14. スパニッシュ、エスニック料理、洋食、その他
中央区
2019年11月に札幌中心部へ移転してきたドリアとオムライスの店。朱色を用いた外観は、藻岩下にあった頃の面影を残している。ドアを引いて店内に入ると、中は思ったよりも狭く、入口側と奥にテーブル席があり、中央の壁側にカウンター席がある。
ランチタイムメニューは、オムライスとドリア、生パスタ、ステーキなどがあり、それぞれがセットメニューになっている。水曜〜金曜限定の「平日ランチ」は、オムライスとドリア、生パスタの中から1つを選べ、それにカップスープが付く。僕のお勧めの「パラティーノランチ」は曜日に関係はなく、カップスープと前菜3品に加え、オムライス、ドリア、生パスタのいずれかを選べるという充実した内容となっている。「ステーキランチ」は、ステーキ180gに前菜3品とカップスープ、そしてライスまたはパンが付く。メインメニューの僕のお勧めは、店の名物でもある「オムライス」。オムライスのソースは、デミグラス、トマト、クリームチーズ、カレーの4種類があるが、デミグラスかトマトがいい。もしもドリアを注文するときには、「ハンバーグドリア」か「豚肉のカレードリア」がお勧めである。カレードリア以外のドリアソースは、卵黄と溶かしバター、チーズ、ベシャメルで作った濃厚なモルネソースを使用していて美味しい。
オムライスは大きく分けて、玉子でしっかりと包み込むクラッシックスタイルとタンポポスタイルと言われるオムレツのせタイプがある。この店のオムライスはオムレツのせスタイルで、卵は江別の太田ファームの「ココットレッド」を使用しているというこだわりも。出てきたオムレツは表面がとても美しく、シェフの高いスキルを伺わせる。表面をナイフで切ると、半熟状のトロトロなオムレツがチキンライス上に広がる。しっかりと味付けされたチキンライスとオムレツをスプーンですくい、ソースと共にいただくと、この上ない至福の美味しさが口に広がる。デミグラスソースとの相性はもちろん良いが、旨味のあるトマトソースもチキンライスの美味しさを見事に引き出している。(2021年5月追加)
http://palatino.web.fc2.com/
中央区北4条西14丁目1の63 ミニ大通ビル1階
電話番号:011-206-6768
定休日:月曜と火曜
営業時間:【ランチ】11時半〜14時半、【ディナー】17時半〜20時半
予算:平日ランチ(スープ付き)900円、パラティーノランチ1300円
アクセス:地下鉄東西線・西18丁目駅4番出口を出て左へ。「大通幼稚園」、オレンジ色の「STKグループ」を過ぎた信号を左折する。「Big Shine 88」駐車場、「中央警察署北一条西交番」を過ぎ、知事公館に沿って進むと、北3条通りを過ぎた次の信号の右角にある。西18丁目駅から徒歩10分
最寄りのランドマーク:知事公館(中央警察署北一条西交番)
お勧めポイント:オムライスが美味しい洋食店
南須原先生から教えてもらったスリランカ風カレー店。敢えて「スリランカ風」と表示する理由は不明だが、既製調味料を全く使用しない本格的なカレー店である。スリランカカレーは、最近増えてきた南インドのサラサラカレーに近く、鰹節のようなモルディブフィッシュやココナッツミルクなどを使い、ライスや豆煎餅・パパダンと共にいただく。グルメバイブルには、札幌の「チャンドリカ(→ 札幌グルメバイブル・カレーの頁を参照)」や大阪の「ヌワラカデ(→ 大阪グルメバイブル・カレーの頁を参照)」などが掲載されている。
古い喫茶店のような狭く雑然とした店内に入ると、右側に2名用のテーブル席が1つとカウンター席が3席、左の窓側に4名用のテーブル席が2つある。この店は、調理からサービスまで全てをお母さん一人でやっているため、込んでいると多少時間がかかる。
メニューを見ると、カレーは肉ベースのレッドカレーと野菜ベースのイエローカレーの2つを選び、相盛りするのが基本のようだ。レッドカレーはレギュラーの「辛辛チキン」、「和風甘辛ポーク」、「甘辛ポークキーマ」、「甘甘マンゴーポーク」の4種があり、この他に、その日の気まぐれレッドカレー(この日は「辛ポーク」)が奥のホワイトボードに掲示されていた。イエローカレーは、「今日の野菜」と「季節の野菜(100円増し)」の2種。この日の「今日の野菜」は、玉ねぎとキャベツで、「季節の野菜」は長芋であった。さらに、メニューには「お子様カレー」もある。また、開店から15時までのランチタイムには、ヨーグルトと紅茶がサービスされる。
