13.居酒屋、肉料理

肉屋 雪月花 NAGOYA

 名古屋では珍しい日本料理をベースとした肉割烹料理店。JR名古屋駅前の目新たらしいビルの地下に下りると、コンクリート打ちっ放しの壁に「肉屋 雪月花 NAGOYA」という文字が。一見客を拒絶するかような木の扉を通って中に入ると、和モダンを感じさせる白いインテリアの店内。カウンター席からは見えないが、店内にはテーブル席の個室もあるようだ。
 メニューは、「季節のコース16000円」の他、「厳選おまかせ」という超高額な30000円のコースもある。お酒は日本酒から蒸留酒までいろいろあるが、メインのお酒はワインで、さすがは好景気の名古屋を思わせる2006年のDRCのリシュブール(46万円)まであった。今回は「季節のコース」を注文したが、メインの炭火ステーキは、肉をランクアップできるオプションメニューもある。この店は特定の和牛をのみを仕入れて供しているのではなく、その時々のベストな和牛を仕入れ、最高のコンディションで提供しているという。
 まず出てきた「ホワイトアスパラ・ベルギー産キャビアのせ」は、いわゆるホワイトアスパラの煮浸しにキャビアをのせたもので、シンプルでありながらそれなりに美味しいと感じさせる味だ。続いて出てきた「松阪牛イチボのたたき」は、表面を炙ったレア状態で、醤油ダレこそイマイチだったが、塩につけて食べると、とろける様に美味しかった。「お椀」は、牛テールスープに魚介出汁をあわせたような味だったが、桑名の蛤とシャキシャキとした京蕗の組み合わせが実に良かった。「飛騨牛のモモの唐揚げ」だけは、牛肉である必然性を感じさせず、火が通り過ぎていたことも含めて、今回のコースで唯一残念な一品だった。口直しの「冷製・愛知産ブランドトマト(どこか忘れた)」に続いて出てきた「備長炭で軽く炙った和牛の握りと函館産の生ムラサキウニ」は、見た目通りの美味しさだった。シェフが目の前でさっと火を通してくれた「黒毛和牛のシャブシャブ」は、言うまでもない最高レベルの美味しさ。「柚子のジュレととろろ昆布の冷麺」は、見た目のサプライズ感とは裏腹に、味には感動がなかった。「京人参ドレッシングのサラダ」に続いて、登場したメインの炭火焼きステーキ「山形牛A5シャトーブリアン」は十分美味しかったが、味が濃厚で力強い分、友人が注文した「松阪牛A5ランクの43ヶ月牛の赤身ランプ」の方が良かった。最後の締めに出てきたのは、銅羽釜で炊かれた「白米」。飛騨米というものを今回初めていただいたが、炊き方が最高で、米もツヤツヤで旨味十分だった。最近食べた白米の中では、京都の料理店をも凌駕する今期ナンバーワンの銀シャリであった。この白米には「牛肉のしぐれ煮」と「牛肉のスープベースの味噌汁」、「ビーフカレー」が付くが、まずは「牛肉のしぐれ煮」でご飯をいただき、残りは「ビーフカレー」で締めた。丁寧に作られたカレーはそれほどスパイシーではなく、辛くもないが、コクがあってそれなりに美味しかった。そして、水菓子は「イチゴのジュース」。
 コスパを考えると1.5つ星くらいかなとも思ったが、肉料理はどれも美味しく、思いがけず締めの銀シャリに感動したので、最終的に2つ星の評価とした。(2018年4月追加)
http://nikuyasetugekka.jp

中村区名駅4-6-23 第三堀内ビル地下1階 
電話番号:052-433-1029
定休日:日曜(不定休で日曜営業の日もあり)
営業時間:17時〜23時
予算:月替わりのコース16000円(税別)
アクセス:JR名古屋駅・桜通口(ジェイアール名古屋タカシマヤ側)を出て、ミッドランドスクエア側へ信号を渡る。プラダの入っているビルの隣のビル(大和証券)。JR名古屋駅より徒歩2分
最寄りのランドマーク:ミッドランドスクエア、プラダ、桜通
お勧めポイント:名古屋では珍しい和風肉割烹

