留学報告(米国セントルイス・ワシントン大学)

董 震宇

 2016年4月から、米国ミズーリ州セントルイスにあるワシントン大学に留学しております。ワシントン大学とだけいうと、よくワシントンにある大学だと誤解されがちですが、これはアメリカ建国者のワシントンにちなみ大学名をワシントンにしているだけで、英語の正式な表記はWashington University in St. Louisであり、よくWashUと略して呼ばれます。なお、アメリカ大統領選討論会はよくワシントン大学で行われ、今年の大統領選の第2回討論会の会場もワシントン大学でした。

 ワシントン大学は1853年に創立され、大きく7つの大学院と学部によって構成され、全米でトップレベルとされる教育機関のひとつで、特にメディカル・スクール(医科大学院)はその業績において世界的な知名度を誇っており、中規模な大学にもかかわらず、数多くのノーベル賞受賞者(22名)を輩出しています。私の所属するApte 教授の研究室では主にマクロファージに焦点を当てて、加齢黄斑変性などの血管病変に関する研究を行っており、現在ポスドクが2人、テクニシャン2人と医学生1人が在籍しております。私は1人で担当するプロジェクトがひとつ、慶應義塾大学からの伴先生と二人で担当するプロジェクトがひとつ、今年7月まで在籍したポスドクのプロジェクトがひとつ、臨床業務がまったくないのに、以前にもまして時間が足りません。幸い非常に雰囲気のよい研究室でお互いに助け合いながら一緒に仕事をしています。さらに幸運なことに私が渡米する前から、慶應義塾大学からすでに伴先生がいらしており、生活のセットアップから幼稚園、小学校の情報まで何かとお世話になっております。

 セントルイスは日本でよく治安が悪いと言われ(WikiPediaで検索してみてください)、来る前はかなり心配していましたが、来てみると、一部をのぞけば実はすごく住みやすい場所です。動物園、サイエンスセンター、いろいろな博物館、公園などもすべて無料で、実にfamily friendlyで大変気に入っています。またアメリカは高速がタダで、ガソリンも日本の約3分の1という安さで、車での遠出を楽しんでいます。

 最後に(人生2度目の)留学の機会を与えてくださった石田教授をはじめ、北大研究室、医局の先生方に心より感謝を申し上げます。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。