仕事をしながら 日々思う事
北海道大学大学院医学研究科
眼科学分野 助教
吉 沢 史 子
私は現在、大学の網膜硝子体グループでフルタイムの仕事をしていますが、子育てと仕事の両方を行うことはたいへんではないですか、と質問されることがよくあります。子供が小さく、仕事もトレーニング期間であった時期は、とにかく体力勝負で忙しい毎日だったと思います。ですが、子供は必ず成長しますし、仕事も経験の蓄積で楽になる事が確実に増えて行きます。たいへんな時期は、楽になるための貯金期間とも言える訳で、いつも同じペースでハードではないと感じています。私は、子育ては20年かかる大プロジェクト、ゆっくり構えて行こう、仕事は短期的な小さな目標をクリアして行こう、と考えて日々過ごしています。子育てしながら仕事をしていると、サポート体制の問題や家族の体調等、自分の努力だけでは解決出来ない事が沢山出てきます。男性と同じ時間軸での人生設計は出来ないですが、短期的に小さな目標をクリアする事で、達成感や次のstep に行くモチベーション、自己肯定感を持つことが出来ると思っています。
女性医師の働き方は、自分のいる環境によってdownshift(定時で帰る、週のうち数日だけ働く、など)あり、頑張ってキャリアアップあり様々だと思いますが、働きやすい環境に身を置くことも重要です。
幸い、北大眼科では、女性医師支援プログラムや専門性を深めるためのトレーニングプログラムがあり、女性にとって柔軟な素晴らしい環境です。そのため、北大眼科には、出産後も自分に合ったペースで仕事を続ける女性医師が沢山います。働くことは、自分に費やす人生の貴重な時間と体験。たいへんではあるけれど、働くことは楽しい(人に左右されない充実感、満足感を持つ)ことでもあります。今後も、仕事も子育ても、こつこつと続けて行きたいと思います。
(2011年 アニュアルレポートより)