医局スキー 2018年(ニセコ グラン・ヒラフ)

新海 晃弘

 

スキー合宿。それは、北大眼科医局員が雪山に集う会。今年も、3月初頭に、彼らはニセコに集結した。まぁ、合宿と言っても、皆で一緒になんとなく滑る会なのだが。

物語は、数台の車に分かれて札幌を発したところから始まる。乗用車3台から成る本隊と、家族単位で移動する別動隊は、順次、舞台となるニセコを目指した。朝に札幌を出た本隊は、順調にニセコへ向けて歩を進めていたかに見えた。ところがである。喜茂別を通るころ、本隊の主力である陳先生と南場先生の率いる車が、同時に道を逸れたのである。この流れに追随し損ねた荻野先生の車は、そのまま四季ニセコに直行した。のちに明らかになったことであるが、この時、陳先生と南場先生の車に乗っていたメンバーは、グルメバイブル二つ星「デルソーレ」で、焼き立てのピザに舌鼓を打っていたという。

ゲレンデでは、渡邉先生が外国人女性と衝突した際、当たり負けして吹き飛んだのは衝撃的であった。途中、激しい地吹雪で、ほぼホワイトアウトしていたにも関らず、一人の脱落者も出さなかったのは、日ごろから激しい前房炎症や硝子体混濁と戦う南場先生が先頭を率いていたからであろうか。

スキーを終え、各々が温泉や部屋の風呂で汗を流した上で向かった先は、グルメバイブル三つ星(ミシュラン一つ星)「Kamimura」である。この、世界中のグルメ客を集める名店では、道産の食材を活かしたフランス料理を提供しているのだが、特筆すべきはその創造性である。ポテトのチーズ焼きを例にとる。よくありそうなメニューだが、これに合わせられたキノコパウダーが、えも言われぬ味の深みを生み出すのである。また、ホタテ料理では、その全貌をスモークで隠したまま供することで、香りだけではなく、驚きすらも皿に載せた。グルメバイブルで三つ星であることをおもえば、今後ミシュランの星も増えていくのかもしれない。

翌日はあいにくの雨天であり、三々五々、帰路についた。スキー自体の楽しさ、先生方との交流、そして食事と、充実した合宿であり、今から来年の合宿が楽しみである。