JR名古屋駅前のこのビルです 地下1階の通路を進むと・・・ コンクリート打ちっ放しの壁に「肉屋 雪月花 NAGOYA」という文字が 一見客を拒絶するかような木の扉を通って中に入ると・・・和モダンを感じさせる白いインテリアの店内。カウンター席からは見えないが、店内にはテーブル席の個室もあるようだ ドリンクメニュー ワインリストは充実している メインである炭火ステーキは、肉をランクアップできるオプションメニューもある まず出てきた「ホワイトアスパラ・ベルギー産キャビアのせ」は、いわゆるホワイトアスパラの煮浸しにキャビアをのせたもので、シンプルでありながらそれなりに美味しいと感じさせる味だ
本日注文した肉を見せてくれた。奥が「山形牛A5シャトーブリアン」で、手前が「松阪牛A5ランクの43ヶ月牛の赤身ランプ」 これは僕らが注文した肉のものではないが、肉の証明書のようなもの。この店は特定の和牛をのみを仕入れて供しているのではなく、その時々のベストな和牛をいろいろ仕入れ、最高のコンディションで提供しているという 続いて出てきた「松阪牛イチボのたたき」は、表面を炙ったレア状態で、醤油ダレこそイマイチだったが、塩につけて食べると、とろける様に美味しかった 「お椀」は・・・ 牛テールスープに魚介出汁をあわせたような味だったが、桑名の蛤とシャキシャキとした京蕗の組み合わせが実に良かった 「飛騨牛のモモの唐揚げ」 牛肉である必然性を感じさせず、火が通り過ぎていたことも含めて、今回のコースで唯一残念な一品だった 口直しの「冷製・愛知産ブランドトマト(何というブランド名かは忘れた)」 「備長炭で軽く炙った和牛の握り」 「函館産の生ムラサキウニ」も添えている。 これらは見た目通りのとろけるような美味しさだった シェフが目の前でさっと火を通してくれたのは・・・ 「黒毛和牛のシャブシャブ」 これはコメントするまでもない最高レベルの美味しさ! 何じゃこれは!!と思わせる「柚子のジュレととろろ昆布の冷麺」 見た目のサプライズ感とは裏腹に、味に関しては特に感動はなかった 「京人参ドレッシングのサラダ」 メインの炭火焼きステーキ「山形牛A5シャトーブリアン」は、とても柔らかく美味しかった 友人が注文した「松阪牛A5ランクの43ヶ月牛の赤身ランプ」こちらの方が、味が濃厚な分、僕好みでお勧め! 最後の締めに出てきたのは、銅羽釜で炊かれた「白米」 炊きたての釜から湯気が立ち上る 「牛肉のしぐれ煮」、「赤だし」。「香の物」が付く 炊き方が最高で、米もツヤツヤで旨味十分だった。最近食べた白米の中では、京都の料理店をも凌駕する今期ナンバーワンの銀シャリ 「牛肉のしぐれ煮」 まずは「牛肉のしぐれ煮」でご飯をいただく 「ビーフカレー」 ご飯をおかわりして、ビーフカレーをいただく。丁寧に作られたカレーはそれほどスパイシーではなく、辛くもないが、コクがあってそれなりに美味しかった水菓子の「イチゴのジュース」と台湾茶

ふじ原

 名古屋テレビ塔近くのビルにある店主こだわりの居酒屋。ビルはとても新しいようだが、どうやら、2016年4月にこのビルに移転してきたらしい。3階奥にある店の扉を開けると、さらに細く薄暗いL字型の通路が続き、奥にまた扉がある。扉を開けると、店内は右側にカウンター席、左側にテーブル席と手前に個室がある。
 メニューを見ると、手書きとは思えないくらいビッシリと料理が書かれており、ざっと見ても100品以上はありそうだ。しかも、どの料理にも値段が書いておらず、初めて行く客はビビってしまうかもしれない。長い紙にズラッと書かれた、値段表記のないお品書きを見たのは、大阪北新地の「さか本(→ 大阪グルメバイブル・日本料理の頁を参照)」以来である。しかし、後で会計をしてみると、「ノドグロ」や「キンキ」など、よほどの高級品を注文しない限り、素材や料理の質に見合ったリーズナブルな値段である。日本酒は純米吟醸のみで品揃えも少ないが、メニューに書かれていないものもあるので、店主に要相談である。
 料理はどれも素材の質が最高で、京都や大阪の一流料理店に勝るとも劣らない。居酒屋でこのレベルの素材を仕入れている店は、大阪の「ながほり(→ 大阪グルメバイブル・日本料理の頁を参照)」か京都の「魚とお酒 ごとし(→ 京都グルメバイブル・居酒屋の頁を参照)」くらいしか思いつかないほど。塩加減や火の通し方はもちろん、どの料理も素材の旨味を見事に引き出していて良かった。それにしても、強面の大将はスタッフにはかなり厳しいようだが、我々客には最高のおもてなしをしてくれる。(2018年4月追加)

