7.味噌カツ、串カツ、どて(煮)、トンカツ、とんテキ、唐揚げ

味噌カツは、トンカツに八丁味噌ベースのソースをかけたもので、カツ丼やカツサンドにも変身する。もともとは、串カツを八丁味噌ベースの“(モツの)どて煮”に浸して食べたのが始まりと言われている。確かに、名古屋で“味噌串カツ”を出している店は、“どて(煮)”や“味噌おでん”なども一緒にやっており、頼むと共通のベースである八丁味噌ダレに浸されて出てくる。

レストラン ちかさんの手料理

 閑散とした商店街の一本裏道にある小さな洋食店。この店の名物は「特選ミソカツ」。かなりの良質なロース肉が使われており、肉の臭みが全くなく塩で食べられるほど。カツの下には何も敷かれていないため、時間と共に下の衣がベチャっとするが、衣自体はサクッと軽く全体的にはいい感じだ。そのまま食べても、添えられた大葉と食べても美味しい。この店の味噌ソースはかなり独特で、一見デミグラスソースのよう。これは牛スジと野菜を煮込んだ“どて煮”ソースで、かなり甘め。もう少し甘さを抑えてくれたら言うことなし。

熱田区神宮3-5-14   
電話:052-682-1541
定休日:無休 
営業時間:11時~14時、17時~20時 
予算:特選ミソカツ(ロース)1450円 
アクセス:①市営地下鉄・名城線「神宮西駅」2番出口を出て、右に熱田神宮を見ながら名鉄「神宮前駅」、「熱田区役所」方面に進む。熱田区役所・図書館側へ信号を渡って右の商店街に沿って進み、次の角(宮前食堂)を左折して道なりに進むと左にある。神宮西駅から徒歩5分。②名鉄「神宮駅」パレマルシェを出て右側にある商店街の一本右の裏通り。名鉄「神宮前駅」から徒歩1分。 
最寄りのランドマーク:熱田区役所、名鉄「神宮前駅」
お勧めポイント:良質なロース味噌かつ

とん八

 この店の特徴は味噌ダレにある。デミグラスソースの風味が感じられ、苦みが少なくとてもマイルド。お勧めの「味噌ヒレカツ丼」は、ヒレカツの厚みこそ薄いものの、これがかえって味噌ダレに浸ってもサクサク感を維持するというプラス効果に働いている。上にかかっているネギも良いアクセントになっており、ご飯も艶々。非常に完成度の高い味噌カツだ。

中区千代田3-17-15   
電話:052-331-0546
定休日:日曜 
営業時間:11時~14時半、17時~21時 
予算:味噌ヒレカツ丼900円 
アクセス:市営地下鉄・鶴舞線「鶴舞駅」6番出口を出て直進。「ローソン」、「万長ビル」を過ぎ、「春日飯店」の角を左折すると、3つ目の交差点角に。 
最寄りのランドマーク:春日飯店 
お勧めポイント:味噌ヒレカツ丼の美味しい店

味処 叶

 「丸栄デパート」隣にある「メルサ」の裏小路にある。大衆酒場のような店内に入ると、腰の曲がったというより首の曲がった老店主が、黙々とカツを揚げている。ご飯を盛ってから出てくるまでのそのスピードたるや、名人芸と言っていいほど早い。「とん八」の“味噌ヒレカツ丼”が洗練された上質な味とすれば、こちらの「元祖みそかつ丼」は、豪快な大衆的な味。味噌ダレは「矢場とん」に近く、多少苦みを感じる。お勧めは、100円を払ってヒレカツ丼にアップグレードし、70円のネギをトッピング。そして、食べる前に中央に鎮座する生卵をかき混ぜ、たっぷりの七味をかけて食べるのがお勧め。う~ん!これぞまさにB級グルメだ!!

中区栄3-4-110   
電話:052-241-3471
定休日:日曜、祝日 
営業時間:11時~14時、17時~20時 
予算:元祖みそかつ丼1050円+ヒレ100円+ネギ70円=葱みそヒレカツ丼 
アクセス:市営地下鉄・東山線、名城線「栄駅」16番出口を出て、反対側へ「名古屋三越栄店」に沿って進む。「三井住友銀行」、「ナイキ」を過ぎ、「三菱東京UFJ」「ユニクロ」側へ信号を渡る。そして、「メルサ」と「丸栄」の間の通りを左折する。駐車場入り口横の小路を左折し、道なりに進むと見える。栄駅から徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:名古屋三越栄店、メルサ、丸栄 
お勧めポイント:元祖みそかつ丼の店

