10.カレー、エスニック料理

スリランカ料理 コロンボ

 「ククルマスカリー」が人気のスリランカ料理店。決してカレーライス店ではなく、あくまでもスリランカ料理店である。なので、興味がある人はこれ以外のカレーや料理も注文して楽しんでほしい。スリランカ流の食べ方は、カレーなどの「おかず」をライスと混ぜて手で食べるらしいが、この店のカレーはスープ状のサラサラなので、ライスにかけて食べるのではなく、スープカレーを食べる要領で、ライスをスプーンですくい、それに具とルーをすくって食べた方が良いと思う。チキンカレーのルーは、クミン、ブラックペッパー、レモングラスなどの様々なホールスパイスがバランス良く溶け込んでいてとても美味しい。ライスにはサケフレークのような「ボル・サンボル(ココナッツに唐辛子や鰹節に似たモルディブフィッシュを和えたもの)」が付いてくるが、それとライスを一緒にすくって食べると更に複雑さが増して美味しい。また、カレーの辛さをアップした場合にも、「カタ・サンボル(ボル・サンボルに玉葱を加えて更に唐辛子を増した)」を注文してライスに加えて食べるのがお勧め。ちなみに、鶏の手羽元が入った人気の「ククルマスカリー」は夜には売り切れとなってしまうので、その場合には「チキンのカレー」を注文しよう。中辛は3番(店の中辛は2番だが)である。

中区新栄1-41-6 福与ビル1階   
電話:052-242-1329
定休日:無休(月曜はディナーは休み)
営業時間:11時~14時、17時半~22時
予算:ククルマスカリー(骨付きひな鳥カレー)800円、チキンカレー(骨なしのククルマスカリー)750円(いずれもライスなしの値段)
アクセス:市営地下鉄・名城線「矢場駅」3番出口を出て、すぐ角(ローソン)を左折して東陽通を進む。東陽通を抜けると高速道路が見えるのでその信号を渡る。東陽町郵便局を過ぎ、「鉄板工房」を過ぎて細い道を道なりに進むと右側に見える。矢場駅から徒歩12~13分。
最寄りのランドマーク:名古屋東陽町郵便局
お勧めポイント:ホールスパイスの香りが心地よいマイルドなスリランカカレー

ラオパサ LAO PASA

 海南鶏飯(ハンナンチーファン)とは、切った茹で鶏とそのスープで炊いた御飯を皿に盛った料理で、香港でよく見かけるファストフードのような食べ物。もともとは、海南島出身の華僑が伝えたもので、シンガポールやマレーシア、タイなどの東南アジアにかけて見られる。地域によって蒸し鶏をつけるタレに特徴がある。この店のタレは、サッパリとした生姜葱ソース、スイートチリソース、甘辛醤油ソースの3つからなる。塩コショウ味で炊かれたインディカ米のチキンライスは、上品な味付けでとても美味しい。蒸し鶏はモモ肉ではなく胸肉なのにはちょっと不満を感じるが、総合的には本格的で美味しい海南鶏飯である。なお、ランチにも海南鶏飯があるが、蒸し鶏の量が少ないので、ランチ時でもレギュラーの海南鶏飯を注文することをお勧めする。ちなみに、海南鶏飯が入った「ラオパサコース」というランチコースもあるが、これは2名以上でなければ注文できない。カウンターが8席あるので、一人メシにもいい。

東区泉2-13-14 カスティロ和泉1B   
電話:052-932-1710
定休日:月曜(祝日の場合には翌日休み)
営業時間:11時45分~14時、18時~22時半
予算:900円(海南鶏飯ランチ850円)、ラオパサコース2500円
アクセス:市営地下鉄・桜通線「高岳駅」1番出口を出て右折し、「デニーズ」、「ENEOS」を過ぎ、「洋菓子ボンボン」の駐車場手前を右折するとすぐ右側。高岳駅から徒歩3分。
最寄りのランドマーク:デニーズ高岳店
お勧めポイント:チキンライス(海南鶏飯)が美味しいシンガポール料理店

東洋軒

 東洋軒は、三重県の津市に本店を構える老舗洋食店。ブラックカレーと言えば、漫画「包丁人味平」のカレー戦争編で、カレー将軍・鼻田香作が作ったものを思い出す。原作者の“牛 次郎さん”がこのカレーを食べて思いついたのかどうかは不明だが、70年以上前に考案されたこのカレーを食べていた可能性はあるのではと思う。漫画では、コールタールを流し込んだようなカレーと表現されているが、見た目はまさにそれに近く、まるで焦げたデミグラスソースのよう。しかし、見た目とは裏腹に辛さはそれほどではなく、ウスターソースの様な酸味のある円やかな香りがする。口に含むとビーフシチューを煮詰めたような重層感のあるスパイシーさが、後からじんわり押し寄せる。三重の松阪牛を使用し、約1カ月かけて作られるらしい。ルーカレーとしては非常に面白く、しかも完成度が高い。Web上でお取り寄せも可能だ。
http://www.touyouken.co.jp/e-shop/index.html

