2015年4月1日より、北海道大学病院眼科財務医長として、勤務しております。これまで、当科の診療科目標では4つのカテゴリー:診療、教育、研究、運営について数値目標を検討しております。診療・運営面につきましては病棟稼働率、手術件数、平均在院日数について目標値の設定を各年毎に検討しております。網膜硝子体部門では、網膜剥離や眼内炎などの重症な手術加療を要する患者の受け入れ要請に対し、柔軟に対応することを挙げております。併せて、在院日数と包括医療費支払い制度(DPC)における入院期間の適正化についても、齋藤病棟医長、木嶋副病棟医長、鎌田師長や事務担当者と取り組んで参りました。DPCとは入院1日あたりの包括支払い方式であり、病名と診療内容をグループ化した上で、1日あたりの請求額を設定するシステムです。 2018年6月から2020年1月までのデータでは、眼科は優良な稼働率を維持しておりました。しかしながら新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、状況は一変しました。当該ウイルスに対する緊急処置や手術などにより、これまでの診療や手術枠の大幅な削減も余儀なくされました。しかし、2023年5月より政府の方針により新型コロナが感染症法上5類に分類され、状況は変化しております。感染者の管理は各病棟で行うことになり、一層の緊張感を持っての診療が持続しております。2023年の8月の段階では、病棟稼働率は良好な状態を維持しており、新入院患者数、手術件数(全身麻酔・局所麻酔とも)も上昇傾向を保っております。ひとえに鎌田師長を始め、臨床に従事する北大眼科医、看護師、病棟の感謝全ての協力の賜物を存じます。今後もこの良好な稼働率を維持しつつ、DPC入院期間II満期前退院患者や期間超えで退院する患者を検討し、さらなる収益向上に努めてまいりました。
外来では、経営企画課より7月5日(水)第1回財務担当者連絡会の「経営改善に向けた施策の取組み状況について」の中で、PET-CT検査の外来での受診を推奨されておりましたが、眼科は過去5年間で130件以上のPET-CTのオーダーがあり、外来での達成率が99%以上であり、非常に良好な結果で、経営改善に貢献しておりました。
病棟では引き続き、感染対策に留意しつつDPCに準じた各眼疾患への適正な入院期間の検討を行っております。研究面では科研費を始めとする外部資金の獲得を目指し、教育面では眼科専門医の取得人数を確保することが必要です。言うまでもなく、このような数値目標の設定、および達成度の評価は到底私一人では施行することは不可能であり、石田晋教授、安藤医局長、鎌田看護師長、齋藤病棟医長を始めとして、病院事務・医事科、経営企画課・経営分析係との連携も重要です。したがいまして多くの大学、病棟スタッフとともに、より良い経営を達成すべく努めていく所存です。今後ともご指導、ご鞭撻の程よろしくお願いします。