臨床指導医制度の修了体験談(ぶどう膜)

 臨床指導医制度の修了体験談
岩田 大樹

 

 ぶどう膜炎の臨床指導医育成プログラムの修了体験談を寄稿させていただきます。

 私が入局した当時のぶどう膜グループは北大の最大勢力だったこともあり、当初からなんとなくですが興味をもっていた分野でした。実際に初めての学会発表はぶどう膜炎関連のネタでしたし、大学院時代もぶどう膜炎の基礎研究で博士号を取得させていただいています。

 2014年4月に留学から復帰したことを契機として、本格的に南場診療准教授の下で勉強させていただきました。 ぶどう膜炎の臨床では、診断に至るために必要な検査の組み立て・消炎を得るための治療方針・手術に踏み切るタイミングや、炎症眼に対峙しつつ安全に手術を遂行するための確たる技術などなど要求されるものは多岐に及びます。学ぶべきことは多く、総合的な力量が試される疾患の一つであると思います。

 専門外来終了後のぶどう膜炎ミーティングは、診断へのプロセスや疾患の捉え方について学ぶ機会として大変有意義でした。

 また手術については、留学先から復帰当初はブランクもあり、勘を取り戻すことから始めざるを得ませんでした。段階的にぶどう膜炎の症例でみられるような全周虹彩後癒着を合併した白内障、成熟白内障、チン氏小帯の脆弱例などを扱う機会が増えていきました。また悪性リンパ腫を疑うような症例の硝子体手術やぶどう膜炎に伴う黄斑上膜の手術などもさせてもらっています。横でみている分には、膜処理もストレスなくされていますが、実際自分でやってみるとなかなか思うようにはいかないものです。見るのとやるのでは違うものだなと痛感させられることがまだまだあります。日々勉強!今後も研鑽を続け、理解・技術を高めていきたいと思います。

 

指導医から一言:南 場 研 一

岩田先生は大変温厚で優しい人柄で、患者さんへの応対、そして手術にもそれが表れています。ぶどう膜炎の手術は白内障手術ひとつとっても大変困難な症例が多いのですが、岩田先生はどのような局面でも動じることや焦ることなく自分のペースで手術を進めていきます。最初は思うように手が動かなくてもどかしく思うこともあったと思いますが、今では白内障手術はもちろん、硝子体手術も難なくこなせるようになりました。しかし、医学は日々精進です。これからも難症例に遭遇することもあるかと思いますが、1例1例しっかり向き合って岩田先生のペースでスキルアップしていって下さい。