病棟医長挨拶

 

前任の安藤 亮先生から引き継ぎ、2022年4月から病棟医長に就任致しました齋藤 理幸と申します。謹直な前病棟医長が難なくこなされていた膨大な量の業務に対して、慣れないながらも木嶋 理紀副病棟医長の強力なサポートをはじめ鎌田病棟師長や優秀な後輩たちやスタッフに支えられながら四苦八苦しながらなんとか病棟を運営しております。ミスが発生しやすい手術組みやベッド調整・患者の対応に至るまで、多くの業務量を当たり前のことですがとても一人ではこなすことができず、どんなときにも能動的にカバーしてくれる皆の優しさを身に染みて感じております。

「COVID-19の影響」

さて、COVID-19の感染者数は2021年度と比べて増加し、4月、8月、11月と三回のピークを経て様々な影響が出てきており、2022年度は感染者・濃厚接触者が身近なところで増加してきたことを実感として特に感じています。実際に医局員・病棟看護師・手術室看護師・視能訓練士や患者さんに至るまで、多くの方が実際に感染者・濃厚接触者となりました。そのなかで、患者さんの発熱による入院のキャンセル、入院時のPCR検査での陽性、入院後の発症またスタッフの欠勤による手術組みの調整や入院手術数の削減などは最早日常茶飯事で、その対応に追われる毎日でもあります。しかしながら悪いことばかりでもなく、システム的な点ではコロナ病棟への医局員の派遣の中止、入院日より前のPCR検査の容認、濃厚接触後の待機期間の若干の短縮や臨時手術時の対応の緩和など以前と比べれば運用しやすくなっていることも事実です。2023年度はCOVID-19が5類感染症に変更になる可能性があり、その場合屋内でのマスク着用が原則不要となり濃厚接触の定義も見直されるでしょう。一日でも早く収束することを祈るばかりです。

「頼りにされる中核病院・教育機関としての大学病院を目指して」

コロナ禍の中、他病院でも入院や手術の制限が変わらず行われているようです。そのような中、可能な限り患者を受け入れるのが中核病院としての大学病院の責務と考えており、御紹介いただいた際には待機手術・臨時手術を問わず基本的に断らない方針としています。そのため、2022年は網膜剥離や緑内障発作や眼球破裂などの臨時手術が333件と大幅に増加し、地域医療に少しでも貢献できたかなと感じております。その一方で、大学病院としては診療に主軸を置くことによって教育の面を疎かにすることはできず、限られた手術枠の中で白内障手術をはじめとした手術教育を行う必要があります。そのため、手術室と折衝し研修医や医員の先生たちの協力を得て灌流装置を自己操作することによって3列並行灌流装置稼働を行い何とか白内障手術をはじめとした手術教育数を減らすことなく対応できたことに安堵しています。 研修医・医局員・病棟看護師・術場看護師をはじめ他の病院スタッフの皆様も、増加した臨時手術・入院患者数への対応など2022年は本当に多忙で大変な一年間だったと思います。大学病院としての責務を果たせるのも、忙しい中懇切に対応していただいた全てのスタッフのみなさまのおかげと感謝に堪えません。今後とも皆ができるだけ楽に働きやすく、患者さんが安心してより良い医療を受けられるような病棟運営を心掛ける所存です。今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。