レッドカレーは辛さがカレー毎に決まっていて辛さを選ぶことができないが、食べてみるとどのカレーも中辛から辛口くらいで、さほど辛さに大きな差はないようだ。イエローカレーはココナッツミルクが入った野菜カレーで、全く辛くない。また、添えられている「ひよこ豆やレンズ豆のカレー」は、サービスのカレーらしい。僕のお勧めは「辛ポーク」と「キャベツ」のコンビで、さらに、辛味調味料の「ルヌ ミリス」が必須のトッピングアイテムである。ライスは、「クミンライス」よりも「白米」の方がカレーの味が良く分かる。ライスの量は350gまで無料であるが、250〜350gぐらいがベストであろう。
まずはレッドカレーとライスとで食べ、途中でイエローカレーとライス、さらに、「ルヌ ミリス」を少しずつレットカレーに投入してライスと共に食べると、一気に味に重層感と深みが増して最高である。最後には2つのカレーが混ざりあって味変して面白い。(2019年4月追加)
中央区南19条西7丁目3-26
電話番号:011-206-7189
定休日:金曜(隔週の木曜日など不定休あり)
営業時間:11時45分~14時半、17時~19時(木曜は夜の営業なし)
予算:和風甘辛ポーク+今日の野菜1100円
アクセス:札幌市電・静修学園前電停と幌南小学校前電停の間にある。幌南小学校前電停から徒歩3分
最寄りのランドマーク:山鼻19条交差点(西7丁目通と環状通の交差点)
お勧めポイント:女性店主が作る本格的なスリランカ風カレー
閉店 スペイン料理とワイン コチニージョcochinillo
三条美松ビル2階にあるスペイン料理店。経営母体は変わっていないようだが、かつてはフレンチとして営業していた店だ。僕の記憶が間違っていなければ、現在の宮坂シェフが3人目のシェフで、確か、彼はイタリアンの 「サボ SABOT(→ 札幌グルメバイブル・イタリアンの頁を参照)」 でも働いたことがある料理人である。
昭和のビルと一見ミスマッチとも思えるアーティスティックな外観を抜けると、2階分が吹き抜けになった開放感のある空間が広がる。外観は変わったようだが、店内はほとんど変わっていないように思える。
この店の名物は、1時間近くかけて焼くという「スペイン産子豚のオーブン焼き」や一羽丸ごと焼く「スペイン産地鶏のオーブン焼き」、ウサギ肉や米を魚介のスープで煮込んだリゾットの料理「アロス・コン・コネッホ」など。「スペイン産地鶏のオーブン焼き」は、残念ながら鳥インフルエンザの影響で現在輸入停止となっているためにいただけない。なので、お勧めは「スペイン産子豚のオーブン焼き」である。「スペイン産子豚のオーブン焼き」は、カリッと焼かれた豚皮と豚肉に、焼くときに溶け出した脂に牛骨と鶏ガラのフォンを合わせたソースをかけていただくのだが、そのまま食べてももちろん美味しい。低温で長時間かけてローストしたその味わいは、最近食べた豚肉料理としては最高レベルの美味しさである。同じロースト系である中華料理の「子豚の丸焼き」とは、また違った味わいだ。
ワインリストを見るとスペインワインの生産者についての記述もあり、ワイン初心者に対してとても親切。また、ボトルの価格も適正であり、ダイニングバー的な使い方もできるユーティリティーの高い店である。(2017年3月追加)
中央区南3条西5丁目 三条美松ビル2階
電話番号:050-5592-3610
定休日:火曜
営業時間:【月~土】12時~14時、17時半~22時、【日曜・祝日】12時~14時、17時半~21時
予算:スペイン産子豚のオーブン焼き900円/100g(300gから)、スペイン産地鶏のオーブン焼き2500円(1羽)
アクセス:地下鉄南北線・すすきの駅2番出口を出て、サンクスのある交差点を右折。観覧車のある「ノルベサ」の交差点を左折するとすぐ右側のビル。すすきの駅から徒歩3分
最寄りのランドマーク:ノルベサ
