網膜細胞生物学(血管)

グループチーフ:野田 航介

 網膜細胞生物学(血管)グループでは、主として眼内における病理的血管新生をその原因とする疾患、例えば糖尿 病網膜症や加齢黄斑変性の病態メカニズムや創薬に関す る研究をおこなっています。これまで我々の研究グループ は重要なテーマとして「receptor-associated prorenin system(RAPS)」と「白血球接着分子vascular adhesionprotein-1(VAP-1)」に着目して検討を進めてきました。 RAPS に関する研究では、糖尿病網膜症などの病態形成 (慢性炎症・血管新生)に関与する鍵分子であることを、臨床 検体を用いた研究より明らかにしました。そして、現在様々な施設との共同研究を実施して、RAPSの機能解明および生理的機能への影響を最小限にしながら慢性炎症病態を抑制する早期介入治療戦略の確立を目指した創薬研究を行っています。 また、VAP-1に関する研究では、VAP-1が酵素として毒 性の高いアルデヒドを産生することを突き止め、糖尿病網膜症の病態において白血球遊走のみならず、モノアミン酸化酵素としても関与していることを明らかとしました。事実、そのアルデヒドが結合した蛋白は糖尿病網膜症患者の硝子体や線維血管組織に存在しており、その病態意義を現在検討しているところです。 他にも糖鎖関連の研究、VEGFファミリー分子に関する研究などがおこなわれており、今後さらに発展することを期待 しています。