居酒屋ラブリー

 名古屋B級居酒屋トップクラスの実力店。ドアを開けると、お隣と肘がぶつかるぐらいキツキツのコの字型カウンターが広がり、中はオープンキッチン状態。何を食べてもそつなく美味しいが、“どて煮”をご飯の上にたっぷりかけて刻み葱をまぶした「どて飯」が滅法旨い。飲んだ後の最後の締めとしては、極めつけの名古屋めしと言えよう。特に、大鍋でグツグツと煮込まれた“どて煮”のベースとなっている八丁味噌の汁は、実にまろやかで、まるで良質な和風デミグラスソースのよう。もちろん、この汁に浸して食べる「串カツ」や中まで染みた「味噌おでん」が美味しいことは、今さらつけ加えるまでもないだろう。空いているか電話で問い合わせることができるが、基本的に予約できないので注意。繁盛店なので入れた方は実にラッキー。

東区東桜1-9-1   
電話:052-963-9023
定休日:無休 
営業時間:17時半~24時 
予算:おでん各100円、(牛すじ)どて300円、串カツ(5本から)100円/本 
アクセス:①市営地下鉄・東山線、名城線「栄駅」4番出口を出て「オアシス21」の前を直進し、信号を渡る。次の交差点(Balossa)を右折し、「中華そば 中村屋」の右斜め向かい。栄駅から徒歩4分。②市営地下鉄・桜通線「久屋大通駅」3Bを出て直進し、次の交差点(Balossa)を左折し、「中華そば 中村屋」の右斜め向かい。久屋大通駅より徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:オアシス21
お勧めポイント:名古屋おでん、どて煮(飯)、串カツが食べられるナンバーワン居酒屋

すず家 大須赤門店

 大須の“新天地通商店街”と赤門通が交差するところにある老舗洋食店。この店で人気のメニューは、名古屋メシの「味噌カツ」と「エビフライ」。「味噌ロースカツ」も悪くはないが、「味噌ヒレカツ」の方がお勧めだ。薄い衣をまとった良質な豚肉と、干し柿で作ったマイルドな味噌ソースの組み合わせがいい。そして、艶々の御飯や柚子の香りの赤だしも美味しい。

中区大須3-11-17   
電話:052-241-3752
定休日:木曜、第3水曜 
営業時間:11時~14時45分、17時~20時45分 
予算:味噌ヒレカツ定食1575円、味噌ロースカツ定食1575円 
アクセス:市営地下鉄鶴舞線・名城線「上前津駅」12番出口を出ると「安間眼科」が見える。その信号を左折して「万松寺通商店街」へ進み、ABCマートを右に曲がると「新天地通商店街」に出る。すぐに目につく織田家の菩提寺「万松寺」、「台湾の焼き包子」を過ぎ、赤門通を超えると左側。上前津駅から徒歩5分。 
最寄りのランドマーク:万松寺 
お勧めポイント:吟味された豚肉を使用した美味しい味噌カツ

黒豚屋 らむちい

 「広小路キッチン マツヤ」とともに、市内中心部で比較的夜遅くまで“味噌かつ”が食べられる店。店名には黒豚屋と表示されているので、全てのメニューに黒豚を使用しているのかと思いきや、少し値段の高い「(鹿児島県産)黒豚味噌かつ」を注文しなければ黒豚ではないようだ。“味噌かつ”には、カツが見えないくらいのネギがのってくる。味噌のソースとネギの辛さは良く合って美味しいが、何が何でものせすぎではないかと思ってしまう。この店の“味噌かつ”は名古屋では中の上といったスタンダードレベル。昼は“定食”、夜は“御膳”と名称は変わり、200円ほど値段が高くなるが、内容は同じである。しかし、値段が安いランチタイムに行くと混雑していて相席になることもあり、落ち着いて食べることが出来ない。

中区栄3-15-6 栄STビル地下1階   
電話:052-241-1664
定休日:無休 
営業時間:月曜~土曜:11時~15時半、17時半~23時 
予算:味噌かつ定食1450円、味噌かつ御膳1680円 
アクセス:市営地下鉄・東山線、名城線「栄駅」16番出口を出て「LACHIC」を過ぎた角を左折するとすぐ右側。栄駅から徒歩2分。 
最寄りのランドマーク:名古屋三越栄店、LACHIC
お勧めポイント:ネギのインパクトが強烈な味噌かつ

