

教授 〔学内兼務〕
石田 晋
出身大学 慶應義塾大学 1990年卒
専門外来 眼科一般
研究分野 眼細胞生物学、視覚科学
准教授 〔学内兼務〕
野田 航介
出身大学 慶應義塾大学 1995年卒
専門外来 黄斑(責任医師) 網膜硝子体、眼循環代謝
研究分野 網膜細胞生物学(血管)(グループチーフ)
特任助教
村田 美幸
出身大学 北海道教育大学 1996年卒
専門外来
研究分野
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眼循環代謝学分野は、眼底写真や光干渉断層 計、眼底血流評価装置などの非侵襲的検査によ って得られる眼底情報解析に関する研究をおこ ない、その成果を眼科臨床にフィードバックす ることを目的として、2010年に株式会社ニデ ック様のご厚意により第一期が開設されたもの です。
これまで、laser speckle flowgraphyなど の機器を用いて様々な網脈絡膜疾患の脈絡膜循 環動態とその形態について検討してきました。 そして、脈絡膜を中心に炎症を来たすフォーク ト・小柳・原田病などの疾患におけるその知 見を脈絡膜の「炎症性パターン」と、一方で 交感神経亢進が病態に関与する非炎症性疾患 のcentral serous chorioretinopathyを「非 炎症性パターン」と定義し、多くの疾患におけ る脈絡膜血流の病態関与を研究してきました。 さらに最近では、白血病網膜症患者の治療後に 視機能や眼底所見の改善とともに脈絡膜厚は減 少し、脈絡膜血流速度が上昇することを見出し ました。本疾患でも炎症性疾患と同様に急性 期に脈絡膜厚が増加し、脈絡膜血流速度が低 下していたため、この変化を「偽炎症性パタ ーン」と新たに提唱し、論文報告を致しまし た[Takita A et al. Am J Ophthalmol Case Rep. 2018]。
また、「生活習慣病に由来する眼疾患を対象 とした診断機器の新規開発および診断機器を用 いた眼底画像情報の客観的評価法の確立」と銘 打って試行錯誤している眼底画像解析ソフトの 開発プロジェクトでは、機械学習を用いた血管認識ソフト開発に現在取り組んでおり、これま で蓄積された膨大なデータを用いた検討をお こなっております。さらに、ゴニオスコープ GS-1という360度の隅角撮影をおこなう機器 に関する研究もおこなっております。
今年度は当該分野の第三期最終年度にあた り、次年度から開始される第四期事業に向けた 準備が現在おこなわれております。ここに改め まして、本分野の開講と研究遂行にご尽力いた だいております株式会社ニデックの小澤 素生 社長ならびに関係者の皆様方に厚く御礼を申し 上げます。
今後ますます当該研究領域の発展につながるように、引き続き研究活動を進め、新しい眼底情報解析装置の開発に寄与していきたいと考えております。
野田 航介