った本わさびではなかった。もしも、これが本わさびであったなら2つ星にしても良いくらいの素晴らしい店である。
 お勧めの「クリームチーズ豆腐」は、豆乳とクリームチーズから作られ、洋風でありながら和風テイストに仕上がっていて旨い。この他に、「自家製さつま揚げ」や「味噌シチュー」、「煮穴子の炙り焼き」、「福岡和牛のヒレステーキ」などのお勧め品も。この店のさらに素晴らしいところは、お酒の値段が安いこと。特に焼酎が格安で、人気の「森伊蔵」や「黒佐藤」もビックリするほどの値段。また、個人経営の居酒屋では珍しくデザートも充実しており、この日は「日本酒のプリン」、「イチジクのコンポート」、「生姜のシャーベット」など3種類。「日本酒のプリン」を頂いたが、やや硬めで日本酒の風味が強かった。しかし、甘さは控えめで、飲んだ後には丁度良かった。店主も女将さんも対応が良く、ホスピタリティを感じる良い居酒屋だ。最近、近くに支店もオープンしたらしい。(2012年9月追加) 

福岡市中央区舞鶴2-7-1 ライオンズマンション舞鶴第3 1階  
電話番号:092-714-1333
定休日:火曜 
営業時間:18時~23時
予算:穴子のにぎり1000円、お任せコース4000円
アクセス:地下鉄空港線・天神駅1番出口を出て明治通りを野村證券の看板が見える側に向かう。緩やかにカーブする道なりに沿って進み、「ECC英会話」、「博多グリーンホテル天神」の看板を過ぎた「中央区役所交差点」信号を右折。昭和通りの信号を渡り、2つ目の交差点を左折するとすぐ右側。地下鉄空港線・天神駅から徒歩10分。

最寄りのランドマーク:博多グリーンホテル天神、中央区役所交差点

お勧めポイント:地魚と穴子の握り寿司が美味しい居酒屋

五島サバと九州の幸 きはる

 「福岡 叙々苑」が入っている古いビルの2階にある鯖料理で人気の居酒屋。鯖料理と言えば、以前紹介した「独酌しずく(→ 美味しかったワ~・福岡県の頁を参照)」 が有名であるが、実はこの店は「独酌しずく」の本店にあたる店なのである。ドアを開けると、入り口側にはカウンター席が、そして奥には小上がりのテーブル席がある。新しくて綺麗な「独酌しずく」に比べると、多少チープな感じもするが、店主も含めてスタッフの対応がとても良い。
 メニューを見ると、人気の五島サバ・熊本馬肉の料理と朝倉地玉子の玉子焼き、梅肉ポークのグリル、温泉玉子のシザーサラダ、春吉プリンなどは共通メニューのようだが、他のメニューは異なっており、各店で特徴を出しているようだ。比較のために共通メニューを幾つか食べ比べてみたが、「焼サバチャーハン」以外はこの店の方が美味しかった。突き出しも「独酌しずく」と同じ3種類で、どれも美味しかった。バーナーで焼かれた五島産の「炙り鯖刺」は、脂がジワッと滲み出ている。塩と本ワサビで食べても、醤油と本わさびで食べても旨い!「朝倉地玉子の玉子焼」は、ほんのり甘い出汁巻き玉子で、フワフワトロトロの火の通し方が絶妙。特に「朝倉地玉子の明太玉子焼」は、博多名物の辛子明太子が入っており、玉子の香りとの相性も抜群でお勧め。博多名物の「ゴマサバ」も、これまで食べた中で最も濃厚でこれまた最高。「サバコロッケ」は小ぶりな丸形をしており、粗切りにされた鯖入り肉じゃがの様な具が入っている。細かいパン粉は食感が硬くて頂けないが、中身は結構美味しい。デザートの「元祖 春吉プリン」は共通メニュー(「独酌しずく」の方は元祖を名乗っていない)。表面はカリッと焼かれていないが、とても滑らかで、まるでパティシエが作った本格的なクレームブリュレのような濃厚な感じ。これも店を訪れた時の締めに必ず食べたい逸品だ。他にも熊本産「馬肉ユッケ」や「鯖チヂミ」、「サバチゲ」、「たたきレンコンのちぎり揚げ」、「鯖ツナでポテトサラダ」、「アスパラの酒盗バター炒め」、「ありた鳥の鳥天」などの魅力的なメニューが多数。日本酒はあまりないが、焼酎は30種類以上ある。かなりの人気店なので余裕をもった予約が必須だ。(2013年1月追加)

福岡市中央区春吉3-21-28 2階  
電話番号:092-752-3312 
定休日:日曜(月曜が祝日の場合には日曜営業) 
営業時間:18時~24時 
予算:朝倉地玉子の明太玉子焼700円、炙り鯖刺900円、梅肉ポークのグリル980円 
アクセス:地下鉄七隈線・天神南駅6番出口を出て右へ。国体道路に沿って進み、「東横イン博多西中洲」手前に春吉交差点信号が見える。右角に「福岡叙々苑」のビルが見えるので、入り口はそこを右折したところにある。天神南駅から徒歩5分。
最寄りのランドマーク:東横イン博多西中洲、福岡叙々苑、春吉交差点 
お勧めポイント:鯖料理が美味しい人気居酒屋

鮨 かんび

 呉服町にある人気の寿司店。ビルの1階の暖簾をくぐると通路があり、更に奥に入口がある。店内に入ると、カウンター席8席と完全個室の小上がりが1つある。3月から若手職人がもう1名加わるということだが、現在は店主と若手職人一人の2名体制でやっているため、かなり忙しそうだ。メニューはつまみと握りがセットになったおまかせコースのみで、12000円と15000円の2コース。今回は久々の福岡取材だったので、この店の実力を探る意味で高い方を選択。
 この店の特筆すべき点は、何と言っても日本酒のセレクトが良いことだ。メニュー以外にもいろいろと隠れアイテムがあり、この日特に良かったのは、三重の「而今(じこん)」の純米吟醸。コースは茶碗蒸しを含むつまみがいろいろと出て、その後に握り寿司で締めるという大阪スタイル。この日は「毛蟹と真鱈の白子の茶碗蒸し」からスタートし、「イイダコと蒸しアワビの肝ソースがけ」、島根産天然鰻の「うざく」、「三種の刺身の盛り合わせ(甘鯛、星カツオ、ブリ)」、「味付け数の子」、口直しの「新沢庵」、「銀杏の素揚げ」、「ノドグロの味噌漬け」、「ナマコのコノワタがけ」へと続き、その後小振りな握りが10貫と巻物、味噌汁で終了となった。大きな羽釜で炊かれた赤酢の酢飯は美味しく、まさに、日本酒を飲みながらつまみをいただき、最後に握りで締めたいという日本酒好きにはうってつけの寿司屋と言えよう。
 正直なところ、握り寿司の評価は2つ星で、つまみが1つ星、トータルで1.5星といったところだが、前述のように、寿司屋にしては日本酒の品揃えが良く、店主の心遣いも素晴らしかったので、最終的な満足度として2つ星評価とした。(2016年2月追加)

福岡市博多区綱場町1-11 飯尾ビル1階  
電話番号:092-271-1308(要予約)
定休日:月曜
営業時間:12時〜14時、18時〜22時
予算:おまかせコース12000円と15000円
アクセス:地下鉄箱崎線・呉服町駅の6番出口(エレベーター)を出て左へ。大博通り沿いの最初の角を曲がると左に見えるビル。呉服町駅から徒歩1分
最寄りのランドマーク:地下鉄箱崎線・呉服町駅、大博通り、佐賀共栄銀行
お勧めポイント:つまみが充実した本格的な江戸前寿司店

左のビルですココです!暖簾をくぐると通路が・・・中に更に暖簾の掛かった入口が店内はカウンター席が8席と個室の小上がりが1つあるお酒は日本酒のセレクトが良い。これ以外にもいろいろとあり、この日良かったのは、三重の「而今(じこん)」の純米吟醸15000円のコースの最初は「毛蟹と真鱈の白子の茶碗蒸し」2品目は「イイダコと蒸しアワビの肝ソースがけ」島根産天然鰻の「うざく」は、サッパリとして肉厚「三種の刺身の盛り合わせ(甘鯛、星カツオ、ブリ)」手前から。ボンズ、塩、醤油「味付け数の子」は、数の子が塩素臭くイマイチ口直しの鰹節のかかった味付けの「新沢庵」「銀杏の素揚げ」は、揚げすぎてダメ長崎五島産「ノドグロの味噌漬け」はトロトロで最高の美味しさ!つまみの最後は「ナマコのコノワタがけ」握りの最初は何と「コハダ」。大きな羽釜で焚かれた酢飯が美味しい。締め具合は江戸前風にキッチリと締められている「スミイカ」の白さと赤酢を使った酢飯のコントラストが美しい「本マグロの大トロ」「赤ウニ」ではなく、著しく小振りな佐賀県唐津産の「ムラサキウニ」は、ミョウバンの苦みあって良くない。店主にも言ったが、やはり2月は、札幌の 「鮨 しののめ(→ 札幌グルメバイブル・寿司の頁を参照)」 で食べた「北方四島産・無添加バフンウニ」が最高だと思う 「ヒラマサ」はコリコリとした食感と適度な脂ののりがいい長崎五島産の「真鯛」「サワラ」「ミル貝」茹でたての「車エビ」は香り質共に最高レベル対馬産の「穴子」最後は巻物で(玉子、ムラサキウニ、本マグロのトロ、キュウリ,白ごまとあともう一つの素材は忘れました) 

安春計(あすけ)

 今年で16年目を迎えたカウンター僅か8席だけの小さな寿司店。この店は薬院駅から歩いて3分というアクセスの良い場所にあるにもかかわらず、とても目立たない場所にある。というのも、フリーの客がふらりと入れないような場所に店を構えたいという店主のこだわりによるもの。確かに僕が訪れた時も初めての客は僕くらいで、その他の客は常連客であった。ご夫婦でやられており、唐津の 「鮨処 つく田(→ その他日本の旨い店・佐賀県の頁を参照)」 のように写真撮影がしにくい凛とした雰囲気が漂う。
 店主は日本伝統芸能である能や酒器にも造詣が深いらしく、日本酒を頼むと20杯くらいある素敵なお猪口の中から選ぶことができる。酒はビールがエビスの中瓶、日本酒は岐阜県多治見の「三千盛 純米大吟醸」1種類しかなく、この点は酒飲みにとってはちょっと残念である。しかしながら、つまみはどれも美味しく、とりわけ見事な黒鮑を使った「煮アワビ」や皮目がパリッと焼かれた「カツオの柚コショウのせ」などが美味しかった。その一方で、「生ウニのもろきゅう」などの評価が分かれる個性的なつまみもあった。握りはスキルが高いものの、「春子」や「煮ハマグリ」などといった江戸前の仕込みネタは残念ながら今一つであった。しかしながら、赤酢を使ったシャリはキリッと味が締まった硬めのシャリで、福岡で最も僕の好みの酢飯かも。福岡中心部にある寿司店としてはコストパフォーマンスも悪くなく、つまみも豊富でいい。人気店なので、金曜と土曜は早めの予約が必要である。(2013年10月追加)