名古屋市東区泉1丁目14-23 ホワイトメイツ3階  
電話番号:052-959-5513
定休日:日曜
営業時間:17時〜23時
予算:一人1万円くらい
アクセス:市営地下鉄・桜通線、名城線「久屋大通駅」1A出口を出て、名古屋テレビ塔を背にして久屋大通を進む。次の信号手前(ファミリーマートあり)の右側に白いビルがあるので、そこの3階。久屋大通駅から徒歩2分
最寄りのランドマーク:名古屋テレビ塔、久屋大通公園
お勧めポイント:名古屋ナンバーワンの居酒屋

この新しいビルの3階にあります入口の扉を開けると・・・ さらに細く薄暗いL字型の通路が続き・・・ 奥にまたガラスの扉がある 扉を開けると、右側にカウンター席 左側にテーブル席と手前に個室がある お品書き1。とにかく巻物のように長く、ざっと見ても100品以上はありそうだ お品書き2 お品書き3 お品書き4 お品書き5 お品書き6 日本酒は純米吟醸のみで品揃えも少ないが、メニューに書かれていないものもあるので、店主に要相談 良い店は突き出しからして美味しい。右から2つめのメヒカリが美味しかった 「刺身の盛り合わせ」は、左からスミイカ、イワシの炙り、桜鯛、コハダの昆布締め、サヨリ、生のトリ貝。見た通り、どれも最高レベルの素材であるが、とくに生のトリ貝が秀逸。残念ながら、愛知特有の「生シャコのお造り」は売り切れだった 「天然スッポンの小鍋」には、日本料理としては珍しく、黄ニラが入っていた よそるとこんな感じ。生姜がそれほど効いていないが、天然物は臭みが一切なくて美味しい 自家製の干し物だが、何か忘れた 「太刀魚の焼き物」は、シットリと焼き上がってきた。スルメと和えた里芋が何とも言えない珍味 お勧めの焼き物は「稚鮎の一夜干し」と、愛知の珍味「串あさり」 「稚鮎の一夜干し」は、今まで食べた稚鮎料理の中で最高の美味しさ。もしかすると、琵琶湖の「焼きモロコ」よりも美味しいかも 愛知の居酒屋ではよく見かける珍味「串あさり」も日本酒にピッタリ!
愛知県産「干し青柳」も、青柳の良い香りが凝縮された最高の珍味。生で食べるよりも美味しいかも 愛知県の銘酒「長珍」の純米・播州夢錦・生は、洗練されたフルーティーさと純米特有のアミノ酸度のバランスが秀逸で、山形の十四代を彷彿させる
友人の小椋先生がたまに食べているメニューにない「とんかつ」を注文したら・・・ こんな分厚いロース肉が出てきた 「鯨のさえずりの大根煮」は、鯨の専門店のサエズリよりも質が良く美味しい
「サヨリの骨の素揚げ」は、カリカリとして香ばしい 「サヨリの皮の焼きもの」は、塩が足りなくて物足りない味 「とんかつ」の登場 揚げ方は良かったが、パン粉もソースも含めて、残念ながら専門店レベルには到達していなかった。「牛ヒレカツ」か「車えびのフライ」の方が良かったかな? 醤油とウスターソース、辛子 余ったとんかつは「カツサンド」にしてくれ、お持ち帰りもできる。もう少し辛子とソースを増やして味が濃い方が美味しいと思う 「苺の杏仁豆腐」は食感がイマイチカツサンドで使用したパンの耳は、揚げて山椒と砂糖をまぶしてくれた

大成園 錦店

 北区にある有名焼肉店の支店である。市内には本店の他、この錦店と広小路店がある。実はこの日は、名古屋市立の臼井先生ともう一軒別な有名焼肉店も取材した。 その結果、肉質や値段、雰囲気、立地などを総合的に判断して、この店がコストパフォーマンス的にも優れているということで一致し、掲載が決定した。店内に入ると右側に掘りごたつ風の小上がりが、そして左側にはテーブル席があり、思っていたよりもかなり広い。しかも、スタイリッシュでいい雰囲気である。スープやキムチなどのサイドメニューはごく普通で、サービスなども含めて特に秀でているとは思わないが、この店はとにかく肉質が良いのである。熟成感があり、旨味タップリの牛肉なのだ。どこの銘柄牛か?とは聞かなかったが、とにかく旨いことには間違いない。とりわけ「塩タン・タンザク切り(厚切りタン)」は、いわゆる“芯タン”の部分だけを使用したもので、厚くサクッと歯切れが良くて最高。これだけのレベルの和牛の芯タンを、この価格で食べられるとは非常に良心的である。さらに「和牛イチボ」や「和牛ハラミ」も、とにかく味が濃くて旨味が凝縮された感じなのだ。思わず、神戸ナンバーワン焼肉店 「ポッサムチプ(→ 神戸グルメバイブル・焼肉の頁を参照)」 で食べた時のことが思い浮んだ。また、今回は試すことが出来なかったが、「ビビン麺」や「カルビ」、「サムギョプサル」、そして「ミノ」など内蔵系も美味しいらしい。ワインも置いてあるので、錦・栄エリアで焼肉を食べたくなったら、是非思い出してほしい一軒である。(2013年2月追加) 

