網膜硝子体外来 Vitreo-Retinal Surgery
【責任医師】齋藤 理幸
【担当医師】野田 航介、加瀬 諭、董震宇、清野有紀子、田中孝幸、谷向哲矢、横井康一、櫻井友梨

2021年度は、木村 真有子先生が時計台記念病院に、酒井 正人先生が手稲渓仁会病院に異動になり、時計台記念病院から鈴木 智弘先生が加わり総勢8名体制で診療を行っております。
2020年度から専門外来が午前中にシフトしたことによって時間的な余裕が生まれ、局麻全麻を問わずに臨時手術を専門外来の終了後の日中にも行うことが出来るようになりました。そのため、2021年(1~10月まで)の網膜硝子体手術件数は295件とこれまでより増加傾向にあります。症例は眼球破裂や増殖硝子体網膜症などの難疾患から黄斑前膜などの一般的な疾患まで広く行っております。手術は主にトレーニングプログラム医師と指導医の組み合わせで行い、高い治療レベルを保ちつつ最大限の教育効果を得られるように取り組んでいます。特に裂孔原性網膜剥離に関しては2021年の成績で67件中100%、増殖性硝子体網膜症に関しては26件中81%と高い初回復位率を得ることができ嬉しく思うと同時に網膜硝子体グループのメンバーの頑張りに大変感謝致しております。
手術手技は積極的に最新の方法を導入しており、眼内レンズ強膜内固定術や黄斑浮腫嚢胞切開術、黄斑下出血に対するtPA網膜下注入、網膜切開をすることなく網膜下増殖を除去する経強膜網膜下増殖除去法など最新の治療を行っています。 また、網膜グループでは手術だけでなく診療カンファレンスを毎週月曜日の夕方に開いており、全ての網膜外来新患症例の受診前後と造影検査症例・手術症例を皆でチェックして共有し検討することによって診療・診断レベルの向上に努めています。学会発表や論文などの学術活動も積極的に行っており、コロナ禍が落ち着きつつあるため、臨床眼科学会、網膜硝子体学会等に現地で参加し発表することが出来ました。
今後ともお困りの症例がございましたら是非御紹介頂けますと幸いです。
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69歳男性 糖尿病黄斑浮腫 ①術前 ②術後OCT所見 ③術中所見 ④摘出されたFibrinogen clot病理像。計8回の抗VEGF薬硝子体注射に抵抗性のDMEに対し嚢胞切開とFibrinogen clot摘出を行い術後に 糖尿病黄斑浮腫の改善がみられた。術後視力はVs=(0.4)を維持。 |