福岡県福岡市中央区薬院1丁目6−28 エトワール薬院 1F  
電話番号:092-716-6688
定休日:日曜
営業時間:18時~
予算:お任せで13000円前後
アクセス:西鉄天神大牟田線、地下鉄七隈線・薬院駅1番出口を出て右へ向かう。城東橋を渡り、「薬院ビジネスガーデン」ビルの右斜めの通りを進む。2つ目の赤い点滅信号「サンカクヤ」の交差点を左折したところ。薬院駅より徒歩3分。
最寄りのランドマーク:薬院ビジネスガーデン、サンカクヤ
お勧めポイント:キリッとした酢飯が美味しい本格寿司店

近松(ちかまつ)

 薬院にある食べログで大人気の寿司店。店内は白木のカウンター席が9席のみと、寿司店としては理想的な広さである。しかし、店内にはダウンライトと間接照明だけしかなく、寿司屋の照明としてはあまりにも暗すぎる。
  予め誤解のないように言っておくが、この店の握り寿司はそれなりに美味しい。寿司は店主1人で握っており、小ぶりでやや細長。シャリも少なめで、手で持たなければ崩れるくらい握り方が緩い。酢飯の味はしっかりとしていて美味しく、どの握りも非常に仕事が丁寧。 
 この店はお任せコースのみで、昼、夜ともそれぞれ1回転のみ。さらに、基本的に全ての客が一斉スタートとなる。初めに酒の肴が出てきた後、握りが出てくるというスタイルであるが、昼は夜とは異なり、小鉢と寿司だけなので値段は更に安くなるようだ。 
 この日は夜のコースを頂いたが、酒肴として、タコの柔らか煮、マコガレイの刺身、炙りタイラ貝の海苔巻き、塩水赤ウニ、アワビの酒蒸し、メヒカリの干物、ツブ貝の煮物、アジの炙りなどが出てきた。さらに握りは、ヤリイカ、真鯛、アコウダイ、煮烏賊の印籠詰め、マグロの漬け、マグロ中トロ、小鰭、赤貝、煮ハマグリ、穴子(塩で)、シャコ、車エビ、そして玉子焼きと吸い物が出てきた。 
 素材を考えると、3つ星相当のコストパフォーマンスに優れた寿司店であるが、握りのシャリの量が少ないため、昼のようにほぼ寿司だけのコースでは満足感が得られないかも知れない。なので、どちらかと言えば、夜に酒を飲みながら酒肴を楽しみ、最後に寿司をつまむという方向けの寿司店である。しかし、一斉スタートでゆっくりとしたペースで同じものが供されるため、何となくストレスを感じてしまい調子が悪い。もしも、それぞれのペースに合わせて出してくれたら、文句なしの3つ星店である。また、日本酒のセレクトが淡麗系のみと良くない。焼酎には「村尾」と「佐藤(黒)」などがあり、ワインも置いているようだ。前述のように一斉スタートなので基本的には完全予約制であり、店内は写真撮影が禁止であるのでご注意を(2013年6月追加)。

福岡市中央区薬院2-6-19  
電話番号:092-716-5855
定休日:日曜(月に一度連休あり) 
営業時間:12時~14時、18時~21時半 
予算:昼4500円、夜13000円 
アクセス:地下鉄七隈線・薬院大通駅1番出口を出て右へ向かう。「ロイヤルホスト」、「ファミリーマート」、「Hotto Motto」を過ぎ、マンションの角を右折する。「福岡逓信病院」を過ぎた右側のマンション1階。薬院大通駅から徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:ロイヤルホスト、福岡逓信病院 
お勧めポイント:酒肴も美味しい人気寿司店

吉富寿し

 全国の食に詳しい大阪の桒山先生から美味しいと聞きつけ、早速の訪問。比較的大きな通りに面したマンションの1階にありながら、店内はまるで古い一軒家にでもいるような落ち着いた雰囲気。外には派手な看板や暖簾などが出ていないので、よく見なければ外観が地味で分かりづらい。入り口を抜けると正面にMax10名までのカウンターがあり、右側には4名までのテーブル席が一つある。小柄な店主は、有名寿司店にありがちな気むずかしい感じは全くなく、温厚で独特の語り口調が印象的。見ていると、観光客にも結構優しいようだ。
 つまみで軽くビールを飲んだ後に握りを頂く。予め言っておくが、この店の寿司は見た目が美しくない。しかし、どのネタも素材が生きている。特に、江戸前の仕事が施されているネタは素材に濃縮感と旨味があり、素材の本質を見極めることができなければ不可能な仕事である。もちろん、それにあわせる酢飯も最高だ。握りに塗る“煮切り(醤油)”も、ネタによって2種類以上使い分けているというこだわりよう。
 最後の締めに大根スライスとワサビの寿司が出されるが、大根の生の食感とワサビの辛さがストレートに伝わってきて良かった。飲み物のメニューを見忘れたが、シャンパン・ヴーヴークリコを飲みながら寿司をつまんでいる外国人観光客もいたので、ワインも置いているのだろう。唯一のマイナス点は、若い店員の電話対応が良くないことくらい。(2013年1月追加)

福岡市中央区舞鶴3−6−23 サンハイツ舞鶴1階  
電話番号:092-741-3490
定休日:日曜・祝日 
営業時間:12時~14時、17時半~21時 
予算:おまかせ握り7000~8000円 
アクセス:地下鉄空港線・赤坂駅1番出口を出て左へ。すぐに角を左折し、“大正通り”を進む。広い“昭和通り”を渡って更に進むと、“那の津通り”の長浜交差点に出る。ファミリーマートを左折して進むと、次の信号の左角にクリーム色のマンションが見えるのでその1階。赤坂駅から徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:“那の津通り”の長浜交差点 
お勧めポイント:見た目はともかく、どのネタも素材が生きている美味しい寿司店

鮨 安吉

 まるで老舗の日本料理店のような立派な一軒家。暖簾をくぐると白木の一枚板のカウンターが目に付く。この店はカウンター席僅か7席しかないので、予約は極めて困難である。予め断っておくが、この店の寿司だけの評価は、1つ星かそれよりもちょっと良いくらいであるということ。にもかかわらず、最終的に2つ星の評価をしたのは、以下の理由から。
 まずは、店主1人で握っているにも関わらず、極めてテンポ良く出されること。そしてコストパフォーマンスが良いこと。さらに酒のつまみが充実していること。日本酒に「十四代」や「飛露喜」などのプレミア酒が置いてあること。店内が禁煙であることなど。
 逆に、寿司の評価が低い理由も明らかで、まずシャリが良くないこと。この店は2種類のシャリを使うのだが、基本のシャリは酢が立っていて舌触りもボサボサした感じ。むしろ、後半に出された赤酢シャリの方が酸が立っていない分良かった。次に、多くのネタには江戸前の仕事が施されているのだが、その半分以上は完成度が低く、店主の意欲が空回りしている感じだ。また、寿司の握りは緩めで、「銀座 久兵衛」のような小ぶりな寿司である。しかし、店主は未だ若くとても勉強熱心なので、今後はかなり期待が持てそうという期待をこめた評価である。ちなみに、小上がりは別として、カウンターでは写真撮影禁止なのでご注意を。また、かなりの人気店なので早めの予約が必要(1カ月前からの予約が可

福岡市博多区博多駅前4丁目3-11  
電話番号:092-437-8111
定休日:日曜、祝日の月曜 
営業時間:18時~22時(要予約) 
アクセス: JR博多駅博多口(博多郵便局側)を出て左側に進む。住吉通りを「ANAクラウンプラザホテル」方向に進む。「ドラックイレブン」、「ampm」を過ぎ、「代々木ゼミナール」を過ぎた信号を左折。すぐに次の交差点を右折して進むと右側「紳士服のYAMATA」の並びにある。JR博多駅博多口より徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:博多郵便局、ANAクラウンプラザホテル、代々木ゼミナール
お勧めポイント:先ずはお酒とつまみ、締めに寿司という方にお勧め

佐藤

 北九州市のJR小倉駅前にある完全予約制の日本料理店。JR小倉駅はJR博多駅から新幹線で僅か15分というアクセスの良いエリアにある。店内に入ると、人なつっこい名物店主が出迎えてくれる。靴を脱いで上がると、店内にはコの字型のオープンキチンのカウンター席が9席(最大10席まで)あり、さらに個室のカウンター席が4席(最大6席まで)ある。店主はどちらかというと電話対応をしたり料理の説明をしたりしているため、料理は基本的に弟子たちが作っている。弟子たちの作る料理は、塩味や火の通し方ともにほぼ完璧。店主は客の名前を覚えていて、話しかけるときには「〜さん」と、まるで常連客のように接してくれる。
 料理はおまかせコースのみで、夜は10000円、12000円、15000円の3コース。ランチタイムは5000円からのからのコースもあり、もちろん15000円までの夜のコースも選択できる。今回は折角なので15000円のコースを注文。
 どの料理も使用している素材の質が極めて高く、値段に見合ったクオリティである。素材の鮮度や質を生かすためか、その調理法は極めてシンプル。特に、カウンター内に設置された炭火で焼かれた焼き物が秀逸。この日は「自家製白魚の干物」の焼き物からスタート。料理は非常にテンポ良く出される。旬の終わりを迎えた名残・松葉ガニの「焼き蟹」は、香り、甘さともに最高レベル。特に味噌と和えた抱き身の美味しさは格別だった。お造りは「トラフグ」で、続くトラフグの「焼き白子」は熱々トロトロの状態。「アラ」はしゃぶしゃぶにして、ポン酢か塩昆布でいただく。さらに、アラをしゃぶしゃぶにした残り汁を鍋仕立てに。具材は春を感じさせるタラの芽、セリ、佐賀産アスパラ、蛤、海苔のように柔らかい新ワカメ、カブなど。竜田揚げの様な「トラフグの唐揚げ」は、尻尾を持ってチキンレッグのように豪快にいただくと、思わず旨い!と思える美味しさ。皮を湯むきにした地物のトマトは口直しにピッタリ。焼いた「カラスミ餅」は美味しいが、京都の 「和久傳(→ 京都グルメバイブル・お土産の頁を参照)」 ほどネットリ・フックラとはしていなかった。さらに料理は、「新筍の木の芽焼き」、「サヨリの笹の葉寿司」、「青菜のお浸し」、「赤ナマコの酢のもの」、「フグの炊き込みご飯」、「フグの出汁の味噌汁」、口直しの「オレンジとリンゴを搾ったジュース」へと続き、最後は「粒あん入りわらび餅」と薄茶で終了となった。
 食べ物がこれほど充実しているのに対し、店主のポリシーなのか?お酒はそれほど種類がなく、日本酒は1種類のみであったのが残念。なので、トータルな満足度としては2〜2.5星くらいかなと思うが、小倉というローカルエリアでこれほどのクオリティであることを考えれば、文句なしの3つ星評価となった。ちなみに、冷酒は京都の日本料理店のように冷えた青竹に入れられて供されるが、これは見た目も美しく、思っていた以上に美味しかった。(2017年4月追加)