お勧めポイント:最高レベルの豚肉料理が味わえるスペイン料理店
大通エリアにある人気のタイ料理店。調べてみると、実は琴似が本店のようである。ビルの2階にある店内に入ると、右側に何故か小さなバーカウンターがあり、左側から奥にかけてテーブル席がある。料理人は2人ともタイ人らしく、サービスは日本人とタイ人の2人の女性が担当している。
メニューを見ると、僕が何度も食べたことがある定番料理から食べたことのない料理までかなりの品数が並ぶ。今回食べた中でのお勧めは、「ガパオムーコォップ・ラードカオ」、「ラープガイ」、「ラープムー」、「パッブンファイデーン」、「シューシー・プラー」など。
「ガパオムーコォップ・ラードカオ」は、ピリ辛の豚バラ肉のバジル炒めご飯で、そのまま食べても美味しいが、唐辛子入りナンプラーをかけて食べると更に味に深みが増していい。また、長粒米であるジャスミンライスもこの味にマッチしている。「ラープガイ」と「ラープムー」はタイ東北部の代表的な料理であるが、違いは肉の違いだ。「ラープガイ」は鶏肉を、「ラープムー」は豚肉を使用している。辛さをどうするか聞かれたので、「現地の辛さで!」と注文したら、これがかなり辛かったが実に美味しかった。「パッブンファイデーン」は、現地でポピュラーな空心菜を使ったピリ辛炒めで、これも外さない美味しさ。「シューシー・プラー」はレッドカレーを使った魚炒めで、バイマックルというハーブが何とも言えない美味しさを醸し出している。
ちなみに、タイの人気焼きそば「バッタィ」と鶏肉のマッサマンカリー「ゲンマッサマンガイ」は少し甘め味付けなのでお勧めできない。さらに、デザートもお勧めと言うほどのレベルではなかった。(2016年4月追加)
中央区南1条西5丁目20 郵政福祉札幌第一ビル2階
電話番号:011-200-1333
定休日:火曜
営業時間:11時〜15時、17時〜22時
予算:ガパオムーコォップ・ラードカオ1000円、ラープガイ830円、パッブンファイデーン1120円、シューシー・プラー880円
アクセス:地下鉄大通駅10番出口を出て、「4丁目プラザ」、「TSUTAYA」の信号を右折して西側へ進む。「藤井スポーツ」、「ホテルオークラ札幌」の信号を過ぎ、次の信号手前の右角のビル。地下鉄大通駅から徒歩3分
最寄りのランドマーク:TSUTAYA、4丁目プラザ、ホテルオークラ札幌、藤井スポーツ
お勧めポイント:札幌ナンバーワンのタイ料理店
地下鉄・大通駅近くの古いビルの地下にある人気の洋食店。入口を入ってすぐにオープンキッチンのカウンター席があり、右奥にテーブル席がある。メニューを見ると、一般的な洋食メニューから創作メニューまでいろいろとあるが、シェフはフレンチ出身なの?というメニューも多い。ランチとディナーではメニューが若干異なり、値段はこの種の店としては高めである。
この店の売りは、継ぎ足して作っているという自家製のデミグラスソース。なので、僕の一押しは「ハッシュドビーフ オムレツライス」か「エスカロップライス メンチカツ ハッシュドビーフソース」。「ハッシュドビーフ オムレツライス」はオムライスではなくオムレツライスなので、ケチャップライスではない。「エスカロップ」と言えば、炒めたバターライスの上にデミグラスソースがかかったポークカツレツがのった根室のご当地メニューである。しかし、この店の「エスカロップライス メンチカツ ハッシュドビーフソース」は、通常のライスにオムレツ、そしてメンチカツ、ビーフ入りデミグラスソースがかかったオリジナル料理である。つまり、「エスカロップライス メンチカツ ハッシュドビーフソース」との違いは、単にメンチカツがのっているかどうかだけの差なのだ。
この店の料理は、どの料理も基本コース仕立てになっている。まず出てくるのは鰹だしベースのビーツのスープ。具材として小豆と黒豆が入っており、和洋が融合した素晴らしい出来のスープである。続いて日替わりのアミューズのような3種の小さな前菜が出され、そしてインディッシュとなる。メインには温野菜付きサラダが一緒に盛られ、そしてご飯かパンのどちらかを選べる。さらに、口直しのシャーベット、そしてコーヒーか紅茶などの飲み物が付き終了となる。