中区錦2-6-22  
電話番号:052-205-6555
定休日:不定休 
営業時間:平日17時〜24時、土日・祝日17時〜23時 
予算:塩タン・タンザク切り、和牛イチボ、和牛ハラミ各1500円 
アクセス:地下鉄桜通線・丸の内駅5番出口を出て逆方向へ向かう。すぐにタワーパーキングのある角を左折し、「丹羽幸株式会社」を過ぎ、「グレイスイン名古屋」を左折するとすぐ左側。丸の内駅より徒歩3分。 
最寄りのランドマーク:グレイスイン名古屋 
お勧めポイント:よく熟成された旨味満点の肉が味わえる

地酒や和食 花くるま

 繁華街から少し離れた名古屋城の近くの商店街にある居酒屋。この店が、名古屋ナンバーワンの品揃えを誇る日本酒居酒屋であることを、知る人は少ない。あの食べログで も、ほとんど情報がないくらいの知る人ぞ知る名店なのである。何故このような寂しい場所に、このような店が?これが僕の率直な印象である。しかし名店とは 言っても、店の雰囲気は、外観も含めてよくありがちな普通の居酒屋。なのに、入手困難なプレミアム酒を含む100種類の日本酒メニューを見ると、“エ〜!!”と、つい声が出てしまうくらい日本酒ファンにとってはたまらない品揃えなのである。特に、「十四代」や「而今」、「義侠」に関しては凄いの一言で、名古屋にあるどの日本酒バーよりも素晴らしい。食べ物に関しては通常の居酒屋メニューであるが、旬の刺身は鮮度抜群で、刺身に本わさびを使用するなどとても良心的な居酒屋である。名物の「牡蠣の味噌焼き」は、名古屋らしく甘めの八丁味噌味なので好みが分かれるかもしれないが、これも実に名古屋らしい料理だ。夜に行くと場所が分かりづらいので、栄からならタクシーで行く方がベター。(2012年10月追加)

北区柳原4-4-4 中杉ビル1階  
電話:052-915-3117
定休日:日曜・祝日 
営業時間:11時半〜14時、17時半〜22時 
予算:刺身色々盛り合わせ1200円、戻り鰹刺身850円、十四代や飛露喜を含む地酒20種類3時間飲み放題6000円 
アクセス:地下鉄名城線・名城公園駅1番出口を出て右側へ進む。「ホワイト急便」、「名古屋柳原郵便局」を過ぎた信号(中日信用金庫、サークルK)を右折する。300mほど進むと左側にある。栄から2km。名城公園駅から 
最寄りのランドマーク:名古屋柳原郵便局、中日信用金庫、明和高校
お勧めポイント:中部地方最高レベルの日本酒が飲める居酒屋

手作り料理 かなやま

 ドアを開けると玄関があり、まずは靴を脱いでカウンターに座る。店はカウンター僅か9席だけで、バーのように狭い。カウンターの下は掘りごたつのようになっていてとても暖かい。メニューを見ると、飛騨牛に対してはこだわりがあるらしく、A5ランクのものを格安で提供している。この店の名物「5等牛コロッケ」は、名古屋らしいやや甘めの味付けで、ウスターソースをかけて千切りキャベツと共に頂くのがお勧め。串カツは豚バラ肉をロール状に巻いたミルフィーユスタイルで、味噌ソースでも頂けるが、やはりウスターソースの方が合うと思う。レギュラーメニューや黒板に書いてあるその日のメニューを見ると、「あつあつ自家製燻製盛」、「コンビーフフライ」、「アワビバター」、「関サバの一夜干し」、「そばめし」など、こだわりの魅力的なメニューが目白押し。特に、「四日市とんテキ」は、ゴロゴロとしたニンニクの入った本格的なものであるが、本格的にと言われなければニンニクは控えめにしているそうだ。ワインや日本酒こそ少ないが、焼酎はそれなりに揃っている。それにしても、この店で飲んでいると、自分の家にいるようにリラックスでき、とても居心地がいい。学会場がある金山駅近くや全日空ホテルに泊まった方は、「空(SORA)金山店」と共にお勧めである。