北九州市小倉北区京町3-5-7 KSKコアビル1階  
電話番号:093-541-3767(完全予約制)
定休日:日曜
営業時間:18時〜22時(昼は予約のみ)
予算:夜のコースは12000円と15000円、新幹線(JR博多駅〜JR小倉駅)2110円
アクセス:JR小倉駅・小倉城口から直結したテナントビル「コレット」の東側にあるビル。JR小倉駅から徒歩2分
最寄りのランドマーク:JR小倉駅、コレット(東側のすぐ前)
お勧めポイント:ローカル店とは思えないハイクオリティな日本料理店

JR小倉駅まではローカル線でも行けるが、今回は九州新幹線を初体験右がJR小倉駅前にあるテナントビルの「コレット」。左が「佐藤」の入っているビルこのビルですココが入口靴を脱いで上がると、コの字型のオープンキッチンのカウンター席がある。この他に、カウンター席の個室が一つあるそうだスタートは、カウンター内の炭火で焼かれた「自家製白魚の干物」にワラビが添えられている旬の終わりを迎えた名残・松葉ガニの「焼き蟹」は、香り、甘さともに最高レベルカニ味噌と和えた抱き身の美味しさは格別日本酒は1種類しかなかったのが残念。冷酒は京都の日本料理店のように冷えた青竹に入れられて供されるが、これは見た目も美しく、思っていた以上に美味しかったお造りの「トラフグ」はポン酢か塩昆布でいただく三角形の容器に入っているのはアラだが、お造りとしてはいただかない?ラフグの「焼き白子」は熱々トロトロの状態で最高!この鍋はに先ほどのアラを投入アラはさっと出汁にくぐらせ「アラのしゃぶしゃぶ」にして、ポン酢か塩昆布でいただきます。アラをしゃぶしゃぶにした残り汁を鍋仕立てに。具材は春を感じさせるタラの芽、セリ、佐賀産アスパラ、蛤、海苔のように柔らかい新ワカメ、カブなど竜田揚げの様な「トラフグの唐揚げ」は、尻尾を持ってチキンレッグのように豪快にいただくと、思わず旨い!と思える美味しさ皮を湯むきにした地物のトマトは口直しにピッタリ焼いた「カラスミ餅」は美味しいが、京都の「和久傳」ほどネットリ・フックラとはしていなかった「新筍の木の芽焼き」「サヨリの笹の葉寿司」、「青菜のお浸し」、「赤ナマコの酢のもの」「フグの炊き込みご飯」と「フグの出汁の味噌汁」、香の物「フグの出汁の味噌汁」の具材はなく薬味の青ネギのみ口直しの「オレンジとリンゴを搾ったジュース」「粒あん入りわらび餅」と薄茶で終了

天ぷら たけうち

 九州新幹線・南博多駅の近くにある天ぷらの専門店。外観から僕が想像していたよりもずっと大箱の店である。店内にはジャズが流れ、右にカウンター席、左にテーブル席がある。この店は基本的にコースのみの店であるが、天ぷらに関しては単品での追加注文が可能。特にカリッと軽く仕上がった「かき揚げ」が美味しいので、追加するなら是非「かき揚げ」を頂きたい。 
 昼、夜ともコースの価格は共通で、全部で3コースある。お勧めは、天ぷらの前にいくつかの海鮮料理が出てくる最も高い4500円のコース。店主はまだ若いが、以前は和食の料理人だったのだろうか?素材に対してかなりのこだわりを持っているらしく、火の通し方も含めた調理センスが抜群にいい。この素材で本当にこの価格で良いの?というくらい、とにかくコスパが良いのである。天ぷらだけならせいぜい2つ星くらいといったところだが、総合力では間違いなく3つ星なのである。加えて、店主のこだわりなのか日本酒の品揃えがいいので、この店に来たなら是非日本酒を飲んで頂きたい。店主に好みを伝えれば、メニューにはない日本酒がいろいろと出てくる。この日は「華やかな香りが好み」と伝えたところ、5種類の「十四代」と「旭鳳」を勧められた。
 ちなみに、九州新幹線は南博多駅に1時間に1本しか停まらないが、通常の料金に300円追加すればJR博多駅まで行けるので、地元客はよく利用しているとのこと。もしもタクシーで行くのなら、JR博多駅からは2800円前後かかるので、JR南福岡駅から乗った方が安く済む。あまりにもコスパが良いので、今後もこの価格でやっていくのか?と尋ねたところ、現在値揚げを検討中とのこと。なので、行くなら今でしょう!(2014年7月追加)

福岡県筑紫郡那珂川町今光6丁目64−1  
電話番号:092-953-1699
定休日:月曜(祝日は営業)
営業時間:12時~15時、18時~22時
予算:コース(昼夜共通)2000円、3000円、4500円
アクセス:九州新幹線・南博多駅を出て右へ向かう。高架線に沿って進み、「SUZUKIモーターフリーク」を過ぎた信号を左折。広い通りを進み、「Honda」、「三菱」、「SUZUKI」、「日産」、「ネッツトヨタ」、「パチンコ・スロットKING」、「ネッツトヨタ」を過ぎ、「福岡トヨペット」の並び右側にある。南博多駅から徒歩10分
最寄りのランドマーク:九州新幹線・南博多駅、福岡トヨペット・那珂川店
お勧めポイント:コスパ抜群の天ぷら店

ハートランドビール、左から天つゆ、焼き塩、自家製塩麹

ノドグロと天然モズク酢

五島のアラをポン酢と紅葉おろしで

ノドグロの炙り 塩と山葵で

シビマグロ(本マグロの幼魚)をオリーブオイル醤油でカルパッチョ風に

煮ダコ

スルメイカの唐津産・赤ウニ載せ 塩で頂く

西京味噌焼き(何か忘れた)

五島産・煮アワビの肝添え

ワタリガニとジュンサイのジュレ掛け

あさりの茶碗蒸し

才巻き海老(車エビ)

才巻き海老の頭

フグ(何フグかは忘れた)

新ジャガイモ(メイクイーン)

有明産アナジャコ(調理後)

有明産アナジャコ(調理前)

水菜と揚げ

泉州の水茄子

対馬産ハモ

オクラ

万願寺唐辛子と空豆

かき揚げの天茶

まな板の上の旬 ぽぽぽん

 薬院大通駅にほど近い食べログ・福岡県第6位(2013年10月時点)の人気和食店。入り口は2つあり、手前が座敷のある離れの入り口で、暖簾が掛かっている奥の入り口が通常店舗の入り口である。入り口にあるガラスケースの冷蔵庫には地元野菜が並べられ、販売もされている。更に進むと、右側にカウンター席が、左側にテーブル席が3つある。BGMにはジャズが流れ、民芸調のインテリアでありながら、和服の帯や襖絵などを装飾に用いた独特のデザインである。
 食べログによると、「朝倉の朝採れ野菜と地元で獲れた新鮮な魚介類を使った、 リーズナブルで美味しい和食が楽しめる」、「最高のコストパフォーマンス」と書かれているが、メニューを見るとアラカルトの品数は少なく、値段はそれほど安くはない。また、日本酒の種類は12種と少ないが、「而今」、「御湖鶴」、「醸し人九平次」、「寫楽」などチョイスはいい。焼酎は17種類で和食店としては比較的揃っている方だ。料理は刺身も含めて旨い!というほどのものはなく、味付けは薄味で、そこそこ美味しいという感じだ。関西によくありそうな割烹のようなイメージで、似たような料理を更に安く食べることができる舌の肥えた関西人には受けないだろう。しかしながら、今回試せなかったコース料理は確かに安くコストパフォーマンスも良さそうなので、もしも訪れるならコース料理にすべきだと思う。(2013年10月追加)

中央区薬院2-14-29 薬院クラブ1階  
電話番号:092-717-5646
定休日:月曜・不定休
営業時間:17時~22時
予算:コース3500円(7品)、4500円(9品)
アクセス:地下鉄七隈線・薬院大通駅1番出口を出て左へ。「auショップ」のある次の角を左折して直進する。交差点を過ぎるとすぐ左側。薬院大通駅から徒歩3分。
最寄りのランドマーク:薬院大通駅
お勧めポイント:薬院にある食べログで超人気の和食店

板前割烹 よしおか

 先輩の小竹先生から教えて頂いたアラとフグが美味しい店。アラやフグを食べるなら絶対にこの店!と言い切っても良いほどの有名店である。しかし、BGMは何故か民謡で、板前割烹とは思えないチープな雰囲気である。
 店内はカウンター8席と小上がりが2卓、そしてテーブル席がある。最近は養殖ものや和歌山産などの太平洋側のアラを使う店が多い中、この店のアラは玄界灘の天然物にこだわっているらしい。なので、この店のアラはとにかく素材が素晴らしく、他店のアラと比べると旨さが抜きん出ているのである。アラは刺身や炙り、塩焼き、天ぷら、「アラしゃぶ」などの鍋があるが、1番のお勧めは鍋である。プリプリとした食感が素晴らしく、食べ終わった後に残ったスープは塩を2匙入れて飲むと抜群に美味しい。食材が食材なのでかなり値は張るが、深夜まで営業しているので、夜に福岡に到着したときにフグやアラが食べたくなったら是非訪れてみたい店だ。(2013年5月追加)

博多区中洲2-7-29 インフォスタービル1階(博多中洲ワシントンホテルプラザ裏)  
電話番号:092-291-5246
定休日:日曜・祝日 
営業時間:17時~翌2時 
予算:時価なので頼むものにもよるが10000~15000円くらい 
アクセス:地下鉄空港線・祇園駅2番出口を出て、すぐに国体道路を右折。「M SQUWARE博多祇園」、「大東園」などを過ぎ、歩道橋をくぐって斜め右の橋を渡るとすぐに右に「博多中洲ワシントンホテルプラザ」が見えるので、そのすぐ裏通りにある。祇園駅より徒歩6分。 
最寄りのランドマーク:M SQUWARE博多祇園、大東園本店、博多中洲ワシントンホテルプラザ 
お勧めポイント:アラとフグが抜群に美味しい板前割烹