価格は確かに高いと思うが、それなりに手間暇をかけて丁寧に作られたワンランク上の洋食と考えていただきたい。(2015年7月追加)
中央区南1条西5丁目 プレジデント松井ビル100地下1階
電話番号:011-252-3711
定休日:月曜、第3日曜
営業時間:ランチ】11時半〜13時半(日曜は14時まで)、【ディナー】17時〜21時(日曜は19時半まで)
予算:ハッシュドビーフ オムレツライス1,404円
アクセス:地下鉄大通3番出口を出て、大通公園とは逆方向の電車通りへ向かう。ホテルオークラ札幌の角を右折し、電車通りと進むとすぐ右側のビル。大通駅から徒歩3分
最寄りのランドマーク:ホテルオークラ札幌
お勧めポイント:丁寧に作られたワンランク上の洋食
入口にあったランチメニュー1(もっと多くのメニューを掲載した正式なメニューもあります)
入口にあったランチメニュー2
料理はどれもコース仕立てになっており、いつも最初に出される「鰹だしベースのビーツのスープ」。具材に小豆と黒豆が入り、和洋が融合した旨みタップリのスープ
プチ前菜3種
「ハッシュドビーフ オムレツライス」
オムライスではなくオムレツライスなので、ケチャップライスではない
温野菜や生野菜の盛りつけも丁寧で美しい
シャーベット
コーヒー
この店の「エスカロップライス メンチカツ ハッシュドビーフソース」は、通常のライスにオムレツ、そしてメンチカツ、ビーフ入りデミグラスソースがかかったオリジナル料理である。つまり、「エスカロップライス メンチカツ ハッシュドビーフソース」との違いは、単にメンチカツがのっているかどうかだけの差だ
「よくばりコンビプレート」のメンチカツ(100g)+海老フライ2匹+ホタテフライ1コ、ライス付き
メンチカツのアップ
海老フライとホタテフライのアップ
真狩産ハーブポークと粗挽き牛を使用した「とろとろチーズ入り・デミグラス・ハンバーグ」とライス
断面はこのような感じ
かつて薄野に、東京青山の有名トルコ料理店「ハレム(閉店)」のオーナーが経営していた「トルコ・ビストロ タファtafa」という店があった。グルメバイブルで2つ星を獲得するほどの名店であったが、惜しまれつつも閉店。その後、同店の料理長だったキサル・ムスタファさんが、「トルコキッチン ザ・ケバブ」の料理長を経て、この店をオープン。
喫茶店のような雰囲気の店内は、入るとテーブル席が並び、左奥にはカウンター席もある。ハラル認証店ではあるがアルコールも置いており、ビールはトルコビール「エフェス」とザクロ味の「ノンアルコール・エフェス」がある。「エフェス」はサッパリとしたドライタイプのビールで、可もなく不可もなしといった感じ。水を加えると白く濁ることで有名なトルコ焼酎「ラク(ラキ)YENI RAKI」は、“ライオンのミルク”とも呼ばれる蒸留酒で、アニスの香りがする。どこか中国の「白酒」やギリシアの「ウーゾOuzo」にも似ているが、独特の香りに慣れてくると結構いける。トルコ産のワインなんてあったの?と驚くかもしれないが、この店には赤白のドライタイプのトルコワインもある。
料理はどれも総じて美味しく、本格的なもの。しかし、「タファtafa」にあったドネルケバブ専用のロースターがなく、料理の品数も「タファ tafa」の頃に比べて少ないが、その分価格も低く設定されているので、「タファ tafa」と同等の評価とした。
この店のお勧めは、トロトロとした食感のナス料理。冷たい前菜のイチオシは、茄子とトマトで作った「シャクシュカ(タファ tafaのメニューではキュベオール)」。まさに、イタリア料理「ラタトゥイユ」のトルコバージョンで、ケーキのように美しい。塩味もピッタリで、キサル・ムスタファさんの芸術的なセンスを感じさせる逸品。また、トルコ風のディップの「エズメ」もいい。「タファ tafa」では7種類のエズメがあったが、この日の「エズメ」は4種類。とくに、胡麻入りのパン「エキメキ」にのせて食べると美味しい。「タファ tafa」では、「ホウレン草ヨーグルト」と「ニンジンヨーグルト」、「空豆とディル」のエズメが良かったが、この日あったのは「ニンジンヨーグルト(ハウッチュ)」のみ。