高知県

アンナータ

 高知中心部の“はりやま橋”からほど近いところにあるレストラン。Googleマップで調べながら向かったが、なかなか店が見つからない。それもそのはず。店には看板などは一切無く、リアルに隠れ家的な店なのである。調べてみると、シェフは神戸のモダン・スパニッシュレストラン「カセント(→ 神戸グルメバイブル・フレンチ、イタリアン)」の出身。カセントもスペイン料理と標榜しながらも、和食やイタリアンに近い地中海風の料理を出している。
 階段で2階まで上がり、入口で靴を脱いで店内に入ると、右側に4名用の個室があり、左奥にはメインとなるカウンター席がある。カウンター席は、モノトーン調のインテリアに木のカウンターというシンプルな造り。コロナ禍のオフシーズンの日曜日だったせいか、ラッキーなことに、この日の客は僕一人だけという貸し切り状態。料理もサービスも若いシェフ一人だけのワンオペなので、18時からの一斉スタートである。この日のコースは9900円のお任せのワンコースだけであったが、以前は2コースがあったようだ。写真撮影は、お客様が写らないよう料理のみ可とのこと。
 最初の1皿目は、「赤海老のタルタル」。赤海老の下には菊芋タルトとピューレ、そして上にはハート型のクローバーのようなカタバミがのっている。手でつまんで一口で頬張ると、トロトロな食感と甘みを感じる。赤海老のタルタルの塩加減がピッタリで、この店は当たりの予感が・・・。2皿目は、「モクズガニの出汁でとったジュレとモクズガニの身の和え」。濃厚なモクズガニの出汁に刻んだ長芋の食感、そして生姜とハーブの香りが複雑に絡み合う。これとそっくりな料理をカセントで食べたことがあるが、こちらの方がより繊細。3皿目は、「原木椎茸の肉詰め」。上にはブラウンマッシュルームのスライスがのっており、これに椎茸でとったとろみのあるソースをかけてくれる。噛むと、ジューシーな肉と椎茸エキスが爆発する。ほんのりヴィネガーの酸味を感じる優しいソースとの相性も最高である。4皿目の「野菜サラダ」は、生野菜に乳清スープを注いで温野菜状態に。乳清スープは、トムヤムクンの様な酸味のある独特の香りがする。ここで出てきた全粒粉のパンは、皮がカリッとしていて中はモチモチ。塩味は強めで、ライ麦が入っているのか?若干の酸味を感じる。5皿目は、「ケンサキイカのイカ墨スパゲッティ」。ピリ辛でケイパーが香る。パスタの硬さも良く、コクがあって大根の角切りともよく合う。6皿目は、魚料理の「金目鯛の松皮揚げ」。身がシットリ、皮がカリッとして火の通し方はパーフェクト。下には刻んだリンゴが敷かれ、柑橘系の香りと豆乳ソースも含めて味的には微妙。7皿目は、メインの肉料理「岩手産ほろほろ鳥の炭火焼き」。ほろほろ鳥はシットリ柔らかく、ほんのり甘いマデラ酒のソースとも合う。とくに、ナッツと一緒に食べると味に深みが出て更に良かった。8皿目はデザートで、「四万十栗のムース」。アールグレイの香りが、栗の繊細な香りを抑えてしまっていた。その後は、コーヒーか紅茶の飲み物で終了となった。
 それにしても、地方店とは思えないくらい洗練された料理を供し、この値段でやっていけるのかと心配になるくらいコスパの良い店である。(2022年11月取材/2023年8月追加)

高知市南はりまや町1丁目17-23 MPビル2階 
電話番号:088-821-7222
定休日:不定休
営業時間:18時からの一斉スタート(完全予約制)
予算:お任せコース9900円(8皿)
アクセス:路面電車が交叉する「はりまや橋電停」の交差点にある「パチンコ&スロット123+N」裏の角のビル。とさでん交通・はりまや橋電停から徒歩1分
最寄りのランドマーク:はりまや橋電停、パチンコ&スロット123+Nはりまや橋店
お勧めポイント:食材にこだわった洗練された料理

「パチンコ&スロット123+N」裏の角のビル このビルです このビルの2階です。入口右側の4名用の個室が見えます 階段で2階まで上がり、入口で靴を脱いで店内に入る 入店前にガラス越しに撮影した入口左側にあるカウンター席。モノトーン調のインテリアに木のカウンターというシンプルな造り。コロナ禍のオフシーズンの日曜日だったせいか、ラッキーなことに、この日の客は僕一人だけという貸し切り状態(1席だけが準備されているのが分かる) ドリンクメニュー 最初の1皿目は、「赤海老のタルタル」 赤海老の下には菊芋タルトとピューレ、そして上にはハート型のクローバーのようなカタバミがのっている。手でつまんで一口で頬張ると、トロトロな食感と甘みを感じる。赤海老のタルタルの塩加減がピッタリで、この店は当たりの予感が・・・ 2皿目は、「モクズガニの出汁でとったジュレとモクズガニの身の和え」。濃厚なモクズガニの出汁に刻んだ長芋の食感、そして生姜とハーブの香りが複雑に絡み合う。これとそっくりな料理をカセントで食べたことがあるが、こちらの方がより繊細 3皿目は、「原木椎茸の肉詰め」。上にはブラウンマッシュルームのスライスがのっており、これに椎茸でとったとろみのあるソースをかけてくれる これで完成 噛むと、ジューシーな肉と椎茸エキスが爆発する。ほんのりヴィネガーの酸味を感じる優しいソースとの相性も最高 4皿目の「野菜サラダ」は、生野菜に乳清スープを注いで温野菜状態に 乳清スープは、トムヤムクンの様な酸味のある独特の香りがする ここで出てきた全粒粉のパンは、皮がカリッとしていて中はモチモチ。塩味は強めで、ライ麦が入っているのか?若干の酸味を感じる 5皿目は、「ケンサキイカのイカ墨スパゲッティ」。ピリ辛でケイパーが香る。パスタの硬さも良く、コクがあって大根の角切りともよく合う 6皿目は、魚料理の「金目鯛の松皮揚げ」 身がシットリ、皮がカリッとして火の通し方はパーフェクト 下には刻んだリンゴが敷かれ、柑橘系の香りと豆乳ソースも含めて味的には微妙 7皿目は、メインの肉料理「岩手産ほろほろ鳥の炭火焼き」ほろほろ鳥はシットリ柔らかく、ほんのり甘いマデラ酒のソースとも合う。とくに、ナッツと一緒に食べると味に深みが出て更に良かった 8皿目はデザートで、「四万十栗のムース」。アールグレイの香りが、栗の繊細な香りを抑えてしまっていた その後は、コーヒーか紅茶の飲み物で終了となった