日本のお料理 稲垣

 祇園の有名焼肉店 「大東園本店(→ その他日本の旨い店・福岡県の頁を参照)」 のすぐ並びにある本格的な日本料理店。入り口を抜けるとテーブル席の他、奥にカウンター席があり、店内はそれほど広くない。老練な板長は口数が少なく、黙々と料理を作っている。どの料理もハズレがなく、板長の腕は確かである。しかしながら、創作的な料理も多少あるものの、全体的にはオーソドックスすぎてサプライズ感に欠ける。僕の率直な感想としては、京都によくある真面目な日本料理店のようなイメージ。
 今回はお昼の5000円コースを頂いたが、コストパフォーマンスで評価するならそれほど悪くない。(2013年1月追加)

福岡市博多区上川端町1-3  
電話番号:092-291-5495
定休日:日曜 
営業時間:11時半~13時半、17時~21時 
予算:昼1500円、2500円、3500円、5000円、夜6000円、8000円、10000円(税サービス料別) 
アクセス:地下鉄空港線・祇園駅2番出口を出て、すぐに国体道路を右折。「M SQUWARE博多祇園」を過ぎ、しばらく進むと「大東園本店」と「かろのうろん」が見えるので、その間にある。祇園駅より徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:M SQUWARE博多祇園、大東園本店 
お勧めポイント:祇園にある本格的日本料理店

新和食 元永

 古いマンションの1階にある僅か6席だけの創作和食店。元はスナックだったのだろうか?外観はまるでスナックの入り口のようで、店内もカウンター席後ろを通るのもやっとというくらい狭い。店は若い大将と女将さんの2人で切り盛りしている。オープンしてまもなく2年目を迎えるという。創作和食店としてこの店を評価するのなら、ギリギリの2つ星であるが、本格的日本料理として評価するなら1つ星だ。なので、僕の正直な気持ちとしては1.5つ星くらいの評価であるが、地方の店ということで、四捨五入して2つ星とした。
 今回は夜の10000円のコースを頂いた。盛りつけはシンプルで、華やかさなどはないが、素材にアワビやフカヒレ、クジラの尾の身、イクラを使うなど、コストパフォーマンスを考えれば良かった。特に、最後の締めに出された「土鍋で炊かれたイクラの混ぜ御飯」は、とても美味しかった。女将のサービスは素人っぽくてぎこちないが、ホスピタリティは感じられるので許容範囲。お酒の種類はあまりないが、日本酒から焼酎、ワインまで一通りは揃っている。席数が僅かなので、夜のコースを頂く場合には早めの予約が必要。(2012年12月追加)

福岡市中央区赤坂3-13-31 朝日プラザ赤坂21 1階  
電話番号:062-771-1025 
定休日:不定休 
営業時間:11時半~14時、18時~23時 
予算:昼1600円、2800円、夜6500円、10000円 
アクセス:地下鉄空港線・赤坂駅4番出口を出て左へ。すぐに信号を左折し、大正通りを進む。ハローワーク福岡中央を過ぎ、「PLAZA」のある警固交差点を右折。警固西交差点を過ぎ、セブンイレブンを過ぎた次のT字路を左折するとすぐ右側。赤坂駅より徒歩7分。西鉄福岡駅、天神南駅より徒歩10分 
最寄りのランドマーク:警固交差点、PLAZA 
お勧めポイント:コストパフォーマンスの良い創作和食店

ごはん屋 今ここ

 息を切らして急な坂道を上ったところにある看板のない料理店。外観は普通の住宅で、白い壁に引かれた青い線が唯一の目印。ドアを開け、玄関でスリッパに履き替えて2階に上ると、床はフローリングで、まるで自宅を料理教室にでも改装したかようなデザイン。どこかの家庭にでも招かれたような温かい雰囲気が、何とも言えない安心感を与えてくれる。高い天井にはテントのような布が掛かっており、壁にはジャングルようなの絵が描かれている。オープンキッチンとその前にはカウンター席が、そして8名席が1つと4名のテーブル席が2つある。3人でやっているが、家族なのだろうか、これはあくまでも僕の想像だが、お父さんとお姉さんがサービスを、妹がシェフをしているのでは?と勝手に推測。
 料理は和食ベースの料理で、自己流なのだろうか?プロっぽい味はしないが、どれもアイディアに富んでいて盛りつけなども美しく、女性らしい感性を感じさせる。そのためか、女性客とカップルで盛況だった。また、1人で作っているにも関わらず、料理は実にテンポ良く出される。加えて、ほのぼのとしたお父さんの温かい気持ちも伝わって来て、ホスピタリティを感じさせる。しかし、この店の料理はあくまでも家庭料理の延長線であり、あまりプロ的な味を期待されると失望するかもしれない。トータル的にはコストパフォーマンスも良く、サービスも温かく好感が持てる。住宅街にあって目印がないため、夜に桜坂駅から行くと真っ暗でかなり分かりにくい。なので、天神か博多駅から行く場合には、カーナビが付いたタクシーで行くのがベストかも。(2012年11月追加)

福岡市中央区桜坂3-7-8  
電話番号:092-771-5818 
定休日:日曜・祝日、月曜、2月と8月 
営業時間:12時~14時、18時~22時(火曜は夜営業のみ) 
予算:夜コース5750円(完全予約制) 
アクセス:地下鉄七隈線・桜坂駅1番出入り口を出右へ。セブンイレブンを過ぎた小路を右折。急な坂道を上り、Y字を右に、更に左に進むと突き当たるので左折するとすぐ。桜坂駅から徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:桜坂駅、セブンイレブン 
お勧めポイント:ホスピタリティ溢れる家庭料理

しらに田

 西中洲のビルの4階にある日本料理店。2016年に近くのビルから現在の那珂川沿いのビルに移転してきたため、今回は移転後初めての訪問である。エレベーターを降り、入口を抜けて通路を進むと、通路を挟んだ那珂川沿いには4つの個室があり、個室からは那珂川を眺めながら食事を楽しむことができる。また、個室をつなげると、最大14名までの客に対応できるという。さらに、通路を挟んだ反対側には広い白木のカウンター席があり、デザイナーズレストランのようなシックなインテリアがいい。BGMこそ流れていないが、ジャズが似合いそうな和のインテリアだ。
 店主の白仁田さんは新進気鋭の若手料理人である。彼は「銀座 うち山」で修行の後に地元の佐賀で「しらに田」を開店し、その4年後に福岡に移転してきた。ちなみに、彼の修行先である「銀座 うち山」の店主は、東銀座の 「銀座 あさみ(→ 銀座グルメバイブル・和食の頁を参照)」 出身で、「銀座 あさみ」の店主は新橋の 「京味(→ 銀座グルメバイブル・和食の頁を参照)」 出身という系譜である。なので、この店の料理も京風というよりも、どちらかというと、しっかりとした江戸風の味付けである。「銀座 うち山」や「銀座 あさみ」ではコースの最後には鯛茶漬けが出されるが、この店の鯛茶漬けは前出の2店とは異なり、1組1組に土鍋の炊きたて御飯で鯛茶漬けを供する。また、この店のコースの最初に出てくる「焼きゴマ豆腐」も、実は「銀座 うち山」の定番でもある。
 これまで何度かいただいたのは昼の5000円のコース。今回は昼のコースで最も高い10000円のコースを試してみたが、やはり昼は5000円のコースが最もコスパが良いと思う。白仁田さんの料理は、塩味にブレがなく、火の通し方もいい。以前いただいた「松茸としんじょのお椀」も、今回の「イサキのお椀」も上出来であった。彼の料理を一言で表現するなら味覚のセンスが良いということ。もちろん、グルメバイブル京都版の3つ星店とは同列に扱うことはできないが、地方レベルの日本料理店の中では、抜きん出ていることは間違いない。
 ワインはシャンパンと若いブルゴーニュワインの赤白がほとんどであるが、和食店の割にはワインの品揃えは良いと思う。また、移転してからは値段設定が若干高くなり、多少コスパが悪くなったような気もするが、その分、サービス専門のマネージャーが加わったことで、サービスが良くなった。(2017年6月更新)
http://www.shiranita.co.jp

福岡市中央区西中洲4−4 RIN FIRST4階  
電話番号: 092-725-7336 
営業時間:11時半~14時、17時半~22時半
定休日:不定休
予算:【昼】3000円、5000円、7000円、10000円、【夜】12000円
アクセス:地下鉄七隈線・天神南駅5番出口を出て左へ。国体道路に沿って進み、「東横イン博多西中洲」、「カラオケSHIDAX」を過ぎ、橋の手前の細い斜め通り(「かに通」の前)を左に川沿いに進む。「MARUGEN 49」の看板を過ぎて川沿いに進むとすぐ右側。天神南駅から徒歩7分
最寄りのランドマーク:東横イン博多西中洲、カラオケSHIDAX、MARUGEN 49
お勧めポイント:味良し雰囲気良しの日本料理店

このビルですエレベータで4階まで上がると・・・木製のドアが見えます更に通路を進む通路を挟んだ那珂川沿いには個室があります個室の反対側には広いカウンター席があります。まるでデザイナーズレストランのような和のインテリア生ビールを頼んでスタンバイ最初に出てきたのは定番の「焼きゴマ豆腐」醤油をかけて擦り立てのワサビとともにいただく2品目は・・・「ジュンサイと山芋の素麺」「穴子の揚げ物」「旬の野菜と海鮮(蒸しアワビ、バフンウニ、車エビ)のポン酢ジュレ」「イサキのお椀」は出汁が良い「鱧の落とし」は、ほんのり甘い擦りワサビ入りの梅のソースでいただく「琵琶湖産稚鮎の木の芽味噌焼き」具材は忘れたが「柳川風の鍋」ご飯は一人でも土鍋の炊きたてご飯こんな感じになりますツヤツヤの銀シャリ胡麻醤油に浸された真鯛の切り身まずはそのままご飯にのせてたべる。旨い!次にお茶をかけていただく。これも旨い!!締めは作りたての「葛きり」黒蜜に付けていただく

2012年当時の【昼】の5000円のコース:焼きゴマ豆腐、ミニイクラ丼、煮物(内容は忘れました)、松茸としんじょのお椀、サワラのたたき、落ち鮎の煮浸し、鯛茶漬け、餡蜜