温かい前菜でのお勧めは、ナスとチーズの温かいペーストにローストした肉やマグロなどをトッピングした「ベエンディ」。とくに、「中トロの炙りのベエンディ」が最高だが、こちらはスペシャリティなので事前の予約が必要。しかし、通常メニューにあるラム肉のベエンディ「ヒュンキャル ベエンディ」も美味しく、こちらもお勧め。また、最近メニューに載った世界最小の水餃子「マントゥ」も、ヨーグルト味のサッパリとした一品。さらに、メニューには掲載されていないが、肉料理「ドネルケバブ(フライパンで焼いたチキンの炙り焼き)」や「スパイシーラムケバブ」、トルコ風デザートのライスプティング「ストラッチ」もお勧めであるが、これらも事前のリクエストが必要だ。(2024年7月更新)
中央区南6条西14丁目1-20 オギマンション1階
電話番号:011-777-4139
定休日:日曜
営業時間:11時半〜14時、17時半〜22時
予算:エズメミックスプレート(大)2370円、(小)1980円、シャクシュカ(1〜2人前)1280円、(3〜4人前)1580円
アクセス:札幌市電・西線6条電停から徒歩1分
最寄りのランドマーク:札幌市電・西線6条電停
お勧めポイント:北海道では珍しい本格的なトルコ料理が食べられる
東区
1994年にオープンした元町駅近くの小さな洋食店。店舗はビルの1階にあるが、入口が裏通りに面しているため、通りがかりにふらっと入るような店ではない。扉を開けて店内に入ると、中は狭く、奥の調理場に面したカウンター席が3席と手前のテーブル席が3つ(12席)のみ。また、店内には小さな洋食店にはミスマッチとも思える自動券売機が置かれている。聞くところによると、料理長の北山さんは東京の帝国ホテルで修行したらしく、それを示すように、壁には伝説の村上信夫シェフの色紙が飾られていた。
先ずは、自動券売機で食券を購入。メニューはグランドメニューの他に、日替わりのA、Bランチセットなどがある。僕の一押しは「オムライス」で、ケチャップとデミグラスのどちらかを選べる。中のチキンライスはベチャっと水分多めで、トマトの酸味も強めなので、この点は好みが分かれるところ。しかし、ライスを包んでいる玉子はフワッとしていてシェフのスキルが感じられ、しっかりとコクのあるデミグラスソースも美味しい。その他のお勧めは、「ハンバーグ」と「サーロインのビーフカツレツ」の2つ。「ハンバーグ」は、デミグラスソースかおろしポン酢ソースを選べ、挽肉は牛と豚の合挽きのような香りがする。焼き方はジューシーで良いがボリューム少なめなので、240円を追加してメガサイズにすることをお勧めしたい。いずれにしても、ハンバーグのデミグラスソースが素晴らしく、コクや苦味なども含めて、全てのバランスが最高である。「サーロインのビーフカツレツ」は、ハンバーグと同様にデミグラスソースかおろしポン酢を選べる。もちろん、美味しいデミグラスソースの方をチョイスすべき。肉の脂身はカットされているため、ほぼ赤身に近い適度な歯応えがある。パン粉は細かく薄めで、肉は細長くカットされていた。
全てのセットメニューには「コーンポタージュスープ」と「サラダ」が付くが、「コーンポタージュスープ」は濃厚で甘みがあり、刺身のツマのような大根とレタスが入った「サラダ」は、シャキシャキとした食感と和風テイストのドレッシングが良い。
それにしても、このようなしっかりとした技術に裏打ちされた良質な洋食を提供してくれる店は意外に少なく、札幌にとって貴重な財産である。(2021年〜2022年取材/2023年5月追加)
https://www.laurier.store
東区北24条東16丁目1-21 FC元町ビル1階
電話番号:011-782-1839
定休日:月曜、第2・第4火曜
営業時間:【ランチ】11時半〜14時、【ディナー】17時〜20時半
予算:オムライス(ケチャップorデミグラス)1100円、ハンバーグ(おろしポン酢orデミグラス)1300円(デミフォンデュチーズは1400円)、ビーフカツレツ(おろしポン酢orデミグラス)2150円