中区金山2-11-1 アーバンハイツ金山1階   
電話:052-339-3134
定休日:日曜・祝日
営業時間:平日:17時半~22時(土曜などの休日前は23時まで)
予算:5等牛コロッケ400円、ローストビーフ1450円、飛騨牛ハンバーグ950円、飛騨牛ステーキ2300円から
アクセス:市営地下鉄・名港線、名城線「金山駅」改札口を出て、「日本特殊陶業市民会館(旧・中京大学文化市民会館) 」方面の1番出口から出る。「北陸銀行」角を左折し、「日本特殊陶業市民会館」玄関前に向かう。「日本特殊陶業市民会館」前にある「東海工業専門学校」の信号を右折し、2つ目の交差点の右角にあるマンション。金山駅から徒歩3分。
最寄りのランドマーク:日本特殊陶業市民会館
お勧めポイント:飛騨牛と自家製燻製にこだわった居心地の良い居酒屋

歓酒亭 大安(かんしゅてい だいやす)

 ここ名古屋には、「角屋」や「大甚 本店」などの有名大衆居酒屋があるが、中でもお勧めなのがこの店。赤ちょうちんが灯る店の中に入ると、正面に大きな「乃の字」型カウンターがある。まずは店員に、立ち飲みか?席に座るか?を聞かれるが、椅子に座る場合には、店員に指示されたカウンター前に、客が自分でパイプ椅子を運んで座るシステム。但し、トイレ前の狭い直線通路は立ち飲み専用エリアとなっている。メニューを見てまず驚くのは、御飯ものを除くメニューが200~350円と格安であること。どのメニューも量が少なく、お一人様サイズの小皿である。他の居酒屋でも同じ価格帯のメニューはあるが、冷凍ものを使用するなど往々にして食材が良くないのが普通。しかし、この店の食材は値段の割りには質が良い。それは刺身を食べてみれば良く分かる。僕のお勧めは「カワハギ」、「新さんま」の刺身や「鯵のたたき」(店のお勧めは鶏白レバーの刺身)。他に「穴子天ぷら」や「白子の天ぷら」、「三河地鶏せせり串、レバー串」、「里芋の煮おろし」、「さんま南蛮漬け」などもいい。取材した日はクジラも入荷しており、「シロナガスクジラの刺身」が320円、「クジラの竜田揚げ」が350円と超格安であった!日本酒は日替わりの他、石川県の「加賀鳶」が4種類あった。但し、名古屋名物の「味噌串カツ」だけはお勧めできない。また、このような大衆居酒屋の店員には横柄な年配者が多いが、この店の若いアルバイト店員は対応が丁寧で、とても居心地の良い店であった。なお、人気店のため、開店から30分くらいでほぼ満員となってしまう。17時の開店時に行くか、電話で混雑具合を確認していく方が良いだろう。

熱田区波寄町22-24   
電話:052-883-6252
定休日:日曜、祝日
営業時間:17時~22時半
予算: かわはぎの刺身(肝付)350円、〆鯖300円、たら白子天ぷら350円
アクセス:市営地下鉄・名港線、名城線「金山駅」南改札口を出て、“JR線、名鉄線方面”のエスカレーターを上る。「名鉄線・中央改札口、西改札口」を過ぎ、「南口 名古屋ボストン美術館、名古屋都市センター」方面に進む。金山総合駅南口を出て左へ進み、「デイリーヤマザキ」横の通りをJR線路沿いに進む。大きな通りに出たら、信号を渡って左に進み、JRの跨線橋を渡る。「プロト」の看板の見える信号を渡り、次の名鉄の跨線橋手前を右折。線路沿いに歩き「カラオケJOYJOY」、「やたい家」を過ぎると、赤ちょうちんがみえる。金山駅南口から徒歩5分。
最寄りのランドマーク:プロトの看板
お勧めポイント:名古屋の誇る大衆居酒屋

