臨床指導医制度の修了体験談(網膜硝子体)

 臨床指導医制度の修了体験談
酒井 正人

 

 初期研修をしていた病院の眼科は他大学の医局の関連でしたが、そこは精力的に硝子体手術を行っている病院だったので、その頃から自然と硝子体手術に興味を持 っていました。

 

 北大の眼科に入局し関連病院での勤務を経て、ある程度の難症例まで白内障手術を一人でこなせるようにな った頃に、そろそろ自分も硝子体手術をやってみたいと思い網膜硝子体のトレーニングプログラムに参加させていただきました。

 

 はじめは上級医の先生方が何気なくやっている眼内レーザーでのPRPやポート部の縫合すらままならず、これは思っていたのと違うぞと焦りもありましたが、指導医の先生方のご指導のおかげで一つ一つ出来る手技が増えていき、なんとか独り立ちして手術を完遂できるようにまで育てていただきました。

 

 今は曲がりなりにもPDRやPVR、眼外傷なども執刀させていただいていますが、ことあるごとに手術の方針や新しい手技の相談にのってもらい、本当に難しい症例では助手に入ってもらいアドバイスを頂くなど手厚く指導いただき感謝しております。 外来でも非典型的な経過の症例や、鑑別が難しい症例、またFA/IAの読影などをご相談させていただき、日々大変勉強となっています。

 今後もより一層の成長ができるよう努力して参りますのでよろしくお願い申し上げます。

 

指導医から一言:高橋 光生

 酒井先生に対しては、「指導医」という認識が全然ありませんでしたので、原稿執筆依頼が来てびっくりしました。赴任時には網膜専攻医としてすでに充分な経験がありましたので、当院では稀な疾患や病態、特殊な手術手技などを補完したら、すぐに独りで手術できるようになりました。私がしたことと言えば、数々の自分の失敗例を話して、悲劇を繰り返さないようにしてもらったくらいです。

 開業医さんからの土曜日の緊急依頼手術も、私が月曜日に出勤した時には片付いていることが多々あり、非常に楽をさせてもらいました(感謝)。普段の勉強も怠らず、患者さんやスタッフへ接する態度も素晴らしいです。このままさらに飛躍し、多くの網膜硝子体専攻医を育ててくれることを願っています。