臨床指導医制度の修了体験談(ぶどう膜)

 臨床指導医制度の修了体験談
長谷 敬太郎

 

 私がぶどう膜炎トレーニングプログラム(TP)に入ったのは、大学院生を卒業した翌年の2020年度です。留学前に1年間研修させていただきました。大学院生の時から週に1回ぶどう膜炎外来に出ていたので、私にとっては身近なグループでした。TPに入るきっかけは、大学院卒業前に、南場先生はじめ岩田先生や水内先生に勧誘していただいたことです。もちろん、学問としてもぶどう膜炎をはじめとする炎症性眼疾患に興味がありました。

 ぶどう膜炎診療の面白いところは、眼科的な画像検査のみならず、採血や胸部レントゲン、PCR検査などの全身検査を駆使して総合的に診断、治療を行うところです。ただ、一般的に眼科医はあまり使用することのないステロイド薬や生物学的製剤を使用するため、全身的な副作用に悩まされることも多々あります。

 指導医である南場先生は、診断がつけられない症例に遭遇した際に共に診察し治療方針を検討してくださるほか、手術の際も快く助手に入って指導してくださり大変心強い存在です。また、隔週で行っているぶどう膜炎カンファレンスでは、新患に来た全症例を把握することができ、とても勉強になっております。その際に、南場先生の経験に基づく診断や治療のポイントは教科書には書いていないことばかりで、とても貴重です。まだまだ研修中の身ではございますが、今後はTPで学んだことを後輩に伝えていけたらと思っております。まだまだ時間はかかりそうですが、今後もご指導・ご鞭撻のほど何卒よろしくお願いします。

指導医から一言:南場 研一

 長谷先生は表面的には穏やかで少し引っ込み思案な感じを受けるかもしれませんが、仕事は淡々と真面目にこなすタイプで、見ていて不安要素が少ない先生です。一時留学のためにTPを離れていましたが、帰国後はすぐに臨床の勘を取り戻し、ぶどう膜炎外来、併発白内障手術を熱心に取り組んでいます。

 唯一心配なのは、何でも仕事を抱え込んでしまうところです。他の医員や後期研修医に頼んでも良さそうなことを自分でやってしまうので、見ていて大変そうです。スタッフとして教育主任の仕事もありますので、人一倍おそくまで仕事をしているように思います。むしろ指導する立場になって、自分だけでやるのではなく培ったノウハウを後進に教えていくことを学んでくれるともっと成長するでしょう。北大眼科ぶどう膜炎グループ、そして眼炎症学会の一員として今後活躍することを期待しています!