名古屋特別枠 元祖手羽先唐揚げ
風来坊、世界の山ちゃん

 名古屋には、「風来坊」と「世界の山ちゃん」という手羽先唐揚げの2大チェーン店がある。塩コショウ味でサッパリとした「風来坊」には女性ファンが多く、スパイシーで濃いめの「世界の山ちゃん」には男性ファンが多いという。中部国際空港から帰るときには、セントレアの“ちょうちん横町”に「世界の山ちゃん」のテイクアウト店が、新幹線で帰るときには、近鉄名古屋駅地下の「風来坊 近鉄パッセ地下店」と名鉄名古屋駅地下の「世界の山ちゃん 名鉄メンズ館店」があるので、搭乗や乗車の直前に購入できて便利。また、街の中心部では、名古屋三越栄店の地下食品売り場でも「風来坊」の手羽先唐揚げが購入できる(→ お土産の頁を参照)。もちろん出来たてのアツアツを食べたい方は、テイクアウト店でなく居酒屋店舗で食べるのがお勧め。特に「世界の山ちゃん」は、名古屋駅や中心部の至る所にあるので、街を歩けばきっと見つかるはず。前述のように、両チェーン店の手羽先唐揚げは人によって好みが分かれると思うが、「世界の山ちゃん」は、どれを食べてもスナック菓子のような人工的な後味がする。なので、どうせ行くなら素朴な味の「風来坊」の方がお勧め。ちなみに、数ある「世界の山ちゃん」の中でも、名古屋駅「キャッスルプラザ」裏の近くにある「串カツ・やきとり やまちゃん」は、開店初期の復刻スタイル。また、御園座近くにある「尾張名古屋の台所 山」は、“ワンランク上の大人の山ちゃん”をコンセプトにした地産地消メニューで営業している。

【元祖手羽先唐揚げ 風来坊:名古屋駅周辺】

エスカ店(052-459-5007)
名駅センチュリー豊田ビル店(052-533-2677)
名駅新幹線口店(052-459-3955)
名駅南店(052-533-0078)

【元祖手羽先唐揚げ 風来坊:中心部周辺】

栄店(052-241-8016)
若宮店(052-263-2267)
錦店(052-961-3367)、プリンセス店(052-263-1578)
伏見店(052-222-6377)

純系名古屋コーチン専門店 
炭焼ちきんかばぶ

 古いビルの地下に降りると、とても美味しい店があるとは思えないイヤ~な雰囲気。しかし、席について焼き鳥が出されると、すぐにそれが杞憂だったことが分かる。名古屋には「やきとり千亀」、「きんぼし」、「鳥勢」などの人気焼き鳥店があるが、今回取材したこれら店の中で断トツの美味しさだったのがこの店。特に、名古屋コーチンを堪能したければこの店をお勧めする。この店は順々に焼き鳥が出てくるお任せコースのみで、苦手な素材がなければ12~13本出される。もしも途中で腹いっぱいになったら、早めにストップすればその分値段が安くなる。“つくね”や“モモ”はレアに、“皮”や“ボンチリ”や“手羽”などはカリッとしていてメリハリがあって美味しい。ほとんどの素材は粗塩で供される。そしてコースの合間に、生野菜や豆腐が箸休めとして出される。店内はとても狭くカウンター僅か10席しかないので、余裕を持って予約をしなければ入れない。コース以外のアラカルトメニューでは、鮮度抜群な鶏の刺身(ささみ、せせり、肝など)が美味しかった。

中区栄4-16-8 栄メンバーズオフィスビル地下1階   
電話:052-262-3678
定休日:火曜
営業時間:18時~24時
予算:お任せコース4300円(13本)
アクセス:市営地下鉄・東山線、名城線「栄駅」13番出口を出て、「住友信託銀行」、「両口屋是清」を過ぎ、「ザ・ビー名古屋」と「ローソン」の角を左折。「SHOEI PARK」の隣のビル。栄駅から徒歩3分。
最寄りのランドマーク:ザ・ビー名古屋
お勧めポイント:名古屋コーチンの焼き鳥を食べたければこの店!

ききや

 「フォルティシモ・アッシュ」があるセントラルガーデンの近くの居酒屋。店内に入ると、カウンターの他に掘りごたつの小上がりがある。メニューは目移りするほどの品揃えであるが、新鮮な魚が素晴らしい。特に刺身が良く、食べたい刺身を3~4点くらい選べば、定番の「名古屋コーチンささみ霜降り」や他のお勧めと共に盛りつけて出される。他にこの地方らしい料理といえば、「飛騨牛の朴葉味噌焼き」や「和牛すじどて煮」など。「朴葉味噌焼き」は脂身が多いが、味噌の甘さが抑えられていてとても美味しい。「トマトの日本酒漬け」など一見ミスマッチなメニューは、逆に店主のセンスを感じさせる逸品だった。店員の対応も良く、お酒は日本酒よりも焼酎のラインナップの方が良かった。

