
2022年4月から病棟医長を務めさせて頂いている齋藤 理幸と申します。日常の病棟業務に関して、副病棟医長の木嶋 理紀先生や病棟チーフの先生方の強力なサポートをはじめ鎌田病棟師長や他のスタッフにも支えられ、増え続ける手術患者に対応しながらなんとか病棟を運営しております。臨時手術などで病棟業務に対応できないことも多くあり、どんなときにも能動的にカバーしてくれる皆の優しさを身に染みて感じております。
2023年の変革を振り返って
2023年の眼科病棟における変革を振り返ってみて、オンコール制に関しては概ねうまく回っていると認識しています。当然ながらたまに電話に出ることが出来ないと言った不備を聞くことはありますが、実運用に関して大きなトラブルはなく医局員の負担の軽減に大きく貢献してくれていると感じています。病棟チーム制に関しては、2024年度は長谷 敬太郎チーフ(Aチーム)、菊地香澄チーフ(Bチーム)、清野 有紀子チーフ(Cチーム)が日々目まぐるしく変化し増加傾向にあるオペ組みや入院患者の調整に週替わりで対応しくれています。また、2024年度から開始した2週間に一度行っている病棟カンファレンスを通じて、医師看護師を含む病棟スタッフの連携がこれまでより円滑になったと感じています。
今後の病棟のあり方について
10月初頭の報道にもありましたが、全国に42ある国立大学病院の2024年度の収支が、全体で235億円の赤字になる見込みと公表されました。単純計算で一病院あたり5.6億円の赤字になります。これに対する国の方針は、診療報酬の改定ではなく病院のダウンサイジングになると言われています。実際に1月から大学病院全体の病床数が削減され、眼科病床も35床から33床に削減されます。その中で現在のところ病棟稼働率を主に重視した変革が必要で、退院日を病棟稼働率を重視して決定するなどの対処が必要になります。従来の感覚であれば収支を基準にした入院期間の調整には後ろめたい気持ちを感じてしまうかも知れませんが、収支を重視する一法人として考えると今後必要なことかも知れません。さらに今後のことを考えると、DPCの「入院期間」に応じた入院期間の調整や科を超えた病棟数の調整が求められるかもしれません。幸い眼科単体としては大きく黒字を維持していますが、その中で地域の医療と病院の経営に関してどのように貢献していくか考えていく必要があります。2030年の北大病院新入院病棟の建立に向けてこれからも変革が続くでしょう。
頼りにされる中核病院として教育機関としての大学病院を目指して
これまでと相変わらず大学病院の入院・手術件数は増加傾向にあります。そのような中、可能な限り患者を受け入れるのが中核病院としての大学病院の責務と考えており、御紹介いただいた際には待機手術・臨時手術を問わず基本的に断らない方針としています。2023年に引き続き、網膜剥離や緑内障発作などの臨時手術が420件と大幅に増加し、地域医療に少しでも貢献できたと感じております。 研修医・医局員・病棟看護師・術場看護師をはじめ他の病院スタッフの皆様も、増加し続ける臨時手術・入院患者数への対応など本当に多忙で大変であると思います。大学病院としての責務を果たせるのも、忙しい中懇切に対応していただいた全てのスタッフのみなさまのおかげと感謝に堪えません。今後とも皆ができるだけ楽に働きやすく、患者さんが安心してより良い医療を受けられるような病棟運営を心掛ける所存です。今後とも地域医療に貢献し頼りにされる大学病院を目指して頑張りますので、何卒宜しくお願い申し上げます。