はかた天乃

 フグやアラが美味しいと食べログで評判の人気店。福岡にはこの店の他に値段設定が安めの系列居酒屋が2店舗あるようだ。この店は古いビルの3階にあり、靴を脱いで上がると掘りごたつ式のカウンターがある。カウンター席は8席あり、その横に4人用テーブル席が1つと、更に奥には最大10名までの掘りごたつ式のテーブル席がある。
 この店の料理は基本的にコース料理。冬はフグやアラ、夏にはオコゼなどが頂ける。料理は洗練された京都風や江戸前風の料理ではなく、博多風の郷土料理といった感じのザックリとした料理である。どの料理もそつなく美味しかったが、これは!というものはなかった。アラに関しては 「板前割烹 よしおか(→ その他日本の旨い店・福岡県の頁を参照)」 の方が良かった。カウンター内には大将の他に女性料理人が1人いるが、大将が調理中にタバコをプカプカ吸っていたのだけはいただけなかった。(2013年6月追加)

福岡市博多区店屋町5-5 Viva in Kawabata3階  
電話番号:092-262-2689
定休日:日曜・祝日 
営業時間:17時~21時(予約に応じて対応) 
予算:お任せコースは1万円から千円単位で設定可能 
アクセス:地下鉄空港線・中洲川端駅7番口を出て明治通りを左に進む。「土居通り」交差点を右折し、茶色の「冷泉ハイツ」と「冷泉公園」のある次の信号を左折するとすぐ左側のビル。中洲川端駅から徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:冷泉ハイツ、冷泉公園 

中華そば 郷家(ごうや) 天神店

 福岡の寺塚に本店を構える人気ラーメン店。アクセスの悪い本店とは違い、この天神店は「大丸福岡天神店」のすぐ近くにあるという好立地。さらに、実はこの店、「ラーメンWalkerグランプリ2015」の都道府県ランキングで銀賞、「ラーメンWalker福岡・北九州2016」の本気ランキングで第2位を獲得したという実力店でもある。
 入口を入ると、右側にオープンキッチンのカウンター、左側にテーブル席があるが、キャパはそれほど広くはない。この店の名物は、ピリ辛の白髪ネギがトッピングされた「辛ネギらーめん」。辛ネギの辛さは、「控えめ」、「普通」、「辛め」の3つから選ぶことができる。麺は博多特有の低加水の極細麺ではなく、通常の自家製ストレート中細麺で、このスープに実に良く合う。この店の売りである魚介系スープは、今流行の煮干しメインの魚介スープではなく、日本蕎麦の風味に近い宗田鰹節とさば節がメインの魚介スープだ。これに豚骨ベースのスープが加わることで絶妙なバランスを醸し出す。また、旨味調味料に頼らない姿勢も好感が持てる。なので、「辛ネギらーめん」を注文した場合には、このスープを味わうために、まずは辛ネギをスープに混ぜずにそのまま麺を食し、残り半分を辛ネギをスープに絡めて食べることをお勧めしたい。そうすることで、異なるラーメンを一度に愉しむことができる。創業以来の看板商品という「地鶏めし」は、おこわのような鶏飯をおにぎり状にしたものだが、そのまま食べても美味しい。しかし、スープに投入してクッパのようにしてスープと一緒に食べると、その旨味が倍加して更に美味しく食べられる。
 ちなみに、今回は味わえなかったが、ネットによると「肩ロースチャーシューめん」も美味しいらしい。極細麺の博多ラーメン店が多い福岡にあって、非常に異色で貴重な店である。(2017年5月追加)
http://www.gouya-ramen.com/pages/top.html

福岡市中央区渡辺通5丁目25-11  
電話番号:092-713-1333
定休日:月曜
営業時間:【月曜〜土曜】11時~22時半、【日曜・祝日】11時~21時半
予算:辛ネギらーめん750円、地鶏めし100円
アクセス:地下鉄七隈線・南天神駅5番出口を出て左へ。「あかひげ薬局」、「フレッシュネスバーガー」の角を左折して進むと左側にある。南天神駅より徒歩2分
最寄りのランドマーク:赤ひげ薬局
お勧めポイント:福岡では珍しい鰹節系魚介豚骨ラーメン

国体道路から入ってすぐのココです店内は狭めメニュー「辛ネギらーめん」のネギの辛さは、「控えめ」、「普通」、「辛め」3つから選べる「辛ネギらーめん」通常の青ネギの他に、ピリ辛の白髪ネギがトッピングされている辛ネギを混ぜる前のスープ背脂入りの魚介系豚骨ベースのスープは洗練された味なので、まずは辛ネギを混ぜずにそのまま食べたい辛ネギを混ぜた後のスープは赤く変色して濃厚な味に創業以来の看板商品である「地鶏めし」鶏おこわのような食感で、そのまま食べても美味しいしかし、スープに投入してスープと絡めて食べるともっと美味しい

博多 あかちょこべ

 他県民の方には意外なことだが、実は福岡県民はうどん好きなのである。もちろん、蕎麦店もあるにはあるが、うどんの方が圧倒的に人気がある。一方、2006年の映画「UDON」の放映以来、全国的には讃岐うどんブームで、今や全国各地に讃岐うどんチェーン店が進出している。しかしながら、ここ福岡では、地元うどんチェーン店「ウェスト」の看板はよく見かけるものの、「丸亀製麺所」や「はなまる」などといった讃岐うどんメジャー店の看板を見かけることは少ない。その理由は、福岡県民の愛する“博多うどん”は、老舗店「かろのうろん」に代表されるような讃岐うどんとは真逆のコシのない柔らかなうどんだからである。これに極太のゴボウ天ぷら「ゴボウ天」やさつま揚げのような「丸天」、甘辛く炊かれた牛肉「肉」などをのせて食するのである。さらに、鶏の炊き込みご飯「かしわごはん」やそれを握った「かしわおにぎり」などといったサイドメニューがある店も多い。
 僕は10年くらい前に「かろのうろん」で初めて食べて以来、柔らかく歯ごたえのない博多うどんを未だに理解できずにいたが、この店のうどんを食べたときには、“コシがなければうどんでない”という概念を改めなければならないと感じた。この店のうどんは細麺で柔らかいが、モチッとした粘り気があり、柔らかい麺が好きな福岡でなければ誕生しなかったオリジナリティのあるうどんなのである。
 この店のうどんは「古式胚芽うどん」といって見た目もちょっと変わっている。全粒粉のラーメンの様に茶色っぽい粒々が入っているのだ。また、メニューも非常にユニークで、どれも試したくなるようなラインナップ。例えば、「釜あげずぼらうどん」はヤカンの中に釜揚げうどんが入ったもので、しかもつけ汁には納豆が入っている。「釜揚げキーマカレーうどん」は温かいうどんにキーマカレーがかかったもの。そのまま混ぜて食べると「油そば」や「まぜそば」のような感じで、半分くらい食べたところで少しだし汁をかけて食べると和風に変化して面白い。これでもう少し辛さとスパイシーさがあったら最高である。しかしながら、僕の一押しは王道の温かい「ごぼう天」。細麺と深くコクのある出汁のバランスが素晴らしく、汁を最後まで飲み干したくなる衝動に駆られるほどの美味しさである。
 夜にはお酒も出す“うどん居酒屋”として営業しているらしく、隣にはこの店の別館にあたる姉妹店「博多 おっぺけぺ」がある。別館は予約コースのみの営業で、霧島黒豚のしゃぶしゃぶが食べられる。(2013年10月追加)

博多区冷泉町7-10  
電話番号:092-271-0102
定休日:日曜
営業時間:11時半~15時、18時~24時
予算:ごぼう天480円、釜揚げキーマカレーうどん640円
アクセス:地下鉄空港線・祇園駅2番出口を出て、すぐに国体道路を右折。「M SQUWARE博多祇園」を過ぎ、しばらく進むと右角に焼肉の「大東園」のある交差点があるので右折する。「櫛田神社」を過ぎると「はかた伝統工芸館」が見えるのでその向かい。祇園駅より徒歩5分。
最寄りのランドマーク:M SQUWARE博多祇園、大東園、櫛田神社、はかた伝統工芸館
お勧めポイント:福岡らしいモチモチとした麺とコクのあるダシが最高の絶品うどん

博多 新風 博多デイトス店

 JR 博多駅筑紫口2階デイトスの「博多めん街道」にある博多ラーメン店。ここにある飲食店の半分は午前10時にオープンするが、それ以外の店は午前11時オープンである。午前10時オープンするラーメン店の一押しは、以前このグルメバイブルで紹介した 「長浜ナンバーワン(→ 福岡グルメバイブル・ラーメンの頁を参照)」 。そして敢えてもう一つ食べても良いと思うのはこの「博多 新風」である。この博多デイトス店のスープは3種類あり、通常のトンコツである博多ラーメンスープの純豚骨「とんこつラーメン」とマー油が入った熊本風の新風麺「マー油とんこつ」、そしてデイトス限定で和風だしがブレンドされた「和風とんこつ」である。調理は何故か中国人のおばさんたちが行っていて、中国語が飛び交っている。
 スープはコラーゲンタップリで、口に含むと多少豚骨臭さを感じるものの、それが逆に深みとなり、後を引く美味しさとなっている。多少旨味調味料を感じるがこれは許容範囲内。純粋な博多ラーメンの「とんこつラーメン」もいいが、マー油の入った熊本風の「マー油とんこつ」の方がこのスープには合っているように思う。一方、和風だしの入った「和風とんこつ」は、魚介ダシが弱いために豚骨に押されてしまい、中途半端でお勧めできない。極細のストレートは自家製麺で、通常の博多ラーメンの麺よりも加水が多いせいか、「普通」の硬さでも十分コシがあって美味しく、しかも伸びにくい。また、2枚入ったチャーシューも博多ラーメン店では珍しくトロトロとしていてこれも悪くない。
 ちなみに、この店と「長浜ナンバーワン・博多デイトス店」では、「辛子高菜」は有料トッピングとなっている。また、「替え玉」は150円であるが、1玉は食べられないという方向けに「半替え玉80円」というのがある。午前10時半から通し営業なため、「長浜ナンバーワン・博多デイトス店」とともに、新幹線に乗る前や福岡空港に行く前に寄って食べるのにはいい。(2013年10月追加)

博多区博多駅中央街1-1 博多デイトス2階 博多めん街道  
電話番号:092-475-8239
定休日:無休
営業時間:10時~22時半
予算:とんこつラーメン650円、マー油とんこつ650円
アクセス:JR博多駅筑紫口から徒歩1分

