眼腫瘍・病理学

グループチーフ:加瀬 諭

眼腫瘍・病理学グループをご紹介させていただきます。眼病理学とは、病気の原因を追求する学問です。当グループは、手術時に採取された眼腫瘍、眼部増殖性病変の病理組織学的検討を主体に研究しております。実際には、眼付属器MALT リンパ腫、結膜扁平上皮癌、悪性黒色腫、IgG4関連眼疾患、翼状片、糖尿病網膜症の網膜前膜を用いて、種々の蛋白発現解析を行っております。分子生物学的には、VEGFの分解系を中心に研究を進めております。近頃は大学院生のLiu 先生が糖尿病モデルマウスの脈絡膜厚変化について、その病理学的機序を検討しております。つい最近、前部増殖硝子体網膜症を伴ったCoats 病の硝子体手術例を経験し、その増殖組織の病理学的所見をまとめ、採択されました(Kase S, et al. Int J Ophthalmol, in press: 図)。今後も大学院生、教室員と共にこのような病理学的研究を進め、病気の原因を突き止めるべく精進したいと存じます。今後とも本研究グループのご指導をよろしくお願い申し上げます。

 

PVRを伴ったコーツ病の増殖組織の病理組織所見を示す。Aにその弱拡大像を示す。細胞成分と空隙がみられる(A)。Bにその拡大像を示す。空隙はスリット状で、コレステリン結晶を反映している(B)。周囲には裸核状の細胞浸潤がみられる(B)。血管内皮細胞マーカーであるCD34の免疫組織化学所見をCに示す。所々に茶褐色に染色されるCD34陽性微小血管が混在している(C:矢印)。DにT細胞マーカーであるCD3の免疫組織化学所見を示す(D)。増殖組織内にCD3陽性T細胞の浸潤を伴っている(D)。