「豚丼」は昭和初期にその原型が生み出され、50年くらい前から十勝地方の食堂メニューとして登場した。初めは鰻の蒲焼きをイメージした代用品だったのかも知れないが、豚肉という異なった素材と甘タレが組み合わさることで別次元の美味しさとなり、一度食べるとクセになる。
この「いっぴん」は、実は帯広にある人気の豚丼専門店。これまで、元祖と名乗る店も含めていろいろな帯広の豚丼店を食べてきたが、僕はこの店が最も美味しいと思う。最近、札幌駅の「札幌ステラプレイス」に支店ができ、とても行きやすくなったが、両店ともファストフード店としては狭めだ。メニューは基本的に豚丼1本だが、ご飯の上に盛られた「豚丼」と肉だけの「豚皿」の2種類がある。これは牛丼店のスタイルと同じであるが、香ばしさを大事にしているため、炭火焼きにこだわっている。確かに、肉はタレにつけて炭火で重ね焼きにされているせいかとても香ばしい。肉は国産豚肉のロース肉を使用し、毎日帯広の精肉店から輸送しているという。
僕のお勧めは、肉だけを大盛りにした「特盛り豚丼」。ロース肉は脂身がほどほどあり、厚さも絶妙で、柔らかく味が染みていて美味しい。一般に十勝の店では、一口サイズにカットされた豚肉を1枚1枚焼くのが普通であるが、この店は大きめのロース肉を焼いてからカットしているのが特徴。なので、肉の大きさを注文することができるのだ。肉のカットの仕方は何も言わなければ「普通(写真のカット)」となり、他に「小さめ」、「大きめ」、「カットなし (ミニステーキ状態)」の計4タイプある。タレは甘さが絶妙で、香ばしく焼かれた豚丼にマッチしている。これは、ジンギスカンのタレメーカー「ソラチ」が、低温熟成させて作っているという。ドンブリにかけるタレの量は通常の他、「なし」、「少なめ」、「多め」に変更できる。途中で食べ飽きたら、山椒や七味、コショウなどのスパイスをかけて食べれば、さらに味にバリエーションが生まれる。メニューは肉の量とご飯の量によって、「特盛り(肉1.5倍・ご飯普通)」、「特特(肉1.5倍・ご飯大盛り)」、「大盛り(肉普通・ご飯大盛り)」、「ハーフ(肉半分・ご飯少なめ)」、「ハーフ大盛り(肉半分・ご飯普通)」、「豚丼ご飯少なめ(肉普通・ご飯少なめ)」となっている。
「味噌汁」と「豚汁」は、栃木県産の無添加味噌を使っており、煮玉子が半分入っている。「豚汁」は普通に美味しいので、「豚丼」と一緒に注文してもいいかも。しかし、デザートの「もちもち杏仁豆腐」だけはお勧めできない。ちなみに、店で使用している豚丼のタレは店頭でも販売しているので、北海道土産としてお勧めである。(2015年3月更新)
【札幌北10条店】
東区北9条東4丁目19
電話番号:011-741-8555
定休日:無休
営業時間:11時〜23時
予算:特盛り豚丼1,029円、豚汁210円
アクセス:地下鉄東豊線・北13条東駅2番出口を出て右へ向かう。「天使病院」を過ぎ、次の「INTEC」の信号を右折する。「GEO」と「ツルハ」を過ぎたら右角にある。「ホーマック」の西向かい。北13条東駅より徒歩10分
最寄りのランドマーク:天使病院、INTEC、GEO、ツルハ
お勧めポイント:北海道ナンバーワンの美味しい豚丼
【札幌ステラプレイス店】
中央区北5西2 札幌ステラプレイス6階
電話番号:011-209-5298
定休日:不定休(札幌ステラプレイスに準ずる)
営業時間:11時〜22時半
アクセス:JR札幌駅から直結
最寄りのランドマーク:JR札幌駅
札幌北10条店」は郊外型のファストフードタイプの店舗
狭い店内はいつも混んでいます
肉だけ増量した「特盛り豚丼(カット普通)」と「豚汁」
蓋を開けるとこんな感じ
肉の上には白髪ネギがのっている
ネギをどけて肉を再構成すると、「カット普通」はこの大きさ
豚汁の中には煮玉子が入っている
お勧めではないけど、「杏仁豆腐」も一応掲載しておきます
札幌駅と直結した「札幌ステラプレイス店」
焼いているところが見られます。ガラスで仕切られているので、「札幌北10条店」よりも油臭くなく快適
客席は縦長で狭い