千種区高見1-16-7 ベネッセ高見1階   
電話:052-757-5223
定休日:日曜・祝日
営業時間:17時~23時半
予算:飛騨牛じゃがまん680円、トマトの日本酒漬け480円、懐石コース4000円、5000円、7000円
アクセス:市営地下鉄・東山線「池下駅」1番出口を出て、右の「ミスタードーナツ」、「サークルK」方向へ進む。次の信号を左折し、「とりとり亭」、「新甫」を過ぎた信号を右折すると、道が広くなって右にタワーマンションが見える。「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ ナゴヤ」、「梨杏茶楼」、「メゾンカイザー パリ」、「フォルテシモ アッシュ」の順で有名店が並んでいる。「フォルテシモ アッシュ」を過ぎて信号を渡りとすぐ左側。市営地下鉄・東山線「池下駅」から徒歩10分。
最寄りのランドマーク:セントラルガーデン
お勧めポイント:鮮魚料理が美味しい優良居酒屋

名古屋コーチン 鳥しげ

 名古屋コーチンの専門業者が営む焼き鳥店。使用している肉は全て「純系名古屋コーチン」。弾力ある肉はとても濃い味がして美味しいので、是非とも塩で単品注文することをお勧めしたい。店内にはカウンター9席の他、小上がりとテーブルスタイルの個室がある。焼き鳥の他、「コーチンピリ辛炒め」、「コーチン親子だし巻き玉子」、「コーチンどて煮」、「コーチン肝味噌カツ」、「八丁味噌大根」といった“おばんざい”料理も充実している。また、最後を飾る締めには、「コーチン親子丼」やラー油が効いた「鶏のつけ蕎麦」などといった魅力的なメニューもある。

中区錦3-18-21 東京第一ホテル錦1階   
電話:052-972-1331
定休日:日曜
営業時間:11時~14時半、17時~22時半
予算:ソリレス、せせり、親鳥もも各350円、名古屋コーチン8本コース4300円
アクセス:市営地下鉄・東山線、名城線「栄駅」1番出口を出て逆向きの錦通りを右折。「デイリーヤマザキ」を過ぎるとすぐ右。ホテルに入り、右奥に進んで自動ドアを出ると、食べ物横町のようになっている。栄駅から徒歩2分。
最寄りのランドマーク:東京第一ホテル錦
お勧めポイント:純系名古屋コーチンにこだわった焼き鳥店

おでん&ワイン カモシヤ

 栄にある名古屋味噌おでんの専門店。この味噌おでんの特徴は、他店に比べて味が薄いこと。もしも薄いと感じた方は、テーブルにある味噌ソースをつけて食べるというスタイルらしい。味噌おでん専門店と言っても、「すじ煮」や「アンチョビポテト」、「自家製オイルサーディン」など、他のつまみ類も充実している。また、この店のオリジナルメニュー「名古屋ハヤシ」は、リゾットのように歯ごたえを残した麦飯とデミグラスソース、さらに赤味噌などを使ったハヤシライス。ちなみに、味噌おでんのベストパートナーである“味噌串カツ”は、残念ながらやっていない。

中区錦3-16-8 森万ビル1階   
電話:052-963-6730
定休日:日曜
営業時間:18時~24時
アクセス:市営地下鉄・東山線、名城線「栄駅」3番出口を出て直進するとすぐ左側。栄駅から徒歩4分。
最寄りのランドマーク:ルイヴィトン
お勧めポイント:名古屋味噌おでんの専門店

空(SORA)金山店

 金山駅近くにある雰囲気の良い居酒屋。料理はどれも美味しく、居酒屋と言うより日本料理店と表現した方がふさわしい。「而今」、「黒龍」、「義侠」など、日本酒の品揃えはまあまあだが、焼酎の品揃えはかなりのもの。3800円と5000円の懐石コースがお得であるが、豊富なメニューの中からお好きなものを注文した方が楽しい。先ずは、日本酒と名物の「蟹入りはんぺん」、「砂肝のラー油漬け」とその日の魚の刺身などを注文するのがお勧め。最近アクセスの良い【伏見店(052-203-2551中区錦1-5-11伊藤忠ビル地下1階)】がオープンしたので、金山に宿泊しない方はそちらを利用した方が良いかも。

