石田 晋

 2011年4月より「臨床指導医育成プログラム」(以下、「育成プログラム」)がスタートしました。これは、白内障プラスαの専門分野の技術を習得してもらう教育システムで、将来の指導者を育成することを目的とします。「育成プログラム」を卒業した医局員は、北大または関連病院で活躍していただき、習得した技術を後輩に伝えて、さらに新たな指導者を育成します。また、これにより北大の関連病院のいくつかが「センター病院」として、白内障プラスαの特色を持つ教育施設として機能することになります。これは、関連病院にとっても、開業クリニックや他の眼科施設との差別化という意味で有益なことだと思います。

 各プログラムの指導医たちは、明文化された「プログラムメニュー」を作成し、施設間で共有しています。これによって、「センター病院」でも「プログラムフェロー」が指導を受けられることから、北大眼科一施設だけではできなかった教育の効率化やスピードアップを図ります。フェローの進捗状況について指導医たちが連絡を取り合うことにより北大と関連病院とのコミュニケーションも活性化します。フェロー希望者(=数年後の指導医の候補)が出ると、該当コースの指導医とスタッフ会議(=人事委員会)で相談しながら、将来構想を練ります。これによって明確な目的を持った人事が推進されると考えています。

 指導医たちは、明文化されたメニューに沿いながらも臨機応変に若手フェローを指導しています。さらに、「臨床論文ミーティング」を各プログラムで立ち上げ、フェローは臨床技術のみならず、論文作成の指導も計画的に受けられます。この「育成プログラム」がうまく機能することによって、これらの専門分野を確立した指導医および「センター病院」が今後も増え続けていくことが期待されます。今後の北大眼科が関連病院を含めてさらに大きく発展し、北海道の眼科の医療レベルがなお一層向上することを願って止みません。

 

2024年 育成プログラム指導医

 

臨床指導医育成プログラム体験談

2023年 渡邉 竜也(眼形成)

2022年 酒井 正人(網膜硝子体)

2022年 菊地 香澄(緑内障)

2021年 荻野 陽(ぶどう膜)

2020年 新海 晃弘(緑内障・神経眼科)

2019年 品川 真有子(網膜硝子体)

2019年 水門 由佳(眼形成)

2016年 鈴木 智浩(眼形成)

2015年 木嶋 理紀(緑内障)

2015年 加瀬 諭(網膜硝子体)
2014年 野崎 真世(神経眼科)

臨床指導医制度の修了体験談

2023年 長谷 敬太郎(ぶどう膜炎)

2021年 金谷 莉奈(緑内障)

2020年 田川 義晃(角膜)

2018年 木嶋 理紀(緑内障)

2017年 安藤 亮(網膜硝子体)

2017年 岩田 大樹(ぶどう膜炎)