網膜硝子体外来 Vitreo-Retinal Surgery
【責任医師】齋藤 理幸
【担当医師】加瀬 諭、董震宇、清野 修平、有田 拓矢、横井康一
2023年度は、野田 航介先生が御開業と共に網膜外来を離れ谷向先生が手稲渓仁会病院に移動、秦先生が手稲渓仁会病院から加わり総勢8名体制で診療を行っております。
現在、全道的に硝子体手術を行う術者・施設が減少するという事情があります。そのなかで、北大網膜班では中核病院として地域医療に貢献するべく御紹介頂いた患者さんを基本的に断らないという方針のもとで手術を受け入れております。2023年の集計では網膜硝子体手術件数が657件と2022年度に引き続き増加傾向にあります(2022年度比130%)。そのうち、臨時手術は270件であり裂孔原性網膜剥離が最も多く171件、次いで硝子体/黄斑下出血が41件を占めておりました。精力的に手術をこなしてくれるトレーニングプログラム医師をはじめ研修医や外来・病棟・手術室など多くのスタッフの献身的な協力に大変感謝しております。
手術は主にトレーニングプログラム医師と指導医の組み合わせで行い、高い治療レベルを保ちつつ次世代の硝子体術者を育てるべく最大限の教育効果を得られるように取り組んでいます。手術手技は積極的に最新の方法を導入しており、難治性黄斑円孔に対する網膜移植・網膜切開をすることなく網膜下増殖を除去する経強膜網膜下増殖除去法・黄斑浮腫嚢胞切開術・LHEP embedding・黄斑下出血に対するtPA網膜下注入など最新の治療を行っています。
また、網膜グループでは手術だけでなく診療カンファレンスを毎週木曜日の夕方に開いており、全ての網膜外来新患症例の受診前後と造影検査症例・手術症例を皆でチェックして共有し検討することによって診療・診断レベルの向上に努めています。学会発表や論文などの学術活動も積極的に行い、2023年も多くの学会等に参加し発表することが出来ました。
今後ともお困りの症例がございましたら是非御紹介頂けますと幸いです。
54歳男性 裂孔原性網膜剥離/増殖硝子体網膜症 ①術前 ②術後 ③術中所見 網膜下に直接トロカールを挿入して行う経強膜網膜下増殖除去法により最小限の網膜への侵襲で網膜下増殖を除去可能。 |