【金山店】
中区金山1-6-7 金山岩瀬ビル1階   
電話:052-322-1057
定休日:日曜(月曜が祝日の場合には月曜)
営業時間:17時~23時
予算:砂肝のラー油漬け500円
アクセス:市営地下鉄・名港線、名城線「金山駅」改札口を出て、「日本特殊陶業市民会館(旧・中京大学文化市民会館) 」方面の6番出口から出る。「野村證券」角を右折し、「日本特殊陶業市民会館」裏のY字交差点左側通沿い。金山駅から徒歩3分。
最寄りのランドマーク:日本特殊陶業市民会館
お勧めポイント:料理が美味しいハイセンスな居酒屋

納屋橋かりんとう

 この店は、女性店主・岩田さんを含めてスタッフ全てが女性である。そのためか、雰囲気はとても明るく活気があり、客層もかなり若めである。入り口の方はカウンターと2人席が並んでいてかなり狭いが、奥には広めのテーブル席がある。カウンター前には大皿料理が並んでいるので、一見“おばんざい”の店にも思えるが、料理は日本料理をベースとした多国籍料理である。もしもカウンターに座ったなら、日替わりの食事メニューとお酒のメニューが黒板に書かれてあるので、目の前の大皿の料理と見比べながら注文しよう。料理は洗練された味わいというほどのものではなかったが、アイディアに富んだメニューとそのボリュームには“また来たいなあ”と思わせる何かを感じる。

中村区名駅5-33-21 アクアタウン納屋橋1階   
電話:052-563-3383
定休日:日曜・祝日
営業時間:平日:11時半~13時半、18時~22時、土曜:17時~22時
予算:イワシの竜田揚げ580円、ムール貝のバター焼き680円、和牛のタタキサラダ780円、肉じゃがコロッケ380円
アクセス:市営地下鉄・東山線、鶴舞線「伏見駅」8番出口を出て、広小路通に沿って進む。「ヒルトンホテル」を過ぎ、納屋橋を渡って「domani」が入っているビルの角を右折するとすぐ右側。伏見駅から徒歩8分
最寄りのランドマーク:納屋橋
お勧めポイント:エネルギーを感じる女性スタッフの居酒屋

いぶし 串銀

 名鉄・清水駅前にある“静岡の食”を楽しめる焼き鳥店。刺身に静岡産生ワサビが付いてきたり、魚粉のかかった黒い「静岡おでん」や歯ごたえのある「富士宮やきそば」があるなど、静岡に対するこだわりが感じられる。この店の名物は、新鮮な朝引き地鶏の刺身で、特にフォアグラのような「赤鶏の油肝」が有名。僕は生レバーが苦手なので食べなかったが、食べログなどでは絶賛する意見も。地鶏を使った焼き鳥はそれなりに美味しいので、レバー以外は塩で食べることをお勧めする。この店がさらに良いのは、日本酒が充実していること。この日は、三重県津の銘酒「而今」が2銘柄あったのにはビックリ。

北区清水2-4-6 清水ビル1階   
電話:052-930-8894
定休日:月曜
営業時間:17時~翌1時
予算:静岡おでん120円~150円、焼き鳥丼温玉のせ600円
アクセス:名鉄瀬戸線「清水駅」を出て目の前。清水駅より徒歩1分。
最寄りのランドマーク:名鉄瀬戸線「清水駅」
お勧めポイント:静岡にこだわった焼き鳥店

くるみ

 ミュージシャンなどの有名人が名古屋に来ると必ず立ち寄る鉄板焼き店。とにかく混んでおり、僕が予約を取れたのはオーダーストップ直前10分前。店内に入ると関西の鉄板焼き店とは雰囲気が異なり、まるで大衆居酒屋風。値段の書いていないメニューの中から取り急ぎいろいろなものを注文。食べた結論としては、お好み焼きやネギ焼きなどの粉ものは、関西人が食べたら怒り出すかも知れないレベル。しかし、つまみ類は突き出しの「マカロニサラダ」からして美味しい。他に「ポテトコンビーフ」、「どて煮」など、どれも塩味が効いていてビールによく合う。周りを見渡してみても、ほとんどの人が美味しいつまみでビールを、という鉄板焼居酒屋的な使い方をしていた。

中区新栄2-1-44 シャトームラセ1階   
電話:052-242-1915
定休日:日曜・祝日
営業時間:17時半~23時
予算:4000円前後
アクセス:市営地下鉄・東山線「新栄駅」2番出口を出て、錦通を出口の反対方向へ向かう。次の信号を左折し、「トランクルームのQuraz」の看板の方向へ信号を渡る。そしてすぐに左斜めの飯田街道に左折したらすぐ左側。新栄駅から徒歩5分
最寄りのランドマーク:トランクルームQuraz