鳳凛

 西中洲にある深夜に人気のラーメン店。店内はカウンター席が2つとテーブル席があり、かなり広めだ。食べログに掲載されている店の説明文によれば・・・「福岡県小郡市に行列がたえない会員制のラーメン店があった。 残念なことにその店は閉店したが、その店の大将が自ら味を復活させたのがここ鳳凛。味の要であるスープ、タレ、秘伝の辛味を作り、当時の味を再現している。和食を研究して出来上がったあっさりした豚骨ラーメンで、麺、スープ、辛味だれのバランスが絶妙。口コミでジワジワ広がり、根強いファンがいる隠れた人気店だ。」という。
 この店の売りは日本初の唐辛子入り豚骨ラーメン。しかしながら、ビジュアル的には川端中洲にある「一蘭 本社総本店」のラーメンとそっくり。「一蘭 」側の説明文によると、秘伝の唐辛子タレは「一蘭 」が元祖と述べているが、実際のところ、どちらが元祖かは僕には分からない。客観的に見て両店ともコンセプトは同じであり、この店の方が深い味がするのは確かである。
 スープを口に含むと、初めは多少豚骨の臭いを感じるが、唐辛子が溶け出すと不思議とあまり感じなくなる。唐辛子が溶け出すと色が茶色くなり、味も含めて味噌トンコツスープのような感じにもなる。まるで 「元祖赤のれん 節ちゃんラーメン 天神本店(→ 福岡グルメバイブル・ラーメンの頁を参照)」 のような個性的で後を引くスープだ。また、ピリ辛のトンコツスープは旨味調味料を感じるものの、酒を飲んだ後の締めのトンコツラーメンとしては決して悪くない。は自家製の極細ストレート麺で、低加水のためか、素麺のような香りとコシを感じる。麺のゆで方は「やわ」、「基本」、「かた」、「超かた」の4種類を選択できる。(2013年9月追加)

福岡市中央区春吉3-21-15  
電話番号:092-716-6755
定休日:不定休
営業時間:【月曜~木曜、日曜・祝日】11時半~翌5時、【金曜~土曜、祝日前日】11時半~翌6時
予算:らーめん590円、替え玉100円(替え玉小60円)
アクセス:地下鉄七隈線・南天神駅6番出口を出て右へ。「天神テルラ」、「タマホーム」を過ぎた「三光橋」信号を右折すると左側。南天神駅より徒歩2分。
最寄りのランドマーク:三光橋信号
お勧めポイント:日本初の唐辛子入り豚骨ラーメンが味わえる

一蘭のラーメン790円

麺屋 一矢(いっし) 中洲本店

 「中洲市場」の中にあるラーメン店。屋台風の雰囲気の店内はもちろんカウンター席しかない。この店のラーメンは一体何ラーメンなのか?スープは一見して博多ラーメンのように乳化された豚骨スープで、濃厚でありながらとてもマイルド。しかしながら、麺は博多ラーメンとは異なる中細ストレート麺。しかも、この店の1番人気の「黒らーめん」は、マー油が入った熊本風ラーメンなのである。さらに、「味噌らーめん」があったり、大分県宇佐の「大分唐揚げ」も出しているところを見ると、もしかしたら大分ラーメンなのだろうか?麺は柔らかめでコシがないので、注文の際には“硬め”と告げよう。また、チャーシューはトロトロで美味しく、スープは少なめで天かすが入っている点も面白い。無料トッピングは「紅ショウガ」と「辛子高菜」の2つであるが、「辛子高菜」はかなり辛いので、つい入れすぎないよう注意しよう!
 深夜まで営業しているこの店のメニューは、通常の唐揚げをはじめ、「ポテトサラダ」や「もつ煮込み」、「餃子」、「砂ズリの唐揚げ」などビールのつまみが充実している。名物のニンニク醤油風味の「からあげ」はそれなりに美味しいが、特にお勧めと言うほどのものではなかった。さらに、「からあげグランプリ」金賞を受賞したという手羽唐揚げ「りょうたの手羽先」もごく普通で、味にインパクトや特徴がない。また、ラーメンやつまみの他に、「ニラ焼飯」や「チンジャ焼飯」、「とりめし」などといった魅力的なご飯もある。それにしても、どこから集まってくるのか分からないが、とにかく深夜まで多くの客で賑わっている店だ。ちなみに、この店の他に「住吉店」もある。(2013年7月追加)

福岡市博多区中洲2丁目6-12 第5ラインビル1階中洲市場  
電話番号:092-291-5066
定休日:不定休 
営業時間:18時~翌4時半 
予算:黒らーめん750円 
アクセス:地下鉄空港線・祇園駅2番出口を出て、すぐに国体道路を右折。「M SQUWARE博多祇園」、「大東園」などを過ぎ、歩道橋をくぐって斜め右の橋を渡るとすぐに右に「博多中洲ワシントンホテルプラザ」が見えるので、その2つ目の裏通りにある。祇園駅より徒歩6分。 
最寄りのランドマーク:M SQUWARE博多祇園、大東園本店、博多中洲ワシントンホテルプラザ 
お勧めポイント:マイルドなスープが美味しい熊本風ラーメン

元祖赤のれん 
   節ちゃんラーメン 天神本店

 天神にある人気のラーメン店。通りから少し引っ込んだところにあるため目立たないが、昼間には常に行列ができているのですぐに分かる。この店の魅力は何と言ってもトンコツスープ。久留米ラーメンのようなエグミと深みを併せ持つスープで、洗練されてはいないものの、一口飲むとまた飲みたくなるような不思議なスープである。
 このラーメンの欠点は極細麺。博多でよく食べる含水率の少ない極細麺というより若干平べったい極細麺で、すぐに火が通ってしまい、締まりがないのだ。なので、注文するときは必ず“カタ”で注文しよう。また、多くの人はランチタイム限定(14時まで)の「半ちゃんラーメン」ならぬラーメン(並)と半焼飯がセットになった「Aランチ」を注文していた。小ぶりの博多風餃子も結構美味しかったが、焼き方が雑なのでこちらはお勧めできない。
 ちなみに、この店は11時からの通し営業なのでとても使い勝手が良い。(2013年5月追加)

福岡市中央区大名2-6-4   
電話番号:092-741-0267
定休日:日曜 
営業時間:11時~23時 
予算:ラーメン(並)500円、Aランチ(14時まで)600円 
アクセス:地下鉄七隈線・南天神駅1番出口を出てすぐ左側から逆方向へ戻るとすぐ右側(大丸百貨店の南向かい)。南天神駅より徒歩1分。 
最寄りのランドマーク:大丸福岡天神 
お勧めポイント:一口飲むとまた飲みたくなる不思議なスープ

元気一杯

 看板のないラーメン店。しかも、電話番号も公開していないミステリアスな店である。店の前に立つと微かにトンコツの香りがするが、サッシの戸のガラスにはシートが貼られ、中が見えない。本当にこの戸の向こう側がラーメン店なのか?開けるのに躊躇してしまうくらいラーメン屋らしからぬ外観。なので、外の写真を良く憶えてから行ってほしい。扉を開けると、店の名前の通り「いらっしゃいませ!」という元気な声が。店内の右側にはカウンター席が、左側にはテーブル席がある。拍子抜けするくらいごく普通のラーメン店である。
 店内を見渡すと、「写真撮影禁止」、「携帯禁止」、「禁煙」の3つの禁止マークが貼られている。さらに、「スープが完成次第開店します、スープがなくなり次第閉店します、スープが未完成の時には営業しません」という掲示も。つまり、営業時間はあくまでも目安で、スープの出来や売れ具合によっては、時間が変わるということらしい。また、「ラーメンを食べるときには、まずはスープから吟味してほしい。このスタイルに合わない方は遠慮してほしい」という趣旨の掲示もある。店主はスープ至上主義で頑固で屈折したラーメン職人なのだろうか?ところが実際に会ってみると、意外にもニコニコと愛想の良い普通の若い店主なのである。
 今回は初めてなので、「普通のラーメン」を注文。ラーメンが運ばれて来ると、掲示のとおり「まずスープからどうぞ!」と念を押される。スープを啜ると、トンコツの嫌な香りはなく、ストレートにトンコツの美味しさが伝わってくる。とてもクリーミーで、言うだけのことはある完成度の高いスープなのである。麺は博多ラーメン特有の極細ストレート麺で、具はチャーシューとキクラゲ、そしてネギ。メニューを見ると、キクラゲの増量もできるようだ。麺の硬さを聞かれなかったが、出てきた麺は硬め(カタ)であった。テーブルに置いてある「辛子高菜」は驚くほどの極辛で、たくさん入れると舌が麻痺してスープの味が分からなくなるほど。なので、入れる量には注意されたい。博多ラーメンなので、もちろん替え玉もある。(2013 年1月追加) 

福岡市博多区下呉服町4-13 ゾンターク博多I 1階  
電話番号:非公開 
定休日:日曜 
営業時間:平日11時頃~18時、土曜・祝日11時頃~17時 
予算:普通のラーメン650円 
アクセス:地下鉄箱崎線・呉服町駅3番出口を出て、ガソリンスタンドENEOSの方向へ向かう。信号を渡ってパームツリーの道(大博通り)に沿って更に進み、信金中央金庫を過ぎた信号を右折すると、左側に見えるマンション(向かいがタイムパーク)。呉服町駅から徒歩5分。JR博多駅博多口からタクシーで800円くらい。 
最寄りのランドマーク:信金中央金庫 
お勧めポイント:完成度の高いトンコツラーメン店

麺道 はなもこし

 大通りから少し入ったマンションの1階にある鶏白湯ラーメンの店。実はこの店、カウンターの6席しかないのである。カウンターに置いてある店主の思いを綴った小冊子を読むと、こんなので儲かるの?と思うくらいストイックな姿勢でラーメン作りに取り組んでいることが分かる。「鶏とろラーメン」は一日20食、「特製鶏とろラーメン」は何と一日5食しか作れないとのこと。もちろん麺は自家製麺。基本的なメニューは、「鶏とろつけそば」と限定の「鶏とろラーメン」の2種類しかない。
 今回は全ての具が入った「特製鶏とろつけそば」を注文。麺は全粒粉と思われる茶色がかった冷やもりの中太麺。鶏チャーシューは、ローズマリーのようなスパイスの香りがして好みが分かれるところだが、スープはコラーゲンタップリの濃厚な鶏白湯スープで、とても完成度が高い。このスープなら、細い平打ち麺を使った「鶏とろラーメン」も間違いなく美味しいだろう。
 「鶏とろつけそば」の食べ方としては、まずは柚塩で麺の風味を味わい、それからスープで味わい、最後にはスープに柚コショウを溶かして味わう3段活用的な味わい方を推奨している。しかし、何故か最後のスープ割りはやっておらず、残ったスープの中に小ライス「ちょっとごはん(50円)」を入れてリゾットのように食べるのがお勧めだそうだ。これはまるで名古屋の“まぜそば”の「追い飯」よう( → 名古屋グルメバイブル・麺屋はなびの頁を参照 )、( 札幌グルメバイブル・men-eiji HIRAGISHI BASEの頁を参照 )。夜は「鶏だしおでん」や「ピリ辛メンマ」、「鶏皮ポン酢」などのようなつまみもあり、ビールはハートランドビールの小瓶と中瓶を置いている。店主は音楽好きなのか?BGMはラーメン店とは思えないロック音楽なのである。(2013年1月追加)