中区栄3-5-1 名古屋三越栄店9階   
電話:052-252-3798
定休日:不定休
営業時間:11時~19時半
予算:ブラックカレー1050円、ブラックカレーハーフ630円
アクセス:市営地下鉄・東山線、名城線「栄駅」から直結。栄駅から徒歩1分。
最寄りのランドマーク:名古屋三越栄店
お勧めポイント:津の老舗洋食店の作るブラックカレー

匠 TAKUMI

 「日本料理 匠(たくみ)」は栄にある懐石料理店。ここの賄い飯であったカレーがあまりに旨いということで、商品化されるとともに、イートインを併設したショップを三越の地下に作った。「さらさらカレー」は、名の通りサラッとしたルーのみのカレーで、具が全く入っていない。例えて言うなら、東京泉岳寺の有名カレー店「サンライン」の英国風カレーのような感じ。3日間かけて作られるカレールーは、和牛の丸骨と国産野菜が溶け込み、具の必要性を感じさせないほど。この店でも食べられるがテイクアウトもできる。名古屋メシのエビフライが入った「えびふらいカレー」もあるので、エビフライ好きの方はこちらをチョイスしてみては。加えて、さすが懐石料理店!と言いたくなるような「朴葉寿司」もお勧めで、こちらもテイクアウト可。カレーは下記アドレスから購入も可能。
http://takumi-sarasara.co.jp/onlineshop/onlineshop.html

中区栄3-5-1 三越名古屋栄店地下1階   
電話:052-252-1216
定休日:不定休
営業時間:11時~19時半
予算:さらさらカレー1050円(イートイン1260円)、えびふらいカレー1575円、朴葉寿司840円
アクセス:市営地下鉄・東山線、名城線「栄駅」から直結。栄駅から徒歩1分。
最寄りのランドマーク:名古屋三越栄店
お勧めポイント:和食店の作る具が全く入っていないルーカレー

スコンター栄店

 かつて眼科杉田病院にいた北大・西坂先生推薦のタイ料理店。西坂先生によると、雰囲気を重視するなら錦店、現地の味を楽しみたければ栄店とのことであるが、地元の臼井先生に聞いたところによれば、栄店以外のスコンターは味もボリュームも全く違うので、お勧めは栄店だけとのこと。この栄店は、フィリピンパブの客引きが多い怪しい地区(女子大通エリア)のビルの2階にある。エレベーターを降りると、奥にスナック?と見間違うようなドアが。中に入ると、壁に王様とお后様の肖像と共に奥にカラオケマシンが鎮座している。この日も常連客と思われるタイ人が、僕の後ろでカラオケを楽しんでおり、バンコクのスナックにトリップした感じだ。この店の特徴は、とにかく一皿一皿のボリュームが多いということ。一皿3~4人前くらいはありそうだ。どれも平均的に美味しいが、必ず注文した方が良いのは、「豚肉のバジル炒めレタス包み」とカレー。カレーは、「鶏肉のグリーンカレー」、「豚肉のレッドカレー」、「鶏肉の辛口カレー」の順に辛くなる。「豚肉のレッドカレー」は、辛さと旨味のバランスが良く、後味に化学調味料を感じるが、辛いのでそれほど気にはならない。カレーにはライスが付いてこないので、一緒にカーオ(ライス)を注文しよう。サラダを注文するなら、定番の「青パパイヤのサラダ」よりも「タイ式春雨サラダ」の方がお勧め。人気料理は、「豚軟骨揚げ」、「トムヤムクン」、「エビ春巻き」、「カニのカレー風味玉子炒め」、「空心菜のオイスター炒め」、「豚挽肉の辛口サラダ和え」など。ちなみに、この店の「青パパイヤのサラダ(ソムタム)」は、それほど辛みが鮮烈でなく、「豚肉のバジル炒めレタス包み(パットグラパオムー)」は、バジルの量が少なくマイルドなことから、いずれの料理も若干日本人向けにアレンジされているようだ。

中区栄4-7-24 栄デザインビル2階   
電話:052-251-2582
定休日:無休
営業時間:18時~翌4時半
予算:豚肉のバジル炒めレタス包み1200円、豚肉のレッドカレー1200円
アクセス:市営地下鉄・東山線、名城線「栄駅」12番出口を出て、広小路を「ユーハイム」、「中区役所」方向へ進む。「アインズ」、「プリシード名古屋」を過ぎ、「名古屋東急ホテル」の門を通って構内を通過し、進入禁止の裏の小路を進む。「ルートイン名古屋」を過ぎると左角のビル。栄駅から徒歩10分。
最寄りのランドマーク:名古屋東急ホテル、ルートイン名古屋
お勧めポイント:深夜まで営業しているコストパフォーマンス抜群な摩訶不思議なタイ料理店