財務医長挨拶

 財務医長挨拶

 この度、加瀬諭前財務医長の後任として、北海道大学病院眼科の財務医長を拝命いたしました齋藤理幸でございます。2025年度における当科の運営状況と財務概況についてご報告申し上げます。前財務医長が確立された、診療、教育、研究、運営の四領域における数値目標設定と達成評価の仕組みは、当科の発展を支える重要な基盤となっております。私たちはこの体制を引き継ぎ、昨今の厳しい医療経済環境下においても、大学病院眼科としての社会的使命の遂行と、安定的かつ強固な財務基盤の構築を両立させるべく、教室員一丸となって尽力しております。

 2025年度第2四半期(4月~9月)の概況をご報告します。原材料費や光熱費高騰により、病院経営は「非常に厳しい」状況が続いていますが、当眼科は各部署の尽力で堅調な実績を維持しています。当該期間の総稼働額は8億6,348万2,068円となり、前年同期比で9,502万2,912円増加を達成しました。年間目標額(14億7千万円)に対する進捗率も9月時点で58.55%に達し、目標を上回るペースです。皆様の専門医療提供と運営努力の成果であり、深く感謝いたします。

 当期の増収要因を分析すると、「診療単価の向上」が収益を牽引しています。患者数は微減傾向ながら、質の高い診療と専門治療の提供により単価が増加し、患者数減少を補う増収となりました。外来部門は前年同期比で約1億782万円増加し、年間目標(4億3千万円)に対して半年の期間にして75.12%の達成率です。病棟でも病床稼働率は100%と良好です。入院稼働額は前年同期比で約1,280万円減少しましたが、手術待機期間短縮や効率的運用の成果です。疾患別稼働額(手術あり患者のDPC分析)では、緑内障や白内障、黄斑疾患は減少していますが、角膜移植分野は年換算で約1億7,714万円増加、網膜剥離も約3,409万円増加しており、収益構造の新たな柱となっています。専門性が高く難易度の高い手術へのシフトが進んでおり良い傾向だと考えられます。

 現在の実績から、特段の外部変化がなければ2025年度通期の収益は2024年度を上回る見込みです。しかし現状に満足せず、更なる安定化と組織強化のため、二点に注力します。一つはDPC適正化の推進で、病床稼働率を維持しつつ入院期間の適正化と病床回転率向上を目指します。もう一つは治験・臨床研究体制の強化で、治験件数増加に対応し視能訓練士(CO)など医療技術部門の人員確保を進めます。治験収入の強化は財務の柱であり、治験専門COの配置など体制強化に努めます。

 安定した財務基盤の構築は、それ自体が目的ではありません。診療の質の向上を通じて得られた収益を、科研費獲得の支援や若手医師・眼科専門医の育成といった「教育・研究活動」へ還元し、未来の眼科医療を創造することこそが私たちの使命です。

 今後も、石田診療科長、安藤医局長、木嶋病棟医長、董外来医長、鎌田看護師長、そして病院事務部門と緊密に連携し、透明性の高い財務運営を目指してまいります。教室員の皆様におかれましては、引き続きのご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

 

眼科収益推移