福岡市中央区薬院2-4-35 エスキモーアシャトー薬院1階  
電話番号:092-716-0661 
定休日:日曜 
営業時間:11時45分~14時15分、18時~22時 
予算:鶏とろラーメン650円、鶏とろつけそば700円 
アクセス:地下鉄七隈線・薬院大通駅2番出口を出て信号を渡り、左へ進む。すぐにロイヤルホストが見えるので、その角を右折するとすぐ左の大きなマンション。薬院大通駅から徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:ロイヤルホスト 
お勧めポイント:トンコツ王国・福岡では珍しい鶏白湯スープのラーメン店

長浜ナンバーワン 祇園店

 食べログで検索してみると、この店は福岡の長浜系ラーメンの中で1番の人気。地下鉄空港線・祇園駅からも近く、アクセスも抜群。また、比較的夜遅くまでやっているのでとても便利。
 この店の定番「長浜ラーメン」には、タップリと青ネギがのせられ、白濁したスープはトンコツ臭さがほとんどなく、ポタージュスープのようにクリーミーで滑らか。魚介系のスープを使用していないため、重層感には欠けるが、抜群に美味しい。麺はお約束の極細ストレート麺。全国的にはテボ(振りザル)を使う店が多い中で、この店は博多ラーメン店らしく平ザルを使用している。小気味よくリズミカルな湯切りは、見ていても惚れ惚れする。替え玉でスープが薄くなった場合や、もっと濃い味がお好みという場合には、テーブルに置いてある「ラーメンのたれ」を追加する。薄切りのチャーシューは普通だが、ワンコインでこのような完成度の高いラーメンを食べられるなんて、博多の人はなんて幸せ。(2012年12月追加)

福岡県博多市祇園町4-64 ニューウィングビル祇園1階  
電話番号:092-263-0423 
定休日:無休 
営業時間:月曜~木曜11時半~24時、金曜・土曜・祝日11時半~翌2時、日曜11時半~22時 
予算:長浜ラーメン500円、ワンタンめん650円 
アクセス:地下鉄空港線・祇園駅3番出口を出て、国体道路を中洲方面に進む。ダイワロイネットホテルを過ぎるとすぐ左側。祇園駅から徒歩2分。 
最寄りのランドマーク:ダイワロイネットホテル博多祇園 
お勧めポイント:ポタージュスープのようにクリーミーで滑らかな博多ラーメン

麺劇場 玄瑛

 トタン張りの外壁と木材を使ったロフト風の建物。焦げ茶色の重厚な木製ドアを開けると、劇場裏の暗い通路に出る。そう、この店のコンセプトは劇場であるということ。調理場が舞台であり、それが見えるよう階段状に客席が配置されているのだ。客席は3段になっていて、下に見える舞台(厨房)に向かって教室型にテーブル席が配置されている。天井からは裸電球が吊され、ポップミュージックが大音量で流れている。
 この店の名物の「潮香(しおかおる)醤油ラーメン」は魚介系醤油ラーメンで、まるで日本料理のお椀のよう。しかし、この繊細な魚介系スープに脂っぽいネギ香油がマッチしておらず、低かん水の麺とも合わない。むしろ、僕のお勧めは豚骨スープの「玄瑛流ラーメン」。スープは全く臭みがなく、通常の博多ラーメンのような乳化されたスープではない。洗練されたコクのあるマイルドなスープで、無化学調味料なので後味もスッキリ。自家製の極細のストレート麺ともマッチしていて美味しい。他の博多ラーメン店とは異なり、麺の硬さの注文や替え玉、大盛りができない。また、店内は禁煙である。(2012年9月追加)

福岡市中央区薬院2-16-3 地図 
電話:092-732-6100
定休日:無休 
営業時間:平日11時半~14時半、18時~翌0時半、日曜・祝日11時半~17時、18時~22時 
予算:玄瑛流ラーメン730円 
アクセス:地下鉄七隈線・薬院大通駅2番出口を出て右へ。最初の信号を左折し、次の信号を斜め左に曲がって大正通りに入る。200mほど進むと右に秋本病院が見えるので、その向かいの小路を左折するとすぐ右(クリーニング店手前)。

最寄りのランドマーク:秋本病院、大正通り

お勧めポイント:劇場がコンセプトのラーメン店

ア・ラ・メゾン

 薬院駅近くにある古いビストロ。ディナータイムに訪れると、店内はオーセンティックバーのように暗く、キャンドルライトが揺らめく独特の雰囲気。席数は僅か14席しかなく、喫茶店の様に狭い。メニューもワインリストも何故か手書きでホワイトボードに書かれており、暗い上に細かく書かれているため、かなり見えづらい。メニューを見ると、ディナーメニューでも比較的安めであるのに、ランチはさらに格安となっている。しかも、アラカルトメニューの数が多すぎて、素材の品質は大丈夫のかと心配になってしまうほど。もっとメニューを絞った方が良いのではと思うのは僕だけだろうか。また、専属のサービス担当はおらず、オーナーシェフ自ら注文を取りに来たり、熱心に説明してくれたりしてくれるのはありがたいが、説明はいいからもう少し料理に専念してくれと感じる方もいるはず。
 ディナーで訪れたこの日は、3つあるディナーコースの中から「ビストロコース」を選択。料理内容はアミューズの他、お好みの「前菜」、「田舎料理またはスープ」、「魚料理または肉料理」、「デザートまたはチーズ」、「コーヒーまたは紅茶」を、アラカルトメニューの中からそれぞれ選択できるプリフィクススタイルである。僕は、前菜を「帆立貝柱とアカザエビのムース」、田舎料理を「3種の鳥のテリーヌ」、メインに「シャラン産窒息鴨のロースト・グリーンペッパー風味」とデザートに「ココナッツのブランマンジェ」をチョイス。
 まずはアミューズの「豚足ゼリー」が出てきた後、パンが供された。パンは通常のバゲットと天然酵母のバゲットの2種類が出てきたが、天然酵母のパンが良かった。さらに、この日頂いて特に良かったメニューは、「帆立貝柱とアカザエビのムース」と「ココナッツのブランマンジェ」。料理はどれもスキルの高さを感じる料理で、塩味もしっかりと決まっていた。ちなみに、この日隣の客が食べていた要予約の少量多皿ディナーコース「おまかせコース(ランチタイムは“お昼のぜいたくコース”)」がとても美味しそうだったので、次回はそれを是非頂きたいと思った。(2013年9月追加)

福岡市中央区渡辺通り2-3-8 カステリアマンション1階  
電話番号:092-733-3216
定休日:月曜
営業時間:12時~14時半、18時~22時半
予算:【ランチ】ア・ラ・メゾンランチ1050円、つどいのランチ2940円、お昼のぜいたくコース3990円(前日までの予約)、【ディナー】軽めのコース3600円、ビストロコース4500円、おまかせコース6500円(前日までの予約)
アクセス:地下鉄七隈線・渡辺通駅の1番出口を出て直進し、「みらいホール」や「福岡銀行」が入っているビルの角を右折して薬院駅方向へ進む。「清沢眼科」、「因幡うどん」を過ぎた「Times」のある次の交差点を右折するとすぐ右側。地下鉄・渡辺通駅から徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:みらいホール、因幡うどん
お勧めポイント:雰囲気に目をつむれば、コストパフォーマンスの良い料理が味わえる優良ビストロ

レザンドール

 西中洲にある人気のフレンチ店。エントランスを抜けると入り口付近にカウンター席のみのワインバーがあり、奥にはテーブル席が4つ(うち3つが2人席)と6名までの個室がある。もちろん、ワインバーだけの利用もOKである。照明は暗めであるが、インテリアは落ち着いた感じでとてもセンスが良い。場所柄かランチ営業はしておらず、その分ラストオーダーが23時までと遅めなので、夜遅くに福岡に到着したときにも利用できる。
 今回は22時に予約し、予約時に魚と肉の両方のメインが楽しめる8000円のコースを選択。料理は全体的にどれも軽めで、しかも今回注文した8000円のコースは小さめのポーションなので、夜遅くかったが問題なく食べることができた。シェフは未だ若いが、料理の火の通し方が素晴らしく、素材の塩味に全くブレがない。加えて、デザートに添えられたアイスクリームが秀逸だった。それにしても、この店のスタッフのサービスは福岡の中でも抜きん出ており、見えなくなるまで見送るなど、ホスピタリティ溢れるサービスも特筆すべきである。(2013年8月追加)

福岡市中央区西中洲2-25 STAGE1西中洲1階  
電話番号:092-724-6500
定休日: 日曜
営業時間:17時半~23時
予算:6000円、8000円、10000円、12000円
アクセス:地下鉄七隈線・天神南駅5番出口を出て左へ。国体道路に沿って進み、「東横イン博多西中洲」手前の「春吉」交差点信号(右角に「福岡叙々苑」がある)を左折し、「藤よし」、「シティックスカード」の小路を右折。「河庄」を過ぎて進み、次のT字路を右折するとすぐ右側。天神南駅から徒歩5分。
最寄りのランドマーク:東横イン博多西中洲、叙々苑、春吉交差点
お勧めポイント:夜遅くまで洗練されたフレンチを味わえる

ペルケノー Perché No !?

