網膜硝子体外来 Vitreo-Retinal Surgery
【責任医師】齋藤 理幸
【担当医師】董 震宇、清野 有紀子、横井 康一、谷向 哲矢、若林 彩乃

2024年度は、田中先生、秦先生が手稲渓仁会病院へ移動になり手稲渓仁会病院から清野 修平先生、帯広協会病院から有田先生が加わり総勢6名体制で診療を行っております。
北大網膜班では中核病院として地域医療に貢献するべくご紹介頂いた患者さんを断らないという方針のもとで、臨時手術を含めた全ての患者さんを広く受け入れております。道内や札幌で硝子体手術を行う施設が減少する中、増え続ける地域医療と地域の手術教育に貢献するべく、2024年度から硝子体術者の派遣を積極的に行い、総数では今までより多くの症例を診療することが出来るようになりました。ご協力いただいている諸先生方に深く感謝申し上げます。また、いつも精力的に手術をこなしてくれるトレーニングプログラム医師をはじめ研修医や外来・病棟・手術室など多くのスタッフの献身的な協力に大変感謝しております。
手術は主にトレーニングプログラム医師と指導医の組み合わせで行い、高い治療レベルを保ちつつ最大限の教育効果を得られるように取り組んでいます。手術手技は積極的に最新の方法を導入しており、眼内レンズ強膜内固定術や黄斑浮腫嚢胞切開術、黄斑下出血に対するtPA網膜下注入、網膜切開をすることなく網膜下増殖を除去する経強膜網膜下増殖除去法など最新の治療を行っています。特に、原因のはっきりしない高齢者の硝子体出血に関しては網膜下出血を併発していることも多く、2週間以内の血腫移動術が有効と考えられているため可及的早期に治療する必要があります。また、増殖性硝子体網膜症や術後の非復位例においても硝子体の徹底的廓清による網膜復位を目指しており、ほとんどの症例で手遅れということはありません。患者さんの希望があれば、是非ご紹介頂きたく宜しくお願い申し上げます。
網膜グループでは手術だけでなく診療カンファレンスを毎週月曜日の夕方に開いており、全ての網膜外来新患症例の受診前後と造影検査症例・手術症例を皆でチェックして共有し検討することによって診療・診断レベルの向上に努めています。学会発表や論文などの学術活動も積極的に行い、2024年も多くの学会等に現地で参加し発表することが出来ました。
今後も網膜硝子体外来を宜しくお願い申し上げます。
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54歳男性 裂孔原性網膜剥離/増殖硝子体網膜症 ①術前 ②術後 ③術中所見 網膜下に直接トロカールを挿入して行う経強膜網膜下増殖除去法により最小限の網膜への侵襲で網膜下増殖を除去可能。 |