教育主任挨拶

 2023年4月より、教育主任を拝命しました長谷です。ここ数年は新型コロナウイルスの流行による影響で学生講義は臨床実習も含めWeb講義が主体でしたが、2023年度から対面式へと戻り、時代の変化を感じております。眼科学教室は2021年度と2022年度と2年連続で学生教育が評価され、「優秀科目賞」を受賞しております。2021年度、2022年度の教育主任であった岩田先生や董先生をはじめ、毎回熱心な学生指導をしてくださる先生方にはこの場をお借りし感謝申し上げます。今後もこの教育体制を維持するのみではなく、学生、教員双方の意見を参考に、改善できる点は改善し、より良い教育体制を目指していきたいと考えております。

 さて、ここからは北大眼科の教育体制について、これまでとの変更点を中心に紹介させていただきます。

 

1.カンファレンス

 新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴い、2023年度よりカンファレンスを行う場所が眼科医局のカンファレンスルーム(CR)に戻りました。以前はセミナー室でカンファレンスを行なっていましたが、この部屋は広く縦長であり、後方席では発表者のスライドがはっきり見えない上に声も聞こえづらいため、マイクを使用してのカンファレンスとなっていました。医局CRに戻ったことでそういった煩わしさがなくなり、発表にも集中できるようになりました。

 また、毎週月曜日のカンファレンスが再開し、術前検討及び学会予行を行っているほか、毎週水曜日にはクリニカルカンファレンスも再開し、外来で遭遇した珍しい症例や新たな手術方法など、臨床的な内容を医員の先生方に順番に発表してもら っています。日々の多忙な業務の中での発表準備は大変ではありますが、新たな知識を共有するとても良い機会となっています。そのほかにも、イブニングクルズスという専門医未取得の先生方を対象とした講義を行っています。外部にいらっしゃる同門の先生方にも講義を依頼し、各分野のエキスパートから直接教えを請う機会を設けることで、眼科専門医試験の高い合格率を継続できていると考えております。

 

2.診察教育

 後期研修医は病棟係と外来係と2グループに分かれて半年ずつ研修を行っています。外来係は新患で来たほぼ全症例を最初に診察し、その後各専門外来の医師が再度診察しています。上級医と所見や治療方針の確認を行うことで、広範囲に渡る疾患に短期間で効率よく触れることを狙いとしています。また、病棟係に関しては、2023年度から新たなシステムとして毎日10時からの回診を導入し、主治医及び担当医が不在でその日まだ診察されていない入院中の患者を上級医と共に診察することとなりました。術後翌日の初回診察のこともあり、上級医と診察を共にすることで、診察技能の向上の場になることを目的の一つとしています。

 

3.手術教育

 後期研修医の白内障手術デビューは、通常病棟係になって数か月を経過してからとなります。助手に入る先生はどんなトラブルが起きてもリカバリーできるような白内障手術のエキスパートにお願いしております。手術終了後は録画動画をみながら手技の一つ一つを確認し、上手くいった点及び改善点を議論することで、スキルアップの場となっています。関連病院に手術の助手に行くと、後輩がとても上手になっていて驚くことが多々あります。症例数を積んだことや、個人の努力、関連病院の先生方の熱心なご指導による部分が大きいかもしれませんが、当院での基本指導もその一助となっていると信じています。

 

 

 このように、北大眼科では、幅広い分野を満遍なく学び、成長できるような教育環境を整えております。今後もこの充実した指導体制を維持しつつ、より良い教育環境を提供できるよう時代に合わせて柔軟に対応していく所存です。関連病院の先生方におかれましても、引き続きのご指導・ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い致します。