 医局員の福原夫妻に教えてもらったイタリアン。細い通路の奥にあるドアを開けると右側に個室が、そして左側にダイニングがある。デーブル間隔は狭く、雰囲気はカジュアルなイタリアンといった感じだ。この日はランチタイムに訪問。メニューを見ると、パスタあるいはリゾットにデザートが付いたAコース、それに前菜が加わったBコース、さらにメインが付くCコース、そしてスペシャルコースがある。今回はせっかくなので、手打ちパスタが付くスペシャルコースを選択。
 どの料理も火加減や塩加減が完璧で、素材の持ち味を生かした素晴らしい料理だ。それはまるでバラバラのピースを組み合わせて作られた美しい芸術作品のようである。手打ちパスタも美味しく、デザート以外はほぼ完璧で、地方イタリアンとは思えないレベル。なので、ランチ、ディナーともいろいろな料理を楽しめるスペシャルコースがお勧め。ちなみに、平日のディナータイムや土日は終日ともかなり混み合うので、あらかじめ余裕を持って予約するか、当日行くなら、空いている平日のランチタイムに行くことをお勧めする。ちなみに、10月~11月中旬にかけては白トリュフの特別メニューが加わるそうだ。(2013年8月追加) 

福岡市中央区警固2-17-10 SPAZIOビル1階  
電話番号:092-725-3579
定休日:月曜(祝日の場合には翌日)
営業時間:12時~14時、18時~22時
予算:【ランチ】Aコース1050円(平日のみ)、Bコース1890円、Cコース2940円、スペシャル3800円、【ディナー】4200円と5250円、スペシャルコース8400円~
アクセス:地下鉄空港線・赤坂駅4番出口を出て左へ。すぐに信号を左折し、大正通りを進む。ハローワーク福岡中央を過ぎ、「PLAZA」のある「警固」交差点を右折して「けやき通り」を進む。「警固西」交差点を過ぎ、セブンイレブンを過ぎるとすぐ左側。赤坂駅より徒歩7分。西鉄福岡駅、天神南駅より徒歩10分
最寄りのランドマーク:警固交差点、PLAZA、けやき通り
お勧めポイント:コスパも素晴らしい福岡のトップイタリアン

ジョルジュ マルソー

 地産地消がコンセプトのフランス料理店。入り口近くに6~12名までの半個室が、そしてテーブル席とキッチン前には7名までのカウンター席がある。カウンター奥にはキッチンがあり、ガラス越しにシェフたちの作業を見ることができる。なので、カウンター席に座ると1人飯の時には退屈しのぎになっていい。
 この店の料理は全般的に極めてシンプル。まるでイタリアンのような素材を生かした軽めの料理なのである。特にシーフードが美味しく、魚介類は佐賀県の唐津から直接し入れているとのこと。この日頂いた黒鮑の肝ソースや佐賀牛のヒレの炭火焼きも美味しかった。
 ワインはフランスワインがメインである。ブルゴーニュは若いヴィンテージのものが中心だが、ボルドーは80~90年代も揃っている。サービスも堅すぎず出過ぎず好印象。しかし、ディナータイムの照明が暗く、料理が美味しく見えないのはマイナス点。また、このレストランはパティスリーも経営しているようだが、その割にはデザートや小菓子の出来が今ひとつだった。ちなみに、ドレスコードがあり、短パンやタンクトップ、サンダルなどの軽装では入店できないのでご注意を。(2012年10月追加)

福岡市中央区大手門1-1-27 オーテモンウェルリバーテラス1階  
電話番号:092-721-5857
定休日:不定休 
営業時間:11時45分~14時、18時~22時 
予算:ランチ2500円、3500円、5000円、7500円、10000円、ディナー5000円、7500円、10000円、15000円 
アクセス:地下鉄空港線・赤坂駅1番出口を出て、明治通りを右方向へ。「Honda Cars福岡」、「電通福岡ビル」を過ぎ、平和台交差点信号を右折するとすぐ左側。地下鉄空港線・赤坂駅から徒歩10分。 
最寄りのランドマーク:明治通り、平和台交差点信号
お勧めポイント:シーフードが美味しい福岡のフレンチ店

オーグードウジュール 
     メルヴェイユ 博多

 東京に「 ヌーヴェル・エール(→ 銀座グルメバイブル・フレンチの頁を参照) 」や「 オーグードウジュール メルヴェイユ(→ 銀座グルメバイブル・フレンチの頁を参照) 」など、6店舗を展開する人気レストラングループの支店。デパートや専門店が入る「JR博多シティ」の中にあるため、いつも多くの女性客で賑わっている。駅ビルの店舗なので仕方がないのかもしれないが、20席ある店内は、テーブル同士の感覚が狭く高級感に欠ける。なので、ビストロ的なイメージで利用するのが良いと思う。
 今回はランチの4000円のコースを頂いた。「オーグードウジュール メルヴェイユ」や「ヌーヴェル・エール」に比べると、料理は多少サプライズ感に欠け、火の通し方も少し甘いような気がする。しかし、コストパフォーマンス的には悪くなく、デザートはどれも美味しかった。ちなみに、「JR博多シティ」という駅ビルの中の店舗ではあるが、入店は小学生高学年からというレギュレーションがあるのでご注意を。(2012年11月追加)

福岡市博多区博多駅中央街1番1号 JR博多シティ9階  
電話番号:092-413-5301 
定休日:無休 
営業時間:11時~14時、17時半~21時半 
予算:ランチ2500円、4000円、6500円、ディナー5000円、6500円、8500円、12000円 
アクセス:地下鉄空港線・博多駅、JR博多駅から直結(博多口側) 
最寄りのランドマーク:JR博多駅 
お勧めポイント:東京で人気のフレンチ店

リストランテASO 天神店

 新しいビルの4階全フロアを使った大箱のリストランテ。大箱である理由はどうやらウェディングを行うためらしい。ある日予約を入れると、土日はウェディングがあるため、レストランの予約を受け付けていないという。なので、なんとか都合をつけて金曜日のランチタイムに訪れてみた。ビルは細く縦長なため、ダイニングは2つにパーティションされている。広さは、銀座の 「アルジェントASO(→ 銀座グルメバイブルのイタリアン・イタリアンバールの頁を参照)」 の倍くらいは優にありそうだ。料理の美味しさや華やかな雰囲気は「アルジェントASO」には遙かに及ばないが、サービスだけは引けを取らないくらい素晴らしい。
 この日の客は僕以外全て女性客だったが、これは素晴らしいサービスと華やかな料理の盛りつけが女性受けしているためであろう。味は総じて美味しいが、素材の力を上手く引き出していない。例えば、本日のパスタメニューに「磯の香り」とあったが磯の香りが伝わってこないし、前菜のフォアグラが氷の容器の上に載せられて供されるので、口の中で溶けにくいと言った具合である。見た目が美しくインパクトがあるだけに、メニューで表現しようとしているアイディアが空回りしているような、何かしら物足りなさを感じてしまう。しかし、地方レベルのイタリアンとして考えれば、それほど悪くはないと思う。(2012年10月追加)

福岡市中央区天神2-5-55 レソラ天神4階  
電話番号:092-724-0600
定休日:無休 
営業時間:11時半~13時半、18時~20時半 
予算:ランチ2620円、3780円、5880円、9450円、ディナー7350円、9450円、13650円、16800円 
アクセス:地下鉄空港線・天神駅、西鉄福岡駅から「ソラリアプラザ」に向かい、その西向かいにある「岩田屋」の並びにあるビル(バーニーズ・ニューヨークの入っているビル)。地下鉄空港線・天神駅、西鉄福岡駅から徒歩1分。 
最寄りのランドマーク:ソラリアプラザ、岩田屋 
お勧めポイント:華やかな盛りつけの人気イタリアン

大成園 錦店

 北区にある有名焼肉店の支店である。市内には本店の他、この錦店と広小路店がある。実はこの日は、名古屋市立の臼井先生ともう一軒別な有名焼肉店も取材した。 その結果、肉質や値段、雰囲気、立地などを総合的に判断して、この店がコストパフォーマンス的にも優れているということで一致し、掲載が決定した。店内に入ると右側に掘りごたつ風の小上がりが、そして左側にはテーブル席があり、思っていたよりもかなり広い。しかも、スタイリッシュでいい雰囲気である。スープやキムチなどのサイドメニューはごく普通で、サービスなども含めて特に秀でているとは思わないが、この店はとにかく肉質が良いのである。熟成感があり、旨味タップリの牛肉なのだ。どこの銘柄牛か?とは聞かなかったが、とにかく旨いことには間違いない。とりわけ「塩タン・タンザク切り(厚切りタン)」は、いわゆる“芯タン”の部分だけを使用したもので、厚くサクッと歯切れが良くて最高。これだけのレベルの和牛の芯タンを、この価格で食べられるとは非常に良心的である。さらに「和牛イチボ」や「和牛ハラミ」も、とにかく味が濃くて旨味が凝縮された感じなのだ。思わず、神戸ナンバーワン焼肉店 「ポッサムチプ(→ 神戸グルメバイブル・焼肉の頁を参照)」 で食べた時のことが思い浮んだ。また、今回は試すことが出来なかったが、「ビビン麺」や「カルビ」、「サムギョプサル」、そして「ミノ」など内蔵系も美味しいらしい。ワインも置いてあるので、錦・栄エリアで焼肉を食べたくなったら、是非思い出してほしい一軒である。(2013年2月追加) 

中区錦2-6-22  
電話番号:052-205-6555
定休日:不定休 
営業時間:平日17時〜24時、土日・祝日17時〜23時 
予算:塩タン・タンザク切り、和牛イチボ、和牛ハラミ各1500円 
アクセス:地下鉄桜通線・丸の内駅5番出口を出て逆方向へ向かう。すぐにタワーパーキングのある角を左折し、「丹羽幸株式会社」を過ぎ、「グレイスイン名古屋」を左折するとすぐ左側。丸の内駅より徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:グレイスイン名古屋 
お勧めポイント:よく熟成された旨味満点の肉が味わえる

山善

 東山線「高畑駅」近くにある日本料理店。ランチタイムは店主1人でやっているため、快適なサービスは期待できない。それにもかかわらず、料理はテンポ良く出され、とても頑張っている感じがする。忙しくなると料理の説明がなくなるが、これも仕方がないこと。カウンター横に土鍋と竈があり、これで炊かれる季節のご飯は最高であった。料理は彩りが良く、食器のセンスもいい。また、純粋な日本料理だけでなく、「ヴィシソワーズ(冷たいジャガイモのポタージュ)」や「ラムレーズンのアイス」といったフレンチテイストの料理も供する。店内にはジャズが流れ、サービスを除けば快適な食事ができる。昼は1コースのみで、夜は3コースある。しかし、いずれも前日までの予約が必要。

中川区中郷1-69 高畑KSビル101   
電話:052-353-7087
定休日:月曜
営業時間:11時半~14時、17時半~21時
アクセス:市営地下鉄・東山線「高畑駅」1番出口を出て左へ左折して進み、「プロミス」、「アイフル」の看板のある方へ向かう。そして「EIDEN」のある最初の信号を左折して川沿いに進む。最初の「止まれ」のある交差点を公園のある方に右折するとすぐ。高畑駅から徒歩5分。
予算:昼4200円、夜6300円、8400円、10500円
最寄りのランドマーク:EIDEN
お勧めポイント:竈土鍋炊き御飯が美味しい日本料理店