病棟医長挨拶

 

 2022年4月から病棟医長を務めさせて頂いている齋藤 理幸と申します。4年前から始まったCOVID-19のコロナ禍が漸く収束し、2023年5月に5類感染症に引き下げられました。その中で、眼科病棟でもCOVID-19を特別に意識することはほぼなくなり安定した日常が戻ってきたと感じております。日常の病棟業務に関して、副病棟医長の木嶋 理紀先生や病棟チーフの先生方の強力なサポートをはじめ鎌田病棟師長や他のスタッフにも支えられ、増え続ける手術患者に対応しながらなんとか病棟を運営しております。臨時手術などで病棟業務に対応できないことも多くあり、どんなときにも能動的にカバーしてくれる皆の優しさを身に染みて感じております。

眼科病棟における二つの変革

 さて、2023年度は眼科病棟において大きな変革が二つありました。 一つ目は、オンコール制の導入です。これまで、大学病院では他の病院と異なり病院全体ではなく各科ごとに日当直が配置されておりました。一部のスタッフから研修医まで月に1~5回ほどの日直当直があり、病院に泊まることになるため医局員の大きな負担になっていました。しかしながら、大学病院全体の働き方改革の一環として眼科では他科に先駆け2022年9月からオンコール制が導入されることになりました。オンコール用の携帯電話を所持していれば自宅での待機もOKとなり、またオンコール用のノートパソコンも各科に2題ずつ支給されたことにより遠隔での病棟業務がある程度可能になりました。このシステムの画期的なところは、PNV(プライベートネットワーク)を介して院内の電子カルテに接続する(病院にある端末の画面をノートパソコンに表示する)ためノートパソコンを紛失しても端末にデータが残 っていないため個人情報への影響を最小限に抑えることが出来ます。日々診療や研究にいそしむ医局員の負担が軽減される良いシステムであり、今後も働き方改革による陽の側面によって労働環境が良くなることを願います。

 二つ目は、病棟チーム制の導入です。本制度の主旨は、「病棟業務を円滑に行うために全ての医局員が積極的に病棟業務を学び参加するとともに、病棟業務の割り当てと責任を明確にする」ことにあります。私と木嶋 理紀副病棟医長以下、全ての医員をAチ ーム(長谷 敬太郎チーフ)、Bチーム(菊地 香澄チーフ)、Cチーム(田中 孝幸チーフ)に組分けし日々目まぐるしく変化し増加傾向にあるオペ組みや入院患者の調整に週替わりで対応してもらっております。同時に平日回診制度も導入することによって出張などで不在時の診察もれなどの減少と回診業務の効率化をはかることが出来ました。こられの病棟業務の再分配により負担が増える医員もおりますが、各医局員の業務負担の適正配分がなされたこととオペ組などを全員が経験してシステムを把握することによって、より能動的な病棟運営が可能になったと感じております。

頼りにされる中核病院として教育機関としての大学病院を目指して

 コロナ禍が収束したにも関わらず、地域事情により相変わらず大学病院の入院・手術件数は増加傾向にあります。そのような中、可能な限り患者を受け入れるのが中核病院としての大学病院の責務と考えており、御紹介いただいた際には待機手術・臨時手術を問わず基本的に断らない方針としています。2022年に引き続き、網膜剥離や緑内障発作などの臨時手術が417件と大幅に増加し、地域医療に少しでも貢献できたと感じております。 研修医・医局員・病棟看護師・術場看護師をはじめ他の病院スタッフの皆様も、増加し続ける臨時手術・入院患者数への対応など本当に多忙で大変であると思います。大学病院としての責務を果たせるのも、忙しい中懇切に対応していただいた全てのスタッフのみなさまのおかげと感謝に堪えません。今後とも皆ができるだけ楽に働きやすく、患者さんが安心してより良い医療を受けられるような病棟運営を心掛ける所存です。今後とも地域医療に貢献し頼りにされる大学病院を目指して頑張りますので、何卒宜しくお願い申し上げます。