串カツ・どて煮 然

 串カツ屋と言おうか、居酒屋と言おうか、とにかく、行きつけの店にしたい居心地の良い店。カウンター8席だけの小さな店のため、開店とともに常連客で埋まってしまう。メインの「串カツ」の他、大皿に盛られた“おばんざい”もある。豚バラを使った串カツは、味噌とソースの2つから選べるが、ビールの友には味噌の方が断然合う!普通の人なら10本以上はペロッといける。また、ここの店の「どて(煮)」はスジではなく、名古屋で一般的な豚ホルモンなので、他地域から来た人は好みが分かれると思う。スジの「どて(煮)」が好みの方は、「居酒屋ラブリー」のどて煮・どて飯がお勧め。大吟醸こそ置いてないが、純米酒にこだわる店主のセレクトは、切れの良い淡麗なものを中心にラインナップされている。マラソンが趣味だったというスポーツ刈りの店主は、初めての客にもとてもフランクに対応してくれる。

中区丸の内1-8-8 牧村ビル1階   
電話:090-1746-5647
定休日:日曜 
営業時間:17時半~23時半 
予算:串カツ90円、どて飯600円 
アクセス:市営地下鉄・鶴舞線「丸の内駅」8番出口を出て直進。歩道橋を過ぎて、「吉野屋」を左折するとすぐ左側。丸の内駅より徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:東横イン 名古屋丸の内 
お勧めポイント:みそ串カツが美味しい居酒屋

名古屋特別枠
「みそかつ矢場とん」
   の鉄板とんかつ、わらじとんかつ

 とにかく常に行列の絶えない人気ナンバーワンの店。このとてつもない人気と味が、あるいは、とてつもなく待たされる時間と味が比例していないのがちょっと残念だが、とりあえず掲載。東京銀座や福岡など名古屋以外にも支店があるので、滞在中に時間を割いてまで行くほどではなく、帰る前に“話の種にでも食べてみようか”という程度で良いと思う。但し、人気店なので時間にかなりの余裕を持たなければならない。下記の他、中心部の栄に「栄 松坂屋店」、「栄 LACHIC店」、「栄 セントライズ店」がある。

【中部国際空港店】 
中部国際空港セントレア4階・レンガ通り内   
電話:0569-84-8810
営業時間:10時~21時


【名古屋駅名鉄店】 
名鉄百貨店 本館9階レストラン街   
電話:052-563-7373
定休日:無休(元日のみ) 
営業時間:11時~22時


【名古屋駅エスカ店】 
名古屋駅 エスカ地下街   
電話:052-452-6500
定休日:無休 
営業時間:11時~21時半 
最寄りのランドマーク:JR名古屋駅


【矢場町本店】 
中区大須3-6-18   
電話:052-252-8810
定休日:無休 
営業時間:11時~21時 
予算:鉄板とんかつ1365円、ひれとんかつ1260円 
アクセス:市営地下鉄・名城線「矢場町駅」4番出口を出て直進し、「上海湯包小館」を過ぎて、信号を渡って高速の下をくぐる。渡ったら右へ進み、「トヨタレンタリース」を過ぎ、信号を渡る。「メガロ大須」の看板が見えたらその隣。矢場町駅より徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:名古屋パルコ南館 
お勧めポイント:名古屋人気ナンバーワン味噌カツ

とんかつ あさくら

 名古屋郊外の住宅街にあるトンカツ店。この店の店主は肉に相当のこだわりがあるとみえて、厳選した肉しか仕入れていないようだ。このため、昼でも開店時に行かなければ“選り抜き”の肉は品切れになってしまうことも。“特上ロース”は、脂身を大きくカットした芯の部分を使用するため、ロースの肉と脂身の旨味を、バランス良く味わえる。特筆すべきは、塩をつけて食べた方がむしろ美味しいことだ。これは、肉質の良さと揚げ油の質の良さの両立が成せる技。他店でも必ず最初の一切れは塩で食べてみたが、塩で食べると油臭く、味噌ソースで食べた方が美味しかった。このような塩で食べて美味しいと思ったカツは、既に閉店した静岡県の「かつ好」以来である。せっかくの名古屋なので、どうしても味噌カツを食べたい方は、100円を追加すれば「自家製みそだれ」で頂ける。カツに付いてくる煮干しの香りの“赤だし”も“白飯”もとても美味しく、僕は2日連続通ってしまったほど。敢えてこの店の欠点をあげるなら、トンカツの下に金網を敷いていないことくらい。下に紙が敷いてあるだけなので、時間が経つと、どうしても下の衣がベチャッとしてしまう。

