日本料理 たかむら
日本で唯一江戸料理を標榜する日本料理店である。実は、店主の高村さんは、東京目白の伝説の江戸料理店「太古八」で修行した方。江戸料理のハッキリとした定義は知らないが、これまでの料理を見ると、「クリームコロッケ」や「フォアグラの茶碗蒸し」、「秋田錦牛のメンチカツ」、「比内地鶏のレバーペースト包み揚げ」、「比内地鶏のソーセージ」などといった遊び心をくすぐる一品がコースに必ず入っており(今回は「冷やし担々麺」)、伝統の中にも粋を感じさせる料理なのかもしれない。また、店主の高村さんは現在、今話題の豪華寝台リゾート列車「四季島」の最終日のディナーも担当しているため、列車が東北にやって来る週の火曜日と水曜日が営業できなくなったという。
入口を入ると、左側にオープンキッチンのカウンターがあり、右奥に6名(ギリギリだと8名)までの個室がある。カウンター席に座ると隣の1席が空けてあったが、これはゆったりとくつろいでいただきたいという店主の思いらしい。
コースは6000円、8000円、10000円の3コースあるが、今回は店のお勧めの10000円コースを注文。お酒のメニューを見ると、生ビールが何と東京のクラフトビール(新潟のエチゴビールに委託製造)である「ガージェリー・エステラ」だ。関東以外でこのブランドの生を置いている店は極めて珍しく、飲み物にも店主のこだわりを感じる。ただ残念だったのは、僕の好きな 「スタウト(→ 銀座グルメバイブル・バー・煙事を参照)」 でなかったことである。また、地酒のセレクトも良く、とりわけこの日飲んだ「両関・花邑 純米吟醸雄町」は良かった。この店の料理は地方レベルの店とは思えないくらい抜きんでており、「冷やし担々麺」以外は、素材、味付け共に素晴らしかった。
聞くところによると、今年の冬には札幌の 「壽山(→ 札幌グルメバイブル・日本料理の頁を参照)」 で、両店のコラボディナーを開催するらしい。また、この店は最近会員制の店となったが、これは決して敷居を高くするためのものではなく、最近観光地の飲食店で問題となっているドタキャン防止のためのものであるとのこと。現在のところ、一度来店すれば会員になれるということなので、まずは一度来店することをお勧めしたい。(2017年5月追加)
http://www.akita-takamura.jp
秋田市大町1-7-31
電話番号:018-866-8288
定休日:日曜・祝日(四季島を担当している期間中は火曜と水曜も休み)
営業時間:18時~22時半(完全予約制)
予算:コース6000円、8000円、10000円(店主お勧め)
アクセス:JR秋田駅からタクシーで5分
最寄りのランドマーク:日本銀行秋田支店、秋田県立美術館
お勧めポイント:地方レベルとは思えない洗練された日本料理店
住宅街にあります
ココです
駐車場の奥に入口があります
左の木の扉が入口。坪庭を挟んで奥に見えるのが個室
L字型のカウンター席はゆったりとしていい
ドリンクメニュー(ソフトドリンクメイン)。生ビールは東京のクラフトビールである「ガージェリー・エステラ」。地方で置いている店は極めて珍しい。しかし、「スタウト」でなかったのが残念
ドリンクメニュー(アルコールメニュー)
最初は「角右衛門 純米吟醸 直汲み生酒」。微発泡でフルーティー
まるで「八寸」のように豪華な「先付け」
左手前から赤ナマコをお茶にくぐらせたもの、自家製味噌のもろきゅう、北海道産ししゃも、ホタルイカの炙り、東京の「鮨さいとう」で教えてもらったという玉子焼き、えぞバイ貝の旨煮
漁獲量が少なすぎて他県には流通しないという「黒もずく」
上に乗っている京都の五色あられと同じような食感が面白い。黄色いのは三陸産のミョウバンを使わないムラサキウニ
これは? めかぶトロロのようにも見えますが、これこそ秋田で食べられている春のソウルフード「ワラビすりの子丼」だ。 ワラビを擦って粘り気をだし、出汁などで味付けしたご飯。シンプルではあるが春の息吹を感じる逸品で、これは美味しい!!
お椀は「蛤のお椀」。濃厚な蛤の出汁に加え、具材の筍、ワカメ、ワラビ、そして生の花山椒が鮮烈なアクセントを与えている
「お造り」は男鹿半島で獲れた2.5㎏の真鯛とアオリイカ、そしてオレンジ色のサクラマス。手前に見える黒い板状のものは水前寺海苔
黒い炭塩か醤油でいただく
この米なすは?
「比内地鶏と茄子の煮物」でした
「八寸」
左手前から「黒皮南瓜」、「黄ニラのお浸し」、「アメーラトマト」
左から秋田県産の「アスパラソバージュ」、「蒸しアワビ」、「四角いのは忘れました」、「スッポンの卵の漬け」
「両関・花邑」は「十四代」にも似た厚みのあるフルーティーな美味しいさ
「筍としんじょの挟み焼き」
「冷やし担々麺」
秋田名産の「ぎばさ」を練り込んで作り上げたという平太麺を使用している。味は担々麺というよりも「棒々鶏(バンバンジー)」のタレのような感じで甘い。もう少し白ごまの香りと辛さが欲しい
「水餅」は、葛の代わりにタピオカスターチを入れて作る店主のオリジナル
柔らかくて口溶けが良く美味しい。黒蜜はかなり甘めなので、かけ過ぎにご注意を!
帰る前に会員の申し込みをしたら・・・
すぐに会員証をもらった
豪華リゾート寝台列車「四季島」のパンフレットももらった