鮨 しょう太
昨年12月にオープンした若き寿司職人の店。店主は登別出身で、銀座の「鮨 とかみ(→ 銀座グルメバイブル・寿司の頁を参照)」で2代目大将を任されていた人物(「鮨 とかみ」は現在、更に若い3代目に交代したため、現時点で掲載保留に)。かつて、彼が「鮨 とかみ」で2代目大将をしていた頃に訪れたことがあるが、なかなか美味しかったので、この店も取材してみることに。
店は完全予約制で、予約は有料予約サイト「OMAKASE」からのみ可能。また、コースはお任せの1コースのみで、つまみと握りが交互に出されるというスタイル。コース全体としてかなりのボリュームがあるので、小食の方は、シャリの大きさを小さくするよう店主に言っていただきたい。入店はスタートの10分前からということで、地下1階にある店の前で待つことに。店の前には、写真撮影はOKだが、シャッター音のする機器は使用不可という表示が。また、他の客が写らないような配慮も求められる。開店時間になり、女将さんに名前を告げると、一組ずつ案内された。店内はカウンター8席のみで、席間隔は多少窮屈め。
生ビールは、サントリーの「マスターズドリーム」。店主が大好きだというワインはボトルのみの販売で、ワインリストはiPadで供される。日本酒は半合からで、銀座の「鮨 とかみ」時代よりも日本酒のセレクトが良くなった。この日は、三重の「作」や「而今」、福島の「ロ万」、栃木の「仙禽」などが出てきた。
まずは、「マグロの手巻き寿司」からのスタートで、これは「鮨 とかみ」と同じスタイル。そして、威勢の良い大将の挨拶の口上へと続く。2品目のお椀は「毛蟹真丈」。出汁が濃厚に引かれ、真丈もふんわりと仕上がっていて、毛蟹の香りに満ちあふれていた。3品目は「バフンウニの軍艦巻」。これでもかというくらいタップリと盛られたウニは、この時期のものとしては申し分なかった。4品目は「金目鯛の昆布締め」で、ガラスの器は小樽の工房に特注したものだという。この店の昆布締めは、全て浅めに締められているが、これは昆布締めが昆布の旨味を移す作業というよりも、身を脱水させて旨味を凝縮させる作業という大将のポリシーによるものだが、僕的には物足りなく感じてしまう。5品目は「赤貝の握り」。身が厚くて歯ごたえが良く、素晴らしい。6品目は「サワラの昆布締めの握り」。身がネットリと柔らかくて美味しい。7品目は「太刀魚の自家製カラスミがけ」。ふっくらトロトロの太刀魚に、カラスミが何とも言えない深みを与えている。素晴らしい逸品であり、本日一番のアテであった。8品目は「中トロ(ハラミ)の握り」、9品目は「中トロ(背中)の握り」と本マグロの握りが続き、10品目のトラフグの出汁餡をかけた「トラフグの白子の飯蒸し」を挟んで11品目の「大トロの握り」、12品目の「赤身の漬けの握り」で本マグロの握りは終了となった。千葉県産の本マグロは質が良く、どれも外れのない美味しさだった。13品目の「コハダの握り」は塩抜きが上手く行っておらず、かなり塩辛かった。14品目の「ブリ大根」は、甘ったるさがなく洗練されている。15品目の「スミイカの握り」は、歯切れが良く抜群に美味しかった。16品目の「車海老の握り」は、見た目とは裏腹に、茹でたてで甘みと香りがあった。17品目の「あん肝クリームチーズのモナカ」は、ウイスキーゼリーとあん肝クリームチーズ、更にあんぽ柿をモナカで挟んだもの。富山の「満寿泉」の貴醸酒と共に出されたが、中の餡が塩辛くて甘いので、甘く熟成香が香る貴醸酒との相性も抜群。さらに、18品目の「ヒラメの昆布締めの握り」、19品目の「しじみ汁」、20品目の「煮ハマグリの握り」、21品目の「サヨリの握り」、22品目の「穴子の握り(塩かツメのいずれかを選べる)」、そして23品目の「玉子焼き」で終了となった。
