研究主任挨拶

眼細胞生物学視覚科学研究室(Laboratory of Ocular Cell Biology & Visual Science)が発足して8年になります。これまで書かせていただいた研究主任挨拶を読み返してみますと、同門の先生方、医局の皆様、そして学外の多くの方々に温かく支えられ、本研究室が発展してきたことを改めて強く感じます。まずこの場をお借りして心よりの御礼を申し上げたいと思います。常日頃のご理解に心よりの感謝を申し上げます。
振り返りますと、昨年も多くの学術賞受賞がありました。まず、日本糖尿病眼学会の学術奨励賞「福田賞」を加瀬諭講師が、日本糖尿病合併症学会「young investigator’s award」を神田敦宏特任講師が見事受賞されました。その二つの学会は併催されましたので連日の受賞講演となり、北大眼科のプレゼンスが大変強く示されました。また、神田先生はバイエルレチナアワードやGlobal Ophthalmology AwardsProgram Research Award なども獲得しています。大学院生でも田川義晃先生や劉野先生がそれぞれ、わかもと先進眼科医療研究会Bronze Award や日本眼科学会展示優秀賞を受賞され、昨年も明るい話題に満ち溢れた北大眼科研究室でした。来年度もまた2名の若手医師が大学院入学を希望してくれております。皆様方のお力添えの下、ぜひともこの勢いとメンバーの明るさ(!)を保ちながら論文や学会報告も含めた多くの学術的発信をし、突き進んでいきたいものです。
一方で、これからも学術的に意義のある、眼科臨床に寄与する研究成果を発信していきたいものです。以下は、元日本学術会議会長 吉川弘之氏が新聞に寄稿された文章の抜粋です。「…時流に乗った研究を行い、論文をどんどん書かないと、研究費やポストの確保すら難しくなってきた。もちろん、さぼっている研究者は去ってもらうしかない。科学者は社会の要請をしっかり理解する必要もある。世の中から断絶した研究ではダメだと思う。だが、みんなが流行の研究ばかりしたり、論文の数ばかりを競ったりすれば、日本の基礎研究の良き伝統が失われてしまわないか。何事も競争競争になりすぎていないか。私はそれを恐れる。(2015年10月18日 読売新聞)」 昨今、日本からの科学論文は減少の一途をたどり、2012年から
2016年にかけて6%も下落したそうです。先の文章が前半部分で憂慮している、日本の基礎研究における競争力低下です。私たちの研究室も一層奮起しなければなりません。しかし、後半部分もとても重要なことを示唆してくださっていると私は感じます。
 臨床科である私たち北大眼科の研究室が、大学院生がよき臨床医となる教育の一環となる場所であることを、また研究活動とは何かを学ぶことができる場所であることを念頭に置き、また1年進んでまいりたいと思います。今後とも引き続きご支援のほどどうぞよろしくお願いいたします。