緑区滝の水1丁目809 エルパティオ滝の水1階   
電話:052-896-1732
定休日:月曜 
営業時間:11時~13時半、17時~20時半 
予算: 選り抜きロースとんかつ1100円、選り抜きヒレとんかつ1300円、選り抜き特上ロースとんかつ1500円 
アクセス:市営地下鉄・桜通線「相生山駅」2番出口を出て左折。小さな橋を過ぎ、「ミスタードーナツ」の信号を左折。途中、「ニッポンレンタカー」→「螺貝池」→「シェル石油ガソリンスタンド」→「ガスト」→「トヨタカローラ」→「ゲオ」を過ぎたらすぐ左側。柿安の向かい。相生山駅より徒歩20分かかるので、途中でタクシーを拾うのがお勧め。 
最寄りのランドマーク:柿安 滝の水店、ゲオ 滝の水店 
お勧めポイント:塩でも美味しい至高のとんかつ

花ごろも

 JR名古屋駅地下で直結した大名古屋ビルヂング地下にあり、電車に乗る前に何気なく入ってみた。肉、米、自家製ソースに至るまでとことん素材にこだわっているということで、偶然目に止まったのだ。メニューを眺め、「三元豚の熟成ねぎ味噌ヒレかつ」をチョイス。カツと葱と味噌ソースが別々に出てきたが、写真の様に、まずはカツの上にたっぷりと刻み葱を盛り、その上に味噌ソースを一気にたっぷり浸すくらいかけて食べた。これが思いの外いけた。試していないが、最近は今話題の「塩麹」と「ネギ味噌」を融合させた「ねぎみそ麹かつ」という新作も登場した。テイクアウトもできるので、新幹線に乗る前に買って駅弁代わりに車内で食べるのもいいかも。2012年に大名古屋ビルヂングが取り壊されるので、この場所での営業は夏頃までとなる。
 栄の中日ビルの地下2階に移転してリニューアルオープンした。しかし、トンカツ専門店ではなくなり、洋食屋風の「でらめし食堂」となった。新店舗はまだ未取材なので、下記ホームページを見て良さそうなら行ってみてほしい。 http://www.derameshi.com /

中村区名駅3-28-12 大名古屋ビルヂングB1   
電話:052-586-0222
定休日:不定休 
営業時間:11時~20時半 
予算:三元豚熟成ねぎ味噌かつ御膳:ヒレ100g 1490円、130g 1700円(カツのみの単品だと350円引き)、ねぎみそ麹かつ定食1480円 
アクセス: JR名古屋駅桜通口を出て向かい側。JR名古屋駅から地下直結。JR名古屋駅から徒歩2分。 
最寄りのランドマーク:JR名古屋駅 
お勧めポイント:三元豚のこだわり味噌かつ

元祖 中津からあげ もり山 名古屋・代官町店

 昨今は空前の唐揚げブームと言われているが、そもそもの火つけ役はB級グルメで一躍有名になった九州大分県の“中津唐揚げ”。代官町をブラブラしているときに偶然この店を見つけ、早速購入してみた。何でもこの店は、2010年、2011年の“からあげグランプリ”塩ダレ部門の最高金賞を受賞しているチェーン店らしい。いろいろ食べてみたが、僕のお勧めは「骨なし(もも肉)」。注文して10分くらい待てば、熱々の塩ダレ唐揚げが出来上がる。プリプリとしたジューシーな食感に加え、ニンニクや生姜の風味がいい。店内では食べることができないテイクアウト専門であるが、熱々を持ち帰ってホテルで食べると、ビールのお供としても最高だ。“中津からあげ もり山”と“名古屋”で検索してみると、この店の他に庄内通駅近くの店も引っかかったが、オフィシャルページによると、この代官町店こそが名古屋における唯一の系列店のようなので御注意を。

東区代官町19-2   
電話:052-936-4129
定休日:不定休 
営業時間:月曜~土曜:11時~21時、日曜・祝日11時~20時 
予算:骨なし(もも肉)240円/100g(3個ぐらい) 
アクセス:市営地下鉄・桜通線「高岳駅」2番出口を出て直進。二つ目の広いとおりの信号を左折。左にサークルKを見て進むと、右に中京銀行の赤い看板が見えるので、右折すると「マックスバリュ」が見える。その交差点近くの右側にある。高岳駅から徒歩10分。 
最寄りのランドマーク:マックスバリュ代官店
お勧めポイント:中津からあげの専門店