アクセス:地下鉄東豊線・元町駅3番出口を出て右へ。最初の交差点(常口アトムあり)を右折し、更に次の交差点をすぐに左折すると左側にある。元町駅から徒歩1分
最寄りのランドマーク:地下鉄東豊線・元町駅
お勧めポイント:技術に裏打ちされた良質な洋食を提供する素晴らしい洋食店
札幌苗穂通にあるスリランカカレーの店。スリランカカレーは、ココナッツミルクや鰹節のようなモルジブフィッシュの出汁を使用するのが特徴。現地では、ブレンドされたカレースパイスも一般に販売されていて、それを利用する人々も多いらしい。カレーのルーはサラッとしており、どちらかと言えば南インド料理に近い感じだ。ビルの1階にある店の前にはギリギリ2台が駐車可能なスペースがある。店内に入ると昭和の喫茶店のような雰囲気。左側にカウンター席が、そして右側にテーブル席がある。この店のシェフはスリランカ出身のママさんシェフの今井チャンドリカさんである。
ランチタイムのメニューを見ると、カレーは「ポークカレー」、「チキンカレー」、「スープカレー」の3種類。「ポークカレー」と「チキンカレー」の2つは「セット」かワンプレートの「チャンドリカレー」のいずれかを選べるが、「スープカレー」はセットのみである。セットメニューには、ライス、サラダ、ルーヌサンボラ(タマネギの酢漬け・インド料理で言うアチャール)、飲み物(セイロンティーか生姜ティー)が付く。「チャンドリカレー」やセットメニューに付く飲み物は、プラス100円で「キリティ(インド料理で言うチャイ)」か「コーヒー」に変更することも可能だ。この店のコーヒーは、札幌グルメバイブルに掲載されている 「丸美珈琲店(→ 札幌グルメバイブル・カフェの頁を参照)」 の豆を使用しており、その都度頃合いを見計らって抽出するといったこだわりよう。1日10食限定の「チャンドリカレー」は、ポークあるいはチキンカレーとその日の温野菜3種類、ライス、サラダ、ルーヌサンボラ、パパダム(豆粉の煎餅)が、全て一皿に盛られたワンプレートランチである。温野菜やパパダムが入っている分、カレーやライスが少なめとなっており、ビジュアルも含めて女性受けしそうな品である。加えて、日替わりの温野菜も思っていた以上に美味しく、野菜好きにはお勧めである。なので、しっかりとカレーを食べたいという方はセットメニューで、野菜とバランス良く食べたいという方は「チャンドリカレー」を注文するのがいい。また、「チキンカレー」と「スープカレー」の辛さは1番から20番まで、辛口の「ポークカレー」は5番から20番までの中から選ぶことができる。ちなみに、1番が甘口、3番が中辛、5番が辛口である。さらに、ライスは黄色いターメリックライスで、「ロティ(インド料理で言うナン)」に変更することも可能だ。
僕のお勧めは、何と言ってもグローブの香りが特徴的な「ポークカレー」。ルーはサラッとしていてとてもスパイシー。一口食べると、東京にある南インド料理店 「南インドカレー&バル エリックサウスERICK SOUTH(→ 銀座グルメバイブル・カレーの頁を参照)」 の「マトンカレー」を彷彿させるホールスパイス感のある味が口一杯に広がる。試してみたい方は、まずは初級編の5番からチャレンジしてみてほしい。もう一つの「チキンカレー」は、「ポークカレー」ほどのインパクトこそないが、こちらもなかなか美味しい。それにしても、彼女の作るカレーは本当に美味しく、僕にとってドストライクなカレーである。(2015年11月追加)https://www.facebook.com/SriLankaCurryChandrika
東区本町2条4丁目5−1 ヤマザキビル1階
電話番号:011-783-1001
定休日:火曜
営業時間:11時半〜14時半、17時半〜21時
予算:ポークカレーセット900円、チャンドリカレー900円
アクセス:地下鉄東豊線・環状通東駅4番出口を出て右へ。「ゲオGEO」の角を右折して環状通を進む。600mほど行くと「丸亀製麺」や「メンズプラザAOKI」がある交差点が見えるので、信号を右折して苗穂通を進む。100mほど進むと右に苗穂神社が見えるので、その向側。環状通東駅から徒歩15分
最寄りのランドマーク:苗穂通、苗穂神社
お勧めポイント:本格的なスリランカカレーが味わえる