使用しているネタの質はどれも素晴らしく、つまみも美味しく、握り方も良かった。しかし、唯一気になったのはシャリである。シャリはこまめにお櫃へと運ばれ、温度管理という点では申し分なかった。しかし、全般的に硬めな上に、複数あると思われる一部のシャリの塩分と赤酢が強すぎて、僕好みではなかったのである。また、地下にあるせいか、冬季の足下はかなり寒かった。(2023年2月追加)
中央区北1条西3丁目3-14 敷島プラザビル別館 地下1階
電話番号:090-6802-8306(有料予約サイトOMAKASEからの完全予約制https://omakase.in )
定休日:日曜・祝日
営業時間:二部制で、18時と20時半からの一斉スタート(水曜のみ12時と17時のスタート)
予算:【お任せコース】30800円
アクセス:地下鉄大通駅から札幌駅前通地下歩行空間を通ってJR札幌駅方面へ進む。札幌グランドホテル向かいの9番出口を出て、「松屋(敷島北一条ビル)」の中通りへ右折するとすぐ右側にある。大通駅から徒歩5分
最寄りのランドマーク:札幌グランドホテル、敷島北一条ビル
お勧めポイント:美味しいつまみと握りをお腹いっぱい堪能できる店
右が駅前通に面した敷島北一条ビルで、左が敷島プラザビル別館です 行灯の先の・・・ 地下への階段を下りると・・・ ココです! 店の前には、写真撮影は可だが、シャッター音のする機器は使用不可という表示が。また、他の客が写らないような配慮も求められる 開店時間になり、女将さんに名前を告げると、一組ずつ案内された 店内はカウンター8席のみで、間隔は多少窮屈め まずは、「マグロの手巻き寿司」からのスタートで、これは「鮨 とかみ」と同じスタイル 2品目のお椀は「毛蟹真丈」。出汁が濃厚に引かれ、真丈もふんわりと仕上がっていて、毛蟹の香りに満ちあふれていた 3品目は「バフンウニの軍艦巻」。これでもかというくらいタップリと盛られたウニは、この時期のものとしては申し分なかった 4品目は「金目鯛の昆布締め」で、ガラスの器は小樽の工房に特注したものだという。この店の昆布締めは、全て浅めに締められているが、これは昆布締めが昆布の旨味を移す作業というよりも、身を脱水させて旨味を凝縮させる作業という大将のポリシーによるものだが、僕的には物足りなく感じてしまう 5品目は「赤貝の握り」。身が厚くて歯ごたえが良く、素晴らしい 6品目は「サワラの昆布締めの握り」。身がネットリと柔らかくて美味しい 7品目は「太刀魚の自家製カラスミがけ」。ふっくらトロトロの太刀魚に、カラスミが何とも言えない深みを与えている。素晴らしい逸品であり、本日一番のアテであった 8品目は「中トロ(ハラミ)の握り」 9品目は「中トロ(背中)の握り」と本マグロの握りが続き・・・ 10品目のトラフグの出汁餡をかけた「トラフグの白子の飯蒸し」を挟んで・・・ 11品目の「大トロの握り」12品目の「赤身の漬けの握り」で本マグロの握りは終了となった。千葉県産の本マグロは質が良く、どれも外れのない美味しさだった 13品目の「コハダの握り」は塩抜きが上手く行っておらず、かなり塩辛かった 14品目の「ブリ大根」は、甘ったるさがなく洗練されている 15品目の「スミイカの握り」は、歯切れが良く抜群に美味しかった 16品目の「車海老の握り」は、見た目とは裏腹に、茹でたてで甘みと香りがあった 17品目の「あん肝クリームチーズのモナカ」は、ウイスキーゼリーとあん肝クリームチーズ、更にあんぽ柿をモナカで挟んだもの 完成 富山の「満寿泉」の貴醸酒と共に出されたが、中の餡が塩辛くて甘いので、甘く熟成香が香る貴醸酒との相性も抜群 富山の「満寿泉」の貴醸酒18品目の「ヒラメの昆布締めの握り」は、深みと旨味に乏しい 19品目の「しじみ汁」は、シンプルな塩味 20品目の「煮ハマグリの握り」は、火の通り良し 21品目の「サヨリの握り」は、シソと擦ったアサツキが挟まれていた 22品目の「穴子の握り」は、塩かツメのいずれかを選べる。塩にしたが、ふっくらと泥臭さがなくて美味しい そして23品目の「玉子焼き」で終了となった。通常のカステラ様の玉子焼きとは異なり、とろけるような食感