眼アレルギー外来 Ocular Allergy 

 

【責任医師】南場 研一

【担当医師】荻野 陽

 

 

 眼アレルギー外来では、主に春季カタル、重症アトピー性角結膜炎を中心に診断・治療をおこなっています。これらの疾患は角膜上皮障害から角膜混濁に至り恒久的な視機能障害が生じることがある重篤な疾患ですが、シクロスポリン点眼薬、タクロリムス点眼薬が奏効することは既にご存知のことと思います。しかしその導入期には感染症を否定もしくは治療する必要があることや、一旦ステロイド薬の併用が必要なこともありますので、一度ご紹介いただけますと幸いです。

 近年、アトピー性皮膚炎や喘息の治療薬としてIL-4/13を阻害する生物学的製剤であるデュピルマブ(デュピクセント®)が用いられるようになりました。2週間毎の皮下注射をおこなうもので、皮膚科や呼吸器科で処方されています。この製剤の副作用として結膜炎が報告されていますのでご注意ください。発症機序は不明ですが、ムチン産生細胞減少が病態に関与すると考えられています。

 春季カタル、重症アトピー性角結膜炎でお困りの症例がいましたらご紹介いただけますと幸いです。

デュピルマブ関連結膜炎
もともとアトピー性角結膜炎に伴う巨大乳頭に対しタクロリムス点眼で治療、巨大乳頭が消失していた症例。その後、デュピルマブ導入から7か月後に結膜炎が発症。巨大乳頭の再発はないが、球結膜充血、眼瞼結膜充血がみられる(2021年眼科アレルギー学会にて発表)。